JP4202841B2 - 表面研磨装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウェーハ等のSiウェーハまたは、SOIウェーハの表面研磨中に用いる表面研磨装置に関する。具体的には、SOI(Silicon On Insulator)の活性層表面やシリコンウェーハ表面等のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層を研磨処理する際に、その厚さを研磨処理と同時に測定して制御する表面研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェーハはスライス処理後、ラップ処理、エッチング処理を経てポリッシュ工程にてミラー研磨される。Siウェーハ自体の厚み、SOIの膜厚(SOIウェーハの活性層厚み)の制御は、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシングまたはケミカル・メカニカル・プラナリゼイション)法により行われている。このCMP法に用いられる基板研磨装置は、基板保持部に装着した基板(半導体ウェーハ)を研磨定盤に固定した研磨パッドに押しつけながら相対運動を与え、研磨剤供給機構から供給される研磨剤(スラリー)の化学的研磨作用と機械的研磨作用とによって基板表面をグローバルに研磨するものである。
【0003】
ところで、近年、シリコンウェーハの平坦度・平行度に対する要求がいっそう厳しくなってきた。そして、この平坦度・平行度を高めるためには、シリコンウェーハの厚さのコントロールを正確に行うことが必要である。また、SOI構造を2枚のウェーハの張り合わせにより形成する場合で、所定の厚さの活性層を得るための研磨にあっては、その厚さのコントロールが重要である。特に、研磨中においてその場で厚さを測定して厚さをコントロールすることが望まれている。この測定精度の善し悪しが、この装置により製造される半導体素子ひいては集積回路の品質を大きく左右する。ここで、SOIウェーハの構造を図12に基づいて説明する。SOIウェーハはSiウェーハ上にSiO2膜とSi膜を重ねたもので、表面のSi膜は、活性層またはSOI層と呼ばれている。SOI層を利用してマイクロセンサーやマイクロマシンが製造される。張り合わせSOIウェーハは、通常のウェーハと表面を酸化したウェーハ(張り合わせ後のSiO2膜になる)とを張り合わせて、酸化されていない通常のウェーハ側を保持して、酸化されたウェーハ側を研磨機で研磨して、顧客側の要求する厚みである要求厚みに研磨することにより、薄型のウェーハを製造される。具体的な製造方法については、例えば、特開平5−21765号公報「半導体基板の製造方法」の「従来の技術」の欄やULSIプロセス材料実務便覧(株式会社サイエンスフォーラム 1992年発行)の5章に記載されている。
【0004】
近年、SOI構造ウェーハは、半導体製造プロセスを利用した微細加工による、マイクロマシンやマイクロセンサーの母材として広く利用されている。この際、SOI構造活性層の厚みは微細加工の寸法精度に大きく影響し、ひいては、出来上がったマイクロマシンや、マイクロセンサーの性能にも影響を及ぼす。
【0005】
しかしながら、従来の基板研磨装置は、いずれも既存の装置の延長線上のものであり、高度化する加工精度の要求を充分に満足していないのが現状である。特に、ロット間での残膜厚のバラツキに対しては、従来の加工時間設定による管理方法では、十分に対応できていない。即ち、単位時間あたりの研磨量(研磨レート)の変動要因としては、例えば研磨パッドの目詰まりの他に研磨加工圧、研磨剤の供給量、それに基板周辺の温度環境など、その時々に変動する種々の要因があるが、この単位時間あたりの研磨量の変動要因に対して、従来の加工時間の設定による管理方法では、十分に対応できていない。
【0006】
また、加工後の残膜厚を専用の測定装置(光学式膜厚計等)で測定し、これを基板研磨装置にフィードバックして残膜厚を制御する方法も行われている。しかし、この方法では、測定のために研磨作業を一旦停止しなければならないという欠点の他に、次の欠点もある。測定によって、たとえ研磨済みの基板の正確な残膜厚が得られたとしても、上記変動要因のために、最終目標の残膜厚を正確に得ることは依然として困難である。最終目標の残膜厚を正確に得ることの困難性の解決には依然として対応できていない。このため、工程終了点の正確な検知ができず、やはりロット間での膜厚のバラツキが無視できないものになってしまう。
【0007】
そこで、最近では、光学式による終点検出の開発が急がれている。この光学的終点検出技術の有力例を以下に示す。本技術は、基板保持部に装着した基板(SiウェーハまたはSOIウェーハ)を研磨定盤に固定した研磨パッドに押しつけながら基板の回転運動と研磨パッドの回転運動によって相対運動を与え、研磨剤供給機構から供給される研磨剤(スラリー)の化学的研磨作用と機械的研磨作用とによって基板表面をグローバルに研磨する際に、プローブ光を照射して、研磨工程終了点の検知を行なおうとするものである。具体的には、研磨パッドと研磨定盤、または、基板保持部に開けられた開口部を通して、光源から発せられるプローブ光を半導体ウェーハ(SiウェーハまたはSOIウェーハ)に向けて照射し、半導体ウェーハからの反射光を、分光器に導き、分光スペクトル中に含まれる干渉波形により、SiウェーハまたはSOI膜厚の測定を行い、研磨工程終了点の検知を行なおうとするものである。
【0008】
ところが、これまで提案された終点検出方法においては、いずれも原理的な範囲のみの開示に限られていて、具体的な光学系などの構成部材の配置については明確に開示されていなかった。
【0009】
これに対して、研磨パッドと研磨定盤に穴をあけて測定する方法として特許文献1が、基板保持部に穴をあけて測定する方法として特許文献2が提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−36072号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2001−284301号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1には、研磨パッドと研磨定盤に穴をあけて測定する方法は記載されているが、光学センサの構成についての記載がない。この方法では、モニタ装置が、回転する研磨定盤に固定されなければならないが、モニタ装置は光源や光検出器を備えるので、モニタ装置を収納するために研磨定盤の下部に無視できない大きさの収納スペースを必要とする。このことは、CMP研磨装置の設計上大きな制約となる。一般に、高価なクリーンルーム内で使用されるCMP研磨装置のような装置は、装置の小型化と軽量化が特に強く要請されるが、このような収納スペースは、設計の自由度を減らすのみならず、CMP研磨装置の小型化・軽量化の大きな障害となる。
【0013】
また、特許文献2には基板保持部に穴をあけて測定する方式があるが、ここにも具体的な光学センサーの記載がない。これを実現するためには、使用する分光器の仕様や、具体的に回転するウェーハヘプローブ光を導く際の、光ファイバーの選定方法などの具体的な記載が必要になるが、これらの記載は存在しない。
【0014】
