JP2022114799A - 人工毛髪の製造方法及び人工毛髪 - Google Patents

人工毛髪の製造方法及び人工毛髪 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて立体感があるウェーブを付与できる人工毛髪の製造方法及び立体感があるウェーブが付与された人工毛髪を提供する。【解決手段】複数の繊維が束ねられた繊維束2を複数有し、複数の繊維束2が編み込まれて繊維索5が構成され、繊維索5の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、複数の繊維束2を編み込んで繊維索5を形成する繊維索形成工程と、繊維索5の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、棒状体の外周に巻きつけられた繊維索5を加熱する加熱工程を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、人工毛髪の製造方法及び人工毛髪に関する。
従来から、ヘアスタイルを変更する際の手段として、使用者自身の髪の毛にエクステンションを取り付ける方法がある(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、使用者自身の髪の毛とエクステンションを互いに逆方向からリングに挿入し、リングを潰すことで使用者の髪にエクステンションを取り付ける方法が開示されている。
特開2004-156157号公報
ところで、合成繊維で形成されたエクステンションは、静電気により毛先に向けて髪の毛が広がることが多い。そのため、エクステンションで長髪にした使用者は、この髪の毛の広がりが煩わしく、髪の毛をまとめたい場合がある。このような場合、従来から髪の毛を編み込むことで、髪の毛をまとめて崩れにくくし、髪の毛の広がりを抑制していた。
しかしながら、合成繊維で形成された直毛のエクステンションで編み込みを行った場合、編み込みが直線状に延びて、髪の毛から垂れ下がった状態となり、編み込み自体に動きがなく、外観が不自然であるという問題がある。
そこで、本発明は、繊維束を編み込んだ繊維索に立体感のあるウェーブを付与できる人工毛髪の製造方法及び繊維束を編み込んだ繊維索に立体感があるウェーブが付与された人工毛髪を提供することを目的とする。
本発明の一つの様相は、複数の繊維が束ねられた繊維束を複数有し、前記複数の繊維束が編み込まれて繊維索が構成され、前記繊維索の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、前記複数の繊維束を編み込んで前記繊維索を形成する繊維索形成工程と、前記繊維索の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、前記棒状体の外周に巻きつけられた前記繊維索を加熱する加熱工程を含む、人工毛髪の製造方法である。
本様相によれば、繊維束を編み込んだ繊維索を棒状体に巻きつけて加熱するため、繊維索に立体感のあるウェーブを付与できる。
好ましい様相は、前記繊維索形成工程では、前記複数の繊維束のうち少なくとも2つの繊維束を2つ編みして前記繊維索を形成することである。
本様相によれば、繊維索を形成しやすく、ウェーブを付与しやすい。
好ましい様相は、前記巻付工程は、前記棒状体に前記繊維束を螺旋状に巻きつけることである。
本様相によれば、繊維索に螺旋状のウェーブを持たせることができる。
好ましい様相は、前記巻付工程は、前記繊維索を前記棒状体に対して螺旋状に巻きつけるものであり、前記巻付工程における前記繊維索の前記棒状体の延び方向におけるピッチは、4インチ以下であることである。
本様相によれば、繊維索に細かなウェーブを形成でき、より立体的となる。
好ましい様相は、繊維に対して捲縮を付与する捲縮工程と、前記捲縮が付与された前記繊維を束ねて繊維束を形成する繊維束形成工程を含むことである。
本様相によれば、繊維に捲縮が付与されているため、繊維束にボリュームを持たせることができ、より立体的なウェーブを付与できる。
