JP6381779B2 - テラヘルツ波測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、テラヘルツ波測定装置に関する。
テラヘルツ波測定装置は、テラヘルツ波を測定対象に照射し、その反射波あるいは透過波を観測して測定対象によって生じた強度変化や位相差を検出する装置であり、測定対象の含有成分などを非破壊で観測するために有効な装置である。
テラヘルツ波とは、およそ0.1THz〜10THzの周波数範囲の電磁波であり、より高い周波数帯の電磁波である遠赤外線と比べて紙や木、プラスチックなどの多くの物質に対する透過性において優れ、一方でより低い周波数帯の電磁波であるミリ波と比べて直進性や分解能において優れている特徴がある。
また、糖やたんぱく質のような高分子化合物をはじめ、多くの物質の固有スペクトルがテラヘルツ波の周波数帯に含まれている。これらの特徴を生かして、テラヘルツ波を測定対象に照射し、その透過波あるいは反射波を観測することで、測定対象の形状や内部構造、欠陥・異物の有無、材質や含有成分の違いなどを、透過性のある容器に入れたまま非破壊で観測することが出来る。また、測定対象に反射したテラヘルツ波と基準となる金属などに反射したテラヘルツ波の位相の差を検出することにより、測定対象の表面凹凸や層構造の層の厚さ、空洞などの内部構造を非破壊で観測できる。そのため、医薬品検査、材料検査、構造物検査などに適用できる幅広いテラヘルツ波応用技術が将来実現されることが期待されている。
しかしながら、従来のテラヘルツ波技術では高出力なテラヘルツ波発生器と高感度なテラヘルツ波検出器の両立が困難であったため、また、小型化が困難であったため、製品検査装置など産業応用向けに、テラヘルツ波技術の普及は進んでいない。そのため、小型で高出力かつ高感度を実現できる技術の研究開発が進められている。
テラヘルツ波の高出力化かつ高感度化を目指して近年開発されたテラヘルツ波測定方式として、例えば非特許文献1に示されているis-TPG(injection-seeded Terahertz-wave Parametric Generator)方式が知られている。この技術は、特許文献2に記載されているテラヘルツ波発生方法を改良して高強度としたテラヘルツ波発生方法と、非線形光学結晶を用いた高感度の検出方法である。
この方式の特徴は、非線形光学結晶をテラヘルツ波発生とテラヘルツ波検出の双方に用いており、2つの波長からなるポンプ光とシード光を発生用の非線形光学結晶に適切な角度で照射すると、差周波成分として狭帯域のテラヘルツ波が発生し、さらにポンプ光とテラヘルツ波を検出用の非線形光学結晶に適切な角度で照射すると、シード光と同じ波長の赤外光が検出光として出力される。検出光の観測に高感度な各種赤外線センサを活用することができ、従来のテラヘルツ波を直接観測するシリコンボロメータやパイロメータを用いる方式よりも微弱なテラヘルツ波の観測でき、強度に関しておよそ100dBの高いSN比を得られることが示されている。
また、非特許文献2に示すように、テラヘルツ波の入射する非線形光学結晶に、ポンプ光とともにアイドラー光を入射させ、テラヘルツ波の光路長を遷移させながら検出光の強度の変化を観測することで、テラヘルツ波の光路長に対する位相を検出する方法が知られている。
一方、測定の分野ではないが光ディスクに記録された情報再生の分野において、微小な光信号を高感度に検出する手段として、特許文献1に記載されているホモダイン・位相ダイバーシティ検出方式が知られている。
US 7,750,276 B2 特開2002-72269号公報
Shinichiro Hayashi, et al., "Terahertz-wave Parametric Generation and Detection System Covering the Range From 1 to 3 THz" in 2013 Conference on Lasers and Electro-Optics Pacific Rim, (Optical Society of America, 2013), paper WPC_15. Shinichiro Hayashi, et al., "Coherent Monochromatic Terahertz-wave Pulse Detection using Nonlinear Parametric Conversion at Room Temperature", in CLEO: 2014, OSA Technical Digest (online) (Optical Society of America, 2014), paper JTh2A.62.
図17は、従来のテラヘルツ波測定装置であるis-TPG方式の構成を示す模式図である。パルスレーザからなるポンプ光発生部1から非線形光学結晶からなるテラヘルツ波発生器5に高強度のポンプ光3を入射させ、また連続波可変波長レーザからなるシード光発生部2からシード光4を入射させる。通常、非線形光学結晶にはMgOが添加されたLiNbO3が用いられる。テラヘルツ波発生器5から発生されたテラヘルツ波6は測定対象7に照射され、測定対象7を透過したテラヘルツ波がポンプ光3と共にテラヘルツ波検出器8に入射される。そして、テラヘルツ波検出器8から発生されたテラヘルツ波検出光9が光検出器812によって検出される。
図18は、テラヘルツ波発生器とテラヘルツ波検出器の構成と、各光及びテラヘルツ波の方向を示す模式図である。ここで、ポンプ光の波数ベクトルと周波数をそれぞれkp,fpとし、シード光の波数ベクトルと周波数をそれぞれki,fiとし、発生するテラヘルツ波6の波数ベクトルと周波数をそれぞれkT,fTとすると、次式(1)(2)が成り立つことを位相整合条件という。
p=fT+fi (1)
p=kT+ki (2)
非線形光学結晶の屈折率は赤外光とテラヘルツ波によって異なるため、kpとki,kTは、平行とはならない。また、波数ベクトルkpとkiのなす角θを位相整合角と呼び、位相整合角は周波数fTに依存して増加する。位相整合条件を満たすように、シード光4とポンプ光3とを角度θ(約2°)としてテラヘルツ波発生器5の非線形光学結晶21に入射すると、光パラメトリック過程によって強いテラヘルツ波6がθT(約65°)の方向に照射される。シリコンプリズム22は、非線形光学結晶界面でのテラヘルツ波の全反射を避け外部に取り出すために非線形光学結晶に密着してある。LiNbO3とシリコンのテラヘルツ波に対する屈折率がそれぞれ約5.3、約3.4であるため、スネルの法則によりテラヘルツ波6はθ’T方向(約50°)に照射される。シリコンプリズム22のテラヘルツ出射面はテラヘルツ波がほぼ垂直に反射せず通過するように入射面に対して約40°でカットされている。
測定対象7を透過あるいは反射したテラヘルツ波6をポンプ光3とのなす角度θ’Tでテラヘルツ波検出器8のシリコンプリズム22を介して非線形光学結晶21に入射させると、ポンプ光との光パラメトリック過程により、テラヘルツ波検出光9が角度θの方向に生じる。このテラヘルツ波検出光を光検出器812で検出する。
