図1に本発明を用いた弾球遊技機の1実施例であるパチンコ機の外観を示す。パチンコ機2の本体基部となる本体枠3の内部には遊技盤4が配設されており、遊技盤4の前面には前面枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられている。前面枠5の下方には、打球供給用の供給皿6が設けられ、この供給皿6の下方であり、前面枠5の右側部には、パチンコ球(遊技媒体)7の打ち出し強さを調節する操作ハンドル(発射作動装置)8が設けられている。遊技盤4のパチンコ球7が打ち出される遊技領域4aの略中央には、予め定められた入賞口へパチンコ球を入賞させるなどの所定入賞条件に基づいて遊技中に様々な図柄を液晶画面に所定時間内において変動表示させた後に停止表示させる図柄可変表示装置9が配置され、その周りには始動入賞口10、通常入賞口11、アタッカ12、アウト口13が設けられている。各入賞口10〜12内には、各入賞口10〜12に入ったパチンコ球7を検知する入賞球検知センサ14(図11参照)が設けられている。遊技者は、供給皿6にパチンコ球7を投入してパチンコ球7を供給皿6内に設けられた誘導路を介して後述する球発射装置(発射装置)17へと導き、回動式の操作ハンドル8を所定量回動して球発射装置17の駆動を制御することで、遊技盤4の遊技領域4aの上方に向けてパチンコ球7を打ち出す。打ち出されたパチンコ球7は遊技領域4aの上方から流下する途中で各入賞口10〜12のいずれかに入るか、あるいはアウト口13から回収される。なお、パチンコ機2の遊技領域4aに設けられている複数の釘、風車などの構造物は公知であるので説明は省略する。
なお、前面枠5が閉じているロック状態であるときには、遊技者や遊技場の作業者は、前面枠5に板状のガラスが装着されて形成されたガラス窓19を通して遊技盤4の遊技領域4aを流下していく遊技球を見ることはできるが、遊技盤4にはもちろんのこと本体枠3の内部にも触れることができないようになっている。
図2にパチンコ機の背面側の外観を示す。パチンコ機2の本体枠3には、本体枠3の内部に設けられた支持部材を介して、遊技を行う際に後述する音声発生装置21等の各種装置を作動させるための主制御を行う主制御回路装置(主制御回路基板)15の他に、副制御回路装置(副制御回路基板)16、球発射装置17、球払出装置18等がそれぞれ組み付けられている。これら制御回路装置及び装置は、図示しないケーブル等を介して電気的に接続されている。また、本体枠3の内部にはスピーカーなどの音声発生装置21(図11参照)や、本体枠3及び遊技盤4上の様々な位置にランプ22(図11参照)が設けられており、音声発生装置21から演出効果を持たせた音声を発生させたり、ランプ22の点灯制御によって演出効果を出すといったことを行う。
図3及び図4に示すように、操作ハンドル8は、ハンドルベース26、リングホルダ(打出調整部)27、フェイスカバー28から構成され、詳しくは後述するように、ハンドルベース26とフェイスカバー28とは、リングホルダ27を回動自在に挟み込んだ状態で固定されている。ハンドルベース26は、前面枠5の所定部材に取り付けられる。
図5及び図6に示すように、ハンドルベース26は、有底円筒状の本体部26aとこの本体部26aの底面の外側面に一体に形成された円筒状の軸部26bとからなり、本体部26aの内部には、打出強さ調整用ボリューム30、第1調整ギア(第1ギア)31、第2調整ギア(第2ギア)32、ソレノイド(位置固定部)33が取り付けられる。打出強さ調整用ボリューム30、第1調整ギア31、第2調整ギア32は、リングホルダ27の回動を球発射装置17に伝える回動伝達部(伝達部)34の一部を構成する。本体部26aの内部には、フェイスカバー28を取り付けるための円筒状の第1〜第3カバー取付ボス26c〜26e、後述するねじりバネ(打出付勢部)41の第1腕部41bの先端部を固定するための円柱状のバネ固定ボス26f、後述する第1調整ギア31の挿入部31bを挿入するための第1取付孔26g、後述する打出強さ調整用ボリューム30の軸30c及びネジ部30bを挿通するためのボリューム挿通孔26h、ソレノイド33を取り付けるためのソレノイド取付孔26iが形成されている。ソレノイド取付孔26iは2個形成されている。第1〜第3カバー取付ボス26c〜26eには、それぞれフェイスカバー28の第1〜第3ベース取付ボス28a〜28cを挿入するための位置決め凹部26jが形成され、位置決め凹部26jの底面部にはフェイスカバー28を取り付けるためのカバー取付孔26kが形成されている。バネ固定ボス26fには、ねじりバネ41の第1腕部41bの先端部を固定するためのバネ固定孔26lと、ねじりバネ41の第1腕部41bの回転を防止するための凸状の回転防止凸部26mとが形成されている。
