JP2022114798A - 人工毛髪の製造方法及び人工毛髪 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の形状のカールを付与できる人工毛髪の製造方法及び高品質のカールが付与された人工毛髪を提供する。【解決手段】複数の繊維3が束ねられた繊維束2を有し、繊維束2の一部が螺旋状又は渦巻状に延びたものであって、繊維束2の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、棒状体の外周に巻きつけられた繊維束2を加熱する加熱工程と、加熱工程にて加熱された繊維束2を常温まで放熱する放熱工程とを含み、加熱工程では、繊維3の収縮率と繊維3のガラス転移温度に基づいて、放熱工程における繊維束2の収縮率が所定の範囲に収まるように、加熱温度及び加熱時間のうち少なくとも一方を調整して加熱する。【選択図】図2
Description
本発明は、人工毛髪の製造方法及び人工毛髪に関し、特に縦方向に巻かれた縦巻きの人工毛髪に関する。
従来から、ヘアスタイルを変更する際の手段として、使用者自身の髪の毛にエクステンションを取り付ける方法がある(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、使用者自身の髪の毛とエクステンションを互いに逆方向からリングに挿入し、リングを潰すことで使用者の髪にエクステンションを取り付ける方法が開示されている。
特許文献1には、使用者自身の髪の毛とエクステンションを互いに逆方向からリングに挿入し、リングを潰すことで使用者の髪にエクステンションを取り付ける方法が開示されている。
ところで、エクステンションを構成する繊維束には、人の毛で構成された人毛で構成されるものと、合成繊維や蛋白繊維などの人工繊維で構成されるものがある。
人工繊維で構成される繊維束は、人毛で構成される繊維束に比べて低コストで製造可能であるという利点がある。
その一方で、人工繊維で構成される繊維束は、一般的に人毛で構成される人毛束に比べて耐熱温度が低く、熱処理を施しカールを付与する場合、熱処理温度によって収縮量が大きく変動し、所望の形状のカールを付与しにくい問題がある。
人工繊維で構成される繊維束は、人毛で構成される繊維束に比べて低コストで製造可能であるという利点がある。
その一方で、人工繊維で構成される繊維束は、一般的に人毛で構成される人毛束に比べて耐熱温度が低く、熱処理を施しカールを付与する場合、熱処理温度によって収縮量が大きく変動し、所望の形状のカールを付与しにくい問題がある。
また、人工繊維で形成された繊維束は、耐熱温度に近い高温で熱処理してカールを付与すると、柔らかくなりすぎて、熱処理を終了するとその自重によりカールが延びてしまい、カールが維持できないことがある。一方、熱処理温度が低すぎると、一時的にカールを付与できても、すぐに元の形状に戻ってしまうことがある。
このように、人工繊維で形成された繊維束は、熱処理温度の設定が難しく、所望の形状のカールを容易に、かつ長時間保持できるような高品質で付与することが困難であった。
そこで、本発明は、所望の形状のカールを付与できる人工毛髪の製造方法及び従来に比べて高品質のカールが付与された人工毛髪を提供することを目的とする。
本発明の一つの様相は、複数の繊維を束ねた繊維束を有し、前記繊維束の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、前記繊維束の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、前記棒状体の外周に巻きつけられた前記繊維束を加熱する加熱工程と、前記加熱工程にて加熱された前記繊維束を常温まで放熱する放熱工程とを含み、前記加熱工程では、前記繊維の熱収縮率と前記繊維のガラス転移温度に基づいて、前記放熱工程における前記繊維束の収縮率が所定の範囲に収まるように、加熱温度及び加熱時間のうち少なくとも一方を調整して加熱する、人工毛髪の製造方法である。
ここでいう「繊維の熱収縮率」とは、無加工の繊維の材料における加熱工程前に対する放熱工程後の熱収縮率であり、繊維の熱収縮率(%)={(加熱工程前の長さ)-(放熱工程後の長さ)}/(無加工の繊維の加熱工程前の長さ)×100で表されるものである。以下、同様とする。すなわち、「繊維の熱収縮率」とは、繊維固有の収縮率である。
ここでいう「繊維束の収縮率」は、繊維束における加熱工程前に対する放熱工程後の収縮率であり、繊維束の収縮率(%)={(繊維束における加熱工程前の長さ)-(繊維束における放熱工程後の長さ)}/(繊維束における加熱工程前の長さ)×100で表されるものである。
ここでいう「複数の繊維」とは、天然繊維及び/又は人工繊維を含む。
ここでいう「繊維束の収縮率」は、繊維束における加熱工程前に対する放熱工程後の収縮率であり、繊維束の収縮率(%)={(繊維束における加熱工程前の長さ)-(繊維束における放熱工程後の長さ)}/(繊維束における加熱工程前の長さ)×100で表されるものである。
ここでいう「複数の繊維」とは、天然繊維及び/又は人工繊維を含む。
本様相によれば、繊維の熱収縮率とガラス転移温度に基づいて加熱温度及び/又は加熱時間を調整し、放熱工程での繊維束の収縮率を所望の範囲に収めるため、所望の形状のカールを従来に比べて高品質で付与できる。
好ましい様相は、前記巻付工程よりも前に、変性シリコーンとポリエーテルを含む水溶液に前記繊維束を浸漬する浸漬工程を含むことである。
本様相によれば、変性シリコーンとポリエーテルを含む水溶液によって、繊維束に櫛通り性と集束性を持たせ、静電気の発生も抑制できるため、よりスムーズに巻付工程を行うことができる。
好ましい様相は、前記巻付工程は、前記棒状体に前記繊維束を螺旋状に巻きつけることである。
本様相によれば、繊維束に螺旋状のカールを持たせることができる。
より好ましい様相は、前記巻付工程における前記繊維束の前記棒状体の延び方向における螺旋のピッチは、4インチ以下であることである。
本様相によれば、より密なカールを形成できる。
好ましい様相は、前記繊維は、合成繊維及び/又は蛋白繊維を含むことである。
本様相によれば、形状を維持しやすい。
本発明の一つの様相は、熱収縮率が異なる第1繊維と第2繊維を含む複数の繊維を束ねた繊維束を有し、前記繊維束の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、前記繊維束の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、前記棒状体の外周に巻きつけられた前記繊維束を加熱する加熱工程と、前記加熱工程にて加熱された前記繊維束を常温まで放熱する放熱工程を含み、前記加熱工程は、前記第1繊維の熱収縮率が3%超過となり、かつ前記第2繊維の熱収縮率が3%以下となる加熱温度及び加熱時間で加熱する工程と、前記第1繊維及び前記第2繊維の熱収縮率がともに3%超過となる加熱温度及び加熱時間で加熱する工程を含む。
本様相によれば、二種類の繊維の熱収縮率の差により、カールの巻き具合(例えば、巻く際の強度)を調整でき、所望の形状のカールをより高品質で付与できる。
本発明の一つの様相は、複数の繊維が束ねられた繊維束を有し、前記繊維束は、螺旋状に延びた螺旋部を有し、前記螺旋部における螺旋のピッチは、0インチ以上4インチ以下であり、前記螺旋部における螺旋径は、0.04インチ以上4インチ以下であり、前記繊維束の自然長は、前記繊維の全長の60%以下である、人工毛髪である。
ここでいう「自然長」とは、無荷重状態の長さをいう。すなわち、「繊維束の自然長」とは、繊維束の端部を支持し、垂下した状態での長さをいう。
本様相によれば、高密度で高品質のカールを付与できる。
また本様相によれば、上記した人工毛髪の製造方法で製造しやすい。
また本様相によれば、上記した人工毛髪の製造方法で製造しやすい。
好ましい様相は、前記繊維は、一部又は全部に捲縮が付与されており、前記捲縮の幅は、0.06インチ以上0.4インチ以下であることである。
本発明の人工毛髪の製造方法によれば、従来に比べて、所望の形状のカールをより高品質で付与できる。
