JP4196767B2 - 成長装置 - Google Patents

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本発明は、2種以上のガスを排気する排気処理装置を用いた成長装置に係り、特に、青色から緑色にかけての領域で発光する半導体発光素子の製造に用いられる成長装置に関する。
近年、青色から緑色にかけての領域で発光する半導体レーザ(laser diode;LD)や発光ダイオード(light emitting diode;LED)などの半導体発光素子の産業的な需要が高まっており、その発光層の材料としてInGaN混晶などのインジウム(In)を含む窒化物系III−V族化合物半導体が注目されている。InGaN混晶を発光層に用いる場合、そのインジウム組成は20%〜30%と高くすることが求められる。そのためには、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法における成長温度を、GaNあるいはAlGaN混晶などのインジウムを含まない窒化物系III−V族化合物半導体の成長温度(1000℃程度)よりも比較的低温、例えば700℃〜800℃程度とする必要がある。
半導体発光素子、特に半導体レーザでは、ダブルへテロ構造が採用される。この構造では、発光層を、それよりも屈折率が小さくかつ導電性の異なる二つのクラッド層で挟み込んだ積層構造となっている。InGaN混晶を発光層に用いたダブルへテロ構造の半導体発光素子をMOCVD法により製造する場合、例えば、n型AlGaN混晶よりなるn型クラッド層を約1000℃で成長させたのち、InGaN混晶よりなる発光層を700℃ないし800℃の成長温度で成長させ、続いて、p型AlGaN混晶よりなるp型クラッド層を約1000℃で成長させる。このとき、窒素の原料として、アンモニアが常時供給されている。
しかしながら、インジウムと窒素(N)との結合は熱に弱いため、p型AlGaN混晶よりなるp型クラッド層を成長させている間にInGaN混晶よりなる発光層が劣化してしまい、発光効率が低下するという問題があった。このような問題は、青色から緑色にかけての可視光を得るために発光層のインジウム組成を高くしようとする場合には、熱による発光層の劣化の度合いが更に激しくなるため、より重大な問題となる。
そこで、発光層の劣化を防ぐため、例えば、p型クラッド層を1000℃以下の成長温度で成長させることも考えられる。しかし、窒素の原料として通常用いられるアンモニア(NH3 )の分解効率は、約1000℃でも数%程度であり、800℃以下では急激に低くなるといわれている。そのため、p型クラッド層の成長温度を下げるとアンモニアの分解効率が低下し、窒素が不足してp型クラッド層の結晶性が悪化してしまうおそれがある。
このようなことから、低温で窒化物系III−V族化合物半導体を成長させる場合には、例えば、窒素の原料として、低温でも分解効率の高いジメチルヒドラジンなどの有機窒素原料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、アンモニアとヒドラジンとを同時に用いることも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−144325号公報 特開平9−251957号公報
窒素の原料としてジメチルヒドラジンを用いる場合、その方法はいろいろありうる。例えば上述のようにアンモニアとジメチルヒドラジンとを同時に用いるようにすることも可能であるし、あるいは、例えばMOCVD装置においてアンモニアとジメチルヒドラジンとを必要に応じて切替可能としておき、低温成長が必要な活性層とそれ以後に成長させる層をジメチルヒドラジンを用いて成長させるようにすることなども考えられる。しかしながら、窒素の原料としてジメチルヒドラジンを用いることには、現実には問題が多く、実現が困難であった。
例えば、MOCVD装置においては、アンモニアとジメチルヒドラジンとの両方を排気過程で除害する必要があるが、従来の装置では、アンモニアとジメチルヒドラジンとの両方を除害することは困難ないし不可能であった。なぜなら、アンモニアは触媒により除害されるが、ジメチルヒドラジンは触媒では除害されず、専用の吸着剤を必要とする。ところが、アンモニアは、通常、数SLM(Standard Liter/Minute )〜数十SLMといった大流量で供給する必要がある。数SLM〜数十SLMのアンモニアがジメチルヒドラジン用の吸着剤に導入されると、吸着剤の吸着能力が一瞬にして消費されてしまい、ジメチルヒドラジンの除害が不可能になってしまうという問題があった。
