JP4196852B2 - パラメータ設定装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、オーディオミキサにおけるパラメータ設定装置であって、特にミキサにおけるパラメータについての或る設定状態を1組のデータとして記録したパラメータ設定データを複数記憶し、該記憶されたパラメータ設定データを読み出すことで、ミキサにおけるパラメータの設定状態を、該読み出したパラメータ設定データに基づき一括して設定変更する機能を具備するものに関し、また、オーディオミキサにおいて前記パラメータ設定データに基づくパラメータの設定変更機能を実行するためのプログラムに関する。
従来から知られるディジタルオーディオミキサにおいては、例えばプリセットされたパラメータ設定状態や操作者が設定した複数種のパラメータについてのパラメータ設定状態等、当該ミキサに具わるいくつかの種類のパラメータの設定状態(パラメータの設定値)を1つのシーンとみなし、該いくつかのパラメータの設定値を1組のデータとして記録することができ、該記録された或る1つのシーンにおける各パラメータの設定値のデータを読み出すことで、該読み出したシーンに応じた各種パラメータの設定状態を再現することができた。この明細書中では、前記いくつかのパラメータの設定値を1組のデータとして記録したデータを「シーンデータ」という。操作者は自身が設定した複数のシーンを保存しておくことができ、該保存された複数の「シーンデータ」のうちから任意のシーンデータを選択して、該選択したシーンデータを読み出すことで、現在ミキサにおいて設定されているパラメータの設定状態を、該読み出された「シーンデータ」の内容に応じて一括して書き換えることができた。なお、この明細書中において使用する用語「ストア」は、或るパラメータの設定状態をシーンデータとして保存することを表し、また、用語「リコール」は、ストアされたシーンデータを読み出して、該読み出したシーンデータの内容に応じてパラメータの設定状態を切り替えることを表す。
前記シーンデータのリコールを実行する手順の一例として、操作者は、ミキサ本体の操作パネル上の操作子を用いて、現在ストアされている複数のシーンデータのうちから所望のシーンデータを選択し、該選択したシーンデータについてリコールの指示を行うことで、ミキサのパラメータの設定状態を該リコールしたシーンデータの内容に基づき変更することができる。
また、この種の従来から知られるディジタルオーディオミキサの一例として、本出願人が発売するミキサ(製品名「PM1D」)は、ミキサに外部接続したパーソナルコンピュータにおいてミキサ制御用のソフトウェアプログラムを起動することで、パーソナルコンピュータから該ミキサの全体的動作を制御することができる。操作者は、上記シーンデータのリコール処理を、コンピュータに備わるディスプレイ上に表示された表示画面(ウィンドウ)から行うこともできた(例えば下記非特許文献1参照)。
http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/PM1D_ManagerJ.pdf
ところで、実際にシーンデータのリコールを実行する前に、選択したシーンデータの内容(つまり各パラメータの設定値、設定状態)を確認するには、ミキサの操作パネル上の表示部(LCDディスプレイ)或いは外部接続したパーソナルコンピュータのディスプレイにおいて、当該選択したシーンデータについての内容を表示するための別画面(ウィンドウ)を起動する必要があった。
シーンデータとしてストアされた各種パラメータの設定状態の中には、例えば、所定の複数具わる入力端子から入力された各信号を所定の複数具わる入力チャンネルのうちの何れのチャネンルに割り当てるべきかを設定した設定データ(これをパッチデータという)等のように、そのデータの変更がミキシング処理全体に対して大きな影響を与えるものが含まれている危険性がある。シーンデータをリコールした際にパッチデータ等のように現状から不用意に変更されるべきでないデータが変更されてしまうことを防ぐためには、これから読み出すシーンデータの内容を事前に確認し、パッチデータ等の変更されるのが好ましくないデータの変更指示が含まれているかどうかを調べておくことが、操作者にとって望ましい。しかしながら、上述の通り、シーンデータの内容を確認するには、選択したシーンデータについて別画面(ウィンドウ)を展開する必要があったため、簡単にその内容を確認することができず、面倒であった。また、シーンデータにパッチデータ等の変更指示が含まれていることに気がつかず、誤ってリコールを実行してしまう恐れも大きかった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、新たにシーンデータを読み出す際に、例えばパッチデータ等のように、不用意に変更されるのが好ましくないデータが、誤って変更されてしまうことを効果的に防止できるようにすることを目的とする。