打出強さ調整用ボリューム30は、板状のベース30aと、ネジ切りされたネジ部30bと、円柱状の軸30cとからなり、軸30cはベース30aに回動可能に設けられている。ベース30aは、その幅がハンドルベース26のボリューム挿通孔26hの径よりも大きい形状で形成されており、このベース30aによりボリューム挿通孔26hに軸30c及びネジ部30bを挿通した後に抜けなくしている。ボリューム挿通孔26hにハンドルベース26の裏側(図3中右側)から軸30c及びネジ部30bを挿通させ、ネジ部30bにナット36をハンドルベース26の表側から締め付けると、打出強さ調整用ボリューム30は、ハンドルベース26に固定される(図3参照)。軸30cは後端部側が円形状に形成され、略中心部でその形状が変わり、先端部側は略D字形状に形成されている。
第2調整ギア32には、軸30cを挿入するための凹状の挿入凹部32a(第2軸)が形成されており、この挿入凹部32aは、第2調整ギア32を回動する際の回動中心となる。挿入凹部32aは、入口部側は円形状に形成され、略中心部でその形状が変わり、底面部側は略D字形状に形成されている。ハンドルベース26に固定された打出強さ調整用ボリューム30の軸30cに第2調整ギア32の挿入凹部32aを挿入する。軸30cと挿入凹部32aとの略D字形状部同士を位置合わせして軸30cの先端部に挿入凹部32aを挿入することにより、第2調整ギア32と打出強さ調整用ボリューム30とが位置決めされるとともに、第2調整ギア32は打出強さ調整用ボリューム30に固定され、第2調整ギア32の回動により、打出強さ調整用ボリューム30の軸30cが回動される状態となる。打出強さ調整用ボリューム30は、後述する主制御回路装置15内の回動量演算部51に接続されている(図11参照)。打出強さ調整用ボリューム30は、軸30cの回動量に応じた回動量信号を回動量演算部51に送る。
第1調整ギア31には、後述する接触検知ワイヤ44を挿通するための挿通孔31aが形成され、後端部にはハンドルベース26の第1取付孔26gに挿入するための円筒状の挿入部31b(第1軸)が、先端部には後述するリングホルダ27の係合孔27hに挿入するための円柱状の係合ボス31cがそれぞれ形成されている。挿通孔31a及び挿入部31bは、第1調整ギア31を回動する際の回動中心となり、係合ボス31cは、挿通孔31aを中心に180°の間隔で2個形成されている。挿入部31bをハンドルベース26の第1取付孔26gに挿入すると、第1調整ギア31と第2調整ギア32とが噛合した状態となる。第1調整ギア31と第2調整ギア32とは、それぞれ略180°の範囲で複数のギアの歯が形成されており、挿入部31bを第1取付孔26gに挿入して、第1調整ギア31と第2調整ギア32とを噛合するときに、複数のギアの歯のどのギアの歯を噛合するかにより、第1調整ギア31及び第2調整ギア32の回動可能な角度が変化する。そこで、第1調整ギア31を回動したときに、第1調整ギア31のギアの歯が最も大きな回動角度の範囲で第2調整ギア32のギアの歯と噛合するように、第1調整ギア31と第2調整ギア32とを位置合わせした状態で噛合する。そして、噛合した状態で、図6に示すように、第1調整ギア31を反時計方向に第2調整ギア32と噛合する最端部まで回動する。第1調整ギア31と第2調整ギア32とがこの位置のときに、係合ボス31cを後述するリングホルダ27の係合孔27hに挿入すると、リングホルダ27は基準位置(図10(A)参照)に位置されるとともに、このときの打出強さ調整用ボリューム30の軸30cの回動位置が基準回動位置(回動量=ゼロ)とされる。
ソレノイド(位置固定部)33は、円筒状の本体部(移動駆動部)33aと、この本体部33aの底部に一体に形成された楕円板状のベース部33bとからなり、本体部33aの内部には駆動鉄芯(移動部材)33cが移動可能に設けられている。本体部33aは、後述する主制御回路装置15のメインCPU15aからの命令により、駆動鉄芯33cを移動させる。本体部33aを中心として楕円板状に形成されたベース部33bにおいて本体部33aの両側部分には、それぞれ取付孔33dが形成されており、ビス35を、取付孔33dを介して、ハンドルベース26のソレノイド取付孔26iにビス締めする。これにより、ソレノイド33は、ハンドルベース26に固定される。
