JP2006335644A - エンドα−ガラクトサミニダーゼ高感度基質、その製造方法及び利用方法 - Google Patents

エンドα−ガラクトサミニダーゼ高感度基質、その製造方法及び利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質と、その実施容易で高収率な合成方法とを提供する。
【解決手段】 単糖のガラクトサミンであり、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である糖構造体の前記ガラクトサミンの4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成する反応用原料準備ステップと、上記の反応用原料準備ステップで得られた反応用原料に対してアゾジカルボン酸ジエチル及びトリフェニルホスフィンを反応させた後、トルエン溶媒中、還流下で攪拌と言う条件下で求核剤としての4-メチルウンベリフェロンを反応させる光延反応ステップとを含む、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法。
【選択図】 図3

Description

本発明はエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法、及びエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法に関する。
エンドα- ガラクトサミニダーゼは、微生物界で乳酸菌、肺炎双球菌、クロストリジウム属細菌等の広範囲な起源を持つグリコシダーゼである。この酵素は、ムチン型糖タンパク質におけるβ -D-ガラクトース-(1-3)- α-N- アセチル-D-
ガラクトサミン等のT−抗原とセリン残基又はスレオニン残基との間のO−グリコシド型のα結合を加水分解する。
現在、エンドα- ガラクトサミニダーゼの糖転移反応等への応用が展開されているが、その精製等を有効に行うための高感度基質が提供されていない、と言う問題がある。従来は、そのような目的の基質として、一般的に、単糖のガラクトサミン又は二糖体等の還元末端を構成しているガラクトサミンをα -p-ニトロフェニル(PNP )化した蛍光基質が使用されているが、加水分解された PNPの蛍光強度が弱いために、感度が不十分であった。
そこで、例えば未知の起源の新規なエンドα- ガラクトサミニダーゼ(とりわけ、エンド−α-N- アセチルガラクトサミニダーゼ)を発見・単離したり、それらを応用した糖転移反応の研究開発を発展させたりする目的のため、より高感度の基質が求められている。
そのような点からは、4-メチルウンベリフェロン(4MU )が、蛍光強度が高く、非常に微量でも容易に蛍光測定できるので、極めて好適である。しかしながら、一般的に、4MU のようなアリール構造体をα−選択的にグリコシル化することは容易ではない。しかも、酵素がエンド -α-N- アセチルガラクトサミニダーゼである場合、その基質は、アリール N- アセチル- α-D- ガラクトサミニドのようなアリール 1,2- シス−グリコサミニドであるが、このような基質の合成は、N-アセチル基の干渉のために、非常に困難である。
Szweda, R., Spohr, U., Lemieux, R. U., SchindlerBishop, D. F., Desnick, R. J., "Synthesis of 4-methylumbelliferylglycosides for the detection of α- and β-D-galactopyranosaminidases"Can. J. Chem., 1989, 67, 1388-1391 上記の非特許文献1において Szweda らは、N-アセチルガラクトサミンを4-メチルウンベリフェリル化したものの合成例を報告している。彼らは、3,4,6-トリ-O- アセチル-2- アジド-2- デオキシ- β-D- ガラクトピラノシル- クロライドと、4MU とを、銀トリフラート-sym- コリジン複合体の存在下に縮合させる方法を行っている。
しかし、上記のような隣接基関与を発現しない2アジド糖の準備は手間のかかるプロセスを必要とする。又、実施例で後述するように、本願発明者が Szweda
らの合成方法を追試したところ、目的物の収率は低く、しかも、目的物たる4MU
のα-N- アセチルガラクトシドと Rf 値が近似した副産物を多く生成し、目的物と副産物との分離が容易ではなかった。
更に、 Szweda らは単糖たるN-アセチルガラクトサミンを4MU 化したものであり、T−抗原等の生理活性物質として重要な2糖類のアリール化ではない。
本発明は、4MU のα- ガラクトサミニドであるエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質を提供すること、特に、ガラクトサミンが還元末端を構成しているオリゴ糖型の高感度基質や、アリール N- アセチル- α-D- ガラクトサミニドのようなアリール 1,2- シス−グリコサミニドである高感度基質を提供すること、及び、これらの高収率で実施が容易な製造方法とを提供することを、解決すべき技術的課題とする。
本願発明者らは、このような技術的課題を解決するために、本願発明者らが最近開発した、ジ−(t−ブチル)−シリレン基〔DTBS基〕を利用する高度にα−選択的なグリコシル化方法(特願2003−144622号参照)と、公知の光延反応( Mitsunobu反応)とを組合わせて応用することを考えた。
