JP4164866B2 - 燃料蒸気の漏れ検査モジュール - Google Patents
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Description
従来、広く用いられている燃料蒸気の漏れ検査モジュールでは、ポンプを用いて燃料タンクの内部と外部との間に圧力差を形成している。燃料タンクの内部と外部との間に圧力差を形成することにより、燃料タンクから燃料蒸気が漏れている場合、ポンプを駆動するモータの負荷が変動する。このモータの負荷の変動を検出することにより、燃料タンクからの燃料蒸気を含む空気漏れを検出している(特許文献1参照)。
ところで、モータはポンプを駆動するための回転軸部材を有しており、回転軸部材を支持する軸受部材と回転軸部材との間には潤滑剤が充填されている。回転軸部材と軸受部材との間に潤滑剤を充填することにより、回転軸部材の滑らかな回転が確保される。
請求項4記載の発明では、接続手段は軸受部材の溝部と仕切部との間に形成される連通穴を有している。連通穴は、軸受部材に溝部を形成することにより、仕切部には加工を施すことなく形成される。したがって、構造および加工を簡単にすることができる。
請求項6記載の発明では、連通穴は軸受部材の周方向に複数配置されている。そのため、各連通穴を拡大することなく、連通穴の総断面積が確保される。したがって、軸受部材または仕切部への複雑な加工を低減することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料蒸気漏れ検査モジュール(以下、単に「検査モジュール」という。)を適用した燃料蒸気漏れ検査システム(以下、単に「検査システム」という。)を図2および図3に示す。
検査システム10は、図3に示すように検査モジュール100、燃料タンク20、キャニスタ30、吸気装置40およびECU50から構成されている。検査モジュール100は、図2に示すように主にハウジング110、ポンプ200、ブラシレスモータ210、切換弁300および圧力センサ400を備えている。検査モジュール100は、燃料タンク20およびキャニスタ30よりも上方に設置されている。これにより、燃料タンク20からキャニスタ30および検査モジュールへの液体の燃料あるいは水分の侵入が防止される。
ポンプ200およびブラシレスモータ210は、ハウジング110が形成するポンプ収容部120に設置されている。ポンプ200は、図1に示すようにカバー250およびケース260を有している。ポンプ200のカバー250とブラシレスモータ210との間には、図2に示すようにフランジ230が設置されている。カバー250、ケース260およびフランジ230は、固定部材であるボルト270によって一体に組み付けられている。
本実施形態の場合、軸受部材240と仕切部であるケーシング212との間に連通穴244が形成されている。そのため、モータ側空間217とポンプ側空間255との間に圧力差が生じると、連通穴244を通してモータ側空間217の空気がポンプ側空間255へ吸引される。これにより、モータ側空間217とポンプ側空間255との間は、概ね同一の圧力となる。また、モータ側空間217とポンプ側空間255との間は、連通穴244により接続される。そのため、シャフト211と軸受部材240との間には、モータ側空間217からポンプ側空間255へ向けた空気の流れが形成されない。これにより、シャフト211と軸受部材240との間に充填されている潤滑剤は、ポンプ側空間255へ吸引されることがなく、ポンプ側空間255へ侵入しない。
車両に搭載されたエンジンの運転が停止されてから所定期間が経過すると、燃料タンク20からの燃料蒸気を含む空気漏れの検査が開始される。この所定期間は、車両の温度が安定するために必要な期間に設定されている。また、エンジンの運転中、ならびにエンジンの運転が停止されてから所定の期間が経過するまでは、検査モジュール100による検査は実施されない。そのため、コイル332には通電されておらず、キャニスタポート140と大気ポート150とは接続通路161により接続されている。したがって、燃料タンク20で発生した燃料蒸気を含む空気は、キャニスタ30を通過することにより燃料蒸気が除去された後、大気通路151の開放端153から大気へ放出される。さらに、このとき、チェック弁220は閉弁しており、燃料タンク20で発生した燃料蒸気を含む空気はポンプ200への流入が防止される。
パラメータの補正が完了すると、切換弁300のコイル332への通電が開始され、図7に示す燃料蒸気発生検出状態Bとなる。コイル332へ通電されているため、弁軸部材320は可動コア334とともに固定コア333側に吸引される。そのため、ワッシャ342は第一弁座341に着座するとともに、バルブキャップ352は第二弁座351から離座する。これにより、大気ポート150とポンプ通路162との間が遮断されるとともに、キャニスタポート140とポンプ通路162とが連通する。その結果、ポンプ通路162に接続されているセンサ室170はキャニスタ30を経由して燃料タンク20と連通する。燃料タンク20の内部で燃料蒸気が発生している場合、燃料タンク20の内部の圧力は車両の周囲すなわち大気圧に比較して高くなっている。そのため、圧力センサ400が検出する圧力は図7に示すようにわずかに上昇する。
なお、燃料タンク20の内部の圧力が基準圧力Prとほぼ同一の場合、燃料タンク20からオリフィス520に対応する燃料蒸気を含む空気漏れが発生していることになる。