本発明の目的は、2種以上のガスを効果的に排気処理して、複数種類のガスの使用が可能な成長装置を提供することにある。
こで、「除害」とは、排ガスから有機金属などの有害な物質を取り除くこと、および排ガスに対して必要に応じ分解あるいは希薄化などの処理を行ったのち排出する排ガス処理を含む意味である。
本発明による成長装置は、反応管と、2種以上のガスを排気する排気処理装置とを備えたものであって、反応管は、III族元素のうち少なくとも1種を含む有機金属と、窒素(N)の原料として2種以上のガスとが供給され、III族元素のうち少なくとも1種とV族元素のうち少なくとも窒素(N)とを含む窒化物系III−V族化合物半導体を有機金属化学気相成長法により成長させるものであり、排気処理装置が、2種以上のガスを別々に排気する複数の排気管と、これらの排気管の各々に設けられ、2種以上のガスを別々に除害する複数の除害処理部とを備えたものである。
本発明による成長装置では、2種以上のガスが、複数の排気管を介して別々に排気され、複数の除害処理部により別々に除害される。
以上説明したように本発明の成長装置によれば、複数の排気管の各々に除害処理部を設け、2種以上のガスを別々に排気・除害するようにしたので、2種以上のガスを効果的に除害することができる。よって、一つの反応管で2種以上のガスを用いることが可能となる。
特に、本発明の一局面に係る成長装置によれば、反応管に供給されるガス種の切替えに応じて複数の排気管を切替可能としたので、成長温度に応じて窒素の原料となるガスの使い分けが可能となり、窒素の不足を防いで窒化物系III−V族化合物半導体の結晶性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る排気処理装置を備えた成長装置の構成を表している。この成長装置は、例えば、III族元素であるガリウム(Ga),アルミニウム(Al),インジウム(In)およびホウ素(B)からなる群のうちの少なくとも1種と、V族元素である窒素(N),ヒ素(As)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも窒素とを含む窒化物系III−V族化合物半導体をMOCVD法により成長させるためのMOCVD装置として用いられるものである。この成長装置10では、反応管11に対して、例えば、窒素の原料として2種以上のガスを供給する第1のガス供給管21と、III族元素のうち少なくとも1種を含む有機金属のガスを供給する第2のガス供給管31とが接続されている。反応管11には、また、反応管11内から不要となったガス等を排気する排気処理装置40が、ガス排気管41を介して接続されている。
反応管11は、例えば石英により構成されている。反応管11の内部には、窒化物系III−V族化合物半導体を成長させて後述する半導体発光素子を形成するための基板51が、サセプタ12に載置されて収容されている。サセプタ12は、例えばカーボン(C)により構成され、炭化ケイ素(SiC)などによりコート処理が施されていることが好ましい。また、反応管11は、例えば1000℃程度まで加熱可能な図示しないヒータを有しており、このヒータにより、サセプタ12を加熱すると共に、サセプタ12に載置された基板51および反応管11内部に供給されたガスを加熱するようになっている。
第1のガス供給管21は、窒素の原料として、例えばアンモニア(NH3 )と、化1に示した窒素原子と窒素原子との単結合,化2に示した窒素原子と窒素原子との二重結合,および化3に示した窒素原子と炭素原子との単結合のうち少なくとも1種の結合を有する有機窒素含有化合物とを、反応管11に供給するものである。
Figure 0004196767
Figure 0004196767