その結果、 Szweda らの合成方法とは異なり、上記各種のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質を容易かつ高収率に合成することに成功し、しかもその合成プロセスが予測外の反応経路を伴うと言う新規な知見を得て、本願発明を完成した。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、単糖のガラクトサミンであり、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である糖構造体において、その糖構造体の前記ガラクトサミンに対してα-(1-7)グリコシド結合により4-メチルウンベリフェロンが結合している、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質である。
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る糖構造体がガラクトシルβ(1-3)-N-アセチルガラクトサミンである、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質である。
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る糖構造体のガラクトサミンが、その4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成したシリルアセタール構造誘導体である、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質である。
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、少なくとも以下の(1)及び(2)のステップを含む、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法である。
(1)単糖のガラクトサミンであり、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である糖構造体において、その糖構造体の前記ガラクトサミンの4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成する反応用原料準備ステップ。
(2)上記の反応用原料準備ステップで得られた反応用原料に対してアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)及びトリフェニルホスフィン(PhP)を反応させた後、トルエン溶媒中、還流下で攪拌と言う条件下で求核剤としての4-メチルウンベリフェロンを反応させる光延反応ステップ。
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第4発明に係る糖構造体がエンド -α-N- アセチルガラクトサミンである、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法である。
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、前記第4発明又は第5発明に係る光延反応ステップにおいて、光延反応がS1型のグリコシル化経路を経由するものである、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法である。
(第7発明の構成)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、前記第4発明〜第6発明のいずれかに係る反応用原料準備ステップで形成するシリルアセタール構造の保護基が、ジ-(t-ブチル) シリレン基(DTBS基)である、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法である。
(第8発明の構成)
上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、第1発明〜第3発明のいずれかに係るα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質を、任意の目的のために、エンド -α- ガラクトサミニダーゼの基質又はリガンドとして用いる、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法である。
(第9発明の構成)
上記課題を解決するための本願第9発明の構成は、前記第8発明に係るα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の使用が、未知の起源の新規エンド -α- ガラクトサミニダーゼの探索を目的とするものである、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法である。
(第1発明の効果)
本願発明者らは、独自の方法により、アリール化合物である4-メチルウンベリフェロン(4MU )を、高度にα−選択的に、かつ高収率でガラクトシド化することに成功した。このエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質においては、エンドα- ガラクトサミニダーゼにより加水分解されて分離される4MU の蛍光強度が高く、非常に微量でも容易に蛍光測定できる。そのため、例えば未知の起源の新規なエンドα- ガラクトサミニダーゼの発見・単離、あるいはそれらを応用した糖転移反応の研究開発の発展等の目的に非常に好適に利用できる。
