JP5266787B2 - 膜厚測定装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、光干渉を利用して薄膜の膜厚を非接触で測定する膜厚測定装置及び方法に関する。
光干渉を利用した膜厚測定装置は、非接触でフィルムやシート等の薄膜の膜厚分布や膜厚誤差を測定するために用いられる。図7は、従来の膜厚測定装置の概略構成を示す図である。図7に示す通り、従来の膜厚測定装置100は、光源101、照射用光ファイバ102、受光用光ファイバ103、分光計104、及び演算部105を備えており、フィルムやシート等の被測定対象200の膜厚を非接触で測定する。
光源101は波長帯域の広い白色光を発光する光源である。照射用光ファイバ102は光源101で発光された光を被測定対象200に導いて照射する導光部材であり、受光用光ファイバ103は被測定対象200の反射光を分光計104に導く導光部材である。分光計104は、受光用光ファイバ103で導かれた被測定対象200の反射光を分光して電気信号に変換して反射分光スペクトルを得る。
演算部105は、分光計104で得られた反射分光スペクトルに対して所定の演算を施して被測定対象200の膜厚を測定する。具体的には、演算部105は、分光計104で得られた反射分光スペクトルのうちの所定の波長範囲を1つ選択し、その選択した波長範囲における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直して波数域反射分光スペクトルを求める演算、波数域反射分光スペクトルを示す信号に対してフーリエ変換を施してパワースペクトルを得る演算、パワースペクトルの中でのピークが得られる周波数に対応する光学膜厚を求める演算、及び得られた光学膜厚から屈折率を考慮して被測定対象200の物理的な膜厚を求める演算等を行う。
上記構成において、光源101から射出された白色光は、照射用光ファイバ102に導かれて被測定対象200に照射される。被測定対象200に白色光を照射して得られる反射光のうち、受光用光ファイバ103に入射した反射光は、受光用光ファイバ103によって分光計104に導かれて分光された後に光電変換される。光電変換された電気信号は演算部105に入力されて上記の各種演算が施され、これにより被測定対象200の膜厚が求められる。
ここで、被測定対象200の表裏の界面で反射される白色光は、被測定対象200の表裏の界面間の距離(膜厚)と被測定対象200の屈折率との積に応じた光路差を有する。光路差を有する白色光は互いに干渉して波数域反射分光スペクトルにおいて周期的な干渉縞が現れる。この周期的な干渉縞に対してフーリエ変換を行って得られるパワースペクトルは、光路長差に応じた周波数でピークを有するため、そのピークを検出することで光路長差(光学膜厚)を求めることができる。そして、得られた光学膜厚を被測定対象200の屈折率で除算することにより、被測定対象200の物理的な膜厚が求められる。
以下の特許文献1には、移動する多層フィルムにおける膜厚を精度良く測定すべく、移動する多層フィルムに対して近赤外領域からなるストロボ光を照射し、多層フィルムの各層からの反射光を受光して多層フィルムを構成する膜の厚さを測定する技術が開示されている。また、以下の特許文献2には、多層薄膜の各膜厚を一層高精度に測定すべく、多層薄膜を有する試料に白色光を照射し、試料から得られる反射光又は透過光を分光すると共に、得られるスペクトルを波数単位の周波数信号に変換した後、ウェブレット処理を行うことで周波数信号から干渉信号以外の成分を除去して周波数解析処理を行う技術が開示されている。
更に、以下の特許文献3には、光干渉膜厚計で測定される光干渉波形をフーリエ変換して得たスペクトル中で最大ピーク値に相当する値を多層フィルムの表面層の厚みとする多層フィルムの製造方法が開示されている。
特開2003−161605号公報 特開2005−308394号公報 特開平11−314298号公報
ところで、図7に示す従来の膜厚測定装置100は、被測定対象200がPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の複屈折性を有するものである場合には、膜厚を安定して測定することができないという問題がある。これは、被測定対象200が複屈折性を有する場合には、照射される白色光の偏光方向に応じて被測定対象200の屈折率が異なるため、図8に示す通り、パワースペクトルに双峰性のピークが現れることに起因する。
図8は、複屈折性を有する被測定対象200を従来の膜厚測定装置100で測定して得られるパワースペクトルの一例を示す図である。図8に示す例では、パワースペクトルに双峰性を示すピークP101,P102が現れており、ピークP101の頂点(極大値)の周波数に対応する光学膜厚T101は約55.9[μm]であり、ピークP102の頂点(極大値)の周波数に対応する光学膜厚T102は約57.2[μm]である。