この発明は、オーディオミキサに適用するパラメータ設定装置であって、複数種のパラメータの各々についての設定状態を1組のデータとして記録したパラメータ設定データを複数記憶する記憶手段と、操作者が前記記憶手段に記憶された複数のパラメータ設定データのうちから任意の1つを選択する選択手段と、前記選択されたパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータのうちに警告対象となる警告対象データが含まれているかどうかを判定し、該警告対象データが含まれている場合には、所定の警告動作を実行するよう制御する制御手段と、操作者による指示に応じて前記選択されたパラメータ設定データを前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、前記読み出したパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータの各々についての設定状態に基づくパラメータ設定を行う設定手段とを含むパラメータ設定装置である。
この発明によれば、操作者が、或る1つの前記パラメータ設定データを選択すると、制御手段は、該選択されたパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータのうちに警告対象となる警告対象データが含まれているかどうかを判定し、該警告対象データが含まれている場合には、所定の警告動作を実行するよう制御する。前記警告対象データとしては、例えば上述したパッチデータのように、そのデータの変更がミキシング処理全体に対して大きな影響を与えるものが含まれている危険性があるパラメータに関するデータである。選択されたパラメータ設定データに警告対象データが含まれている場合には、所定の警告動作(例えば警告表示等)を行うことで、操作者に対して、該選択されたパラメータ設定データ中にパッチデータ等のような警告対象データが含まれていることを簡単且つ明確に確認させることができる。従って、新たにパラメータ設定データをリコールする際に、例えばパッチデータ等のように、不用意に変更されるのが好ましくないデータが、誤って変更されることを効果的に防止できるようになる、という優れた効果を発揮する。
以下添付図面を参照して、この発明の一実施例について説明する。
図1はこの発明の一実施例に係るオーディオミキサのハードウェア構成を示すブロック図である。ミキサは、CPU1、ROM2、RAM3、信号処理回路(DSP)4、操作子検出回路5、表示制御回路6、及び通信インターフェース(通信I/F)7を含み、各装置間が通信バス1Bを介して接続される。また、当該ミキサは、通信I/F7を介して例えばパーソナルコンピュータ等の外部機器7aに接続されており、両者の間でデータの送受信が可能である。前述したとおり外部機器7aでは、ミキサ制御用のソフトウェアプログラムの実行により、当該ミキサにおける全体的な動作を制御することや、当該ミキサの動作状況等を外部機器7aに具わるディスプレイに表示することが可能である。
CPU1は、ROM2或いはRAM3に記憶にされた各種制御プログラムを実行し、当該ミキサの全体的な動作を制御する。ROM2或いはRAM3に記憶された制御プログラムに、詳しくは後述するこの実施例に係るシーンデータ(パラメータ設定データ)のリコール処理を実行するためのプログラムが含まれている。RAM3には、操作者からの指示に応じて当該ミキサにおける複数種のパラメータの設定状態(パラメータの設定値)を1組のデータとして記録した「シーンデータ」を保存するための記憶領域(シーンメモリ)が設けられており、このシーンメモリには複数のシーンデータを保存することができる。また、RAM3には、当該ミキサにおいて現在設定されている全てのパラメータの設定状態、設定値を記憶する記憶領域(カレント領域)が設定されており、ミキサの各種パラメータの現在の設定値のデータが該カレント領域に記憶される。