本発明の人工毛髪によれば、より高密度で高品質のカールが付与されている。
本発明の人工毛髪によれば、より高密度で高品質のカールが付与されている。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の人工毛髪1は、図1のように、使用者の頭部に取り付けられる頭髪装飾品であり、使用時に、使用者の髪に直接、及び/又は使用者の髪で編み込まれた編み込み部に取り付けられるものである。すなわち、人工毛髪1は、いわゆるバルクヘアと呼ばれるものであり、使用者の毛髪に直接編み込んだり、頭皮を這うように編込んだ自毛(コーンロウ)にニードル等を用いて引掛けたりする等により、様々なスタイルを楽しむことができる。
人工毛髪1は、複数の繊維束2を頭頂部から側頭面にわたって縦方向に螺旋状に巻かれ、螺旋状のカール(螺旋部)を有した縦巻きヘアである。
本実施形態の人工毛髪1は、繊維束2を構成する繊維3に捲縮4が付与されており、連続的にカールを有するヘアスタイルである。
人工毛髪1は、複数の繊維束2の長さ方向の一方の端部側が接続部を介して接続されており、必要に応じて接続部を切り離して繊維束2ごとに髪や編み込み部に取り付けることができる。
ここでいう「一方の端部側」とは、長手方向の中央部よりも一方の端部側にあることをという。
本実施形態の人工毛髪1は、繊維束2を構成する繊維3に捲縮4が付与されており、連続的にカールを有するヘアスタイルである。
人工毛髪1は、複数の繊維束2の長さ方向の一方の端部側が接続部を介して接続されており、必要に応じて接続部を切り離して繊維束2ごとに髪や編み込み部に取り付けることができる。
ここでいう「一方の端部側」とは、長手方向の中央部よりも一方の端部側にあることをという。
繊維束2は、図2(a)のように、複数の繊維3が束となり、縦方向Yの一部又は全部が螺旋状に巻かれたものである。本実施形態の繊維束2は、縦方向Yの全体に亘って螺旋状に巻かれている。
繊維束2の自然長は、繊維3の全長の60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
図2(a)に示される繊維束2のカールのピッチP1(縦方向Yの間隔)は、0インチ(0cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
図2(a)に示される繊維束2のカールの螺旋径D1は、0.04インチ(0.1016cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
繊維束2の縦方向Yの長さL1は、2インチ(5.08cm)以上70インチ(177.8cm)以下であることが好ましい。
図2(a)に示される繊維束2のカールのピッチP1(縦方向Yの間隔)は、0インチ(0cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
図2(a)に示される繊維束2のカールの螺旋径D1は、0.04インチ(0.1016cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
繊維束2の縦方向Yの長さL1は、2インチ(5.08cm)以上70インチ(177.8cm)以下であることが好ましい。
繊維3は、図2(b)のように、糸状であって、長さ方向の一部又は全部に波状の捲縮4を備えている。
繊維3は、アクリル系繊維、塩化ビニル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、及びポリアミド系繊維などの合成繊維や再生コラーゲン繊維などの蛋白繊維、人毛繊維や獣毛繊維などの天然繊維が使用できる。
また、繊維3は、上記した複数繊維を併用してもよい。
また、繊維3は、上記した複数繊維を併用してもよい。
繊維3の長さ方向に対して直交する断面の形状は、特に限定されるものではない。繊維3は、例えば、三葉形や四葉形、五葉形、六葉形、七葉形、八葉形などの多葉形、楕円形、円形、繭形、星形、馬蹄形、C型などの断面形状のものが使用できる。
繊維3の繊度は、合成繊維や蛋白繊維の場合、人毛と同様の大きさであれば、特に限定されるものではなく、例えば27dtex以上70dtex以下であることが好ましい。
図2(b)に示される捲縮4の幅W1は、人工毛髪1の品質(以下、目標品質ともいう)によって適宜設計できるが、0.06インチ(1.5mm)以上0.4インチ(10mm)以下であることが好ましく、0.08インチ(2mm)以上0.2インチ(5mm)以下であることが好ましい。
接続部は、各繊維束2をまとめる部位であり、糸や紐、接着テープ、接着剤等の公知の接続手段によって構成されている。
続いて、本発明の人工毛髪1の製造方法について説明する。
人工毛髪1の製造方法は、捲縮工程と、繊維束形成工程と、前処理工程と、巻付工程と、加熱工程と、放熱工程と、取外工程と、接続工程を実施するものであり、必要に応じて取外工程と接続工程との間に後処理工程を実施するものである。
捲縮工程は、繊維3に対して捲縮4を付与する工程である。
具体的には、捲縮工程は、一定の間隔の溝を有した2本の歯車状のロールを有したギヤクリンプ加工機械を用い、所定の加熱温度T1で加熱した2本のロールの間に繊維3を挟んで連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで比較的規則的な波形状の捲縮4(クリンプ)を付与する工程である。
クリンプ加工機械によって繊維3に転写される形状は、クリンプ加工機械のギヤピッチの幅によって異なる。例えば、ギヤピッチの幅が広い場合には、図3(a)のように捲縮4の幅W1も広い形状となり、図3(b),図3(c)の順に、ギヤピッチが狭くなるに伴って捲縮4の幅W1も狭くなる。
具体的には、捲縮工程は、一定の間隔の溝を有した2本の歯車状のロールを有したギヤクリンプ加工機械を用い、所定の加熱温度T1で加熱した2本のロールの間に繊維3を挟んで連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで比較的規則的な波形状の捲縮4(クリンプ)を付与する工程である。
クリンプ加工機械によって繊維3に転写される形状は、クリンプ加工機械のギヤピッチの幅によって異なる。例えば、ギヤピッチの幅が広い場合には、図3(a)のように捲縮4の幅W1も広い形状となり、図3(b),図3(c)の順に、ギヤピッチが狭くなるに伴って捲縮4の幅W1も狭くなる。
ロールの加熱温度T1は、繊維3のガラス転移温度Tg以上、耐熱温度以下の温度であり、安定した形状の捲縮4を付与する観点から、80℃以上180℃以下であることが好ましい。
搬送速度(ラインスピード)は、安定した形状の捲縮4を付与する観点から、0.5m/min以上10m/minであることが好ましい。
搬送速度(ラインスピード)は、安定した形状の捲縮4を付与する観点から、0.5m/min以上10m/minであることが好ましい。
繊維束形成工程は、捲縮工程にて捲縮4が付与された繊維3を任意のサイズにカットして計量し、所定の重量ごとにカットした繊維3をまとめて繊維束2を形成する工程である。
このときカットされる繊維3の長さは、製造する人工毛髪1の長さによって適宜変更できるが、20インチ(50.8cm)以上50インチ(127cm)以下であることが好ましい。
形成される繊維束2の重量は、製造する人工毛髪1の毛量によって適宜変更できるが、安定して繊維3をまとめる観点から、5.5g以上50g以下であることが好ましい。
形成される繊維束2の重量は、製造する人工毛髪1の毛量によって適宜変更できるが、安定して繊維3をまとめる観点から、5.5g以上50g以下であることが好ましい。
前処理工程は、繊維束2に光沢や艶を付与し、収束しやすくし、静電気の発生を抑える工程であり、主に浸漬工程と脱水工程で構成されている。
浸漬工程は、目標とするスタイルに合わせ繊維束2を水に変性シリコーンとポリエーテルを溶解した水溶液に所定時間t1浸して浸漬処理を行う工程である。
このとき、所定時間t1は、十分に繊維束2に水溶液を浸透させる観点から、2分間以上10分間以下であることが好ましい。
