JP4978546B2 - 膜厚測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置及び方法に関する。
膜厚測定装置は、フレキシブル基板、多層複合フィルムシート、その他の多層薄膜の膜厚分布や膜厚誤差を測定するために用いられる。図5は、従来の膜厚測定装置の概略構成を示す図である。図5に示す通り、従来の膜厚測定装置100は、白色光源装置101、照射ファイバ102、受光ファイバ103、分光器104、及び演算部105を備えており、複数の層201〜203からなる被測定フィルム200の膜厚を測定する。
白色光源装置101は白色光を発光する光源である。照射ファイバ102は白色光源装置101で発光された光を被測定フィルム200に導いて照射する導光部材であり、受光ファイバ103は被測定フィルム200の反射光を分光器104に導く導光部材である。分光器104は、受光ファイバ103で導かれた被測定フィルム200の反射光を分光して電気信号に変換して反射分光スペクトルを得る。
演算部105は、分光器104で得られた反射分光スペクトルに対して所定の演算を施して被測定フィルム200の膜厚を測定する。具体的には、演算部105は、光器104で得られた反射分光スペクトルのうちの所定の波長範囲を1つ選択し、その選択した波長範囲における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直して波数域反射分光スペクトルを求める演算、波数域反射分光スペクトルを示す信号に対してフーリエ変換を施してパワースペクトルを得る演算、及びパワースペクトルの中でのピークを検出する演算を行う。
上記構成において、白色光源装置101から射出された白色光は、照射ファイバ102に導かれて層201側から被測定フィルム200に照射される。被測定フィルム200に白色光を照射して得られる反射光のうち、受光ファイバ103に入射した反射光は、受光ファイバ103によって分光器104に導かれて分光された後に光電変換される。光電変換された電気信号は演算部105に入力されて上記の各種演算が施され被測定フィルム200の膜厚が求められる。
ここで、被測定フィルム200をなす各層201〜203の各界面で反射される白色光は、各界面間の距離(膜厚)に応じた光路差を有する。光路差を有する白色光は互いに干渉して波数域反射分光スペクトルにおいて周期的な干渉縞が現れる。この周期的な干渉縞に対してフーリエ変換を行って得られるパワースペクトルは、光路長差に応じた周波数でピークを有するため、そのピークを検出することで光路長差(光学膜厚)を求めることができる。
図6は、膜厚測定装置100で得られるパワースペクトルの一例を示す図である。尚、図6に示す膜厚測定結果は、屈折率が1.6で膜厚が5[μm]である層201と、屈折率が1.7で膜厚が12[μm]である層202と、屈折率が1.6で膜厚が3[μm]である層203とからなる被測定フィルム200を測定した場合の測定結果である。尚、層201〜203の光学膜厚は、膜厚と屈折率との積で求められ、それぞれ8.0[μm],20.4[μm],4.8[μm]である。また、図6に示すグラフは横軸に光学膜厚を取っており、縦軸に強度(任意単位)をとっている。
図6を参照すると、複数のピークが現れていることが分かる。このピークの横軸の位置は各界面間の光学的な距離を示しており、ピークの高さは2つの界面での振幅反射率の積を示している。具体的に、図6においては、6つのピークが現れている。第1のピークP101は膜203の光学膜厚を示す4.8[μm]に現れ、第2のピークP102は膜201の光学膜厚を示す8.0[μm]に現れ、第3のピークP103は膜202の光学膜厚を示す20.4[μm]に現れる。
また、第4のピークP104は膜202の膜厚と膜203の膜厚との和を示す25.2[μm]に現れ、第5のピークP105は膜201の膜厚と膜202の膜厚との和を示す28.4[μm]に現れる。更に、第6のピークP106は、膜201〜膜203の膜厚の和(即ち、被測定フィルム200の光学膜厚)を示す33.2[μm]に現れる。このようにして、パワースペクトルのピークの位置から被測定フィルム200をなす各層201〜203の光学膜厚及び測定フィルム200の光学膜厚を求めることができる。
尚、従来の膜厚測定装置及び方法の詳細については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
特開2005−308394号公報 特開平11−314298号公報
ところで、上述した従来の膜厚測定装置及び方法で得られるパワースペクトルのピークの位置は各界面間の光学距離を示すものである。このため、そのピークが得られた界面が最表面(層201と空気との界面)に対してどの位置にあるかをパワースペクトルから直接求めることはできないという問題がある。つまり、図6に示す例では、膜201〜203の膜厚と屈折率とが予め既知であったため、例えば4.8[μm]に現れるピークが膜203の光学膜厚を示すものであることを判別できたが、膜201〜203の膜厚及び屈折率が不明である場合には、4.8[μm]に現れるピークが膜203の光学膜厚を示すものであると特定することはできない。
