JPH11269162A - アリール−c−グリコシド誘導体 - Google Patents

アリール−c−グリコシド誘導体

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JPH11269162A
JPH11269162A JP10090936A JP9093698A JPH11269162A JP H11269162 A JPH11269162 A JP H11269162A JP 10090936 A JP10090936 A JP 10090936A JP 9093698 A JP9093698 A JP 9093698A JP H11269162 A JPH11269162 A JP H11269162A
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JP
Japan
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compound
group
aryl
oxy
fucosyl
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JP10090936A
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English (en)
Inventor
Masanori Ito
昌典 伊藤
Naoshi Imazaki
尚士 今▲崎▼
Hiroshi Miyauchi
浩 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セレクチン阻害作用を有する新規なアリー
ル−C−グリコシド誘導体の提供。 【解決手段】 一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子、水酸基、またはC1−C4アル
コキシ基であり、R2は−CO2H基、−CH(CO2H)2
基、−SO3H基、または−OSO3H基であり、R3
水素原子、C1−C4アルキル基、水酸基、C1−C4アル
コキシ基、カルボキシル基、ω−カルボキシ(C1
8)直鎖アルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基
である。R4およびR5はそれぞれ水素原子であるか、あ
るいは一緒になって置換基R6を有してもよい六員環芳
香族炭化水素基を形成する。R6はC1−C4アルキル
基、水酸基、C1−C4アルコキシ基、カルボキシル基、
ω−カルボキシ(C1−C8)直鎖アルキル基、ハロゲン
原子、またはニトロ基である。そして、nは2ないし8
の整数である。]で表わされるアリール−C−グリコシ
ド誘導体またはその薬学上許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炎症、虚血再灌流
障害、自己免疫疾患あるいは癌転移等の原因物質として
知られているルイスXおよびシアリルルイスX糖鎖の誘
導体に関する。更に詳しくは、本発明は、ルイスXおよ
びシアリルルイスX糖鎖におけるフコシル基を、それと
等価な水酸基の立体配置を有するC−グリコシル基に置
換し、さらに残りの構造を芳香族炭化水素基を含む基で
置換したアリール−C−グリコシド誘導体に関する。か
かる誘導体は、セレクチン阻害作用を有し、これらの疾
患の治療、改善および予防を目的とする医薬組成物とし
て有用である。
【0002】
【従来の技術】血管内皮細胞に発現する好中球接着分子
であるE−セレクチン、血管内皮細胞および血小板に発
現する好中球接着分子であるP−セレクチン、およびリ
ンパ球のホーミングレセプターであるL−セレクチン
は、ルイスXおよびシアリルルイスX糖鎖構造をリガン
ドとして認識することが知られている(諸岡ら, 造血因
子, 6(1), 17-26 (1994))。セレクチンと糖鎖リガンド
との結合に始まる血管内皮細胞と好中球との細胞接着
は、好中球の血管外への漏洩に重要な役割を演じている
ことから、かかる細胞接着を阻害する物質は、好中球の
関与する様々な炎症性疾患等の治療、改善および予防へ
の効果が期待されている(東條ら, 細胞, 29(2,), 17-
21 (1997))。近年、セレクチン阻害剤としてのシアリ
ルルイスX糖鎖誘導体の研究が精力的に展開され、種々
のインビボ病態モデルにおいて炎症性の障害を改善する
ことが明らかとなってきた(東條, 動脈硬化, 24(12),
797-804(1997))。これに伴い、シアリルルイスX糖鎖
の一部非糖化による低分子セレクチン阻害剤の研究も盛
んに行われるようになってきた(例えば、Glycomed, WO
95/31205、Hoechst, EP 671409、Texas Biotechnolog
y, WO 95/29681 など)。
【0003】しかしながら、これらの化合物の多くはな
お1ないし2つのO−グリコシド結合を有している故、
酸性条件下での化学的安定性に問題を有している。上記
の総説には、セレクチン阻害剤を急性疾患のみならず慢
性疾患へ適用できる可能性が報告されており、かかる目
的のために、経口投与が可能な、すなわち経口投与下で
も生体内安定性が良好でかつ吸収性の良い低分子セレク
チン阻害剤の開発が待望されている。 このような状況
下、O−グリコシド結合を化学的安定性がより優れると
考えられるC−グリコシド結合に置換した誘導体が研究
され始めたが(Glycomed, WO 95/04751, WO 96/05209,
WO 96/36627, WO 97/30984, WO 97/31006、Hoechst, EP
761661, DE 19537334、Sandoz, WO 96/29339)、いま
だ優れた化合物は見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、化学
的安定性が良好で静注のみならず経口投与も可能であ
り、炎症、虚血再灌流障害、自己免疫疾患あるいは癌転
移等の疾患の治療、改善および予防を目的とする医薬組
成物として有用である低分子セレクチン阻害剤を提供す