図3、図7及び図8に示すように、リングホルダ27は、略円盤状の本体部27aとこの本体部27aの底面の外側面に一体に形成された円筒状の軸部27bとからなり、導電性の樹脂から構成される。本体部27aの外周部には、遊技者が回動する際の把手となる凸状の第1〜第3把手部27c〜27eが形成されている。リングホルダ27の内部には、第1,第2カバー取付ボス26c,26dを挿通するための長孔状の第1挿通孔27f、第3カバー取付ボス26eを挿通するための長孔状の第2挿通孔27g、第1調整ギア31の係合ボス31cを挿入するための係合孔27h、後述するねじりバネ41の中心部41aに挿入するための円筒状のセンターボス27i、ねじりバネ41の第2腕部41cを係止するための断面が略コ字形状である凸状のバネ係止部27j、後述する接触検知リング45を取り付けるためのリング取付孔27k、接触検知リング45を取り付ける際に位置決めするための位置決めリブ27lが形成されている。センターボス27i(回動軸)は、リングホルダ27を回動する際の回動中心となり、係合孔27hは、センターボス27iを中心に180°の間隔で2個形成されている。センターボス27iの中心軸部には、後述する接触検知ワイヤ44を挿通するための挿通孔27mが形成されている。センターボス27iには、センターボス27iの中心軸部とリング取付孔27kの中心軸部とを結ぶ線上の部分に接触検知ワイヤ44を係止するための凹状のワイヤ係止凹部27nが形成されている。第1挿通孔27f、第2挿通孔27gはそれぞれ円弧状の長孔形状をしており、第1挿通孔27fにハンドルベース26の第1,第2カバー取付ボス26c,26dを、第2挿通孔27gに第3カバー取付ボス26eをそれぞれ挿通すると、軸部27bがハンドルベース26の本体部26aの内部に挿入するとともに、本体部27aの裏面外周部が本体部26aの表面外周部に当接し、リングホルダ27はハンドルベース26に回動可能な状態で取り付けられる。
本体部27aの裏面には、ゴム製の弓形板状の固定板(固定部材)37が取り付けられている。この固定板37は、駆動鉄芯33cの先端面と対向する位置に取り付けられており、後述するように駆動鉄芯33cを移動すると、その移動した駆動鉄芯33cが固定板37に接触する。後述するように、ハンドルベース26とリングホルダ27とを係合した状態では、リングホルダ27は、基準位置(図10(A)参照)から最大回動位置(図10(B)参照)まで回動する。そのため、リングホルダ27をその回動範囲内のどの位置に回動したときにも、固定板37が駆動鉄芯33cの先端面と対向する位置になるように固定板37を取り付ける。なお、固定板37は、ゴムに限定されることなく、摩擦係数の高い部材であれば適宜変更してもよい。
リングホルダ27の第1把手部27cの外周部には、ロックスイッチ(制御開始操作手段)38が設けられており、このロックスイッチ38は後述する主制御回路装置15内のロック回路54に接続されている(図11参照)。なお、ロックスイッチ38は、第2把手部27d、第3把手部27e、ハンドルベース26、フェイスカバー28に設けてもよく、適宜変更されるものである。
図9及び図10に示すように、リングホルダ27の係合孔27hに、ハンドルベース26に取り付けられた第1調整ギア31の係合ボス31cを挿入すると、第1挿通孔27fに第1,第2カバー取付ボス26c,26dが、第2挿通孔27gに第3カバー取付ボス26eがそれぞれ挿通され、ハンドルベース26とリングホルダ27とが位置決めされた状態で係合される。これにより、リングホルダ27は、図10(A)に示す基準位置から図10(B)に示す最大回動位置まで回動自在となるとともに、リングホルダ27を回動すると、第1調整ギア31、第2調整ギア32を介して打出強さ調整用ボリューム30の軸30cが回動される状態となる。なお、リングホルダ27を図10中時計方向に回動させると、パチンコ球7の打ち出し強さが強くなり、図10(B)に示す最大回動位置までリングホルダ27を回動させた場合にパチンコ球7の打ち出し強さが最大となる。また、リングホルダ27を図10中反時計方向に回動させるとパチンコ球7の打ち出し強さが弱くなり、図10(A)に示す基準位置までリングホルダ27を回動させた場合にパチンコ球7の打ち出しが停止する。なお、ハンドルベース26には、パチンコ球7の打ち出しを停止させる発射停止ボタン(図示せず)が設けられており、この発射停止ボタンを押圧し続けると、リングホルダ27の回動位置を維持したままパチンコ球7の打ち出しを停止させることができる。
