JP2010192700A - 3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法およびsoiウェーハの製造方法 - Google Patents

3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法およびsoiウェーハの製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法および活性層の厚さを正確に算出しながら前記活性層の薄膜化を行うSOIウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の光透過層3と、第1の光透過層3の一面3aに形成された第2の光透過層2と、第2の光透過層2の第1の光透過層3と反対側の面2aに形成された第3の光透過層1とからなる3層構造体10へ第3の光透過層1側から光を照射したときに3層構造体10から得られる反射光の理論強度を計算する工程と、3層構造体10に第3の光透過層1側から光を照射して、3層構造体10から得られる反射光の実測強度を測定する工程と、前記理論強度と前記実測強度とを比較して第3の光透過層1の厚さdを算出する工程と、を有する3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法およびSOIウェーハの製造方法に関するものであり、特に、SOIウェーハの活性層の厚さを算出しながら前記活性層を薄膜化するSOIウェーハの製造方法に関するものである。
SOI(Silicon On Insulator)ウェーハは、シリコンインゴットからスライスして得られた円板状のシリコン(Si)ウェーハに、ラップ処理、エッチング処理およびポリッシュ処理などを行ってポリッシュド・ウェーハとした後、前記ポリッシュド・ウェーハに酸化膜層(BOX層:Buried Oxide層)および活性層をこの順序で形成してなる。
さらに所定の半導体製造プロセスに供されて、前記活性層に微細加工を施すことにより、マイクロマシンやマイクロセンサーなどの半導体デバイスを作製することができる。
そして、前記デバイスプロセスの前に、前記活性層を均一な厚さに研磨して、前記活性層の平坦度・平行度を高めて、デバイスプロセスにおける加工精度を向上させ、半導体デバイスの特性向上に対応している。
なお、前記SOIウェーハは、貼り合わせSOIウェーハとして、表面を酸化して酸化膜層(BOX層)を形成した基板に、活性層を有する基板(活性基板)を貼り合せる手法によっても作製することもできる。この場合も、貼り合せた後に、前記活性層を均一な厚さに研磨して、前記活性層の平坦度・平行度を高めることにより、デバイスプロセスの微細加工精度を向上し、半導体デバイスの特性を向上させる。
研磨により前記活性層の厚さを所望の厚さとするためには、前記活性層の厚さを正確に測定できなくてはならない。前記活性層の厚さを正確に測定することができてはじめて、前記活性層の研磨量を正確に設定することができ、所望の厚さに制御することができる。
また、前記活性層の研磨中にその場で(in−situ)、前記活性層の厚さを正確に測定することができることが望ましい。研磨中にその場で前記活性層の厚さを測定することができれば、研磨後に改めて前記活性層の厚さの測定する必要がなくなり、SOIウェーハの製造効率を向上させることができる。また、研磨中に研磨量を細かく設定して、前記活性層の厚さを精度よく制御することができる。
通常、前記活性層の研磨は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により実施されている。
前記CMP法に用いられる基板研磨装置は、シリコンウェーハ(基板)を装着する基板保持部と、研磨定盤と、前記研磨定盤に固定された研磨パッドと、前記基板と前記研磨パッドとの間に研磨剤(スラリー)を供給する研磨剤供給機構と、を有している。
前記基板は、これと相対運動する前記研磨パッドが一定の研磨加工圧で押しつけられることにより生じる機械的研磨作用と、前記研磨剤供給機構から供給される研磨剤の化学的研磨作用とが印加されて、その表面が研磨される。
しかし、従来の基板研磨装置には、前記活性層の厚さを研磨中に正確に測定する機構が備えられていなかった。そのため、前記基板研磨装置で前記活性層を研磨した後に、別の光学式膜厚計で測定して得られた前記活性層の厚さをフィードバックして、あらためて前記活性層の研磨を行うということを繰り返して、前記活性層の厚さを所望の厚さとしていた。つまり、前記活性層の厚さの測定ごとに研磨作業を一旦停止してウェーハをそれぞれの装置に載せ換えなければならず、SOIウェーハの製造効率を著しく害していた。
また、従来、研磨中同時測定の手段が存在しておらず、装置の載せ換えによる作業効率低下防止に対応するため、研磨工程における研磨厚さ制御は、研磨加工時間を管理することにより行っていた。しかし、研磨パッドの目詰まり、研磨加工圧、研磨剤の供給量のバラツキおよび基板の近傍の温度環境などの影響により研磨レートが変動する場合があり、このような場合には、研磨加工時間のみの管理によっては研磨量を正確に制御できず、所望の活性層の厚さとすることができない場合があるという問題があった。これは、前記活性層の厚さのロット間のバラツキを発生させ、SOIウェーハの歩留まり・製造効率を低下させていた。
特許文献1および特許文献2には、基板上の薄膜の厚さを測定しながら前記薄膜の厚さを所望の値に研磨する機構を備えたSOIウェーハの製造方法が開示されている。
たとえば、特許文献1は、半導体装置の製造方法および製造装置に関するものであり、被研磨膜を有するウェーハを、研磨クロスを用いて研磨する半導体装置の製造方法において、前記研磨クロス内に少なくとも一つの光学的窓を開口し、研磨中にこの窓を通して、前記研磨クロスの裏面側から、被研磨膜の膜厚あるいは被研磨膜面の反射率を、光学的手段を用いて測定する半導体装置の製造方法が開示されている。
