JP4203096B2 - 毛髪用合成繊維に捲縮を付与する方法及び装置 - Google Patents

毛髪用合成繊維に捲縮を付与する方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、かつらやへアークセサリー等の頭飾製品に用いられる毛髪用合成繊維に微細な捲縮を付与する方法及び装置に関する。更に詳しくは、前記毛髪用として用いられる合成繊維の長尺なフィラメントに連続的に捲縮を付与する方法及び装置に関する。
従来から、かつらやヘアーアクセサリー等の頭飾製品には、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系等の各種熱可塑性樹脂からなる合成繊維が用いられている。頭飾製品に用いられる前記のような毛髪用合成繊維には、人の頭髪の形態、風合いに近づけるために、微細な捲縮を付与する必要がある。毛髪用合成繊維に捲縮を付与する方法の一つとして、ポリエステルメッシュ法と呼ばれるものがある。前記ポリエステルメッシュ法は、以下のようなものである。先ず、予め一定の長さ、例えば30〜100cm程度に切り揃えた前記合成繊維からなる繊維束を、ポリエステル製のメッシュ布の上に所定の厚さになるように広げる(繊維束の整経)。次に、前記ポリエステルメッシュの上にアルミニウム等の金属製のパイプを前記繊維束の繊維軸方向に平行に置き、前記パイプを芯にして、前記合成繊維の繊維束を前記ポリエステルメッシュとともに、その繊維軸方向に直交する方向に巻き上げる。そして、前記ポリエステルメッシュとともに巻き上げた繊維束を、均熱風乾燥機やスチームセッター等を用いて、前記合成繊維の繊維素材に応じた適当な温度で一定時間熱処理する。この熱処理により、前記合成繊維が前記ポリエステル製メッシュ布の凹凸模様によって繊維軸方向にそって屈曲し、合成繊維の繊維軸方向にそって多数の微細な捲縮が付与される。その後の冷却工程において前記捲縮の形状が固定される。また、合成繊維に捲縮を付与する他の方法として、ギア捲縮法がある。前記ギア捲縮法は、加熱ヒーターを内臓した上下一対の金属製ギアロール間を、前記合成繊維のフィラメントからなる繊維束を所定の厚みに広げて連続的に通過させ、前記合成繊維の繊維軸方向にそって前記ギアロールのギア形状に応じたギザギザの微細な捲縮を付与する。合成繊維に捲縮を付与する更に他の方法としては、予め熱せられた合成繊維を、折り重ねて一室に詰め込み、湿熱にて一定の捲縮を付与する方法、所定の残有収縮率を有する合成繊維を乾熱処理または湿熱処理することで前記合成繊維に捲縮を付与する方法等も知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。更には、マルチフィラメントにニットデニット法により編目の規則的ループ状の捲縮を付与した毛髪用繊維も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平6−287801号公報(特許請求の範囲、第2頁第1欄、19〜26行) 特開平9−302513号公報(特許請求の範囲) 特開平9−67725号公報(特許請求の範囲)
毛髪用合成繊維に対する、上記のような従来公知の捲縮付与方法のうち、ポリエステルメッシュ法は、メッシュの凹凸模様により、合成繊維に対して、不規則で、人の頭髪に良く似た形態の捲縮を付与することができる。しかし、このポリエステルメッシュ法の場合、合成繊維フィラメントを所定の長さごとに切断し、メッシュとともに合成繊維を巻き上げる工程の機械化、自動化が容易でなく、人の手作業で行われている。このため生産性が極めて悪いうえに、製造された品質に、作業者毎のバラツキがある、という難点がある。また、ギア捲縮法は、一対のギアロール間に長尺の合成繊維フィラメントの繊維束を連続的に供給して該合成繊維の繊維軸方向にそって連続して機械的に捲縮を付与することが出来るため、生産性は非常に優れている。しかし、ギア捲縮法では、前記合成繊維に付与される捲縮形状に規則性があり、前記ポリエステルメッシュ法に比べると人工的な形態、風合いの繊維となり、人の頭髪に良く似ているとは言い難い。しかも、ギア捲縮法では、一対のギア間に挟まれることにより合成繊維が傷付けられて切れ毛や折れ毛が発生しやく、品質面で課題を残している。また、合成繊維の残有収縮率を利用して乾熱や湿熱等の熱処理により合成繊維を収縮させて捲縮を付与させる方法は、不規則で人の頭髪に似た捲縮を付与できる。しかし、合成繊維を収縮させて捲縮を付与する方法では、合成繊維の断面形状によって収縮後の合成繊維の形状、即ち付与される捲縮形状が異なり、好ましい捲縮形状が得られない場合がある。更に、ニットデニット法では、合成繊維に規則的な捲縮しか付与できず、人の頭髪に似た形態、風合いの捲縮を付与することは困難である。
本発明は、上記のような、頭飾製品に用いられる毛髪用合成繊維に捲縮を付与する従来の方法における問題点に鑑み、人の頭髪に良く似た形態、風合いを有する毛髪用合成繊維を、生産性よく、かつ品質にバラツキなく製造することが可能な、毛髪用合成繊維への捲縮付与方法及び装置を提供せんとするものである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る、毛髪用合成繊維への捲縮付与方法は、熱可塑性樹脂からなる合成繊維の繊維束を所定の厚みに整経し、前記整経した繊維束を、表面に網目模様の凹凸を有する一対の圧縮板間に、前記繊維束の繊維軸方向にそって前記圧縮板の有効処理長に相当する長さずつ間欠的に供給し、前記一対の圧縮板間に供給された前記繊維束の部分を前記一対の圧縮板間で加熱、圧縮して前記合成繊維に捲縮を付与する捲縮付与工程を繰り返すことで、前記合成繊維に対して、その繊維軸方向にそって連続的に捲縮を付与することを特徴とする。