このとき使用される水溶液は、1Lの水に対して、アミノ変性シリコーンを2g以上10g以下、ポリエーテルを1g以上8g以下であることが好ましい。
変性シリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも一つの変性シリコーンが使用できる。
ポリエーテルとしては、例えば、重量平均分子量が15000程度の、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドのアルキルエーテルが使用できる。
なお、水溶液には、水性樹脂やシリカ含有シリコーンオイルなどを添加していてもよい。
このとき使用される水溶液は、1Lの水に対して、アミノ変性シリコーンを2g以上10g以下、ポリエーテルを1g以上8g以下であることが好ましい。
変性シリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも一つの変性シリコーンが使用できる。
ポリエーテルとしては、例えば、重量平均分子量が15000程度の、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドのアルキルエーテルが使用できる。
なお、水溶液には、水性樹脂やシリカ含有シリコーンオイルなどを添加していてもよい。
脱水工程は、浸漬処理された繊維束2を、所定の含水率となるように遠心脱水する工程である。
このときの繊維束2の含水率は、良好な触感と巻付工程での作業性の観点から、5%以上25%以下であることが好ましい。
巻付工程は、前処理された繊維束2をパイプ(棒状体)の外周に巻きつける工程である。
具体的には、巻付工程では、目標とするスタイル形状に合わせパイプを選択し、前処理された繊維束2の繊維3の毛先をゴムや不織布などを用いて固定し、パイプに対し繊維束2を一方向から螺旋状に巻き付ける。
具体的には、巻付工程では、目標とするスタイル形状に合わせパイプを選択し、前処理された繊維束2の繊維3の毛先をゴムや不織布などを用いて固定し、パイプに対し繊維束2を一方向から螺旋状に巻き付ける。
このときに使用されるパイプの断面の外郭形状は、特に限定されるものではない。パイプの外郭形状には、例えば、円形状、多角形状、楕円形状、オーバル形状のものがある。
このときに使用されるパイプの最小包含円の直径(パイプの外郭形状が円形の場合は直径)は、目標とするスタイル形状に合わせて適宜変更できるが、0.06インチ(1.5mm)以上0.4インチ(10mm)以下であることが好ましい。
このときの繊維束2のパイプの延び方向のおけるピッチは、目標とするスタイル形状に合わせて適宜変更できるが、0インチ(0cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
このときのパイプへの繊維束2の巻き付け方としては、目標品質によって適宜変更できるが、繊維束2を捩じりながら巻いてもよいし、捩じらずに巻いてもよい。
また、繊維束2は、パイプの巻き付け位置によってピッチを変更してもよい。例えば、ピッチを狭く巻いた後、ピッチを広く巻いてもよい。
このときに使用されるパイプの最小包含円の直径(パイプの外郭形状が円形の場合は直径)は、目標とするスタイル形状に合わせて適宜変更できるが、0.06インチ(1.5mm)以上0.4インチ(10mm)以下であることが好ましい。
このときの繊維束2のパイプの延び方向のおけるピッチは、目標とするスタイル形状に合わせて適宜変更できるが、0インチ(0cm)以上4インチ(10.16cm)以下であることが好ましい。
このときのパイプへの繊維束2の巻き付け方としては、目標品質によって適宜変更できるが、繊維束2を捩じりながら巻いてもよいし、捩じらずに巻いてもよい。
また、繊維束2は、パイプの巻き付け位置によってピッチを変更してもよい。例えば、ピッチを狭く巻いた後、ピッチを広く巻いてもよい。
加熱工程は、繊維束2をパイプに固定した状態でオーブンに入れ、繊維3のガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に基づいて、加熱工程前の繊維束2に対する放熱工程後の繊維束2の収縮率が目標品質の範囲に収まるように加熱温度及び加熱時間を調整し、加熱する工程である。
本実施形態の加熱工程では、繊維3のガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に基づいて、目標品質が実質的に熱収縮を伴わない形状と、目標品質が熱収縮を伴う形状によって、加熱温度及び加熱時間を調整し、繊維束2が所定の収縮率となるようにする。
ここでいう「実質的に熱収縮を伴わない形状」とは、見かけ上、加熱工程前に比べて放熱工程後に熱収縮が起こらない形状をいい、具体的には、収縮率が3%以下であることをいう。
また、熱収縮率には、あらかじめ無加工の繊維の材料によって加熱工程及び放熱工程をそれぞれ実施し、加熱工程前と放熱工程後の長さを基準に算出した値が使用できる。
ここでいう「実質的に熱収縮を伴わない形状」とは、見かけ上、加熱工程前に比べて放熱工程後に熱収縮が起こらない形状をいい、具体的には、収縮率が3%以下であることをいう。
また、熱収縮率には、あらかじめ無加工の繊維の材料によって加熱工程及び放熱工程をそれぞれ実施し、加熱工程前と放熱工程後の長さを基準に算出した値が使用できる。
具体的には、目標品質が実質的に熱収縮を伴わない形状の場合、すなわち、実質的に熱収縮を利用せずにカールを付与する場合には、繊維3のガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に基づいて、加熱温度を40℃~150℃の範囲であって、繊維束2の収縮率が3%以下となるような温度としており、2%以下となる温度であることがより好ましい。
例えば、塩化ビニル系繊維の場合、オーブンでの加熱温度は、80℃~100℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
アクリル系繊維を用いた場合、オーブンでの加熱温度は、90℃~105℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
ポリエステル系繊維を用いた場合、オーブンでの加熱温度は、100℃~150℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
ポリプロピレン系繊維を用いた場合、オーブンでの加熱温度は、100~150℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
例えば、塩化ビニル系繊維の場合、オーブンでの加熱温度は、80℃~100℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
アクリル系繊維を用いた場合、オーブンでの加熱温度は、90℃~105℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
ポリエステル系繊維を用いた場合、オーブンでの加熱温度は、100℃~150℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
ポリプロピレン系繊維を用いた場合、オーブンでの加熱温度は、100~150℃の温度範囲であってかつ繊維束2の収縮率が3%以下となる温度とすることが好ましく、2%以下となる温度であることがより好ましい。
一方、目標品質が熱収縮を伴う形状の場合、すなわち、熱収縮を利用してカールを付与する場合には、オーブンでの加熱温度は、繊維3のガラス転移温度以上耐熱温度以下であって、繊維束2の収縮率が3%超過90%以下となる温度とすることが好ましく、50%以上となる温度とすることがより好ましく、75%以上となる温度とすることがさらに好ましく、80%以上となる温度とすることが特に好ましい。
加熱時間は、加熱温度と目標品質に合わせて適宜変更できるが、安定した品質とする観点から、20~120分間であることが好ましく、30~60分間であることがより好ましい。