なお、CPU1により実行される各種プログラムは、ROM2或いはRAM3に記憶されたもののみならず、図示しないハードディスクやCD−ROM等の外部記憶媒体に記憶されたものを利用すること、あるいは、図示しない通信インターフェースを介して適宜のサーバコンピュータからダウンロードし、図示しないハードディスク装置(HDD)等に保存したものを利用することも可能である。この場合、該各種プログラムは、当該プログラムを実行すべき時にRAM3に転送されてCPU1の制御の下で実行される。これによりプログラムの追加やバージョンアップ等を容易に行える。
操作子検出回路5には、音量制御フェーダ等のミキシング操作に関る操作子群や、「シーンデータ」の保存、選択等を指示するための指示操作子群等を含む操作部(ミキシングコンソール)8が接続され、操作者は該操作部8からミキシング操作や各種パラメータの設定や各種機能の起動指示等を行う。また、表示制御回路6に接続された表示部9は、CPU1の制御に従って当該ミキサにおける各種機能(ミキサにおける種々のミキシング操作に対応する機能)に応じた種々の操作画面(ウィンドウ)を表示する。前記種々の操作画面には、当該ミキサの動作状況やパラメータ設定状態等が表示される。なお、表示部9は、例えばLCDディスプレイによって構成され、操作部8のパネル上に配置されるものである。
信号処理回路4は、音響信号入出力機器10を介して入力されるディジタルオーディオ信号に対して、前記操作部8での操作内容(パラメータ設定)に基づく信号処理(ミキシング処理)を実行すると共に、その結果をミキシング出力として該音響信号入出力機器10へ出力する。
ここで、信号処理回路4において実行されるミキサの基本的な動作について簡単に説明する。信号処理回路4には、音響信号入出力機器10に具わる所定の複数の入力端子を介して複数種の入力信号(ディジタルオーディオ信号)が供給される。該所定の複数の入力端子から入力された各入力信号は、信号処理回路4において、所定の複数の入力チャンネルに対して任意に割り当てされて入力される。この明細書中では、各入力端子の入力信号を各入力チャンネルに割り当てることを「パッチ」といい、その設定データを「パッチデータ」という。すなわち、各入力端子から入力された各入力信号は、パッチデータの設定内容に従って、各入力チャンネルに割り当てされる。前述したようにパッチデータは、その設定内容(つまり各入力端子毎の信号の各入力チャネンルに対する割り当て態様)が変更されてしまうとミキシング処理全体に大きな影響を及ぼす恐れがある。詳しくは後述するように、この実施例に従えば、シーンデータのリコールによってパラメータ設定を変更するに際して、当該シーンデータによって変更指示されるデータの中に、パッチデータ等のように変更に注意を要するデータが含まれている場合は所定の警告動作を行うことで、操作者にその存在を知らしめることができるようになる。
操作者は操作部(コンソール)8の各種操作子を操作して、前記各入力チャンネル毎の入力信号に対して個別に音量制御や、各種エフェクト等の各種パラメータ設定を行い、信号処理回路4は各入力チャンネルの入力信号に対して、該操作部8でのパラメータ設定に応じた信号処理を施す。そして、該信号処理された各信号は、操作部8でのパラメータ設定に応じて適宜ミックスされ、ミキシング出力として音響信号入出力機器10に出力される。信号処理回路4において信号の出力側には、所定の複数の出力チャネンル設けられており、音響信号入出力機器10には信号処理回路4から出力された各信号を出力するための所定の複数の出力端子が設けられている。この各出力チャンネルと各出力端子についても、入力側と同様な割り当て設定(パッチ設定)が行われる。