is-TPG方式の課題は、ポンプ光が入射することによってテラヘルツ波検出器から発生する背景光によって微弱なテラヘルツ波検出光が遮られてしまうことである。図18に示すように、テラヘルツ波検出器8からはテラヘルツ波検出光9とともに微弱な背景光10が照射される。テラヘルツ波検出光9と違い、背景光10の照射方向はテラヘルツ波の周波数に依存せず約1〜3°の範囲に広がっており、周波数も2.2THz付近を中心に測定範囲に広がっている。また、背景光はテラヘルツ波がテラヘルツ波検出器8に入射されない場合にも発生する。
図19は、従来のis-TPG方式を用いて測定した、テラヘルツ波検出光強度と背景光強度の強度差を示す図である。テラヘルツ波検出光はテラヘルツ波を遮蔽しない場合、背景光はテラヘルツ波を遮蔽した場合の周波数依存性を示している。背景光測定時にはテラヘルツ波が入射されていないにも関わらず、2.2THz付近を最大とする信号が生じている。そのため、テラヘルツ波透過率の悪い測定対象を測定した際に、テラヘルツ波検出光が背景光よりも微弱となり、光検出器の最小受光感度を上回っているにも関わらず検出することが困難になる。背景光を分離することにより、さらに微弱なテラヘルツ波検出光を観測することができ、テラヘルツ波の測定ダイナミックレンジの向上を図ることができる。しかし、背景光とテラヘルツ波検出光は同じ方向にほぼ同じ波長で発生しているため、バンドパスフィルタによる分離は困難である。そこで、ピンホールなどで構成される空間フィルタを用いて分離する方法が非特許文献1に記載されている。図17は、空間フィルタを用いた背景光分離の構成を示している。テラヘルツ波検出器8から出射した背景光10は、テラヘルツ波の周波数に関わらず、約1〜3°の範囲に広がって発生しているため、テラヘルツ波検出器8から数mの距離を離してピンホールからなる空間フィルタ811に、テラヘルツ波検出光9と背景光10を入射させる。ピンホールの開口部には距離によって拡散されないテラヘルツ波検出光が透過し、拡散された背景光は開口部を除きほとんど遮蔽される。透過されたテラヘルツ波検出光を光検出器812によって検出することで、微弱なテラヘルツ波検出光を背景光から分離することができる。
この手段では、背景光を拡散させるために通常数メートル以上の光路長が必要となり、装置が大型になる。また、角度θは周波数ごとに異なるため、空間フィルタ811と光検出器812を周波数ごとに移動させる手段が必要となり、拡散させる距離に応じて移動距離も増加するため、移動装置による大型化及び移動時間による測定時間の増加につながる。したがって、小型な装置にこの手段は適用できない。
本発明によるテラヘルツ波測定装置は、ポンプ光を発生させるパルスレーザ光発生部と、シード光を発生させるシード光発生部と、ポンプ光とシード光とが入射されテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生器と、テラヘルツ波発生器から発生され測定対象と相互作用したテラヘルツ波とポンプ光とが入射されテラヘルツ波検出光を発生するテラヘルツ波検出器と、テラヘルツ波検出光と当該テラヘルツ波検出光と同一波長の参照光とを合波して互いに位相関係の異なる複数の干渉光を生成する干渉光学系と、干渉光を検出する複数の光検出器と、複数の光検出器の出力を演算して測定対象と相互作用したテラヘルツ波の強度信号及び/又は位相信号を出力する信号処理部と、を有する。
テラヘルツ波発生器は第一の非線形光学結晶を備え、第一の非線形光学結晶にポンプ光と角度制御されたシード光とを位相整合条件を満たすように入射させることによりテラヘルツ波を発生させ、テラヘルツ波検出器は第二の非線形光学結晶を備え、第二の非線形光学結晶に測定対象と相互作用したテラヘルツ波とポンプ光とを位相整合条件を満たすように入射させることによりテラヘルツ波検出光を発生させる。
一態様において、本発明によるテラヘルツ波測定装置は、参照光としてテラヘルツ波発生器から発生されたアイドラー光を用いる。
この態様において、シード光のテラヘルツ波発生器への入射角度を制御するビーム角度制御部と、入射光を光軸に対して反転した角度で出射する第1の入射角度反転光学系及び第2の入射角度反転光学系とを有し、第1の入射角度反転光学系はテラヘルツ波検出光の光路中に配置され、第2の入射角度反転光学系は参照光の光路中に配置され、テラヘルツ波検出光と参照光は干渉光学系内で同一光路上に合波される、ように構成するのが好ましい。
また、光路長可変部を有し、テラヘルツ波検出光と光路長可変部を通過したアイドラー光とを合波するのが好ましい。
また、参照光の一部を検出する参照光検出器を有し、信号処理部は、参照光検出器で検出された参照光検出信号と、干渉光の干渉光検出信号(後述の式(9)で表される信号)とを用いて、参照光検出信号の変動量を干渉光検出信号から差し引く処理を行うのが好ましい。
他の態様において、本発明によるテラヘルツ波測定装置は、参照光としてシード光発生部から発生されたシード光を分岐した光を用いる。
この態様においても、シード光のテラヘルツ波発生器への入射角度を制御するビーム角度制御部と、入射光を光軸に対して反転した角度で出射する第1の入射角度反転光学系及び第2の入射角度反転光学系とを有し、第1の入射角度反転光学系はテラヘルツ波検出光の光路中に配置され、第2の入射角度反転光学系は参照光の光路中に配置され、テラヘルツ波検出光と参照光は干渉光学系内で同一光路上に合波される、ように構成するのが好ましい。
また、光路長可変部を有し、テラヘルツ波検出光と光路長可変部を通過した参照光とを合波するのが好ましい。
また、アイドラー光からなる参照光の一部を検出する参照光検出器を有し、参照光検出器で検出された参照光検出信号と予め取得した参照光標準値との差分を変動値として算出し、その変動値を用いて測定対象と相互作用したテラヘルツ波の強度信号を補正するのが好ましい。
本発明によると、高感度なテラヘルツ波測定装置を提供することができる。更に、背景光の分離による微弱信号の感度向上、光路長短縮と光源小型化による装置小型化及び簡素化、光源出力低減による安定性・安全性の向上を図ることができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 ホモダイン・位相ダイバーシティ検出光学系の構成例を示す模式図。 ホモダイン・位相ダイバーシティ検出光学系の構成例を示す模式図。 テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 制御角度θが変化した場合の光路の変化について示す図。 テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 光路長調整の手順を示すフローチャート。 テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 制御角度θが変化した場合の光路の変化について示す図。 テラヘルツ波測定装置の実施例を示すブロック図。 テラヘルツ波強度の測定可能範囲を示す説明図。 従来のポンプ光発生部及びシード光発生部の構成を示す上面模式図。 小型化したポンプ光発生部及びシード光発生部の構成例を示す上面模式図。 測定値変動を低減する補正計算の方法を示す図。 従来のテラヘルツ波測定装置の構成を示す図である。 テラヘルツ波発生器とテラヘルツ波検出器の構成と、各光及びテラヘルツ波の方向を示す模式図。 従来方式を用いて測定した検出光強度と背景光強度の強度差を示す図。