本発明の一つの様相は、複数の繊維が束ねられた繊維束を少なくとも2つ有し、前記2つの繊維束は、2つ編みされて繊維索を構成しており、前記繊維索は、曲線状に延びたウェーブを有し、前記ウェーブにおけるピッチは、0.2インチ以上4インチ以下であり、前記ウェーブにおける曲率半径は、0.02インチ以上2インチ以下である、人工毛髪である。
本様相によれば、繊維束が編み込まれた繊維索に立体感があるウェーブを持たせることができる。
本発明の人工毛髪の製造方法及び人工毛髪によれば、繊維束が編み込まれた繊維索に立体感があるウェーブを付与できる。
本発明の第1実施形態の人工毛髪の使用例の一例を示す斜視図である。 図1の繊維索の正面図である。 図1の繊維束の説明図であり、(a)は繊維束の斜視図であり、(b)は(a)の繊維の側面図である。 捲縮工程において繊維に転写される形状を模式的に示した側面図であり、(a)~(c)の順に捲縮の幅を狭くしている。 実施例1の繊維索を使用した人工毛髪の写真である。 (a)は実施例2~5の繊維索を使用した人工毛髪の写真であり、(b)は(a)の人工毛髪を解いた状態を示す写真である。 (a)は実施例6の繊維索を使用した人工毛髪の写真であり、(b)は(a)の人工毛髪を解いた状態を示す写真である。 実施例7の繊維索を使用した人工毛髪の写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の人工毛髪1は、図1のように、頭髪装飾品であり、使用時に、使用者の髪に直接、又は使用者の髪で編み込まれた編み込み部に取り付けられるものである。すなわち、人工毛髪1は、いわゆるバルクヘアと呼ばれるものであり、使用者の毛髪に直接編み込んだり、頭皮を這うように編込んだ自毛(コーンロウ)にニードル等を用いて引掛けたりする等により、様々なスタイルを楽しむことができる。
人工毛髪1は、図2のように、複数の繊維束2が二つ編みされて繊維索5を形成し、複数の繊維索5が頭頂部から側頭面にわたって螺旋状に巻かれている。
本実施形態の人工毛髪1は、繊維索5を縦方向に曲線状に延びたウェーブを有した縦巻きヘアであり、繊維束2を構成する繊維3に捲縮4を付与し、連続的にウェーブを有したヘアスタイルでもある。
人工毛髪1は、複数の繊維索5の長さ方向の一方の端部側が接続部を介して接続されており、必要に応じて接続部を切り離して繊維索5ごとに髪や編み込み部に取り付けることができる。
ここでいう「一方の端部側」とは、長手方向の中央部よりも一方の端部側にあることをという。
繊維索5は、図2のように、2つの繊維束2が二つ編みされてロープ状になったものであり、縦方向の一部又は全部が螺旋状に巻かれたものである。本実施形態の繊維索5は、縦方向の全体に亘って螺旋状に巻かれている。
繊維索5の自然長は、繊維3の全長の60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
図2に示される繊維索5のウェーブのピッチP1(縦方向Yの間隔)は、0.2インチ(0.508cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
図2に示される繊維索5のウェーブの曲率半径D1は、0.02インチ(0.0508cm)以上2インチ(5.08cm)以下であることが好ましい。
図2に示される繊維索5の縦方向Yの長さL1は、2インチ(5.08cm)以上70インチ(177.8cm)以下であることが好ましい。
繊維束2は、図3(a)のように、複数の繊維3が同一方向に延び、まとまって束状となったものである。
繊維3は、図3(b)のように、糸状であって、長さ方向の一部又は全部に波状の捲縮4を備えている。
繊維3は、モダクリル系繊維などのアクリル系繊維(以下、AC繊維ともいう)、塩化ビニル系繊維(以下、PVC繊維ともいう)、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、及びポリアミド系繊維などの合成繊維や再生コラーゲン繊維などの蛋白繊維、人毛繊維や獣毛繊維などの天然繊維が使用できる。
また、繊維3は、上記した複数繊維を併用してもよい。例えば、繊維3は、熱収縮率が異なる複数種類の繊維を使用してもよい。