次に、この実施例に係る「シーンデータ」のリコール機能について説明する。図2は、表示部9と、操作部8に具わるシーンデータの書き込み/読み出しに関する操作子群とを抽出して示す図である。図2において、符号80及び81で示す操作子は、詳しくは後述するシーンデータの選択に用いるためのインクリメントスイッチ(符号80)及びデクリメントスイッチ(符号81)である。また、符号82で示す操作子は、現時点におけるパラメータの設定状態(前記カレント領域に記憶されたデータのうち、シーンデータに含まれるパラメータに関するデータ)を1つのシーンデータとして保存することを指示する書き込みスイッチ(「書込SW」)である。保存されたシーンデータは前述したRAM3のシーンメモリ領域に格納される。また、符号83は、操作者が任意に選択したシーンデータを読み出して、該読み出したシーンデータの内容に応じて各パラメータの設定状態を書き換えるための、つまり、シーンデータのリコールを指示するためのリコールスイッチ(「読出SW」)である。
操作者が操作部8からシーンデータ選択処理ルーチンの起動指示(これは例えば図示しない所定の操作子によって行いうるものとする)を行うと、表示部9上には、図2に示すようなシーンデータ選択画面(ウィンドウ)が表示される。図に示すとおりシーンデータ選択画面には複数のシーンデータがリスト表示(シーンデータリスト9a)されている。当該シーンデータ選択画面のシーンデータリスト9aには、前記RAM3のシーンメモリ領域に保存された全てのシーンデータをリスト表示することができる。各シーンデータには、夫々固有のシーン番号とシーン名が付与されており、シーンデータリスト9aには、各シーンデータのシーン番号とシーン名とがリスト表示される。例えば、図示のリストにおいて左側の欄に縦並びに示されている数字列「00」、「01」…等が、シーン番号に相当するものであり、各番号の右手に示された文字列「House PA」、「Standard PA」…等が各シーン番号に対応するシーン名である。こうしたシーン番号やシーン名は、シーンデータが新規に設定(保存)される毎に自動的に付与されてもよいし、操作者が任意に作成できてもよい。
シーンデータリスト9aにおいて、網掛け表示した部分は、現在選択されているシーンデータを示すマーカである。図の例では、シーン番号「03」シーン名「Monitor Mix #2」というシーンデータが選択されている。このマーカは、インクリメントスイッチ80又はデクリメントスイッチ81の操作に応じてリスト上を上下移動する。操作者は、所望のシーンデータの部分に当該マーカを移動させることで、シーンデータの選択を行う。なお、シーンデータの選択方法は、上記に限らず、例えば、図示しないテンキーを用いてシーン番号の数値を入力し、図示しないエンターキーの操作によって、選択を確定する方法等であってもよい。シーンデータが選択された状態(該選択が確定した状態)で、リコールスイッチ83が操作されると、後述するシーンデータのリコール動作が実行される。
図2のシーンデータリスト9aから、或るシーンデータ(この例ではシーン番号03)が選択された際、操作者は、当該シーンデータ選択画面上では、該選択したシーンデータに記録された各種パラメータの詳細な設定内容を確認することはできない(シーンデータの内容を表示する別画面を表示しなければその確認はできない)。この実施例によれば、該シーンデータ中に例えばパッチデータ等のように不用意に設定変更されることが望ましくないパラメータの変更指示が含まれている場合は、図2に示すような警告表示ウィンドウ9bを、シーンデータの選択時に直ちに(ユーザが特別な操作をすることなく)確認できる状態で表示して、パッチデータ等のように不用意に設定変更されることが望ましくないパラメータの変更指示が含まれていることを操作者が簡単に確認できるようになっている。すなわち、シーンデータに記録される種々のパラメータの設定値のデータのうち、例えばパッチデータ等のように不用意に設定変更されることが望ましくないパラメータを警告対象となるデータとして設定しておき、或るシーンデータが選択されたときに、前記警告対象となるデータが、警告表示ウィンドウ9bに表示されるようになっている。図において警告表示ウィンドウ9bには、〈「パッチ」変更指示あり〉及び〈「???」変更指示あり〉という警告が表示されている。〈「パッチ」変更指示あり〉は、現在選択されているシーンデータにはパッチデータの変更指示が含まれていることを示す。後者の〈「???」変更指示あり〉については、説明の便宜上、具体的なパラメータの名称を明示せずに「???」としたが、実際には、ここにも警告対象データとなるパラメータの名称が表示される。このような警告表示を実現するためのシーンデータのデータ構成例ついて図3を参照して説明する。