ここで、従来の膜厚測定装置100の演算部105は、前述した通り、パワースペクトルのピークを検出し、そのピークが得られる周波数に対応する光学膜厚を求める処理を行っている。このため、双峰性のピークが現れても一方のピークの極大値が他方のピークの極大値よりも常に大きいという関係があれば、被測定対象200の安定した膜厚測定という観点からは何ら問題が生じないとも考えられる。
しかしながら、図8に示す通り、双峰性をなすピークP101,P102の極大値がほぼ等しい場合には、測定ノイズや被測定対象200の膜厚変動によって、ピークP101の極大値とピークP102の極大値との大小関係が不規則に変わる。すると、ピークP101,P102の極大値が大きく変化していないにも拘わらず、演算部105で検出されるピークが不規則にピークP101又はピークP102に変化する。この結果として、演算部105で求められる光学膜厚も不規則に光学膜厚T101又は光学膜厚T102に変化するため、被測定対象200の膜厚を安定して測定することができないという問題が生ずる。
図9は、複屈折性を有する被測定対象200を従来の膜厚測定装置100で繰り返し測定して得られる光学膜厚の一例を示す図である。図9を参照すると、被測定対象200の光学膜厚として、図8に示す光学膜厚T101である55.9[μm]付近の値、又は図8に示す光学膜厚T102である57.2[μm]付近の値が求められ、何れの値が求められるかには規則性がない(不規則である)ことが分かる。
測定膜厚の不安定性を解消するには、ユーザの設定によって、パワースペクトルのピークを検出する周波数範囲を、双峰性をなすピークのうちの一方が現れる周波数範囲に限定すれば良いと考えられる。しかしながら、双峰性のピークは、反射分光スペクトルの波長範囲の選び方や被測定対象200の複屈折性の変化に応じて単峰性のピークに変化したり、本来出現する位置とは離れた位置に出現するため、ピークを検出する周波数範囲を限定しても安定した測定を行うことはできない。
また、製造中のフィルムの厚さをオンラインで連続的に測定する場合には、製造されたフィルムの厚さが双峰性のピーク間隔に相当する厚みを越えて変動するため、そもそもピークを検出する周波数範囲を上記の通り限定することはできない。以上の通り、従来は、被測定対象が複屈折性を有する場合には膜厚を安定して測定することができなかった。上述したPETフィルムのみならず、プラスチックフィルムや結晶性の薄膜は多かれ少なかれ複屈折性を有するため、複屈折性を有する被測定対象の膜厚を安定して測定することができれば、膜厚測定装置によって測定可能な被測定対象の範囲を大きく広げることができると考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複屈折性を有する被測定対象の膜厚を安定して連続的に測定することができる膜厚測定装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の膜厚測定装置は、被測定対象(F)に白色光を照射して得られる反射光又は透過光を分光して分光スペクトルを測定する測定部(10)と、当該測定部で測定された分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記被測定対象の膜厚を測定する演算部(20)とを備える膜厚測定装置(1)において、前記演算部は、前記分光スペクトルのうち予め設定された波長帯域における分光スペクトルを所定の波数間隔に並べ直した波数域分光スペクトルに変換する第1変換部(23)と、前記第1変換部で変換された波数域分光スペクトルをパワースペクトルに変換する第2変換部(24)と、前記第2変換部で変換された前記パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を求め、当該重心位置に対応する光学膜厚から前記被測定対象の厚みを求める算出部(25、26、27)とを備えることを特徴としている。
本発明によると、被測定対象に白色光を照射して得られた反射光又は透過光の分光スペクトルが求められ、この分光スペクトルのうち、予め設定された波長帯域における分光スペクトルが所定の間隔の波数域分光スペクトルに変換され、この波数域分光スペクトルの各々がパワースペクトルに変換された後に、パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置が求められ、この重心位置に対応する光学膜厚から被測定対象の厚みが求められる。
また、本発明の膜厚測定装置は、前記算出部が、前記パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を、前記パワースペクトルの強度を重みとする周波数の加重平均により求めることを特徴としている。
また、本発明の膜厚測定装置は、前記算出部が、前記パワースペクトルに対して所定の閾値を設定し、当該閾値よりも強度が高い部分について当該閾値と前記パワースペクトルの強度との差分を重みとすることを特徴としている。