また、特許文献2は、薄膜を監視するための方法および装置に関するものであり、絶縁材料、半導体材料、導電材料、およびそれらの組合せからなる群より選択される材料で構成された基板を回転させ、基板の一方の面を研磨パッドに接触させることによって基板を研磨する段階、約1000nmと約11000nmとの間の波長を有する光を、基板の研磨されない面から基板を通して基板上の薄膜の研磨を受ける区分に通過させることによって、基板が回転し研磨を受ける間、基板上の薄膜の該区分を照射する段階、基板と共に回転する光学受信器を用いて、照射された区分から反射された光信号を光学的に受信する段階、反射光信号を、基板と共に回転することのない、光検出器に接続された回転デカップラーに通過させる段階、および光検出器に接続された分析器を用いて、干渉光強度に基づいて厚み変化を算出する段階を含む、半導体デバイスおよびSOIウェーハを製造する方法が開示されている。
しかし、これらの文献に開示された方法には、反射光からどのように被研磨膜または薄膜の膜厚を算出するか具体的に記載されていないので、これらにより内部で多重反射を行う3層以上の多層膜からなる3層構造体であるSOIウェーハの第3の光透過層である活性層の厚さを正確に算出することは実現困難であった。
特開平9−36072号公報 特開2001−284301号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法および活性層の厚さを正確に算出しながら前記活性層の薄膜化を行うSOIウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第1の光透過層と、前記第1の光透過層の一面に形成された第2の光透過層と、前記第2の光透過層の前記第1の光透過層と反対側の面に形成された第3の光透過層とからなる3層構造体へ前記第3の光透過層側から光を照射したときに前記3層構造体から得られる反射光の理論強度を計算する工程と、前記3層構造体に前記第3の光透過層側から光を照射して、前記3層構造体から得られる反射光の実測強度を測定する工程と、前記理論強度と前記実測強度とを比較して前記第3の光透過層の厚さを算出する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記理論強度を計算する工程の前に、前記第2の光透過層の厚さを測定することを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記第2の光透過層の厚さの測定が、エリプソメーターで行われることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記3層構造体への照射光の波長域を一定間隔で分割するサンプリング波長で、前記理論強度と前記実測強度との差分を2乗して重み係数を乗じた値を、前記照射光の全波長域で加算した残差2乗和が最小となる値から、前記第3の光透過層の厚さを算出することを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記重み係数が前記理論強度の逆数であることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記第3の光透過層の厚さを算出した後に、前記サンプリング波長の間隔をより短くして、前記第3の光透過層の厚さを再度算出する工程を有することを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記第3の光透過層の厚さを再度算出する工程を2回以上繰り返すことを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記第3の光透過層の前記第1の光透過層と反対側の面を全面走査するように光を照射することを特徴する。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記3層構造体への照射光の波長域が300〜800nmであることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記3層構造体への照射光の波長域が350〜450nmであることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記3層構造体への照射光の波長域が650〜750nmであることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記第1の光透過層が基板であり、前記第2の光透過層が絶縁膜層であり、前記第3の光透過層が活性層であり、前記3層構造体がSOIウェーハであることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記絶縁膜層が酸化膜からなることを特徴とする。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記活性層がシリコン膜からなることを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、基板と、前記基板の一面に形成された絶縁膜層と、前記絶縁膜層の前記基板と反対側の面に形成された活性層とからなるSOIウェーハの前記活性層を薄膜化する工程と、先に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて、前記SOIウェーハの前記活性層の厚さを算出する工程と、を有することを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、前記活性層の薄膜化と前記活性層の厚さの算出を同時に行うことを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、前記活性層の薄膜化が研磨により行われることを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、研磨定盤と、ウェーハ保持部とを有するウェーハ研磨装置の前記ウェーハ保持部に保持したSOIウェーハの活性層を、前記研磨定盤上に配置された研磨パッド上に押圧させた状態で、前記研磨定盤および/または前記ウェーハ保持部を回転させて前記活性層を研磨することを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、前記活性層と前記研磨パッドとの間に研磨剤を導入することを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、前記活性層の薄膜化がエッチングにより行われることを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、前記活性層の厚さの算出値が目標値となった時点で、前記活性層を薄膜化する工程を終了するよう判定する薄膜化自動終了判定工程を有していることを特徴とする。