ることである。。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するためにO−グリコシド構造を有さない新規化
合物について鋭意検討し、本発明のアリール−C−グリ
コシド誘導体が各種セレクチンとリガンドとの結合を強
く阻害することを見出して、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】本発明は、一般式
【化2】 [式中、R1は水素原子、水酸基、またはC1−C4アル
コキシ基であり、R2は−CO2H基、−CH(CO2H)2
基、−SO3H基、または−OSO3H基であり、R3
水素原子、C1−C4アルキル基、水酸基、C1−C4アル
コキシ基、カルボキシル基、ω−カルボキシ(C1
8)直鎖アルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基
である。R4およびR5はそれぞれ水素原子であるか、あ
るいは一緒になって置換基R6を有してもよい六員環芳
香族炭化水素基を形成する。R6はC1−C4アルキル
基、水酸基、C1−C4アルコキシ基、カルボキシル基、
ω−カルボキシ(C1−C8)直鎖アルキル基、ハロゲン
原子、またはニトロ基である。そして、nは2ないし8
の整数である。]で表わされるアリール−C−グリコシ
ド誘導体またはその薬学上許容される塩に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における置換基を、以下に
説明する。C1−C4アルキル基とは、炭素数1〜4から
なる直鎖状または分枝状のアルキル基である。具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、および
t−ブチル基が挙げられる。C1−C4アルコキシ基と
は、炭素数1〜4からなる直鎖状または分枝状のアルキ
ルオキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、sec−ブトキシ基、およびt−ブトキシ
基が挙げられる。
【0008】ω−カルボキシ(C1−C8)直鎖アルキル
基とは、末端にカルボキシル基を有する炭素数1〜8か
らなる直鎖状のアルキル基である。具体的には、カルボ
キシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキ
シプロピル基、4−カルボキシブチル基、5−カルボキ
シペンチル基、6−カルボキシヘキシル基、7−カルボ
キシヘプチル基、8−カルボキシオクチル基が挙げられ
る。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子が挙げられる。なお、R4およびR5
が一緒になって、置換基R6を有してもよい六員環芳香
族炭化水素基を形成している時、芳香環部分はナフタレ
ン環となり、置換基R6の置換位置は、ナフタレン環上
炭素のナンバーリングで5、6、7、8位のいずれかで
ある。本発明のアリール−C−グリコシド誘導体の薬学
上許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、リチ
ウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、
等が挙げられる。また、本発明のアリール−C−グリコ
シド誘導体またはその薬学上許容される塩には、それら
の水和物等の溶媒和物も含まれる。
【0009】本発明のアリール−C−グリコシド誘導体
(1)は、例えば以下に記載する方法によって製造する
ことができる。 〔スキーム1〕
【化3】
【化4】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、およびnは前述と
同意義を示す。R7は水素原子、保護された水酸基、ま
たはC1−C4アルコキシ基であり、R8、R9、およびR
10は、水酸基の保護基であり、Xは水酸基または脱離基
であり、R11は水素原子、C1−C4アルキル基、保護さ
れた水酸基、C1−C4アルコキシ基、保護されたカルボ
キシル基、保護されたω−カルボキシ(C1−C8)直鎖
アルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基である。R
12およびR13はそれぞれ水素原子であるか、あるいは一
緒になって置換基R14を有してもよい六員環芳香族炭化
水素基を形成する。R14はC1−C4アルキル基、保護さ
れた水酸基、C1−C4アルコキシ基、保護されたカルボ
キシル基、保護されたω−カルボキシ(C1−C8)直鎖
アルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基である。R
15は−CO216基(式中、R16は保護基である。)、
−CH(CO217)2基(式中、R17は保護基であ
る。)、−SO318(式中、R18は保護基である。)
基、または−OSO319基(式中、R19は保護基であ
る。)である。]
【0010】化合物(2)に対し、糖供与体(3)を用
いたグリコシル化反応を行うことにより、化合物(4)
を得ることができる。本反応は、一般的なグリコシル化
反応であり、例えば、日本化学会編, 第4版実験化学講
座26, p.267-354(丸善、1992年)等に記載の手法によ
り行うことができる。糖供与体(3)における各水酸基
の保護基および脱離基Xは、例えば、上述の第4版実験
化学講座26 等に例示のものを用いることができる。あ
るいは、化合物(2)に対し、Zが水酸基である糖供与
体(3)用いて光延反応を行っても、化合物(4)を得
ることができる(例えば、Kometaniら, Synthesis, 100
5-1007 (1988) 等を参照のこと)。いずれの方法におい
ても、化合物(4)はα体とβ体の混合物として得られ
るが、その両者ともに次反応に用いることができる。次
いで、化合物(4)を例えばジクロロメタン等の溶媒
中、例えば三フッ化ホウ素・エーテル錯体等のルイス酸
で処理することにより、化合物(5)を得ることができ
る(例えば、Kometaniら, Synthesis, 1005-1007 (198