また、本発明に係る、毛髪用合成繊維への捲縮付与装置は、熱可塑性樹脂からなる合成繊維の繊維束を所定の厚みに整経する分繊手段と、表面に網目模様の凹凸を有する一対の圧縮板、圧縮手段及び加熱手段を備えた加熱圧縮手段と、前記繊維束をその繊維軸方向にそって前記一対の圧縮板間に該圧縮板の有効処理長に相当する長さずつ間欠的に供給する供給手段と、を備える。
前記本発明に係る捲縮付与方法及び装置においては、繊維束の加熱、圧縮時に、前記一対の圧縮板間に湿熱蒸気(高温のスチーム)を供給することが好ましい。また前記捲縮工程の前に、前記繊維束を予熱してもよい。
また、前記捲縮付与後、前記一対の圧縮板による繊維束に対する圧縮を解除した後、前記一対の圧縮板間にある、合成繊維に捲縮が付与された繊維束の部分を冷却して前記合成繊維に付与された捲縮の形状を固定し、その後、前記圧縮板間から捲縮付与後の合成繊維の繊維束の部分を引き取ると同時に、次回工程により捲縮を付与する繊維束の部分を前記圧縮板間へ供給する操作を開始することが好ましい。この場合の繊維束の冷却方法としては、前記圧縮板を通して冷却することが好ましく、圧縮板を通した吸引操作により、一対の圧縮板間にある前記繊維束の部分を冷却することが好ましい。
前記圧縮板表面の網目模様の凹凸は、前記圧縮板の表面に網状物を張設することで設けることができる。前記網状物としては、合成樹脂製または金属製のネットを用いることができ、前記合成樹脂製のネットとしてはナイロンネットを用いることが好ましい。
前記ネットの網目は10〜120個/inch2の範囲であることが好ましい。また前記ネットの線径は0.3〜1.5mmの範囲であることが好ましい。
また、本発明に用いる毛髪用合成繊維としては、ポリアクリロニトリル系繊維が適しており、特にモダクリル繊維が好ましい。
前記合成繊維の単繊度は22〜89デシテックス(以下、「dtex」)の範囲であることが好ましい。また、前記合成繊維からなる繊維束の総繊度は60万〜200万dtexの範囲であることが好ましい。
また、捲縮付与時の前記圧縮板の加熱温度は60〜150℃とすることが好ましい。
本発明に係る毛髪用合成繊維の捲縮付与方法及び装置によれば、従来のポリエステルメッシュ法のように紡糸後の合成繊維のフィラメントを所定の長さに切断することなく、長尺な合成繊維フィラメントの繊維軸方向に連続して微細な捲縮を付与することができる。また、本発明により捲縮を付与された合成繊維は、人の頭髪に良く似た形態、風合いを有する。従って、本発明によれば、前記ポリエステルメッシュ法と同様に頭髪に良く似た毛髪用合成繊維を、ポリエステルメッシュ法に比べてはるかに生産性よく製造することができる。また、本発明方法及び装置によれば、機械的、自動的に捲縮を付与することができるので、人手によるポリエステルメッシュ法のように作業者毎の品質のバラツキといった問題の発生もなくなり、均質な毛髪用合成繊維を製造することができる。
本発明に係る捲縮付与方法及び装置により捲縮を付与された毛髪用合成繊維は、人の頭髪に良く似た形態、触感、風合を備え、ソフトで嵩高性に優れ、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘア、ドールヘア等の頭飾製品に好適に用いられる。
以下、添付図面に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明に係る捲縮付与方法を実施するための捲縮付与装置の全体構成を示す概略図であり、図2は前記捲縮付与装置における加熱圧縮装置1の側面図、図3は前記加熱圧縮装置1へ合成繊維フィラメントの繊維束tを供給する繊維束供給手段と、加熱圧縮装置1へ供給される繊維束tを整経するための分繊手段とを兼ねる分繊・供給装置2の側面図、図4は、分繊・供給装置2とともに繊維束供給手段を構成して、加熱圧縮装置1にて捲縮を付与された合成繊維の繊維束Tを引き取るための、駆動手段を備えた繊維束引き取り装置3の側面図である。
加熱圧縮装置1は、供給される毛髪用合成樹脂フィラメントの繊維束tを加熱、圧縮して、合成繊維に捲縮を付与する装置である。
図1、図2に示すように、加熱圧縮装置1は、上下一対の圧縮板11、12を備える。上圧縮板11は、下圧縮板12との間に所定の間隔、例えば50〜300mm程度の距離を隔てて下圧縮板12の上方の位置に、加熱圧縮装置1の基体10に対して固定した状態で設けられている。上圧縮板11の表面(下面)には、金属板11aが設けてある。また、上圧縮板11の内部には、図示しない電気ヒーター(プレートヒーター)が内臓されている。一方、下圧縮板12は、加熱圧縮装置1の基体10に対して、空気圧シリンダー、油圧シリンダー等の流体圧シリンダー、その他のリニアアクチュエータ等を用いた駆動装置13(加圧手段)により上下動可能に設けられており、上圧縮板11との間で繊維束tを圧縮できるようになっている。下圧縮板12の表面(上面)には、エチレンプロピレンゴム等の耐圧、耐熱性を有するゴムからなるスポンジ状ゴム板12aが設けられている。また、下圧縮板12の内部には、蒸気供給手段(図示省略)に連結された蒸気管14及び減圧手段(図示省略)に連結された排気管15との両方に連通、連結され、かつ下圧縮板12の表面に開口した多数の通気孔(図示省略)が設けられている。