また、本発明の膜厚測定装置は、前記算出部が、前記パワースペクトルに対して所定の閾値を設定し、当該閾値よりも強度が高い第1部分に連続して当該第1部分の両端に位置する両端部分各々の強度がそれぞれ最初に極小になる極小部同士を接続する線分と前記パワースペクトルの強度との差分、及び当該極小部の平均値と前記パワースペクトルの強度との差分の何れか一方を重みとすることを特徴としている。
更に、本発明の膜厚測定装置は、前記第1変換部が、前記測定部で測定された分光スペクトルを、前記被測定対象の波長毎の屈折率に反比例した波数間隔に並べ直した波数域分光スペクトルに変換することを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の膜厚測定方法は、被測定対象(F)に白色光を照射して得られる反射光又は透過光を分光して分光スペクトルを測定し、当該分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記被測定対象の膜厚を測定する膜厚測定方法において、前記分光スペクトルのうち予め設定された波長帯域における分光スペクトルを所定の波数間隔に並べ直した波数域分光スペクトルに変換する第1変換ステップと、前記第1変換ステップで変換された波数域分光スペクトルをパワースペクトルに変換する第2変換ステップと、前記第2変換ステップ変換された前記パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を求め、当該重心位置に対応する光学膜厚から前記被測定対象の厚みを求める厚み算出ステップとを含むことを特徴としている。
本発明によれば、被測定対象に白色光を照射して得られた反射光又は透過光の分光スペクトルを求め、この分光スペクトルのうち、予め設定された波長帯域における分光スペクトルを所定の間隔の波数域分光スペクトルに変換し、この波数域分光スペクトルの各々をパワースペクトルに変換した後に、パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を求めて、この重心位置に対応する光学膜厚から被測定対象の厚みを求めている。このため、複屈折性を有する被測定対象の膜厚を安定して連続的に測定することができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による膜厚測定装置及び方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による膜厚測定装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の膜厚測定装置1は、スペクトル測定部10(測定部)、演算部20、及び表示部30を備えており、被測定フィルムF(被測定対象)の膜厚を測定する。尚、被測定フィルムFは、例えばPET、ポリプロピレン、ポリエチレン等の結晶性樹脂又は非結晶性樹脂からなる薄膜フィルムであって複屈折性を有するものとする。
スペクトル測定部10は、光源11、照射用光ファイバ12、受光用光ファイバ13、及び分光計14を備えており、被測定フィルムFに白色光を照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを測定し、この反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1を演算部20に出力する。光源11は、被測定フィルムFに照射する数百nm〜千数百nmの広い波長範囲に亘る白色光を発光する。照射用光ファイバ12は光源11で発光された白色光を被測定フィルムFに導いて照射する導光部材である。具体的に、照射用光ファイバ12は、被測定フィルムFの一方の面側(例えば、表面側)に配置されており、一方の面側から被測定フィルムFに照射されるように光源11で発光された白色光を導く。
受光用光ファイバ13は、被測定フィルムFの反射光を分光計14に導く導光部材である。具体的に、受光用光ファイバ13は、照射用光ファイバ12と同様に、被測定フィルムFの一方の面側(例えば、表面側)に配置されており、被測定フィルムFの一方の面側における反射光を分光計14に導く。分光計14は、受光用光ファイバ13で導かれた被測定フィルムFの反射光を分光するとともに、分光した光を光電変換して反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1を出力する。この分光計14は、反射光を分光するためのプリズムや回折格子等の分散素子と、分散素子により分光された光を光電変換するCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等の光電変換素子とからなる分光器を備える。尚、分光計14が備える分光器は、モノクロメータであってもポリクロメータであっても良い。
演算部20は、分光データ取得部21、設定部22、波数変換部23(第1変換部)、フーリエ変換部24(第2変換部)、ピーク検出部25(算出部)、加重平均部26(算出部)、及び膜厚算出部27(算出部)を備えており、スペクトル測定部10の分光計14から出力される分光データD1に対して所定の演算を施して被測定フィルムFの膜厚を測定する。分光データ取得部21は、分光計14から出力される分光データD1を取得する。つまり、分光データ取得部21は、被測定フィルムFにおける反射光の反射分光スペクトルを取得する。