8) 等を参照のこと)。なお、糖供与体(3)における
脱離基Zとルイス酸の組み合わせによっては(例えば、
脱離基Xがフッ素原子であり、用いるルイス酸が Cp2Hf
Cl2-AgClO4錯体または三フッ化ホウ素・エーテル錯体で
ある時、等は)、化合物(4)を単離することなしに、
ワンポットで化合物(2)から直接に化合物(5)を得
ることもできる(例えば、Matsumotoら, Tetrahedron L
ett., 30, 6185-6188 (1989) 等を参照のこと)。上記
で得られた化合物(5)上の水酸基を、塩基性条件下、
一般式 Y(CH2)n15(式中、R15およびnは前述と
同意義を示す。Yは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子、メタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニ
ルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基で
ある。)で表わされるアルキル化剤と反応させることに
より、化合物(6)を得ることができる。そして最後
に、化合物(6)上の全ての保護基を、例えば Green
ら著,“Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd
edition)”John Wiley & Sons, NewYork (1991) に記
載の方法により適宜脱保護することにより、本発明の化
合物(1)を得ることができる。
【0011】また、本発明のアリール−C−グリコシド
誘導体の幾つか(1a)は、例えば以下に記載する方法
によっても製造することができる。 〔スキーム2〕
【化5】
【化6】 (式中、 R1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10
11、R12、R13、Y、およびnは前述と同意義を示
す。R20は水酸基の保護基である。) 上述の方法により得られる化合物(5)を、塩基性条件
下、一般式 Y(CH2)n+1OR20(式中、R20、Y、お
よびnは前述と同意義を示す。)で表わされるアルキル
化剤と反応させることにより、化合物(7)を得ること
ができる。次いで、化合物(7)の水酸基の保護基R20
のみを選択的に脱保護し、化合物(8)を得ることがで
きる。化合物(8)の水酸基を、例えば日本化学会編,
第4版実験化学講座23(丸善、1991年)等に記載の方法
により、直接的にカルボン酸まで酸化するか、または一
旦アルデヒドまで酸化した後引き続きカルボン酸まで酸
化することにより、化合物(9)を得ることができる。
そして最後に、化合物(9)上の全ての保護基を、例え
ば Green ら著,“Protecting Groups in Organic Synth
esis (2nd edition)”John Wiley & Sons, New York (1
991) に記載の方法により適宜脱保護することにより、
本発明の化合物(1a)を得ることができる。なお、化
合物(7)の水酸基の保護基R20のみを選択的に脱保護
するため、および各反応段階での望ましくない脱保護体
の副生を抑えるためには、本スキームの出発原料である
化合物(5)上に存在する各保護基の選択が重要であ
る。かかる保護基の選択の方法は、例えば上述の Green
らの著書に記載されている。
【0012】あるいは、本発明のアリール−C−グリコ
シド誘導体の幾つか(1b)は、例えば以下に記載する
方法によっても製造することができる。 〔スキーム3〕
【化7】
【化8】 (式中、 R1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10
11、R12、R13、R17、およびnは前述と同意義を示
す。R21はメタンスルホニル基、パラトルエンスルホニ
ル基、トリフルオロメタンスルホニル基である。) 上述の化合物(8)と同様の方法により得られる化合物
(10)を、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン等
の溶媒中、例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジ
ン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、R
21Clで表わされる塩化スルホニルまたは(R21)2Oで
表わされるスルホン酸無水物と反応させて化合物(1
1)を得、引き続き、例えばトルエン、キシレン等の溶
媒中、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基の
存在下、必要に応じ18−クラウン−6、ジベンゾ−1
8−クラウン−6等のクラウンエーテルの共存下で、マ
ロン酸エステルと反応させることにより、化合物(1
2)を得ることができる。そして、化合物(12)上の
全ての保護基を、例えば Green ら著,“Protecting Gro
ups in Organic Synthesis (2nd edition)”John Wiley
& Sons, New York (1991) に記載の方法により適宜脱
保護することにより、本発明の化合物(1b)を得るこ
とができる。
【0013】さらに、本発明のアリール−C−グリコシ
ド誘導体の幾つか(1c)は、例えば以下に記載する方
法によっても製造することができる。 〔スキーム4〕
【化9】 (式中、 R1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10
11、R12、R13、およびnは前述と同意義を示す。) 上述の化合物(10)を例えばジメチルホルムアミド等
の溶媒中、SO3−ピリジン錯体と反応させて化合物
(13)を得ることができる。そして、化合物(13)
上の全ての保護基を、例えば Green ら著,“Protecting
Groups in OrganicSynthesis (2nd edition)”John Wi
