JPH026760B2 - - Google Patents

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JPH026760B2
JPH026760B2 JP58185829A JP18582983A JPH026760B2 JP H026760 B2 JPH026760 B2 JP H026760B2 JP 58185829 A JP58185829 A JP 58185829A JP 18582983 A JP18582983 A JP 18582983A JP H026760 B2 JPH026760 B2 JP H026760B2
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chloro
nitrophenyl
amylase
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Koichiro Tobe
Akemichi Maki
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Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
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Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、一般式 で表わされる新規なβ−(2−クロロ−4−ニト
ロフエニル)−マルトペンタオシド及びその製造
法に関する。 本発明のβ−(2−クロロ−4−ニトロフエニ
ル)−マルトペンタオシドは、血清又は他の生物
学的体液に含まれるα−アミラーゼを測定するた
めのα−アミラーゼ測定用試薬として有用であ
る。これまで知られているα−アミラーゼ測定用
試薬のうちオリゴ糖の配糖体としては、例えばパ
ラニトロフエノールがα位に結合したオリゴ糖
(特開昭53−12831、特開昭54−51892)又はハロ
ゲン化フエニル基の結合したオリゴ糖(特開昭56
−35998)等が知られている。なお特開昭53−
12831号においては、フエニル基がマルトペンタ
オシドの還元性末端に置換したものが示されてい
るが、詳細な説明によると、フエニル基の結合状
態はマルトペンタオシドの還元性末端におけるα
−結合に限られており、置換フエニル基としては
パラニトロフエニル基が示されているにすぎな
い。これら公知の基質を用いてα−アミラーゼを
測定すると、前者の基質では、オリゴ糖が4個以
下の短鎖の場合にはα−アミラーゼの作用が緩慢
であり、オリゴ糖が5個で置換フエニル基がα配
位の基質及びオリゴ糖6以上のものでは、基質分
子中で2か所以上のα−グルコシド結合が切断さ
れる。このことは、α−アミラーゼと基質との反
応により生じた生成物がさらに該酵素の基質とし
て作用を受けることを意味し、したがつて該反応
の化学量論が成立しないことになり、レイトアツ
セイ法には好ましい基質といえない。また後者の
基質を用いた場合には、体液中に投与したフエノ
ール誘導体等の治療薬物により測定値が影響を受
けやすく、またレイトアツセイも著しく困難とな
る等の欠点がある。 そこで本発明者らは、上記欠点のないアミラー
ゼ測定に好適な基質を求めて研究した結果、オリ
ゴ糖が5個でしかも置換フエニル基の結合状態が
β配位の基質のみが、α−アミラーゼによつて主
として1か所のα−1,4−グルコシド結合が切
断されること、さらにPH7.0付近で安定でしかも
極大の分子吸光係数を持つ2−クロロ−4−ニト
ロフエニル基を利用すると、特に優れた測定結果
が得られることを見出した。 本発明は、次式 で表わされるβ−(2−クロロ−4−ニトロフエ
ニル)マルトペンタオシドである。 さらに本発明はこの化合物の製造法であつて、
次式 で表わされるマルトペンタオースに、次式 (RCO)2O () (式中Rはアルキル基を意味する)で表わされる
有機酸無水物を作用させ、得られる次式 (式中Rは前記の意味を有する)で表わされる化
合物(ヘプタデカアシルマルトペンタオース)を
ハロゲン化して次式 (式中Xはハロゲンを、Rは前記の意味を有す
る)で表わされる化合物(1−ハロゲノ1−デオ
キシヘキサデカアシルマルトペンタオース、別名
ヘキサデカアシルマルトペンタオシルハライド)
となし、これに次式 で表わされる2−クロロ−4−ニトロフエノール
を作用させ、得られる次式 (式中Rは前記の意味を有する)で表わされるβ
−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘキサデ
カアシルマルトペンタオシドを脱アシル化するこ
とを特徴とする。 特開昭56−35998号公報に示されるマルトオリ
ゴ糖の還元性末端はアノマー性炭素であり、従来
この炭素上の置換基はα、β配位の混合物として
のみ得られ、その単離精製はほとんど不可能と考