上記の構成によれば、3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法および活性層の厚さを正確に算出しながら前記活性層の薄膜化を行うSOIウェーハの製造方法を提供することができる。
本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第1の光透過層と、前記第1の光透過層の一面に形成された第2の光透過層と、前記第2光透過層の前記第1の光透過層と反対側の面に形成された第3の光透過層とからなる3層構造体へ前記第3の光透過層側から光を照射したときに前記3層構造体から得られる反射光の理論強度を計算する工程と、前記3層構造体に前記第3の光透過層側から光を照射して、前記3層構造体から得られる反射光の実測強度を測定する工程と、前記理論強度と前記実測強度とを比較して前記第3の光透過層の厚さを算出する工程と、を有する構成なので、前記3層構造体の前記第3の光透過層の厚さを正確に算出することができる。
本発明のSOIウェーハの製造方法は、基板と、前記基板の一面に形成された絶縁膜層と、前記絶縁膜層の前記基板と反対側の面に形成された活性層とからなるSOIウェーハの前記活性層を薄膜化する工程と、先に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて、前記SOIウェーハの前記活性層の厚さを算出する工程と、を有する構成なので、活性層の厚さを正確に算出しながら前記活性層の薄膜化を行って、前記活性層を所望の厚さとしたSOIウェーハを効率よく製造することができる。
3層構造体(SOIウェーハ)内の光の進路の一例を示す図である。 本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて得られる反射光強度(理論強度)を示すグラフである。 本発明のSOIウェーハの製造方法で用いるウェーハ研磨装置を示す断面模式図である。 本発明のSOIウェーハの製造方法を用いて研磨と活性層の厚さの算出を行った場合の一例を説明するグラフであって、反射光(実測強度)の測定回数と活性層の厚さ(算出値)との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法について、3層構造体としてSOIウェーハを用いた場合を一例として説明する。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、SOIウェーハ10の絶縁膜層2の膜厚を測定する工程(第1工程)と、SOIウェーハ10へ活性層1側から光を照射したときにSOIウェーハ10から得られる反射光の理論強度を計算する工程(第2工程)と、SOIウェーハ10に活性層1側から光を照射して、SOIウェーハ10から得られる反射光の実測強度を測定する工程(第3工程)と、前記理論強度と前記実測強度とを比較して活性層1の厚さを算出する工程(第4工程)と、を有する。
<第1工程>
まず、SOIウェーハ10の絶縁膜層2の厚さを、エリプソメーターで正確に測定する。この絶縁膜層2の厚さの値は、第2工程で、反射光の理論強度を計算式のパラメーター値として用いる。
<第2工程>
次に、以下のようにして、SOIウェーハ10へ活性層1側から光を照射したときにSOIウェーハ10から得られる反射光の理論強度を計算する。
図1は、3層構造体として用いたSOIウェーハの一例を示す断面模式図であり、SOIウェーハ10での光の進路の一例を説明する図である。図1に示すように、SOIウェーハ10は、基板(第1の光透過層)3と、前記基板3の一面3aに形成された絶縁膜層(第2の光透過層)2と、前記絶縁膜層2の前記基板3と反対側の面2aに形成された活性層(第3の光透過層)1とからなる。活性層1の一面1a側には、空気層0が設けられている。また、SOIウェーハ10の活性層1、絶縁膜層2および基板3の厚さは、それぞれd、dおよびdとされている。また、光の進路の一例が矢印で示されている。
図1に示すように、空気層0から活性層1へ入射された光hは、活性層1と絶縁膜層2との界面で反射される光hと、絶縁膜層2へ入射される光hとに分かれる。前記界面で反射された光hは、活性層1の内部で反射を繰り返し(多重反射し)、空気層0へ反射光hとして取り出される。一方、絶縁膜層2へ入射された光hは、絶縁膜層2と基板3との界面で反射される光hと、基板3へ入射される光hとに分かれる。前記界面で反射された光hは、絶縁膜層2の内部で反射を繰り返し(多重反射し)、活性層1を通過して、空気層0へ反射光hとして取り出される。このように、空気層0から活性層1へ入射された光hは、基板10の内部で多重反射を繰り返し、空気層0へ反射光h、hとして取り出される。
なお、これは一例であり、たとえば、活性層1の内部で反射を繰り返した光が、一旦絶縁膜層2に入射された後、絶縁膜層2と基板3との界面で反射されて、空気層0へ反射光として取り出されてもよい。
式(1)は、空気層0の複素屈折率n 、活性層1の複素屈折率n 、絶縁膜層2の複素屈折率n および基板3の複素屈折率n を示す。ここで、実部nは屈折率であり、iは複屈折率であり、虚部kは媒質内での減衰を表す消衰係数を表す。
Figure 2010192700
式(2)は、各層でのフレンネル反射係数を示す式であり、式(1)から導かれる。ここで、r01は空気層0と活性層1との界面でのフレンネル反射係数であり、r12は活性層1と絶縁膜層2との界面でのフレンネル反射係数であり、r23は絶縁膜層2と基板3との界面でのフレンネル反射係数である。
Figure 2010192700
式(3)は、絶縁膜層2での合成フレンネル反射係数を示す式であり、式(1)および式(2)から導かれる。ここで、dは絶縁膜層2の厚さであり、λは光の波長である。なお、絶縁膜層2の厚さdの値としては、第1工程で測定した値を用いる。
Figure 2010192700
式(4)は、活性層1を含んだ合成フレンネル反射係数を示す式であり、式(1)〜(3)から導かれる。ここで、dは活性層1の厚さである。式(4)は、振幅反射率を示す。
Figure 2010192700