また、光ファイバーの一端は光学式回転カプラー装置で、他端はウェーハに近接して保持されているが、具体的な構造は記載されていない。光ファイバーの他端側にはウェーハを回転可能に支持するウェーハ保持部が設けられているが、光ファイバーの他端はウェーハに近接して保持する構造となっているため、ウェーハ保持部に保持されているものと解される。この場合、同じ直径のウェーハの表面研磨作業では支障を来すことはないが、直径の異なるウェーハの表面研磨作業では保持部の交換作業に支障を来す。具体的には、光ファイバーの他端を保持部から取り外して保持部を交換した後、光ファイバーの他端を正確な位置に保持し直さなければならず、交換作業が容易でない。
【0015】
本発明は、上記種々の課題を解決するためになされたもので、表面研磨中の半導体ウェーハ等のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の残膜厚の測定または工程終了点の検知を光学的に高精度で行なうことが可能な厚み測定方法を用いてSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層を高精度に研磨することが可能な表面研磨装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る表面研磨装置は、研磨対象のSiウェーハまたは、SOIウェーハを保持する保持部と、当該保持部を回転可能に支持して回転駆動させる本体部とを備えた表面研磨装置において、上記本体部から上記保持部の回転中心を通して、設けられた連通孔と、当該連通孔のうち上記保持部側の先端部に設けられた光ファイバー受け部材と、上記連通孔に通されてその先端が上記光ファイバー受け部材で支持されて、上記保持部で保持された表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に望ませて設けられて、厚み測定用のプローブ光を照射し、その反射光を入射させる光ファイバーとを少なくとも備え、上記光ファイバー受け部材が、上記光ファイバーの先端を位置決めして回転自在にかつ着脱自在に支持する支持穴を備え、当該支持穴が、上記光ファイバーの直径より僅かに大きな内径を有する小穴部と、この小穴部から連続してテーパ 状に形成され上記光ファイバーの先端を傾斜面に沿って上記小穴部まで案内する案内部とを備え、上記連通孔が、真空引きされると共に、基端部を支持されて先端側が垂下された上記光ファイバーを非接触状態で囲繞し、上記光ファイバーの直径より僅かに大きな内径の小穴部が、真空引きされた上記連通孔に連通されて上記ウェーハを吸着し、上記光ファイバーの先端と上記ウェーハとの距離を一定に保つことを特徴とする。
【0017】
上記構成により、上記光ファイバーを連通孔に装着する場合は、光ファイバーを連通孔に通し、光ファイバーの先端をSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に望ませてプローブ光を照射し、Siウェーハまたは、SOIウェーハの裏面で反射した反射光を上記光ファイバー内に入射させる。これにより、プローブ光を正確に照射し、その反射光を確実に検出することができる。
【0018】
また、上記光ファイバー受け部材の支持穴に光ファイバーの先端を挿入する。このとき、光ファイバーの先端は、案内部の傾斜面に沿って小穴部まで案内され、小穴部に挿入して支持される。これにより、光ファイバーを容易に着脱することができる。さらに、垂下された上記光ファイバーの先端と、吸着された上記ウェーハとの距離が一定に保たれるため、プローブ光を正確に照射することができる。
上記光ファイバーは、上記連通孔の先端部から基端開口を通して外部機器まで連続して配設されると共に、光ファイバーの先端面が上記表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に望ませて設けられたことが望ましい。
【0019】
上記構成により、光ファイバーの先端面から表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面にプローブ光が照射されると共にその反射光が先端面から光ファイバー内に侵入して外部機器まで伝送される。これにより、プローブ光を正確に照射し、その反射光を確実に検出することができる。
【0020】
光ファイバーの先端は、光ファイバー受け部材に固定で無く回転自由に挿入されている状態であるので、Siウェーハまたは、SOIウェーハを保持して回転する保持部の影響を受けることなく、表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを正確に測定しながら、目標の厚さまでSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層を正確に研磨できる。
【0021】
上記光ファイバーは、上記連通孔に通される孔内ファイバー部と、外部に引き出されて外部機器に接続される外部ファイバー部とからなり、上記孔内ファイバー部が、上記連通孔内で回転自在に支持されると共に、上記外部ファイバー部が上記孔内ファイバー部と光ファイバーロータリージョイントで接続されたことが望ましい。
【0022】
上記構成により、孔内ファイバー部を連通孔内に挿入することにより、孔内ファイバー部は、その基端部を連通孔内に回転自在に支持されると共に、その先端部を光ファイバー受け部材の支持穴に回転自在に支持される。さらに、孔内ファイバー部と外部ファイバー部とは、光ファイバーロータリージョイントで回転を吸収しながら接続される。これにより、Siウェーハまたは、SOIウェーハを保持して回転する保持部の影響を受けることなく、表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを正確に測定しながら、目標厚さまでSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層を正確に研磨することができる。
【0023】
上記孔内ファイバー部として単芯の光ファイバーを用い、上記外部ファイバー部として、一部が分光器に接続され、残りが赤外白色光源に接続された複数本の光ファイバーを束ねたバンドル型ファイバーを用い、上記バンドル型ファイバーの有効コア径が、上記単芯の光ファイバーのコア径より小さいことが望ましい。
【0024】
上記構成により、外部ファイバー部のうち赤外白色光源に接続された複数本の光ファイバーから孔内ファイバー部の単芯の光ファイバーにプローブ光が伝送されて孔内ファイバー部の先端面からSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に照射される。Siウェーハまたは、SOIウェーハの裏面からの反射光は、孔内ファイバー部の先端面から外部ファイバー部の一部の光ファイバーを伝搬して分光器に入射する。これにより、プローブ光をSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に確実に照射して、その反射光を確実に検出することができる。
【0025】
上記分光器が、1.0μm〜1.4μm,1.5μm〜1.9μmの波長に感度を有するフォトダイオードアレイを用いた分散型マルチチャンネル分光器であることが望ましい。
【0026】
上記構成により、測定する波長として1.0μm〜1.4μm,1.5μm〜1.9μmの波長の光を使用することにより、研磨に使用する水に対する透過性、Si等の透過性、光ファイバーの透過性に優れたプローブ光とすることができ、Siウェーハまたは、SOIウェーハの裏面から照射して、分散型マルチチャンネル分光器で反射光のスペクトルを測定することで、研磨作業中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを正確に検出することができる。
【0027】
