JP2023119286A - 人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、従来に比べて、所望の髪型の再現性を向上できる人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品を提供する。【解決手段】部分繊維束を有し、部分繊維束は、重量2.0g、長さ560mmを直径15mmの棒状体に対して巻き付け長さが76.2mmとなるように巻いた巻回状態を形成し、巻回状態で70℃の水で60秒加熱し、棒状体から外したときの長さが125mm以上200mm以下であり、部分繊維束は、巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第1変化率の絶対値が25%以下である構成とする。【選択図】図1
Description
本発明は、人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品に関する。
従来から、かつらやウィッグ、エクステンション、ブレード、ヘアバンドなどの頭飾製品の素材として人の毛髪に模した人工毛髪用繊維束が使用されている(例えば、特許文献1)。
ところで、特許文献1に記載の人工毛髪用繊維束は、繊維の材料として、ガラス転移温度の低い塩化ビニル系樹脂を使用している。そのため、ドライヤー等の加熱によって所定の髪型をセットする場合に、わずかな加熱温度の変化によって型の付き方やまとまり方が変わってしまい、所望の髪型を容易にセットしたり、再現性良くセットしたりすることが困難であった。
そこで、本発明は、従来に比べて、所望の髪型を容易に得ることができ、さらには髪型を再現性よく得ることができる人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明者は、再現性良く、所望の髪型を形成するべく、70℃~90℃の熱水に入れて髪型の形状を固定する手法(以下、ホットウォーターセット手法ともいう)に注目した。すなわち、三つ編み等の所定の髪型を形成し、髪全体を熱水に浸すことで、髪型の形状を固定する。この手法であれば、全体的に均等に髪が加熱されるので、加熱後、自然放冷した場合に均等に熱収縮し、ヘアデザインの形状が定まることが期待される。
しかしながら、実際の施術環境では、熱水を用意してから施術するまでに、時間が経過することが多い。例えば、約90℃熱水を用意しても、編み込み等の髪型の施術完了までに時間がかかりすぎると、熱水が大気によって冷却され、すぐに水温が低下してしまう。
実際に、熱水の温度低下を想定し、特許文献1のような塩化ビニル系繊維束に対して、70℃の熱水でホットウォーターセット手法を実施する場合と、90℃の熱水でホットウォーター手法を使用する場合とに分けて検討したところ、髪型の固定度合いが大きく異なった。この結果を踏まえると、人工毛髪用繊維束に塩化ビニル系繊維束を用いた場合に、所望の髪型にセットするためには、セットしてから水を加熱し、熱水にする必要があると想定され、施術時間もかかってしまうという問題が想定された。
しかしながら、実際の施術環境では、熱水を用意してから施術するまでに、時間が経過することが多い。例えば、約90℃熱水を用意しても、編み込み等の髪型の施術完了までに時間がかかりすぎると、熱水が大気によって冷却され、すぐに水温が低下してしまう。
実際に、熱水の温度低下を想定し、特許文献1のような塩化ビニル系繊維束に対して、70℃の熱水でホットウォーターセット手法を実施する場合と、90℃の熱水でホットウォーター手法を使用する場合とに分けて検討したところ、髪型の固定度合いが大きく異なった。この結果を踏まえると、人工毛髪用繊維束に塩化ビニル系繊維束を用いた場合に、所望の髪型にセットするためには、セットしてから水を加熱し、熱水にする必要があると想定され、施術時間もかかってしまうという問題が想定された。
そこで、本発明者は、ホットウォーターセット手法を実施したときに、人工毛髪用繊維束についてセット温度の変化によって影響を受けにくくなるように、形状や素材、捲縮付与温度等について検討及び設計した。その結果、所定の基準を満たす人工毛髪用繊維束の開発に成功した。
すなわち、本発明は、ホットウォーターセット手法に合わせて新たに開発された人工毛髪用繊維束に関するものであり、本発明の一つの様相は、部分繊維束を有し、前記部分繊維束は、重量2.0g、長さ560mmを直径15mmの棒状体に対して巻き付け長さが76.2mmとなるように巻いた巻回状態を形成し、前記巻回状態で70℃の水で60秒加熱し、前記棒状体から外したときの長さが125mm以上200mm以下であり、前記部分繊維束は、前記巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する前記巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第1変化率の絶対値が25%以下である、人工毛髪用繊維束である。
本様相によれば、70℃で加熱したときの長さに対する90℃の水で加熱したときの長さの変化量が25%以下であるため、70℃から90℃の範囲の熱水による加熱において概ね部分繊維束の長さが急激に大きく変動しない。そのため、ホットウォーターセット手法によって、人工毛髪用繊維束を使用者(被施術者)に施術する場合に、熱水の温度変化による影響を受けにくく、安定して施術することができ、従来に比べて髪型の再現性を向上できる。
好ましい様相は、前記部分繊維束は、前記第1変化率の絶対値が20%以下である。