更に、前記上下の圧縮板11、12の表面(上圧縮板11の下面と下圧縮板12の上面)には、加熱圧縮装置1へ供給される繊維束tの合成繊維に、その繊維軸方向にそって微細な捲縮を連続して付与するための網目模様の凹凸が形成されている。前記網目模様の凹凸は、各圧縮板11、12の表面に網状物16を張設することにより設けられている。
前記網状物16としては、例えば合成繊維もしくは天然繊維からなる繊維ネットまたは金属製ネットを用いることができる。前記合成繊維製ネットとしては、例えば、ナイロン製ネット、ポリエステル製ネット、ポリプロピレン製ネット等が挙げられるが、加熱圧縮装置1に供給されて捲縮を付与される合成繊維より耐熱性に優れているものを用いる必要がある。天然繊維からなるネットとしては、綿製ネット、麻製ネット等が挙げられる。金属製ネットとしては、ステンレス製ネット、アルミニウム製ネット等が挙げられる。前記各種ネットの中でも、毛髪用合成繊維に対して、人の頭髪に良く似た自然な捲縮を付与することができるという点で、適度な硬度を有する合成樹脂製ネットが好ましく、好ましい合成樹脂製ネットは、強度、耐熱性等の点でナイロン製ネット及びポリエステル製ネットであり、特にナイロン製ネットが好ましい。
毛髪用合成繊維に付与する捲縮は、繊維軸方向にそった直線距離100mmの間に山と谷との繰り返し単位で10〜70個、山の高さと谷の深さの合計が平均で0.01mm以上2mm以下の波形形状とすることにより、人の毛髪に良く似た形状、触感、風合の合成繊維が得られ、また嵩高性に優れるとともに、かつら、ブレード、ヘアピース等の頭飾製品の製造時の加工性が良い繊維束が得られる。前記山と谷との繰り返し単位の数は、倍率5倍の光学顕微鏡で観察、計測を行って算出した。また、山の高さと谷の深さの合計の平均は100倍の光学顕微鏡で観察、測定を行って算出した。なお、合成繊維の種類によっては、櫛等で繊維束を整条することによって捲縮形状が緩やかになる(山の高さと谷の深さの合計の平均及び山と谷との繰り返し単位数が減少する)場合があるので、捲縮を付与する段階では、互いに隣接する山の高さと谷の深さとの合計の平均は0.1mm以上1.5mm以下で、山と谷との繰り返し単位は繊維軸方向にそった直線距離100mmの間に10〜50個となるようにするのが望ましい。しかし、前記山と谷との繰り返し単位の数が多くなりすぎると、嵩高性は良くなるものの、その分、長さのロスが大きくなる。更にボリュームがあり過ぎて、スタイルのまとまりが悪くなり、編みにくい等、加工性も低下する等の問題が発生することがある。逆に、櫛等による整条後に、この繰り返し単位が5個より少なくなると、嵩高性が低下し、商品価値が低くなることがある。
上記のような捲縮を合成繊維に付与するためには、前記網目模様の凹凸の凹部のサイズ、即ち前記ネットの網目は、10〜120個/inch2程度の範囲が好ましい。これにより、毛髪用合成繊維に対して、人の頭髪に良く似た捲縮を付与することができる。より好ましい網目は20〜110個/inch2、特に30〜110個/inch2が好ましい。また、前記網目模様の凹凸の凹部の形状、即ち前記メッシュの開口部の形状は特に限定されるものではなく、菱形、亀甲型、楕円型等、各種形状のものを用いることができる。前記ネットとしては、網目の交差部分に段差のないもの、即ち網目模様の凹凸の凸部部分の高さがほぼ均一となるようなメッシュを使用することが好ましい。また、前記網目模様の凹凸における凸部の幅、即ち前記ネットの線径は、毛髪用合成繊維に対して捲縮を付与しやすいという理由で細いほど好ましい。その一方で、前記線径が細すぎるとネットの強度が低下して耐久性が低下する。従って、ネットの好ましい線径は0.3〜1.5mmの範囲であり、更には0.5〜0.8mmの範囲がより好ましい。
また、前記上下の圧縮板11、12の有効処理サイズは特に限定されるものではなく、捲縮付与装置の目標とする処理能力に応じて適宜設計すればよい。圧縮板11、12の有効処理サイズとしては、例えば供給される繊維束tの繊維軸方向にそった長さが1000mm程度、幅が500mm程度である。前記圧縮板11、12の有効処理サイズとは、それらの表面に設けられた網目模様の凹凸、即ち合成樹脂製ネット等の網状物の面積のうち、上下の圧縮板11、12による加圧力が作用する範囲(広さ)をいい、その長さ、即ち、加熱圧縮装置1に供給される繊維束tの繊維軸にそった長さを有効処理長といい、繊維束tの供給される方向と直交する方向の長さ(幅)を有効処理幅という。圧縮板11、12における有効処理長が長いほど、一度の加熱圧縮処理により捲縮を付与される繊維長が増大し、また有効処理幅が広いほど総繊度の大きな繊維束を処理することができることから、装置の処理能力は大きくなる。しかし、前記有効処理サイズが大きくなるに伴い、装置の設置面積が大きくなるとと同時に、加熱手段、加圧手段、駆動手段等も能力の大きなものが要求される。