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窒素原子と窒素原子との単結合を有する有機窒素含有化合物または窒素原子と炭素原子との単結合を有する有機窒素含有化合物としては、例えば、ヒドラジンあるいはその置換体、またはアミンを用いることができる。具体的には、モノメチルヒドラジン(CH3 −NH−NH2 )、化4に示した1,1−ジメチルヒドラジン、化5に示した1,2−ジメチルヒドラジン、ヒドラジン(NH2 −NH2 )あるいはt−ブチルアミン((CH3 3 C−NH3 )などを用いることができる。また、窒素原子と窒素原子との二重結合を有する有機窒素含有化合物としては、例えば、エチルアザイド(C2 5 −N3 )などのアジ化物(アザイドともいう。)(−N3 )を用いることができる。なお、有機窒素含有化合物として、これらのガスのうちの2種以上を混合して用いるようにしてもよい。これらの有機窒素含有化合物は、アンモニアよりも分解効率が高く、成長温度を低くしても窒素の不足を招くことがない。よって、インジウム組成を高めるため低温成長させた場合であっても、結晶性の良好な窒化物系III−V族化合物半導体を成長させることができる。本実施の形態では、例えばジメチルヒドラジンを用いている。
Figure 0004196767
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第1のガス供給管21には、アンモニア供給部22と、例えば上述した窒素含有化合物としてジメチルヒドラジンを供給するジメチルヒドラジン供給部23とが接続されている。第1のガス供給管21は、図示しない切替部により、アンモニアとジメチルヒドラジンとを切り替えて反応管11に供給できるようになっていることが好ましい。各層の成長温度あるいはインジウム組成に応じて窒素の原料を切り替え、結晶性を高めることができるからである。アンモニアおよびジメチルヒドラジンの供給量は、マスフローコントローラ22A,23Aによりそれぞれ制御されるようになっている。
なお、第1のガス供給管21は、図示しないが、n型不純物としてのケイ素(Si)の原料となるシラン(SiH4 )ガスの供給部にも接続されており、n型不純物の原料ガスを必要に応じて切り替えて反応管11に供給するようになっている。
第2のガス供給管31は、有機金属として、ガリウムの原料となるトリメチルガリウム(TMG)と、インジウムの原料となるトリメチルインジウム(TMI)と、アルミニウムの原料となるトリメチルアルミニウム(TMA)とを必要に応じて選択して反応管11に供給するものである。第2のガス供給管31には、トリメチルガリウム供給部(以下、「TMG供給部」という)32とトリメチルインジウム供給部(以下、「TMI供給部」という)33とトリメチルアルミニウム供給部(以下、「TMA供給部」という)34とが接続されている。TMG,TMIおよびTMAの供給量は、マスフローコントローラ32A,33A,34Aによりそれぞれ制御されるようになっている。
なお、第2のガス供給管32は、図示しないが、p型不純物としてのマグネシウム(Mg)の原料となるビス=シクロペンタマグネシウム((C5 5 2 Mg)の供給部にも接続されており、p型不純物の原料ガスを必要に応じて切り替えて反応管11に供給するようになっている。
ジメチルヒドラジン供給部23,TMG供給部32,TMI供給部33およびTMA供給部34には、キャリアガス供給部35が接続されており、水素(H2 )あるいは窒素(N2 )などのキャリアガスの流量によりジメチルヒドラジン,TMG,TMIあるいはTMAの供給量が制御されるようになっている。
排気処理装置40は、アンモニアとジメチルヒドラジンとを別々に排気して除害処理を行うものであり、アンモニアを排気する第1の排気管42と、ジメチルヒドラジンを排気する第2の排気管43とを備えている。第1の排気管42と、第2の排気管43との分岐点には、例えばエア駆動バルブなどの切替部44が設けられており、反応管11に供給されているアンモニアとジメチルヒドラジンとの切替えに応じて第1の排気管42と第2の排気管43とを切替可能となっている。切替部44は、例えば図示しない制御部により制御されるようにすることが可能である。
第1の排気管42と第2の排気管43とは、簡素な構成および切替制御の容易さの観点から、図1に示したように並列に設けられていることが好ましいが、アンモニアとジメチルヒドラジンとを別々に排気することができるようになっていれば、バイパス管および弁などを用いて第1の排気管42と第2の排気管43とを直列に設けるようにしてもよい。
また、排気処理装置40は、第1の排気管42の途中にアンモニアを除害する第1の除害処理部42Aを有していると共に、第2の排気管43の途中にジメチルヒドラジンを除害する第2の除害処理部43Aを有している。第1の除害処理部42Aは、例えばアンモニアを除害する触媒を備えている。この触媒としては、市販の触媒を使用可能である。第2の除害処理部43Aは、例えばジメチルヒドラジンを吸着する吸着剤を備えている。この吸着剤も、市販の吸着剤を用いることが可能である。