ここでいう「繊維の熱収縮率」とは、無加工の繊維の材料における加熱工程前に対する放熱工程後の熱収縮率であり、熱収縮率(%)={(加熱工程前の長さ)-(放熱工程後の長さ)}/(加熱工程前の長さ)×100で表されるものである。以下、同様とする。すなわち、「繊維の熱収縮率」とは、繊維固有の収縮率である。なお、加熱工程と放熱工程については、後述する。
繊維3の長さ方向に対して直交する断面の形状は、特に限定されるものではない。繊維3は、例えば、三葉形や四葉形、五葉形、六葉形、七葉形、八葉形などの多葉形、楕円形、円形、繭形、星形、馬蹄形、C型などの断面形状のものが使用できる。
繊維3の繊度は、合成繊維や蛋白繊維の場合、人毛と同様の大きさであれば、特に限定されるものではなく、例えば27dtex以上70dtex以下であることが好ましい。
捲縮4の幅W1は、人工毛髪1の品質(以下、目標品質ともいう)によって適宜設計できる。
図3(b)に示される捲縮4の幅W1は、0.06インチ(1.5mm)以上0.4インチ(10mm)以下であることが好ましく、0.07インチ(2mm)以上0.2インチ(5mm)以下であることが好ましい。
接続部は、各繊維索5をまとめる部位であり、糸や紐、接着テープ、接着剤等の公知の接続手段によって構成されている。
続いて、本発明の人工毛髪1の製造方法について説明する。
人工毛髪1の製造方法は、捲縮工程と、繊維束形成工程と、前処理工程と、繊維索形成工程と、巻付工程と、加熱工程と、放熱工程と、取外工程と、接続工程をこの順に実施するものであり、必要に応じて取外工程と接続工程との間に後処理工程を実施するものである。
捲縮工程は、繊維3に対して捲縮4を付与する工程である。
具体的には、捲縮工程は、一定の間隔の溝を有した2本の歯車状のロールを有したギヤクリンプ加工機械を用い、所定の加熱温度T1で加熱した2本のロールの間に繊維3を挟んで連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで比較的規則的な波形状の捲縮4(クリンプ)を付与する工程である。
クランプ加工機械によって繊維3に転写される形状は、クリンプ加工機械のギヤピッチの幅によって異なる。例えば、ギヤピッチの幅が広い場合には、図4(a)のように捲縮4の幅W1も広い形状となり、図4(b),図4(c)の順に、ギヤピッチが狭くなるに伴って捲縮4の幅W1も狭くなる。
ロールの加熱温度T1は、繊維3のガラス転移温度Tg以上耐熱温度以下の温度であり、安定した形状の捲縮4を付与する観点から、80℃以上180℃以下であることが好ましい。
搬送速度(ラインスピード)は、安定した形状の捲縮4を付与する観点から、0.5m/min以上10m/minであることが好ましい。
繊維束形成工程は、捲縮工程にて捲縮4が付与された繊維3を任意のサイズにカットして計量し、所定の重量ごとにカットした繊維3をまとめて繊維束2を形成する工程である。
このときカットされる繊維3の長さは、製造する人工毛髪1の長さによって適宜変更できるが、25インチ(63.5cm)以上35インチ(88.9cm)以下であることが好ましい。
形成される繊維束2の重量は、製造する人工毛髪1の毛量によって適宜変更できるが、安定して繊維3をまとめる観点から、3.5g以上5g以下であることが好ましい。
前処理工程は、繊維束2に光沢や艶を付与し、収束しやすくし、静電気の発生を抑える工程であり、主に浸漬工程と脱水工程で構成されている。
浸漬工程は、目標とするスタイルに合わせ繊維束2を水に変性シリコーンとポリエーテルを溶解した水溶液に所定時間t1浸して浸漬処理を行う工程である。
このとき、所定時間t1は、十分に繊維束2に水溶液を浸透させる観点から、2分間以上10分間以下であることが好ましい。
このとき使用される水溶液は、1Lの水に対して、アミノ変性シリコーンを2g以上10g以下、ポリエーテルを1g以上8g以下であることが好ましい。
変性シリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも一つの変性シリコーンが使用できる。
ポリエーテルとしては、例えば、重量平均分子量が15000程度の、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドのアルキルエーテルが使用できる。