ley & Sons, New York (1991) に記載の方法により適宜
脱保護することにより、本発明の化合物(1c)を得る
ことができる。
【0014】上記いずれの反応においても、反応温度は
特に参照文献に記載のない限り、通常は氷冷下ないしは
室温の範囲内で行い、必要に応じ溶媒の沸点まで加熱す
る。反応の目的生成物は、反応終了後、常法に従って反
応混合物から採取される。例えば、反応の目的生成物が
水溶性を有さない場合には、反応混合物に水と混和しな
い有機溶媒を加え、水洗後に溶媒を留去することによっ
て、目的生成物を得ることができる。一方、反応の目的
生成物が脂溶性を有さない場合には、反応混合物中の溶
媒を必要に応じて留去して水に置換し、水と混和しない
有機溶媒にて洗浄後に水を留去することによって、目的
生成物を得ることができる。得られた化合物は、必要に
応じ、常法、例えば、再結晶、再沈澱、あるいはクロマ
トグラフィー等によって、精製することもできる。
【0015】本発明のアリール−C−グリコシド誘導体
およびその薬学上許容される塩のセレクチン阻害作用の
評価は、セレクチン−リガンド間の接着を阻害する活性
を評価することにより実施される。例えば、E,P−セ
レクチンと細胞表面にリガンドを有するHL−60細胞
との接着阻害活性を測定する方法(Glycobiology, 5,583
-588(1995))、E,P−セレクチンとSLeXとの接着
阻害活性を測定する方法(JCI, 91, 1157-1166(1993))、
L−セレクチンとそのリガンドであるGlyCAM-1との接着
阻害活性を測定する方法(Biochemistry, 34, 14271-14
277(1995))等が挙げられる。
【0016】本発明化合物は医薬組成物として、多くの
疾患に関連する細胞の接着を、ブロッキングまたは阻害
することができる。例えば、多くの炎症性疾患に、血管
内皮細胞および血小板上に発現されるセレクチンが関与
しており、これらを本発明化合物を含有する医薬組成物
により治療することが可能である。ここにおいて「炎
症」との用語は、特異的および非特異的な防御系の反応
を意味する。特異的防御系の反応とは、抗原に対する特
異的免疫系の反応である。特異的防御系反応の例として
は、例えばウイルスなど抗原に対しての抗体の応答、遅
延型過敏性等が挙げられる。非特異的防御系反応とは、
一般に免疫学的記憶が不可能である白血球により仲介さ
れる炎症応答である。このような細胞としては、マクロ
ファージ、好酸球および好中球等が挙げられる。非特異
的反応の例としては、蜂の刺創後の直ちの腫脹、バクテ
リアの感染部位における白血球の集積(例えば、細菌性
肺炎における肺の浸潤および膿瘍における膿の形成)等
が挙げられる。他の治療可能な疾患としては、次のもの
を挙げることができる。例えば、慢性関節リウマチ、虚
血後の白血球による組織障害(再灌流障害)、心筋梗
塞、凍傷による損傷もしくはショック、全身性炎症性反
応症候群(SIRS)、好中球による急性肺障害、成人
呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、外傷性のショッ
ク、敗血症性ショック、多臓器不全(MOF)、腎炎、
組織の繊維化、急性および慢性の炎症性疾患(例えばア
トピー性皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病な
ど)などを治療することができる。血小板の関連した種
々の病態〔例えばアテローム性動脈硬化症、播種性血管
内凝固症候群(DIC)、不安定狭心症、塞栓など〕も
また、治療することができる。更に、腫瘍の転移につい
ては、血流を循環する癌細胞の接着を阻害することによ
り、阻害または防止することができる。このような腫瘍
細胞の例としては、結腸癌および黒色腫などが挙げられ
る。また、経皮的冠動脈形成術(PTCA)や、経皮的
冠動脈血栓溶解術(PTCR)の、術後再狭窄へも適用
可能である。
【0017】本発明化合物を含有する医薬組成物につい
て、化合物の投与量は、例えば、特定の化合物、投与方
法、処置する特定の病気およびその程度、患者の全体の
健康および状態、および処方する医師に従い変化するの
が通常である。例えば、再灌流障害の処置のために用い
る投与量としては、体重 70 kg の患者について、1日当
たり約 0.1 mg 〜 約2,000 mg の範囲である。理想的に
は、治療のための投与は、心筋梗塞または他の損傷後で
きるだけ早く開始すべきである。本発明化合物を含有す
る医薬組成物は、非経口的、局所的、経口的、または経
皮的に投与される。これらの医薬組成物は、予防的およ
び/または治療学的処置を目的として投与される。これ
らの医薬組成物は、投与方法に依存して、種々の単位投
与形態で投与することができる。例えば、経口的投与に
適当な単位投与形態としては、粉末、錠剤、ピル、カプ
セル剤および糖剤を挙げることができる。局所的投与に
適当な単位投与形態としては、例えば、エアゾール等が
挙げられる。静脈内投与を行うための組成物は、本発明
化合物を、医薬として許容されうる担体、好ましくは水
性担体の中に溶解または懸濁した化合物の液からなる。
水性担体としては、例えば、水、緩衝化水、 0.4%の生
理的食塩水などを使用することができる。これらの組成
物は、普通の、よく知られた滅菌技術により滅菌する
か、あるいは濾過滅菌することができる。生ずる水溶液
はそのまま包装するか、あるいは凍結乾燥することがで
き、凍結乾燥した調製物は投与の前に無菌の水溶液と組
み合わせる。組成物は、生理学的状態に近似させるべ
く、医薬として許容される補助剤、例えば、pH調節剤お
よび緩衝剤、張度調節剤、浸潤剤など、具体的には例え
ば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラ
ウレート、トリエタノールアミンオレエートなどを含有
させることができる。
【0018】本発明化合物を含有する組成物は、予防的
および/または治療的処置のために投与される。治療的
応用において、組成物は、前述したように、病気に既に
悩まされている患者に、病気およびその合併症の症状を