排気処理装置40は、更に、第1の排気管42および第2の排気管43の前段に、有機金属を除害する有機金属除害部45を備えている。有機金属除害部45は、有機金属を吸着する吸着剤を備えている。この吸着剤もまた、市販の吸着剤を用いることが可能である。なお、第1の排気管42および第2の排気管43の後段には、スクラバー46が接続され、排気処理装置40から排出されたガスの冷却あるいは粉塵の除去などが行われるようになっている。
図2は、図1に示したような成長装置10を用いて製造される半導体レーザの一例を表している。この半導体レーザ50は、基板51の一面側に、下地層52,n型クラッド層53,n型ガイド層54,活性層55,p型ガイド層56,p型クラッド層57,p側コンタクト層58がこの順に積層されている。p側コンタクト層58の上には、例えば二酸化ケイ素(SiO2 )よりなる絶縁膜59を介してp側電極60が形成されている。また、基板51の裏側にはn側電極61が形成されている。
基板51は、例えば、厚さが400μmであり、ケイ素(Si)などのn型不純物を添加したn型GaNにより構成されている。下地層52は、例えば、厚さが5μmであり、ケイ素などのn型不純物を添加したn型GaNにより構成されている。n型クラッド層53は、例えば、厚さが1.5μmであり、ケイ素などのn型不純物を添加したn型Alx Ga1-x N混晶(x=0.08)により構成されている。n型ガイド層54は、例えば、厚さが0.1μmであり、ケイ素などのn型不純物を添加したn型Inx Ga1-x N(x=0.05)により構成されている。
活性層55は、例えば、不純物を添加しないInGaN混晶により構成され、障壁層と井戸層とを交互に積層した多重量子井戸構造を有している。活性層55の井戸層のインジウム組成は、青色あるいは緑色の光を発生する素子を構成するためにはある程度大きいことが必要であり、例えば18%ないし25%程度とすることが好ましい。本実施の形態では、活性層55は、例えば、Inx Ga1-x N混晶(x=0.05)よりなる厚さ5nmの障壁層と、Inx Ga1-x N混晶(x=0.20)よりなる厚さ2.5nmの井戸層とを交互に積層した多重量子井戸構造を有し、井戸数は2とされている。
p型ガイド層56は、例えば、厚さが0.1μmであり、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型Inx Ga1-x N(x=0.05)により構成されている。p型クラッド層57は、例えば、厚さが0.7μmであり、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型Alx Ga1-x N混晶(x=0.07)により構成されている。p側コンタクト層58は、例えば、厚さが0.1μmであり、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型GaNにより構成されている。
次に、図1ないし図3を参照して、図1に示した成長装置10を用いて図2に示した半導体レーザ50を製造する製造方法を説明する。図3は、半導体レーザ50の各層の成長温度と、アンモニアおよびジメチルヒドラジンの供給の切替えと、第1の排気管42および第2の排気管43の切替え制御との関係の一例を表している。
まず、基板51を成長装置10の反応管11内に設置し、キャリアガスとして水素ガスを用い、図3(B)および図3(C)に示したように、時刻t1において、窒素の原料としてアンモニアの供給を開始し、基板51を加熱して約1000℃の温度とする。続いて、有機金属としてTMG,TMAを必要に応じて選択供給し、図3(A)に示したように、基板51上に下地層52およびn型クラッド層53を順に成長させる。このとき、図3(D)および図3(E)に示したように、図示しない制御部により切替部44を制御し、第2の排気管43を閉じて第1の排気管42を開放させ、不要になったアンモニアを第1の排気管42を介して排気し、その途中で第1の除害処理部42Aによりアンモニアを除害する。
ここでは、第1の排気管42と第2の排気管43とを設けると共に、第1の排気管42には第1の除害処理部42Aを設け、第2の排気管43には第2の除害処理部43Aを設けて、アンモニアとジメチルヒドラジンとを別々に排気・除害するようにしたので、不要になったアンモニアは第1の排気管42および第1の除害処理部42Aのみを通過し、ジメチルヒドラジンの吸着剤が配設された第2の除害処理部を通過することがない。よって、従来のようにジメチルヒドラジンの吸着剤の吸着能力が大流量のアンモニアにより瞬時に消費されてしまうという問題が生じることがなくなる。
