JP4200116B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
この作業車のラジエータの前側には、空冷が必要なオイルクーラやコンデンサの空冷補器等が配置されてボンネットで覆われている。これらラジエータ及び空冷補器の前側及び左右側部のボンネットにグリルを設けて空気を取り入れることによって、上記の空冷補器の冷却をしたりラジエータ内に空気を取り込んでいた。
また、ラジエータの側方から空気を多量に吸い込むために、ボンネットの側方に設けた網状の側部グリルに虫や塵等の異物が局部的に詰まる恐れがあった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ラジエータの左右側方からの空気の取り入れを規制することにより、空気の整流を行い空冷補器の冷却効果を高めると共に、ボンネットの側部に設けた側部グリルの異物の目詰まりを防止可能な作業車を提供することを目的とする。
また、整流板の一方を開閉自在にしているため、整流板を開状態にすると、この整流板よりも左右内側にある空冷補器のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、空冷補器を左右方向外側に引き出すことで、整流板を取り出すことができる。
前記空冷補器を取り付ける取付金具の外周面に前記押圧部を設けていることが好ましい。或いは、前記開閉整流板に対応する側の空冷補器の左右側部に前記押圧部を設けていることが好ましい。
前記開閉整流板の自由端の上部に、前記支持枠と係止する上被係止部を設け、前記開閉整流板の自由端の下部に、前記支持枠と係止する下被係止部を設けていることが好ましい。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示し、図5は、本発明に係る作業車の例としてトラクタを示したものである。なお、以下、作業車の進行方向を前後方向といい、この前後方向に対し直行する左右方向(図5において紙面貫通方向)を横方向という。
作業車1は、操舵及び補助走行駆動に用いられる左右の前輪2と主走行駆動に用いられる左右の後輪3とを有する2軸4輪型であり、エンジン5からの駆動で2輪駆動(後輪駆動)又は4輪駆動(前・後輪駆動)に切換可能になっている。
この3点リンク10は、各種の作業機11(図例は耕耘機)を接続したり切り離したりできるようになっている。この作業機11には、PTO軸12を介してエンジン5の駆動を伝達可能としている。
また、エンジン5の後方には、独立搭載型のキャビン15が設けられており、キャビン15の前したの壁がエンジン5後方の仕切壁となっていて、その仕切壁の背面側(キャビン15の前部内面)にハンドル16を有する操縦装置が設けられ、この操縦装置の後方には運転席17が配置されている。
また、ラジエータ19の後側には、ラジエータファン18が配置され、このファン18をエンジン5を介して駆動されるベルト伝動手段によって起動することで外気を取り込むようにしている。
各空冷補器及びエンジン5,ラジエータ19等は前車軸フレーム13上に設けられたボンネット14によって包囲されており、このボンネット14により内部にエンジンルームが形成されている。
この側部グリル部14bの後端部よりも前側に空冷補器が配置されている。
ラジエータ19は、エンジン5の前方に配置されていて、前側から空気を吸入して後方のエンジン5へ冷却風を送る前吸入式を採用しており、その下部が前車軸フレーム13に固定されている。
したがって、門型枠34とラジエータ19との間はシール材33でシールされ、ラジエータファン28でエンジン5側へ送風した風がラジエータ19の前方側に戻り、再びラジエータ19から吸引されることないように構成されている。
この取付枠37は、支持枠24上に載置される矩形状の下部片39から左右一対の起立片40を起立させ、その起立片40の上端を上部片41で連結することにより、正面視門型に形成されている。上部片41の左右一側には、上方に突出するねじ部42が設けられている。
支持枠24とラジエータ19との前後間で且つラジエータ19の左右側部には、ラジエータ19の前方の左右の側部空間Sを閉鎖して、ラジエータ19の側方から空気が吸い込まれるのを規制する左右一対の整流板45L,45Rが設けられている。
この整流板45L,45Rは、板状部材を屈曲して形成したものであり、その前部は支持枠24の左右外側に位置し、その前後中途部からラジエータ19にいくにしたがって左右方向外方に屈曲しており、後部はラジエータ19の前側でラジエータ19の左右側部よりも外側に位置してラジエータ19に近接している。
開閉整流板45L(左右一方の整流板45L)の前側上部には、支持枠24と係止する上被係止部48が設けられ、前側下部には 支持枠24と係止する下被係止部49が設けられている。この上被係止部48は、支持枠24に設けられた突出部55が挿入される挿入孔で構成され、下被係止部49は開閉整流板45Lの下部から左右方向内側に屈曲して支持枠24に設けられた係止凹部56に係合する係止突起で構成されている。
支柱51の左右一側には、開閉整流板45Lの上被係止部48と係止する上係止部55が設けられており、この上係止部55は、支柱51の上下中途部から左右方向外側に突出して中途部で後方に屈曲し、この屈曲部から左右方向外側に突出する突出部から形成されている。
支持枠24に設けられたラジエータ19の上部を取り付けるラジエータ取付部52aは、支柱51の上端部に設けられ、このラジエータ取付部52aは後方に突出していて後部側で左右に二股状に分岐し、後部にラジエータ19の上端が取り付けられている。
支持枠24に設けられたインタークーラ20の上下部を取り付ける上下一対のインタークーラ取付部52bは、ラジエータ取付部52aよりも下方に位置しており、支柱51を上下中途部で左右に連結する上下一対の連結バー58に設けられている。このインタクーラ取付部52bは、連結バー58から後方に突出していて、インタークーラ20をラジエータ19の前側で支持している。