また、加熱加圧装置1の上下の圧縮板11、12のうち、上圧縮板11のネット16の内側には金属板11aが設けられ、下圧縮板12のネット16の内側には多孔のスポンジ状ゴム板12aが設けられている。このように、上下の圧縮板11、12の一方に金属板を設け、他方にスポンジ状ゴム板を設けることで、繊維束に圧力が均一にかかり、均質な捲縮形状が付与される。なお、上圧縮板11にゴム板を設けて下圧縮板12に金属板を設けてもよいし、上下の圧縮板11、12の両方ともに金属板またはゴム板を設けてもよい。
また、図例の装置では、上圧縮板11にプレートヒーターを内臓し、下圧縮板12に蒸気管14及び排気管15を接続しているが、上圧縮板11に蒸気管及び排気管を接続して下圧縮板にプレートヒーターを内臓してもよい。また、上下の圧縮板11、12の両方にプレートヒーター等の電気ヒーターを内臓してもよいし、上下の圧縮板11、12の両方に蒸気管及び排気管を接続してもよい。前記蒸気管14は、加熱圧縮装置1により繊維束tの合成繊維に捲縮を付与する際に、下圧縮板12に設けられた多数の通気孔(図示省略)を通じて、上下圧縮板11、12間で圧縮される繊維束tに湿熱蒸気(高温のスチーム)を供給して加熱するためものである。このように、繊維束tを湿熱蒸気により過熱することで、繊維束tの繊維に対して、ネット16、16により捲縮が付与されやすい状態とすることができる。一方、排気管15は、上下の圧縮板11、12間で合成繊維に捲縮を付与した後、減圧手段(図示省略)を駆動して前記下圧縮板12に設けられた多数の通気孔を通じて上下圧縮板11、12間の空気を吸引することで、合成繊維に対して捲縮を付与された後の繊維束を冷却し、前記捲縮形状を固定するためのものである。
また、加熱圧縮装置1は、上記のような構成のものに限定されず、上下の圧縮板11、12間に供給される繊維束tを加圧、圧縮して捲縮を付与できるように構成されていればよい。例えば、図5に示すように、上圧縮板11を、基体10に対して、可動アーム17により回動可能に設ける一方、下圧縮板12を基体10に固定した構造等でもよい。
分繊・供給装置2は、熱可塑性樹脂からなる毛髪用合成繊維の繊維束tを所定の厚みに整経する分繊手段と、整経した繊維束tを加熱圧縮装置1に供給する繊維束供給手段とを兼ねている。本発明に係る捲縮付与方法では、合成繊維は繊維束tの形態で加熱圧縮装置1に供給され、合成繊維の繊維軸にそって連続した捲縮が付与される。通常、加熱圧縮装置1に供給される繊維束tの総繊度は60万〜200万dtex、長さは数百m程度である。繊維束tとしては、例えばトウ・モノフィラメント、トウ・マルチフィラメント等が挙げられる。そして、前記「整経」とは、前記トウ・モノフィラメント、トウ・マルチフィラメント等からなる繊維束tを、加熱圧縮装置1の上下の圧縮板11、12の有効処理幅に応じた幅及び所定の厚みになるように広げることを意味する。
分繊・供給装置2は、供給される合成繊維フィラメントの繊維束tを整経するための複数の分繊ロール21を有する。図例の装置では、図1、図3に示すように、基体20に、上下方向に位置をずらせて3段に配置された複数本の分繊ロール21a、21b、21c、21d、21eが設けられている。分繊ロール21a〜21eは、いずれも駆動手段は備えておらず、両端をベアリングに支持された状態で自由回転可能に設けられている。これらの分繊ロール21は、例えば図3(b)に示すように、ロールの外表面の周方向に環状の溝22が形成されている。溝22は、分繊ロール21の軸方向にそって多数設けられている。分繊ロール21のロール径φは例えば50mmであるが、これに限定されない。また、溝22の幅w、深さd、ピッチp(隣接する溝間の距離)も特に限定されないが、例えば幅wは6mm、深さdは3mm、ピッチpは13mmである。複数の分繊ロール21のうち、最上段の分繊ロール21a、21b、21cは、図1に示すように、加熱圧縮装置1の上下の圧縮板11、12間が開いた状態で、上下の圧縮板11、12の間に位置する高さであって、かつ3本が同じ高さに設けられている。また、中段及び下段の分繊ロール21d、21eは、基体20上に、水平方向に移動可能に設けられている(図1中、二点鎖線で示している。)。
供給される合成繊維フィラメントの繊維束tは、分繊・供給装置2の入口側最上段の分繊ロール21aの上側に掛け回され、次いで下段の分繊ロール21eと中段の分繊ロール21dの下側に掛け回され、更に最上段の分繊ロール21bの上側に掛け回され、最後に出口側最上段の分繊ロール21cの上側を案内されて加熱圧縮装置1の上下の圧縮板11、12間に供給される。繊維束tは、分繊・供給装置2の分繊ロール21a、21e、21d、21b、21cの各ロール表面に形成された多数の溝22により分繊されて、所定の厚み、例えば4000〜1200dtex/mm程度の厚みに整経された状態で、加圧圧縮装置1へ供給される。