好ましい様相は、前記部分繊維束は、前記巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する前記巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第2変化率の絶対値と、前記巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する前記巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第3変化率の絶対値が、ともに10%以内であることである。
好ましい様相は、前記部分繊維束は、モダクリル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維の群からなる少なくとも一つの繊維で構成されている。
本発明の一つの様相は、上記の人工毛髪用繊維束の前記部分繊維束を前記棒状体に巻き付けて巻回体を形成する巻回工程と、前記巻回体を70℃以上90℃以下の液体で加熱する加熱工程と、前記巻回体から前記棒状体を取り外す取外工程をこの順に含む、頭飾製品の製造方法である。
本様相によれば、部分繊維束に容易にまとまったカールを付与できる。
好ましい様相は、前記液体は、水である。
好ましい様相は、前記棒状体から取り外された前記巻回体を使用者の頭部の編み込み部又は頭部に固定されるキャップ部材の編み込み部に対して取り付けて編み込む編込工程を含むことである。
好ましい様相は、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー、及びドールヘアーからなる群から選ばれる一種であることである。
本発明によれば、従来に比べて、所望の髪型を容易に得ることができ、さらには髪型を再現性よく得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の頭飾製品1は、図1(a)のように、人工毛髪用繊維束2(人工毛髪)を被施術者(使用者)の地毛による編み込み部に対して取り付けられるものであり、人工毛髪用繊維束2が編み込み部に編み込まれて形成されるものである。
人工毛髪用繊維束2は、複数の部分繊維束3を有しており、少なくとも2つの部分繊維束が編み込まれたものである。
部分繊維束3は、捲縮が付与された複数の繊維5が束になったものである。
部分繊維束3は、モダクリル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維の群からなる少なくとも一つの繊維で構成されていることが好ましく、モダクリル繊維で構成されていることがより好ましい。
繊維5は、規則的な波状の捲縮が付与されていてもよいし、不規則な形状の捲縮が付与されていてもよい。
繊維5の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形、Y形、H形、U形、C形、X形、扁平形、馬蹄形などの形状とできる。
人工毛髪用繊維束2は、複数の部分繊維束3を有しており、少なくとも2つの部分繊維束が編み込まれたものである。
部分繊維束3は、捲縮が付与された複数の繊維5が束になったものである。
部分繊維束3は、モダクリル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維の群からなる少なくとも一つの繊維で構成されていることが好ましく、モダクリル繊維で構成されていることがより好ましい。
繊維5は、規則的な波状の捲縮が付与されていてもよいし、不規則な形状の捲縮が付与されていてもよい。
繊維5の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形、Y形、H形、U形、C形、X形、扁平形、馬蹄形などの形状とできる。
部分繊維束3は、重量2.0g、長さ560mmを直径15mmの棒状体に対して巻き付け長さが3インチ(76.2mm)となるように巻いた巻回状態を形成し、巻回状態で70℃の水で60秒加熱し、棒状体から外したときの長さが125mm以上200mm以下であり、150mm以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した捲縮状態で80℃の水で60秒加熱し、棒状体から外したときの長さが100mm以上150mm以下であり、110mm以上135mm以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した捲縮状態で90℃の水で60秒加熱し、棒状体から外したときの長さが100mm以上150mm以下であり、110mm以上135mm以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した捲縮状態で80℃の水で60秒加熱し、棒状体から外したときの長さが100mm以上150mm以下であり、110mm以上135mm以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した捲縮状態で90℃の水で60秒加熱し、棒状体から外したときの長さが100mm以上150mm以下であり、110mm以上135mm以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL1)に対する巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL3)の第1変化率の絶対値が25%以下であり、20%以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL1)に対する巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL2)の第2変化率の絶対値が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