えられていた。しかるに本発明の方法を採用する
ことにより、2−クロロ−4−ニトロフエニル基
が還元性末端にβ−結合したマルトペンタオシド
を単離精製することが可能となつた。 本発明の各反応を以下に説明する。 水酸基のアシル化反応: マルトペンタオース()のアシル化は、公知
方法、例えば反応物としての有機酸無水物中で、
好ましくは無水有機酸のアルカリ金属塩等の触媒
の存在下に加熱処理することによつて実施する。 (RCO)2Oで表わされる有機酸無水物は、例え
ば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等であ
る。触媒としては、無水有機酸のナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、ピリジン、コリ
ジン等が用いられる。 反応の調節又は反応後の目的物の精製を容易に
するため、反応溶液に非水溶媒例えばクロロホル
ム、ジクロロメタン等を添加することもできる。 上記反応に使用される有機酸無水物の量は、マ
ルトペンタオースの重量の5〜50倍、好ましくは
7〜15倍であり、また触媒として無水有機酸のア
ルカリ金属塩を使用する場合は、その量はマルト
ペンタオースの重量の0.5〜3倍好ましくは0.5〜
1.5倍である。 反応温度は普通は約90〜140℃、好ましくは100
〜110℃である。反応時間は反応温度に影響され
るが、好ましい反応温度条件では約2ないし4時
間である。反応混合物を常法により0〜5℃に冷
却し、析出する固形物を分別し、水洗したのち乾
燥する。得られた固体生成物(ヘプタデカアシル
マルトペンタオース)は、エタノール、メタノ
ール等のアルコール類、メチルエチルケトン、ア
セトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類等の溶媒を単独でもし
くは組み合わせて使用して再結晶することができ
るが、該固体生成物を十分乾燥してそのまま次の
反応に使用することもできる。 末端のハロゲン化: ヘプタデカアシルマルトペンタオース()の
ハロゲン化は、無水ハロゲン化水素、塩化アルミ
ニウムと五塩化リン、又は四塩化チタン、塩化第
二スズ等で行われるが、生成物の収率とこれに関
連する副反応の抑制および目的物の精製の容易さ
から、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等の
低極性非水溶媒中で、無水4ハロゲン化チタンを
用いて処理する方法が特に好ましい。 なお無水4ハロゲン化チタンとしては、4塩化
チタン、4臭化チタン、4ヨウ化チタン等を用い
ることができ、ヘプタデカアシルマルトペンタオ
ースに対する無水4ハロゲン化チタンの量は、通
常は1〜20倍モルでよく、3〜8倍モルが好まし
い。 このハロゲン化反応は、常圧で室温と使用する
溶媒の沸点との間で行われるが、溶媒の沸点で還
流しながら実施することが特に好ましい。反応時
間は反応温度に影響されるが、溶媒の沸点付近で
反応させる場合、通常は30分ないし1.0時間程度
である。 反応混合物を常法により冷却し、これに有機溶
媒例えばクロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エ
チル等を加え、有機溶媒層を分取し、水、飽和重
炭酸ソーダ水溶液等で数回洗浄したのち乾燥し乾
固する。 得られた固体生成物()は、シリカゲルクロ
マトグラフイー等の常法により分離精製したの
ち、エタノール、メタノール等のアルコール類、
メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル
類等の溶媒を単独でもしくは組み合わせて使用し
て再結晶することができるが、乾固物のまま十分
乾燥して次の反応に使用することもできる。 置換反応: 前記の1−ハロゲノ1−デオキシヘキサデカア
シルマルトペンタオース()のアノマー性ハロ
ゲン基を、2−クロロ−4−ニトロフエノキシ基
で置換して、β−(2−クロロ−4−ニトロフエ
ニル)−ヘキサデカアシルマルトペンタオシド
()を得る。 本反応に使用する2−クロロ−4−ニトロフエ
ノールの量は、1〜20倍モル好ましくは1.2〜6.0
倍モルである。 2−クロロ−4−ニトロフエノールは、本反応
を促進させるために反応溶媒中で塩となつて解離
している必要があり、このため2−クロロ−4−
ニトロフエノールの無機塩、例えばナトリウム
塩、カリウム塩、バリウム塩又は有機塩、例えば
トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、ピリ
ジン塩、ピコリン塩等が用いられる。2種以上の
これらの塩を併用することもでき、また前もつて
2−クロロ−4−ニトロフエノール塩を調製せず
に、反応溶液中に無機塩基又は有機塩基を添加す
るか、又は有機塩基を直接反応溶媒としてもよ
い。塩基の添加量は、反応が終了するまで液性を
中性ないしアルカリ性に保持するのに必要な量が
好ましい。 本反応は、通常は溶媒の存在下に行うことが好