引き取り装置3は、分繊・供給装置2とともに繊維束供給手段を構成する。引き取り装置3は、加熱圧縮装置1にて合成繊維に対して捲縮が付与された繊維束Tを引き取り、図示しない製品ローラに巻き取るか、収容容器へ収集する。そのため、引き取り装置3は、モータ31等の駆動手段を備えている。図例の引き取り装置3は、基体30の上部に、繊維束Tの供給される方向と直交する回転軸を有する一対のロール32a、32bが、繊維束Tの供給方向にそって所定の間隔を隔てて配置され、対ロール32a、32b間に、上部ロール33が配置されている。更に、引き取り装置3の出口側には、図1、図4に示すように、外周面に、ロール軸方向に平行な多数の円柱状バー34a・・・を所定の間隔で設けた引き取りロール34が設けられている。引き取りロール34は、モータ31に対ロールの一方のロール32aを時計回りに駆動し、該ロール32aにチェーンで連結された対ロールの他方のロール32bが時計回りに回転し(このとき、上部ロール33は半時計回りに回転する)、更にロール32bの回転がチェーンにより下方のロール35に伝達され、該ロール35の軸に取り付けられているギアとロール34に取り付けられているギアとの伝達により、図中、反時計周りに引き取りロール34が回転し、繊維束Tを下方へ引き取る。
加熱圧縮装置1にて捲縮を付与された合成繊維フィラメントの繊維束Tは、引き取り装置3の対ロールの一方である時計回りに回転するロール32aの下側、半時計回りに回転する上部ロール33の上側及び時計回りに回転する対ロールの他方のロール32bの下側に掛け回された後、半時計回りに回転する引き取りロール34に掛け回され、引き取りロール34の外周面に設けられた多数のバー34aとの摩擦抵抗に下方へより引っ張られる。従って、引き取り装置3の引き取りロール34等を所定の時間の回転及び停止することで、分繊・供給装置2から、合成繊維フィラメントの繊維束tが、加熱圧縮装置1における有効処理長分だけ加熱圧縮装置1に間欠的に供給され、かつ加熱圧縮装置1により合成繊維に捲縮を付与された繊維束Tの部分が、同様に間欠的に引き取り装置3によって加熱圧縮装置1から引き取られる。
繊維束供給装置としての分繊・供給装置2と引き取り装置3との間にある繊維束の緊張力は、分繊・供給装置2における分繊ロール21の数、配置、ロール表面の構造、ロールの材質等、引き取り装置における対ロール32a、32b、上部ロール33、引き取りロール34等のロールの数、配置、ロール表面の構造、ロールの材質等、更にはそれらのロールの回転数等により適宜設定される。前記繊維束の緊張力としては、引き取りロール34の回転をロール32bの回転数の1.01〜1.10倍程度、更には1.02〜1.05倍程度に設定するのが、繊維束の緩み防止のうえで好ましい。
次に、上記のような捲縮付与装置を用いて、毛髪用合成繊維に捲縮を付与する方法を、図6に示す工程説明図及び図7に示すシーケンスチャートを参照しながら説明する。
先ず、捲縮を付与する合成繊維フィラメントの繊維束tの一端を、分繊・供給装置2、加熱圧縮装置1及び引き取り装置3に通して、図1に示す状態にセットする。このとき、繊維束tの先端部に適宜リード部材を連結しておき、図1の状態にセットした時に、繊維束tの先端部が加熱圧縮装置1の入口付近になるようにすれば、繊維束tの端部からその全長に亘って捲縮を付与することができ、繊維のロスがない。この状態で、装置にスイッチを入れると、加熱加圧装置1の上圧縮板11に内臓された電気ヒーター(プレートヒーター)の電源が入り、上圧縮板11が加熱される。次に、繊維束供給装置としての引き取り装置3の引き取りローラ34等が所定の時間、例えば3秒間回転して、分繊・供給装置2により整経された、加熱圧縮装置1の有効処理長に相当する長さの繊維束tの部分が加熱圧縮装置1に供給される(繊維束送り)。繊維束tが供給されると、加熱圧縮装置1の下圧縮板12がエアシリンダー等の駆動手段13により上昇し、上圧縮板11との間で繊維束tを圧縮する(圧縮)。この時の加圧力は、0.01〜1.0MPa、より好ましくは0.05〜0.4MPaの範囲が好ましい。1.0MPaを超えると、繊維束の損傷や圧着による感触の低下が発生するおそれがあり、0.01MPa未満では、充分な凹凸形状(捲縮形状)が得られないため好ましくない。この圧縮開始と同時に、蒸気管14から下圧縮板12に湿熱蒸気が供給され、下圧縮板12に設けられ、その表面側(ネット16を張設した上面側)に開口した多数の通気孔から上下の圧縮板11、12間に湿熱蒸気が供給される(スチーム)。湿熱蒸気の供給時間は、1〜60秒、通常、2秒間程度である。上圧縮板11に内臓された電気ヒーターと下圧縮板12から供給された湿熱蒸気とにより加熱された繊維束tは、上下の圧縮板11、12間で加熱、かつ圧縮され、上下の圧縮板11、12の表面に張設されたナイロンネット等の網状物の凹凸により、繊維束tの合成繊維に捲縮が付与される。この時の加熱温度は、60〜150℃、また、加熱、圧縮時間は、30〜300秒、通常の場合、50〜80秒である。繊維束tが加熱圧縮装置1により加熱圧縮されて捲縮が付与されると、下圧縮板12が降下して、上下の圧縮板11、12による圧縮が解除されて捲縮を付与された繊維束Tの部分が開放される(開放)。その後、図示しない減圧手段が駆動し、加熱圧縮装置1の下圧縮板12に連結された排気管15及び下圧縮板12に設けられた多数の通気孔を通じて上下の圧縮板11、12間にある繊維束Tを吸引冷却する(吸引冷却)。この吸引冷却に要する時間は、10〜60秒、通常20〜40秒である。