なお、水溶液には、水性樹脂やシリカ含有シリコーンオイルなどを添加していてもよい。
脱水工程は、浸漬処理された繊維束2を、所定の含水率となるように遠心脱水する工程である。
このときの繊維束2の含水率は、良好な触感と巻付工程での作業性の観点から、5%以上25%以下であることが好ましい。
繊維索形成工程は、前処理された複数の繊維束2を編み込んで繊維索5を形成する工程である。具体的には、2本の繊維束2を二つ編みする工程である。
巻付工程は、繊維索5をパイプ(棒状体)の外周に巻きつける工程である。
具体的には、巻付工程では、目標とするスタイル形状に合わせパイプを選択し、前処理された繊維索5の繊維3の毛先をゴムや不織布などを用いて固定し、パイプに対し繊維索5を一方向から螺旋状に巻き付ける。
このときに使用されるパイプの断面の外郭形状は、特に限定されるものではない。パイプの外郭形状には、例えば、円形状、多角形状、楕円形状、オーバル形状のものがある。
このときに使用するパイプの最小包含円の直径(パイプの外郭形状が円形の場合は直径)は、目標とするスタイル形状に合わせて適宜変更できるが、緻密なウェーブを形成する観点から、0.06インチ(1.6mm)以上0.24インチ(6mm)以下であることが好ましい。
このときの繊維索5のパイプの延び方向のおけるピッチは、目的とするスタイル形状に合わせて適宜変更できるが、0.2インチ(0.508cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
このときのパイプへの繊維索5の巻き付け方としては、目標品質によって適宜変更できるが、繊維索5を捩じりながら巻いてもよいし、捩じらずに巻いてもよい。
また、繊維索5は、パイプの巻き付け位置によってピッチを変更してもよい。例えば、ピッチを狭く巻いた後、ピッチを広く巻いてもよい。
加熱工程は、繊維索5をパイプに固定した状態でオーブンに入れ、所定の加熱温度T2及び所定の加熱時間t2で加熱する工程である。
加熱温度T2は、目標品質に合わせて適宜変更できるが、40℃以上150℃以下であることが好ましく、85℃以上120℃以下であることがより好ましい。
加熱時間t2は、加熱温度と目標品質に合わせて適宜変更できるが、安定した品質とする観点から、15~60分間であることが好ましく、20~30分間であることがより好ましい。
放熱工程は、加熱工程にてオーブンに配された繊維索5をオーブンから取り出したのち、繊維索5が常温になるまで冷却する工程である。
なお、冷却方法は、自然放熱でもよいし、例えば冷風をある一定の冷却速度で当てて冷却してもよい。
取外工程は、放熱工程で常温まで冷却した繊維索5をパイプから取り外す工程である。
後処理工程は、取外工程にて取り外された繊維索5に対してさらに加工を施す工程である。
後処理工程としては、例えば、繊維索5をパイプから外した後に、再度、オーブンに入れて加熱してもよい。
この場合、実質的に熱収縮が伴わない加熱温度及び加熱時間で加熱することで繊維索5を直毛に近いようなルーズにさせたり、熱収縮が伴う加熱温度及び加熱時間で加熱することで繊維索5に熱収縮を加えてボリュームを出したりできる。
ここでいう「実質的に熱収縮が伴わない」とは、見かけ上、加熱工程後に熱収縮が起こらないことをいい、繊維索5に実質的に熱収縮が伴わないとは、加熱工程前の繊維索5と放熱工程後の収縮率が3%以下であることをいう。
ここでいう「繊維索の収縮率」は、繊維索における加熱工程前に対する放熱工程後の収縮率であり、繊維索の収縮率(%)={(加熱工程前の長さ)-(放熱工程後の長さ)}/(繊維索における加熱工程前の長さ)×100で表されるものである。
接続工程は、接続部によって複数の繊維索5を接続する工程である。
具体的には、接続工程では、繊維索5の一方の端部から繊維索5の全長の1/4以下の範囲において、複数の繊維索5を結ぶ又は複数の繊維索5を接着する。
本実施形態の人工毛髪1の製造方法によれば、繊維束2が編み込まれた繊維索5をパイプに巻きつけて加熱するため、繊維索5に立体感のあるウェーブを付与することができる。