また、従来の膜厚測定装置及び方法では、光学膜厚がほぼ同じである層を複数有する多層薄膜を測定する場合には、パワースペクトルのピークが重なってしまい、1つの層の光学膜厚だけを測定することができないという問題がある。図7は、従来の膜厚測定装置100で得られるパワースペクトルの他の例を示す図である。尚、図7に示す膜厚測定結果は、屈折率が1.6で膜厚が3[μm]である層201と、屈折率が1.7で膜厚が12.7[μm]である層202と、屈折率が1.6で膜厚が3.2[μm]である層203とからなる被測定フィルム200を測定した場合の測定結果である。
まず、図7(a)を参照すると、層201に関する界面からの反射光と、層203に関する界面からの反射光とが互いに影響しあって、層201の光学膜厚を示すピークと層203の光学膜厚を示すピークとを平均化したようなピークP201が得られてしまう。同様に、膜201の膜厚と膜202の膜厚との和を示すピークと膜202の膜厚と膜203の膜厚との和を示すピークとを平均化したようなピークが得られてしまう。次に、図7(b)を参照すると、層201に関する界面からの反射光と、層203に関する界面からの反射光とが互いに打ち消し合って、値が極めて小さなピークP301,P303が得られてしまう。このようなピークP201,P203,P301,P303を用いると、大きな測定誤差が生ずるという問題がある。
ここで、近年において、高機能性フィルム等では中心の層を挟んで対称とする構造(以下、対称構造という)が多用されている。例えば、中心の層を「B」とすると、その層「B」を膜厚が同じ層「A」で挟んだ構造「ABA」としたり、或いは中心の層を「C」として「ABCBA」とする構造にされることが多い。かかる対称構造の多層薄膜の膜厚を従来の膜厚測定装置及び方法では測定しようとすると、図7を用いて説明した理由によって測定に支障を来すことが多い。このため、対称構造の多層薄膜の各層の膜厚をオンラインで測定する技術の開発が急務とされている。
尚、製造された多層薄膜を抜き取り、垂直走査型白色干渉計等を用いたオフライン計測すれば、多層薄膜が対称構造であっても各層の膜厚を測定することは可能である。しかしながら、かかる計測は、一点の測定に数十秒〜数分程度の時間を要するという問題がある。また、測定時間が長いため、測定中の多層薄膜の振動等によって測定誤差が生じ、厚みの薄い多層薄膜では誤差が大きくなるという問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、同様の膜厚を有する層が複数存在する多層薄膜であっても、各層の膜厚を独立して短時間に高精度で測定することができる膜厚測定装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の膜厚測定装置は、多層薄膜(F)の一方の面と他方の面とにそれぞれ照射する白色光を発光する光源(11a、11b、31)と、前記白色光を前記多層薄膜の一方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得るとともに、前記白色光を前記多層薄膜の他方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得る分光器(14a、14b、34)と、前記分光器で得られた前記反射分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記多層薄膜の膜厚を測定する演算部(15、35)とを備えており、前記演算部は、前記反射分光スペクトルに対して、前記多層薄膜に対する透過率が50%以下となる波長帯域を少なくとも1つ含む複数の波長帯域を設定する設定部(22)と、前記反射分光スペクトルのうち、前記設定部で設定された前記複数の波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルにそれぞれ変換する第1変換部(23)と、前記第1変換部で変換された前記複数の波長帯域における波数域反射分光スペクトルをパワースペクトルにそれぞれ変換する第2変換部(24)と、前記第2変換部で変換された前記パワースペクトルに基づいて前記多層薄膜の厚みを求める算出部(25、26)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、光源からの白色光を多層薄膜の一方の面と他方の面とにそれぞれ照射すると、それらの反射光が分光器でそれぞれ分光されて反射分光スペクトルが得られ、この反射分光スペクトルのうち、設定部で設定された複数の波長帯域(多層薄膜に対する透過率が50%以下となる波長帯域を少なくとも1つ含む複数の波長帯域)における反射分光スペクトルが波数域反射分光スペクトルにそれぞれ変換された後にパワースペクトルにそれぞれ変換され、このパワースペクトルに基づいて多層薄膜の厚みが求められる
また、本発明の膜厚測定装置は、前記光源が、パルス状の白色光を発光するパルス光源であり、前記パルス光源の発光タイミング、及び前記分光器で前記反射分光スペクトルを得るタイミングを規定するタイミング信号を生成するタイミング生成部(18)を備えることを特徴としている。
また、本発明の膜厚測定装置は、前記多層薄膜の流れ速度を入力する速度入力部(17)を備えており、前記タイミング生成部は、前記速度入力部から入力された速度と、前記多層薄膜の膜厚を測定する測定点の間隔とに基づいて、前記タイミング信号を生成することを特徴としている。