n型クラッド層53を成長させたのち、図3(A),図3(B)および図3(C)に示したように、反応管11に供給される窒素の原料をアンモニアからジメチルヒドラジンに切替え、この切替えに応じて第1の排気管42と第2の排気管43とを切替える。
アンモニアとジメチルヒドラジンとの供給の切替えの際に除害を確実かつ安全に行うためには、図示しない制御部は、まずアンモニアの供給を停止し、次に残留ガスをパージして、そののち切替部44により第1の排気管42と第2の排気管43との切替えを行い、最後にジメチルヒドラジンの供給を開始するようにすることが好ましい。アンモニアの供給を止めて直ちに第1の排気管42と第2の排気管43とを切替えてしまうと、残留したアンモニアが第2の排気管43へ流入してしまうおそれがあるからである。
また、このように残留ガスをパージしてから第1の排気管42と第2の排気管43とを切替えるようにする場合には、アンモニアとジメチルヒドラジンとの供給の切替えの際に、いったん成長を中断することが好ましい。すなわち、n型クラッド層53を成長させたのち、有機金属の供給を止め、図3(A)に示したように基板51の温度を400℃以下、例えば380℃に下げることにより、成長をいったん中断する。このとき、成長した層から窒素が脱離するのを防ぐため、アンモニアは図3(B)に示したように供給し続けることが好ましい。
基板51の温度が400℃以下の温度まで下がった時刻t2において、図3(B)に示したように、アンモニアの供給を止める。続いて、しばらくの間、例えば1分間、アンモニアをキャリアガスによりパージする。そののち、図3(D)および図3(E)に示したように、時刻t3において、図示しない制御部により切替部44を制御し、第1の排気管42と第2の排気管43とを切り替える。そののち、図3(C)に示したように、時刻t4においてジメチルヒドラジンを反応管11に供給すると共に、図3(A)に示したように、基板51の温度を約700℃まで上げる。
時刻t2,t3,t4にかけての一連の切替え制御は、手動でもよいし、図示しない温度センサによる基板51の温度の計測結果および図示しないタイマーの計測結果などに基づいて図示しない制御部において自動的に行うようにしてもよい。
基板51の温度が約700℃に達したところで、有機金属としてTMG,TMI,TMAを必要に応じて選択供給し、図3(A)に示したように、n型ガイド層54,活性層55およびp型ガイド層56を成長させる。反応管11には低い成長温度でも分解効率の高いジメチルヒドラジンが供給されているので、n型ガイド層54,活性層55およびp型ガイド層56は窒素が豊富な状態で成長し、結晶性が高まる。不要になったジメチルヒドラジンは、第2の排気管43を介して排気され、その途中で第2の除害処理部43Aにより除害される。
p型ガイド層56を成長させたのち、図3(C)に示したように反応管11に窒素の原料としてそのままジメチルヒドラジンを供給しながら、図3(A)に示したように基板51の温度を約800℃に上げ、p型クラッド層57およびp側コンタクト層58を成長させる。このようにp型ガイド層56の成長後もジメチルヒドラジンを用い、p型クラッド層57およびp側コンタクト層58を低温で成長させるので、p型クラッド層57およびp側コンタクト層58の結晶性が高まると共に、n型ガイド層54,活性層55およびp型ガイド層56の熱による劣化が防止される。
p側コンタクト層58を成長させたのち、図3(C)に示したように、基板51の温度を約400℃まで降温させる。基板51の温度が400℃まで降温した時点で図3(C)に示したようにジメチルヒドラジンの供給を停止し、そののち、残留ガスをパージした後で図3(E)に示したようにジメチルヒドラジンの除害を停止する。続いて、絶縁膜59,p側電極60およびn側電極61をそれぞれ形成する。以上により、図2に示した半導体レーザ50が完成する。
また、この半導体レーザ50は、次のようにして製造することもできる。
図4は、半導体レーザ50の各層の成長温度と、アンモニアおよびジメチルヒドラジンの供給の切替えと、第1の排気管42および第2の排気管43の切替え制御との関係の他の例を表している。図4は、p型ガイド層56を成長させたのち、窒素の原料を再びアンモニアに切り替え、基板51の温度を1000℃に上げてp型クラッド層57およびp側コンタクト層58を成長させるようにしたことを除いては、図3と同様である。よって、p型ガイド層56の成長以前についての説明は省略する。