図9に示すように、ねじりバネ(打出付勢部)41は、コイル状に巻回された中心部41aと、この中心部41aから外側に直線上に延びる第1腕部41b及び第2腕部41cとから構成されており、第1腕部41bの先端部は略円弧状に曲げ加工されている。ねじりバネ41の中心部41aにリングホルダ27のセンターボス27iを挿入し、曲げ加工された略円弧状の第1腕部41bの先端部を介して、ビス42をハンドルベース26のバネ固定ボス26fに形成されたバネ固定孔26lにビス締めする。この状態では、第2腕部41cは図10中反時計方向に回転しようとする力が発生する。そこで、第2腕部41cの先端部をリングホルダ27の断面が略コ字形状である凸状のバネ係止部27jの図10中時計方向側の面に接触させる。これにより、第2腕部41cは、その図10中反時計方向に回転しようとする力により、バネ係止部27jに係止された状態となる。また、第1腕部41bを、回転防止凸部26mの図10中反時計方向側の面に接触させることにより、リングホルダ27を図10中時計方向に回動しても、第1腕部41bが回動しないようにしている。このようにねじりバネ41を取り付けたリングホルダ27は、ねじりバネ41によって図10中反時計方向(基準位置へ戻る方向)に付勢される。
図7に示すように、接触検知ワイヤ44は、一方が後述する主制御回路装置15内の接触検知処理部53に接続されており、他方の先端部には鉄から構成された接触検知リング45が取り付けられている。接触検知リング45には、リング孔45aが形成されている。図10に示すように、接触検知リング45を、第1調整ギア31の挿通孔31a、リングホルダ27のセンターボス27iの挿通孔27mにそれぞれ挿通させ、接触検知ワイヤ44をワイヤ係止凹部27nに挿入し、ビス47を接触検知リング45のリング孔45aを介してリングホルダ27のリング取付孔27kにビス締めする。これにより、接触検知ワイヤ44がリングホルダ27に係止されるとともに、接触検知リング45がリングホルダ27に固定される。遊技者が手で導電性のリングホルダ27に触れると、リングホルダ27、接触検知リング45、接触検知ワイヤ44を介して接触検知処理部53に通電されるため、この通電の有無によりリングホルダ27に遊技者が触れたかどうかを検知することができる。なお、接触検知リング45は、鉄に限定されることなく、導電性の部材であれば適宜変更してもよい。
図3及び図4に示すように、フェイスカバー28は、中がくり抜かれた略半球形状をしており、その内部には、ハンドルベース26の位置決め凹部26jに挿入するための円柱状の第1〜第3ベース取付ボス28a〜28cが形成されている。第1〜第3ベース取付ボス28a〜28cの軸芯部には、ハンドルベース26の第1〜第3カバー取付ボス26c〜26eを取り付けるための取付穴28dがそれぞれ形成されている。上述したようにハンドルベース26とリングホルダ27とを位置決めして係合した状態で、第1〜第3ベース取付ボス28a〜28cを、第1〜第3カバー取付ボス26c〜26eそれぞれに形成された位置決め凹部26jに挿入し、ハンドルベース26とフェイスカバー28との位置決めを行い、ビス49を、第1カバー取付ボス26cのカバー取付孔26k(図5参照)を介して、第1ベース取付ボス28aの取付穴28dにビス締めする。同様にして、ビス49を、第2カバー取付ボス26dのカバー取付孔26kを介して、第2ベース取付ボス28bの取付穴28dにビス締めし、ビス49を、第3カバー取付ボス26eのカバー取付孔26kを介して、第3ベース取付ボス28cの取付穴28dにビス締めする。これにより、ハンドルベース26とフェイスカバー28とが、リングホルダ27を回動自在に挟み込んだ状態で固定される。
図11に示すように、パチンコ機2の作動は基本的に主制御回路装置15及び副制御回路装置16によって管制される。
主制御回路装置15は、メインCPU(central processing unit)15a及びメインROM(read only memory)15b及びメインRAM(random access memory)15c、回動量演算部51、発射回路52、接触検知処理部53、ロック回路54から構成されている。メインCPU15aは、入賞球検知センサ14から入力される入力信号に応じて、メインROM15bに記憶されている遊技制御プログラムを読み込んでパチンコ機の遊技状態を制御する命令を生成すると共に、副制御回路装置16に命令情報を送信して所定の遊技状態となるように実行させる。メインROM15bには、遊技制御プログラムおよび乱数生成処理プログラムおよび乱数テーブルなどが所定の領域に格納されており、これらはメインCPU15aによって読み出され、演算処理されるように適宜用いられる。メインRAM15cは、ワーキングエリアとなっており、遊技において利用されるデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。また、本実施形態では、メインCPU15aは、ソレノイド33の駆動を制御する制御手段としても機能し、リングホルダ27の回動を球発射装置17に伝える回動伝達部(伝達部)34は、メインCPU15a、打出強さ調整用ボリューム30、第1調整ギア31、第2調整ギア32、回動量演算部51、発射回路52から構成される。