また、本発明の膜厚測定装置は、前記光源が、前記多層薄膜の一方の面に前記白色光を照射する第1光源と、前記多層薄膜の他方の面に前記白色光を照射する第2光源とを備えており、前記分光器が、前記第1光源からの白色光を前記多層薄膜の一方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得る第1分光器と、前記第2光源からの白色光を前記多層薄膜の他方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得る第2分光器とを備えることを特徴としている。
また、本発明の膜厚測定装置は、前記演算部が、前記第1分光器及び前記第2分光器の各々で得られる反射分光スペクトルについて、前記第1変換部、第2変換部、及び前記算出部における処理を行うことを特徴としている
本発明の膜厚測定方法は、多層薄膜(F)の一方の面と他方の面とに白色光を照射して得られる反射光をそれぞれ分光して反射分光スペクトルを求め、当該反射分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記多層薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、前記反射分光スペクトルに対して、前記多層薄膜に対する透過率が50%以下となる波長帯域を少なくとも1つ含む複数の波長帯域を設定する設定ステップと、前記反射分光スペクトルのうち、前記設定ステップで設定された前記複数の波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルにそれぞれ変換する第1変換ステップと、前記第1変換ステップで変換された前記複数の波長帯域における波数域反射分光スペクトルをパワースペクトルにそれぞれ変換する第2変換ステップと、前記第2変換ステップで変換された前記パワースペクトルに基づいて前記多層薄膜の厚みを求める厚み算出ステップとを含むことを特徴としている。
本発明によれば、多層薄膜の一方の面と他方の面とに白色光を照射してそれぞれ得られる反射光の反射分光スペクトルのうち、設定部で設定された複数の波長帯域(多層薄膜に対する透過率が50%以下となる波長帯域を少なくとも1つ含む複数の波長帯域)における反射分光スペクトルから複数のパワースペクトルを求め、この複数のパワースペクトルに基づいて多層薄膜の厚みを求めているため、多層薄膜に同様の膜厚を有する層が複数存在していても、各層の膜厚を独立して短時間に高精度で測定することができるという効果がある
また、多層薄膜の表面に近い部分の部分の膜厚と多層薄膜の全体の膜厚とを求めることができるため、多層薄膜の表面及び裏面に同様の膜厚を有する層が存在していても測定に支障を来すことはない。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による膜厚測定装置及び方法について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による膜厚測定装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の膜厚測定装置1は、キセノンフラッシュランプ11a(第1光源)、キセノンフラッシュランプ11b(第2光源)、照射ファイバ12a,12b、受光ファイバ13a,13b、分光器14a(第1分光器)、分光器14b(第2分光器)、演算部15、表示部16、ライン速度入力部17、及びタイミング生成部18を備えており、複数の層L1〜L3からなる被測定フィルムFの膜厚を測定する。尚、被測定フィルムFは、フレキシブル基板、多層複合フィルムシート、その他の多層薄膜である。
キセノンフラッシュランプ11a,11bは、被測定フィルムFに照射する数百nm〜千数百nmの広い波長範囲に亘る白色光を発光する光源であって、分光器14a,14bから出力される同期信号S1,S2にそれぞれ同期して白色光を発光するパルス光源である。照射ファイバ12a,12bはキセノンフラッシュランプ11a,11bで発光されたパルス状の白色光を被測定フィルムFに導いて照射する導光部材である。具体的には、照射ファイバ12aはキセノンフラッシュランプ11aで発光された白色光が層L1側から被測定フィルムFに照射されるように導き、照射ファイバ12bはキセノンフラッシュランプ11bで発光された白色光が層L3側から被測定フィルムFに照射されるように導く。
受光ファイバ13a,13bは、被測定フィルムFの反射光を分光器14a,14bにそれぞれ導く導光部材である。具体的には、受光ファイバ13aは、その入射端が被測定フィルムFの層L1側に配置されており、層L1側における反射光を分光器14aに導く。これに対し、受光ファイバ13bは、その入射端が被測定フィルムFの層L3側に配置されており、層L3側における反射光を分光器14bに導く。尚、受光ファイバ13a,13bは、被測定フィルムFを透過した白色光が入射端から入射しないように、その入射端が位置決めされている。
分光器14a,14bは、受光ファイバ13a,13bで導かれた被測定フィルムFの反射光をそれぞれ分光するとともに、分光した光を光電変換して反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1,D2を出力する。具体的には、反射光を分光するために、プリズムや回折格子等の分散素子を備えており、また分光した光を光電変換するためにCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等の光電変換素子を備える。