本実施形態の人工毛髪1によれば、上記した製造方法で製造しやすく、繊維索に立体感があるウェーブを持たせることができる。
続いて、本発明の第2実施形態の人工毛髪について説明する。なお、第1実施形態の人工毛髪と同様の構成及び工程については必要に応じて説明を省略する。以下、同様とする。
本発明の第2実施形態の人工毛髪は、熱収縮率が異なる2種類の繊維3a,3bで構成されている。具体的には、人工毛髪は、同一温度において、熱収縮率が高い高収縮繊維3aと、熱収縮率が高収縮繊維3aに比べて低い低収縮繊維3bで構成されている。
繊維束2中の高収縮繊維3aと低収縮繊維3bの比率は、目標品質に基づいて適宜設計される。
例えば、繊維束2中の高収縮繊維3aの比率は、30%以上70%以下であってもよいし、繊維束2中の低収縮繊維3bの比率は、30%以上70%以下であってもよい。
本実施形態の人工毛髪は、2種類の繊維3a,3bで構成されているため、繊維束2中の高収縮繊維3aと低収縮繊維3bの比率は足すと100%になる。
続いて、本発明の第2実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第2実施形態の人工毛髪の製造方法は、第1実施形態の人工毛髪1の製造方法と同様、捲縮工程と、繊維束形成工程と、前処理工程と、繊維索形成工程と、巻付工程と、加熱工程と、放熱工程と、取外工程と、接続工程とを当順に実施し、必要に応じて取外工程と接続工程との間に後処理工程を実施するものである。
第2実施形態の捲縮工程では、高収縮繊維3aと低収縮繊維3bをまとめてギヤクリンプ加工機械の2本のロールの間に繊維3を挟んで連続的に通過させる。
第2実施形態の加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない加熱温度及び加熱時間で加熱する。
第2実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、熱収縮率の異なる2種類の繊維3a,3bを使用しているため、繊維3a,3b間の熱収縮率の差によってウェーブの巻き具合を調整できる。
すなわち、第2実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、熱収縮する高収縮繊維3aは、収縮に伴い繊維方向に動いて縮むのに対して、実質的に熱収縮しない低収縮繊維3bは、高収縮繊維3aの動きに引っ張られる形に、およそ数ミリ幅の小さな波状に変形し、捲縮(クリンプ)が形成される。そのため、パイプに巻くことにより、ウェーブ形状を付与すると共に、低収縮繊維3bの1本1本に小さな波状の形状変化を付与でき、毛束が膨らんだボリュームのあるスタイルとなる。
続いて、本発明の第3実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第3実施形態の人工毛髪の製造方法は、第1実施形態の人工毛髪1の製造方法と同様、捲縮工程と、繊維束形成工程と、前処理工程と、繊維索形成工程と、巻付工程と、加熱工程と、放熱工程と、取外工程と、接続工程を実施し、必要に応じて取外工程と接続工程との間に後処理工程を実施するものである。
第3実施形態の加熱工程では、巻付工程によってパイプに固定した繊維索5を、捲縮工程におけるギヤクリンプ加工機械のロールによる繊維3の加熱温度よりも低い温度で繊維索5をオーブンによって加熱する。
第3実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、加熱工程において、捲縮工程にて繊維3に捲縮4を付与する温度よりも低い温度で繊維索5を加熱するため、ふんわりとしたウェーブを形成できる。
上記した実施形態では、繊維3に捲縮4を付与するために捲縮工程を実施したが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維3に捲縮4を付与しない場合には、捲縮工程を省略してもよい。
上記した実施形態では、使用者の髪で編み込まれた編み込み部に人工毛髪を取り付けているが、本発明はこれに限定されるものではない。使用者の髪を模した編み込み部を有するキャップ部材に人工毛髪を取り付けてもよい。