治癒するか、あるいは少なくとも部分的に阻止するため
に十分な量を投与される。これを達成するために適切な
量は、「治療的有効投与量」として定義される。この使
用のために有効な量は、病気の程度および患者の体重お
よび全体的状態に依存するが、一般に、体重 70 kgの患
者について、1日当たりの本発明化合物の投与量は、約
0.1 mg 〜約 2,000 mg の範囲であり、好ましくは、体
重 70 kgの患者について、1日当たり、本発明化合物を
約 1 mg 〜約1000 mg の範囲で投与する。予防的応用に
おいて、本発明化合物を含有する組成物は、特定の病気
に感受性であるか、あるいはそうでなければその病気の
危険がある患者に投与される。このような場合の使用量
は、「予防的有効量」であると定義される。このような
使用において、正確な量は健康の患者の状態および体重
に依存するが、一般に、体重 70 kgの患者について、1
日当たりの本発明化合物の投与量は、約 0.1 mg 〜約
1,000 mg の範囲であり、好ましくは、体重 70 kgの患
者について、1日当たり、本発明化合物を約 1mg 〜約
500 mg の範囲で投与する。本発明化合物の投与に際し
ては、組成物の単一または多数の投与を実施することが
でき、投与のレベルおよびパターンは処置の医者により
選択される。いずれの場合においても、医薬配合物は患
者を有効に処置するために十分な量の本発明化合物を提
供すべきである。
【0019】
〔実施例1−1〕
6−(2,3,4−トリ−O−ベンジル−L−フコシル)オ
キシ−2−ナフトエ酸メチル(15)の合成 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 191 mg(0.94
mmol)および2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−
フコース(615 mg, 1.4 mmol)をテトラヒドロフラン
(4 ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(371 mg,
1.4 mmol)を加えて氷冷した。ここへアゾジカルボン酸
ジエチル(0.22 ml, 1.4 mmol)を滴下し、氷冷下30
分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を
シリカゲル(15 g)を用いたカラムクロマトグラフィー
にて精製し(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=6/
1)、α体およびβ体の化合物(15)を得た(α体;
31 mg、収率 5%、β体;529 mg、収率 91%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); α体;δ5.64 (1H, d, J=
3.6 Hz). β体;δ5.15(1H, d, J=7.6 Hz).
【0020】〔実施例1−2〕 6−ヒドロキシ−5−(2,3,4−トリ−O−ベンジル
−β−L−フコシル) −2−ナフトエ酸メチル(16)
の合成 実施例1−1の方法で得られた化合物(15)のβ体 2
00 mg(0.32 mmol)をジクロロメタン(7 ml)に溶解
し、氷冷下、三フッ化ホウ素・エーテル錯体(0.12 ml,
0.97 mmol)を滴下した。氷冷下3時間攪拌した後、反
応混合物中に飽和重曹水を加え、エーテルで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濾過、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲ
ル(10 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製
し(溶出溶媒;ヘキサン/クロロホルム/酢酸エチル=
20/20/1)、化合物(16)を得た(73 mg、収率 37
%)。同時に、その異性体である6−ヒドロキシ−5−
(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコシル)
−2−ナフトエ酸メチル(17)を62 mg(収率 31%)
得た。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); 化合物(16);δ1.27
(3H, d, J=6.3 Hz, -CH3)and 3.97 (3H, s, -CO2CH3).
化合物(17);δ1.64 (3H, d, J=6.9 Hz, -CH3) an
d 3.97 (3H, s, -CO2CH3).
【0021】〔実施例1−3〕 6−[4−(エトキシカルボニル)ブチル]オキシ−5−
(2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコシル)
−2−ナフトエ酸メチル(18)の合成 実施例1−2の方法で得られた化合物(16)703 mg
(1.1 mmol)をアセトン(40 ml)に溶解し、5−ブロ
モ吉草酸エチル(0.36 ml, 2.3 mmol)および無水炭酸
カリウム(1.6 g, 11.0 mmol)を加えて、還流下に3時
間攪拌した。反応混合物中に触媒量のヨウ化テトラブチ
ルアンモニウムを加え、更に還流下に2時間半攪拌し
た。室温まで冷却した後、反応液を減圧下濃縮し、水を
加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧下濃縮
した。得られた残渣をシリカゲル(50 g)を用いたカラ
ムクロマトグラフィーにて精製し(溶出溶媒;ヘキサン
/酢酸エチル=6/1)、化合物(18)を得た(780
mg、収率 92%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.25 (3H, t, J=7.3 Hz,
-CO2CH2CH 3), 3.96 (3H, s, -CO2CH3) and 4.12 (2H,
q, J=7.3 Hz, -CO2CH 2CH3).