放熱工程は、加熱工程にてオーブンに配された繊維束2をオーブンから取り出したのち、繊維束2が常温になるまで冷却する工程である。
なお、冷却方法は、自然放熱でもよいし、例えば冷風をある一定速度で当てて冷却してもよい。
なお、冷却方法は、自然放熱でもよいし、例えば冷風をある一定速度で当てて冷却してもよい。
取外工程は、放熱工程で常温まで冷却した繊維束2をパイプから取り外す工程である。
後処理工程は、取外工程にて取り外された繊維束2に対してさらに加工を施す工程である。
後処理工程としては、例えば、繊維束2を櫛等によって解し、繊維束2に空気を入れてボリュームを加えてもよい。
後処理工程としては、例えば、繊維束2を解した後、繊維束2を複数の束に分け、当該束で編み込み(ツイスト)を形成してもよい。
後処理工程としては、例えば、繊維束2をパイプから外した後に、再度、オーブンに入れて加熱してもよい。
この場合、実質的に熱収縮が伴わない加熱温度及び加熱時間で加熱することで繊維束2を直毛に近いようなルーズにさせたり、熱収縮が伴う加熱温度及び加熱時間で加熱することで繊維束2に熱収縮を加えてボリュームを出したりできる。
後処理工程としては、例えば、繊維束2を櫛等によって解し、繊維束2に空気を入れてボリュームを加えてもよい。
後処理工程としては、例えば、繊維束2を解した後、繊維束2を複数の束に分け、当該束で編み込み(ツイスト)を形成してもよい。
後処理工程としては、例えば、繊維束2をパイプから外した後に、再度、オーブンに入れて加熱してもよい。
この場合、実質的に熱収縮が伴わない加熱温度及び加熱時間で加熱することで繊維束2を直毛に近いようなルーズにさせたり、熱収縮が伴う加熱温度及び加熱時間で加熱することで繊維束2に熱収縮を加えてボリュームを出したりできる。
接続工程は、接続部によって複数の繊維束2を接続する工程である。
具体的には、接続工程では、繊維束2の一方の端部から繊維束2の全長の1/4以下の範囲において、複数の繊維束2を結ぶ又は複数の繊維束2を接着する。
具体的には、接続工程では、繊維束2の一方の端部から繊維束2の全長の1/4以下の範囲において、複数の繊維束2を結ぶ又は複数の繊維束2を接着する。
本実施形態の人工毛髪1の製造方法によれば、加熱工程において、繊維3の熱収縮率と繊維3のガラス転移温度Tgに基づいて、放熱工程の繊維束2の収縮率が目標品質に合わせた範囲に収まるように、加熱温度及び加熱時間を調整して加熱する。そのため、目標品質に合わせたカールを形成できる。
本実施形態の人工毛髪1によれば、上記した製造方法で製造しやすく、高密度で高品質のカールが付与できる。
続いて、本発明の第2実施形態の人工毛髪について説明する。なお、第1実施形態の人工毛髪と同様の構成及び工程については必要に応じて説明を省略する。以下、同様とする。
本発明の第2実施形態の人工毛髪は、熱収縮率が異なる複数種類の繊維3a,3bで構成されている。具体的には、人工毛髪は、同一温度において、熱収縮率が高い高収縮繊維3aと、熱収縮率が高収縮繊維3aに比べて低い低収縮繊維3bで構成されている。
繊維束2中の高収縮繊維3aと低収縮繊維3bの比率は、目標品質に基づいて適宜設計される。例えば、繊維束2中の高収縮繊維3aの比率は、30%以上70%以下であってもよいし、繊維束2中の低収縮繊維3bの比率は、30%以上70%以下であってもよい。
本実施形態の繊維束2は、高収縮繊維3aと低収縮繊維3bの二種類で構成されているため、繊維束2中の高収縮繊維3aと繊維束2中の低収縮繊維3bの比率は、足すと合計100%となる。
繊維束2中の高収縮繊維3aと低収縮繊維3bの比率は、目標品質に基づいて適宜設計される。例えば、繊維束2中の高収縮繊維3aの比率は、30%以上70%以下であってもよいし、繊維束2中の低収縮繊維3bの比率は、30%以上70%以下であってもよい。
本実施形態の繊維束2は、高収縮繊維3aと低収縮繊維3bの二種類で構成されているため、繊維束2中の高収縮繊維3aと繊維束2中の低収縮繊維3bの比率は、足すと合計100%となる。
続いて、本発明の第2実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第2実施形態の人工毛髪の製造方法は、第1実施形態の人工毛髪1の製造方法と同様、捲縮工程と、繊維束形成工程と、前処理工程と、巻付工程と、加熱工程と、放熱工程と、取外工程とを当順に実施し、必要に応じて取外工程の後に後処理工程を実施する。
第2実施形態の捲縮工程では、高収縮繊維3aと低収縮繊維3bをまとめてギヤクリンプ加工機械の2本のロールの間に繊維3を挟んで連続的に通過させる。
第2実施形態の加熱工程では、繊維3a,3bのそれぞれのガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に基づいて、加熱工程前の繊維束2と放熱工程後の繊維束2との収縮率が目標品質に合わせた範囲に収まるように加熱温度及び加熱時間を調整する。
具体的には、加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱する。すなわち、高収縮繊維3aの熱主縮率が3%超過となり、低収縮繊維3bの熱収縮率が3%以下となる第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱する。
第2実施形態の捲縮工程では、高収縮繊維3aと低収縮繊維3bをまとめてギヤクリンプ加工機械の2本のロールの間に繊維3を挟んで連続的に通過させる。
第2実施形態の加熱工程では、繊維3a,3bのそれぞれのガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に基づいて、加熱工程前の繊維束2と放熱工程後の繊維束2との収縮率が目標品質に合わせた範囲に収まるように加熱温度及び加熱時間を調整する。
具体的には、加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱する。すなわち、高収縮繊維3aの熱主縮率が3%超過となり、低収縮繊維3bの熱収縮率が3%以下となる第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱する。
第2実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、熱収縮率の異なる2種類の繊維3a,3bを使用しているため、繊維3a,3b間の熱収縮率の差によってカールの巻き具合を調整できる。
すなわち、第2実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、熱収縮する高収縮繊維3aは、収縮に伴い繊維方向に動いて縮むのに対して、実質的に熱収縮しない低収縮繊維3bは、高収縮繊維3aの動きに引っ張られる形で、およそ数ミリ幅の小さな波状に変形し、捲縮(クリンプ)が形成される。そのため、パイプに巻くことにより、カール形状を付与すると共に、低収縮繊維3bの1本1本に小さな波状の形状変化を付与することができ、毛束が膨らんだボリュームのあるスタイルとなる。
すなわち、第2実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、熱収縮する高収縮繊維3aは、収縮に伴い繊維方向に動いて縮むのに対して、実質的に熱収縮しない低収縮繊維3bは、高収縮繊維3aの動きに引っ張られる形で、およそ数ミリ幅の小さな波状に変形し、捲縮(クリンプ)が形成される。そのため、パイプに巻くことにより、カール形状を付与すると共に、低収縮繊維3bの1本1本に小さな波状の形状変化を付与することができ、毛束が膨らんだボリュームのあるスタイルとなる。
続いて、本発明の第3実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第3実施形態の人工毛髪の製造方法は、第2実施形態の人工毛髪の製造方法と加熱工程が異なる。
本実施形態の加熱工程は、複数段階に分けて加熱する。