p型ガイド層56を成長させたのち、図4(A),図4(B)および図4(C)に示したように、反応管11に供給される窒素の原料をジメチルヒドラジンからアンモニアに切替え、この切替えに応じて第1の排気管42と第2の排気管43とを切替える。
この切替えの際の図示しない制御部による制御は、図3を参照して説明したのと同様である。すなわち、p型ガイド層56を成長させたのち、有機金属の供給を止め、図4(A)に示したように基板51の温度を400℃以下、例えば380℃に下げることにより、成長をいったん中断する。このとき、成長した層から窒素が脱離するのを防ぐため、ジメチルヒドラジンは図4(C)に示したように供給し続けることが好ましい。
基板51の温度が400℃以下の温度まで下がった時刻t5において、図4(C)に示したように、ジメチルヒドラジンの供給を止める。続いて、しばらくの間、例えば1分間、ジメチルヒドラジンをキャリアガスによりパージする。そののち、図4(D)および図4(E)に示したように、時刻t6において、図示しない制御部により切替部44を制御し、第1の排気管42と第2の排気管43とを切り替える。そののち、図4(B)に示したように、時刻t7においてアンモニアを反応管11に供給すると共に、図4(A)に示したように、基板51の温度を約1000℃まで上げる。
基板51の温度が約1000℃に達したところで、有機金属としてTMG,TMAを必要に応じて選択供給し、図4(A)に示したように、p型クラッド層57およびp側コンタクト層58を成長させる。よって、アンモニアの分解効率が高くなり、p型クラッド層57およびp側コンタクト層58は窒素が豊富な状態で成長し、結晶性が高まる。不要になったアンモニアは、第1の排気管42を介して排気され、その途中で第1の除害処理部42Aにより除害される。
p側コンタクト層58を成長させたのち、図4(A)に示したように、基板51の温度を約400℃まで降温させる。このとき、成膜表面から窒素が脱離しないようにアンモニアの供給を継続し、基板51の温度が約400℃まで降下したら図4(B)に示したようにアンモニアの供給を停止する。そののち、残留ガスをパージした後で図4(D)に示したようにアンモニアの除害を停止する。続いて、絶縁膜59,p側電極60およびn側電極61をそれぞれ形成する。以上により、図2に示した半導体レーザ50が完成する。
このように本実施の形態では、第1の排気管42および第2の排気管43によりアンモニアとジメチルヒドラジンとを別々に排気すると共に、第1の除害処理部42Aおよび第2の除害処理部43Aによりこれらを別々に除害するようにしたので、アンモニアおよびジメチルヒドラジンの両方を効果的に除害することができる。よって、一つの成長装置10でアンモニアおよびジメチルヒドラジンの両方を用いることが可能となる。
また、反応管11に供給されるガス種の切替えに応じて第1の排気管42と第2の排気管43とを切替可能としたので、成長温度に応じてアンモニアとジメチルヒドラジンとの使い分けが可能となり、窒素の不足を防いで窒化物系III−V族化合物半導体の結晶性を高めることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、アンモニアとジメチルヒドラジンとを用いる場合について説明したが、ジメチルヒドラジンに限らず、上述した他の有機窒素含有化合物を用いることも可能である。
また、上記実施の形態では、排気処理装置40が第1の排気管42と第2の排気管43との2本の排気管を有する場合について説明したが、排気管および除害処理部の数は3以上としてもよい。例えば、アンモニアと2種以上の有機窒素含有化合物と、合計3種以上のガスを必要に応じて切り替えて用い、これらの各々に対応して排気管と除害処理部とを設けるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、半導体レーザ50の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。