本発明は、小型で感度の良好なテラヘルツ波測定を可能とする技術を提供するものである。以下に、上記目的を達成するための代表的な手段を説明する。
(1)非線形光学結晶にポンプ光とシード光を位相整合条件を満たして照射してテラヘルツ波を発生させ、ポンプ光と測定対象を透過あるいは反射したテラヘルツ波とを位相整合角を満たして非線形光学結晶に照射してテラヘルツ波検出光を発生させ、テラヘルツ波検出光と同じ波長の参照光を、干渉光学系と光検出器からなるホモダイン・位相ダイバーシティ検出光学系に入射させる。テラヘルツ波検出光と参照光は可干渉性を有することから、干渉光が生じ、後述の式(9)に示されるように参照光の強度に依存して増幅された検出信号が得られる。よって微弱なテラヘルツ波検出光を増幅し高感度化が可能となる。
さらに、テラヘルツ波検出器が発生する背景光は、発生周波数範囲が広くコヒーレンシーが低い特徴があることを実験的に確認した。この特徴からコヒーレンシーが高いテラヘルツ波検出光と比較して干渉性が低いことを見出した。干渉性が低いため、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出光学系に入射した背景光は、参照光とは干渉せずそのまま複数の光検出器に入射される。よって、干渉光から背景光を差し引くことによって、背景光の影響を除去することが可能となる。位相ダイバーシティ検出において、後述の式(5)、(8)に示されるように、同相成分は減算される。その結果、背景光による信号は分離され、テラヘルツ波検出光の信号成分のみ増幅されることになる。
さらに、後述する式(5)、(8)のSig1とSig2の比からテラヘルツ波検出光の位相を算出することが可能となる。よって測定対象の有る場合と除去した場合のテラヘルツ波の位相差が、それぞれのテラヘルツ波検出光の位相の差分から得られる。
以上から、テラヘルツ波検出光とともに発生する不要な背景光の影響を低減し、検出感度を向上し、テラヘルツ波の位相差の出力を可能とする。
(2)さらに、テラヘルツ波発生器の発生するアイドラー光を参照光として用いることにより、高感度化が可能となる。アイドラー光は、シード光と同じ波長であると同時に、ポンプ光のエネルギーを利用して増幅されて出力される。ホモダイン・位相ダイバーシティ検出において、参照光の強度に依存して干渉光は増幅されることから高強度の参照光が重要であることを鑑み、従来未使用であり、テラヘルツ波検出光と同一波長かつ高強度であるアイドラー光を活用することを新たに着想し、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出の参照光に用いた。このとき、テラヘルツ波検出光と参照光とを合波するために干渉光学系に入射する角度を略90°に一致させる必要がある。
なお、非特許文献2において、アイドラー光をテラヘルツ波検出器に入射し位相検出に用いている構成が示されている。この構成では、ルーフトップミラーを移動させてテラヘルツ波の光路長を変えながら検出光の強度変化を観測して記録することで、光路長に対応するテラヘルツ波の位相を測定することができる。しかし、感度向上ではなく位相検出が目的であることから、感度向上に関する方策が記載されてなく、また、背景光の影響を低減する方策が示されていない。さらに非線形結晶からなるテラヘルツ波検出器にアイドラー光を入射することで、以下の課題が発生する。アイドラー光の強度をテラヘルツ波に比べて大きくすると、アイドラー光の強度に起因する非線形効果によって検出光以外の干渉性のある除去困難な不要光が発生するため、感度向上の十分な効果が得られない。逆に非線形効果が生じないようにアイドラー光を微弱なテラヘルツ波の強度に合わせると、参照光の強度が低下するため増幅効果が得られない。そのため非線形効果の発生しない光学系で検出光と参照光を合波する必要がある。また、非特許文献2の構成では、テラヘルツ検出器に入射するアイドラー光の偏光面と検出光の偏光面を一致させて生じた単一の干渉光を単一の光検出器で観測している。本発明では、偏光面を調整して干渉光学系に入射させて複数の干渉波を発生させ複数の光検出器を用いることで、後述する式(9)に示すように位相差によらず信号強度を一回の測定で観測可能であるのに対して、ルーフトップミラーを移動させ複数の光路長の強度を複数回観測して最大値から信号強度を求める必要があり、測定速度が低下してしまう。したがって、本発明の構成にそのまま適用することは困難である。
(3)従来のis-TPG方式テラヘルツ波測定装置において、発生・検出周波数を変化させる場合、回折格子やガルバノミラーなどのビーム角度制御部によってテラヘルツ波発生器へのシード光入射角度を制御している。一方、干渉光学系に入射される場合にも、上記に示したように、テラヘルツ波検出光と参照光が常に略90°で入射され、合波される光路が一致するように制御する必要がある。そこで、検出光用入射角度反転光学系と参照光用入射角度反転光学系によって、光検出器に常にテラヘルツ波検出光と参照光が照射されるように、角度を制御する。テラヘルツ波検出光の出射角度と参照光の出射角度は、シード光の入射角度と同じである。角度を反転することにより、共通の位置に収束するテラヘルツ波検出光及び参照光を生成可能である。
例えば、リレーレンズ構成を光学部として適用することにより、光軸に対して入射した角度と対称となる角度で出射させることが可能となる。適切なNAと焦点距離を選択することにより、ビーム角度制御部による制御のみで、適切な入射角度でテラヘルツ波検出光と参照光を干渉光学系に入射することが可能となる。
(4)干渉光を発生させるには、テラヘルツ波検出光と参照光の光路長差を適切に調整し、テラヘルツ波検出光と参照光のパルスが相互に重なる必要がある。テラヘルツ波検出光及びアイドラー光のパルス幅は、パラメトリック過程によってポンプ光のパルス幅約500psから短縮されて、約100psであり、光路長およそ30mmに相当する。テラヘルツ波検出光と参照光のパルスの開始位置が1mm以内で一致することが望ましい。ここで、数100μm程度の微小な光路差の変化に対しては、位相ダイバーシティ方式によって位相変動成分は分離され干渉光強度信号への影響は受けにくい。しかし、例えば、測定サンプルの誘電率の相違、周辺温度の変動、光学系の運搬や経時による変化など外的要因により数1mm以上の光路長が変化すると、テラヘルツ波検出光と参照光の干渉性が劣化して干渉光の強度が減少する恐れがある。そこで、参照光の光路上に光路長可変部を設置することにより、光路長を1mm以内に一致させ一定の干渉光を発生させることを可能とする。さらに、図8のフローチャートに示すように光路長調整を自動化することにより、ユーザが操作することなく安定した測定が可能となり、利便性が向上する。