演算部15は、分光データ取得部21、設定部22、波数変換部23(第1変換部)、フーリエ変換部24(第2変換部)、ピーク検出部25(算出部)、及び膜厚算出部26(算出部)を備えており、分光器14a,14bから出力される分光データD1,D2に対して所定の演算を施して被測定フィルムFの膜厚を測定する。分光データ取得部21は、分光器14aから出力される分光データD1と分光器14bから出力される分光データD2とを取得する。つまり、分光データ取得部21は、被測定フィルムFの各々の面から得られた反射分光スペクトルを取得する。
設定部22は、被測定フィルムFに対する透過率が異なる複数の波長帯域を設定する。例えば、波長が短くなるにつれて透過率が低下する透過特性を被測定フィルムFが有しており、波長500nm以下の波長では透過率が50%以下になり、波長500nm以上の波長では透過率が50%以上になる場合には、波長500nm以下の波長帯域(例えば、300〜500nm)を1つ目の波長帯域に設定し、波長500nm以上の波長帯域(例えば、500〜1000nm)を2つ目の波長帯域に設定する。
尚、ここでは説明の簡単のために、被測定フィルムFの透過率が50%となる波長500nm以下の波長帯域と波長500nm以上の波長帯域とを設定部22に設定する場合を例に挙げるが、波長帯域の境界を定める透過率は任意に設定することができる。また、設定された波長帯域は、その全てにおいて透過率が50%以上又は以下である必要は必ずしもない。例えば、透過率が50%以下の波長帯域を設定する場合において、波長帯域内のある波長では透過率が50%を越えていても、その波長帯域全体における平均的な透過率が50%以下となっていれば良い。尚、設定部22に設定する波長帯域は、被測定フィルムFの透過特性に応じてユーザが自由に設定することが可能である。
また、設定部22は、被測定フィルムFの膜厚を測定するために用いられるパワースペクトル(詳細は後述)のピークを検出するための範囲(以下、ピーク検出範囲という)を設定する。例えば、被測定フィルムFの全体の光学膜厚が40μm以下である場合には、40μm以下(0〜40μm)がピーク検出範囲として設定される。更に、設定部22は、被測定フィルムFをなす各層L1〜L3の波長毎の屈折率を設定する。これにより、光学膜厚を実際の膜厚(物理的膜厚)に変換可能である。尚、上記のピーク検出範囲及び屈折率は、被測定フィルムFの構造に応じてユーザが自由に設定することが可能である。
波数変換部23は、分光データ取得部21が取得した反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1,D2の各々から設定部22で設定された波長帯域を選択し、選択した分光データD1,D2に対して所定の処理を施すことにより、その波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する。フーリエ変換部24は、波数変換部23で変換された波数域反射分光スペクトルを示すデータに対してフーリエ変換を行って設定部22で設定された波長帯域の各々におけるパワースペクトルに変換する。
ピーク検出部25は、設定部22で設定されたピーク検出範囲内におけるパワースペクトルのピークを検出する。尚、パワースペクトルのピークの位置から被測定フィルムFをなす各層L1〜L3の光学膜厚及び測定フィルムFの光学膜厚が求められる。膜厚算出部26は、設定部22で設定された屈折率を用いて、被測定フィルムFの実際の膜厚を求める。
表示部16は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)又は液晶表示装置等の表示装置を備えており、膜厚算出部26で算出された被測定フィルムFの膜厚を表示する。尚、図1においては図示を省略しているが、分光データ取得部21で取得された分光データD1,D2そのもの、或いはフーリエ変換部24で変換されたパワースペクトルを表示部16に表示するようにしても良い。
ライン速度入力部17は、測定対象である被測定フィルムFの流れ速度を入力する。被測定フィルムFは、照射ファイバ12a,12b及び受光ファイバ13a,13bに対して静止している訳ではなく、照射ファイバ12a及び受光ファイバ13aと照射ファイバ12b及び受光ファイバ13bとの間を一定の速度で流れているため、この被測定フィルムFの流れ速度をライン速度入力部17から入力する。尚、被測定フィルムFの流れ速度が変化する場合には、被測定フィルムFの実際の流れ速度を測定し、この測定結果をライン速度入力部17に入力するのが望ましい。
タイミング生成部18は、一定速度で流れている被測定フィルムFを一定間隔で測定するために、ライン速度入力部17から入力された被測定フィルムFの流れ速度と予め設定された被測定フィルムFの測定間隔とに基づいて、分光器14a,14bが反射分光スペクトルを取得するタイミングを規定するタイミング信号T1,T2を生成する。尚、このタイミング信号T1,T2からキセノンフラッシュランプ11a,11bの発光タイミングを規定する同期信号S1,S2がそれぞれ生成される。