図3は、RAM3のシーンメモリ領域に記憶されたシーンデータの構成例を示す図であって、(a)は、一例として、シーンデータ(非警告対象)と警告対象データとを別々に記憶する例を示している。前述の通り、各シーンデータには固有のシーン番号とシーン名とが付与されており、各シーンデータ毎に、各入力チャンネルの音量制御パラメータや、エフェクト設定、パン設定その他、各種パラメータの設定状態についてのデータを含んでいる。一方、パッチデータのように、変更するとミキシング処理全体に大きな影響を与える恐れがある等の理由から、その変更指示が含まれていることを操作者に対して予め認識させることが望ましいパラメータの設定状態については、警告対象データとしてシーンデータとは別途に記憶される。図の例では、警告対象データとして複数のパッチデータ(PATCH01,02,03…)が記憶されている。各警告対象データ(パッチデータ)は、例えば、シーンデータ「00」はパッチデータ「01」を使用し、シーンデータ「02」は、パッチデータ「03」を使用するという具合に、各シーンデータに対応付けることができる。
上記図3(a)には、一例として、シーンデータ(非警告対象)と警告対象データとを別々に記憶する例を示したが、これに限らず、(b)に示すように、1つのシーンデータ(非警告対象のデータ)中に警告対象となるデータを含んで記憶するよう構成してもよい。シーンデータには、各種パラメータの設定状態のデータとして、警告の対象とならないデータ(警告非対象データ)と共に、パッチデータ等の警告対象データが記憶されている。
このようにデータ構成は、シーンデータとして読み出されるデータ(パラメータ)のうち警告対象データがどれであるかが認識(区別)できる構成であれば、どのようなこうせいであってもこの実施例に実施に差し支えない。
警告対象データとなるパラメータの種類は、予め設定されていてもよいし、操作者が任意に設定できるよう構成してもよい。操作者がこれを設定・変更するには、例えば、別ウィンドウを起動して、当該別ウィンドウから警告対象データの設定を行いうるよう構成してよい。この警告対象データとなるパラメータの種類の設定・変更の機会は格別に限定されない。
また、この実施例においては、シーンデータに含まれる各パラメータについて、個別に、その読み出しを禁止する設定を行うことができ、その設定された状態を表す情報はRAM3に設けられた所定の記憶領域に保持される。操作者が読み出し禁止の設定を行うには、例えば、別ウィンドウを起動して、当該別ウィンドウから任意のパラメータについて読み出し禁止の設定を行いうるよう構成してよい。なお、この読み出し禁止の設定・変更の機会は格別に限定されない。例えば、操作者が、或るシーンデータを選択した際に、該選択したシーンデータのリコールを指示する前に、任意のパラメータ(例えば、警告対象となっているパラメータ等)の読み出しを禁止してから、該シーンデータのリコールを行えば、パッチデータ等のように変更したくないパラメータを除外して、当該シーンデータを使用できるようになる。
図4は、表示部9にシーンデータ選択画面のシーンリスト9aから、或るシーンデータが選択されるときに起動する警告表示の制御手順の一例を示すフローチャートである。
図4に示すルーチンは、前述のシーンデータ選択画面が表示された状態で、インクリメントスイッチ80又はデクリメントスイッチ81の操作、或いは、テンキーによるシーン番号の入力とエンターキーによる確定によって、新たにシーンデータが選択された際に起動する。新規にシーンデータが選択されると、RAM3のシーンメモリ領域に記憶されている当該選択されたシーンデータの内容を参照(ステップS1)して、該選択されたシーンデータに警告対象データが含まれるかどうか判別する。ここで、上記図3(a)に示すデータ構成例が適用されている場合は、当該選択されたシーンデータに対応付けられた警告対象データの有無を判別すればよい。そして、選択されたシーンデータに警告対象データが含まれていれば(ステップS2のYES)、当該シーンデータの警告対象データが表すパラメータ設定状態と、RAM3のカレント記憶領域に記憶されている現在のパラメータ設定状態とを比較して(ステップS3)、当該パラメータについて、シーンデータの設定状態と現在の設定状態に違いがあるかどうか判定する(ステップS4)。この例では。両者に違いがなければ(ステップS4のNO)以下の処理を行わずに当該警告表示制御ルーチンを終了するようになっている。このように、シーンデータの設定状態と現在の設定状態に違いを調べることで、選択されたシーンデータに警告対象データが含まれていても、現状のパラメータ設定値からの変更がない(両者の設定値が同じ)場合は、そのパラメータの変更はミキシング処理に実質的な影響を及ぼさないため、警告対象から除外するよう処理して差し支えない。