特に、ガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖のガラクトサミンを4MU 化した高感度基質は、前記の非特許文献1で報告された単糖ガラクトサミンの4MU 化ではなく、生理活性物質たるT−抗原(β -D-ガラクトース-(1-3)- α-N- アセチル-D- ガラクトサミン)等を包含するオリゴ糖の4MU 化である。従って、例えば癌の発見・診断法を開発すること等をテーマとする研究・開発において、重要な意義を有する。
(第2発明の効果)
第2発明に係る高感度基質は、その糖構造体がガラクトシルβ(1-3)-N-アセチルガラクトサミンであり、エンドα- ガラクトサミニダーゼの内でも特に重要なエンド -α-N- アセチルガラクトサミニダーゼの高感度基質として利用できるものである。しかもこの種の4MU 化高感度基質は、前記したように、従来はN-アセチル基の干渉のために合成が困難であるとされてきたものであり、第2発明に係る高感度基質が提供されたことの技術的意義は大きい。
(第3発明の効果)
第3発明に係る高感度基質は、本来的に、第4発明の合成方法において生成する4MU 化ガラクトサミニド誘導体であるが、その水溶性に難点があるとは言え、その点を例えば適切な界面活性剤との併用等の適宜な手段で解決することができれば、有効なエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質として利用できる可能性がある。そして、この高感度基質は、前記の Szweda らが合成したエンドα-
ガラクトサミニダーゼ用の 4MU化高感度基質からは、全く想定することができない化学構造を持つ基質である。
(第4発明の効果)
第4発明は、ジ−(t−ブチル)−シリレン基〔DTBS基〕を利用する高度にα−選択的なグリコシル化方法と、いわゆる光延反応( Mitsunobu反応)とを、エンドα- ガラクトサミニダーゼ用の 4MU化高感度基質の合成のために巧妙に組み合わせて応用したものである。DTBS基を利用するα−選択的グリコシル化方法は特願2003−144622号を基礎出願とする国際特許出願PCT/JP2004/007155に開示され、光延反応については下記の「非特許文献2」に開示されているが、後述する「発明を実施するための最良の形態」欄においてもこれらの内容を具体的に述べる。
Oyo Mitsunobu, "The Use of Diethyl Azodicarboxylateand Triphenylphosphine in Synthesis and Transformation of NaturalProducts", Synthesis, 1-28, 1981 第4発明によって、α- ガラクトサミニダーゼ高感度基質としてのα -4MU 化ガラクトサミニドの合成に関する従来の諸問題を、以下のa)〜c)に順次述べるように、解決した。
a)第4発明の(1)のステップに起因するメリットとして、アリール 1,2-
シス- グリコサミニドである 4MU-1,2- シス- ガラクトサミニドを、N-アセチル基の干渉を生じることなく合成できる。
b)第4発明の合成方法は前記 Szweda らの方法のように2アジド糖のような準備に手間のかかる化合物を利用しないし、実施例で後述するように Szweda らの方法に比較して目的物の収率が著しく高く、しかも目的物との分離が困難な多量の副産物を生成しない。
c) Szweda らとは異なり、単糖たるガラクトース又はN-アセチルガラクトースを4MU 化したものも、オリゴ糖の還元末端たるガラクトース又はN-アセチルガラクトースを4MU 化したものも合成している。
本願発明者は、上記国際特許出願PCT/JP2004/007155に開示したDTBS基を利用するα−選択的グリコシル化方法に加え、本願発明の目的が、アリール化合物を水酸基に導入するものであると言う面、及びアリール化合物をアクセプターとしたグリコシル化方法であると言う面を考慮して、第4発明の合成方法を開発したものである。
(第5発明の効果)
前記したように、第4発明に係るエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法においては、アリール 1,2- シス−グリコサミニドを、N-アセチル基の干渉を特段に生じることなく合成できる。従ってこの合成方法は、第5発明のように糖構造体がエンド -α-N- アセチルガラクトサミンである場合に特に好ましく適用することができる。
(第6発明の効果)
前記第4発明に係る光延反応ステップにおいては、光延反応がS1型のグリコシル化経路を経由するものであることが判明した。一般的に、光延反応は立体構造(α/β)の転換を伴うと考えられている。しかし本発明の合成方法においては、第4発明の(1)のステップにおけるシリルアセタール構造の保護基形成が契機となって、原料系のα型糖構造体がα型を維持して 4MU化される、と言うユニークな知見が得られた。
(第7発明の効果)
前記第4発明に係る反応用原料準備ステップで形成する保護基は、シリルアセタール構造の保護基である限りにおいて限定されないが、ジ-(t-ブチル) シリレン基(DTBS基)が特に好ましい。
(第8発明の効果)