上記フォトダイオードアレイはInGaAsアレイであることが望ましい。
【0028】
上記構成により、InGaAsアレイによって、1〜1.9μmの波長の反射光を高い感度で検出して、正確な厚みを検出することができる。
【0029】
上記Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層での反射光が上記分光器に入射して得られた分光スペクトル中の干渉波形の周期からウェーハセンター部の厚みを求めるパーソナルコンピュータを備えることが望ましい。
【0030】
上記構成により、パーソナルコンピュータで、上記分光スペクトル中の干渉波形の周期から膜厚を求めることで、表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを正確に測定しながら、目標厚さまでSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層を正確に研磨することができる。
【0031】
上記パーソナルコンピュータは、研磨前に、上記Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚みを含む上記Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面内複数箇所の厚みを測定し、以下の式で研磨終点でのウェーハセンター目標厚みを決定することが望ましい。
【0032】
tcfin=taim+tc−(tmax+tmin)/2
tcfin:研磨目標厚み
taim:要求厚み
tc:Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚み
tmax:面内複数測定点中の最大厚み
tmin:面内複数測定点中の最小厚み
上記構成により、研磨目標膜厚みに合わせて、Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面研磨を正確に行うことができる。
【0033】
また、上記パーソナルコンピュータは、研磨前に、上記Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚みを含む上記Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面内複数箇所の厚みを測定し、以下の式で研磨終点でのウェーハセンター目標厚みを決定することが望ましい。
【0034】
tcfin=taim+tc−tave
tcfin:研磨目標厚み
taim:要求厚み
tc:Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚み
tave:面内複数測定点中の平均厚み
上記構成により、研磨目標膜厚みに合わせて、Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面研磨を正確に行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0036】
[表面研磨装置]
表面研磨装置1は、図1及び図2に示すように主に、保持部2と、本体部3と、研磨定盤4と、制御部5とから構成されている。
【0037】
保持部2は、研磨対象のSiウェーハまたは、SOIウェーハとしてのウェーハ7を保持するための部材である。この保持部2は、後述する本体部3の回転支持部9の下端に下方へ向けて回転可能に支持されている。保持部2の下側面は、ウェーハ7を吸着する面となっている。具体的には、保持部2の下側面に真空引きするための複数の吸引口(図示せず)が設けられている。
【0038】
本体部3は、保持部2を回転可能に支持し、研磨に際して保持部2を設定回転数で回転駆動するための部分である。この本体部3は、基部8と、回転支持部9とから構成されている。基部8は、床部に固定されて回転支持部9を支持するための部材である。回転支持部9は、保持部2を回転駆動するための部材である。この回転支持部9は、基部8に支持された状態で、保持部2を研磨定盤4に望ませて支持している。回転支持部9内には、保持部2を回転駆動するための駆動装置(図示せず)が設けられている。ここでは、駆動装置が保持部2を毎分100回転させるように設定されている。
【0039】
本体部3の回転支持部9内には、保持部2の下側面の吸引口に連通して真空引きするための吸引孔11が設けられている。この吸引孔11は、回転支持部9内の中央部に上下に貫通して設けられた吸引筒12によって構成されている。この吸引筒12は、保持部2に一体的に接続され、保持部2と共に回転するようになっている。
【0040】
吸引孔11の下方の先端部は、保持部2の下側面に複数開口した吸引口にそれぞれ連通されている。吸引孔11の上方の基端部は、吸引筒12によって本体部3の回転支持部9から突出して構成され、上方に開口されている。この基端開口には、真空ポンプまで延びたパイプ13が接続されている。
【0041】
さらに、本体部3の回転支持部9内の吸引孔11は、光ファイバー15を通すための連通孔になっている。この連通孔としての吸引孔11に通される光ファイバー15は、その先端面が、保持部2で保持された表面研磨中のウェーハ7の裏面(図中の上側面)に望ませて設けられる。
【0042】
吸引孔11のうち保持部2側の先端部には光ファイバー受け部材17が設けられている。この光ファイバー受け部材17は、光ファイバー15の先端を位置決めして回転自在にかつ着脱自在に支持するための部材である。
【0043】
光ファイバー受け部材17は、図3から図6に示すように、筒体部18と、ネジ部19と、支持穴20とから構成されている。筒体部18は、その中央に支持穴20を設けられるための部材である。この筒体部18は、肉厚の円盤状に形成され、その上側面に支持穴20が上方へ開口して設けられている。さらに、筒体部18の上側面にはドライバー用溝18Aが設けられ、ネジ部19を保持部2側にねじ込む場合にドライバーが嵌合される。
【0044】
ネジ部19は、筒体部18の下側に連続的に設けられ、光ファイバー受け部材17を保持部2に固定するための部材である。ネジ部19の外周にネジ山19Aが設けられ、中央部に支持穴20が通されている。
【0045】
支持穴20は、光ファイバー15の先端を挿入することで直接的に位置決めして回転自在にかつ着脱自在に支持するための穴である。支持穴20は、小穴部22と、案内部23とから構成されている。
【0046】
小穴部22は、上側小穴部22Aと、下側小穴部22Bとから構成されている。上側小穴部22Aは、光ファイバー15の直径よりもある程度大きめの内径に設定され、光ファイバー15の先端が余裕をもって挿入されるようになっている。上側小穴部22Aの下端には、テーパ22Cが設けられ、光ファイバー15の先端を下側小穴部22Bにスムーズに挿入できるようになっている。テーパ22Cは、孔内ファイバー部26の先端を、上側小穴部22Aから下側小穴部22Bに案内して挿入させるための部分である。
【0047】
下側小穴部22Bは、光ファイバー15の直径より僅かに大きな内径に設定されている。この小径の下側小穴部22Bに光ファイバー15の先端を挿入することで、光ファイバー15の先端面が正確に位置決めされて、ウェーハ7の裏面にプローブ光を照射し、反射光を検出できるようになっている。さらに、下側小穴部22Bは、光ファイバー15の直径より僅かに大きな内径にすることで、光ファイバー15を回転自在にかつ着脱自在に支持するようになっている。
【0048】
案内部23は、光ファイバー15の先端を小穴部22まで案内するための部材である。この案内部23は、小穴部22の上側小穴部22Aから連続したテーパ状の傾斜面を備えて構成され、光ファイバー15の先端を傾斜面に沿って小穴部22まで案内するようになっている。