副制御回路装置16は、サブCPU16a及びサブROM16b及びサブRAM16cから構成されている。サブCPU16aは、サブROM16bに格納された副制御装置用制御プログラムを適宜読み出し、主制御回路装置15から命令情報として入力される制御信号に応じて、副制御用制御プログラムに従って副制御回路装置16と、図柄可変表示装置9及び音声発生装置21及びランプ22との間で制御信号の入出力を行い所定の遊技状態となるようにするための駆動制御を行う。サブRAM16cはワーキングエリアとなっており、図柄可変表示装置9及び音声発生装置21及びランプ22の制御において利用されるデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。なお、サブCPU16aにより駆動を制御する装置は、図柄可変表示装置9、音声発生装置21及びランプ22に限られず、遊技領域4aに設けた可動式の入賞装置なども含まれることとする。
メインCPU15aは、入賞球検知センサ14からの信号が入力されると、メインROM15bに記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、球払出装置18を駆動して所定個数の賞球を供給皿6上に払い出す。なお、賞球の個数は、遊技球が入った各入賞口10〜12の種類に応じて適宜設定して良い。
上記のように構成されたパチンコ機の作用について説明する。遊技者は、操作ハンドル8のリングホルダ27を回動して、球発射装置17によりパチンコ球7を遊技領域4aに打ち出す。リングホルダ27を回動すると、第1調整ギア31、第2調整ギア32を介して打出強さ調整用ボリューム30の軸30cが回動される。打出強さ調整用ボリューム30は、軸30cの回動量に応じた回動量信号を回動量演算部51に送る。回動量演算部51は、送られてきた回動量信号に基づき、対応した電圧信号を発射回路52に送る。遊技者が導電性のリングホルダ27に触れると、リングホルダ27、接触検知リング45、接触検知ワイヤ44を介して接触検知処理部53に通電される。接触検知処理部53は、この通電されたことに基づき、発射回路52に発射許可信号を、ロック回路54にロック許可信号を送る。発射回路52は、回動量演算部51から送られてきた電圧信号と接触検知処理部53から送られてきた発射許可信号とに基づき、対応した駆動信号をメインCPU15aに送る。メインCPU15aは、送られてきた駆動信号に基づき、球発射装置17を駆動して、リングホルダ27の回動量に応じた打ち出し強さでパチンコ球7を遊技盤4面上に打ち出す動作制御を行う。
遊技盤4面上にパチンコ球7が打ち出されている状態のときに、遊技者がロックスイッチ38を押圧すると、ロックオン信号がロック回路54に送られる。ロック回路54は、接触検知処理部53から送られてきたロック許可信号とロックスイッチ38から送られてきたロックオン信号とに基づき、ロック駆動信号をメインCPU15aに送る。メインCPU15aは、送られてきたロック駆動信号に基づき本体部33aを通電し、通電された本体部33aは、図12(B)に示すように、駆動鉄芯33cを図12中A向に移動する。移動した駆動鉄芯33cは、リングホルダ27に取り付けられた固定板37に接触する。固定板37は、摩擦係数の高いゴム製であり、駆動鉄芯33cが接触した際に生じる接触抵抗は、リングホルダ27を基準位置へと戻す方向へ付勢するねじりバネ41の付勢力よりも大きくなる。これにより、リングホルダ27を回動不能に固定する。なお、遊技者がロックスイッチ38の押圧を解除すると、メインCPU15aは、本体部33aへの通電を止め、通電が止められた本体部33aは駆動鉄芯33aを図12中B方向に移動する。これにより、駆動鉄芯33aの固定板37との接触を解除し、リングホルダ27の固定を解除する。
このように、遊技者が遊技中にロックスイッチ38を押圧すると、移動した駆動鉄芯33cがリングホルダ27に取り付けられた摩擦係数の高いゴム製の固定板37に接触し、その接触抵抗によりリングホルダ27を回動不能に固定するから、リングホルダ27を基準位置へと戻す方向へ付勢するねじりバネ41の付勢に抗してリングホルダ27の位置を維持する力を要せずに、ロックスイッチ38を押圧するだけでリングホルダ27の位置を維持することができるため、遊技者の手にかかる負担を軽減することができる。