第1発明〜第3発明に係るα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質は任意の目的及び用途に利用することができるが、例えば、エンド -α-N- アセチルガラクトサミニダーゼを含む各種のエンド -α- ガラクトサミニダーゼの基質又はリガンドとして用いることが好ましい。
(第9発明の効果)
上記第8発明のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法において、その重要な利用形態の一つとして、第9発明のように、未知の起源の新規エンド -α- ガラクトサミニダーゼの探索を目的とするものが例示される。
次に、本願の第1発明〜第9発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。以下において、単に「本発明」と言う時は、関連する各発明を一括して指している。
〔エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質〕
本発明のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質は、所定の糖構造体のガラクトサミンに対して、α-(1-7)グリコシド結合により下記の「化1」に構造式を示す蛍光物質4-メチルウンベリフェロン( 4MU)が結合したものである。これらの高感度基質は、エンドα- ガラクトサミニダーゼの作用により加水分解されたとき、 4MUが分離されて強い蛍光強度を示すので、エンドα- ガラクトサミニダーゼの探索や精製のために極めて好適である。
Figure 2006335644
上記の「所定の糖構造体」とは、単糖のガラクトサミン、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖を言う。エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質には、その高感度基質としての機能を阻害しない限りにおいて、上記の糖構造体又は 4MUの任意の位置に任意の置換基、及び/又は、修飾基が導入されたものも含まれる。
エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の代表的な例として、糖構造体がガラクトースの二糖体である、ガラクトシルβ(1-3)-ガラクトサミンが挙げられる。又、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質における糖構造体が単糖のN-アセチルガラクトサミンであり、又はN-アセチルガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である場合も代表的に例示される。
とりわけ、前記第2発明に示すように、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の糖構造体が二糖体であって、その還元末端がN-アセチルガラクトサミンであるようなガラクトシルβ(1-3)-N-アセチルガラクトサミンである場合(下記の「化2」にその構造式を示す)が、代表的に例示される。このエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質は、いわゆるT−抗原をα- 4MU 化したもので、エンド−α-N- アセチルガラクトサミニダーゼの基質となるものであって、非常に有用性が高い。
Figure 2006335644
他にも、例えば下記の「化3」に示すように、糖構造体のガラクトサミンが、その4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成したシリルアセタール構造誘導体であるようなエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質も例示される。「Ac」はアセチル基を示し、、「TrocHN」は 2,2,2-
トリクロロエトキシカルボニル基(Troc基)で保護されたアミノ基を示す。但し、「 AcO」は水酸基であっても良いし「TrocHN」はアミノ基であっても良い。
Figure 2006335644
〔エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法〕
本発明に係るエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法は、少なくとも以下に述べる反応用原料準備ステップと光延反応ステップとを含む。
反応用原料準備ステップは、単糖のガラクトサミンであり、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である糖構造体において、その糖構造体の前記ガラクトサミンの4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成するステップである。なお、このステップでは、後述するように、4位と6位の水酸基以外の一定の反応性官能基を予め保護基修飾したり、α- グリコシル結合の形成に備えてガラクトサミンの1位の炭素を活性基で修飾する(例えば、1位の炭素を塩素化する)ことも好ましい。
このステップで用いる糖構造体は、上記の規定に該当する限りにおいて限定されないが、例えば、ガラクトサミン、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトシルβ(1-3)-ガラクトサミン、ガラクトシルβ(1-3)-N-アセチルガラクトサミン等が上げられる。一方、環状に形成するシリルアセタール構造の保護基の種類は限定されないが、ジ-(t-ブチル) シリレン基(DTBS基)が特に好ましい。