ましい。溶媒としては、本反応に関与しないもの
であれば特に限定されないがヘキサデカアシルマ
ルトペンタオシルハライド及び2−クロロ−4−
ニトロフエノール又はその塩の溶解度が大きく、
かつその反応性を高める溶媒が好ましく、例えば
下記の溶媒が用いられる。アミド例えばジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等、ニトリ
ル例えばアセトニトリル、ベンゾニトリル等、ジ
メチルスルホキシド、有機塩基例えばトリアルキ
ルアミン、ピリジル、ルチジン等、芳香族炭化水
素例えばベンゼン、トルエン等、ならびにこれら
の2種以上の混合液。 本反応は一般に−5〜100℃程度で進行するが、
通常は10〜50℃の反応温度が好ましい。 反応時間は、反応助剤である塩基の種類ならび
に反応温度によつて異なるが、通常は5〜20時間
である。反応終了後、反応混合物を氷水中に投入
して析出する固形物を取するか、又は適当な有
機溶媒で目的物を抽出し、乾燥後に乾固すること
により、固形物を得る。化合物が固形物として
得られる。 これを常法により、例えばアルミナ、シリカゲ
ル等を用いるカラムクロマトグラフイ、有機溶媒
を用いる結晶化法などを適宜組合わせて施すこと
により、精製できる。 脱アシル化反応: 化合物からのアシル基の除去は、公知方法例
えば脱水したメタノール中のアルカリ金属アルコ
キシド又は無水アンモニアのメタノール溶液等の
触媒の存在下で実施することができる。アルカリ
金属アルコキシドとしては、例えばナトリウムメ
トキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブ
トキシド等を用いることができる。 反応終了後の目的物の精製を容易にするため、
脱水メタノールにクロロホルム、ジクロロメタン
等の低極性非水溶媒を添加して反応することは好
ましい。添加する低極性非水溶媒は、脱アシル化
反応を阻害せず、生成した2−クロロ−4−ニト
ロフエニル−マルトペンタオシドが反応系から析
出することが必要であるため、その量は溶媒によ
つて異なるが、使用する脱水メタノールの量の
0.5〜2倍が好ましい。 脱アシル化反応は、0〜30℃の温度で6〜24時
間以内で終了する。脱水メタノール単独溶媒の反
応系では、反応終了後に減圧下でメタノールを留
去し、得られる固形物を酸性のイオン交換樹脂又
は無機酸を用いて混在する塩基性物質を中和処理
したのち、薄層クロマトグラフイ、カラムクロマ
トグラフイ等により化合物を精製する。低極性
溶媒を添加した反応系の場合は、目的物が反応液
中から析出するので、これを取し、分離精製工
程にかけることができる。 以上のようにして得た当該基質を使用し、α−
アミラーゼ活性を測定する場合、次の様な利点を
有する。 (1) 当該基質はオリゴ糖が5個であり、置換フエ
ニル基である2−クロロ−4−ニトロフエニル
基の結合状態がβ配位であるため、当該基質分
子中でα−アミラーゼにより切断されるα−
1,4−グルコシド結合は、1箇所のみであ
り、かつこの切断箇所はヒト体液中α−アミラ
ーゼの大部分を占める膵アミラーゼおよび唾液
アミラーゼで同一であるため、α−アミラーゼ
反応を化学量論的に検出することができる。こ
の基質を使用してα−アミラーゼを測定する
と、理論値と測定値が一致し、従来法と比べて
測定系の信頼性は格段に向上する。 (2) 当該基質は至適条件下で、α−アミラーゼの
作用により特異的かつ迅速な反応速度で加水分
解される。また比色定量される発色団2−クロ
ロ−4−ニトロフエノールは吸収ピークにおけ
る分子吸光係数が大きく極めて感度よく測定で
きる。 本発明のβ−(2−クロロ−4−ニトロフエニ
ル)−マルトペンタオシドは、血清又は他の生物
学的体液に含まれるα−アミラーゼの測定用試薬
として極めて有用であり、本発明はこのように有
用なβ−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マ
ルトペンタオシドを特異的に単一物質として製造
する方法を提供するものである。 実施例 1 (A) ヘプタデカアセチルマルトペンタオースの製
造法 マルトペンタオース20g(24mモル)、無水
酢酸262ml及び無水酢酸ナトリウム19.8gの混
合物を103℃で4時間撹拌し、さらに氷水中に
注入して一夜撹拌したのち、粘着物を氷水中で
すりつぶし、取する。得られた結晶をエタノ
ールから再結晶し、32.6gのヘプタデカアセチ
ルマルトペンタオースが得られる(21mモル、
87.5%)。 融点:125〜130℃ 赤外線スペクトルcm-1:1740、1370、1230、
1030 薄層クロマトグラフイ(シリカゲル、展開溶
媒:ベンゼン/酢酸エチル=2:3):Rf=0.47 元素分析値:C64H86O43として C H 理論値(%) 49.81 5.62 測定値(%) 49.30 5.72 (B) ヘキサデカアセチルマルトペンタオシルクロ
リドの製造 (A)で得られたヘプタデカアセチルマルトペン