図13に他の実施形態を示す。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、図13(A)に示すように、リングホルダ27の本体部27aの裏面には、強磁性体である鉄製の弓形板状の固定プレート(磁性部材)57がソレノイド33の駆動鉄芯33cの先端面と対向する位置に取り付けられている。固定プレート57は、リングホルダ27を回動範囲内のどの位置に回動したときにも、駆動鉄芯33cの先端面と対向する位置になるように取り付けられる。遊技者がロックスイッチ38を押圧すると、ロックオン信号がロック回路54に送られる。ロック回路54は、接触検知処理部53から送られてきたロック許可信号とロックスイッチ38から送られてきたロックオン信号とに基づき、ロック駆動信号をメインCPU15aに送る。メインCPU15aは、送られてきたロック駆動信号に基づき、図13(B)に示すように、磁気部としての駆動鉄芯33cを磁気化する。磁気化した駆動鉄芯33cは、磁気により固定プレート57を保持する。これにより、リングホルダ27を回動不能に固定する。なお、遊技者がロックスイッチ38の押圧を解除すると、メインCPU15aは、駆動鉄芯33cを非磁気化する。これにより、駆動鉄芯33aによる固定プレート57の保持を解除し、リングホルダ27の固定を解除する。また、固定プレート57は、鉄に限定されることなく、磁性体の部材であれば適宜変更してもよく、好ましくは強磁性体の部材を用いる。
このように、リングホルダ27の本体部27aの裏面に、固定プレート57を取り付け、駆動鉄芯33cを磁気化して、磁気化した駆動鉄芯33cの磁気により固定プレート57を保持することにより、リングホルダ27を回動不能に固定することができるため、容易にリングホルダ27を固定することができる。
図14に他の実施形態を示す。図1〜図12に示す実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、図14(A)に示すように、リングホルダ27には、略T字形状の固定軸60が、その回動中心がリングホルダ27の回動中心と同一となるように取り付けられている。固定軸60は、回動中心となる円柱状の軸本体60aと、円柱状のベース部60bとから構成され、軸本体60aは挿通孔27mの径よりも小さく、ベース部60bはリングホルダ27の挿通孔27mよりも径が大きくなっており、このベース部60bにより挿通孔27mに軸本体60aを挿通した後に抜けなくしている。そして、図示しない取付部材により、ベース部60bをリングホルダ27のセンターボス27iに取り付ける。ハンドルベース26内には、電磁ブレーキ(位置固定部)61が配設されており、この電磁ブレーキ61には、固定軸60の軸本体60aが回動可能に挿通されている。電磁ブレーキ61は、本体部61a、強磁性体である鉄製の加圧板(加圧部材)61b、コイルバネ61c、磁気コイル(加圧駆動部)61dからなり、磁気コイル61dは、メインCPU15aに接続されている。加圧板61bは、本体部61aに移動可能に設けられ、コイルバネ61cにより軸本体60aを加圧する方向に付勢されている。
磁気コイル61dは、通常時には通電され磁気化されており、図14(A)に示すように、磁気により、コイルバネ61cの付勢に抗して加圧板61bを軸本体60aを加圧しない位置に保持している。遊技者がロックスイッチ38を押圧すると、ロックオン信号がロック回路54に送られる。ロック回路54は、接触検知処理部53から送られてきたロック許可信号とロックスイッチ38から送られてきたロックオン信号とに基づき、ロック駆動信号をメインCPU15aに送る。メインCPU15aは、送られてきたロック駆動信号に基づき磁気コイル61dへの通電を解除する。磁気コイル61dへの通電を解除し、磁気コイル61を非磁気化すると、図14(B)に示すように、コイルバネ61cにより、加圧板61bは軸本体60aを加圧する方向に移動する。移動した加圧板61bは、軸本体60aに接触してこれを加圧する。コイルバネ61cは、加圧板61bにより加圧された軸本体60aに生じる加圧板61bとの接触抵抗が、リングホルダ27を基準位置へと戻す方向へ付勢するねじりバネ41の付勢力よりも大きくなるように、バネ荷重が調整されており、加圧板61bは軸本体60aの回動を阻止する。これにより、リングホルダ27を回動不能に固定する。なお、遊技者がロックスイッチ38の押圧を解除すると、メインCPU15aは、磁気コイル61dへ通電して磁気コイル61dを磁気化して、加圧板61bを軸本体60aに加圧しない位置に保持する。これにより、加圧板61bによる軸本体60aへの加圧を解除し、リングホルダ27の固定を解除する。また、固定軸60をリングホルダ27に取り付ける代わりに、リングホルダ27の回動中心に円柱状の軸を設けてもよい。