光延反応ステップは、反応用原料準備ステップで得られた反応用原料に対し、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)及びトリフェニルホスフィン(PhP)を反応させた後、トルエン溶媒中、還流下で攪拌と言う条件下で求核剤としての4-メチルウンベリフェロン( 4MU)を反応させるステップである。後述のように、求核剤として 4MUを用いるこの反応では、前記反応用原料準備ステップにおけるシリルアセタール構造の保護基形成(例えばDTBS基による保護)が契機となって、光延反応がS1型のグリコシル化経路を経由し、α−グリコシドである反応用原料が、α型を維持したままで、 4MU化される。
〔本発明におけるα−選択的グリコシル化方法〕
国際特許出願PCT/JP2004/007155に開示したように、上記の反応用原料準備ステップにおいて糖構造体のガラクトサミンの4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成すると、ドナーとしての糖構造体とアクセプター化合物としての 4MUとの間で、選択的なα-(1-7)グリコシド結合を形成させることができる。
例えば、このα−選択的グリコシル化反応方法は、糖構造体におけるN-アセチルアミノ基のグリコシル化反応への干渉を受けない。そして、同じ観点から提案されてきた従来技術、例えば2−アジド誘導体を利用する方法に比較して極めて簡便な方法である。
糖構造体にシリルアセタール構造の保護基を形成するに当たり、4位と6位の水酸基以外の一定の反応性官能基を予め保護基修飾することが好ましい。予め保護基修飾すべき反応性官能基の種類及び糖構造体における位置は限定されず、必要に応じて適宜に保護基修飾を行えば良いが、糖構造体の2位のアミノ基又は水酸基、3位の水酸基に対する保護基修飾を代表的に例示することができる。
2位のアミノ基に対する保護基としては、例えばアセチル基、トリハロアセチル基、レブリノイル基、フタロイル基、Troc基(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基)等のアシル系保護基全般を挙げることができる。2位の水酸基に対する保護基としては、アセチル基、モノハロアセチル基、ジハロアセチル基、レブリノイル基、ベンゾイル基、ピバロイル基等のアシル系保護基全般を挙げることができる。3位の水酸基に対する保護基としては、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基等のアシル系保護基の他、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、アリール基等のエーテル系保護基を挙げることができる。
上記の各種保護基の内、2位のアミノ基又は水酸基に対する保護基の多くは、通常のグリコシル化反応においては強い隣接基関与を示し、α−選択的なグリコシル化反応に対しては重大な障害になるものであるが、このα−選択的グリコシル化反応方法においては、そのような懸念がない。
〔本発明における光延反応〕
前記の非特許文献2に示された光延反応( Mitsunobu反応)と呼ばれるものは、一般的に、下記の「化4」に簡単に示すように、光学活性第二級アルコールにアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)及びトリフェニルホスフィン(PhP)を反応させた後に安息香酸を反応させると、立体反転を伴って、対応するベンゾイルオキシ誘導体が生成し、これをアルカリ加水分解することにより対応する立体反転したアルコールを得る方法である。
Figure 2006335644
しかし本発明においては、光延反応ステップは、反応用原料準備ステップで得られた反応用原料に対し、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)及びトリフェニルホスフィン(PhP)を反応させた後、トルエン溶媒中、還流下で攪拌と言う条件下で求核剤としての 4MUを反応させることにより、光延反応がS1型のグリコシル化経路を経由し、α−グリコシドである反応用原料が、α型を維持したままで 4MU化される。その反応のメカニズムは、実施例において詳しく述べる。
〔エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法〕
本発明に係るエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質は、強い蛍光強度を示す 4MUをα−グリコシド結合しているので、エンド -α- ガラクトサミニダーゼの基質又はリガンドとして任意の目的のために使用できる。例えば、未知の起源の新規エンド -α- ガラクトサミニダーゼの探索のために使用できるし、その精製等を有効に行うためにも使用できる。従って、エンドα- ガラクトサミニダーゼの糖転移反応等への応用を展開する上で、非常に有用である。
又、この高感度基質における糖構造体部分がβ -D-ガラクトース-(1-3)- α-N- アセチル-D- ガラクトサミン等のT−抗原である場合、その生理作用等の研究にも極めて有用である。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。本発明の技術的範囲が、この実施例によって限定されないことは言うまでもない。