具体的には、加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱し(第1加熱工程)、さらに高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bがともに熱収縮する第2加熱温度及び第2加熱時間で加熱する(第2加熱工程)。
すなわち、加熱工程では、高収縮繊維3aの熱収縮率が3%超過となり、低収縮繊維3bの熱収縮率が3%以下となる第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱した後に、高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bの熱収縮率が3%超過となる第2加熱温度及び第2加熱時間で加熱する。
本実施形態の加熱工程は、複数段階に分けて加熱する。
具体的には、加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱し(第1加熱工程)、さらに高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bがともに熱収縮する第2加熱温度及び第2加熱時間で加熱する(第2加熱工程)。
すなわち、加熱工程では、高収縮繊維3aの熱収縮率が3%超過となり、低収縮繊維3bの熱収縮率が3%以下となる第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱した後に、高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bの熱収縮率が3%超過となる第2加熱温度及び第2加熱時間で加熱する。
第3実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、第1加熱工程によって高収縮繊維3aを優先的に熱収縮させ、第2加熱工程によって高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bを共に熱収縮させるため、強固にカールがついた人工毛髪を形成できる。
続いて、本発明の第4実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第4実施形態の人工毛髪の製造方法は、第2実施形態の人工毛髪の製造方法と加熱工程が異なる。
第4実施形態の加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bがともに熱収縮する第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱し(第1加熱工程)、さらに高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない第2加熱温度及び第2加熱時間で加熱する(第2加熱工程)。
第4実施形態の加熱工程では、目標品質に合わせて、高収縮繊維3a及び低収縮繊維3bがともに熱収縮する第1加熱温度及び第1加熱時間で加熱し(第1加熱工程)、さらに高収縮繊維3aが熱収縮し、低収縮繊維3bが実質的に熱収縮しない第2加熱温度及び第2加熱時間で加熱する(第2加熱工程)。
第4実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、第1加熱工程によってしっかりとした強いカールがつき、第2加熱工程によってふんわりとした緩やかなカールとなる。そのため、ふんわりとしつつ、しっかりとカールがついた人工毛髪を製造できる。
続いて、本発明の第5実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第5実施形態の人工毛髪の製造方法は、第1実施形態の人工毛髪1の製造方法と同様、捲縮工程と、繊維束形成工程と、前処理工程と、巻付工程と、加熱工程と、放熱工程と、取外工程をこの順に実施し、必要に応じて取外工程の後に後処理工程を実施する。
第5実施形態の加熱工程では、巻付工程によってパイプに固定した繊維束2を、捲縮工程におけるギヤクリンプ加工機械のロールによる温度よりも低い温度で繊維束2をオーブンで加熱する。
第5実施形態の加熱工程では、巻付工程によってパイプに固定した繊維束2を、捲縮工程におけるギヤクリンプ加工機械のロールによる温度よりも低い温度で繊維束2をオーブンで加熱する。
第5実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、加熱工程において、捲縮工程にて繊維3に捲縮4を付与する温度よりも低い温度で加熱するため、ふんわりとした緩やかなカールを形成できる。
続いて、本発明の第6実施形態の人工毛髪について説明する。
本発明の第6実施形態の人工毛髪は、繊維束2が長さ方向において2色の色領域に分かれており、色が異なる第1繊維3Aと第2繊維3Bによって繊維束2が構成されている。
具体的には、第1繊維3Aは、黒色に着色された繊維であり、第2繊維3Bは、黒色とは異なる色で着色された繊維である。
具体的には、第1繊維3Aは、黒色に着色された繊維であり、第2繊維3Bは、黒色とは異なる色で着色された繊維である。
本発明の第6実施形態の人工毛髪の製造方法について説明する。
第6実施形態の人工毛髪の製造方法は、繊維束形成工程が第1実施形態の人工毛髪1の製造方法と異なる。
第6実施形態の繊維束形成工程では、捲縮工程にて捲縮4が付与された繊維3A,3Bを任意のサイズにカットして計量し、所定の重量ごとにカットした繊維3A,3Bを繊維束2の長さ方向にずらして第2繊維3Bを第1繊維3Aから張り出させて繊維束2を形成する。
このとき、第2繊維3Bの第1繊維3Aからの張出長さは、特に限定されるものではないが、繊維束2の長さの1/10以上1/3以下の長さとすることが好ましい。こうすることで第1繊維3Aと第2繊維3Bの端部位置が大きくずれるため、色の領域が分かれていることが視認しやすい。
また、第2繊維3Bの第1繊維3Aからの張出長さは、5インチ以上15インチ以下であることが好ましい。
このとき、第2繊維3Bの第1繊維3Aからの張出長さは、特に限定されるものではないが、繊維束2の長さの1/10以上1/3以下の長さとすることが好ましい。こうすることで第1繊維3Aと第2繊維3Bの端部位置が大きくずれるため、色の領域が分かれていることが視認しやすい。
また、第2繊維3Bの第1繊維3Aからの張出長さは、5インチ以上15インチ以下であることが好ましい。
第6実施形態の人工毛髪の製造方法によれば、繊維束2を一方の繊維3Bを他方の繊維3Aから長さ方向に張り出させて束ねるため、繊維束2を長さ方向に2色の色領域を容易に形成でき、2トーンカラーの人工毛髪を形成できる。
上記した実施形態では、繊維3に捲縮4を付与するために捲縮工程を実施したが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維3に捲縮4を付与しない場合には、捲縮工程を省略してもよい。
上記した実施形態では、使用者の髪で編み込まれた編み込み部に人工毛髪を取り付けているが、本発明はこれに限定されるものではない。使用者の髪を模した編み込み部を有するキャップ部材に人工毛髪を取り付けてもよい。
上記した実施形態では、巻付工程において螺旋状に繊維束2をパイプに巻きつけているが、本発明はこれに限定されるものではない。巻付工程において渦巻状に繊維束2をパイプに巻きつけてもよい。
上記した実施形態では、繊維束2を構成する繊維3の長さは、全て一律で同じ長さであるが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維束2を構成する繊維3の長さを部分的に異なっていてもよい。
上記した実施形態では、巻付工程において、前処理された繊維束2をパイプに巻きつけているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維束2を巻き付ける対象は、所定の方向に延びた棒状体であれば特に限定されない。例えば、ロッドであってもよいし、ピンであってもよい。