式(5)は、式(4)の絶対値を2乗して得られるエネルギー反射率を示す式であり、SOIウェーハからの反射光強度(理論強度)R(λ、d)である。式(5)から分かるように、反射光強度(理論強度)は、波長λと活性層1の厚さdとの関数である。
Figure 2010192700
図2は、反射光強度(理論強度)の波長λ及び活性層1の厚さd依存性を示すグラフであって、活性層1の厚みdが50nm、100nmおよび300nmの場合に、380nm〜800nmの波長域の光をSOIウェーハ10からのに照射したときに、反射光強度(理論強度)がどのような値を取るかを示している。
図3に示すように、活性層1の厚みdが50nmの場合には、波長λが420nm付近および505nm付近で極小値(谷部)となるようなスペクトルが得られる。
また、活性層1の厚みdが100nmの場合には、波長λが430nm付近、490nm付近および760nm付近で極小値(谷部)となるようなスペクトルが得られる。
さらに、活性層1の厚みdが300nmの場合には、波長λが460nm付近、520nm付近、600nm付近、および750nm付近で極小値(谷部)となるようなスペクトルが得られる。
<第3工程>
次に、SOIウェーハ10に活性層1側から光(プローブ光)を照射して、SOIウェーハ10から得られる反射光の実測強度を測定する。
<第4工程>
次に、前記理論強度R(λ、d)と前記実測強度とを比較して、以下のようにして、活性層1の厚さdを算出する。
まず、SOIウェーハ10への照射光の波長域を一定間隔で分割するサンプリング波長を設定する。
次に、各サンプリング波長で、活性層1の厚さdを変数とした前記理論強度R(λ、d)と前記実測強度との差分を2乗して重み係数を乗じた値を、前記照射光の全波長域で加算した残差2乗和δ(λ、d)を算出する。
残差2乗和δ(λ、d)は、式(6)により導かれる。ここで、M(λ、d)は、前記実測強度である。また、w(λ、d)は重み係数である。式(7)に示すように、重み係数w(λ、d)は理論強度R(λ、d)の逆数である。
Figure 2010192700
Figure 2010192700
最後に、残差2乗和δ(λ、d)が最小となる値から、活性層13の厚さdを算出する。
なお、重み係数w(λ、d)は、前記実測強度に対する環境の変動などの影響を除去するための積算因子である。重み係数w(λ、d)を積算することにより、測定時の照射光の輝度変化や、研磨中の光学系の状態変化により変動する前記実測強度の誤差を低減することができる。
重み係数w(λ、d)は、波長λと活性層の厚さdとの関数であるが、理論強度R(λ、d)と実測強度を比較する波長を選択して、w(λ、d)を活性層の厚さdの関数とみなすことができる。
たとえば、理論強度R(λ、d)と実測強度を比較する波長として、反射光スペクトルの谷部(最小値)となる波長を選択する。この場合、重み係数w(λ、d)として1/R(λ、d)を選択することにより、反射光スペクトルの谷部に近づくにつれ、理論強度R(λ、d)が小さくなる一方、重み係数w(λ、d)を大きくして,前記実測強度の誤差を低減することができる。これにより、反射光スペクトルの谷部となる波長λで理論強度R(λ、d)と実測強度の値を一致させるようにして、活性層1の厚さdの算出することができる。
なお、重み係数w(λ、d)は、1/R(λ、d)に限定されるものではなく、たとえば、1/{1−R(λ、d)}としてもよい。これにより、反射光スペクトルの山部となる波長λで理論強度R(λ、d)と実測強度の値を一致させるようにして、活性層1の厚さdの算出することができる。
なお、波長λおよび活性層の厚さdごとに前記理論強度R(λ、d)を算出して、理論強度R(λ、d)のテーブルを作成しておくことが好ましい。これにより、理論強度R(λ、d)と実測強度との比較を短時間に行って、SOIウェーハ10の活性層1の厚さdの算出を短時間で行うことができる。
SOIウェーハ10への照射光の波長域は、300nm〜800nmであることが好ましい。これにより、SOIウェーハ10の活性層1の厚さdの算出を正確に行うことができる。
特に、SOIウェーハ10への照射光の波長域として350nm〜450nmを用いることにより、活性層1の厚さdの目標値が5nm〜300nmの厚さである場合に、活性層1の厚さdの算出をより正確に行うことができる。さらに、SOIウェーハ10への照射光の波長域として650nm〜750nmを用いることにより、活性層1の厚さdの目標値が0.3μm〜10μmである場合に、SOIウェーハ10の活性層1の厚さdの算出をより正確に行うことができる。
また、第4工程で活性層1の厚さdを算出した後に、たとえば、反射光スペクトルの谷部の近傍となる波長域で、前記サンプリング波長λの間隔をより短くして、活性層1の厚さdを再度算出することが好ましい。たとえば、1回目のサンプリング波長λの間隔を10nmとした場合には、2回目のサンプリング間隔を3nmとする。これにより、活性層1の厚さdをより正確に測定することができる。また、活性層1の厚さdの算出に影響の少ない波長域の計算を行うことがなくなり、より短時間に活性層1の厚さdを正確に算出することができる。
活性層1の厚さdを算出する工程は2回に限定されるものではなく、2回以上行ってもよい。たとえば、1回目のサンプリング波長λの間隔を10nmとし、2回目のサンプリング波長λの間隔を5nmとし、3回目のサンプリング波長λの間隔は1nmとする。このように前記サンプリング波長λの間隔を順次短くしつつ複数回活性層1の厚さdを測定することにより、より短時間に活性層1の厚さdを正確に算出することができる。
また、活性層1の厚さdを算出する工程(第4工程)だけでなく、SOIウェーハ10に活性層1側から光を照射して、SOIウェーハ10から得られる反射光の実測強度を測定する工程(第3工程)で、測定波長λの間隔を長くして、たとえば、反射光スペクトルの谷部の近傍となる波長域を特定した後に、前記波長域で、再度、前記測定波長λの間隔を短くして、反射光の実測強度を測定してもよい。これにより、より短時間に活性層1の厚さdを正確に算出することができる。
反射光の実測強度を測定する工程も2回に限定されるものではなく、2回以上行ってもよい。たとえば、1回目の測定波長の間隔を10nmとし、2回目の測定波長の間隔を5nmとし、3回目の測定波長の間隔は1nmとする。このように前記測定波長λの間隔を順次短くしつつ複数回反射光の実測強度を測定することにより、より短時間に活性層1の厚さdを正確に算出することができる。