設定部22は、被測定フィルムFの屈折率に関するデータ(以下、屈折率データという)を記憶する記憶部22aを備えており、被測定フィルムFの膜厚を測定する上で必要な各種設定を行う。具体的には、以下の(1)〜(5)に示す設定を行う。
(1)被測定フィルムFの膜厚を測定するために使用する波長帯域の設定
(2)パワースペクトルのピークを検出する周波数範囲(ピーク検出範囲)の設定
(3)ピークの重心位置(周波数)を算出するか否かの設定
(4)ピークの重心位置を算出する場合に用いる閾値及び重みの設定
(5)被測定フィルムFの膜厚算出時の屈折率の設定
設定部22は、上記(1)の設定を波数変換部23に対して行い、上記(2)の設定をピーク検出部25に対して行い、上記(3),(4)の設定を加重平均部26に対して行い、上記(5)の設定を膜厚算出部27に対して行う。
波数変換部23は、分光データ取得部21が取得した反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1から上記(1)の設定に基づいた波長帯域に含まれるものを選択し、選択した分光データD1に対して所定の処理を施すことにより、その波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する。フーリエ変換部24は、波数変換部23で変換された波数域反射分光スペクトルを示すデータに対してフーリエ変換を行ってパワースペクトルに変換する。ピーク検出部25は、上記(2)の設定に基づいたピーク検出範囲内におけるパワースペクトルのピークを検出する。ここで、ピーク検出部25は、双峰性のピークが現れた場合には、極大値が大きい方のピークをそのピーク検出範囲内におけるピークであると検出する。
加重平均部26は、上記の(3)の設定がピークの重心位置を算出する旨の設定である場合にはフーリエ変換部24で変換されたパワースペクトル中に現れるピークの重心位置を求める。これに対し、上記の(3)の設定がピークの重心位置を算出しない旨の設定である場合には、重心位置の算出は行わずにピーク検出部25で検出されたピークの位置(ピークの極大値が得られる周波数)を膜厚算出部27に出力する。
上記の(3)の設定がピークの重心位置を算出する旨の設定である場合には、加重平均部26は、パワースペクトルの強度を重みとする周波数の加重平均を行ってピークの重心位置を求める。具体的には、パワースペクトルをなすデータのデータ番号をn(nは1以上の整数)とし、第n番目のデータの強度をI(n),周波数をf(n)とすると、加重平均部26は以下の(A)式に示される加重平均を行ってパワースペクトル中に現れるピークの重心位置f0を求める。
f0=Σ(I(n)×f(n))/Σ(I(n)) …(A)
ここで、パワースペクトル中に現れるピークの重心位置f0は、基本的には上記の式で示される加重平均により求められるが、ノイズの影響があると測定精度が悪化する虞が考えられる。かかるノイズの悪影響を排除するため、上記の(4)の設定による閾値を用いてピークの重心位置f0を求めるのが好ましい。図2は、パワースペクトルに対して設定される閾値の一例を示す図である。尚、図2に示すグラフは横軸に光学膜厚を取っており、縦軸に強度(任意単位)をとっている。図2に示す通り、パワースペクトルに双峰性を示すピークP1,P2が現れており、ピークP1の頂点(極大値)の周波数に対応する光学膜厚T1は約55.9[μm]であり、ピークP2の頂点(極大値)の周波数に対応する光学膜厚T2は約57.2[μm]である。
図2において、符号R1を付した範囲が設定部22によってピーク検出部25に設定されるピーク検出範囲(図2では光学膜厚に換算して図示している)であり、符号THを付した直線が設定部22によって加重平均部26に設定される閾値である。この閾値THとしては、ピーク検出部25によって検出されるピーク(図2に示す例ではピークP1)の極大値に対し、設定部22によって設定される所定の閾値係数α(0<α<1)を乗じて得られる値を用いる。この閾値係数αは、「0.1」〜「0.6」程度の範囲内における値に設定するのが望ましく、「0.3」程度に設定するのがより好適である。
また、上記の閾値THの設定に加えて、上記の(4)の設定による重みを用いてピークの重心位置f0を求めるのが好ましい。具体的には、閾値THよりも強度が高い部分(図2において斜線を付した部分)について閾値THとパワースペクトルの強度との差分を重みとする周波数の加重平均を行う。つまり、閾値THの値をIthとすると、加算平均部26は、閾値THとパワースペクトルの強度との差分(I(n)−Ith)を重みとして用いて加重平均を行う。即ち、重心位置f0を求める前述した(A)式において、式中の重みI(n)を重み(I(n)−Ith)に置き換えた加重平均を行う。これにより、ピークP1,P2の重心位置f0、及びこの重心位置f0に対応する光学膜厚T0(図2参照)が求められる。尚、重心位置f0に対応する光学膜厚は、約56.6[μm]である。