タオース5g(3.2mモル)、クロロホルム25ml
および四塩化チタンの混合物を、1時間還流撹
拌し、反応液にクロロホルム300mlを加え、水
100mlで3回洗浄したのちクロロホルム層に無
水硫酸ナトリウムを加え、脱水したのち濃縮乾
固する。得られた粗生成物4.8gをシリカゲル
カラムクロマトグラフイにより精製し、ベンゼ
ン−酢酸エチル混液(容量比4:3)で溶出し
た区分をメタノールから再結晶すると、3.2g
のヘキサデカアセチルマルトペンタオシルクロ
リドが得られる(2.1mモル、65%)。 融点:127〜132℃ 赤外線吸収スペクトルcm-1:1750、1370、
1250、1040、760 薄層クロマトグラフイ(シリカゲル、展開溶
媒:ベンゼン/酢酸エチル=2:3):Rf=0.50 元素分析値:C62H83O41Clとして C H 理論値(%) 49.00 5.56 測定値(%) 48.56 5.58 (C) β−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘ
キサデカアセチルマルトペンタオシドの製造 (B)で得られた化合物3g(2mモル)、2−
クロロ−4−ニトロフエノール1.8g(10mモ
ル)を脱水ベンゼン30mlに溶解し、トリエチル
アミン2.5mlを添加し、2時間撹拌しながら還
流加熱する。次いで混合物を約100mlの氷水中
に注ぎ、200mlの酢酸エチルで抽出する。抽出
液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄
し、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで脱水し
たのち、減圧下に乾固すると3.1gの粗生成物
が得られる。この生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイにより精製し、ベンゼン−酢酸
エチル混液(容量比4:3)で溶出した分画区
分をメタノールから再結晶すると、β−(2−
クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘキサデカア
セチルマルトペンタオシド1.4g(0.8mモル、
40%)が得られる。 融点:123〜128℃ 紫外部吸収スペクトル:吸収極大波長〔λnax
=283nm 分子吸光係数(ε)=8900(CHCl3) 赤外線吸収スペクトルcm-1:1740、1580、
1520、1480、1360、1200、1020 薄層クロマトグラフイ(シリカゲル、展開溶
媒:ベンゼン/酢酸エチル=2:3):Rf=0.52 元素分析値:C68H86O44NClとして C H 理論値(%) 49.30 5.23 測定値(%) 48.71 5.35 (D) β−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マ
ルトペンタオシドの製造 (C)で得られた化合物1g(0.6mモル)を脱
水メタノール7ml及びジクロロメタン7mlの混
液に溶解し、室温で撹拌しながら0.5Nナトリ
ウムメトキサイド1.0mlを添加し、16時間反応
させる。反応終了後、析出した沈殿を取し、
脱水メタノール−ジクロロメタン混液(1:
1)で洗浄したのち、減圧下に乾固すると、粗
β−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マル
トペンタオシド0.55gが得られる(0.56mモ
ル、93%)この粗生成物0.55gを水を用いたバ
イオゲルP2のカラムクロマトグラフイにより
精製し、中央留分より次の理化学的性質を有す
るβ−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マ
ルトペンタオシドが0.41g得られる(0.42mモ
ル、70%)。 融点:198〜201℃ 紫外部吸収スペクトル:吸収極大波長〔λnax
=295nm 分子吸光係数(ε)=8100(H2O) 赤外線吸収スペクトルcm-1:3400、2920、
1580、1520、1480、1350、1270、1020 核磁気共鳴スペクトル(250MHz)ppm 8.31(d、J=3Hz、1H) 8.18(dd、J=3Hz、J=9Hz、1H) 7.43(d、J=9Hz、1H) 5.34〜5.57(m、9H) 3.92〜3.03(m、26H) 本物質の2−クロロ−4−ニトロフエニル基
の配位がβ位であることは、α−グルコシダー
ゼ及びβ−グルコシダーゼの両酵素を用いて確
認した。 実験例 1 下記の試薬を用い、ヒト膵臓アミラーゼ(以下
P−アミラーゼと呼ぶ)の反応性を測定した。 試薬A(基質液):β−(2−クロロ−4−ニト
ロフエニル)−マルトペンタオシド(以下G5β−
CNPと呼ぶ)及びα−(4−ニトロフエニル)−
マルトペンタオシド(以下G5α−PNPと呼ぶ)
の各基質を0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)にて、そ