支持枠24に設けられたコンデンサ22の上部を取り付けるコンデンサ取付部52dは、上下一対の連結バー58の間に設けられ、このコンデンサ取付部52dの左右一側に取付枠37の上部片41が下側から当接するブラケット59が設けられている。このブラケット59は、支柱51よりも左右外側に位置すると共に前側に突出しており、ブラケット59の左右側部にコンデンサ22の上部片41に設けられたねじ部42が左右方向外側から挿入可能な挿入部が設けられている。
この取付枠37を介してレシーバ23を支持枠24に取り付けたとき、レシーバ23を取り付けているレシーバ取付金具44は、支柱51よりも外側に位置すると共に、開閉整流板45Lの前側に位置して、この開閉整流板45Lを左右外側から左右方向内側に押圧している。なお、開閉整流板45Lが押圧される押圧部分(整流板45とレシーバ取付金具44との間)には、ゴム等のクッション材61が設けられている。
以上の構成によれば、開閉整流板45Lを閉鎖すると開閉整流板45Lの上下被係止部48,49が支持枠24の上下係止55,56が係止して、整流板45Lの内側が支持枠24に当接する。そして、取付枠27を外側から内側へスライドさせて支持枠24に装着すれば、レシーバ23の押圧部62で開閉整流板45Lの前部を外側から押圧することができる。このとき、開閉整流板45Lの前部が押圧されると、前部が内側に若干撓むため、開閉整流板45の振動を抑えることが可能になる。
支持枠24とラジエータ19との間の左右側方からラジエータ19に入ろうとする空気は整流板45に当たってその流速が減少し、整流板45の前方に移動してラジエータ19の前方に迂回する。
また、ラジエータ19の左右側方からの空気が抑制されるために、ボンネットの側部に設けた側部グリル部14bからの取り入れられる外気の流速が減少することとなり、側部グリル部14bの虫や塵等の異物の目詰まりを減少することが可能である。
また、整流板45の一方を開閉自在にしているため、開閉整流板45Lを開状態にすると、オイルクーラ21、インタークーラ20のメンテナンスを簡単に行うことができるだけでなく、ラジエータ19の前部に設けた防虫網30を取り外して防虫網30の取替えやメンテナンスも容易にすることができる。
この押圧部62は、コンデンサ本体36の左右方向一側部に設けられていて、コンデンサ本体36から後方に突出しており、開閉整流板45Lの前部まで延設されている。その押圧部62の先端は、開閉整流板45Lの前部の上下中途部に設けられたクッション材61の外側に位置している。
したがって、開閉整流板45Lを左右方向に開いた状態でコンデンサ22の取付枠37を外側から支持枠24に挿入し、開閉整流板45Lを閉鎖しながら取付枠37を左右方向内側へスライドさせれば、開閉整流板45Lの上下中途部を外側からコンデンサ22に設けた押圧部62で押圧することができる。
なお、コンデンサ22に設けた押圧部62で開閉整流板45Lの上下中間部を押圧するのが好ましい。
図8に示す第3の実施の形態では、上記のように左右一方の整流板45Lを車軸フレーム13に開閉自在に枢支せず、この左右一方の整流板45Lの前部を、左右方向引き出し可能な空冷補器(例えばコンデンサ22)に取り付け、この整流板45Lの後部をラジエータ19や前車軸フレーム13に固定せずに自由端にしてラジエータ19に近接させたものである。
本実施形態は、上記実施の形態に限定されるものではない。
上記の第1及び第2実施の形態では、コンデンサ22やレシーバ23を取り付けたときに、開閉整流板45Lを外側から押圧するようにしていたが、図9に示すようにインタークーラ20の左右一側にバネ63等を設け、このバネ63(例えば板ばね)の突出部を開閉整流板45Lに貫通させて板バネ63の外側端部を開閉整流板45Lの外側から当接し、板バネ63のスプリング力で開閉整流板45Lを左右方向外側から押圧するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、開閉整流板45Lの上下内側を支持枠24に当接し、上下中途部の外側を空冷補器等で押圧するようにしていたが、これに代え、着脱自在な整流板の上下内側を支持枠24に当接し、上下中途部の外側を空冷補器等で押圧するようにしてもよい。
13 前車軸フレーム
14 ボンネット
19 ラジエータ
24 支持枠
30 防虫網
45 整流板
45L 開閉整流板(左右一方の整流板)
Claims (4)
- 走行車体の前車軸フレーム上で且つボンネット内に前方から外気を吸い込み可能なラジエータを設け、このラジエータの前側に少なくとも1つの空冷が必要な空冷補器を支持枠を介して配置しており、前記ラジエータの左右側部と空冷補器又は支持枠との間に、ラジエータの前方の左右の側部空間を閉鎖してラジエータ側方からラジエータに空気が吸い込まれるのを規制する左右一対の整流板を設け、前記左右少なくとも一方の整流板をラジエータ側の縦軸廻りに枢支することで、当該整流板を側部空間開閉自在に設けると共に、閉鎖時に当該整流板の上下の自由端を前記支持枠に当接可能としており、前記空冷補器を支持枠に左右引き出し可能に設け、前記空冷補器を外側から支持枠に装着した際に、前記開閉する開閉整流板の自由端の上下中途部を外側から押圧する押圧部を空冷補器側に設けていることを特徴とする作業車。
- 前記空冷補器を取り付ける取付金具の外周面に前記押圧部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の作業車。
- 前記開閉整流板に対応する側の空冷補器の左右側部に前記押圧部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の作業車。
- 前記開閉整流板の自由端の上部に、閉鎖時に前記支持枠と係止する上被係止部を設け、前記開閉整流板の自由端の下部に、閉鎖時に前記支持枠と係止する下被係止部を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車。
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