上記のようにして、加熱圧縮装置1の上下の圧縮板11、12間で繊維束tが加熱、圧縮されて合成繊維に捲縮が付与され、かつ冷却されることで捲縮形状が固定されて、1回の捲縮付与工程が終了する。前記捲縮付与工程が終了すると、再び引き取り装置3の引き取りロール34等が前記と同じ所定の時間(3秒間)回転して、加熱圧縮装置1の有効処理長に相当する長さの、合成繊維に捲縮が付与された繊維束Tの部分が加熱圧縮装置1から引き取り装置3側へ引き取られるとともに、加熱圧縮装置1の有効処理長に相当する捲縮が付与されていない繊維束tの部分が、加熱圧縮装置1に供給される(繊維束送り)。その後、上記と同じように、圧縮(湿熱蒸気の供給)、開放、吸引冷却といった工程が繰り返されて、繊維束tの合成繊維に対してその繊維軸方向に連続して捲縮が付与され、捲縮が付与された繊維束Tが引き取り装置3により引き取られる。
前記した合成繊維に対する捲縮付与においては、繊維束tを加熱、圧縮する際の加熱手段として湿熱蒸気を用いているが、その代わりに、あるいはそれとともに、加熱圧縮装置1へ供給される繊維束tを予め加熱しておく(予熱)こともできる。図8及び図9は、前記圧縮板を介した湿熱蒸気による加熱に代えて予熱する場合の工程説明図及びシーケンスチャートである。
この場合には、先ず、捲縮を付与する合成繊維フィラメントの繊維束tを前記と同様にして図1に示す状態にセットする。この状態で、装置にスイッチを入れると、加熱加圧装置1の上圧縮板11に内臓された電気ヒーター(プレートヒーター)の電源が入り、上圧縮板11が加熱される。次に、繊維束供給装置としての引き取り装置3の引き取りローラ34等が所定の時間、例えば3秒間回転して、分繊・供給装置2により整経された、加熱圧縮装置1の有効処理長に相当する長さの繊維束tの部分が加熱圧縮装置1に供給される(繊維束送り)。この繊維送り時に予熱手段が作動して、加熱圧縮装置1に供給される繊維束tを加熱する(予熱)。予熱手段としては、加熱圧縮装置1の手前側(図1中の右側)に、例えばスチームボックス、熱風吹き付け、赤外線ランプのような加熱手段を設け、該加熱手段を繊維束tが通過するように構成される。前記予熱手段により予熱された繊維束tが加熱圧縮手段に供給されると、前記の場合と同様に、加熱圧縮装置1の上下の圧縮板11、12間で繊維束tが圧縮され(圧縮)、上下の圧縮板11、12による圧縮が解除されて捲縮を付与された繊維束Tの部分が開放され(開放)、合成繊維に捲縮が付与された繊維束Tが吸引冷却されて捲縮形状が固定されて(吸引冷却)、1回の捲縮付与工程が終了し、前記捲縮付与工程の終了後、捲縮付与後の繊維束Tの部分が引き取とられ、同時に次工程で捲縮が付与される繊維束t部分の供給(繊維送り)及び予熱が行われ、その後、上記と同じように、圧縮、開放、吸引冷却といった工程が繰り返されて、繊維束tの合成繊維に対してその繊維軸方向に連続して捲縮が付与され、捲縮が付与された繊維束Tが引き取り装置3により引き取られる。
上記した実施の形態では、合成繊維に捲縮が付与された繊維束Tを、下圧縮板12を介した吸引冷却により冷却して捲縮形状を固定しているが、冷却方法は特に限定されるものではない。ただ、捲縮付与後の繊維束Tの冷却は、付与された捲縮形状を保持するためには、次回の捲縮工程の繊維束送りの前に行うことが、繊維束送り時の緊張力(引っ張り力)により捲縮形状が伸びてしまうおそれがないことから好ましい。なお、捲縮付与後の繊維束Tを冷却して付与された捲縮形状を固定することは好ましいものの、強制的な冷却は必須ではなく、特別な冷却手段を設けることなく、捲縮付与後の繊維束Tを自然冷却させてもよい。
本発明に係る捲縮付与方法及び装置が適用される毛髪用の合成繊維としては、通常、頭飾製品に用いられる、熱可塑性合成樹脂からなる合成繊維であればよく、その種類には特に限定はない。本発明に用いられる合成繊維としては、例えば、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維等の合成繊維が挙げられる。これらのうちでも、本発明においては、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維が、捲縮を付与する加工性に優れることから好ましい。更に、アクリロニトリルを主成分とするアクリル繊維、特にアクリロニトリルの重量割合が40以上50%未満のアクリル系繊維(モダクリル繊維)は、獣毛感が強く、人の頭髪に良く似た自然な光沢とソフトな感触を有することからより好ましい。前記アクリル系重合体は、アクリロニトリルの他にこれと共重合しうるビニル系単量体を用いて共重合してもよい。共重合しうるビニル単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらのモノ又はジアルキル置換体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタクロイルオキシベンゼンスルホン酸、メタクロイルオキシプロピルスルホン酸、又はこれらの金属塩類及びアンモニウムやアミン塩類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等がある。この中でも、塩化ビニル、塩化ビニリデンが好ましく、アクリロニトリルと塩化ビニルとの共重合体からなるモダクリル繊維が特に好ましい。更に、共重合するビニル系単量体として、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸を少量用いることが好ましい。前記アクリル系重合体からなる合成繊維は、前記アクリル系重合体を有機溶剤、例えばアセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等に溶解させて紡糸原液とする。尚、必要に応じて、着色防止、耐光性等に効果のある安定剤等を添加してもよい。