ステップS5において、シーンデータの警告対象データが、前述した読み出し禁止に設定されているかどうか判別し、当該警告対象データに読み出し禁止が設定されていれば(ステップS5のNO)当該警告表示制御ルーチンを終了するようになっている。警告対象データが読み出し禁止に設定されていれば、当該シーンデータがリコールされたとしても、警告対象データのパラメータ設定値は読み出されないので、警告対象から除外して差し支えない。そして、ステップS6において、上記ステップS4、S5の判定条件に適う警告対象データについて、操作者に対して警告を発する。この実施例では、図2に示すシーンデータ選択画面において警告表示ウィンドウ9bを表示することで、操作者に対する警告を発する。当該警告表示ウィンドウ9bには、選択されたシーンデータに含まれる警告対象データが表示される。これにより操作者は、現在の設定からの変更が望ましくないパラメータの変更指示が含まれているかどうかを簡単に確認することができる。選択されたシーンデータに警告対象データ(パラメータ)が複数含まれている場合には、上記ステップS3〜S5の確認処理を該複数の警告対象データの全てについて行う。その場合は、各警告対象データ(パラメータ)毎に警告を発してもよいし、全ての警告対象データ(パラメータ)についてまとめて1回で警告してもよい。
操作者は、警告表示ウィンドウ9bの表示によって、選択したシーンデータ中に不用意に設定変更されることが望ましくないパラメータの変更指示が含まれているかどうかを確認してから、該シーンデータのリコールを行うことができる。操作者によって図2に示す読み出しスイッチ83が操作されると、RAM3のシーンメモリ領域から該選択されたシーンデータに記録されている各パラメータについての設定値のデータを読み出し、該読み出したパラメータの設定値を信号処理回路4(図1参照)に設定する。このとき読み出し禁止に設定されたパラメータの設定については、そのデータを読み出さず、現状の設定値を維持する。なお、警告対象となったパラメータについても、操作者によってリコール指示が行われれば、その設定値をシーンメモリ領域から読み出して、信号処理回路4に設定する。こうして、選択したシーンデータに記録された内容(各パラメータの設定状態)に基づき当該ミキサのパラメータの設定状態を一括して書き換えて、該読み出したシーンデータに記録された各種パラメータの設定状態を再現することができた。
このように、この実施例によれば、新たにシーンデータを読み出す際に、選択されたシーンデータ中に、パッチデータ等のように不用意に設定変更されることが望ましくないパラメータの変更指示が含まれている場合には、警告表示を行うことで、操作者に対してパッチデータ等の警告対象データの存在を確認させることで、前記不用意に設定変更されることが望ましくないパラメータの設定値が誤って変更されてしまうことを効果的に防止できるようになる。
なお、上述の実施例においては、警告対象となるパラメータとして、パッチデータを例に挙げたが、その他、そのデータの変更がミキシング処理全体に対して大きな影響を与えるものが含まれている危険性があるパラメータは、何れもこの発明にかかる警告対象データとなりうる。また、その変更がミキシング処理全体に対して大きな影響を与えない(或いはその危険性が小さい)パラメータであっても、操作者がこれを任意に警告対象として設定してよい。
シーンデータが選択された際の警告の方法は、上述図2に示したような表示例(警告表示ウィンドウ9b)による方法に限らず、例えば、シーンデータリスト9aにおいて選択されたシーンデータの表示欄からポップアップ画面が展開表示される方法や、表示部9(LCDディスプレイ)全体の色を変更する方法や、シーンデータリスト9aにおける選択したシーンデータの表示欄或いはシーン番号の色変えを行う方法、それらの点滅等、新たに選択したシーンデータにおいて警告対象データが含まれていることを操作者が簡単に認識できる警告方法 (処理)でありさえすればよく、また、視覚表示に限らず、適宜の警告音を発生して聴覚によって警告する方法その他、操作者が簡単に認識できる方法でさえあれば、適宜の方法を適用しうる。