〔実施例の概要〕
本願発明者らは、 DTBS 効果を利用して、本発明に係るエンド -α- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の、高収率かつ実施容易な合成方法の開発に成功した。ここに、「 DTBS 効果」とは、「ジ-(t-ブチル)-シリレン基( DTBS 基)効果」の意味であって、糖構造体のガラクトサミンの4位と6位の水酸基にわたって、ジ-(t-ブチル)-シリレン基のようなシリルアセタール構造の保護基を環状に形成することにより、ドナーとしての糖構造体と、アクセプター化合物としての 4MUとの間で選択的にα -グリコシド結合を形成させることができる効果を言う。
得られたエンド -α- ガラクトサミニダーゼ高感度基質は、酵素研究、即ち未知のエンド -α-N- アセチルガラクトサミニダーゼ探索の有用な手段となる。又、このような合成方法を開発する過程で、光延反応条件下において、糖構造体の 4MU化がトリクロロエトキシオキサゾール中間体を経由すると言う興味深い反応経路を取ることを見出した。このことは、S2型ではなくS1型のグリコシル化を経由することを意味すると考えられる。
周知のように、「S1型のグリコシル化」とは、「脱離基が脱離した後に生じるオキソカルベニウムイオンに求核剤としてアクセプターが攻撃すると言う経路を通って進行し、一次の反応速度を示すグリコシル化」を意味している。又、「S2型のグリコシル化」とは、「脱離基が脱離すると同時に求核剤であるアクセプターが攻撃することによって立体反転を伴って進行し、二次の反応速度を示すグリコシル化」を意味している。
〔実施例1:シリルアセタール構造を持つガラクトース2糖体の調製〕
図1に示すようにして、化合物(7)を調製した。即ち、2-アミノ-2- デオキシ-D- ガラクトサミン(2)から始まる4段階のステップにより、2位のアミノ基をTroc基で保護したチオグリコシド(3)を予め調製した。
上記の「4段階のステップ」は、簡単に述べると以下の各ステップである。
(イ)炭酸水素ナトリウム水溶液中で 2, 2, 2- トリクロロエトキシカルボニルクロライドを作用させることによりアミノ基をTroc基で保護するステップ。
(ロ)無水酢酸、ピリジンを用いて1,3,4,6位の水酸基をアセチル基で保護するステップ。
(ハ)チオフェノール、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を用いて1位のアセチル基をチオフェニルグリコシドに変換するステップ。
(ニ)メタノール中でナトリウムメチラートを作用させることによって3,4,6位のアセチル基を脱保護するステップ。
次に、上記の化合物(3)を、ピリジン中、 DTBS(OTf)〔ジ-(t-ブチル)-シリル ビストリフレート〕で処理することにより、4位と6位の水酸基にわたって酸素を介してジ-(t-ブチル)-シリレン基の環状構造が形成された糖アクセプター(4)を、良好な収率で得た。
続いて、この糖アクセプター(4)をトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸の存在下に、 1,2,3,4,6- ペンタ-O- アセチル- β-D- ガラクトピラノシド(5)とのグリコシル化反応に供し、64%の収率で2糖体(6)を得た。そして、この2糖体(6)を (CH)CO / HO(5/1, v/v)中で NBS(N−ブロモスクシンイミド)でヘミアセタール化し、 DTBS 効果によって立体選択的にαアノマーたるヘミアセタール(7)を得た。このヘミアセタール(7)に対してVilsmeier 試薬を用い、還元末端のガラクトサミン構造体におけるα−水酸基を塩素化して、対応するクロライド(8)に変換した。
〔比較例1: Szweda らの方法による目的物の合成〕
目的とする化合物は、前記「化3」に示す化合物であり、それは Szweda らの従来技術でも得ることができると思われるので、下記の「化5」に示すように、銀トリフラート -γ- コリジン複合体の存在下でのα- クロライド(8)と市販の 4-MU との反応により、目的とするα -グリコシド(10)を得た。
Figure 2006335644
しかし、この反応ではα -グリコシド(10)の収率は24%で、かなり低かった。又、加水分解の結果物としてのヘミアセタール(7)が主な副産物として生成し、目的物たるα -グリコシド(10)と副産物たるヘミアセタール(7)とのシリカゲルクロマトグラフィーによる分離は、両者の Rf 値が近似しているため、かなり困難であった。更に、対応する 4-MU のβ−グリコシドは単離されなかった。この結果は、α -グリコシド(10)の合成反応が DTBS 効果によってα−選択的に進行したこと、しかしS1型反応経路を通らなかったことを示している。
〔実施例3: DTBS 効果を利用した光延反応〕
従来より、アリールグリコシル化に光延反応を適用する試みが多くなされており、本願発明者らも、より有効な 4MU化の手段を見出すため、光延反応を試みた。即ち、下記の表1に示すように、前記クロライド(8)を種々の条件下で光延反応に供した。
Figure 2006335644
表1において、TPP はトリフェニルホスフィンを、DEADはアゾジカルボン酸ジエチルをそれぞれ示し、「 TPP/DEAD[eq.]」の欄は使用したTPP とDEADの当量比を示す。又「 4-MU[eq.]」の欄は使用した4-MUの当量比を示す。「Solvent 」の欄は使用した溶媒の種類を示し、右端の「Yield 」の欄には、得られた 4-MU-グリコシドのαアノマー:βアノマーの収量比を百分比で示す。なお、Entry 1〜3は、いずれも還流下で光延反応を行った。