本発明に係る捲縮付与方法に用いられる合成繊維の繊度は、通常、頭飾製品に用いられる合成繊維と同定度の繊度であればよく、とくに限定がないが、単糸繊度が約22〜89dtex、更には27〜78dtex、特には44〜67dtexの範囲のものが好ましい。繊度が22dtex未満であると柔らかすぎて腰がなく、毛髪用繊維としての嵩高感が乏しくなる。逆に89dtexを超えて太い場合は繊維の剛性が強くなり、ブレード等の商品に加工し難く、又、触感も不自然なものとなるため、適切な繊度を選択することが必要であり、ソフトな感触を重視する意味では44〜67dtexの範囲が好ましい。また、本発明に係る捲縮付与方法に用いられる繊維束の総繊度は、約60万〜200万dtex、更には80万〜160万dtexの範囲のものが、網目模様の凹凸形状(捲縮形状)の付与と生産性のバランスが良く製造される。60万dtex未満では生産性が低下し、200万dtexを超える場合は網目模様の凹凸(捲縮)の付与されにくく、かつ繊維束の加熱圧縮時の昇温時間が長くなり生産性が低下する。
前記毛髪用合成繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、例えば、円形、馬蹄形、繭形、リボン形、4つ葉形、Y字形、T字形、十字形、略星形、まゆ型等の各種断面形状の合成繊維を用いることができる。これらの断面形状を有する合成繊維は、紡糸原液を、前記断面形状に応じた形状のノズルから紡糸することで得られる。
更に、本発明に係る捲縮付与方法では、加熱圧縮装置1に供給される繊維束tに油剤を塗布しておくことで、繊維束tの合成繊維に捲縮を付与しやすくなる。前記油剤としては、シリコーン系の油剤等が好ましい。繊維束tへの油剤の塗布方法としては、加熱圧縮装置1と分繊・供給装置2との間、あるいは分繊・供給装置2の手前で、繊維束tに対してスプレー等により塗布する方法等を採用することができる。
なお、本発明で使用される毛髪用合成繊維は、原液着色、紡糸後の染色、プリント着色等により着色されたものであってもよいことは勿論である。
アクリロニトリル49重量%、塩化ビニル50重量%及びメタクリルスルホン酸ナトリウム1.0重量%からなるアクリロニトリル系共重合体を、濃度が28重量%となるようにアセトンに溶解して紡糸原液とし、紡糸速度4.0m/分で直径0.4mm、孔数100の紡糸ノズルからアセトン濃度が20重量%のアセトン/水系凝固浴へ紡出した。次に、紡出されたフィラメントを水洗及び乾燥させたのち、延伸し、150℃で熱処理を施し、単繊度56dtex、総繊度56000dtexのマルチフィラメントを得た。これを合糸し、総繊度67.2万dtexの繊維束を作成した。
上記のようにして得られた繊維束を、図1〜4に示す装置を用い、図6、図7に示す方法(工程)により、その繊維軸方向にそった直線距離100mmの間に山と谷との繰り返し単位が10〜25個、山の高さと谷の深さの合計平均が1.0mmの波形形状の捲縮が付与された毛髪用繊維を得た。
得られた毛髪用繊維は、人の頭髪に良く似た光沢、風合を有し、かつソフトで嵩高性に優れ、かつらや各種ヘアーアクセサリーの製造に適した合成繊維であった。
塩化ビニル樹脂(重合度1000)100重量部、エポキシ化大豆油3重量部、錫系安定剤1.5重量部、鹸化度10以上の滑剤3重量部、鹸化度10以下の滑剤0.8重量部を、リボンブレンダーを用いて110℃で40分間攪拌した後、押出機を用いてシリンダー温度140℃、ダイス温度145℃でペレット化した。この樹脂ペレットを、L/D=20の30mmφ押出機に孔数100ホール、相当孔径0.5mmφのメガネ型ノズルを取り付け、シリンダー温度150℃〜180℃、ノズル温度180±15℃の範囲で押し出し、ノズル直下に設けた加熱紡糸筒内(200〜300℃の雰囲気)で約0.5〜1.5秒間熱処理し、第一の引取りロールによって紡糸した。次に、第二の延伸ロールとの間で110℃の熱風循環箱を通して2.5倍に延伸した。更に、115℃に温度調整した箱の中に設置した2対の円錐型ロールを引き回し、連続的に25%の弛緩熱処理を施し、単糸繊度が62dtex、総繊度が6200dtexのマルチフィラメントを得た。これを合糸し、総繊度62万dtexの繊維束を作成した。
上記のようにして得られた繊維束にシリコーン系油剤を純分換算で0.2重量%塗布し、図1〜4に示す装置を用い、図6、図7に示す方法(工程)により、その繊維軸方向にそった直線距離100mmの間に、山と谷との繰り返し単位が15〜32個、山の高さと谷の深さの合計が平均が0.5mmの波形形状の捲縮が付与された毛髪用繊維を得た。
得られた毛髪用繊維は、人の頭髪に良く似た光沢、ソフトな風合を有し、かつ捲縮性に優れ、ストレートスタイルのかつらや各種ヘアアクセサリーの製造に適した合成繊維であった。