上記した実施形態では、繊維束2の長さ方向の全体に螺旋状に巻かれたカールが形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維束2の長さ方向において部分的にカールが設けられてもよい。部分的にカールが形成される場合には、繊維束2の先端部から基端部側(接続部側)に設けられることが好ましい。
上記した実施形態では、同一種類の繊維束2を接続部によって接続して人工毛髪1を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。異なる種類の繊維束2を接続部によって接続して人工毛髪1を形成してもよい。例えば、各実施形態の繊維束2を接続部で接続してもよい。
上記した実施形態では、加熱工程において、繊維3のガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に基づいて、加熱温度及び加熱時間を調整しているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維3のガラス転移温度Tgと熱収縮率との関係に加えて緩和率に基づいて加熱温度及び加熱時間を調整してもよい。すなわち、繊維束2をパイプから外したときに生じる応力緩和や櫛等によって解したときの応力緩和も踏まえて加熱温度及び加熱時間を調整してもよい。
上記した第2実施形態では、繊維束2は、熱収縮率が異なる2種類の繊維3a,3bによって構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。繊維束2は、熱収縮率が異なる3種類以上の繊維3によって構成されていてもよい。
上記した第6実施形態では、繊維束2にまとめる際に第1繊維3Aと第2繊維3Bをずらすことで長さ方向において一方の繊維を他方の繊維に対して張り出させて、色が異なる2つの領域を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
繊維束2にまとめる際に第1繊維3Aと第2繊維3Bとの長さを変えることで一方の繊維を他方の繊維に対して張り出させて、色が異なる2つの領域を形成してもよい。
繊維束2にまとめる際に第1繊維3Aと第2繊維3Bとの長さを変えることで一方の繊維を他方の繊維に対して張り出させて、色が異なる2つの領域を形成してもよい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
まず、繊維束形成工程として、ピンク色に着色されたアクリル系繊維(AC繊維)を20インチにカットし(以下、この繊維の長さをカットレングスともいう)、25インチとなるようにブラッシングした。すなわち、20インチにカットした繊維を6g、机にブラシを設置し、ブラシ上に束状にした繊維をブラッシングして毛先をずらし、全長が25インチとなるように筆状の形にして繊維束を形成した(以下、この繊維束の長さをブレンドレングスともいう)。
続いて、前処理工程として、繊維束を1Lの水にアミノ変性シリコーン2g、ポリエーテル1gを溶解した水溶液に5分間浸し、その後、含水率15%になるように遠心脱水した。
続いて、巻付工程として、脱水した繊維束を直径0.2インチ(5mm)のパイプに繊維の毛先をゴムで固定し、パイプに繊維を捩じりながら螺旋状に巻きつけた。
続いて、加熱工程として、パイプに固定した繊維束をパイプごとにオーブンに入れ、98℃で30分間加熱した。
続いて、放熱工程として、オーブンからパイプに固定した繊維束を取り出したのち、繊維束が常温になるまで自然放冷した。
続いて、取外工程として、常温まで冷却された繊維束をパイプから取り外し、繊維束の長さ(以下、この繊維束の長さをヘアレングスともいう)を測定した。
このようにして形成された繊維束を実施例1とした。
まず、繊維束形成工程として、ピンク色に着色されたアクリル系繊維(AC繊維)を20インチにカットし(以下、この繊維の長さをカットレングスともいう)、25インチとなるようにブラッシングした。すなわち、20インチにカットした繊維を6g、机にブラシを設置し、ブラシ上に束状にした繊維をブラッシングして毛先をずらし、全長が25インチとなるように筆状の形にして繊維束を形成した(以下、この繊維束の長さをブレンドレングスともいう)。
続いて、前処理工程として、繊維束を1Lの水にアミノ変性シリコーン2g、ポリエーテル1gを溶解した水溶液に5分間浸し、その後、含水率15%になるように遠心脱水した。
続いて、巻付工程として、脱水した繊維束を直径0.2インチ(5mm)のパイプに繊維の毛先をゴムで固定し、パイプに繊維を捩じりながら螺旋状に巻きつけた。
続いて、加熱工程として、パイプに固定した繊維束をパイプごとにオーブンに入れ、98℃で30分間加熱した。
続いて、放熱工程として、オーブンからパイプに固定した繊維束を取り出したのち、繊維束が常温になるまで自然放冷した。
続いて、取外工程として、常温まで冷却された繊維束をパイプから取り外し、繊維束の長さ(以下、この繊維束の長さをヘアレングスともいう)を測定した。
このようにして形成された繊維束を実施例1とした。
(実施例2)
実施例1において、繊維として黒色に着色されたポリエステル系繊維(PET繊維)を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを50インチとし、50gの繊維を59インチになるようにブラッシングした。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.4インチ(10mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、120℃で60分間加熱した。
これら以外の工程は、実施例1と同様にして、これを実施例2とした。
実施例1において、繊維として黒色に着色されたポリエステル系繊維(PET繊維)を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを50インチとし、50gの繊維を59インチになるようにブラッシングした。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.4インチ(10mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、120℃で60分間加熱した。
これら以外の工程は、実施例1と同様にして、これを実施例2とした。
(実施例3)
実施例1において、繊維として黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
繊維束形成工程の前に捲縮工程を実施し、ギヤクリンプ加工機械によって、95℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで波形状の捲縮(クリンプサイズ0.1インチ(2.5mm))を付与した。
繊維束形成工程では、カットレングスを40.5インチとし、12gの繊維によって全長が45インチとなるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.24インチ(6mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、85℃で30分間加熱した。すなわち、加熱工程では、ギヤクリンプ加工機械での加熱温度よりも低い温度で加熱した。
これら以外の工程は、実施例1と同様にして、これを実施例3とした。
実施例1において、繊維として黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
繊維束形成工程の前に捲縮工程を実施し、ギヤクリンプ加工機械によって、95℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、ロールの形状を転写することで波形状の捲縮(クリンプサイズ0.1インチ(2.5mm))を付与した。
繊維束形成工程では、カットレングスを40.5インチとし、12gの繊維によって全長が45インチとなるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.24インチ(6mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、85℃で30分間加熱した。すなわち、加熱工程では、ギヤクリンプ加工機械での加熱温度よりも低い温度で加熱した。