【0022】〔実施例1−4〕 6−[4−(エトキシカルボニル)ブチル]オキシ−5−
(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−L−フコシル)
−2−ナフトエ酸メチル(19)の合成 実施例1−3の方法で得られた化合物(18)685 mg
(0.92 mmol)をエタノール(10 ml)に溶解し、10%パ
ラジウム炭素(340 mg)およびぎ酸アンモニウム(170
mg)を加え、還流下に攪拌した。10%パラジウム炭素
(340 mg)およびぎ酸アンモニウム(170 mg)を1時間
毎に追加し、計10時間還流した。反応液を室温まで冷
却した後、セライト濾過により不溶物を濾別し、エタノ
ールで洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、6−[4−(エト
キシカルボニル)ブチル]オキシ−5−(β−L−フコシ
ル) −2−ナフトエ酸メチル(20)を含む残渣を得
た。得られた残渣をピリジン(4 ml)に溶解し、無水酢
酸(2 ml)および触媒量の4−ジメチルアミノピリジン
を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を氷冷し、メタ
ノール(4 ml)を加えて30分間攪拌した後、減圧下濃
縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈して、2規定
塩酸水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧下濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲル(50 g)を用いたカラムクロマトグ
ラフィーにて精製し(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル
=2/1)、化合物(19)を得た(142 mg、化合物1
7より二段階で 26%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.67 (3H, s), 2.00 (3
H, s) and 2.39 (3H, s).
【0023】〔実施例1−5〕 6−(4−カルボキシブチル)オキシ−5−(β−L−フ
コシル)−2−ナフトエ酸・2ナトリウム塩(14)の
合成 実施例1−4の方法で得られた化合物(19)110 mg
(0.18 mmol)をメタノール(5.5 ml)に溶解し、28%
ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(55 ml)を加
えた。室温にて一晩攪拌した後、反応混合物中に水(0.
1 ml)および28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶
液(0.1 ml)を加え、室温にて攪拌した。水(0.1 ml)
および28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(0.
1 ml)を1日毎に追加し、計5日間攪拌した。減圧下濃
縮し、得られた残渣を CosmosilTM75C18-OPN(30 g)を
用いたカラムクロマトグラフィーにて精製し(展開溶
媒;水/メタノール=95/5)、凍結乾燥して、化合物
(14)を白色アモルファスとして得た(99 mg、定量
的)。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ7.38 (1H, d, J=8.9 Hz),
7.86 (1H, dd, J=1.7 and 8.9 Hz), 7.96 (1H, d, J=8.
9 Hz), 8.30 (1H, d, J=1.7 Hz) and 8.51 (1H,d, J=8.
9 Hz).
【0024】実施例2 6−(5−カルボキシペンチル)オキシ−5−(β−L−
フコシル)−2−ナフトエ酸・2ナトリウム塩(21)
の合成 〔実施例2−1〕 6−[5−(エトキシカルボニル)ペンチル]オキシ−5−
(2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコシル)
−2−ナフトエ酸メチル(22)の合成 5−ブロモ吉草酸エチルに代えて6−ブロモヘキサン酸
エチルを用いた以外は、実施例1−3と同様の方法によ
って、化合物(22)を合成した。収率 73%。 1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.25 (3H, t, J=7.3 Hz,
-CO2CH2CH 3), 3.96 (3H, s, -CO2CH3) and 4.12 (2H,
q, J=7.3 Hz, -CO2CH 2CH3).
【0025】〔実施例2−2〕 6−[4−(エトキシカルボニル)ブチル]オキシ−5−
(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−L−フコシル)
−2−ナフトエ酸メチル(23)の合成 実施例2−1の方法で得られた化合物(22)を用い、
実施例1−4と同様の方法により、化合物(23)を合
成した。収率 9%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.66 (3H, s), 2.00 (3
H, s) and 2.39 (3H, s).
【0026】〔実施例2−3〕 6−(5−カルボキシペンチル)オキシ−5−(β−L−
フコシル)−2−ナフトエ酸・2ナトリウム塩(21)
の合成 実施例2−2の方法で得られた化合物(23)を用い、
実施例1−5と同様の方法により、化合物(21)を合
成した。収率 87%。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ7.24 (1H, d, J=9.2 Hz),
7.77 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.86 (1H, dd, J=1.3 and 9.
2 Hz), 8.27 (1H, d, J=1.3 Hz) and 8.64 (1H,d, J=8.
9 Hz).
【0027】実施例3 2−(4−カルボキシブチル)オキシ−7−(6−カルボ
キシヘキシル)オキシ−1−(β−L−フコシル)−2−
ナフタレン・2ナトリウム塩(24)の合成 〔実施例3−1〕 7−[6−(メトキシカルボニル)ヘキシル]オキシ−2−
(2,3,4−トリ−O−ベンジル−L−フコシル)オキシ
ナフタレン(25)の合成 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルに代えて7−
[6−(メトキシカルボニル)ヘキシル]オキシ−2−ナフ
トール(26)を用いた以外は、実施例1−1と同様の
方法によって、化合物(25)を合成した。α体;収率
8%、β体;収率88%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); α体;δ5.62 (1H, d, J=
3.0 Hz). β体;δ5.09(1H, d, J=7.6 Hz).
【0028】〔実施例3−2〕 7−[6−(メトキシカルボニル)ヘキシル]オキシ−1−
(2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコシル)−
2−ナフトール(27)の合成 実施例3−1の方法で得られた化合物(25)を用い、
実施例1−2と同様の方法によって、化合物(27)を
合成した。収率 64%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.28 (3H, d, J=6.3 Hz,
-CH3) and 3.67 (3H, s, -CO2CH3).