このように、リングホルダ27に固定軸60を取り付け、磁気コイル61dへの通電を解除して、コイルバネ61cにより、加圧板61bを軸本体60aを加圧する方向に移動して軸本体60aを加圧して、軸本体60aの回動を阻止することにより、リングホルダ27を回動不能に固定することができるため、リングホルダ27とは離れた位置でリングホルダ27の固定作業を行うことができ、リングホルダ27とハンドルベース26との間にスペースがない場合にも対応することができる。
図15に他の実施形態を示す。図1〜図12に示す実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、図15(A)に示すように、打出強さ調整用ボリューム30は、第1調整ギア31の軸(第1軸)に対して垂直な方向で第1調整ギア31の軸と第2調整ギア32の軸(第2軸)とを結ぶ線上の方向(図中C方向及びD方向)に移動可能に設けられ、メインCPU15aに接続されている。これにより、この実施形態では、打出強さ調整用ボリューム30は移動押付部としても機能する。遊技者がロックスイッチ38を押圧すると、ロックオン信号がロック回路54に送られる。ロック回路54は、接触検知処理部53から送られてきたロック許可信号とロックスイッチ38から送られてきたロックオン信号とに基づき、ロック駆動信号をメインCPU15aに送る。メインCPU15aは、送られてきたロック駆動信号に基づき、図15(B)に示すように、第2調整ギア32の歯を第1調整ギア31の歯に押し付ける方向(図中C方向)に打出強さ調整用ボリューム30を移動して、第2調整ギア32の歯を第1調整ギア31の歯に押し付けて第1調整ギア31を回動不能にする。これにより、リングホルダ27を回動不能に固定する。なお、遊技者がロックスイッチ38の押圧を解除すると、メインCPU15aは、第2調整ギア32の歯を第1調整ギア31の歯に押し付ける方向とは逆方向(図中D方向)に打出強さ調整用ボリューム30を移動して、第1調整ギア31を回動可能にする。これにより、リングホルダ27の固定を解除する。
このように、打出強さ調整用ボリューム30を、第1調整ギア31の軸に対して垂直な方向で第1調整ギア31の軸と第2調整ギア32の軸とを結ぶ線上の方向に移動可能に設け、第2調整ギア32の歯を第1調整ギア31の歯に押し付ける方向に打出強さ調整用ボリューム30を移動して、第2調整ギア32の歯を第1調整ギア31の歯に押し付けて、第1調整ギア31を回動不能にすることにより、リングホルダ27を回動不能に固定することができるため、リングホルダ27の回動を球発射装置17に伝える回動伝達部34の打出強さ調整用ボリューム30、第1調整ギア31及び第2調整ギア32を、リングホルダ27を固定する際に利用することでき、部品数の低減及び製造コストの低減を図ることができる。
図16〜図20に他の実施形態を示す。図1〜図12に示す実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、図16に示すように、ハンドルベース26には、詳しくは後述するように、アームレスト(手載せ部)70が回動自在に取り付けられている。
図17に示すように、ハンドルベース26の軸部26bの略中央下部の左右それぞれの側面には、後述する回動シャフト72を挿通するための回動孔26nが形成されている。軸部26aの左側面には、後述するねじりバネ(手載せ付勢部)73の第1腕部73bを係止するための凸板状のバネ係止部26oが形成されている。バネ係止部26oの下面には、ねじりバネ73の第1腕部73bを挿入するための挿入凹部26pが形成されている。軸部26aの右側面には、アームレスト70が時計方向(図19中F方向)へ回動された際の受け部となる凸状の受けリブ26qと、ロックスイッチ(制御開始操作手段)71を取り付けるための凸板状のスイッチ取付部26rが形成されている。
図18〜図20に示すように、アームレスト(手載せ部)70は、略コ字形状で形成されており、板状の本体部70a、開口70b、左回動軸部70c及び右回動軸部70dから構成される。アームレスト70は、後述するロックスイッチ71のプッシュボタン75を押圧する押圧位置(図20参照)とプッシュボタン75の押圧を解除する解除位置(図19参照)との間で回動自在となり、通常は後述するねじりバネ73により解除位置である上方に付勢されている。左回動軸部70cの中心と右回動軸部70dの中心とを結ぶ線は、アームレスト70を回動する際の回動中心となる。左回動軸部70c、右回動軸部70dには、回動シャフト72を挿通するための挿通孔70eがそれぞれ形成されている。左回動軸部70cを後述するねじりバネ73の中心部73aに挿入し、回動シャフト72を、左回動軸部70cの挿通孔70e、ハンドルベース26の軸部26aの左側面の回動孔26n、軸部26aの右側面の回動孔26n、右回動軸部70dの挿通孔70eの順に挿通させると、アームレスト70は、ハンドルベース26の軸部26aに回動シャフト72を中心に回動可能な状態で取り付けられる。