これら以外の工程は、実施例1と同様にして、これを実施例3とした。
(実施例4)
実施例3において、黒色に着色されたPVC繊維と、青色に着色されたAC繊維を使用した。
捲縮工程では、100℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、捲縮を付与した。
これ以外の工程は、実施例3と同様にして、これを実施例4とした。
実施例3において、黒色に着色されたPVC繊維と、青色に着色されたAC繊維を使用した。
捲縮工程では、100℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、捲縮を付与した。
これ以外の工程は、実施例3と同様にして、これを実施例4とした。
(実施例5)
実施例3において、繊維として黒色に着色されたPVC繊維と、白色に着色されたAC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを45インチとし、5.5gの繊維を48インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.2インチ(5mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、110℃で30分間加熱した。
これら以外の工程は、実施例3と同様にして、これを実施例5とした。
実施例3において、繊維として黒色に着色されたPVC繊維と、白色に着色されたAC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを45インチとし、5.5gの繊維を48インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.2インチ(5mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、110℃で30分間加熱した。
これら以外の工程は、実施例3と同様にして、これを実施例5とした。
(実施例6)
実施例5において、繊維として黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
捲縮工程では、95℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、捲縮を付与した。
これら以外の工程は、実施例5と同様にして、これを実施例6とした。
実施例5において、繊維として黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
捲縮工程では、95℃に加熱した状態で2本の歯車状のロールの間に連続的に通過させ、捲縮を付与した。
これら以外の工程は、実施例5と同様にして、これを実施例6とした。
(実施例7)
実施例3において、ともに黒色に着色され、熱収縮率が異なる2種類のPVC繊維を使用した。具体的には、熱収縮率が高い軟質PVC繊維(以下、高PVC繊維ともいう)と、高PVC繊維よりも密度が大きく、熱収縮率が低い硬質PVC繊維(以下、低PVC繊維ともいう)を使用した。すなわち、高PVC繊維は、可塑剤を含み、低PVC繊維よりも柔らかい。
繊維束形成工程では、カットレングスを66インチとし、15gの繊維(高PVC繊維7.5g、低PVC繊維7.5g)を66インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を捩じらずに直径0.35インチ(9mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、75℃で20分間加熱し、その後110℃で20分間加熱した。
これら以外は実施例3と同様にして、これを実施例7とした。
実施例3において、ともに黒色に着色され、熱収縮率が異なる2種類のPVC繊維を使用した。具体的には、熱収縮率が高い軟質PVC繊維(以下、高PVC繊維ともいう)と、高PVC繊維よりも密度が大きく、熱収縮率が低い硬質PVC繊維(以下、低PVC繊維ともいう)を使用した。すなわち、高PVC繊維は、可塑剤を含み、低PVC繊維よりも柔らかい。
繊維束形成工程では、カットレングスを66インチとし、15gの繊維(高PVC繊維7.5g、低PVC繊維7.5g)を66インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を捩じらずに直径0.35インチ(9mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、75℃で20分間加熱し、その後110℃で20分間加熱した。
これら以外は実施例3と同様にして、これを実施例7とした。
(実施例8)
実施例3において、黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを30インチとし、11gの繊維を32インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.16インチ(4mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、110℃で20分間加熱し、その後75℃で30分間加熱した。
これら以外は実施例3と同様にして、これを実施例8とした。
実施例3において、黒色に着色されたPVC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを30インチとし、11gの繊維を32インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.16インチ(4mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、110℃で20分間加熱し、その後75℃で30分間加熱した。
これら以外は実施例3と同様にして、これを実施例8とした。
(実施例9)
実施例3において、繊維として、ともに赤色に着色された高PVC繊維と低PVC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを35インチとし、7gの繊維(高PVC繊維3.5g、低PVC繊維3.5g)を43インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.06インチ(1.5mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、75℃で20分間加熱した。
取外工程の後に、後処理工程として、繊維束をそのままオーブンに入れ、110℃で20分間加熱し、第2放熱工程として、オーブンから繊維束を取り出したのち、繊維束が常温になるまで冷却し、常温まで冷却した。
これら以外は実施例3と同様にして、これを実施例9とした。
実施例3において、繊維として、ともに赤色に着色された高PVC繊維と低PVC繊維を使用した。
繊維束形成工程では、カットレングスを35インチとし、7gの繊維(高PVC繊維3.5g、低PVC繊維3.5g)を43インチになるようにブラッシングして繊維束を形成した。
巻付工程では、脱水した繊維束を直径0.06インチ(1.5mm)のパイプに繊維を巻きつけ、加熱工程では、繊維を巻きつけたパイプをオーブンに入れ、75℃で20分間加熱した。
取外工程の後に、後処理工程として、繊維束をそのままオーブンに入れ、110℃で20分間加熱し、第2放熱工程として、オーブンから繊維束を取り出したのち、繊維束が常温になるまで冷却し、常温まで冷却した。
これら以外は実施例3と同様にして、これを実施例9とした。
実施例1、2、3、5、7、8、9の繊維束を使用して得られた人工毛髪を図4~図7に示す。
また、実施例1~9をまとめると以下の通りである。
なお、収縮率は、収縮率(%)={(ブレンドレングス)-(ヘアレングス)}/(ブレンドレングス)×100によって算出した。