また、前記第3工程で、SOIウェーハ10に活性層1側から光(プローブ光)を照射する際に、前記照射光をSOIウェーハ10の活性層1の基板と反対側の面1a全面あるいは面内厚み分布認識可能な程度に分布する部分を走査するように照射して、反射光の実測強度を測定してもよい。これにより、活性層1の活性層1の厚さdの面内分布を算出して、活性層1の平坦度を算出することができる。ここで、面内厚み分布認識可能な程度に分布する部分とは、算出した活性層1の活性層1の厚さdの面内分布がウェーハ全面において製品特性指標として利用可能な程度に濃度を有するように測定すればよく、例えば、ウェーハ全面で中心位置と周縁部4点、あるいは、研磨時に移動するウェーハにおいて定盤側の所定の位置において例えば2秒から45秒とされる一定時間ごとに通過するウェーハの点を測定する、あるいは、1cmに測定点1個所程度として設定することができる。
なお、本実施形態では、3層構造体としてSOIウェーハを用いたがこれに限られるものではなく、多重反射を行う界面が3面備えられている3つの光透過層を有する構造体であればよい。
また、たとえば、5層構造体のような多層構造体であっても、多重反射による反射光が3重構造体からなる部分が支配的である場合には、本実施形態の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いることができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第1の光透過層3と、第1の光透過層3の一面3aに形成された第2の光透過層2と、第2の光透過層2の第1の光透過層3と反対側の面2aに形成された第3の光透過層1とからなる3層構造体(SOIウェーハ)10へ第3の光透過層1側から光を照射したときに3層構造体10から得られる反射光の理論強度を計算する工程と、3層構造体10に第3の光透過層1側から光を照射して、3層構造体10から得られる反射光の実測強度を測定する工程と、前記理論強度と前記実測強度とを比較して第3の光透過層1の厚さdを算出する工程と、を有する構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、前記理論強度を計算する工程の前に、第2の光透過層2の厚さdを測定する構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第2の光透過層2の厚さdの測定が、エリプソメーターで行われる構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、3層構造体への照射光の波長域を一定間隔で分割するサンプリング波長で、前記理論強度と前記実測強度との差分を2乗して重み係数を乗じた値を、前記照射光の全波長域で加算した残差2乗和が最小となる値から、第3の光透過層1の厚さdを算出する構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、重み係数が理論強度の逆数である構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第3の光透過層1の厚さdを算出した後に、前記サンプリング波長の間隔をより短くして、第3の光透過層1の厚さdを再度算出する工程と、を有する構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを、より短時間に正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第3の光透過層1の厚さdを再度算出する工程を2回以上繰り返す構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを、より短時間に正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第3の光透過層の全面を走査するように光を照射する構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。また、活性層1の活性層1の厚さdの面内分布を算出して、活性層1の平坦度を算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、3層構造体への照射光の波長域が300〜800nmある構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、3層構造体への照射光の波長域が350〜450nmである構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdをより正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、3層構造体への照射光の波長域が650〜750nmである構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdをより正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、第1の光透過層が基板3であり、第2の光透過層が絶縁膜層2であり、第3の光透過層が活性層1であり、3層構造体がSOIウェーハ10である構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、絶縁膜層2が酸化膜からなる構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法は、活性層1がシリコン膜からなる構成なので、SOIウェーハ(3層構造体)10の活性層(第3の光透過層)1の厚さdを正確に算出することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法について、研磨により活性層1の薄膜化を行う場合を一例にして説明する。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、SOIウェーハの活性層を研磨により薄膜化する工程と、本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて活性層の厚さを算出する工程と、を有する。本実施形態では、活性層を薄膜化する工程と、活性層の厚さの算出工程とを同時に行う場合について説明する。