本体部70aの中央部よりも後端部側の左側部には、後述するねじりバネ73の第2腕部73cを係止するための凸板状のバネ係止部70fが形成されている。バネ係止部70fの下面には、ねじりバネ73の第2腕部73cを挿入するための挿入凹部70gが形成されている。右回動軸部70dには、ロックスイッチ71のプッシュボタン75を押圧するための凸状の押圧部70hが形成されている。アームレスト70の本体部70aは、遊技者の手(肩から指先までの部分)の一部である手首が違和感なくフィットするような形状に形成されている。これにより、遊技者は本体部70aに手首を載せ、フェイスカバー28に手のひらを当て、指先だけでリングホルダ27の回動操作を行うことが可能になるから、手が楽な状態で遊技を行うことができる。開口70bは、アームレスト70を回動したときに、本体部70aがハンドルベース26、リングホルダ27、フェイスカバー28に接触しないように形成されている。
図18に示すように、ねじりバネ(手載せ付勢部)73は、コイル状に巻回された中心部73aと、この中心部73aから外側に直線上に延びる第1腕部73b及び第2腕部73cとから構成されている。第1腕部73bをハンドルベース26のバネ係止部26oの挿入凹部26pに挿入し、第2腕部73cを反時計方向(図中E方向)に回転すると、第1腕部73bが反時計方向(図中E方向)に、第2腕部73cが時計方向(図中F方向)にそれぞれ回転しようとする回転力が発生する。そして、第2腕部73cをバネ係止部70fの挿入凹部70gに挿入すると、第1腕部73bがバネ係止部26oに、第2腕部73cがバネ係止部70fにそれぞれ係止された状態となり、ねじりバネ73は固定される。これにより、アームレスト70は、ねじりバネ73により解除位置である上方(図中F方向)に付勢される。また、右回動軸部70dには、凸状の係合ボス70iが形成されており、図19に示すように、この係合ボス70iが、軸部26aに形成された受けリブ26qに接触することにより、ねじりバネ73によりF方向に回動されるアームレスト70の回動が停止し、それ以上F方向に回動しないようになっている。
図18に示すように、軸部26aの右側面に形成されたスイッチ取付部26rには、図示しない取付部材によりロックスイッチ(制御開始操作手段)71が取り付けられている。ロックスイッチ71は主制御回路装置15内のロック回路54に接続されている(図17参照)。図19に示すように、ロックスイッチ71は、プッシュボタン75、ガイドボタン76、スイッチ板77、スイッチ基板78から構成される。プッシュボタン75は、ガイドボタン76によってガイドされ、左右方向(図中G方向及びH方向)にスライド可能な状態で取り付けられている。図20に示すように、アームレスト70を押圧位置に回動して、押圧部70hによりロックスイッチ71のプッシュボタン75を押圧(G方向にスライド)すると、弾性変形する薄板金属からなるスイッチ板77は変形され、スイッチ基板78のパターン面78aに接触する。このパターン面78aには、電気回路のパターンが設けられており、図19に示すように、通常は、断線されていて通電していない。スイッチ板77をパターン面78aに接触させることにより、そのパターンは通電され、ロックオン信号がロック回路54に発信される。ロック回路54は、接触検知処理部53から送られてきたロック許可信号とロックスイッチ71から送られてきたロックオン信号とに基づき、ロック駆動信号をメインCPU15aに送る。そして、メインCPU15aは、送られてきたロック駆動信号に基づき、図1〜図12に示す実施形態に示した方法で、リングホルダ27を回動不能に固定する。なお、図13に示す実施形態、図14に示す実施形態、図15に示す実施形態のいずれかに示した方法で、リングホルダ27を回動不能に固定してもよい。
このように、ハンドルベース26に、遊技者の手首を載せて指先だけでリングホルダ27の回動操作を行うことを可能にするアームレスト70を回動自在に取り付け、アームレスト70をロックスイッチ71のプッシュボタン75を押圧する押圧位置に回動すると、ロックスイッチ71からロック回路54にロックオン信号が発信され、ロック回路54は、接触検知処理部53から送られてきたロック許可信号とロックスイッチ71から送られてきたロックオン信号とに基づき、ロック駆動信号をメインCPU15aに送り、インCPU15aは、送られてきたロック駆動信号に基づきリングホルダ27を回動不能に固定することができるから、アームレスト70を押圧位置に回動するだけで容易にリングホルダ27を回動不能に固定することができる。