本発明の第1実施形態の変形例を図8、図9または図10に示す。
図8に示す変形例では、軸受部材240とブラシレスモータ210のケーシング212との間には等間隔に八つの連通穴244が配置されている。連通穴244は、単数または複数の任意の個数を設置することができる。また、連通穴244を複数設置する場合、各連通穴244は一定または不定の間隔で任意の位置に設置することができる。
図10に示す変形例では、軸受部材240とブラシレスモータ210のケーシング212との間に形成される連通穴244の断面形状が第1実施形態と異なる。図10に示すように、軸受部材240には、ケーシング212との間に楔状すなわち断面が略三角形状の連通穴244を形成する溝243を形成してもよい。
本発明の第2実施形態による検査モジュールのブラシレスモータを図11に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、図11に示すように軸受部材240は、フランジ230を板厚方向に貫いて設置されている。すなわち、ケーシング212はシャフト211の近傍まで伸びて形成されておらず、ケーシング212の端部はフランジ230に挿入されていない。そのため、フランジ230の内穴231には、軸受部材240が直接取り付けられている。軸受部材240は、例えば圧入などによりフランジ230の内穴231に固定されている。これにより、連通穴244は、軸受部材240と内穴231を形成するフランジ230の内周壁との間に形成される。第2実施形態では、検査モジュール100に適用されるブラシレスモータ210の仕様に応じて、フランジ230により軸受部材240を支持する構成とすることができる。
本発明の第3実施形態による検査モジュールのブラシレスモータを図12に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図12は、フランジ600をポンプ200側から見た図である。第3実施形態では、第2実施形態と同様にフランジ600の内穴610に軸受部材240が取り付けられている。軸受部材240には溝が形成されておらず、軸受部材240の外周壁は連続した円周面状となっている。一方、フランジ600は、内穴610を形成する内周壁から径方向外側へ窪んだ切欠部620を有している。本実施形態の場合、フランジ600は、周方向へ一定の間隔で四つの切欠部620を有している。なお、フランジ600には、任意の個数の切欠部620を形成することができる。切欠部620は、周方向へ一定または不定の間隔で形成することができる。
本発明の第4実施形態による検査モジュールのブラシレスモータを図13に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態では、図13に示すようにフランジ700の任意の位置に連通穴710が形成されている。連通穴710の位置は、モータ側空間217とポンプ側空間255とを連通する位置であれば、軸受部材240とフランジ700との間である必要はない。すなわち、連通穴710は、モータ側空間217とポンプ側空間255とを連通する位置であれば、任意の位置に設置することができる。この場合、連通穴710は、図13に示すフランジ700のみを貫く構成に限らず、例えば第1実施形態のように重ね合わされたモータ210のケーシング212およびフランジ700を貫く構成としてもよい。
第4実施形態で説明したように、連通穴は、モータ側空間217とポンプ側空間255とを連通する位置であれば、任意の位置に設置することができる。また、連通穴は、シャフト211の径方向外側である必要はない。例えば、図14に示すように、シャフト211の内側にモータ側空間217とポンプ側空間255とを接続する接続穴211aを形成してもよい。
Claims (6)
- 燃料タンクの内部を減圧または加圧し、前記燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検査する燃料蒸気の漏れ検査モジュールであって、
前記タンクの内部を減圧または加圧するポンプと、
前記ポンプを駆動する回転軸部材を有するモータと、
前記回転軸部材が貫いており、前記モータの軸方向において前記ポンプと前記モータとを隔てる仕切部と、
前記ポンプの内部に形成されるポンプ側空間と前記モータの内部に形成されるモータ側空間とを接続する接続手段と、
を備えることを特徴とする燃料蒸気の漏れ検査モジュール。 - 前記回転軸部材を径方向外側から回転可能に支持する軸受部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸気の漏れ検査モジュール。
- 前記接続手段は、前記軸受部材の外周側に設置されていることを特徴とする請求項2記載の燃料蒸気の漏れ検査モジュール。
- 前記接続手段は、前記軸受部材の外周壁に軸方向へ伸びている溝部と前記溝部に対向する前記仕切部との間に形成される連通穴を有することを特徴とする請求項3記載の燃料蒸気の漏れ検査モジュール。
- 前記接続手段は、前記仕切部の内周壁に形成されている切欠部と前記切欠部に対向する前記軸受部材との間に形成される連通穴を有することを特徴とする請求項3記載の燃料蒸気の漏れ検査モジュール。
- 前記連通穴は、前記軸受部材の周方向に複数配置されていることを特徴とする請求項4または5記載の燃料蒸気の漏れ検査モジュール。
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