部分繊維束3は、上記した巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL2)に対する巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL3)の第3変化率の絶対値が10%以下であることが好ましい。
部分繊維束3は、上記した巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL1)に対する巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL2)の第2変化率の絶対値が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
部分繊維束3は、上記した巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL2)に対する巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL3)の第3変化率の絶対値が10%以下であることが好ましい。
なお、基準温度X(℃)のカール強度に対する温度Y(℃)のカール強度に対する相対的な変化率Z(%)は、下記の式(1)によって算出した。
部分繊維束3は、巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL1)に対する巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL2)の第2変化率の絶対値と、巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL2)に対する巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときのカール強度(長さL3)の第3変化率の絶対値が、ともに10%以内であることが好ましい。
人工毛髪用繊維束2は、三つ編みにし、下記の耐久性試験を実施した後の平均飛び出し毛率が0%超過12%以下であることが好ましい。
耐久性試験は、飛び出し毛を切断して表面を整え、90℃の熱湯に15秒間20回浸漬する。その後、水分をふき取り、40℃の乾燥機に入れて2時間乾燥させる。そして、布を敷いた机に叩きつけ、布上に敷き、上から布で10秒こすりつける動作を5セット行う。
耐久性試験は、飛び出し毛を切断して表面を整え、90℃の熱湯に15秒間20回浸漬する。その後、水分をふき取り、40℃の乾燥機に入れて2時間乾燥させる。そして、布を敷いた机に叩きつけ、布上に敷き、上から布で10秒こすりつける動作を5セット行う。
ここでいう「飛び出し毛」とは、まとめた繊維束の表面から短い繊維が跳ねて出ている状態をいう。
すなわち、「飛び出し毛率」とは、繊維束の飛び出し毛がどの程度あるかを示す指標であり、光を照射したときに透過光の割合が50%未満となるバルクと、50%以上となる飛び出し毛と、に分類したときの全体に占める飛び出し毛の割合をいう。
すなわち、「飛び出し毛率」とは、繊維束の飛び出し毛がどの程度あるかを示す指標であり、光を照射したときに透過光の割合が50%未満となるバルクと、50%以上となる飛び出し毛と、に分類したときの全体に占める飛び出し毛の割合をいう。
続いて、本実施形態の頭飾製品1の製造方法について説明する。
まず、原料繊維を束ねて仕掛繊維束を形成し、仕掛繊維束に対して対をなすギヤ部を一又は複数有するギヤクリンプ装置によって捲縮を付与して部分繊維束3を形成する(部分繊維束形成工程)。
このときのギヤクリンプのギヤ部の全歯たけサイズは、1.5mm以上7.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上3.0mm以下であることが好ましい。
このときのギヤ部の温度は、90℃以上100℃以下であることが好ましい。
このときのギヤ部の回転速度は、0.5m/min以上10.0m/min以下であることが好ましい。
このときのギヤ部の温度は、90℃以上100℃以下であることが好ましい。
このときのギヤ部の回転速度は、0.5m/min以上10.0m/min以下であることが好ましい。
続いて、捲縮が付与された部分繊維束3を棒状体に巻いて巻回状態の部分繊維束(以下、巻回体ともいう)を形成する(巻回工程)。
このとき使用される棒状体の直径は、特に限定されるものではないが、10mm以上20mm以下であることが好ましい。
また巻回体の棒状体の巻付長さ(棒状体における部分繊維束3が巻き付けられた領域の長手方向の長さ)は、2インチ(5.08cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
また巻回体の棒状体の巻付長さ(棒状体における部分繊維束3が巻き付けられた領域の長手方向の長さ)は、2インチ(5.08cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
続いて、巻回状態の部分繊維束3の一部又は全部を所定の加熱温度に加熱された液体に浸す(加熱工程)。
このとき使用される液体は、特に限定されるものではないが、例えば、水が使用できる。
このときの加熱温度は、70℃以上90℃以下であることが好ましい。
このときの加熱温度は、70℃以上90℃以下であることが好ましい。
液体に浸されて所定の加熱時間を経過すると、巻回体から棒状体を取り外す(取外工程)。
このときの液体による加熱時間は、10秒以上2分以下であることが好ましく、15秒以上60秒以下であることがより好ましい。
このとき、部分繊維束3には棒状体の外周面に沿った螺旋状のカールが付与される。
このとき、部分繊維束3には棒状体の外周面に沿った螺旋状のカールが付与される。
別途工程にて、被施術者の髪を編み込んで編み込み部を形成する(編込部形成工程)。