上記した実施形態では、巻付工程において螺旋状に繊維索5をパイプに巻きつけているが、本発明はこれに限定されるものではない。巻付工程において渦巻状に繊維索5をパイプに巻きつけてもよい。
上記した実施形態では、繊維束2を構成する繊維3の長さは、全て一律で同じ長さであるが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維束2を構成する繊維3の長さは部分的に異なっていてもよい。
上記した実施形態では、巻付工程において繊維索5をパイプに巻きつけているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維索5を巻き付ける対象は、所定の方向に延びた棒状体であれば特に限定されない。例えば、ロッドであってもよいし、ピンであってもよい。
上記した実施形態では、繊維索5の長さ方向の全体に螺旋状に巻かれたウェーブが形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維索5の長さ方向において部分的にウェーブが設けられてもよい。部分的にウェーブが形成される場合には、繊維索5の先端部から基端部側(接続部側)に設けられることが好ましい。
上記した実施形態では、同一種類の繊維索5を接続部によって接続して人工毛髪1を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。異なる種類の繊維索5を接続部によって接続して人工毛髪1を形成してもよい。例えば、各実施形態の繊維索5を接続部で接続してもよい。
上記した第2実施形態では、繊維束2は、熱収縮率が異なる2種類の繊維3a,3bによって構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維束2は、熱収縮率が異なる3種類以上の繊維3によって構成されていてもよい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
茶色に着色されたAC繊維と、黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
捲縮工程は行わず、繊維束形成工程から行った。繊維束形成工程として、各繊維のカットレングスを32インチとし、7gの繊維(AC繊維3.5g、PVC繊維3.5g)によって全長が35インチとなるようにブラッシングした。すなわち、32インチにカットした繊維を7g、机にブラシを設置し、ブラシ上で束状にした繊維をブラッシングして毛先をずらし、全長が35インチとなるように筆状の形にして繊維束を形成した(以下、この繊維束の長さをブレンドレングスともいう)。
続いて、前処理工程として、繊維束を1Lの水にアミノ変性シリコーン2~10g、ポリエーテル1~8gを溶解した水溶液に5分間浸し、その後、含水率15%になるように遠心脱水した。
続いて、繊維索形成工程として、脱水した2本の繊維束を二つ編みして繊維索を形成した。
続いて、加熱工程として、繊維索をオーブンに入れ、120℃で20分間加熱した。
続いて、放熱工程として、オーブンから繊維索を取り出したのち、繊維索が常温になるまで自然放冷した。
続いて、後処理工程として、常温まで冷却された繊維索をニードルで刺していき、繊維索の長さ(以下、この繊維索の長さをヘアレングスともいう)を測定した。
このようにして形成された繊維索を実施例1とした。
(実施例2)
実施例1において、黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
捲縮工程として、ギヤクリンプ加工機械によって、PVC繊維を95℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで波形状の捲縮(クリンプサイズ0.16インチ(4mm))を付与した。
繊維束形成工程として、カットレングスを25インチとし、5gの繊維によって全長が29インチとなるようにして繊維束を形成した。
繊維索形成工程後に、巻付工程として、繊維索を直径0.06インチ(1.6mm)のパイプに繊維の毛先をゴムで固定し、パイプに繊維索を螺旋状に巻きつけた。