また、実施例1~9をまとめると以下の通りである。
なお、収縮率は、収縮率(%)={(ブレンドレングス)-(ヘアレングス)}/(ブレンドレングス)×100によって算出した。
実施例1の繊維束では、図4(a)のように、ピッチが狭く、密に巻かれたカールが形成された。また、実施例1の繊維束では、ピンク色に着色されたAC繊維を使用しているため、全体的にピンク色を呈していた。
また、実施例1の収縮率は、表1のように86%あった。
また、実施例1の収縮率は、表1のように86%あった。
実施例2の繊維束では、図4(b)のように、径が大きいパイプに対して広い間隔で巻いたため、ピッチが広く、緩く巻かれたカールが形成された。
また、実施例2の収縮率は、表1のように53%であった。
また、実施例2の収縮率は、表1のように53%であった。
実施例3,4の繊維束は、図5(a)のように、加熱工程においてギヤクリンプ加工機械での加工温度よりも低い温度で加熱するため、ピッチが狭く密に巻かれつつ、ふんわりとしたカールが形成された。
また、実施例3,4の繊維束は、繊維束を解すことで、図5(b)のようにピッチが広がり、カールが緩くなった。このことから、実施例3,4は密に巻かれたカールと緩く巻かれたカールの両方に対応できた。
実施例3の収縮率は、表1のように82%であり、実施例4の収縮率は80%であった。
また、実施例3,4の繊維束は、繊維束を解すことで、図5(b)のようにピッチが広がり、カールが緩くなった。このことから、実施例3,4は密に巻かれたカールと緩く巻かれたカールの両方に対応できた。
実施例3の収縮率は、表1のように82%であり、実施例4の収縮率は80%であった。
実施例5,6の繊維束は、図6(a)のように、ピッチが狭く、密に巻かれたカールが形成された。実施例5,6の繊維束は、実施例3,4の繊維束に比べて、しっかりとしたカールが形成された。
実施例5の繊維束では、図6(a)のように、黒色に着色されたPVC繊維と白色に着色されたAC繊維を使用しており、白色に着色されたAC繊維が黒色に着色されたPVC繊維から張り出させて繊維束を形成している。そのため、基端部から中間部では、白色と黒色が混ざり合った色となり、中間部から先端部では白色となり、長さ方向に2トーンカラーの色合いとなった。
実施例5の収縮率は、表1のように81%であり、実施例6の収縮率は84%であった。
実施例5の繊維束では、図6(a)のように、黒色に着色されたPVC繊維と白色に着色されたAC繊維を使用しており、白色に着色されたAC繊維が黒色に着色されたPVC繊維から張り出させて繊維束を形成している。そのため、基端部から中間部では、白色と黒色が混ざり合った色となり、中間部から先端部では白色となり、長さ方向に2トーンカラーの色合いとなった。
実施例5の収縮率は、表1のように81%であり、実施例6の収縮率は84%であった。
実施例7の繊維束は、捩じりながら繊維束をパイプに巻きつけ、高PVC繊維のみに3%以上の熱収縮が生じる温度で加熱した後に、高PVC繊維と低PVC繊維に3%以上の熱収縮が生じる温度で加熱したため、図6(b)のように、しっかりと密に巻かれたカールが形成された。
実施例7は、第1加熱工程によってヘアレングスが66インチから33インチとなり、第2加熱工程によってヘアレングスが33インチから16インチとなった。
実施例7の収縮率は、表1のように76%であった。
実施例7は、第1加熱工程によってヘアレングスが66インチから33インチとなり、第2加熱工程によってヘアレングスが33インチから16インチとなった。
実施例7の収縮率は、表1のように76%であった。
実施例8の繊維束は、4インチの細いパイプで、3%以上の熱収縮が生じる温度で加熱した後、3%未満の熱収縮が生じる温度で加熱したため、図7(a)のように、ピッチが狭いにもかかわらず、カールの直径が大きく、ふんわりとしたカールが形成された。
実施例8の収縮率は、表1のように53%であった。
実施例8の収縮率は、表1のように53%であった。
実施例9の繊維束は、0.06インチ(1.5mm)の細いパイプで、高PVC繊維のみに3%以上の熱収縮が生じる温度で加熱した後に、高PVC繊維と低PVC繊維に3%以上の熱収縮が生じる温度で加熱したため、図7(b)のように、ピッチが狭く、密にしっかりとしたカールが形成された。
実施例9の収縮率は、表1のように82%であった。
実施例9の収縮率は、表1のように82%であった。
以上のように、実施例1~9によれば、様々なスタイルに合わせた高品質のカールを形成することができた。
1 人工毛髪
2 繊維束
3,3a,3b,3A,3B 繊維
4 捲縮
2 繊維束
3,3a,3b,3A,3B 繊維
4 捲縮
Claims (8)
- 複数の繊維を束ねた繊維束を有し、前記繊維束の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、
前記繊維束の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、
前記棒状体の外周に巻きつけられた前記繊維束を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程にて加熱された前記繊維束を常温まで放熱する放熱工程とを含み、
前記加熱工程では、前記繊維の熱収縮率と前記繊維のガラス転移温度に基づいて、前記放熱工程における前記繊維束の収縮率が所定の範囲に収まるように、加熱温度及び加熱時間のうち少なくとも一方を調整して加熱する、人工毛髪の製造方法。 - 前記巻付工程よりも前に、変性シリコーンとポリエーテルを含む水溶液に前記繊維束を浸漬する浸漬工程を含む、請求項1に記載の人工毛髪の製造方法。
- 前記巻付工程は、前記棒状体に前記繊維束を螺旋状に巻きつける、請求項1又は2に記載の人工毛髪の製造方法。
- 前記巻付工程における前記繊維束の前記棒状体の延び方向における螺旋のピッチは、4インチ以下である、請求項3に記載の人工毛髪の製造方法。
- 前記繊維は、合成繊維及び/又は蛋白繊維を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の人工毛髪の製造方法。
- 熱収縮率が異なる第1繊維と第2繊維を含む複数の繊維を束ねた繊維束を有し、前記繊維束の一部が螺旋状又は渦巻状に延びた人工毛髪の製造方法であって、
前記繊維束の一部を棒状体の周囲に螺旋状又は渦巻状に巻きつける巻付工程と、
前記棒状体の外周に巻きつけられた前記繊維束を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程にて加熱された前記繊維束を常温まで放熱する放熱工程を含み、
前記加熱工程は、前記第1繊維の熱収縮率が3%超過となり、かつ前記第2繊維の熱収縮率が3%以下となる加熱温度及び加熱時間で加熱する工程と、前記第1繊維及び前記第2繊維の熱収縮率がともに3%超過となる加熱温度及び加熱時間で加熱する工程を含む、人工毛髪の製造方法。 - 複数の繊維が束ねられた繊維束を有し、
前記繊維束は、螺旋状に延びた螺旋部を有し、
前記螺旋部における螺旋のピッチは、0インチ以上4インチ以下であり、
前記螺旋部における螺旋径は、0.04インチ以上4インチ以下であり、
前記繊維束の自然長は、前記繊維の全長の60%以下である、人工毛髪。 - 前記繊維は、一部又は全部に捲縮が付与されており、
前記捲縮の幅は、0.06インチ以上0.4インチ以下である、請求項7に記載の人工毛髪。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021011232A JP2022114798A (ja) | 2021-01-27 | 2021-01-27 | 人工毛髪の製造方法及び人工毛髪 |
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- 2021-01-27 JP JP2021011232A patent/JP2022114798A/ja active Pending
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