(5)本発明のテラヘルツ波測定装置は、テラヘルツ波発生用非線形光学結晶に入射されるポンプ光及びシード光の強度変動により、テラヘルツ波検出光の強度変動が生じる。この変動により測定値の精度が低下する恐れがある。ポンプ光及びシード光の強度変動は、それぞれポンプ光源、シード光源の内部で発生し、外部から変動を抑制することは容易ではない。そこで、ポンプ光及びシード光を入射させた非線形光学結晶でテラヘルツ波と同時に発生するアイドラー光の強度を光検出器を用いて検出し、変動量を観測する。このアイドラー光強度変動は、テラヘルツ波発生と同じくパラメトリック過程で発生するため、テラヘルツ波強度変動と高い相関性がある。干渉光強度の検出信号値から、アイドラー光強度の平均値からの変動成分を、干渉光検出信号とアイドラー光検出信号との強度比を考慮して差し引くことにより、テラヘルツ波発生起因の検出光信号変動を減少させることが可能となり、測定サンプル起因の検出光信号変化を高精度に測定することが可能となる。
(6)また、参照光としてテラヘルツ波発生器の発生するアイドラー光の代わりにシード光源から照射されるシード光を用いて高感度化することも可能である。シード光源の発生する安定したシード光を用いることで、ポンプ光強度変動の影響を受けずに安定した干渉光を得ることができる。ただし、テラヘルツ波検出光と参照光を合波するために入射角度を制御する必要があるため、ビーム角度制御部とテラヘルツ波発生側非線形光学結晶の間に、ビームスプリッタを挿入してシード光を分岐し参照光とする。
(7)ビームスプリッタで分岐されたシード光のビーム角度制御部によって生じた角度変化を反転することにより、共通の位置に収束するテラヘルツ波検出光及び参照光を生成可能である。例えば、リレーレンズ構成を光学部として適用することにより、光軸に対して入射した角度と対称な角度で出射させることが可能となる。適切なNAと焦点距離を選択することにより、ビーム角度制御部による制御のみで、適切な入射角度でテラヘルツ波検出光と参照光を干渉光学系に入射することが可能となる。
(8)シード光を参照光とした場合においても、干渉光を発生させるにはテラヘルツ波検出光と参照光の光路長を適切に調整し、テラヘルツ波検出光と参照光のパルスが相互に重なり、干渉性を保つ必要がある。例えば、測定サンプルの誘電率の相違、周辺温度の変動、光学系の運搬や経時による変化などの外的要因により光路長が変化し干渉性が劣化する可能性がある。そこで、シード光を分岐した参照光の光路上に光路長可変部を設置することにより、光路長を一致させ一定の干渉光を発生させることが可能となる。さらに、図8のフローチャートに示すように光路長調整を自動化することにより、ユーザが操作することなく安定した測定が可能となり、利便性が向上する。
(9)シード光を分岐するビームスプリッタは、非線形光学結晶とビーム角度制御部との間に設置するため、ポンプ光の光路に近接することになる。ポンプ光とシード光のなす角度は、およそ1〜3°であり、ビームスプリッタ内部をシード光とポンプ光のどちらも通過する恐れがある。その場合、シード光をλ/2波長板を通過させてポンプ光とシード光の偏光面のなす角度を約90度とすることにより、ポンプ光を通過させてシード光のみ分岐することが可能となる。この構成により、ビームスプリッタと非線形光学結晶、ビーム角度制御部を近接させることが可能となり、装置の小型化が可能となる。
(10)ホモダイン位相ダイバーシティ検出において、テラヘルツ波検出光は、0°、90°、180°、270°の4つの位相の参照光と干渉させる。生成された4つの干渉光はそれぞれ後述の式(3)(4)(6)(7)で表される。0°と180°の干渉光の差は式(5)、90°と270°の干渉光の差は式(8)で表され、それぞれの値の2乗和から式(9)で表される干渉光の強度が得られる。これにより、テラヘルツ波検出光と参照光の可干渉距離範囲内(約数mm)では、光路長調整することなく簡便に安定した強度信号を観測することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
図1は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第一の実施例を示すブロック図である。
ポンプ光発生部1は、パルスレーザ光源と強度向上のために光路上に挿入された光増幅器から構成され、波長約1064nm、パルス幅約500ps、約18mJのポンプ光3を発生する。ポンプ光はテラヘルツ波発生器5とテラヘルツ波検出器8にそれぞれ入射される。テラヘルツ波発生器とテラヘルツ波検出器は、図18に示したように、非線形光学結晶21と、シリコンプリズム22から構成される。非線形光学結晶には、例えばMgO:LiNbO3を用いる。一方、シード光発生部2は、連続波可変波長レーザ光源と光増幅器によって構成され、1068nm〜1075nm、約100〜500mWのシード光4を発生する。シード光4は、テラヘルツ波発生器5にポンプ光3と位相整合条件を満たす角度で入射される。テラヘルツ波発生器5において、パラメトリック過程によって発生したテラヘルツ波6は、測定対象7と相互作用して、すなわち測定対象7を透過あるいは反射して、テラヘルツ波検出器8に入射される。
テラヘルツ波検出器8において、パラメトリック過程によって、入射されたテラヘルツ波の強度と波長に応じたテラヘルツ波検出光9が発生する。また同時に、テラヘルツ波に依存しない背景光10が発生する。テラヘルツ波検出光9と背景光10は、ホモダイン・位相ダイバーシティ光学系15を構成する干渉光学系11に入射される。また、テラヘルツ波検出光9と同じ波長の参照光14も干渉光学系11に入射される。干渉光学系11において、例えばビームスプリッタ又はビームコンバイナを用いてテラヘルツ波検出光9と参照光14が同一光路上に合波される。次に参照光に複数の位相を生成し、テラヘルツ波検出光と複数の位相の参照光との相互作用によって生じた複数の干渉光12が複数の光検出器13に入射される。例えば、信号光と参照光の位相関係が90度ずつ異なる4種の干渉光を発生させて、それぞれ4つの光検出器で検出し、得られた干渉信号を信号処理部16で信号処理することにより同相成分や位相成分を除去して、増幅された強度信号を得る。
図2は、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出光学系の構成例を示す模式図である。テラヘルツ波検出光9及び背景光10は、第1の集光レンズ312にて集光された後、第1の偏光ビームスプリッタ341を透過し、ハーフビームスプリッタ342の方向に向かう。参照光14は、λ/2板322を透過することによって、偏光方向をλ/2板322の設置角度によって任意の角度に回転させられ、テラヘルツ波検出光と任意の角度で交差する直線偏光に変換される。テラヘルツ波検出光と直交する偏光成分は第2の集光レンズ313にて集光された後、第1の偏光ビームスプリッタ341によって反射され、信号光と合成されてハーフビームスプリッタ342の方向に向かう。
一方、テラヘルツ波検出光と平行の偏光成分は、偏光ビームスプリッタ341を透過し、変動モニタ用光検出器304に入射される。検出された信号は、第四の実施例及び第七の実施例にて詳述するように変動抑制の信号処理に用いられる。