膜厚算出部27は、上記の(5)の設定による屈折率を用いて、被測定フィルムFの物理的な膜厚を求める。ここで、被測定フィルムFは複屈折性を有するため被測定フィルムFの屈折率は照射される白色光の偏光方向によって変化する。また、白色光の波長によっても被測定フィルムFの屈折率が変化する。このため、膜厚算出部27には、例えば波数変換部23で設定される波長帯域において複屈折性をも考慮した平均的と考えられる屈折率を用いるのが望ましい。尚、被測定フィルムFの膜厚を高い精度で測定する場合には、被測定フィルムFの複屈折性の大小、及び膜厚測定に使用される波長帯域をより厳密に考慮する必要がある。
表示部30は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)又は液晶表示装置等の表示装置を備えており、膜厚算出部27で算出された被測定フィルムFの膜厚を表示する。尚、図1においては図示を省略しているが、分光データ取得部21で取得された分光データD1そのもの、或いはフーリエ変換部24で変換されたパワースペクトルを表示部30に表示するようにしても良い。
次に、本発明の一実施形態による膜厚測定方法について説明する。被測定対象であるである被測定フィルムFの測定に先立って、ユーザは被測定フィルムFの波長毎の屈折率、複屈折性を示すデータを屈折率データとして設定部22が備える記憶部22aに予め記憶させておく。被測定フィルムFの膜厚測定が開始されると、光源11の発光が開始される。光源11で発光された白色光は照射用光ファイバ12を介して例えば表面側から被測定フィルムFに照射される。
被測定フィルムFに照射された白色光のうち、被測定フィルムFの表面側における界面で反射された光と、裏面側で反射された光であって表面側における界面を透過した光とが被測定フィルムFの反射光となる。被測定フィルムFの反射光のうち、受光用光ファイバ13入射した反射光は、分光計14に導かれて分光された後に光電変換される。これにより、分光計14からは反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1が出力される。分光計14からの分光データD1は、演算部20の分光データ取得部21で取得されて波数変換部23に出力される。
波数変換部23は、分光データ取得部21からの反射分光スペクトルを示す分光データD1から設定部22で設定された波長帯域を選択する。そして、選択した分光データに対して所定の処理を施して、その波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する(第1変換ステップ)。波数変換部23から出力される波数域反射分光スペクトルは、フーリエ変換部24に入力されてフーリエ変換が施される。これにより、被測定フィルムFの反射光のうちの設定部22で設定された波長帯域におけるパワースペクトルが求められる(第2変換ステップ)。尚、ここでは、図2に示す通り、双峰性を示すピークP1,P2を有するパワースペクトルが求められたとする。
フーリエ変換部24で得られたパワースペクトルはピーク検出部25に出力され、設定部22で設定されたピーク検出範囲(図2中のピーク検出範囲R1)内におけるパワースペクトルのピークが検出される。フーリエ変換部24で得られたパワースペクトルが図2に示すものである場合には、双峰性を示すピークP1,P2のうち、極大値がより大きなピークP1が、ピーク検出範囲R1内におけるパワースペクトルのピークとして検出される。
ピーク検出部25の検出結果は、上記のフーリエ変換部24で得られたパワースペクトルとともに加重平均部26に入力される。ここで、設定部22によってピークの重心位置を算出する旨が設定されている場合には、フーリエ変換部24で変換されたパワースペクトル中に現れるピークの重心位置が加重平均部26で求められる。具体的には、まず設定部22の設定内容に基づいて、ピーク検出部25で検出されたピークP1の極大値に閾値係数αを乗算して得られた値を有する閾値TH(図2参照)が設定される。そして、閾値THよりも強度が高い部分(図2において斜線を付した部分)について、閾値THとパワースペクトルの強度との差分(I(n)−Ith)を重みとする周波数の加重平均が行われる。これにより、ピークP1,P2の重心位置f0、及びこの重心位置f0に対応する光学膜厚T0(図2参照)が求められる。
加重平均部26で求められた光学膜厚T0は膜厚算出部27に出力される。そして、膜厚算出部27において、光学膜厚T0が設定部22によって設定された屈折率で除算されることにより、被測定フィルムFの物理的な厚さが算出される(厚み算出ステップ)。被測定フィルムFの膜厚が算出されると、その算出結果が表示部30に表示される。
これに対し、加重平均部26に対してピークの重心位置を算出しない旨の設定が設定部22によりなされている場合には、以上説明した重心位置の算出は行われずにピーク検出部25で検出されたピークの位置(ピークの極大値が得られる周波数)が加重平均部26から膜厚算出部27に出力される。そして、膜厚算出部27においてピークの位置に基づいた被測定フィルムFの膜厚が算出されて、その算出結果が表示部30に表示される。