更に、上記実施の形態において説明した各層の材料および膜厚、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および膜厚としてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、基板51としてGaN基板を用いる場合について説明したが、サファイア基板あるいは炭化ケイ素よりなる基板を用い、GaNあるいはAlNよりなる低温緩衝層を介して半導体レーザ50の各層を形成するようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態では、n型ガイド層54,活性層55およびp型ガイド層56を低温成長させる場合について説明したが、n型ガイド層54およびp型ガイド層56をインジウムを含まない組成とし、活性層55のみ低温成長させるようにしてもよい。この場合、n型ガイド層54は、例えば、n型不純物としてケイ素を添加したn型GaNにより構成し、p型ガイド層56は、例えば、p型不純物としてマグネシウムを添加したp型GaNにより構成することが可能である。
加えて、上記実施の形態では、成長装置10によって半導体レーザを製造する場合について説明したが、本発明は、窒化物系III−V族化合物半導体よりなる半導体層を備えた半導体素子を製造する場合について広く適用することができる。例えば、発光ダイオードなどの他の発光素子を製造する場合についても同様に適用することができ、更にはトランジスタなどの電子素子を製造する場合についても適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る排気処理装置を備えた成長装置の一例を表す概略構成図である。 図1に示した成長装置により製造される半導体レーザの一例を表す断面図である。 図1に示した成長装置を用いて図2に示した半導体レーザを製造する製造方法において、半導体レーザの各層の成長温度と、アンモニアおよびジメチルヒドラジンの供給の切替えと、第1の排気管42および第2の排気管の切替え制御との関係の一例を表す説明図である。 図1に示した成長装置を用いて図2に示した半導体レーザを製造する製造方法において、半導体レーザの各層の成長温度と、アンモニアおよびジメチルヒドラジンの供給の切替えと、第1の排気管42および第2の排気管の切替え制御との関係の他の例を表す説明図である。
符号の説明
10…成長装置、11…反応管、12…サセプタ、21…第1のガス供給管、31…第2のガス供給管、40…排気処理装置、41…ガス排気管、42…第1の排気管、42A…第1の除害処理部、43…第2の排気管、43A…第2の除害処理部、44…切替部、45…有機金属除害部、51…基板

Claims (6)

  1. 反応管と、2種以上のガスを排気する排気処理装置とを備えた成長装置であって、
    前記反応管は、III族元素のうち少なくとも1種を含む有機金属と、窒素(N)の原料として前記2種以上のガスとが供給され、III族元素のうち少なくとも1種とV族元素のうち少なくとも窒素(N)とを含む窒化物系III−V族化合物半導体を有機金属化学気相成長法により成長させるものであり、
    前記排気処理装置が、
    前記2種以上のガスを別々に排気する複数の排気管と、
    これらの排気管の各々に設けられ、前記2種以上のガスを別々に除害する複数の除害処理部と
    を備えた成長装置。
  2. 前記複数の排気管は、並列に設けられている
    請求項記載の成長装置。
  3. 前記反応管には、前記2種以上のガスが切り替えて供給され、
    前記複数の排気管は、前記反応管に供給されるガス種の切替えに応じて切替可能である
    請求項1または2記載の成長装置。
  4. 前記反応管には、前記2種以上のガスとしてアンモニア(NH3 )と、窒素原子と窒素原子との単結合,窒素原子と窒素原子との二重結合および窒素原子と炭素原子との単結合のうち少なくとも1種の結合を有する有機窒素含有化合物を含むガスとが切替えて供給され、
    前記複数の排気管は、アンモニアを排気する第1の排気管と、前記有機窒素含有化合物を含むガスを排気する第2の排気管とを含む
    請求項記載の成長装置。
  5. 前記複数の除害処理部は、前記第1の排気管に設けられると共にアンモニアを除害する第1の除害処理部と、前記第2の排気管に設けられると共に前記有機窒素含有化合物を除害する第2の除害処理部とを含む
    請求項記載の成長装置。
  6. 前記排気処理装置は、前記複数の排気管の前段に、前記有機金属を除害する有機金属除害処理部を備えた
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の成長装置。
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