JP4197750B2 - マルトオリゴ糖誘導体の製造方法 - Google Patents

マルトオリゴ糖誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はα−アミラーゼの活性測定用基質として有用なマルトオリゴ糖誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
膵液や尿などの体液に含有されるα−アミラーゼの活性を測定することにより、各種疾患の診断が行われている。α−アミラーゼの活性測定法として広く用いられる方法の一つとしてマルトオリゴ糖の還元性末端にp−ニトロフェノールなどの発色する化合物残基をアグリコンとして結合させた基質を用いる方法がある。例えば、特開昭54−51892号公報に記載のあるp−ニトロフェニルマルトヘプタオシドを基質に用いる方法、特公昭57−53079号公報に記載のあるp−ニトロフェニルマルトペンタオシドまたはp−ニトロフェニルマルトヘキサオシドを基質に用いる方法などである。これらはα−アミラーゼ含有試料に上記基質とα−グルコシダーゼとを作用させて基質から遊離したアグリコンを光学的に測定することにより、α−アミラーゼの活性値を求める方法であり、α−グルコシダーゼが三糖以下のオリゴ糖には作用し易く四糖以上のオリゴ糖には作用しにくい性質を利用したものである。
【0003】
しかし、この方法ではα−グルコシダーゼがわずかながら基質に直接作用するためブランク値が上昇する欠点がある。
【0004】
このような欠点を解消するためマルトオリゴ糖の非還元性末端のグルコースを化学修飾したタイプの基質を用いる方法が提案されている。例えば、非還元性末端のグルコースの6位の水酸基を例えばハロゲン原子、−OR、−OCOR、−OSO2 R、−NHR(Rはアルキル基、フェニル基、ピリジル基など)で置換し、還元性末端のグルコースに置換または未置換のフェニル基がアグリコンとして結合したもの(特開昭60−237998号公報)、非還元性末端のグルコースの4位、および6位の水酸基をアルキル基、アルコイル基またはフェニル基で置換し還元性末端のグルコースにアグリコンを結合させたもの(特開昭60−54395号公報)、さらに3−ケトブチリデン基、2−ケトブチリデン基、2−ケトプロピリデン基、4−ケトペンチリデン基、メチルスルフィニルエチリデン基、エチルスルフィニルエチリデン基、メタンスルホニルエチリデン基、エタンスルホニルエチリデン基のような水溶性の高い修飾基を非還元性末端グルコースに導入した基質(特開平1−157996号公報参照)などがある。
【0005】
これらの基質のように、非還元性末端グルコースを化学修飾するとα−グルコシダーゼによる分解は起こらない。しかし、澱分やアミロース等のグルコース鎖を認識してその結合を切断するというα−アミラーゼ本来の作用様式を純粋に反映していない欠点がある。
【0006】
そこで、マルトオリゴ糖の非還元性末端のグルコースの4位もしくは6位にガラクトース残基をβ結合させた基質を用いる方法が提案されている(特開平3−264596号公報)。しかし、この中に示されている基質の製造法は、原料として不安定なp−ニトロフェニルマルトペンタオシドを用いて、β−ガラクトシダーゼにより原料の非還元性末端にガラクトースを導入する方法のため、収率が悪く、また未反応のp−ニトロフェニルマルトペンタオシドと生成物であるp−ニトロフェニル4−O−β−ガラクトピラノシルα−マルトペンタオシドの極性が似ているため、分離が困難である。
【0007】
また、p−ニトロフェノールは、α−アミラーゼの活性測定領域pH7.0付近で発色能が悪く、僅かなpH変動や温度上昇、塩化ナトリウム濃度上昇、アルブミン濃度上昇でも最大モル吸光係数が大きく変化する欠点を有する。そこで、アグリコンとして2−クロロ−4−ニトロフェノールを用いるとより高い性能を得られるが、従来の製造法ではp−ニトロフェノールの場合と異なりα結合でのグリコシド化が難しく、ほとんどβ結合の化合物が得られる。したがって、臨床検査薬としてこれらの基質を測定に用いる場合、共存酵素としてβ−グルコシダーゼを加える必要が生じる。
【0008】
よって、あらかじめその非還元性末端グルコースの4位もしくは6位にガラクトース残基がβ結合したマルトオリゴ糖にアグリコンとして2−クロロ−4−ニトロフェノールをα結合で収率よく直接導入する製造法が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、α−アミラーゼ活性測定等に用いられる一般式(1)
【0010】
【化8】
Figure 0004197750
【0011】
(式中、R1 およびR2 のうち一方は水素を示し、他方は式(2)
【0012】
【化9】
Figure 0004197750
【0013】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表される基質を収率よく簡単な操作により得る方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究に努力した結果、あらかじめその非還元性末端グルコースの4位もしくは6位にガラクトースをβ結合させたマルトオリゴ糖誘導体の還元性末端に、アグリコンとして2−クロロ−4−ニトロフェノールをα結合で収率よく簡単な操作により導入する方法を見いだした。
【0015】
すなわち、本発明は、
1: 一般式(1)
【0016】
【化10】
Figure 0004197750
【0017】
(式中、R1 およびR2 のうち一方は水素を示し、他方は式(2)
【0018】
【化11】
Figure 0004197750
【0019】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体の製造方法において、
一般式(3)
【0020】
【化12】
Figure 0004197750
【0021】
(式中、Acはアセチル基、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
【0022】
【化13】
Figure 0004197750
【0023】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖の1−ヒドロキシ誘導体と、3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼンとを、有機塩基の存在下に反応させる工程、および該工程で得られる一般式(5)
【0024】
【化14】
Figure 0004197750
【0025】
(式中、Ac、R3 、R4 およびnは前記と同じである。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖のグリコシド誘導体より、アセチル基を脱離させる工程を含むことを特徴とする一般式(1)で表されるマルトオリゴ糖誘導体の製造方法。