まず、基板3と、基板3の一面3aに形成された酸化膜からなる絶縁膜層2と、絶縁膜層2の一面2aに形成された活性層1とからなるSOIウェーハ(3層構造体)10を用意し、エリプソメーターで絶縁膜層2の厚さを測定する。
次に、SOIウェーハ(3層構造体)10をウェーハ研磨装置のウェーハ保持部12に取り付ける。
図3は、ウェーハ研磨装置の一例を示す断面概略図である。図3に示すように、ウェーハ研磨装置100は、略円盤状の研磨定盤11と、研磨定盤11上に配置された研磨パッド14と、研磨定盤11の上方に配置されたウェーハ保持部12と、研磨定盤11の下側に配置されたレンズ部15と、レンズ部15に接続されたPC(Personal Computer)部16と、を有している。
図3に示すように、SOIウェーハ10は、活性層1が研磨パッド14側となるようとともに、研磨定盤11と接触せず測定可能な部分を有するように配置する。そして、研磨定盤11と接触していない被測定部分に、レンズ部15からの光を照射して、その反射光を、再びレンズ部15で受光することができるようにレンズ部15の位置を調整する。
次に、SOIウェーハ10の研磨定盤11と接触していない被測定部分に、レンズ部15からの光を照射するとともに、SOIウェーハ10からの反射光をレンズ部15で受光する。
なお、レンズ部15には、図示略の光照射部(光源)と、光受光部(モノクロメーター)とが備えられており、光照射部から任意の波長の光を任意の方向へ光を照射できるとともに、光受光部で、SOIウェーハ10からの反射光を受光し、反射光強度強度(実測強度)を測定できる。
次に、レンズ部15に接続されたPC部16で、本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて、反射光強度(実測強度)と理論強度とから、活性層1の厚さd(算出値)を正確に算出する。
次に、前記算出値をフィードバックして、ウェーハ保持部12および研磨定盤11の回転速度、ウェーハ保持部12の研磨加工圧、研磨剤供給機構17からの研磨剤の添加量およびSOIウェーハ10の近傍の温度環境などを設定する。
次に、ウェーハ研磨装置100の研磨定盤11上に配置された研磨パッド14上に、SOIウェーハ10の活性層1を押圧させた状態で、研磨定盤11および/またはウェーハ保持部12を回転させて活性層1を研磨する。
なお、ウェーハ保持部12は研磨定盤11の盤面に垂直な方向に移動自在とされており、ウェーハ保持部12に取り付けたSOIウェーハ10を、任意の圧力(研磨加工圧)で研磨パッド14へ押し付けることができる構成とされている。また、研磨定盤11およびウェーハ保持部12は、回転軸18、19の回りに、それぞれ任意の回転速度で任意の方向に回転させることができる。さらにまた、研磨定盤11の上方には、研磨剤供給機構17が設置されており、活性層1と研磨パッド14との間に所定の量の研磨剤を導入することができる。これにより、SOIウェーハ10の活性層1を所定の深さまで研磨することができる。
前記研磨中に、本発明の実施形態である3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて、活性層1の厚さd(算出値)を正確に算出することを繰り返すとともに、前記算出値を絶えずフィードバックして、ウェーハ保持部12および研磨定盤11の回転速度、上部ウェーハ保持部14の研磨加工圧、研磨剤の添加量およびSOIウェーハ10の近傍の温度環境などの条件を絶えず再設定して、研磨を続ける。このように活性層1の薄膜化と活性層1の厚さdの算出を同時に行うことにより、活性層1の厚さを正確に目標の厚さとすることができるとともに、SOIウェーハ10の製造を短時間で行うことができる。
なお、PC部16には、活性層1の厚さdの算出値が目標値となったときに、前記研磨工程をストップするよう判定する薄膜化自動終了判定工程をおこなうための自動終了機構が備えられている。これにより、研磨工程が終了する。
なお、本実施形態では、SOIウェーハ10の研磨定盤11と接触していない被測定部分に光を照射する構成としたが、具体的には薄膜化処理中に研磨定盤11からSOIウェーハ10がはみ出す時間を間欠的(周期的)に有する薄膜化(研磨)処理をおこなうとともにこのような装置構造とすることができる。また、本実施形態は、このような構成に限られるものではなく、たとえば、研磨定盤11および研磨パッド14に、任意の大きさの開口部を設け、前記開口部から露出されたSOIウェーハ10の活性層1にレンズ部15から光を照射して薄膜化(研磨)処理中に連続的に活性層1の薄膜化と活性層1の厚さdの算出を同時に行うことができる。前記開口部に対してウェーハ面内の測定点が所定の分布をなすように薄膜化(研磨)処理中におけるSOIウェーハ10と研磨定盤11との相対位置(軌跡)を為すように薄膜化(研磨)処理での設定をおこなうことも可能である。
また、本実施形態では、活性層1の薄膜化と活性層1の厚さdの算出を同時に行ったが、別々に交互に実施してもよい。
さらに、活性層1の薄膜化工程としては、活性層1を薄膜化できる工程であれば限定されず、たとえば、ドライエッチングまたはウェットエッチングなどのエッチング工程を用いてもよい。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、基板3と、基板3の一面3aに形成された絶縁膜層2と、絶縁膜層2の基板と反対側の面2aに形成された活性層1とからなるSOIウェーハ10の活性層1を薄膜化する工程と、先に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて、SOIウェーハ10の活性層1の厚さdを算出する工程と、を有する構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行うことでリアルタイムに層厚の測定をおこないながら薄膜化(研磨あるいはエッチング)処理をすることによって、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、活性層1の薄膜化と活性層1の厚さdの算出を同時に行う構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