次に、本発明の第1実施形態による膜厚測定方法について説明する。予めユーザは、測定対象の被測定フィルムFの透過特性及び構造に応じて、複数の波長帯域、層L1〜L3の波長毎の屈折率、及びピーク検出範囲を設定部22に設定しておく。また、ユーザは、ライン速度入力部17から被測定フィルムFの流れ速度を入力しておく。尚、タイミング生成部18には、予め被測定フィルムFの測定間隔が設定されているとする。
被測定フィルムFの膜厚測定が開始されると、タイミング生成部18においてライン速度入力部17から入力された流れ速度と予め設定されている被測定フィルムFの測定間隔とに基づいてタイミング信号T1,T2が生成され、分光器14a,14bにそれぞれ出力される。タイミング信号T1,T2が分光器14a,14bに入力されると、同期信号S1,S2が生成されてキセノンフラッシュランプ11a,11bにそれぞれ出力されて発光が開始される。
キセノンフラッシュランプ11aで発光されたパルス状の白色光は照射ファイバ12aを介して層L1側から被測定フィルムFに照射される。同様に、キセノンフラッシュランプ11bで発光されたパルス状の白色光は照射ファイバ12bを介して層L3側から被測定フィルムFに照射される。図2は、被測定フィルムFに照射された白色光のうち、透過率が低い波長範囲の光が反射・吸収される様子を模式的に示す図である。尚、図2においては、理解を容易にするために、白色光が被測定フィルムFに斜入射している状態を図示しているが、実際は被測定フィルムFに対してほぼ垂直入射する。
被測定フィルムFの層L1側から照射された白色光のうち透過率が低い波長範囲の光は被測定フィルムFで吸収される。このため、図2に示す通り、被測定フィルムFの一方の最表面IS1での反射光RL1、或いは最表面IS1に近い界面(層L1と層L2との界面)における反射光RL2は受光ファイバ13aの入射端に戻ってくるが、他方の最表面IS2での反射光RL3、或いは最表面IS2に近い界面での反射光RL4は吸収により、受光ファイバ13aの入射端への戻り光が極めて小さくなる。
これに対し、被測定フィルムFの層L1側から照射された白色光のうち透過率が高い波長範囲の光は、最表面IS1或いは最表面IS1に近い界面での反射光であっても、最表面IS2或いは最表面IS2に近い界面での反射光であっても受光ファイバ13aの入射端に戻ってくる。これにより、透過率が低い波長範囲の光を用いれば被測定フィルムFの最表面IS1に近い部分の構造(膜厚)を求めることができ、透過率が高い波長範囲の光を用いれば被測定フィルムF全体の構造(膜厚)を求めることができる。
同様に、被測定フィルムFの層L3側から照射された白色光のうち透過率が低い波長範囲の光も被測定フィルムFで吸収され、透過率が高い波長範囲の光は被測定フィルムFでの吸収が少ない。このため、透過率が低い波長範囲の光を用いれば被測定フィルムFの最表面IS2に近い部分の構造(膜厚)を求めることができ、透過率が高い波長範囲の光を用いれば被測定フィルムF全体の構造(膜厚)を求めることができる。
受光ファイバ13a,13bに入射した反射光は、分光器14a,14bにそれぞれ導かれて分光された後に光電変換される。これにより、分光器14a,14bからは反射分光スペクトルを示すデータである分光データD1,D2が出力される。分光器14a,14bからの分光データD1,D2は、演算部15の分光データ取得部21で取得されて波数変換部23に出力される。
波数変換部23は、分光データ取得部21からの反射分光スペクトルを示す分光データD1,D2の各々から設定部22で設定された波長帯域を選択する。つまり、分光データD1,D2の各々から、被測定フィルムFに対する透過率が低い波長範囲における反射分光スペクトルを示す分光データと、被測定フィルムFに対する透過率が高い波長範囲における反射分光スペクトルを示す分光データとが選択される。
そして、選択した分光データに対して所定の処理を施して、その波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルに変換する。波数変換部23から出力される波数域反射分光スペクトルは、フーリエ変換部24に入力されてフーリエ変換が施される。これにより、層L1側から得られた反射光のうちの設定部22で設定された波長帯域の各々におけるパワースペクトルと、層L3側から得られた反射光のうちの設定部22で設定された波長帯域の各々におけるパワースペクトルとが求められる。
図3は、層L1側における反射光から得られるパワースペクトルの一例を示す図である。図3において、実線で示す曲線PS1は被測定フィルムFに対する透過率が高い波長帯域におけるパワースペクトルであり、破線で示す曲線PS2は被測定フィルムFに対する透過率が低い波長帯域におけるパワースペクトルである。尚、図3に示すグラフは横軸に光学膜厚を取っており、縦軸に強度(任意単位)をとっている。
図3を参照すると、透過率が高い波長帯域におけるパワースペクトルPS1は、光学膜厚が45μm程度の場合であってもピークが得られているのに対し、透過率が低い波長帯域におけるパワースペクトルPS2は、光学膜厚が10μm以上ではピークが得られていないのが分かる。これは、図2を用いて説明した通り、透過率が高い波長帯域では最表面IS2からの反射光が得られるが、透過率が低い波長帯域では被測定フィルムF内の吸収によって最表面IS2での反射光及び層L2と層L3との界面での反射光が殆ど得られないことに起因する。