そして、複数の巻回体の端部を被施術者の頭部の編み込み部又は被施術者の頭部に取り付け可能なキャップ部材の編み込み部に固定し、少なくとも2つの巻回体を編み込んで、頭飾製品1が形成される(編込工程)。
このときの巻回体の編み込み方法は、特に限定されるものではなく、二つ編みであってもよいし、三つ編みであってもよい。また、ツイストであってもよい。
本実施形態の人工毛髪用繊維束2によれば、70℃で加熱した後に棒状体から外したときの長さと90℃で加熱した後に棒状体から外したときの長さの変化量が25%以下であるため、70℃から90℃の範囲においてホットウォーターセット手法によって加熱しても部分繊維束3の長さが大きく変動しない。そのため、人工毛髪用繊維束2を被施術者に施術する際に、セット温度の変化によって影響を受けにくく安定して施術することができ、従来に比べて髪型の再現性を向上できる。
本実施形態の人工毛髪用繊維束2によれば、部分繊維束3が70℃でのカール強度に対する80℃でのカール強度の第2変化率の絶対値と、80℃でのカール強度に対する90℃でのカール強度の第3変化率の絶対値が、ともに10%以内である。すなわち、70℃と80℃との間でのカール強度の変化量と、80℃と90℃との間でのカール強度の変化量が小さい。そのため、70℃~90℃においていずれの温度でホットウォーターセット手法によって加熱しても大きく変化しにくく、セット温度の変化によって影響を受けにくい。
本実施形態の人工毛髪用繊維束2によれば、部分繊維束3の平均飛び出し毛率が12%以下であり、まとまりが良好である。
本実施形態の頭飾製品1の製造方法によれば、巻回体を70℃以上90℃以下の液体で加熱して形状を付与するので、部分繊維束3に容易にカールを付与できる。
本実施形態の頭飾製品1の製造方法によれば、被施術者の頭部に設けられた編み込み部に対して部分繊維束3がまとまった螺旋状に巻回体を取り付けて編み込むので、繊維5間での摩擦によって繊維5がまとまりやすく、飛び出し毛が生じにくい。
上記した実施形態では、被施術者の地毛を編み込んだ編み込み部に対して人工毛髪用繊維束2を取り付けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。あらかじめ人工繊維束又は人毛が編み込まれた編み込み部を有するキャップ部材(かつら部材)を用い、被施術者の頭部に固定されたキャップ部材の編み込み部に対して人工毛髪用繊維束2を編み込んで取り付けてもよい。この場合、編込部形成工程では、あらかじめ人工毛髪用繊維又は人毛の束が編み込まれた編み込み部をもつキャップ部材を被施術者の頭部に取り付ける。
頭飾製品1は、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーからなる群から選ばれる一種であり、複数用いてもよく、人毛束や動物毛束と併用してもよい。
頭飾製品1は、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーからなる群から選ばれる一種であり、複数用いてもよく、人毛束や動物毛束と併用してもよい。
上記した実施形態では、繊維5に捲縮を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維5に捲縮を設けなくてもよい。
上記した実施形態では、ホットウォーターセット手法によって部分繊維束3にカールを付与してから編み込んでいたが、本発明はこれに限定されるものではない。部分繊維束3を編み込んでから、ホットウォーターセット手法を行ってもよい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
以下、本発明の実施例を実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
繊維として断面形状がH状のモダクリル(MODA)繊維を使用し、長さ3000mm、合計重量が400gとなるように繊維を束ねて仕掛繊維束を形成し、仕掛繊維束を、圧力を一定とし、ギヤ温度100℃、1.5m/minの条件で全歯たけサイズが2.5mmのギヤクリンプ装置に通過させて繊維束を形成し、これを実施例1とした。
繊維として断面形状がH状のモダクリル(MODA)繊維を使用し、長さ3000mm、合計重量が400gとなるように繊維を束ねて仕掛繊維束を形成し、仕掛繊維束を、圧力を一定とし、ギヤ温度100℃、1.5m/minの条件で全歯たけサイズが2.5mmのギヤクリンプ装置に通過させて繊維束を形成し、これを実施例1とした。
(実施例2)
実施例1において、断面形状がY状であり、実施例1とは断面形状と繊度が異なるモダクリル繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例2とした。
実施例1において、断面形状がY状であり、実施例1とは断面形状と繊度が異なるモダクリル繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例2とした。
(実施例3)
実施例1において、断面形状が馬蹄状であり、実施例1とは断面形状と繊度が異なるモダクリル繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例3とした。
実施例1において、断面形状が馬蹄状であり、実施例1とは断面形状と繊度が異なるモダクリル繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例3とした。
(実施例4)
実施例2において、全歯たけサイズが7.0mmのギヤクリンプ装置に通過させたこと以外は同様にしてこれを実施例4とした。
実施例2において、全歯たけサイズが7.0mmのギヤクリンプ装置に通過させたこと以外は同様にしてこれを実施例4とした。
(実施例5)