【0026】
2: 一般式(3)
【0027】
【化15】
Figure 0004197750
【0028】
(式中、Acはアセチル基、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
【0029】
【化16】
Figure 0004197750
【0030】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖の1−ヒドロキシ誘導体と、3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼンとを、有機塩基の存在下に反応させる工程において、反応溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いることを特徴とする上記1の製造方法。
【0031】
3: 一般式(5)
【0032】
【化17】
Figure 0004197750
【0033】
(式中、Acはアセチル基、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
【0034】
【化18】
Figure 0004197750
【0035】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖のグリコシド誘導体よりアセチル基を脱離させる工程において、低級アルコールを含有する溶媒中で、アンモニア、アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ金属水酸化物から選ばれた一種ないし二種以上のアルカリの存在下で部分的に脱アセチル化し、次いでプロトン酸の存在下で完全に脱アセチル化することを特徴とする上記1の製造方法。
【0036】
本発明の製造方法において、R1 が水素、R2 がβ−D−ガラクトピラノシル基である一般式(1)のマルトオリゴ糖誘導体は、対応するR3 がアセチル基、R4 が2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル基である一般式(3)の誘導体から製造される。同様に、R1 がβ−D−ガラクトピラノシル基、R2 が水素である(1)のマルトオリゴ糖誘導体は、対応するR3 が2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル基、R4 がアセチル基である一般式(3)の誘導体から製造される。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明のマルトオリゴ糖誘導体の製造方法に使用される原料(以下、単に、原料糖誘導体という)は、一般式(3)
【0038】
【化19】
Figure 0004197750
【0039】
(式中、Acはアセチル基、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
【0040】
【化20】
Figure 0004197750
【0041】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖の1−ヒドロキシ誘導体である。この原料糖誘導体は対応する一般式(6)
【0042】
【化21】
Figure 0004197750
【0043】
(式中、R1 およびR2 のうち一方は水素を示し、他方は式(2)
【0044】
【化22】
Figure 0004197750
【0045】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体をアセチル化し、その還元末端グルコースの1位のアセチル基のみをハロゲンで置換した一般式(7)
【0046】
【化23】
Figure 0004197750
【0047】
(式中、Acはアセチル基、Xはハロゲン原子、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
【0048】
【化24】
Figure 0004197750
【0049】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表される糖誘導体を、含水アセトンを溶媒とし、炭酸銀を加えて反応させることにより得られる(Methods Carbohydr.Chem.,第1巻(1962年)372〜373頁、またはJ.Am.Chem.Soc.,第66巻(1944年)349〜350頁参照)。
【0050】
この原料糖誘導体と、3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼンとを、縮合させる際に用いられる有機塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの第三級アミンが用いられ、中でも1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの環状ジアミンが特に好ましい。また、反応溶媒として用いられる非プロトン性極性溶媒は、例えば溶剤ハンドブック(浅原照三ほか編、講談社発行)25頁に記載されているように誘電率15以上、双極子モーメント2.5D以上のものが好適に使用される。例えばジメチルスルホキシド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、スルホラン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、α−トルニトリル(シアン化ベンジル)、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメチルケトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどが挙げられるが、特にジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが望ましい。
【0051】
また、原料糖誘導体1モルに対する3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼンおよび有機塩基の使用量はそれぞれ1〜1.5モル程度で十分である。非プロトン性極性溶媒の使用量については、反応物の攪拌性や経済性を考慮して決めれば良い。反応温度に厳しい制限はないが、好ましくは0〜50℃である。反応は0.5〜24時間で完結する。フェニルグリコシド結合の生成は、理論量の90%前後であり、α−グリコシドとβ−グリコシドの生成比は非プロトン性極性溶媒の種類により異なるが、およそ85:15程度である。反応終了後、反応物をトルエン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、エーテル等の有機溶剤で希釈した後、希酸、希アルカリ、および水で有機層を洗浄し、溶剤を留去すると一般式(5)