互いに直交するテラヘルツ波検出光と参照光との合成光は、ハーフミラーであるハーフビームスプリッタ342を透過し、λ/2板324によって偏光方向を45度回転させられた後、偏光ビームスプリッタ343によって直交する直線偏光に分離され、第1の光検出器PD1と第2の光検出器PD2によって検出される。このときPD1,PD2によって検出される信号は、式(3),(4)で表される。
Figure 0006381779
ここで、Esigは信号光(テラヘルツ波検出光)の振幅、Erefは参照光の振幅、φsigは信号光の位相、φrefは参照光の位相である。簡単のためにEsigとErefは完全コヒーレントであることを仮定している。
PD1,PD2の出力は、差動回路381に入力され、式(5)で表される差動信号Sig1が生成される。
Figure 0006381779
合成光のもう一方は、ハーフビームスプリッタ342で反射され、信号光及び参照光の偏光方向に対し略45°回転して配置されたλ/4板325によって円偏光に変換される。このとき信号光と参照光の元の偏光方向が略90度異なるため、逆の回転方向の円偏光に変化される。この円偏光が、偏光ビームスプリッタ344によって直交する直線偏光に分離され、第3の検出器PD3と第4の光検出器PD4によって式(6),(7)で表される信号が検出される。
Figure 0006381779
PD3,PD4の出力は、差動回路382に入力され、式(8)で表される差動信号Sig2が生成される。
Figure 0006381779
このようにして生成された差動信号Sig1,Sig2は、図1の信号処理部16で処理される。信号処理部16は、入力の時点でSig1とSig2をサンプリングしてディジタル化し、以降の処理をディジタル演算によって行う。すなわち、式(9)の処理をディジタル演算によって行う。こうして、位相差(φsig−φref)によらず、信号光の強度|Esig|2に比例した強度信号Sが得られる。
Figure 0006381779
テラヘルツ波の周波数fTと強度信号の関係を記録することで、測定対象を透過あるいは反射した影響によって生じたテラヘルツ波の変化量の周波数依存性、例えば吸収スペクトル波形を観測することができる。この構成によりテラヘルツ波の分光測定装置としての応用が可能となる。また、検出した位相差情報に基づき、測定対象の層の厚さ検出、表面形状や内部構造の画像化、屈折率の測定装置を提供することができる。
位相ダイバーシティ光学系において、複数の位相差の参照光を用いることで、テラヘルツ波検出光と参照光の位相が異なる場合にも強度信号は一定となることから、機械的な光路長の挿引が不要となり小型化、高速化を図ることができる。さらに、背景光は参照光と干渉しないため、同じ強度で同相成分として複数の光検出器に入射される。信号処理部16の演算処理により、同相成分は除去されることから、背景光の信号成分は分離され、テラヘルツ波検出光の強度と位相のみ出力される。以上の構成により、小型で高感度なテラヘルツ波測定装置を実現することができる。
図2に示した光学系において4個の光検出器PD1〜PD4は、それぞれテラヘルツ波検出光と参照光の干渉位相が互いに略90度の整数倍だけ異なる干渉光を検出する。そして、テラヘルツ波検出光と参照光の干渉位相が互いに略180度異なる干渉光を検出する光検出器の対PD1とPD2及びPD3とPD4の出力をそれぞれ差動回路381,382に入力することで、式(5)及び式(8)の演算を行っている。ここで、光検出器PD1と光検出器PD2を1個の電流差動型の光検出器で置き換え、光検出器PD3と光検出器PD4を1個の電流差動型の光検出器に置き換えてもよい。
ホモダイン・位相ダイバーシティ光学系を構成する検出器の数や、各検出器上での信号光と参照光の位相差は上記のとおりとは限らない。図3は、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出光学系の他の構成例を示す模式図である。ここでは、3つの検出器を用い、信号光と参照光の位相差が各検出器上でそれぞれほぼ0度、ほぼ120度、ほぼ240度となる場合の構成例を示した。
集光レンズ312を通過した光は、無偏光ビームスプリッタ401,402によって3つの光束に分割され、それぞれ45度偏光を透過する偏光子403,404,405を通過したのちに検出器PD1,PD2,PD3によって検出される。この3つの光束のうち、一つには信号光と参照光の間に60度の位相差を発生させる位相板409が、もう一つには信号光と参照光との間に300度の位相差を発生させる位相板410がそれぞれ挿入されている。また、各検出器上での光量が等しくなるように、無偏光ビームスプリッタ401は透過率と反射率の比が1対2に、無偏光ビームスプリッタ402は透過率と反射率が等しくなるようなものを使用する。このとき、各検出器上に入射する光の強度IPD1,IPD2,IPD3は、それぞれ次式のように表せる。
Figure 0006381779
ただし、無偏光ビームスプリッタ401,402での反射時に信号光と参照光の間に180度の位相差が発生することを考慮している。次に、これらの出力信号を演算回路411に入力し、以下の出力Sig1及びSig2を生成する。
Figure 0006381779
すると、これらは図2に示した4つの検出器の例における差動信号Sig1,Sig2と同じ形をしている。したがって次式のような演算により、信号光と参照光の間の位相差に依存しない増幅信号Sを得ることができる。
Figure 0006381779
[実施例2]
図4は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第二の実施例を示すブロック図である。
図18に示すように、テラヘルツ波発生器5からは、テラヘルツ波6と同時にアイドラー光23が発生する。特許文献2に示されるように、テラヘルツ波とアイドラー光はパラメトリック過程において1個のポンプ光子が消滅し、1個のアイドラー光子と1個のテラヘルツ波光子の生成によって生じる。よって、テラヘルツ波とアイドラー光の強度には強い相関がある。さらに、アイドラー光の周波数fiはポンプ光周波数fpとテラヘルツ波周波数fTの差周波であり、テラヘルツ波検出光9の周波数と一致する。また、アイドラー光はパラメトリック過程により発生するため、シード光よりも高強度である。そこで、テラヘルツ波発生器5から生じたアイドラー光23を干渉光学系11に参照光として入射させる。
式(9)に示されるホモダイン検出の原理により参照光の強度に比例して干渉光の信号強度が増加することから、強度の強いアイドラー光を参照光とすることで微弱な信号を増幅し高感度化が可能となる。アイドラー光は従来利用されていなかった光であることから、参照光発生に必要な装置面積の増加や光源追加が不要であり、装置の小型化、低コスト化が可能となる。
[実施例3]
図5は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第三の実施例を示すブロック図である。