【0029】〔実施例3−3〕 2−[4−(エトキシカルボニル)ブチル]オキシ−7−
[6−(メトキシカルボニル)ヘキシル]オキシ−1−(2,
3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコシル)−2−
ナフタレン(28)の合成 実施例3−2の方法で得られた化合物(27)を用い、
実施例1−3と同様の方法によって、化合物(28)を
合成した。収率 77%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.24 (3H, t, J=7.3 Hz,
-CO2CH2CH 3), 3.66 (3H, s, -CO2CH3) and 4.11 (2H,
q, J=7.3 Hz, -CO2CH 2CH3).
【0030】〔実施例3−4〕 2−[4−(エトキシカルボニル)ブチル]オキシ−7−
[6−(メトキシカルボニル)ヘキシル]オキシ−1−(2,
3,4−トリ−O−アセチル−β−L−フコシル)−2−
ナフタレン(29)の合成 実施例3−3の方法で得られた化合物(28)を用い、
実施例1−4と同様の方法によって、化合物(29)を
合成した。収率 49%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.65 (3H, s), 1.99 (3
H, s) and 2.30 (3H, s).
【0031】〔実施例3−5〕 2−(4−カルボキシブチル)オキシ−7−(6−カルボ
キシヘキシル)オキシ−1−(β−L−フコシル)−2−
ナフタレン・2ナトリウム塩(24)の合成 実施例3−4の方法で得られた化合物(29)を用い、
実施例1−5と同様の方法によって、化合物(24)を
合成した。収率 99%。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ6.99 (1H, dd, J=2.3 and
8.9 Hz), 7.20 (1H, d,J=8.9 Hz), 7.73 (1H, d, J=8.9
Hz), 7.77 (1H, d, J=8.9 Hz) and 8.06 (1H,d, J=2.3
Hz).
【0032】実施例4 3−(4−カルボキシブチル)オキシ−4−(β−L−フ
コシル)フェノール・2ナトリウム塩(30)の合成 〔実施例4−1〕 1−ベンジルオキシ−3−(2,3,4−トリ−O−ベン
ジル−β−L−フコシル)オキシベンゼン(31)の合
成 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルに代えて3−
(ベンジルオキシ)フェノールを用いた以外は、実施例1
−1と同様の方法によって、化合物(31)を合成し
た。収率 62%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ4.93 (1H, d, J=7.6 H
z).
【0033】〔実施例4−2〕 3−ベンジルオキシ−6−(2,3,4−トリ−O−ベン
ジル−β−L−フコシル)フェノール(32)の合成 実施例4−1の方法で得られた化合物(31)を用い、
実施例1−2と同様の方法によって、化合物(32)を
合成した。収率 47%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ7.03-7.07 (3H, m), 7.2
1-7.45 (19H, m) and 7.82 (1H, s).
【0034】〔実施例4−3〕 1−ベンジルオキシ−3−[4−(エトキシカルボニル)
ブチル]オキシ−4−(2,3,4−トリ−O−ベンジル−
β−L−フコシル)ベンゼン(33)の合成 実施例4−2の方法で得られた化合物(32)を用い、
実施例1−3と同様の方法によって、化合物(33)を
合成した。収率 98%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.22 (3H, d, J=6.3 Hz,
-CH3), 1.23 (3H, t, J=7.3 Hz, -CO2CH2CH 3) and 4.1
0 (2H, q, J=7.3 Hz, -CO2CH 2CH3).
【0035】〔実施例4−4〕 1−アセトキシ−3−[4−(エトキシカルボニル)ブチ
ル]オキシ−4−(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−
L−フコシル)ベンゼン(34)の合成 実施例4−3の方法で得られた化合物(33)を用い、
実施例1−4と同様の方法によって、化合物(34)を
合成した。収率 91%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.79 (3H, s), 1.99 (3
H, s), 2.22 (3H, s) and2.27 (3H, s).
【0036】〔実施例4−5〕 3−(4−カルボキシブチル)オキシ−4−(β−L−フ
コシル)フェノール・2ナトリウム塩(30)の合成 実施例4−4の方法で得られた化合物(34)を用い、
実施例1−5と同様の方法によって、化合物(30)を
合成した。収率 87%。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ6.45-6.49 (2H, m) and 7.
24 (1H, d, J=8.3 Hz).
【0037】実施例5 3−(5−カルボキシペンチル)オキシ−4−(β−L−
フコシル)フェノール・2ナトリウム塩(35)の合成 〔実施例5−1〕 1−ベンジルオキシ−3−[5−(エトキシカルボニル)
ペンチル]オキシ−4−(2,3,4−トリ−O−ベンジル
−β−L−フコシル)ベンゼン(36)の合成 実施例4−2の方法で得られた化合物(32)を用い、
実施例2−1と同様の方法によって、化合物(36)を
合成した。定量的。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.22 (3H, d, J=6.3 Hz,
-CH3), 1.24 (3H, t, J=7.3 Hz, -CO2CH2CH 3) and 4.1
1 (2H, q, J=7.3 Hz, -CO2CH 2CH3).
【0038】〔実施例5−2〕 1−アセトキシ−3−[5−(エトキシカルボニル)ペン
チル]オキシ−4−(2,3,4−トリ−O−アセチル−β
−L−フコシル)ベンゼン(37)の合成 実施例5−1での方法で得られた化合物(36)を用
い、実施例1−4と同様の方法によって、化合物(3
7)を合成した。収率 85%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.78 (3H, s), 1.99 (3
H, s), 2.22 (3H, s) and2.27 (3H, s).