尚、被測定フィルムFの膜厚の算出結果のみならず、分光データ取得部21で取得された分光データD1そのもの、或いはフーリエ変換部24で変換されたパワースペクトルを表示部30に表示しても良い。ユーザが表示部30の表示内容を参照することで、設定された厚みを有する被測定フィルムFが製造されているか否かを確認することができる。尚、以上の処理にて測定された膜厚に基づいて、被測定フィルムFの膜厚が設計値通りになるように、被測定フィルムFを製造する製造装置を自動制御するようにしても良い。
図3は、本発明の一実施形態による膜厚測定装置1による被測定フィルムFの膜厚測定結果の一例を示す図である。図3を参照すると、被測定フィルムFの光学膜厚として、図2に示すピークP1,P2の重心位置f0に対応する光学膜厚T0である56.6[μm]付近の値が得られていることが分かる。しかも、測定を繰り返しても安定して光学膜厚T0とほぼ同様の光学膜厚が得られており、図9に示す不規則な変動は生じていないことが分かる。
以上説明した通り、本実施形態では、被測定フィルムFに白色光を照射して得られた反射光の反射分光スペクトルを求め、この反射分光スペクトルのうち、予め設定された波長帯域における反射スペクトルを等波数間隔の波数域反射分光スペクトルに変換し、この変換された波数域反射分光スペクトルの各々をパワースペクトルに変換した後に、パワースペクトルの強度を重みとする周波数の加重平均によりパワースペクトルのピークの重心位置を算出している。このため、被測定フィルムFの複屈折性に起因してパワースペクトルに双峰性のピークが生ずる場合であっても、被測定フィルムFの膜厚を安定して連続的に測定することができる。
次に、以上説明した膜厚測定装置1の変形例について説明する。膜厚測定装置1の変形例としては、(a)加重平均部26で行われる加重平均に用いる重みが異なる第1変形例、(2)ピークの重心位置を面積重心により求める第2変形例、(3)波数変換部23で行われる反射分光スペクトルの並べ直し方が異なる第3変形例が挙げられる。以下、これらの変形例について順に説明する。
〈第1変形例〉
図4は、膜厚測定装置1の第1変形例を説明するための図である。前述した実施形態では、加重平均部26において、双峰性を示すピークP1,P2を有するパワースペクトルに対して閾値THを設定し、閾値THよりも強度が高い部分について、閾値THとパワースペクトルの強度との差分を重みとする周波数の加重平均が行われていた。この加重平均は、図4(a)に示す斜線を付した部分の面積重心を求める処理と等価な処理であり、ノイズの悪影響を排除する点からは有用である。しかしながら、ノイズの悪影響を排除しつつ双峰性を示すピークP1,P2の重心位置をより精確に求めるために、図4(b)又は図4(c)に示す重みを用いて加重平均を行うことができる。
図4(b)に示す例では、パワースペクトルに対して所定の閾値THを設定し、この閾値THよりも強度が高い部分である上部UPに連続してこの上部UPの両端に位置する両端部分各々の強度がそれぞれ最初に極小になる極小部M1,M2を求める。そして、この極小部M1,M2で挟まれる範囲内において極小部M1,M2同士を接続する線分L1を求め、この線分L1とパワースペクトルの強度との差分を重みとして用いる。かかる重みを用いて加重平均を行うと、図4(b)において斜線を付した部分の面積重心が求められ、双峰性を示すピークP1,P2の形状が反映されたより精確な重心位置が求められる。
図4(c)に示す例では、図4(b)に示す例と同様に、パワースペクトルに対して所定の閾値THを設定し、この閾値THよりも強度が高い部分である上部UPに連続してこの上部UPの両端に位置する両端部分各々の強度がそれぞれ最初に極小になる極小部M1,M2を求める。そして、極小部M1,M2の平均値(図4(c)中に示す線分L2)を求め、この極小部M1,M2で挟まれる範囲内において、線分L2とパワースペクトルの強度との差分を重みとして用いる。かかる重みを用いて加重平均を行うと、図4(c)において斜線を付した部分の面積重心が求められ、図4(b)に示す場合と同様に、双峰性を示すピークP1,P2の形状が反映されたより精確な重心位置が求められる。尚、以上の図4(a)〜図4(c)を用いて説明した3種類の重みの何れを用いるかは、設定部22の設定によって切り替え可能に構成するのが望ましい。
〈第2変形例〉
図5は、膜厚測定装置1の第2変形例を説明するための図である。前述した実施形態において、加重平均部26で行われる加重平均は、図5(a)に示す斜線を付した部分の面積重心を求める処理と等価な処理であった。しかしながら、加重平均を行わずに面積重心によりピークの重心位置を求めることもできる。つまり、図5(b)に示す通り、パワースペクトルをなすデータを直線又は曲線で補間し、それら直線又は曲線と閾値THとで囲まれる領域(図5(b)で斜線を付した部分)の面積重心を求めることもできる。ここで、パワースペクトルをなすデータの補間は任意の関数を用いて行うことができる。尚、ピークの重心位置を求めるために加重平均を用いるか否かは設定部22の設定によって切り替え可能に構成するのが望ましい。