また、図3を参照すると、光学膜厚が10μm以下の範囲において、実線で示す透過率が高い波長帯域におけるパワースペクトルPS1と破線で示す透過率が低い波長帯域におけるパワースペクトルPS2が明確に分離できているのが分かる。ここで、透過率が低い波長帯域におけるパワースペクトルPS2は、最表面IS1に近い部分の構造(膜厚)を反映したものであるため、仮に被測定フィルムFの層L1と層L2とがほぼ等しい膜厚であっても最表面IS1に近い層L1の光学膜厚のみを高精度で求めることができる。また、透過率が高い波長帯域におけるパワースペクトルPS1からは、被測定フィルムFの全体の光学膜厚を高精度で求めることができる。
尚、層L3側における反射光からも、図3に示すパワースペクトルと同様に、透過率が高い波長帯域におけるパワースペクトルと、透過率が低い波長帯域におけるパワースペクトルとが得られる。この透過率が低い波長帯域におけるパワースペクトルは、最表面IS2に近い部分の構造(膜厚)を反映したものであるため、仮に被測定フィルムFの層L1と層L2とがほぼ等しい膜厚であっても最表面IS2に近い層L2の光学膜厚のみを高精度で求めることができる。
フーリエ変換部24で得られたパワースペクトルはピーク検出部25に出力され、設定部22で設定されたピーク検出範囲内におけるパワースペクトルのピークが検出される。これにより、被測定フィルムFの層L1、層L3、及び被測定フィルムFの全体の光学膜厚が求められる。パワースペクトルのピークが検出されると、膜厚算出部26は、設定部22で設定された屈折率を用いて、被測定フィルムFの実際の膜厚を求める。
具体的には、ピーク検出部25で求められた被測定フィルムFの層L1、層L3、及び被測定フィルムFの全体の光学膜厚をそれぞれl,l,lとし、層L1〜L3の透過率が低い波長帯域における屈折率をそれぞれn11〜n13とし、透過率が高い波長帯域における屈折率をそれぞれn21〜n23とすると、膜厚算出部26は、以下の(1)式を用いて被測定フィルムFの層L1〜L3の膜厚d〜dを求める。
=l/n11
=(l−(d・n21+d・n23))/n22
=l/n13 ……(1)
被測定フィルムFの各層L1〜L3の膜厚が算出されると、その算出結果が表示部16に表示される。尚、各層L1〜L3の膜厚の算出結果のみならず、分光データ取得部21で取得された分光データD1,D2そのもの、或いはフーリエ変換部24で変換されたパワースペクトルを表示部16に表示しても良い。ユーザが表示部16の表示内容を参照することで、被測定フィルムFが設計通りに製造されているか否かを確認することができる。尚、以上の処理にて測定された膜厚に基づいて、各層L1〜L3の膜厚が設計値通りになるように、被測定フィルムFを製造する製造装置を自動制御するようにしても良い。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態による膜厚測定装置の要部構成を示すブロック図である。図4に示す通り、本実施形態の膜厚測定装置2は、白色光源装置31、シャッター31a,31b、照射ファイバ32a,32b、受光ファイバ33a,33b、分光器34、及び演算部35を備えており、複数の層L1〜L3からなる被測定フィルムFの膜厚を測定する。尚、被測定フィルムFは、第1実施形態と同様に、フレキシブル基板、多層複合フィルムシート、その他の多層薄膜である。
白色光源装置31は、被測定フィルムFに照射する数百nm〜千数百nmの広い波長範囲に亘る白色光を発光する光源である。尚、白色光源装置31は、図1に示したキセノンフラッシュランプ11a,11bとは異なり、白色光を連続的に発光する。シャッター31a,31bは、演算部35から出力されるシャッター制御信号SC1,SC2に基づいて、白色光源装置31と照射ファイバ32aとの間の光路、及び白色光源装置31と照射ファイバ32bとの間の光路の開閉を制御する。
照射ファイバ32a,32bは、図1に示した照射ファイバ12a,12bと同様の導光部材であり、白色光源装置31で発光されてシャッター31a,31bを介した白色光を被測定フィルムFに導いて照射する。具体的には、照射ファイバ32aはシャッター31aを介した白色光が層L1側から被測定フィルムFに照射されるように導き、照射ファイバ32bはシャッター31bを介した白色光が層L3側から被測定フィルムFに照射されるように導く。
受光ファイバ33a,33bは、被測定フィルムFの層L1側における反射光及び層L3側における反射光をそれぞれ分光器34に導く導光部材である。受光ファイバ33aの入射端は被測定フィルムFの層L1側に配置されており、受光ファイバ33aの入射端は被測定フィルムFの層L3側に配置されている。尚、本実施形態では、これらの入射端は、被測定フィルムFに垂直な軸上に配置されていても良い
分光器34は、プリズムや回折格子等の分散素子、及びCCD等の光電変換素子を備えており、受光ファイバ33a,33bで導かれた被測定フィルムFの反射光をそれぞれ分光するとともに、分光した光を光電変換して反射分光スペクトルを示すデータである分光データD11を出力する。演算部35は、図1に示した分光データ取得部21、設定部22、波数変換部23、フーリエ変換部24、ピーク検出部25、及び膜厚算出部26を備えており、分光器34から出力される分光データD11に対して所定の演算を施して被測定フィルムFの膜厚を測定する。これに加えて、演算部35は、シャッタ31a,31bの開閉を制御するシャッター制御信号SC1,SC2を生成する。