【0049】
光ファイバー受け部材17は、摩擦係数の小さいフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)で構成され、光ファイバー15の先端が小穴部22にスムーズに出入りできるようになっている。
【0050】
光ファイバー15は、図1、図2及び図7に示すように、その先端部を光ファイバー受け部材17に位置決めされた状態で、吸引孔11の先端部から基端開口を通して制御部5まで配設されている。光ファイバー15は、孔内ファイバー部26と、外部ファイバー部27と、光ファイバーロータリージョイント28とから構成されている。
【0051】
孔内ファイバー部26は吸引孔11内に挿入されて、光ファイバーロータリージョイント28で回転自在に支持されている。孔内ファイバー部26は、単芯の光ファイバー26A(図8参照)によって構成され、その内部をプローブ光と反射光が通るようになっている。なお、単芯光ファイバーを使用するのは、孔内ファイバー部26は回転する場合があるので、回転時にも透過光量が変化しないようにするためである。孔内ファイバー部26の長さは、孔内ファイバー部26が吸引孔11内に装着された状態で、その先端面が光ファイバー受け部材17に挿入されてウェーハ7の裏面に1mm以内の間隔で望むように設定されている。これは、あまり離しすぎると孔内ファイバー部26の先端面から出た光が広がってしまい、検出できる光量が少なくなってしまうためである。
【0052】
外部ファイバー部27は、孔内ファイバー部26と光学的に接続された状態で、外部に引き出されて制御部5と接続するための光ファイバーである。外部ファイバー部27は、複数本の光ファイバーを束ねたバンドル型ファイバー27A(図8参照)によって構成されている。なおここでは、2本の光ファイバーを束ねてバンドル型ファイバー27Aが構成されている。このバンドル型ファイバー27Aの複数本の光ファイバー15のうち一部が後述する制御部5の分光器52に接続され、残りが赤外白色光源51に接続されている。バンドル型ファイバー27Aの有効コア径D2(図10参照)は、孔内ファイバー部26の単芯光ファイバー26Aのコア径D1(図9参照)より小さく設定されている。これにより、赤外白色光源51からのプローブ光の全てが単芯光ファイバー26Aに入射し、十分な光量の反射光がバンドル型ファイバー27Aを介して分光器52に入射するようになっている。この際、ウェーハ7からの反射する干渉光を十分に確保するために、コア径D1、D2は近いものが望ましい。
【0053】
光ファイバーロータリージョイント28は、孔内ファイバー部26と外部ファイバー部27とを回転自在に接続するための部材である。この光ファイバーロータリージョイント28によって、外部ファイバー部27と孔内ファイバー部26とが回転を吸収された状態で、互いのファイバー端面間隔が0.1mmとなるように配置して接続されている。光ファイバーロータリージョイント28は、外側カバー部31と、内側カバー部32と、外側挿入プラグ33と、内側挿入プラグ34とから構成されている。
【0054】
外側カバー部31は、吸引筒12の基端開口を塞ぐと共に、外側挿入プラグ33を挿入支持するための部材である。外側カバー部31は、下方に開口した二重筒状に形成され、外側筒部31Aと内側筒部31Bとを備えている。外側筒部31Aは吸引筒12にベアリング36で回転可能に取り付けられている。外側筒部31Aと吸引筒12との間には、ベアリング36によって回転可能に支持された状態でその間を気密に封止するためのシール材37が設けられている。
【0055】
内側筒部31Bは、上下に貫通して設けられている。この内側筒部31Bに、外側挿入プラグ33と内側挿入プラグ34とが挿入されて、互いに光学的に接続される。内側筒部31B内は、外側挿入プラグ受け部31Cと、内側挿入プラグ受け部31Dとから構成されている。外側挿入プラグ受け部31Cは、後述する外側挿入プラグ33の筒部41が気密に挿入される部分である。この外側挿入プラグ受け部31Cと外側挿入プラグ33の筒部41との間には気密性を保つためのシール材39が設けられる。
【0056】
内側挿入プラグ受け部31Dは、後述する内側挿入プラグ34の筒部43が挿入される部分である。この内側挿入プラグ受け部31Dと内側挿入プラグ34の筒部35との間には0.1〜0.5mmの隙間が設けられ、内側挿入プラグ34の筒部35が内側挿入プラグ受け部31Dと接触することなく回転でき、かつ軸方向に移動できるようになっている。内側筒部31Bの外周面には、雄ネジが形成され、内側カバー部32がねじ込まれるようになっている。
【0057】
内側カバー部32は、孔内ファイバー部26の基端部(上端部)を回転可能にかつ上下に僅かに移動できるように支持するための部材である。内側カバー部32は、その底部に開口32Aを有する袋ナットによって構成されている。内側カバー部32の内径は、後述する内側挿入プラグ34の鍔部44の外径よりも僅かに大きく設定され、内側挿入プラグ34の回転及び軸方向への移動が自由にできるようになっている。開口32Aの内径は、後述する内側挿入プラグ34の筒部43の外径よりも僅かに大きく設定され、内側挿入プラグ34の回転及び軸方向への移動が自由にできるようになっている。これにより、孔内ファイバー部26にあそびが設けられている。これは、孔内ファイバー部26が何らかの外力による影響を受けたときに、それを吸収して孔内ファイバー部26が損傷を受けないようにするためである。
【0058】
内側カバー部32の内側面には雌ネジが形成され、外側カバー部31の内側筒部31Bの雄ネジにねじ込まれて固定される。このとき、内側筒部31Bと内側カバー部32の底部との間隔は、そこに内側挿入プラグ34の鍔部44が挿入されたときに0.1〜0.5mm程度の隙間ができるようにネジが設定されている。これにより、内側挿入プラグ34(孔内ファイバー部26)が軸方向に0.1〜0.5mm程度の間隔で移動できるようになっている。
【0059】
さらに、内側挿入プラグ34が内側カバー部32内に挿入されて、内側カバー部32が外側カバー部31の内側筒部31Bにねじ込まれることにより、この内側挿入プラグ34の光軸と外側挿入プラグ33の光軸とが一致するようになっている。
【0060】
外側挿入プラグ33は、外部ファイバー部27の先端部を外側カバー部31の外側挿入プラグ受け部31Cに取り付けるための部材である。この外側挿入プラグ33は、筒部41と、鍔部42とから構成されている。
【0061】
筒部41は、外側カバー部31の外側挿入プラグ受け部31Cに挿入されるための部材である。この筒部41は、外部ファイバー部27の先端部にこの外部ファイバー部27を把持した状態で取り付けられている。これにより、筒部41が外側カバー部31の外側挿入プラグ受け部31Cに挿入されることで、外部ファイバー部27の光軸が設定位置に調整されて孔内ファイバー部26と接続されるようになっている。
【0062】
鍔部42は、外側カバー部31の外側挿入プラグ受け部31Cに挿入される筒部41を設定深さで支持するための部材である。この鍔部42は、筒部41の外周に設けられ、筒部41が外側挿入プラグ受け部31Cと同じ深さまで挿入されたところで外側カバー部31に当接して、筒部41を設定深さで支持するようになっている。
【0063】
内側挿入プラグ34は、孔内ファイバー部26の基端部を外側カバー部31の内側挿入プラグ34受け部31Dに取り付けるための部材である。この内側挿入プラグ34は、筒部43と、鍔部44とから構成されている。