なお、この発明に係るパラメータ設定処理は、上述の実施例のようにミキサ装置においてその実行を制御する実施形態のみならず、当該ミキサに外部接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器7aにおいて、該パラメータ設定処理を実行するためのソフトウェアプログラムを起動することで、例えば図2に示すようなシーンデータ選択画面を外部機器7aに具わるディスプレイに表示して、該ディスプレイ上からGUIにより各種指示入力を行うなど、ミキサにおけるパラメータ設定を外部機器7aから制御する実施形態も可能である。
この発明の一実施例に係るミキサシステムの全体構成を示すブロック図。 同実施例に係るミキサの操作部に備わる表示部とシーンデータのリコール処理に関わる操作子群を抽出して示す図であって、前記表示部には、シーンデータ選択画面と警告表示ウィンドウの表示例を示す。 同実施例に係るシーンデータの構成例を示す図。 同実施例に係るシーンデータ選択時の警告表示制御の手順の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 信号処理回路、5 操作子検出回路、6 表示制御回路、7 通信インターフェース、8 操作部、9 表示部、9a シーンデータリスト、9b 警告表示ウィンドウ、10 音響信号入出力機器、80 インクリメントスイッチ、81 デクリメントスイッチ、82 書き込みスイッチ、83 リコールスイッチ

Claims (3)

  1. オーディオミキサに適用するパラメータ設定装置であって、
    複数種のパラメータの各々についての設定状態を1組のデータとして記録したパラメータ設定データを複数記憶する記憶手段と、
    操作者が前記記憶手段に記憶された複数のパラメータ設定データのうちから任意の1つを選択する選択手段と、
    前記選択されたパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータのうちに警告対象となる警告対象データが含まれているかどうかを判定し、該警告対象データが含まれている場合には、所定の警告動作を実行するよう制御する制御手段と、
    操作者による指示に応じて前記選択されたパラメータ設定データを前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、
    前記読み出したパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータの各々についての設定状態に基づくパラメータ設定を行う設定手段と
    を含むパラメータ設定装置。
  2. 前記パラメータ設定データに含まれる複数種のパラメータについて個別に読み出し禁止を設定することが可能な禁止手段を更に具え、
    前記制御手段は、前記警告対象データについて前記禁止手段により読み出し禁止設定がなされているかどうかを判定する手段を更に含み、該読み出し禁止設定がされていない場合に、前記所定の警告動作を実行するよう制御するものである請求項1に記載のパラメータ設定装置。
  3. オーディミキシング処理に際して起動するパラメータ設定用のプログラムであって、
    コンピュータに、
    複数種のパラメータの各々についての設定状態を1組のデータとして記録したパラメータ設定データを複数記憶する手順と、
    前記複数のパラメータ設定データのうちから操作者が任意の1つを選択する手順と、
    前記選択されたパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータのうちに警告対象となる警告対象データが含まれているかどうかを判定し、該警告対象データが含まれている場合には、所定の警告動作を実行するよう制御する手順と、
    操作者による指示に応じて前記選択されたパラメータ設定データを前記記憶手段から読み出す手順と、
    前記読み出したパラメータ設定データに記録された複数種のパラメータの各々についての設定状態に基づくパラメータ設定を行う手順と
    を含む処理を実行させるプログラム。





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