れぞれ6mMとなるように調製する。 試薬B(反応停止液):1Mリン酸及びアセトニ
トリル 試料:P−アミラーゼを500IU/に調製す
る。 HPLC測定条件 移動相:10%アセトニトリル カラム:TSK−ゲルNH2−60(東ソー社製) 流速:0.7ml/分 検出:UV計 測定操作: 試薬A0.6mlを37℃で5分間予備加温する。次
いでP−アミラーゼ0.02mlを加え、60分経過後に
1Mリン酸0.1ml及びアセトニトリル0.6mlを加え
反応を停止させる。この反応液15μを試料とし
てアミラーゼの反応性をHPLCにより測定した。
残存基質量、生成するG2α−PNP、G3α−PNP、
G2β−CNP及びG3β−CNPの量を下記表に示す。 本発明のG5β−CNP及び比較例のG5α−PNP
に対するP−アミラーゼの作用部位を比較する
と、P−アミラーゼはG5β−CNPでは、還元末
端から2番目のグルコシド結合(G2−G3間)に
対して特異的に作用する。一方、P−アミラーゼ
はG5α−PNPでは、G2−G3間への特異性が低
く、これより糖鎖の長いG3−G4間に対する反応
性が高い。
【表】 実験例 2 下記の試薬を用い、α−グルコシダーゼの反応
性を測定した。 試薬A:0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)にグルコ
ースオキシダーゼ50U/ml、N−エチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−プロピル)−3,5−ジメ
トキシアニリンナトリウム(DAOS)1mM、4
−アミノアンチピリン1mM、パーオキシダーゼ
3U/mlを加えて調製する。 試薬B(基質):p−ニトロフエニル−α・D・
G1〜G5又はG2〜G5各20mMを0.1Mリン酸緩衝
液(PH7.0)に溶解する(G:グルコース単位)。 試薬C:0.5Mくえん酸 試料:α−グルコシダーゼ0.01〜2U/ml 測定法:試料A1.0mlと試薬B0.5mlを混合し、
87℃で5分間予備加温する。次いで試料0.5mlを
加え、15分経過後、試薬C2.0mlを加えて反応を停
止させ、590nmにおける吸光度を測定し、G2(マ
ルトース)で得られた値を100%として、各マル
トオリゴ糖及びp−ニトロフエニルマルトオリゴ
糖の値を算出した。 その結果を図面に示す。図面はα−グルコシダ
ーゼの種々の基質に対する反応性と基質重合度と
の関係を示すグラフであつて、図中の実線は4−
ニトロフエニルマルトオリゴ糖、点線はマルトオ
リゴ糖を基質とした場合である。 アミラーゼ測定基質の重要な条件の1つとし
て、アミラーゼの作用部位が1カ所であること、
またもし作用部位が2カ所以上であつたとして
も、生成した反応生成物のいずれに対しても共役
酵素(α−グルコシダーゼ)が同一の反応性を示
し、完全に測定系に導けることが必要である(第
2回臨床化学夏期セミナープログラム資料集)。
本願発明の基質はアミラーゼによる反応生成物が
ほとんどG2β−CNP単一であるのに対して、比
較例の基質(G5α−PNP)はそれがG2α−PNP
とG3α−PNPの混合物となる。 図面に示すようにα−グルコシダーゼによる
G3α−PNPとG2α−PNPに対する反応性は約4
倍も異なり、G3α−PNPが多量に生成すると完
全に測定系に導くのに障害となる。
【図面の簡単な説明】
図面はα−グルコシダーゼの種々の基質に対す
る反応性と基質重合度との関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次式 で表わされるβ−(2−クロロ−4−ニトロフエ
    ニル)−マルトペンタオシド。 2 次式 で表わされるマルトペンタオースに、次式 (RCO)2O (式中Rはアルキル基を意味する)で表わされる
    有機酸無水物を作用させ、得られる次式 (式中Rは前記の意味を有する)で表わされる化
    合物を、ハロゲン化して次式 (式中Xはハロゲンを、Rは前記の意味を有す
    る)で表わされる化合物となし、これに次式 で表わされる2−クロロ−4−ニトロフエノール
    を作用させ、得られる次式 (式中Rは前記の意味を有する)で表わされるβ
    −(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘキサデ
    カアシルマルトペンタオシドを脱アシル化するこ
    とを特徴とする、次式 で表わされるβ−(2−クロロ−4−ニトロフエ
    ニル)−マルトペンタオシドの製造法。
JP18582983A 1983-10-06 1983-10-06 β−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マルトペンタオシド及びその製造法 Granted JPS6078994A (ja)

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