続いて、加熱工程として、パイプに固定した繊維索をパイプごとオーブンに入れ、85℃で30分間加熱した。すなわち、加熱工程では、ギヤクリンプ加工機械での加熱温度よりも低い温度で加熱した。
続いて、放熱工程として、オーブンからパイプに固定した繊維索を取り出したのち、繊維索が常温になるまで放冷した。
続いて、取外工程として、常温まで冷却された繊維索をパイプから取り外した後、ヘアレングスを測定した。
これら以外の工程は、実施例1と同様にして、これを実施例2とした。
(実施例3)
実施例2において、黒色に着色された熱収縮率が異なるPVC繊維を使用したこと以外は同様にして、これを実施例3とした。
すなわち、実施例3の繊維は、熱収縮率が高い軟質PVC繊維(以下、高PVC繊維ともいう)であり、実施例2のPVC繊維は、高PVC繊維よりも密度が大きく、熱収縮率が低い硬質PVC繊維(以下、低PVC繊維ともいう)を使用した。すなわち、高PVC繊維は、可塑剤を含み、低PVC繊維よりも柔らかい可塑剤を含み、高PVC繊維に比べて柔らかいものである。
(実施例4)
実施例2において、黄色に着色されたAC繊維を使用した。
捲縮工程として、ギヤクリンプ加工機械によって、100℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで波形状の捲縮(クリンプサイズ0.16インチ(4mm)を付与した。
巻付工程では、脱水した繊維索を直径0.06インチ(1.6mm)のパイプに繊維の毛先をゴムで固定し、パイプに繊維索を螺旋状に巻きつけた。
加熱工程では、繊維索を巻きつけたパイプごとオーブンに入れ、90℃で30分間加熱した。すなわち、加熱工程では、ギヤクリンプ加工機械での加熱温度よりも低い温度で加熱した。
続いて、取外工程として、常温まで冷却された繊維索をパイプから取り外した後、ヘアレングスを測定した。
これらの工程以外は同様にして、これを実施例4とした。
(実施例5)
実施例2において、黒色に着色されたPVC繊維と、黄色に着色されたAC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、各繊維のカットレングスを25インチとし、5gの繊維(PVC繊維3g、AC繊維2g)によって全長が25インチとなるようにブラッシングした。すなわち、繊維束のPVC繊維とAC繊維の重量比を6:4とした。
捲縮工程として、ギヤクリンプ加工機械によって、95℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間にPVC繊維を連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで波形状の捲縮(クリンプサイズ0.16インチ(4mm))をPVC繊維に付与した。
また、ギヤクリンプ加工機械によって、100℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間にAC繊維を連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで波形状の捲縮(クリンプサイズ0.16インチ(4mm))をAC繊維に付与した。
加熱工程では、繊維索を巻きつけたパイプごとオーブンに入れ、88℃で30分間加熱した。すなわち、加熱工程では、ギヤクリンプ加工機械での加熱温度よりも低い温度で加熱した。
これらの工程以外は同様にして、これを実施例5とした。
(実施例6)
実施例5において、捲縮工程を行わず、繊維束形成工程を行った。
繊維束形成工程において、PVC繊維のカットレングスを35インチ、AC繊維のカットレングスを31インチとし、4gの繊維(PVC繊維2g、AC繊維2g)によって全長が39インチとなるようにブラッシングした。すなわち、PVC繊維とAC繊維の長さを相違させ、繊維束のPVC繊維とAC繊維の重量比を1:1とした。
また実施例1と同様、パイプに繊維索を巻き付けずに加熱工程及び放熱工程を実施した。
これらの工程以外は同様にして、これを実施例6とした。
(実施例7)
実施例6において、繊維として、高PVC繊維と、低PVC繊維を使用した。