〈第3変形例〉
前述した実施形態では、波数変換部23において、反射分光スペクトルを示す分光データD1に対して所定の処理を施して、反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する処理が行われていた。しかしながら、必ずしも等波数間隔に並べ直す必要はなく、反射分光スペクトルを被測定フィルムFの波長毎の屈折率に反比例した波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する処理も可能である。
ここで、被測定フィルムFが複屈折性を有する場合には、周波数が若干異なる干渉波による「うなり」が生じて、反射分光スペクトルに振幅が大きな部分と振幅が小さな部分が生ずることがある。図6は、被測定フィルムFが複屈折性を有する場合に得られる反射分光スペクトルの一例を示す図である。図6に示す例においては、反射分光スペクトルの振幅は、550[nm]付近よりも短波長側の波長域では小さいが、750[nm]付近よりも長波長側の波長域では大きい。
このような「うなり」を有する反射分光スペクトルを周波数解析数すると、振幅が大きな波長領域での屈折率が出力される光学膜厚に対して支配的になる。「うなり」の腹の位置は、被測定フィルムFの膜厚が一定であっても被測定フィルムFの複屈折性に依存して変化するため、「うなり」が生じていると安定な膜厚測定ができなくなる。そこで、本変形例では、波数変換部23において、反射分光スペクトルを被測定フィルムFの波長毎の屈折率に反比例した波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する処理を行っている。
一般的に、被測定フィルムFの屈折率は、短波長の光に対しては大きく、光の波長が長くなるにつれて徐々に小さくなる変化を示す。このため、反射分光スペクトルを被測定フィルムFの波長毎の屈折率に反比例した波数間隔に並べ直すことで、短波長側は疎であるが長波長側になるにつれて密になる波数域反射分光スペクトルを得ることができる。かかる変換処理を行うことで、反射分光スペクトルの「うなり」の腹の位置に拘わらず、安定した膜厚の測定を実現することができる。尚、被測定フィルムFが複屈折率を有する場合には、照射される白色光の偏光方向に応じて屈折率が異なるが、波長に対する変化率(波長依存性)はほぼ同じである。このため、反射分光スペクトルを被測定フィルムFの波長毎の屈折率に反比例した波数間隔に並べ直す際に何れの屈折率を用いても問題が生ずることはない。
以上、本発明の一実施形態による膜厚測定装置及び方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ピーク検出部25によって検出されたピークの極大値に対して所定の閾値係数αを乗算して得られた値をパワースペクトルに対する閾値THとして用いていたが、この閾値は任意の値に設定することもできる。
パワースペクトルのピークの極大値とは無関係に閾値を設定した場合においては、ピーク検出部25で検出されるピークの極大値が閾値を下回る状況が生じ、かかる状況で加重平均により膜厚を測定すると測定誤差が生ずることが考えられる。このため、検出されたピークの極大値が閾値を越えているか否かを示す測定強度指標値をピーク検出部25から加重平均部26に出力するようにし、ピーク検出部25から出力された測定強度指標値がピークの極大値が閾値を越えていない旨を示すものである場合には、加重平均部26における処理を省略しても良い。
また、上記実施形態では、図1に示す通り、照射用光ファイバ12及び受光用光ファイバ13の双方を被測定フィルムFの一方の面側(例えば、表面側)に配置し、被測定フィルムFに白色光を照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを求めて被測定フィルムFの膜厚を測定する場合について説明した。しかしながら、本発明は、照射用光ファイバ12を被測定フィルムFの一方の面側(例えば、表面側)に配置するとともに受光用光ファイバ13を被測定フィルムFの他方の面側(例えば、裏面側)に配置し、被測定フィルムFに白色光を照射して得られる透過光を分光して透過分光スペクトルを求めて被測定フィルムFの膜厚を測定する場合にも適用することができる。
ここで、被測定フィルムFの透過光から得られる透過分光スペクトルに現れる干渉縞の振幅は、被測定フィルムFの反射光から得られる反射分光スペクトルに現れる干渉縞の振幅よりも小さくなるのが一般的である。このため、被測定フィルムFの膜厚を測定する場合には、測定精度を確保する観点から被測定フィルムFの反射光が用いられるのが殆どである。しかしながら、製造中のフィルムの厚さをオンラインで連続的に測定する場合には、フィルムのシワ等によってフィルムの傾きが生じ、被測定フィルムFからの反射光を受光用光ファイバで受光できずに測定不可能になることがある。これに対し、被測定フィルムFの透過光はフィルムが多少傾いても受光可能であるため、被測定フィルムFの膜厚を連続的に安定して測定することができるという利点がある。