【0052】
【化25】
Figure 0004197750
【0053】
(式中、Acはアセチル基、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
【0054】
【化26】
Figure 0004197750
【0055】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表される、ガラクトシルマルトオリゴ糖の全ての水酸基がアセチル基により保護されたグリコシド誘導体(以下、単に、グリコシド誘導体という)が得られる。
【0056】
このグリコシド誘導体よりアセチル基を脱離させる際に用いられる低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられるが特にメタノール、エタノールが好ましい。これらの低級アルコールは単独で用いても良いが、出発原料の溶解性や生成物質の析出性等を考慮に入れ、水や他の有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、テトラヒドロフラン等との混合溶媒として用いても良い。
【0057】
アルカリ触媒として用いられるアンモニアは、濃アンモニア水でもよいが無水のアンモニアがより好ましい。アルカリ金属アルコキシドとしてはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。これらのアルカリ触媒の最適使用量はグリコシド誘導体の種類により異なるが、グリコシド誘導体1モルに対し0.01〜100モル、より好ましくは0.1〜10モル程度である。アルカリ存在下での脱アセチル化反応は室温以下で実施するのが望ましい。反応の終点は例えば薄層クロマトグラフィー等の手段により原料のスポットが消失したことを確かめれば良い。アルカリ存在下での反応が終了した後、生成した部分脱アセチル化物を単離しても良いが、工業的には通常その必要はない。
【0058】
アルカリ存在下での反応が終了したら反応物にプロトン酸を加えアルカリを中和し、さらに所定量のプロトン酸を添加して反応を続ければ良い。中和後、さらに添加するプロトン酸の量はグリコシド誘導体のアセチル基1モルに対し、0.1〜100当量、好ましくは0.5〜50当量である。反応温度は50℃以下が望ましい。
【0059】
プロトン酸としては、塩酸、硫酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、次亜リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。特に硫酸、塩酸が好ましい。
【0060】
反応の終点を薄層クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー等で確認した後、反応液をアンモニア、重曹、酢酸ソーダ等のアルカリで中和し、析出した塩類を除去し、溶媒を留去すると一般式(1)
【0061】
【化27】
Figure 0004197750
【0062】
(式中、R1 およびR2 のうち一方は水素を示し、他方は式(2)
【0063】
【化28】
Figure 0004197750
【0064】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体の粗生成物が得られる。再結晶やカラムクロマトグラフィー等の公知の手段によってさらに精製すれば高純度の目的物が得られる。以下、実施例を挙げさらに具体的に説明する。
【0065】
【実施例】
実施例1
a. O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコピラノース(以下、Gal−G4(17Ac)と略す。)の合成
O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−トリス[O−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−D−グルコピラノース10gおよび無水酢酸ナトリウム3.1gを無水酢酸40mlに懸濁し、135℃で2時間加熱した。反応終了後、トルエン60mlを加え数回水洗した後、溶剤を減圧で留去することにより、標記化合物を白色粉末18.6gとして得た(収率99.9%)。
【0066】
b. O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(以下、Gal−G4(16Ac)OHと略す。)の合成Gal−G4(17Ac)18.6gをジクロロメタン200mlに溶解し、0℃に冷却後、臭化アルミニウム3.2gを加え、2時間攪拌する。反応終了後、数回水洗した後、溶剤を減圧で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;トルエン/酢酸エチル=1/2)により精製することにより、標記化合物を白色粉末11.4gとして得た(収率63.0%)。
【0067】
c. 2−クロロ−4−ニトロフェニル O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシド(以下、Gal−G4(16Ac)αCNPと略す。)の合成
Gal−G4(16Ac)OH11.4gおよび3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼン2.1gをジメチルスルホキシド23mlに溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.8gを加え、室温で一晩攪拌した。反応終了後、トルエン200ml、酢酸エチル50mlを加え、数回水洗した。高速液体クロマトグラフィー分析により求めたこの反応混合物のα:β比は82:18であった。その後、溶剤を減圧で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;トルエン/酢酸エチル=1/1)により精製することにより、標記化合物を淡黄色粉末8.5gとして得た(収率67.4%)。
【0068】
d. 2−クロロ−4−ニトロフェニル O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−トリス[O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)]−α−D−グルコピラノシドの合成