【0064】
筒部43は、外側カバー部31の内側挿入プラグ34受け部31D及び内側カバー部32の開口32Aに挿入されるための部材である。この筒部43は、孔内ファイバー部26の基端部にこの孔内ファイバー部26を把持した状態で取り付けられている。これにより、筒部43が、内側カバー部32と外側カバー部31の内側筒部31Bとの間に装着されることで、孔内ファイバー部26の光軸が設定位置に調整されて外部ファイバー部27と接続されるようになっている。
【0065】
鍔部44は筒部43を支持するための部材である。この鍔部44は、筒部43の外周に設けられている。鍔部44の外径は、内側カバー部32の開口32Aの内径よりも僅かに小さく設定され、内側挿入プラグ34が内側カバー部32内で、回転方向及び上下方向に自由に移動できるようになっている。これにより、孔内ファイバー部26は、通常、外部ファイバー部27と同様に回転せずに支持され、研磨作業中に回転している吸引筒12や光ファイバー受け部材17の内壁面に接触して回転方向や上下方向に力が掛かったときでも、自由に回転及び移動できる内側挿入プラグ34によってその力が解消されて、孔内ファイバー部26へのダメージを防止している。
【0066】
これにより、光ファイバー15を吸引孔11に装着する場合は、光ファイバー15の孔内ファイバー部26を吸引孔11に通して、光ファイバーロータリージョイント28を吸引筒12の上端部に取り付ける。孔内ファイバー部26の先端は、吸引孔11の先端部の光ファイバー受け部材17の支持穴20に挿入する。このとき、孔内ファイバー部26の先端は、案内部23の傾斜面に沿って上側小穴部22A内に案内され、テーパ22Cに案内されて下側小穴部22Bに挿入されて支持される。保持部2をウェーハ7の直径に合わせて異なる大きさの保持部2に取り替える場合は、保持部2を回転支持部9から下方へ外す。これにより、孔内ファイバー部26の先端は、光ファイバー受け部材17の小穴部22から抜き取られる。別の寸法の保持部2を回転支持部9にその下側から取り付けるときは、下方へ垂下した孔内ファイバー部26の先端が光ファイバー受け部材17の案内部23で案内されて小穴部22の上側小穴部22Aからテーパ22Cを介して下側小穴部22Bに挿入される。これにより、孔内ファイバー部26を正確にかつ容易に着脱することができるようになる。即ち、保持部2の交換作業が容易になる。ウェーハ7のサイズに合わせて、保持部2を容易に交換することができる。
【0067】
研磨定盤4は、図1及び図2に示すように、テーブル46と、回転軸47から構成されている。テーブル46の上側面には、研磨クロスが貼り付けられ、ウェーハ7の表面を研磨する。回転軸47は、テーブル46を設定された回転速度で回転駆動する。回転軸47には、テーブル46を設定速度で回転させるための駆動装置(図示せず)が設けられている。
【0068】
制御部5は、赤外白色光源51と、分光器52と、パーソナルコンピュータ53とから構成されている。
【0069】
赤外白色光源51は、プローブ光を生成するための光源である。プローブ光の波長として可視光域の光を用いる場合、Si層が厚くなると、光が透過しなくなるため、基板保持部のSOIウェーハの裏面から測定する方法は困難である。当然、SOIにくらべ厚いウェーハ総厚みを測定することは困難である。このため、プローブ光の波長は、研磨に使用する水の透過帯(1.0μm〜1.4μm,1.5μm〜1.9μm,2.1〜2.4μm、図11参照)と、Siの透過帯(1μm以上)と、Geドープ石英光ファイバー透過帯(0.4μm〜2.1μm)により、1.0μm〜1.4μm,1.5μm〜1.9μmが望ましい。これにより、水の影響を抑制しつつ、ハンドリングに優れる光ファイバーを適用でき、かつウェーハの裏面からの測定が可能となる。
【0070】
赤外白色光源51としては、市販のハロゲン光源を用いており、赤外線を出力できるように、内部の赤外カットフィルターを取り除き、ランプの反射板を赤外での反射特性が均一な金蒸着のものに交換してある。
【0071】
分光器52は、ウェーハ7からの反射光の干渉を測定するための装置である。
【0072】
Si層厚を測定する方法としては、可視光域のフォトダイオードアレイによる分散型分光器を用いてスペクトルを測定するものと、フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)により赤外の分光スペクトルを採取する方法の2方式がある。
【0073】
これらの測定原理は、分光器を用いて光の干渉方式により厚みを測定するものである。例えば、SOIウェーハの場合、図12のような配置でウェーハ裏面から光を入れて反射光強度を測定すると、次の式を満たす場合に干渉により透過強度が極大となる。
【0074】
2tn=mλm(m:整数) ・・・・(1)
2tn=(m+1)λm+1 ・・・・(2)
n:Siの屈折率(=3.45)
(1)、(2)式より
t=1/(2n)×[(1/λm+1)−(1/λm)]-1
=1/(2n)×(km+1−km)-1
=1/(2n△k) ・・・・(3)
t:厚み
n:Siの屈折率
λ:プローブ光の波長
m:整数
このようにして分光特性を調べると、厚みtに反比例した△kごとの透過強度の極大値を観察できる。また、その干渉強度は、測定対象厚みに依存しており、その強度からも厚みを求めることができる。
【0075】
なお、研磨プロセス中の測定では、ウェーハ7の裏面のワックスのむら、孔内ファイバー部26の先端面のよごれ、ウェーハ7上の水、回転に伴う若干の偏芯等の種々の条件により光量変動が生じうる。これに対しては、波数間隔は原理的に光学系の透過強度によらず一定であるため、このような透過率が変動しうる測定には最適である。
【0076】
FTIRを用いた場合、内部でマイケルソン干渉計のミラーを機械的に走査するため、測定に時間がかかり、安定したスペクトルを採取することができない。また、光ファイバーを適用可能かつ水の透過帯(1.4μm以下または、1.5μm〜1.9μm)を測定するためには、高価かつ液体窒素での冷却が必要なInSb検出器を用いる必要がある。また、FTIRは非常に装置が大がかりで、光学系が振動に弱く、多くの設置スペースを要求されたり、振動の多い研磨プロセスには設置困難な場合がある。
【0077】
これに対して、フォトダイオードを用いた分散型マルチチャンネル分光器は、FTIRとは異なり、一般に小型(数十cm角以下)であり、光学系にもよるが通常数十msecの露光時間でも測定に十分なスペクトルを得ることができる。このため、回転しているウェーハから光を導く際に、光強度(光ファイバー偏芯などによる透過率変動)に変化があったとしても、その影響を受けることなく測定を行うことができる。このことは、一点の測定時間が短くなり、高応答速度のリアルタイムな厚み出力が可能となることを意味する。このため、分光器52として、フォトダイオードを用いた分散型マルチチャンネル分光器を用いる。この分光器52の概略構成を図14に示す。分光器52は主に、スリット55と、回折格子56と、フォトダイオードアレイ57とから構成されている。スリット55は、外部ファイバー部27を伝搬してきた反射光を回折格子56の幅に絞る。回折格子56は、反射光を回折させてフォトダイオードアレイ57に入射させる。フォトダイオードアレイ57は、入射光を、干渉による強弱に応じた電圧に変換してパーソナルコンピュータ53に出力する。
【0078】