本発明に係る捲縮付与装置の全体構成を示す概略図である。 図1に示す捲縮付与装置における加熱圧縮装置の側面図である。 (a)は図1に示す捲縮付与装置における分繊・供給装置の側面図であり、(b)は分繊ロールの拡大図である。 図1に示す捲縮付与装置における引き取り装置の側面図である。 加熱圧縮装置の他実施例を示す要部の側面図である。 本発明に係る捲縮付与方法の実施例の工程説明図である。 本発明に係る捲縮付与装置の実施例の動作手順を示すシーケンスチャートである。 本発明に係る捲縮付与方法の他実施例の工程説明図である。 本発明に係る捲縮付与装置の他実施例の動作手順を示すシーケンスチャートである。
符号の説明
1 加熱圧縮装置
2 分繊・供給装置
3 引き取り装置
10 加熱圧縮装置の基体
11 上圧縮板
11a 金属板
12 下圧縮板
12a スポンジ状ゴム板
13 駆動装置
14 蒸気管
15 排気管
16 網状物(ネット)
17 可動アーム
20 分繊・供給装置の基体
21(a〜e) 分繊ロール
30 引き取り装置の基体
31 モータ
32a、32b 対ロール
33 上部ロール
34 引き取りロール
35 ロール
t 捲縮付与前の繊維束
T 捲縮付与後の繊維束

Claims (24)

  1. 熱可塑性樹脂からなる合成繊維の繊維束を所定の厚みに整経し、前記整経した繊維束を、表面に網目模様の凹凸を有する一対の圧縮板間に、前記繊維束の繊維軸方向にそって前記圧縮板の有効処理長に相当する長さずつ間欠的に供給し、前記一対の圧縮板間に供給された前記繊維束の部分を前記一対の圧縮板間で加熱、圧縮して前記合成繊維に捲縮を付与する捲縮付与工程を繰り返すことで、前記合成繊維に対して、その繊維軸方向にそって連続的に捲縮を付与することを特徴とする毛髪用合成繊維への捲縮付与方法。
  2. 前記加熱、圧縮時に、前記一対の圧縮板間に湿熱蒸気を供給する請求項1記載の捲縮付与方法。
  3. 前記一対の圧縮板間へ供給する前に、前記整経した繊維束を予熱する請求項1または2に記載の捲縮付与方法。
  4. 前記一対の圧縮板間で加熱、加圧して合成繊維に対して捲縮を付与した後、前記一対の圧縮板による繊維束に対する圧縮を解除した後、前記合成繊維に捲縮が付与された繊維束の部分を冷却して該部分の合成繊維に付与された捲縮形状を固定する請求項1〜3のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  5. 前記圧縮板を通した吸引操作により前記繊維束を冷却する請求項4記載の捲縮付与方法。
  6. 前記圧縮板の表面に網状物を張設して網目模様の凹凸を設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  7. 前記網状物が合成樹脂製のネットである請求項6記載の捲縮付与方法。
  8. 前記合成樹脂製のネットがナイロンネットである請求項7記載の捲縮付与方法。
  9. 前記網状物の網目が10〜120個/inch2の範囲である請求項7または8に記載の捲縮付与方法。
  10. 前記ネットの線径が0.3〜1.5mmの範囲である請求項7〜9のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  11. 前記合成繊維がポリアクリロニトリル系繊維である請求項1〜10のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  12. 前記ポリアクリロニトリル系繊維がモダクリル繊維である請求項11記載の捲縮付与方法。
  13. 前記合成繊維の単繊度が22〜89dtexの範囲である請求項1〜12のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  14. 前記繊維束の総繊度が60万〜200万dtexの範囲である請求項1〜13のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  15. 前記圧縮板の加熱温度が60〜150℃である請求項1〜14のいずれかに記載の捲縮付与方法。
  16. 熱可塑性樹脂からなる合成繊維の繊維束を所定の厚みに整経する分繊手段と、表面に網目模様の凹凸を有する一対の圧縮板、加圧手段および加熱手段を備えた加熱圧縮手段と、前記繊維束をその繊維軸方向にそって前記一対の圧縮板間に該圧縮板の有効処理長に相当する長さずつ間欠的に供給する繊維束供給手段と、を備えた毛髪用合成繊維への捲縮付与装置。
  17. 前記一対の圧縮板の少なくとも一方に、前記一対の圧縮板間に湿熱蒸気を供給する蒸気供給手段を備えた請求項16記載の捲縮付与装置。
  18. 前記加熱圧縮手段の前に、前記繊維束を予熱する予熱手段を設けた請求項16または17に記載の捲縮付与装置。
  19. 前記加熱圧縮手段が冷却手段を備えている請求項16〜18のいずれかに記載の捲縮付与装置。
  20. 前記冷却手段が、前記圧縮板に形成された通気孔と該通気孔に連結した吸引手段からなる請求項19記載の捲縮付与装置。
  21. 1回の捲縮付与工程において、加圧手段を行った後に冷却手段を行うことを特徴とする請求項16〜20のいずれかに記載の捲縮付与装置。
  22. 前記圧縮板の表面に網状物を張設して網目模様の凹凸を設けてなる請求項16〜21のいずれかに記載の捲縮付与装置。
  23. 前記網状物が合成樹脂製のネットである請求項22記載の捲縮付与装置。
  24. 前記合成樹脂製のネットがナイロンネットである請求項23記載の捲縮付与装置。
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