行って、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、活性層1の薄膜化が研磨により行われる構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行って、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、研磨定盤11と、ウェーハ保持部12とを有するウェーハ研磨装置100のウェーハ保持部12に保持したSOIウェーハ10の活性層1を、研磨定盤11上に配置された研磨パッド14上に押圧させた状態で、研磨定盤11および/またはウェーハ保持部12を回転させて活性層1を研磨する構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行って、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、活性層1と研磨パッド14との間に研磨剤を導入する構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行って、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、活性層1の薄膜化がエッチングにより行われる構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行って、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
本発明の実施形態であるSOIウェーハの製造方法は、活性層1の厚さdの算出値が目標値となった時点で、活性層1を薄膜化する工程を終了するよう判定する薄膜化自動終了判定工程を有している構成なので、活性層1の厚さdを正確に算出しながら活性層1の薄膜化を行って、活性層1を所望の厚さとしたSOIウェーハ10を効率よく製造することができる。
さらに本実施形態において、薄膜化処理として研磨を選択した場合には研磨液、エッチングの場合にはエッチング液とされる処理液の層をさらにもう一層積層した4層構造として同様にモデル化し、その影響をも含めてより正確な膜厚測定をおこなうことが可能である。この場合には、それぞれの液が光透過層と見なせる状態であることが必要である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
まず、所定の条件で作製したSOIウェーハ(実施例1サンプル)を用意した。
次に、SOIウェーハ(実施例1サンプル)の酸化膜層(BOX層)の膜厚dをエリプソメーターで測定した。前記酸化膜層の厚さdは、152nmであった。
次に、ウェーハ研磨装置にSOIウェーハ(実施例1サンプル)をセットして、約φ1mmの範囲(測定視野)に400nm〜800nmの波長域の光を照射した。このとき得られた反射光の実測強度と、本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて得られた理論強度とから、活性層の厚さd(算出値)を算出した。前記算出値は36.7nmであった。
最後に、エリプソメーターで、SOIウェーハ(実施例1サンプル)の活性層の厚さd(実測値)を測定した。前記実測値は36.8nmであった。
(実施例2〜7)
活性層の膜厚を変えるように条件を変えて作製したほかは実施例1と同様にして、SOIウェーハ(実施例2〜7サンプル)を用意した。
次に、SOIウェーハ(実施例2〜7サンプル)の酸化膜層の膜厚dをエリプソメーターで測定した。酸化膜層の厚さdはどれも152nmであった。
次に、実施例1と同様にして、SOIウェーハ(実施例2〜7サンプル)に光を照射した。このとき得られた反射光の実測強度と、本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて得られた理論強度とから、活性層の厚さd(算出値)を算出した。
最後に、エリプソメーターで、SOIウェーハ(実施例2〜7サンプル)の活性層の厚さd(実測値)を測定した。
SOIウェーハ(実施例1〜7サンプル)の活性層の厚さdの算出値と実測値について表1にまとめた。算出値と測定値の誤差は最大で1.8nmであり、精度よく、活性層厚さdを算出することができた。
Figure 2010192700
(実施例8)
活性層の膜厚を変えるように作製したほかは実施例1と同様にして、SOIウェーハ(実施例8サンプル)を作製した。
次に、SOIウェーハ(実施例8サンプル)の酸化膜層の膜厚dをエリプソメーターで測定した。前記酸化膜層の厚さは152nmであった。
次に、ウェーハ研磨装置にSOIウェーハ(実施例8サンプル)をセットして、所定の圧力を印加して活性層を研磨しながら、約φ1mmの範囲(測定視野)に400nm〜800nmの波長域の光を照射した。
このとき、一定のサンプリング時間ごとに反射光の実測強度を測定して、SOIウェーハ(実施例8サンプル)の所定の位置の反射光の実測強度が得られるようにした。その反射光の実測強度と、本発明の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて得られた理論強度とから、SOIウェーハ(実施例8サンプル)の所定の位置の活性層の厚さd(算出値)を算出した。この測定を約200回繰り返した。
図4は、反射光(実測強度)の測定回数と活性層厚さd(算出値)との関係を示すグラフである。図4に示すように、活性層の厚さd(算出値)は研磨前の値が270nmであり、一定のサンプリング時間ごとに一定の割合で活性層が研磨された。そして、最終的な活性層の厚さd(算出値)は81nmとなった。
次に、エリプソメーターで、SOIウェーハ(実施例8サンプル)の活性層の厚さd(実測値)を測定した。前記実測値は775Åであった。約200回の研磨工程を行って、算出値と実測値の誤差は35Åとなり、活性層の厚さdを精度よく算出することができることがわかった。
本発明は、3層構造体の第3の光透過層の厚さを正確に算出する方法および活性層の厚さを正確に算出しながら前記活性層の薄膜化を行うSOIウェーハの製造方法に関するものであって、SOIウェーハを製造・利用する産業において利用可能性がある。