この分光器52のフォトダイオードアレイ57としては、512CHのInGaAsアレイを用いた。これにより、測定波長域0.85μm〜1.75μmを素子分解能0.00175μm(1.75nm)で測定が可能である。波数に換算すると、だいたい10cm-1(Si厚みにして百数十μm相当であり、サンプリングの定理からすると50μm過ぎまで厚み測定ができる)以上の分解能で測定ができる。スリットは25μmとし、露光時間50msecで測定する。
【0079】
なお、近赤外光に感度を有するフォトダイオードアレイとして、安価なSiフォトダイオードアレイ上に赤外光誘起蛍光物質(赤外光を可視光に変換する物質)を塗布した赤外検出型のものも使用できる。この場合は、測定波長が赤外光誘起蛍光物質の赤外線検出感度(一般に、1.45μm〜1.65μmに感度を有するものが市販されている)に制限されるが、高密度なアレイ化技術が実現されているSiフォトダイオードを用いるため、高分解能にすることができ、△kが小さくなるSiウェーハ自体の厚み測定にも使用できる。
【0080】
パーソナルコンピュータ53は、フォトダイオードアレイ57からの信号に基づいてウェーハ7の厚みを計算すると共に、表面研磨前のウェーハ7の複数点の厚みから研磨目標厚みを計算する。さらに、パーソナルコンピュータ53は、表面研磨装置1の全体を制御する。なお、研磨目標厚みは、研磨作業において目標となる厚みのことで、研磨過程で生じる、研磨装置の機械的誤差等の種々の誤差を収斂させる目標となる厚みである。顧客側から指定された厚みである要求厚みに、より正確に近づけるために設定するのが研磨目標厚みである。この研磨目標厚みを基準に研磨された製品の膜厚は、要求厚み±厚み公差内に入ることを目標とする。
【0081】
ウェーハ7の厚みは、上記(3)式に基づいて計算する。
【0082】
研磨目標厚みは次の式により計算する。
【0083】
表面研磨前に、ウェーハ7のセンター厚みを含むウェーハ7の表面内複数箇所の厚みを測定し、以下の式で研磨の目標厚みを決定する。
【0084】
tcfin=taim+tc−(tmax+tmin)/2 ・・・・(4)
tcfin:研磨目標厚み
taim:要求厚み
tc:Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚み
tmax:面内複数測定点中の最大厚み
tmin:面内複数測定点中の最小厚み
または、以下の式で研磨の目標厚みを決定する。
【0085】
tcfin=taim+tc−tave ・・・・(5)
tcfin:研磨目標厚み
taim:要求厚み
tc:Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚み
tave:面内複数測定点中の平均厚み
上記上記(4)又は(5)式により、要求厚みからの偏差が少なくなるように、研磨を終了させる時点である研磨終点を決める。
【0086】
ここで、要求厚みとは、顧客側から指定された膜厚のことである。顧客は、要求厚みと厚み公差とを指定する。研磨目標厚みとは、研磨中に膜厚計で測定される厚みであって、研磨終了の目標値である。通常、ウェーハ中心の厚みを基準とする。上記ウェーハ中心部の膜厚測定値が、研磨目標厚みより小さくなった時点で、研磨を終了する。研磨目標厚みを基準に研磨された製品の膜厚は、要求厚み±厚み公差内に入ることを目標とする。
【0087】
パーソナルコンピュータ53では、分光器52から0.5秒ごとにスペクトルを採取し、ピークバレイ法または最大エントロピー法で膜厚を算出している。
【0088】
アレイを用いた分光では、用いるアレイ分光器のCH数に制限があり、分解能に限りがある。このため、厚みが厚くなり、極大値・極小値を直接読みとれなくなると、計算ができなくなる。このため、少ないデータ点数でも分解能を任意に向上可能な最大エントロピー法を適用することが望ましい。これにより、厚み測定分解能を向上させることができる。
【0089】
[表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの厚み測定方法及び表面研磨方法]
次に、上記構成の表面研磨装置1を用いた、表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚み測定方法及び表面研磨方法について、添付図面を参照しながら説明する。 なおこの例では、SOIウェーハ研磨時のSOI層厚みを測定する際に使用している。このため、以下で言及する研磨目標膜厚みは、SOIウェーハの活性層の膜厚みであって、研磨目標となる厚みである。
【0090】
まず、研磨目標膜厚みを決める。研磨前に、研磨対象のSOIウェーハの活性層の複数箇所で厚みを測定する。この測定値を基に、上記(4)又は(5)式によって研磨目標膜厚みを算出する。この算出した研磨目標膜厚みを基に、図15の表のように、表面研磨中のSOIウェーハ7の厚みを測定しながら、研磨目標膜厚みに近づけていく。
【0091】
表面研磨作業を行うに際しては、まず、表面研磨装置1の保持部2及び研磨定盤4を設定回転数で回転させて、研磨定盤4のテーブル46の研磨クロスでSOIウェーハ7の活性層の表面の研磨を開始する。
【0092】
次いで、制御部5の赤外白色光源51から赤外白色光(プローブ光)を発生させ、このプローブ光をSOIウェーハ7の裏面に照射させる。具体的には、赤外白色光源51からのプローブ光を、外部ファイバー部27、光ファイバーロータリージョイント28を介して孔内ファイバー部26に入射させ、孔内ファイバー部26の先端面から0.1mm程度の隙間を介して回転している表面研磨中のSOIウェーハ7の裏面に照射させる。
【0093】
SOIウェーハ7のSOI層に照射された光は干渉をおこし、波長毎に極大と極小をもった反射光を生じる。この反射光は孔内ファイバー部26の先端面から内部に侵入して、その一部が外部ファイバー部27を介して制御部5の分光器52まで伝送される。
【0094】
分光器52に伝送された反射光は、分光器52内の回折格子56にて空間的に波長毎に分散されて、フォトダイオードアレイ57に照射される。そして、フォトダイオードアレイ57でCH毎の光強度が電気信号に変換される。このようにして、SOIウェーハ7の活性層の表面の干渉スペクトルが測定される。
【0095】
図13に、得られた干渉スペクトルの例を示す。図示する様に、干渉スペクトルは横軸を波数とした時に周期的に変化し極大と極小を交互に繰り返す。極小値間又は極大値間の波数間隔をΔkとする。
【0096】
測定されたスペクトルは、パーソナルコンピュータ53にて波数間隔△kを測定し、屈折率nを用いて、上記(3)式により厚みに換算される。
【0097】
図17に、表面研磨中のSOIウェーハ7の厚み測定値の変動を示す。光量は若干変動しているが、回転によらず一定の膜厚を出力している。
【0098】
図16に、本発明の厚み測定方法による測定精度の検証を行った結果を示す。本厚み計で測定した終点厚みと、研磨終了後に従来からあるFTIRを用いたオフライン厚み計と比較を行った。実際に測定したところでは厚みは40μm程度まで安定して測定可能であり、サンプリングの定理限界までの範囲で、運用に十分な精度3σ=0.12μmで測定可能であった。
【0099】
これにより、保持部2の影響を受けることなく、表面研磨中のSOIウェーハ7の厚みを正確に測定しながら、目標厚さまでSOIウェーハ7を正確に研磨することができるようになる。
【0100】
[変形例]