シード光4は、位相整合条件を満たすために、ビーム角度制御部17を介して、ポンプ光3となす角度θでテラヘルツ発生器5に入射される。角度θは、発生させるテラヘルツ波周波数にほぼ比例して単調増加するように、入射するシード光の波長とともにビーム角度制御部17によって制御する。ビーム角度制御部17には、例えば回折格子やガルバノミラーを用いることができる。テラヘルツ発生器5から出射したテラヘルツ波6は測定対象7を透過あるいは反射されて、ポンプ光3と共にテラヘルツ波検出器8に入射される。テラヘルツ波検出器8からは、パラメトリック過程によって、入射されたテラヘルツ波の強度と波長に応じたテラヘルツ波検出光9が発生する。テラヘルツ波検出光9はテラヘルツ波検出器8から、入射されたポンプ光3と角度θをなす方向に照射される。角度θはテラヘルツ波発生器5に入射されたポンプ光とシード光のなす角度θと同じである。
テラヘルツ波検出光9は、検出光用入射角度反転光学系31によって、干渉光学系11に入射される角度をθとされる。検出光用入射角度反転光学系31は、入射光を光軸に対して反転した角度で出射する光学系であり、例えばリレーレンズ33を2枚組み合わせた構成よって角度を反転することが可能である。また、参照用のアイドラー光23も、同じくポンプ光とのなす角度θの方向に照射される。参照光としてのアイドラー光23は、入射光を光軸に対して反転した角度で出射する参照光用入射角度反転光学系32によって、干渉光学系11に入射される角度をθとされる。
図6は、制御角度θが変化した場合の光路の変化について示す図である。ビーム角度制御部17を制御してシード光4が、テラヘルツ波周波数が低くなる角度θaでテラヘルツ波発生器5に入射された場合、テラヘルツ波検出光9は破線で表した光路を進み、入射角度反転光学系31によって反転された角度θaで干渉光学系11を通過して光検出器13に入射される。一方、アイドラー光23もテラヘルツ波発生器5から角度θaで出射し、破線で表した光路を進み、入射角度反転光学系32によって反転された角度θaで干渉光学系11に入射される。アイドラー光23は、干渉光学系11に用いられるビームスプリッタの反射面にて反射され、テラヘルツ波検出光9と同じ光路上で重なることで干渉光12を生じ、光検出器13に入射される。
次に、シード光4をテラヘルツ波周波数が高くなるθbとなるようにビーム角度制御部17を制御してテラヘルツ波発生器5に入射した場合、テラヘルツ波検出光9及びアイドラー光23はそれぞれ実線の光路上を進み、入射角度反転光学系31及び入射角度反転光学系32で反転された角度θbで干渉光学系11に入射される。干渉光学系11に用いられるビームスプリッタの反射面を通過したテラヘルツ波検出光9と反射面で反射されたアイドラー光23は同じ光路上を進み、干渉光12が生じる。
以上の動作に示すように、テラヘルツ波検出光9の光路中と参照光としてのアイドラー光23の光路中にそれぞれ入射角度反転光学系31,32を配置することで、干渉光学系11内でテラヘルツ波検出光とアイドラー光は角度θによらず同一光路上に合波されて干渉光を生じ、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出が可能となる。このことは、測定対象の透過スペクトルや反射スペクトルの測定を容易にする。すなわち、スペクトル測定に当たっては、テラヘルツ波発生器5へのシード光4の入射角度θを掃引してテラヘルツ波発生器5から発生されるテラヘルツ波を周波数掃引する。このとき、テラヘルツ波発生器5から発生するアイドラー光23の出射角θ、テラヘルツ波検出器8から発生するテラヘルツ波検出光9の出射角θも同様に掃引され、角度θが時間的に変化することになる。本実施例によると、ビーム角度制御部17のみの制御で全ての入射角度を制御して干渉光学系11内でテラヘルツ波検出光と参照光を同一光路上に合波させることができ、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出によるスペクトル測定が可能となる。従って、小型で安定したシステムを構築することが可能となる。
[実施例4]
図7は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第四の実施例を示すブロック図である。
干渉光を発生させるには、いずれもパルス光であるテラヘルツ波検出光9と参照光としてのアイドラー光23の光路長差を適切に調整し、パルス幅の範囲内で合波させる必要がある。例えば、測定対象の誘電率の相違、周辺温度の変動、光学系の運搬や経時による変化などにより、テラヘルツ波検出光と参照光の光路長差が拡大すると、合波する位置でのテラヘルツ波検出光と参照光の周波数や位相が異なることでコヒーレンシーが劣化する可能性がある。そこで、アイドラー光23を光路長可変部34に入射し、光路長可変部34によって光路長が適切に調整されたアイドラー光23を参照光として干渉光学系11に入射させる。
光路長可変部34の一例として、以下に述べるような光遅延器を用いることができる。それぞれ光路に対して反射面を約45°とした2枚のミラーをステージ35の上に設置し、参照光の光路上にも光路に対して反射面を約45°とした2枚のミラーを設置し、コの字状の光路とする。参照光の光路上に固定した2枚のミラーに対してステージ35上の2枚のミラーを同時に移動させることで光路長を任意に調整することができる。この構成により、テラヘルツ波検出光と参照光の光路長差を一定範囲内に調整し、安定した干渉光を発生させることが可能となる。
図8は、光路長調整の手順の例を示すフローチャートである。光路長の大きな変化が起きるような前述した外的要因が発生した場合に、図8のフローチャートに示す操作を実施する。まず、光路長可変部34となる光遅延器のステージ35を移動して原点に復帰させてから、光遅延器の初期位置に移動する(S11)。次に光遅延器のステージ35を移動しながら、光検出器13から出力される干渉光信号53を観測し、ステージ位置と干渉光強度の関係を記録する(S12)。このとき基準として、サンプルなしの状態、あるいは標準サンプルを測定対象として設置する。信号処理部16により、式(9)で表される干渉光強度が最大となるステージ位置を算出し、その位置にステージ35を移動する(S13)。外的要因による高頻度な光路長変動の影響を低減し一定の精度を得るために、S12と同じ基準を測定対象として、複数回干渉光強度を測定する。このとき測定した干渉光強度の変動がしきい値の範囲、例えば±1%を超えた場合には、再度S12を実行する(S14)。S12からS14を繰り返すごとに干渉光強度の変動を算出し、しきい値の範囲内であれば、光路長調整を終了する(S15)。しきい値を下回らない場合には、しきい値を変更し、干渉光強度の変動が最小値となる位置で光路調整を終了する。
さらに、干渉光を安定させるために、ポンプ光やシード光の発生部である光源や光増幅器起因の変動成分を抽出して干渉光から低減する構成を図7に示す。干渉光学系11を通過した一部の参照光52を光検出器51で検出し、参照光信号54を信号処理部16に出力する。また、干渉光12を光検出器13で検出した干渉光信号53を信号処理部16に出力する。信号処理の一例として、図16に演算方法を示す。ここで干渉光強度とは信号処理部16の内部で式(9)により算出した信号である。図16(a)に示すように周波数ごとにサンプル測定前、あるいは製品出荷前に参照光信号標準値a0を取得する。図16(b)に示すサンプル測定時の参照光強度測定値an (n=1,2,3,…)と標準値との差分を算出して変動値とする。また、図16(c)に示す干渉光と参照光の依存性を事前に測定して、その傾きkを算出する。精度を高めるために、測定周波数ごとに取得してもよい。図16(d)に示すサンプル測定時の干渉光強度bnから次式(16)を用いて変動成分を差し引き、変動成分を取り除いた干渉光強度信号を変動低減干渉光信号55として出力する。