繊維束形成工程において、各繊維のカットレングスを28.5インチとし、6gの繊維(高PVC繊維3g、低PVC繊維3g)によって全長が28.5インチとなるようにブラッシングした。
加熱工程では、脱水した繊維索をオーブンに入れ、110℃で20分間加熱した。
続いて、放熱工程として、オーブンから繊維索を取り出したのち、繊維索が常温になるまで自然放冷し、常温まで冷却された繊維索のヘアレングスを測定し、その後、三等分した。
これらの工程以外は同様にして、これを実施例7とした。
実施例1~7によって得られた人工毛髪を図5~図8に示す。
また、実施例1~7をまとめると以下の通りである。
Figure 2022114799000002
実施例1の繊維索を用いた人工毛髪を図5に示す。
実施例1の繊維索を用いた人工毛髪は、図5のように、耐熱性の異なる2種類の素材を高温でセットし、ニードルで刺したため、ドレッド風の仕上がりとなった。また実施例1の繊維索には緩やかウェーブが形成されていた。
実施例2~5の繊維索を用いた人工毛髪を図6(a)に示す。
実施例2~5の繊維索を用いた人工毛髪は、ギヤクリンプ加工機械での加熱温度よりも低い温度で加熱したため、密に巻かれるとともに、先端に向けて緩やかにウェーブし、ふんわりとしたスタイルとなった。
また、実施例2~5の繊維索を用いた人工毛髪を解すことで、図6(b)のように、各繊維束の編み込みが緩まり、編み込んだ繊維束間に空間が形成された。このことから、実施例2~5の繊維索を用いた人工毛髪は、密に編み込まれた状態と緩く編み込まれた状態の両方に対応できた。
実施例6の繊維索を用いた人工毛髪は、図7(a)のようにしっかりと螺旋状に巻かれたスタイルとなった。
また、実施例6の繊維索を用いた人工毛髪の繊維索の編み込みを解き、さらに繊維束を解すことで、図7(b)のように、大きくクリンプがついた繊維となった。このことから、実施例6の繊維索を用いた人工毛髪は、規則的な螺旋を構成するウェーブと、不規則な螺旋を構成するウェーブの両方に対応できた。
実施例7の繊維索を用いた人工毛髪は、図8のように、しっかりと規則的に螺旋状のウェーブが形成された。
以上のように、実施例1~7によれば、繊維索に立体感のある曲線状のウェーブを形成できた。
1 人工毛髪
2 繊維束
3,3a,3b 繊維
4 捲縮
5 繊維索

Claims (5)

  1. 複数の繊維が束ねられた繊維束を複数有し、前記複数の繊維束が編み込まれて繊維索が構成され、前記繊維索の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、
    前記複数の繊維束を編み込んで前記繊維索を形成する繊維索形成工程と、
    前記繊維索の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、
    前記棒状体の外周に巻きつけられた前記繊維索を加熱する加熱工程を含む、人工毛髪の製造方法。
  2. 前記繊維索形成工程では、前記複数の繊維束のうち少なくとも2つの繊維束を2つ編みして前記繊維索を形成する、請求項1に記載の人工毛髪の製造方法。
  3. 前記巻付工程は、前記繊維索を前記棒状体に対して螺旋状に巻きつけるものであり、
    前記巻付工程における前記繊維索の前記棒状体の延び方向におけるピッチは、4インチ以下である、請求項1又は2に記載の人工毛髪の製造方法。
  4. 繊維に対して捲縮を付与する捲縮工程と、
    前記捲縮が付与された前記繊維を束ねて繊維束を形成する繊維束形成工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の人工毛髪の製造方法。
  5. 複数の繊維が束ねられた繊維束を少なくとも2つ有し、
    前記2つの繊維束は、2つ編みされて繊維索を構成しており、
    前記繊維索は、曲線状に延びたウェーブを有し、
    前記ウェーブにおけるピッチは、0.2インチ以上4インチ以下であり、
    前記ウェーブにおける曲率半径は、0.02インチ以上2インチ以下である、人工毛髪。
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