実施例1において、繊維としてナイロン(Ny)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例5とした。
実施例1において、繊維としてナイロン(Ny)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例5とした。
(実施例6)
実施例1において、繊維としてアクリル(AC)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例6とした。
実施例1において、繊維としてアクリル(AC)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを実施例6とした。
(比較例1)
実施例1において、繊維としてポリ塩化ビニル(PVC)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを比較例1とした。
実施例1において、繊維としてポリ塩化ビニル(PVC)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを比較例1とした。
(比較例2)
実施例1において、繊維としてポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを比較例2とした。
実施例1において、繊維としてポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを比較例2とした。
(比較例3)
実施例1において、繊維としてポリプロピレン(PP)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを比較例3とした。
実施例1において、繊維としてポリプロピレン(PP)繊維を使用したこと以外は同様にしてこれを比較例3とした。
(カール強度測定)
図2のように、繊維を束ねた繊維束を直径15mmのパイプに巻き付け、3インチ(7.62cm)になるように巻いた巻回体を3つ形成し、各巻回体を70℃の熱水、80℃の熱水、90℃の熱水にそれぞれ60秒間浸す。そして、パイプから巻回体をそれぞれ取り外し、それぞれ巻回体の螺旋軸方向の長さ(図3のように水平面に載置したときの延び方向の長さ)を各温度のカール強度として測定した。
また、基準温度X(℃)のカール強度に対する温度Y(℃)のカール強度に対する相対的な変化率Z(%)は、下記の式(1)によって算出した。
図2のように、繊維を束ねた繊維束を直径15mmのパイプに巻き付け、3インチ(7.62cm)になるように巻いた巻回体を3つ形成し、各巻回体を70℃の熱水、80℃の熱水、90℃の熱水にそれぞれ60秒間浸す。そして、パイプから巻回体をそれぞれ取り外し、それぞれ巻回体の螺旋軸方向の長さ(図3のように水平面に載置したときの延び方向の長さ)を各温度のカール強度として測定した。
また、基準温度X(℃)のカール強度に対する温度Y(℃)のカール強度に対する相対的な変化率Z(%)は、下記の式(1)によって算出した。
(飛び出し毛率測定)
実施例1~6及び比較例1~3において、2.8gの繊維束を三つ編みにし、下記の耐久性試験を実施する。すなわち、2.8gの繊維束を三つ編みにし、飛び出し毛を切断して表面を整え、90℃の熱湯に15秒間20回浸漬する。その後、水分をふき取り、40℃の乾燥機に入れて2時間乾燥させる。そして、布を敷いた机に叩きつけ、布上に敷き、上から布で10秒こすりつける動作を5セット行う。耐久性試験が終わると、三つ編みを撮影し、毛束ボリューム測定装置(BOSSA NOVA Vision社製、製品名:BOLERO)を使用し、閾値を50%として飛び出し毛(FLYAWAY)率(以下、FA率ともいう)を測定した。具体的には、毛先25cmの位置において、光を照射し、図4のように、透過率が50%未満の部分をバルク(Bulk)、50%以上の部分を飛び出し毛(FLYAWAY)と分類し、全体に対する飛び出し毛の割合を測定した。
実施例1~6及び比較例1~3において、2.8gの繊維束を三つ編みにし、下記の耐久性試験を実施する。すなわち、2.8gの繊維束を三つ編みにし、飛び出し毛を切断して表面を整え、90℃の熱湯に15秒間20回浸漬する。その後、水分をふき取り、40℃の乾燥機に入れて2時間乾燥させる。そして、布を敷いた机に叩きつけ、布上に敷き、上から布で10秒こすりつける動作を5セット行う。耐久性試験が終わると、三つ編みを撮影し、毛束ボリューム測定装置(BOSSA NOVA Vision社製、製品名:BOLERO)を使用し、閾値を50%として飛び出し毛(FLYAWAY)率(以下、FA率ともいう)を測定した。具体的には、毛先25cmの位置において、光を照射し、図4のように、透過率が50%未満の部分をバルク(Bulk)、50%以上の部分を飛び出し毛(FLYAWAY)と分類し、全体に対する飛び出し毛の割合を測定した。
各実施例1~6及び各比較例1~3においてカール強度及びカール強度の変化率及びFA率の結果を表1に示す。
実施例1~6は、表1のように、70℃で処理したときのカール強度L1が12.5cm以上15cm以下の範囲に収まっており、80℃で処理したときのカール強度L2が11cm以上13.5cm以下の範囲に収まっており、90℃で処理したときのカール強度L3が10cm以上13.5cm以下の範囲に収まっていた。すなわち、実施例1~6では、表1のように、70℃~90℃のいずれの温度においてもカール強度が、15cm以内の範囲に収まっていた。
また、比較例1~3では、第1変化率の絶対値が25%超過であるのに対して、実施例1~6では、第1変化率の絶対値が25%以下であった。
このように、実施例1~6では、70℃の熱水で処理したときと、90℃の熱水で処理したときとでカール強度が大きく変化せず、各比較例1~3に比べて安定であることが示唆された。