表1において、例えば、Entry 1で溶剤として THF(テトラヒドロフラン)を用いた場合、目的とするα−グリコシド(10)が47%の収率で得られたが、この結果は本願発明者らにとっても予測外のことであった。即ち、光延反応は、種々の求核剤のアルコールによって、立体構造(α/β)の転換を伴うアルキル化を行う、応用範囲の広い方法であることが知られている。それにも関わらず、α−グリコシルアルコールの誘導体であるクロライド(8)から立体構造が転換していないα -グリコシド(10)が優勢に得られた。立体構造の転換によって生成されるβ−グリコシドは、Entry 1において、僅かに5%得られただけであった。立体構造に関する根拠はH−NMRデータに基づいているが、その詳細なデータの提示は省略する。
一方、表1のEntry 2のように、トルエンを溶剤とすることにより、α−グリコシド(10)の収率を74%に向上させることができた。更に、Entry 3のように、 4MUの使用量を多くすることによって、α−グリコシド(10)の収率を80%まで向上させることができた。これらの結果は、トリクロロエトキシオキサゾールの開環には高い反応温度と多量のプロトンが必要であることを示唆している。
因みに、光延反応における反応温度の設定は使用する基質によって様々であるが、この実施例の反応においては、Entry 1では溶剤として THFを使用したので反応温度は66°Cとし、Entry 2、3では、111°Cとした。下記のように、反応温度がより低温であるEntry 1においては反応中間体であるトリクロロエトキシオキサゾールが残存し、反応温度がより高温であるEntry 2、3ではトリクロロエトキシオキサゾールの残存が確認されなかったことから、高い反応温度の必要性が示唆された。
〔実施例4:反応メカニズムの推定〕
Entry 1等ではトリクロロエトキシオキサゾール誘導体が単離されるが、これと 4MUとの反応は、「トリクロロエトキシオキサゾールが、グリコシル化反応の中間生成物である」とのストーリーで説明できると考えられる。即ち、図2に示すように、トリクロロエトキシオキサゾール誘導体(図2の化合物9)と 4MUとの混合物は、トルエン中、還流下でアクチベーターなしにカップリング反応し、目的とするα−グリコシド(10)が高いα選択性を以て得られると共に、βーアイソマーの収率は非常に低い。この結果は、このグリコシル化反応がトリクロロエトキシオキサゾールを中間生成物として進行すること、及び、 4MUがオキサゾール環の開裂のためのプロトン給源であることを証明している。
上記のように、光延反応条件で、主な副産物としてトリクロロエトキシオキサゾール誘導体(9)が得られる。反応過程を薄層クロマトグラフィーでモニタリングすると、この副産物が減少するにつれて、代わりにグリコシドが増加する。このことは、この副産物がグリコシル化反応の中間生成物であり、反応が光延反応の典型的なS2型反応経路を経由せずに進行することを示唆している。
以上の点を考慮すると、図3に示す反応メカニズムが推定される。即ち、まず第1に光延反応によりトリフェニルホスフィンオキサイド(PhP=O)が排除されて、トリクロロエトキシオキサゾール誘導体(9)が生成する。第2に、高い反応温度と 4MUからのプロトン供給により、トリクロロエトキシオキサゾール誘導体(9)のオキサゾール環が開裂し、遊離のオキソカルベニウムイオンが生成する(図3中、「the oxocarbenium ion stage」と表記する段階)。次に、4位の炭素におけるアキシャル配向の陰性置換基から、オキソカルベニウムイオンへの強い空間透過的な電子供与( "through-space" electron donation)が、オキソカルベニウム種を安定化させる。
Milijkovic ら(Journal of Organic Chemistry, 1997)によれば、電子リッチなアキシャル配向基は、電子が不足するカチオンに電子を供給することができる。更に Milijkovic らは、アキシャル酸素原子と、対応するオキソカルベニウムイオンとの原子間距離は、アキシャル置換基が電子供与基である場合には小さくなると報告している。
その結果として、 DTBS 基の2つの t- ブチル基がアノマー炭素原子に接近し、 DTBS 基からオキソカルベニウム種へ直接の電子供与が行われることもあるかも知れない。オキソカルベニウム種の強い安定化がS1型のグリコシル化経路に導くと考えられる。そして、アノマー位置に接近した嵩高い t- ブチル基が、求核剤としての 4MNのβ側からの攻撃を障害し、α側からの求核攻撃を優勢にするのである。
〔実施例5:エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の取得〕
前記クロライド(8)(40mg, 48.4μmol )、4MU (68mg, 387 μmol )、トリフェニルホスフィン(16mg, 63.0μmol )及びジエチルアゾカルボキシレート(28.0μL, 63.0 μmol )の無水トルエン(4.3mL )溶液を、環流下で10時間加熱した。次に反応液を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をトリクロロメタンで希釈し、続いて NaHCOで洗浄し、brine (飽和塩化ナトリウム水溶液)し、乾燥して濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(1:1 EtOAc-Hexane)で精製し、α−グリコシド(10)を得た(38mg, 80%)。同時に、α−グリコシド(10)に対応する非晶質のβアノマーが 4mg(9 %)得られた。