n=bn−k(an−a0) (16)
本実施例により、光源や光増幅器起因の変動を低減し測定精度を向上することができる。
[実施例5]
図9は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第五の実施例を示すブロック図である。
実施例1のテラヘルツ波測定装置において、シード光4の光路上に設置したビームスプリッタ521によってテラヘルツ波発生器5に入射するシード光4の一部を参照用のシード光514として分岐する。分岐された参照用のシード光514は干渉光学系11に入射される。シード光4の周波数fsは、ポンプ光周波数fpとテラヘルツ波周波数fTの差であり、テラヘルツ波検出光9の周波数と一致する。よって、シード光4を分岐した参照用のシード光514をテラヘルツ波検出光9と合波すると干渉光12を生じる。アイドラー光と比較してシード光の強度は低下するが、強度や位相はシード光発生部2から分岐した光であり、ポンプ光との相互作用によりポンプ光の変動の影響を受けやすいアイドラー光より安定性が高い。
よって、本実施例によると、比較的安定したシード光を参照光とすることで、ポンプ光強度変動の影響を強く受けずに安定した干渉光を発生させ、安定的に測定することが可能となる。
[実施例6]
図10は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第六の実施例を示すブロック図である。
実施例5のテラヘルツ波測定装置において、シード光4をビーム角度制御部17によって角度制御し、偏光面を任意に変化させるλ/2板622を通過させ、偏光ビームスプリッタ621に入射させる。λ/2板の回転角度に応じてシード光4の偏光面を傾ける。ここでポンプ光3をP偏光とする。シード光4のP偏光成分は偏光ビームスプリッタ621を通過してテラヘルツ波発生器5に入射され、S偏光成分は分岐されて参照用のシード光614となる。ポンプ光3とシード光4の光路が近接した位置に偏光ビームスプリッタ621を設置した場合も、ポンプ光3はP偏光のため偏光ビームスプリッタ621を通過する。この構成により小型化が可能となる。分岐された参照用のシード光614は、参照光用入射角度反転手段32を通過して光軸に対する角度が反転され、干渉光学系11に角度θで入射される。また、テラヘルツ波検出光9は検出光用入射角度反転手段31によって光軸に対する角度が反転され、干渉光学系11に角度θで入射される。
図11は、実施例3の場合と同様に、制御角度θが変化した場合の光路の変化について示す図である。テラヘルツ波周波数が低くなるθaとなるようビーム角度制御部17を制御してシード光4をテラヘルツ波発生器5に入射させた場合、テラヘルツ波検出光9は破線で表した光路を辿り、検出光用入射角度反転光学系31によって光軸に対して反転された角度θaで干渉光学系11に入射される。一方、λ/2板622によって偏光が回転してS偏光成分となり、偏光ビームスプリッタ621によって分岐された参照用のシード光614も破線で表した光路を辿り、参照光用入射角度反転光学系32によって光軸に対して反転された角度θaで干渉光学系11に入射される。参照光は干渉光学系11に用いられるビームスプリッタの反射面で反射され、テラヘルツ波検出光と同じ光路上で重なることで干渉光12を生じ、干渉光が光検出器13に入射し、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出が行われる。
次に、テラヘルツ波周波数が高くなる角度θbとなるようにビーム角度制御部17を制御してシード光4をテラヘルツ波発生器5に入射させた場合、テラヘルツ波検出光9及び参照用のシード光614はそれぞれ実線の光路上を進み、干渉光学系11に入射される。テラヘルツ波検出光9は、検出光用入射角度反転光学系31によって光軸に対して反転された角度θbで干渉光学系11に入射される。また、参照用のシード光614は参照光用入射角度反転光学系32によって光軸に対して反転された角度θbで干渉光学系11に入射される。その結果、テラヘルツ波検出光9と参照用のシード光614とは同じ光路上を進んで干渉光学系11に入射し、干渉光12を生じてホモダイン・位相ダイバーシティ検出が行われる。
以上の動作に示すように、ビーム角度制御部17によって制御されるシード光4のテラヘルツ発生器5への入射角度θによらず、テラヘルツ波検出光とシード光は同一光路上を進んで干渉光学系11に入射して干渉光を生じ、光検出器の検出素子にほぼ同一に収束する。よって、ビーム角度制御部17のみの制御で全ての入射角度を制御してテラヘルツ波検出光と参照光を干渉光学系11内で同一光路上に合波して干渉させることができ、ホモダイン・位相ダイバーシティ検出によるスペクトル測定が可能となる。従って、小型で安定したシステムを構築することが可能となる。
[実施例7]
図12は、本発明のテラヘルツ波測定装置の第七の実施例を示すブロック図である。本実施例は、シード光の一部を分岐して参照光として利用する例である。
干渉光を発生させるには、テラヘルツ波検出光9と参照用のシード光714の光路長差を適切に調整し、パルス幅の範囲内で合波させる必要がある。例えば、測定対象の誘電率の相違、周辺温度の変動、光学系の運搬や経時による変化などにより、テラヘルツ波検出光と参照光の光路長差が拡大すると、合波する位置でのテラヘルツ波検出光と参照光の周波数や位相が異なることでコヒーレンシーが劣化する可能性がある。そこで、参照用のシード光714を光路長可変部34に入射し、光路長が適切に調整された参照用のシード光714を干渉光学系11に入射させる。光路長可変部34の一例として、図7で説明した光遅延器を用いることができる。光路長の大きな変化が起きるような前述した外的要因が発生した場合に、実施例4で説明したように、図8のフローチャートに示す操作を実施する。
さらに、干渉光を安定させるために、ポンプ光やシード光の発生部である光源や光増幅器起因の変動成分を抽出して干渉光から低減する構成を示す。アイドラー光23を光検出器51で検出し、参照光信号54を信号処理部16に出力する。また、干渉光12を光検出器13で検出した干渉光信号53を信号処理部16に出力する。参照信号54を用いた演算処理の一例は、実施例4において図9を用いて説明したとおりである。こうして、変動成分を取り除いた干渉光強度信号を変動低減干渉光信号55として出力する。
[実施例8]