上記実施形態では、光ファイバー15を、孔内ファイバー部26と外部ファイバー部27に分割して光ファイバーロータリージョイント28で接続したが、孔内ファイバー部26と外部ファイバー部27を分割せず、光ファイバーロータリージョイント28も設けずに、連続した光ファイバー15で、光ファイバー受け部材17から制御部5の赤外白色光源51及び分光器52まで接続してもよい。この場合、赤外白色光源51及び分光器52を、ハーフミラーで光ファイバー15にそれぞれ接続してもよい。また、赤外白色光源51及び分光器52にそれぞれ1本の光ファイバー15を接続して、各光ファイバー15を光ファイバー受け部材17からウェーハ7の裏面に臨ませて設けてもよい。この場合は、各光ファイバー15をウェーハ7の裏面に垂線に対して対照的に同じ角度を持たせて配設する。これにより、赤外白色光源51に接続された光ファイバー15の先端面からウェーハ7の裏面にプローブ光を照射すれば、その反射光が分光器52に接続された光ファイバー15の先端面に入射して分光器52まで伝送されることになる。
【0101】
この場合も、保持部2の影響を受けることなく、表面研磨中のウェーハ7の厚みを正確に測定しながら、目標厚さまでウェーハ7を正確に研磨することができるようになる。
【0102】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚み測定方法及び表面研磨方法並びに表面研磨装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0103】
(1) 測定する波長として1〜1.9μmの波長の光を使用することにより、研磨に使用する水に対する透過性、Si等の透過性、光ファイバーの透過性に優れたプローブ光とすることができ、Siウェーハまたは、SOIウェーハの裏面から照射して、分散型マルチチャンネル分光器で反射光のスペクトルを測定することが、研磨作業中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを安定して、かつ正確に検出することができる。
【0104】
(2) フォトダイオードアレイとしてInGaAsアレイを用いたので、1〜1.9μmの波長の反射光を高い感度で検出することができ、表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の正確な厚みを検出することができる。
【0105】
近年、デバイス技術の進歩により、1〜2.5μm付近に感度を有する、InGaAsフォトダイオードを512CH以上でアレイ化可能となってきているため、表面研磨装置1のコスト低減も図ることができる。
【0106】
(3) フォトダイオードアレイの表面に、1〜1.9μmの波長の光が入射したとき可視光を放出する蛍光塗料を塗布したので、1〜1.9μmの波長のプローブ光をSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層に照射して反射してくる反射光を、蛍光塗料で可視光に変えてフォトダイオードアレイで確実に検出することができる。
【0107】
(4) 得られた分光スペクトル中に含まれる、干渉波形の周期(波数間隔)△kを測定し、t=1/(2n△k)式により表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを計算することにより、Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の正確な厚みを検出することができるようになる。
【0108】
(5) 自己回帰モデルによる周波数推定により干渉波形の周期△kを測定することにより、膜厚4μm以上、特に5μm以上のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを正確に測定することができる。
【0109】
(6) 第1ないし第5の発明のいずれかに記載の表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚み測定方法によりSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを測定しながら表面研磨を行い、目標膜厚みに到達した時点で研磨を終了させることにより、半導体ウェーハ等のSiウェーハまたは、SOIウェーハの表面研磨中に、研磨作業を停止させることなくSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを測定することができ、その測定結果に基づいて、正確に研磨することができる。これにより、Siウェーハまたは、SOIウェーハの品質及び歩留り率を大幅に向上させることができる。
【0110】
(7) 研磨前に、Siウェーハまたは、SOIウェーハのセンター厚みを含むSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の表面内複数箇所の厚みを測定し、tcfin=taim+tc−(tmax+tmin)/2で研磨の目標膜厚みを決定することにより、研磨目標膜厚みに合わせて、Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面研磨を正確に行うことができる。
【0111】
(8) 研磨前に、Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚みを含むSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の表面内複数箇所の厚みを測定し、tcfin=taim+tc−taveで研磨の目標膜厚みを決定することにより、研磨目標膜厚みに合わせて、Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面研磨を正確に行うことができる。
【0112】
(9) 光ファイバー受け部材を、光ファイバーの先端を位置決めして回転自在にかつ着脱自在に支持する支持穴を備え、当該支持穴が、光ファイバーの直径より僅かに大きな内径を有する小穴部と、この小穴部から連続してテーパ状に形成され光ファイバーの先端を傾斜面に沿って上記小穴部まで案内する案内部とを備えたので、光ファイバーを容易に着脱することができると共に、光ファイバーの損傷を防止することができる。
【0113】
(10) 光ファイバーを、連通孔の先端部から基端開口を通して外部機器まで連続して配設すると共に、光ファイバーの先端面を表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に臨ませて設けたので、プローブ光を正確に照射し、その反射光の確実に検出することができる。
【0114】
(11) 光ファイバーを、連通孔に通される孔内ファイバー部と、外部に引き出されて外部機器に接続される外部ファイバー部とから構成し、上記孔内ファイバー部を上記連通孔内で回転自在に支持すると共に、上記外部ファイバー部を上記孔内ファイバー部と光ファイバーロータリージョイントで回転を吸収しながら接続したので、Siウェーハまたは、SOIウェーハを保持して回転する保持部の影響を受けることなく、表面研磨中のSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みを正確に測定しながら、目標厚さまでSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層を正確に研磨することができる。
【0115】