最後に、図4に示すように、前記のα−グリコシド(10)から図示のa〜cの3ステップを経由してシリルアセタール構造の環状保護基やその他の保護基を外し、α -(1-7) グリコシド結合で4MU 化されたガラクトシルβ(1-3)-N-アセチルガラクトサミン(以下、「 4MU-T-antigen」と言う)を得た。
即ち、図の下半部に「a→b」として示すように、 Zn の作用による Troc 保護基の脱保護と、これに続くアセトアミド化で、化合物(11)が89%の収率で生成された。次に、図の下半部に「b→c」として示すように TBAHF試薬により 4,6-O-DTBS 基が除去され、全ての水酸基がアセチル化された 4MU-T-antigen(12)が95%の収率で得られた。この完全保護体の 4MU-T-antigen(12)を常法に従い脱アセチル化して、遊離の 4MU-T-antigen(1)を得た。
本発明によって、エンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質と、その実施容易で高収率な合成方法とが提供される。本発明は、未知の起源の各種エンドα-
ガラクトサミニダーゼの発見・単離や、それらを応用した糖転移反応の研究開発の発展等に貢献する。
実施例における反応プロセスを示す図である。
実施例における反応プロセスを示す図である。
実施例における反応メカニズムの推定を示す図である。
実施例における反応プロセスを示す図である。

Claims (9)

  1. 単糖のガラクトサミンであり、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である糖構造体において、その糖構造体の前記ガラクトサミンに対してα-(1-7)グリコシド結合により4-メチルウンベリフェロンが結合していることを特徴とするエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質。
  2. 前記糖構造体が、ガラクトシルβ(1-3)-N-アセチルガラクトサミンであることを特徴とする請求項1に記載のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質。
  3. 前記糖構造体のガラクトサミンが、その4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成したシリルアセタール構造誘導体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質
  4. 少なくとも以下の(1)及び(2)のステップを含むことを特徴とするエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法。
    (1)単糖のガラクトサミンであり、又はガラクトサミンが還元末端を構成している二糖体以上のオリゴ糖である糖構造体において、その糖構造体の前記ガラクトサミンの4位と6位の水酸基にわたってシリルアセタール構造の保護基を環状に形成する反応用原料準備ステップ。
    (2)上記の反応用原料準備ステップで得られた反応用原料に対してアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)及びトリフェニルホスフィン(PhP)を反応させた後、トルエン溶媒中、還流下で攪拌と言う条件下で求核剤としての4-メチルウンベリフェロンを反応させる光延反応ステップ。
  5. 前記糖構造体が、エンド -α-N- アセチルガラクトサミンであることを特徴とする請求項4に記載のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法。
  6. 前記光延反応ステップにおいて、光延反応がS1型のグリコシル化経路を経由するものであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法。
  7. 前記反応用原料準備ステップで形成するシリルアセタール構造の保護基がジ-(t-ブチル) シリレン基(DTBS基)であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の合成方法。
  8. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質を、任意の目的のために、エンド -α- ガラクトサミニダーゼの基質又はリガンドとして用いることを特徴とするエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法。
  9. 前記α- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の使用が、未知の起源の新規エンド -α- ガラクトサミニダーゼの探索を目的とするものであることを特徴とする請求項8に記載のエンドα- ガラクトサミニダーゼ高感度基質の利用方法。


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