また、比較例1~3では、第1変化率の絶対値が25%超過であるのに対して、実施例1~6では、第1変化率の絶対値が25%以下であった。
このように、実施例1~6では、70℃の熱水で処理したときと、90℃の熱水で処理したときとでカール強度が大きく変化せず、各比較例1~3に比べて安定であることが示唆された。
特に、実施例1~5では、第2変化率の絶対値と第3変化率の絶対値がともに10%以下であった。すなわち、実施例1~5では、70℃~90℃の間で熱水の温度が変動しても、実質的に髪型が変化しないことが示唆された。
実施例1~6では、FA率が12%以下に収まっており、飛び出し毛の発生が少なく、まとまりのある繊維束が形成されていた。
通過させるギヤクリンプ装置の歯たけサイズが異なる実施例2と実施例4を比較すると、実施例2は、カール強度が実施例4と一致し、FA率が実施例4に比べて低い値をとった。このことから、捲縮が小さいほど、FA率が小さくなることが示唆された。
以上の結果から、実施例1~6のように、70℃でのカール強度L1が125mm以上200mm以下であって、第1変化率の絶対値が25%以下とすることで、飛び出し毛が発生しにくく、ヘアデザインの再現性が良好な人工毛髪用繊維束とできることが示唆された。
1 頭髪製品
2 人工毛髪用繊維束
3 部分繊維束
5 繊維
2 人工毛髪用繊維束
3 部分繊維束
5 繊維
Claims (9)
- 部分繊維束を有し、
前記部分繊維束は、重量2.0g、長さ560mmを直径15mmの棒状体に対して巻き付け長さが76.2mmとなるように巻いた巻回状態を形成し、前記巻回状態で70℃の水で60秒加熱し、前記棒状体から外したときの長さが125mm以上200mm以下であり、
前記部分繊維束は、前記巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する前記巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第1変化率の絶対値が25%以下である、人工毛髪用繊維束。 - 前記部分繊維束は、前記第1変化率の絶対値が20%以下である、請求項1に記載の人工毛髪用繊維束。
- 前記部分繊維束は、前記巻回状態で70℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する前記巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第2変化率の絶対値と、前記巻回状態で80℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さに対する前記巻回状態で90℃の水で60秒加熱した後に棒状体から外したときの長さの第3変化率の絶対値が、ともに10%以内である、請求項1又は2に記載の人工毛髪用繊維束。
- 前記部分繊維束は、モダクリル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維の群からなる少なくとも一つの繊維で構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束の前記部分繊維束を前記棒状体に巻き付けて巻回体を形成する巻回工程と、
前記巻回体を70℃以上90℃以下の液体で加熱する加熱工程と、
前記巻回体から前記棒状体を取り外す取外工程をこの順に含む、頭飾製品の製造方法。 - 前記液体は、水である、請求項5に記載の頭飾製品の製造方法。
- 前記棒状体から取り外された前記巻回体を使用者の頭部の編み込み部又は頭部に固定されるキャップ部材の編み込み部に対して取り付けて編み込む編込工程を含む、請求項5又は6に記載の頭飾製品の製造方法。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の人工毛髪用繊維束を含む、頭飾製品。
- ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー、及びドールヘアーからなる群から選ばれる一種である、請求項8に記載の頭飾製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022022099A JP2023119286A (ja) | 2022-02-16 | 2022-02-16 | 人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022022099A JP2023119286A (ja) | 2022-02-16 | 2022-02-16 | 人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023119286A true JP2023119286A (ja) | 2023-08-28 |
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ID=87763452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022022099A Pending JP2023119286A (ja) | 2022-02-16 | 2022-02-16 | 人工毛髪用繊維束、頭飾製品の製造方法、及び頭飾製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023119286A (ja) |
-
2022
- 2022-02-16 JP JP2022022099A patent/JP2023119286A/ja active Pending
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