0…空気層、1…第3の光透過層(活性層)、1a…基板と反対側の面、2…第2の光透過層(絶縁膜層(酸化膜層))、2a…基板と反対側の面、3…第1の光透過層(基板)、3a…一面、10…3層構造体(SOIウェーハ)、11…研磨定盤、12…ウェーハ保持部、14…研磨パッド、15…レンズ部、16…PC部、17…研磨材供給装置、18、19…回転軸、100…ウェーハ研磨装置。

Claims (21)

  1. 第1の光透過層と、前記第1の光透過層の一面に形成された第2の光透過層と、前記第2の光透過層の前記第1の光透過層と反対側の面に形成された第3の光透過層とからなる3層構造体へ前記第3の光透過層側から光を照射したときに前記3層構造体から得られる反射光の理論強度を計算する工程と、
    前記3層構造体に前記第3の光透過層側から光を照射して、前記3層構造体から得られる反射光の実測強度を測定する工程と、
    前記理論強度と前記実測強度とを比較して前記第3の光透過層の厚さを算出する工程と、を有することを特徴とする3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  2. 前記理論強度を計算する工程の前に、前記第2の光透過層の厚さを測定することを特徴とする請求項1に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  3. 前記第2の光透過層の厚さの測定が、エリプソメーターで行われることを特徴とする請求項2に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  4. 前記3層構造体への照射光の波長域を一定間隔で分割するサンプリング波長で、前記理論強度と前記実測強度との差分を2乗して重み係数を乗じた値を、前記照射光の全波長域で加算した残差2乗和が最小となる値から、前記第3の光透過層の厚さを算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  5. 前記重み係数が前記理論強度の逆数であることを特徴とする請求項4に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  6. 前記第3の光透過層の厚さを算出した後に、前記サンプリング波長の間隔をより短くして、前記第3の光透過層の厚さを再度算出する工程を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  7. 前記第3の光透過層の厚さを再度算出する工程を2回以上繰り返すことを特徴とする請求項6に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  8. 前記第3の光透過層の前記第1の光透過層と反対側の面を全面走査するように光を照射することを特徴する請求項1〜7のいずれか1項に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  9. 前記3層構造体への照射光の波長域が300〜800nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  10. 前記3層構造体への照射光の波長域が350〜450nmであることを特徴とする請求項9に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  11. 前記3層構造体への照射光の波長域が650〜750nmであることを特徴とする請求項9に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  12. 前記第1の光透過層が基板であり、前記第2の光透過層が絶縁膜層であり、前記第3の光透過層が活性層であり、前記3層構造体がSOIウェーハであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  13. 前記絶縁膜層が酸化膜からなることを特徴とする請求項12に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  14. 前記活性層がシリコン膜からなることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法。
  15. 基板と、前記基板の一面に形成された絶縁膜層と、前記絶縁膜層の前記基板と反対側の面に形成された活性層とからなるSOIウェーハの前記活性層を薄膜化する工程と、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の3層構造体の第3の光透過層の厚さの算出方法を用いて、前記SOIウェーハの前記活性層の厚さを算出する工程と、を有することを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  16. 前記活性層の薄膜化と前記活性層の厚さの算出を同時に行うことを特徴とする請求項15に記載のSOIウェーハの製造方法。
  17. 前記活性層の薄膜化が研磨により行われることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のSOIウェーハの製造方法。
  18. 研磨定盤と、ウェーハ保持部とを有するウェーハ研磨装置の前記ウェーハ保持部に保持したSOIウェーハの活性層を、前記研磨定盤上に配置された研磨パッド上に押圧させた状態で、前記研磨定盤および/または前記ウェーハ保持部を回転させて前記活性層を研磨することを特徴とする請求項17に記載のSOIウェーハの製造方法。
  19. 前記活性層と前記研磨パッドとの間に研磨剤を導入することを特徴とする請求項18に記載のSOIウェーハの製造方法。
  20. 前記活性層の薄膜化がエッチングにより行われることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のSOIウェーハの製造方法。
  21. 前記活性層の厚さの算出値が目標値となった時点で、前記活性層を薄膜化する工程を終了するよう判定する薄膜化自動終了判定工程を有していることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のSOIウェーハの製造方法。
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