(12) 孔内ファイバー部として単芯の光ファイバーを用い、外部ファイバー部として、一部が分光器に接続され、残りが赤外白色光源に接続された複数本の光ファイバーを束ねたバンドル型ファイバーを用い、バンドル型ファイバーの有効コア径を、単芯の光ファイバーのコア径より小さくしたので、プローブ光をSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に確実に照射して、その反射光を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る表面研磨装置を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る表面研磨装置を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る表面研磨装置の光ファイバー受け部材を示す斜視図である。
【図4】 光ファイバー受け部材を示す平面図である。
【図5】 光ファイバー受け部材を示す正面断面図である。
【図6】 光ファイバー受け部材を保持部の先端に取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図7】 光ファイバーロータリージョイントを示す要部断面図である。
【図8】 単芯光ファイバー及びバンドル型ファイバーを示す横断面図である。
【図9】 単芯光ファイバーを示す縦断面図である。
【図10】 バンドル型ファイバーを示す縦断面図である。
【図11】 水の透過率を示すグラフである。
【図12】 SOI層の測定例を示す概略構成図である。
【図13】 反射光の強度と波数の関係を示すグラフである。
【図14】 分光器の構成例を示す概略構成図である。
【図15】 表面研磨作業中の作業時間とSiウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層の厚みの変動の関係を示すグラフである。
【図16】 オフラインでの厚み計測値と表面研磨中の厚み測定値とを比較したグラフである。
【図17】 膜厚測定値及び最大強度と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:表面研磨装置、2:保持部、3:本体部、4:研磨定盤、5:制御部、7:ウェーハ、8:基部、9:回転支持部、11:吸引孔、12:吸引筒、13:パイプ、15:光ファイバー、17:光ファイバー受け部材、18:筒体部、19:ネジ部、20:支持穴、22:小穴部、23:案内部、26:孔内ファイバー部、27:外部ファイバー部、28:光ファイバーロータリージョイント、31:外側カバー部、32:内側カバー部、33:外側挿入プラグ、34:内側挿入プラグ、35:筒部、36:ベアリング、37:シール材、39:シール材、41:筒部、42:鍔部、43:筒部、44:鍔部、46:テーブル、47:回転軸、51:赤外白色光源、52:分光器、53:パーソナルコンピュータ、55:スリット、56:回折格子、57:フォトダイオードアレイ。
Claims (9)
- 研磨対象のSiウェーハまたは、SOIウェーハを保持する保持部と、当該保持部を回転可能に支持して回転駆動させる本体部とを備えた表面研磨装置において、
上記本体部から上記保持部の回転中心を通して、設けられた連通孔と、
当該連通孔のうち上記保持部側の先端部に設けられた光ファイバー受け部材と、
上記連通孔に通されてその先端が上記光ファイバー受け部材で支持されて、上記保持部で保持された表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に望ませて設けられて、厚み測定用のプローブ光を照射し、その反射光を入射させる光ファイバーとを少なくとも備え、
上記光ファイバー受け部材が、上記光ファイバーの先端を位置決めして回転自在にかつ着脱自在に支持する支持穴を備え、当該支持穴が、上記光ファイバーの直径より僅かに大きな内径を有する小穴部と、この小穴部から連続してテーパ状に形成され上記光ファイバーの先端を傾斜面に沿って上記小穴部まで案内する案内部とを備え、
上記連通孔が、真空引きされると共に、基端部を支持されて先端側が垂下された上記光ファイバーを非接触状態で囲繞し、
上記光ファイバーの直径より僅かに大きな内径の小穴部が、真空引きされた上記連通孔に連通されて上記ウェーハを吸着し、上記光ファイバーの先端と上記ウェーハとの距離を一定に保つことを特徴とする表面研磨装置。 - 請求項1記載の表面研磨装置において、
上記光ファイバーが、上記連通孔の先端部から基端開口を通して外部機器まで連続して配設されると共に、光ファイバーの先端面が上記表面研磨中のSiウェーハまたは、SOIウェーハの裏面に望ませて設けられたことを特徴とする表面研磨装置。 - 請求項1記載の表面研磨装置において、
上記光ファイバーが、上記連通孔に通される孔内ファイバー部と、外部に引き出されて外部機器に接続される外部ファイバー部とからなり、
上記孔内ファイバー部が、上記連通孔内で回転自在に支持されると共に、上記外部ファイバー部が上記孔内ファイバー部と光ファイバーロータリージョイントで接続されたことを特徴とする表面研磨装置。 - 請求項3記載の表面研磨装置において、
上記孔内ファイバー部として単芯の光ファイバーを用い、
上記外部ファイバー部として、一部が分光器に接続され、残りが赤外白色光源に接続された複数本の光ファイバーを束ねたバンドル型ファイバーを用い、
上記バンドル型ファイバーの有効コア径が、上記単芯の光ファイバーのコア径より小さいことを特徴とする表面研磨装置。 - 請求項4記載の表面研磨装置において、
上記分光器が、1.0μm〜1.4μm,1.5μm〜1.9μmの波長に感度を有するフォトダイオードアレイを用いた分散型マルチチャンネル分光器であることを特徴とする表面研磨装置。 - 請求項5記載の表面研磨装置において、
上記フォトダイオードアレイがInGaAsアレイであることを特徴とした表面研磨装置。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の表面研磨装置において、
上記Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層での反射光が上記分光器に入射して得られた分光スペクトル中の干渉波形の周期からウェーハセンター部の厚みを求めるパーソナルコンピュータを備えたことを特徴とする表面研磨装置。 - 請求項7に記載の表面研磨装置において、
上記パーソナルコンピュータが、研磨前に、上記Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚みを含む上記Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面内複数箇所の厚みを測定し、以下の式で研磨終点でのウェーハセンター目標厚みを決定することを特徴とする表面研磨装置。
tcfin=taim+tc−(tmax+tmin)/2
tcfin:研磨目標厚み
taim:要求厚み
tc:Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚み
tmax:面内複数測定点中の最大厚み
tmin:面内複数測定点中の最小厚み - 請求項7に記載の表面研磨装置において、
上記パーソナルコンピュータが、研磨前に、上記Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚みを含む上記Siウェーハまたは、SOIウェーハの表面内複数箇所の厚みを測定し、以下の式で研磨終点でのウェーハセンター目標厚みを決定することを特徴とする表面研磨装置。
tcfin=taim+tc−tave
tcfin:研磨目標厚み
taim:要求厚み
tc:Siウェーハ自体または、SOIウェーハの活性層のセンター厚み
tave:面内複数測定点中の平均厚み
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