次に、本発明の第2実施形態による膜厚測定方法について説明する。第1実施形態と同様に、予めユーザは、測定対象の被測定フィルムFの透過特性及び構造に応じて、複数の波長帯域、層L1〜L3の波長毎の屈折率、及びピーク検出範囲を演算部35に設けられた設定部22(図4では図示省略)に設定しておく。
被測定フィルムFの膜厚測定が開始されると、演算部35からシャッター制御信号SC1が出力されてシャッター31aが開状態になる。これにより、白色光源装置31で発光された白色光はシャッター31a及び照射ファイバ32aを介して層L1側から被測定フィルムFに照射されて、被測定フィルムFの層L1側の反射光が受光ファイバ33aの入射端に入射する。受光ファイバ33aに入射した反射光は、分光器34に導かれて分光された後に光電変換される。
これにより、分光器34からは被測定フィルムFの層L1側から得られた反射光の反射分光スペクトルを示すデータである分光データD11が出力される。この分光データD11が演算部35に入力されると、第1実施形態と同様の処理が行われてパワースペクトルが求められ、これにより被測定フィルムFの層L1及び被測定フィルムFの全体の光学膜厚が算出される。
以上の処理が終了すると、シャッター制御信号SC1の出力が停止されてシャッター31aが開状態になるとともに、演算部35からシャッター制御信号SC2が出力されてシャッター31bが開状態になる。これにより、白色光源装置31で発光された白色光はシャッター31b及び照射ファイバ32bを介して層L3側から被測定フィルムFに照射されて、被測定フィルムFの層L3側の反射光が受光ファイバ33bの入射端に入射する。受光ファイバ33bに入射した反射光は、分光器34に導かれて分光された後に光電変換される。
これにより、分光器34からは被測定フィルムFの層L3側から得られた反射光の反射分光スペクトルを示すデータである分光データD11が出力される。この分光データD11が演算部35に入力されると、第1実施形態と同様の処理が行われてパワースペクトルが求められ、これにより被測定フィルムFの層L3及び被測定フィルムFの全体の光学膜厚が算出される。
以上の処理によって、被測定フィルムFの層L1の光学膜厚、層L3の光学膜厚、及び被測定フィルムFの全体の光学膜厚が算出されたため、演算部35は前述した(1)式を用いて被測定フィルムFをなす層L1〜L3の膜厚をそれぞれ算出する。以下、以上説明した処理と同様の処理が繰り返されて、被測定フィルムFの膜厚が測定される。
本実施形態の膜厚測定装置2は、静止している被測定フィルムFの膜厚を測定する場合にも用いることができる。勿論、流れている状態の被測定フィルムFの膜厚も測定することができる。尚、静止している被測定フィルムFの膜厚を測定する場合には、図4に示すシャッター31b、照射ファイバ32b、及び受光ファイバ33bを省略した構成とすることも可能である。かかる構成の場合には、層L1側から白色光を被測定フィルムFに照射して測定すれば、層L1側の構造(膜厚)を高い精度で測定することができる。また、層L1側から白色光を被測定フィルムFに照射して測定を行った後で被測定フィルムFを裏返し、層L3側から白色光を被測定フィルムFに照射して測定を行えば層L1,L3の両側の構造(膜厚)を高い精度で測定することができる。
以上説明した通り、本実施形態では、被測定フィルムFに白色光を照射して得られた反射光の反射分光スペクトルを求め、この反射分光スペクトルのうち、予め設定された複数の波長帯域(例えば、被測定フィルムFに対する透過率が高い波長帯域と低い波長帯域)における反射スペクトルをそれぞれ等波数間隔の波数域反射分光スペクトルに変換し、この変換された波数域反射分光スペクトルの各々をパワースペクトルに変換した後にそのピークから被測定フィルムFをなす層L1〜L3の膜厚を算出している。このため、被測定フィルムFの表面に近い部分の部分の構造(膜厚)と、被測定フィルムFの全体の構造(膜厚)を求めることができる。よって、被測定フィルムFに同様の膜厚を有する層が複数存在していても、各層の膜厚を独立して短時間に高精度で測定することができる。
以上、本発明の実施形態による膜厚測定装置及び方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、3つの層L1〜L3からなる被測定フィルムFの膜厚を測定する場合を例に挙げたが、3層よりも多くの層からなる被測定フィルムの膜厚を測定する場合にも本発明を適用することができる。また、測定点による膜厚変化がそれほど大きくない場合や、要求される測定精度が高くない場合には、ライン速度入力部17やタイミング生成部18のいずれか、または両方を省略することもできる。
更に、上記実施形態では、多層薄膜の表面及び裏面に同様の膜厚を有する層が存在する場合に生ずる測定誤差を防止しつつ各層の膜厚と全体の膜厚とを同時に測定するために、多層薄膜に対する透過率が異なる複数の波長帯域を設定する場合を例示した。しかしながら、透過率の異ならない範囲で複数の波長帯域を設定することも可能である。
例えば、基材、粘着層、及びハードコート層からなるFPD(Flat Panel Display:フラットパネルディスプレイ)画面の保護フィルムや、基材及び粘着層からなる各種粘着テープのように、互いの厚さが大きく異なる複数の層からなる多層薄膜の膜厚を測定する場合には、同様の膜厚を有する層が存在しないため、設定する複数の波長帯域の透過率を異ならせる必要はない。このように、本発明は、透過率が異なる複数の波長帯域が設定される場合に制限される訳ではなく、被測定フィルムFの構造に応じて柔軟に波長帯域の設定を行うことが可能である。