図13は、テラヘルツ波強度の測定可能範囲を示す説明図である。図13の従来構成のレベルダイヤに示すように、1kWのテラ波出力に対して、背景光が100μW発生している場合、測定可能なサンプル透過率の測定範囲は70dBとなる。背景光を分離することにより、光検出器の最小受信感度まで測定が可能となり、およそ30dB感度向上して100dBまでSN比を向上することができる可能性がある。さらに、70dBのSN比を維持した場合、テラ波出力を1Wにまで低減することができ、必要なポンプ光強度を緩和し光源の小型化が可能となる。
ここで、小型化したテラヘルツ波測定装置のポンプ光発生部の構成例について説明する。図14は、従来のポンプ光発生部101及びシード光発生部の構成を示す上面模式図である。従来のポンプ光発生部101はテラ波出力1kWを達成するために必要となる約18mJのポンプ光を出力するため、ポンプ光源と光増幅器(Optical Amplifier)及び必要な光路が設置面積を占有する。熱レンズ効果の影響を考慮し光路長を確保する必要もある。そのため、占有面積はおよそ0.5m2と大きい。一方、図15は、本実施例の小型化したポンプ光発生部102及びシード光発生部の構成例を示す上面模式図である。テラ波出力1Wの場合には、ポンプ光の出力を8mJに低減でき、ポンプ光源にアンプを内蔵することも可能となる。その結果、設置面積が従来のおよそ1/2の0.25m2に縮小可能となる。また、光路長の短縮、ポンプ光発生部の動作温度の減少に伴って安定性の向上、低コスト化が可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 ポンプ光発生部
2 シード光発生部
3 ポンプ光
4 シード光
5 テラヘルツ波発生器
6 テラヘルツ波
7 測定対象
8 テラヘルツ波検出器
9 テラヘルツ波検出光
10 背景光
11 干渉光学系
12 干渉光
13 光検出器
14 参照光
15 ホモダイン・位相ダイバーシティ光学系
16 信号処理部
17 ビーム角度制御手段
21 非線形光学結晶
22 シリコンプリズム
23 アイドラー光
31 検出光用入射角度反転光学系
32 参照光用入射角度反転光学系
33 リレーレンズ
34 光路長可変部
35 光路長可変用ステージ
514,614,714 参照用のシード光
521 ビームスプリッタ
621 偏光ビームスプリッタ
622 λ/2板
811 空間フィルタ
341 偏光ビームスプリッタ
342 ハーフビームスプリッタ
343,344 偏光ビームスプリッタ
381 差動回路
382 差動回路
401,402 無偏光ビームスプリッタ
403,404,405 偏光子
406,407,408 検出器
408,409,410 位相板
411 演算回路

Claims (11)

  1. ポンプ光を発生させるパルスレーザ光発生部と、
    シード光を発生させるシード光発生部と、
    前記ポンプ光と前記シード光とが入射され、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生器と、
    前記テラヘルツ波発生器から発生され測定対象と相互作用したテラヘルツ波と前記ポンプ光とが入射され、テラヘルツ波検出光を発生するテラヘルツ波検出器と、
    前記テラヘルツ波検出光と、当該テラヘルツ波検出光と同一波長の参照光とを合波して互いに位相関係の異なる複数の干渉光を生成する干渉光学系と、
    前記干渉光を検出する複数の光検出器と、
    前記複数の光検出器の出力を演算して前記測定対象と相互作用したテラヘルツ波の強度信号及び/又は位相信号を出力する信号処理部と、
    を有し、
    前記参照光として、前記テラヘルツ波発生器から発生されたアイドラー光を用いるか、または前記シード光発生部から発生されたシード光を分岐した光を用いる、
    テラヘルツ波測定装置。
  2. 前記テラヘルツ波発生器は第一の非線形光学結晶を備え、前記第一の非線形光学結晶に前記ポンプ光と角度制御されたシード光とを位相整合条件を満たすように入射させることにより前記テラヘルツ波を発生させ、前記テラヘルツ波検出器は第二の非線形光学結晶を備え、前記第二の非線形光学結晶に前記測定対象と相互作用したテラヘルツ波と前記ポンプ光とを位相整合条件を満たすように入射させることにより前記テラヘルツ波検出光を発生させる、請求項1に記載のテラヘルツ波測定装置。
  3. 前記干渉光学系によって生成される干渉光は4つであり、
    前記テラヘルツ波検出光と前記参照光の干渉位相が互いに略90度の整数倍だけ異なり、
    前記テラヘルツ波検出光と前記参照光の干渉位相が互いに略180度異なる干渉光の対を検出する2個の光検出器の出力の差分をとる、請求項1に記載のテラヘルツ波測定装置。
  4. 前記参照光として前記テラヘルツ波発生器から発生されたアイドラー光を用いる、請求項1に記載のテラヘルツ波測定装置。
  5. 前記シード光の前記テラヘルツ波発生器への入射角度を制御するビーム角度制御部と、
    入射光を光軸に対して反転した角度で出射する第1の入射角度反転光学系及び第2の入射角度反転光学系とを有し、
    前記第1の入射角度反転光学系は前記テラヘルツ波検出光の光路中に配置され、
    前記第2の入射角度反転光学系は前記参照光の光路中に配置され、
    前記テラヘルツ波検出光と前記参照光は前記干渉光学系内で同一光路上に合波される、請求項4に記載のテラヘルツ波測定装置。
  6. 光路長可変部を有し、前記テラヘルツ波検出光と前記光路長可変部を通過したアイドラー光とを合波する、請求項4に記載のテラヘルツ波測定装置。
  7. 前記参照光の一部を検出する参照光検出器を有し、
    前記信号処理部は、前記参照光検出器で検出された参照光検出信号と予め取得した参照光標準値との差分を変動値として算出し、前記変動値を用いて前記測定対象と相互作用したテラヘルツ波の強度信号を補正する、請求項4に記載のテラヘルツ波測定装置。
  8. 前記参照光として前記シード光発生部から発生されたシード光を分岐した光を用いる、請求項1に記載のテラヘルツ波測定装置。
  9. 前記シード光の前記テラヘルツ波発生器への入射角度を制御するビーム角度制御部と、
    入射光を光軸に対して反転した角度で出射する第1の入射角度反転光学系及び第2の入射角度反転光学系とを有し、
    前記第1の入射角度反転光学系は前記テラヘルツ波検出光の光路中に配置され、
    前記第2の入射角度反転光学系は前記参照光の光路中に配置され、
    前記テラヘルツ波検出光と前記参照光は前記干渉光学系内で同一光路上に合波される、請求項8に記載のテラヘルツ波測定装置。
  10. 光路長可変部を有し、前記テラヘルツ波検出光と前記光路長可変部を通過した前記参照光とを合波する、請求項8に記載のテラヘルツ波測定装置。
  11. 前記シード光の前記テラヘルツ波発生器への入射光路中に波長板と偏光ビームスプリッタが配置され、
    前記ビーム角度制御部によって角度制御された前記シード光を、前記ポンプ光との偏光面のなす角度が所定の角度になるように前記波長板を通過させて前記偏光ビームスプリッタに入射し、前記偏光ビームスプリッタで分岐された前記シード光を前記参照光として前記干渉光学系に入射する、請求項9に記載のテラヘルツ波測定装置。
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