Gal−G4(16Ac)αCNP8.5gにメタノール170ml、25%アンモニア水2.2mlを加え、氷冷下で8時間攪拌した。次いで35%硫酸−メタノール溶液33.2mlを加え室温で一晩攪拌した。反応終了後、25%アンモニア水で中和し、析出した硫酸アンモニウムを濾過により除去した。濾液を減圧濃縮し、残渣をO.D.S.カラムクロマトグラフィー(溶出液;10%アセトニトリル水)により精製することにより、標記化合物を淡黄色粉末3.0gとして得た(収率59.4%)。
【0069】
実施例2
a. 2−クロロ−4−ニトロフェニル O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシド(以下、Gal−G2(10Ac)αCNPと略す。)の合成
実施例1のa、bと同様の方法によって得られるO−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−D−グルコピラノース(以下、Gal−G2(10Ac)OHともいう。)12.9gおよび3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼン3.7gをジメチルスルホキシド20mlに溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン3.2gを加え、室温で数分攪拌した後、一晩放置した。高速液体クロマトグラフィー分析により求めたこの反応混合物のα:β比は82:18であった。反応終了後、反応混合物をジクロロメタン200mlに溶解し、数回水洗した後、溶剤を減圧で留去し、残渣を酢酸エチルを用いて再結晶することにより、標記化合物を白色粉末7.5gとして得た。(収率49.8%、m.p.227℃)
【0070】
b. 2−クロロ−4−ニトロフェニル O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシドの合成
Gal−G2(10Ac)αCNP7.5gをメタノール150mlとクロロホルム60mlの混合溶媒に懸濁し、アンモニア水1.9mlを加え、氷冷下一晩攪拌した。次いで、36%塩酸17.2mlを加え40℃で24時間攪拌した。反応終了後、25%アンモニア水で中和し、析出した塩化アンモニウムを濾過により除去した。濾液を濃縮し、残渣をO.D.S.カラムクロマトグラフィー(溶出液;15%アセトニトリル水)により精製することにより、標記化合物を淡黄色粉末3.0gとして得た(収率65.5%)。
質量分析:660(M+H)(FAB−MASS)
1H−NMR(D2 O、400MHz、図1)、13C−NMR(D2 O、400MHz、図2)、IR(KBr、図3)により標記化合物と同定した。
【0071】
【発明の効果】
本発明によると、α−アミラーゼの活性測定用基質として有用な一般式(1)
【0072】
【化29】
Figure 0004197750
【0073】
(式中、R1 およびR2 のうち一方は水素を示し、他方は式(2)
【0074】
【化30】
Figure 0004197750
【0075】
を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体の新規な製造方法が提供される。本発明の製造方法によれば、あらかじめ非還元性末端グルコースの4位もしくは6位にガラクトース残基がβ結合したマルトオリゴ糖の還元性末端に、2−クロロ−4−ニトロフェニル基をα−結合で収率よく直接導入することができる。また本発明の製造方法は、生成物と未反応原料との分離が容易である。従って、一般式(1)のマルトオリゴ糖誘導体を容易に且つ高収率で得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた2−クロロ−4−ニトロフェニル O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシドの 1H−NMRスペクトル図を示す。
【図2】実施例2で得られた2−クロロ−4−ニトロフェニル O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシドの13C−NMRスペクトル図を示す。
【図3】実施例2で得られた2−クロロ−4−ニトロフェニル O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシドの赤外線吸収スペクトル図(IRチャート)を示す。

Claims (2)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004197750
    (式中、RおよびRのうち一方は水素を示し、他方は式(2)
    Figure 0004197750
    を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体の製造方法であって、一般式(3)
    Figure 0004197750
    (式中、Acはアセチル基、RおよびRのうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
    Figure 0004197750
    を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖の1−ヒドロキシ誘導体と、3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼンとを、誘電率15以上、双極子モーメント2.5D以上の非プロトン性極性溶媒を反応溶媒として、有機塩基の存在下に反応させる工程、および該工程で得られる一般式(5)
    Figure 0004197750
    (式中、Ac、R、Rおよびnは前記と同じである。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖のグリコシド誘導体より、アセチル基を脱離させる工程を含む方法。
  2. 一般式(5)
    Figure 0004197750
    (式中、Acはアセチル基、R3 およびR4 のうち一方はアセチル基を示し、他方は式(4)
    Figure 0004197750
    を示し、nは0または1〜7の整数を示す。)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖のグリコシド誘導体よりアセチル基を脱離させる工程において、低級アルコールを含有する溶媒中で、アンモニア、アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ金属水酸化物から選ばれた一種ないし二種以上のアルカリの存在下で部分的に脱アセチル化し、次いでプロトン酸の存在下で完全に脱アセチル化することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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