本発明の第1実施形態による膜厚測定装置の要部構成を示すブロック図である。 被測定フィルムFに照射された白色光のうち、透過率が低い波長範囲の光が反射・吸収される様子を模式的に示す図である。 層L1側における反射光から得られるパワースペクトルの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態による膜厚測定装置の要部構成を示すブロック図である。 従来の膜厚測定装置の概略構成を示す図である。 膜厚測定装置100で得られるパワースペクトルの一例を示す図である。 従来の膜厚測定装置100で得られるパワースペクトルの他の例を示す図である。
符号の説明
1,2 膜厚測定装置
11a,11b キセノンフラッシュランプ
14a,14b 分光器
15 演算部
17 ライン速度入力部
18 タイミング生成部
22 設定部
23 波数変換部
24 フーリエ変換部
25 ピーク検出部
26 膜厚算出部
31 白色光源装置
34 分光器
35 演算部
F 被測定フィルム

Claims (6)

  1. 多層薄膜の一方の面と他方の面とにそれぞれ照射する白色光を発光する光源と
    前記白色光を前記多層薄膜の一方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得るとともに、前記白色光を前記多層薄膜の他方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得る分光器と
    前記分光器で得られた前記反射分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記多層薄膜の膜厚を測定する演算部とを備えており、
    前記演算部は、前記反射分光スペクトルに対して、前記多層薄膜に対する透過率が50%以下となる波長帯域を少なくとも1つ含む複数の波長帯域を設定する設定部と、
    前記反射分光スペクトルのうち、前記設定部で設定された前記複数の波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルにそれぞれ変換する第1変換部と、
    前記第1変換部で変換された前記複数の波長帯域における波数域反射分光スペクトルをパワースペクトルにそれぞれ変換する第2変換部と、
    前記第2変換部で変換された前記パワースペクトルに基づいて前記多層薄膜の厚みを求める算出部と
    を備えることを特徴とする膜厚測定装置。
  2. 前記光源は、パルス状の白色光を発光するパルス光源であり、
    前記パルス光源の発光タイミング、及び前記分光器で前記反射分光スペクトルを得るタイミングを規定するタイミング信号を生成するタイミング生成部を備えることを特徴とする請求項1記載の膜厚測定装置。
  3. 前記多層薄膜の流れ速度を入力する速度入力部を備えており、
    前記タイミング生成部は、前記速度入力部から入力された速度と、前記多層薄膜の膜厚を測定する測定点の間隔とに基づいて、前記タイミング信号を生成することを特徴とする請求項2記載の膜厚測定装置。
  4. 前記光源は、前記多層薄膜の一方の面に前記白色光を照射する第1光源と、前記多層薄膜の他方の面に前記白色光を照射する第2光源とを備えており、
    前記分光器は、前記第1光源からの白色光を前記多層薄膜の一方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得る第1分光器と、前記第2光源からの白色光を前記多層薄膜の他方の面に照射して得られる反射光を分光して反射分光スペクトルを得る第2分光器とを備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の膜厚測定装置。
  5. 前記演算部は、前記第1分光器及び前記第2分光器の各々で得られる反射分光スペクトルについて、前記第1変換部、第2変換部、及び前記算出部における処理を行うことを特徴とする請求項4記載の膜厚測定装置。
  6. 多層薄膜の一方の面と他方の面とに白色光を照射して得られる反射光をそれぞれ分光して反射分光スペクトルを求め、当該反射分光スペクトルに対して所定の演算を施して前記多層薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって
    前記反射分光スペクトルに対して、前記多層薄膜に対する透過率が50%以下となる波長帯域を少なくとも1つ含む複数の波長帯域を設定する設定ステップと、
    前記反射分光スペクトルのうち、前記設定ステップで設定された前記複数の波長帯域における反射分光スペクトルを等波数間隔に並べ直した波数域反射分光スペクトルにそれぞれ変換する第1変換ステップと、
    前記第1変換ステップで変換された前記複数の波長帯域における波数域反射分光スペクトルをパワースペクトルにそれぞれ変換する第2変換ステップと、
    前記第2変換ステップで変換された前記パワースペクトルに基づいて前記多層薄膜の厚みを求める厚み算出ステップと
    を含むことを特徴とする膜厚測定方法。
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