また、本発明は、被測定フィルムFがフレキシブル基板、多層複合フィルムシート、その他の多層薄膜である場合にも膜厚(各層の膜厚)が測定可能である。更に、本発明は、被測定フィルムFが複屈折性を有しないものであっても膜厚の測定が可能である。また更に、本発明は、波数変換部23に対して複数の波長帯域が設定される場合にも適用が可能である。かかる場合には、各々の波長帯域についてパワースペクトルを求め、各々のパワースペクトルのピークの重心位置を求める処理が行われる。
本発明の一実施形態による膜厚測定装置の要部構成を示すブロック図である。 パワースペクトルに対して設定される閾値の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による膜厚測定装置1による被測定フィルムFの膜厚測定結果の一例を示す図である。 膜厚測定装置1の第1変形例を説明するための図である。 膜厚測定装置1の第2変形例を説明するための図である。 被測定フィルムFが複屈折性を有する場合に得られる反射分光スペクトルの一例を示す図である。 従来の膜厚測定装置の概略構成を示す図である。 複屈折性を有する被測定対象200を従来の膜厚測定装置100で測定して得られるパワースペクトルの一例を示す図である。 複屈折性を有する被測定対象200を従来の膜厚測定装置100で繰り返し測定して得られる光学膜厚の一例を示す図である。
符号の説明
1 膜厚測定装置
10 スペクトル測定部
20 演算部
23 波数変換部
24 フーリエ変換部
25 ピーク検出部
26 加重平均部
27 膜厚算出部
F 被測定フィルム

Claims (6)

  1. 被測定対象に白色光を照射して得られる反射光又は透過光を分光して分光スペクトルを測定する測定部と、当該測定部で測定された分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記被測定対象の膜厚を測定する演算部とを備える膜厚測定装置において、
    前記演算部は、前記分光スペクトルのうち予め設定された波長帯域における分光スペクトルを所定の波数間隔に並べ直した波数域分光スペクトルに変換する第1変換部と、
    前記第1変換部で変換された波数域分光スペクトルをパワースペクトルに変換する第2変換部と、
    前記第2変換部で変換された前記パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を求め、当該重心位置に対応する光学膜厚から前記被測定対象の厚みを求める算出部と
    を備えることを特徴とする膜厚測定装置。
  2. 前記算出部は、前記パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を、前記パワースペクトルの強度を重みとする周波数の加重平均により求めることを特徴とする請求項1記載の膜厚測定装置。
  3. 前記算出部は、前記パワースペクトルに対して所定の閾値を設定し、当該閾値よりも強度が高い部分について当該閾値と前記パワースペクトルの強度との差分を重みとすることを特徴とする請求項2記載の膜厚測定装置。
  4. 前記算出部は、前記パワースペクトルに対して所定の閾値を設定し、当該閾値よりも強度が高い第1部分に連続して当該第1部分の両端に位置する両端部分各々の強度がそれぞれ最初に極小になる極小部同士を接続する線分と前記パワースペクトルの強度との差分、及び当該極小部の平均値と前記パワースペクトルの強度との差分の何れか一方を重みとすることを特徴とする請求項2記載の膜厚測定装置。
  5. 前記第1変換部は、前記測定部で測定された分光スペクトルを、前記被測定対象の波長毎の屈折率に反比例した波数間隔に並べ直した波数域分光スペクトルに変換することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の膜厚測定装置。
  6. 被測定対象に白色光を照射して得られる反射光又は透過光を分光して分光スペクトルを測定し、当該分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記被測定対象の膜厚を測定する膜厚測定方法において、
    前記分光スペクトルのうち予め設定された波長帯域における分光スペクトルを所定の波数間隔に並べ直した波数域分光スペクトルに変換する第1変換ステップと、
    前記第1変換ステップで変換された波数域分光スペクトルをパワースペクトルに変換する第2変換ステップと、
    前記第2変換ステップ変換された前記パワースペクトル中に現れる双峰性を示すピークの重心位置を求め、当該重心位置に対応する光学膜厚から前記被測定対象の厚みを求める厚み算出ステップと
    を含むことを特徴とする膜厚測定方法。
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