【0039】〔実施例5−3〕 3−(5−カルボキシペンチル)オキシ−4−(β−L−
フコシル)フェノール・2ナトリウム塩(35)の合成 実施例5−2の方法で得られた化合物(37)を用い、
実施例1−5と同様の方法によって、化合物(35)を
合成した。収率 93%。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ6.47-6.50 (2H, m) and 7.
24 (1H, d, J=7.9 Hz).
【0040】参考例1 実施例3で用いた7−[6−(メトキシカルボニル)ヘキ
シル]オキシ−2−ナフトール(26)は、以下の方法
により合成した。 〔参考例1−1〕 7−ブロモヘプタン酸メチルの合成 市販の7−ブロモヘプタノール 1.5 ml(9.8 mmol)
を、クロム酸(2.5 g, 25mmol)、酢酸(13.5 ml)およ
び水(1.5 ml)の混合物中に、氷冷下攪拌しながら滴下
した。室温にて1時間攪拌した後、反応混合物中に水を
加え、酢酸エチルで抽出した。有機層に飽和重曹水を加
えて攪拌後分液し、得られた水層を4規定塩酸水で酸性
にして、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧下濃
縮して、7−ブロモヘプタン酸を含む残渣を得た。得ら
れた残渣をメタノール(50 ml)に溶解し、濃硫酸(1.0
ml)を加え、還流下2時間攪拌した。反応液を室温ま
で冷却した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、濾過、減圧下濃縮して、7−ブロモヘプタン
酸メチルを得た(1.1g、収率 50%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ2.32 (2H, t, J=7.3 H
z), 3.40 (2H, t, J=6.9 Hz) and 3.67 (3H, s).
【0041】〔参考例1−2〕 7−[6−(メトキシカルボニル)ヘキシル]オキシ−2−
ナフトール(26)の合成 参考例1−1で得られた7−ブロモヘプタン酸メチル
1.1 g(4.9 mmol)をアセトン(90 ml)に溶解し、2,
7−ジヒドロキシナフタレン(1.6 g, 9.9 mmol)およ
び無水炭酸カリウム(3.4 g, 25 mmol)を加えて、還流
下に13時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液を
減圧下濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機
層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、濾過、減圧下濃縮した。得られた残渣をシ
リカゲル(100 g)を用いたカラムクロマトグラフィー
にて精製し(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=4/
1)、化合物(26)を得た(811 mg、収率 54%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ2.34 (2H, t, J=7.6 H
z), 3.68 (3H, s) and 4.04 (2H, t, J=6.6 Hz).
【0042】上述の実施例1〜5および参考例1に示し
た各化合物の構造式を、以下に図示する。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/35 AED A61K 31/35 AED // C07H 15/203 C07H 15/203

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子、水酸基、またはC1−C4アル
    コキシ基であり、R2は−CO2H基、−CH(CO2H)2
    基、−SO3H基、または−OSO3H基であり、R3
    水素原子、C1−C4アルキル基、水酸基、C1−C4アル
    コキシ基、カルボキシル基、ω−カルボキシ(C1
    8)直鎖アルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基
    である。R4およびR5はそれぞれ水素原子であるか、あ
    るいは一緒になって置換基R6を有してもよい六員環芳
    香族炭化水素基を形成する。R6はC1−C4アルキル
    基、水酸基、C1−C4アルコキシ基、カルボキシル基、
    ω−カルボキシ(C1−C8)直鎖アルキル基、ハロゲン
    原子、またはニトロ基である。そして、nは2ないし8
    の整数である。]で表わされるアリール−C−グリコシ
    ド誘導体またはその薬学上許容される塩。
  2. 【請求項2】 R1が水素原子である請求項1記載のア
    リール−C−グリコシド誘導体またはその薬学上許容さ
    れる塩。
  3. 【請求項3】 R2が−CO2H基である請求項1ないし
    2いずれか1項記載のアリール−C−グリコシド誘導体
    またはその薬学上許容される塩。
  4. 【請求項4】 R4およびR5が一緒になって、置換基R
    6を有してもよい六員環芳香族炭化水素基を形成してい
    る、請求項1ないし3いずれか1項記載のアリール−C
    −グリコシド誘導体またはその薬学上許容される塩。
  5. 【請求項5】 R4およびR5が一緒になって形成する六
    員環芳香族炭化水素基上の置換基R6が、カルボキシル
    基またはω−カルボキシ(C1−C8)直鎖アルキル基で
    ある請求項4記載のアリール−C−グリコシド誘導体ま
    たはその薬学上許容される塩。
  6. 【請求項6】 R4およびR5がともに水素原子である請
    求項1ないし3いずれか1項記載のアリール−C−グリ
    コシド誘導体またはその薬学上許容される塩。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のアリール−C−グリコシ
    ド誘導体またはその薬学上許容される塩を有効成分とす
    る医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006335644A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Gifu Univ エンドα−ガラクトサミニダーゼ高感度基質、その製造方法及び利用方法

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