JP4193626B2 - 無機質球状体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無機質球状体の製造方法及び製造装置に関する。特に、液体クロマトグラフィー用充填材、化粧品用フィラー、触媒担体などに有用な、実質的に均一粒子径を持つ無機質球状体を、安定した連続プロセスにより生産性よく製造できる製造方法及び製造装置に関する。
従来、無機質球状体を得る方法として種々の方法が知られている。特許文献1には、シリカゾルをスプレードライヤーで球状化し乾燥する方法が開示されている。この方法では、粒度分布を制御することが難しく、粒子表面にくぼみができるなど形状もいびつになりやすい。また生産性の点では、噴霧した液滴がチャンバー内部に付着してスケールが生成しやすく、連続運転の支障となりやすい。
特許文献2には、バッチ操作で無機化合物水溶液と有機液体とを撹拌混合してW/O型エマルジョンを作成し、該エマルジョン中の無機化合物水溶液の液滴内に無機粒子を沈殿させることにより、無機質球状体を得る方法が開示されている。この方法で得られる無機質球状体は、上記スプレードライヤー法と比較すると粒子径分布は均一であるが、エマルジョンの粒子径分布に依存して、無機質球状体の粒子径分布もまだ広いものであった。また、バッチ操作であるため生産性の面でも問題があった。
特許文献3には、厚さ方向に貫通した孔を有する高分子膜を通して無機化合物水溶液を有機液体中に注入することでW/O型エマルジョンを作成し、該エマルジョン中の無機化合物水溶液の液滴から無機質球状体を得る方法が開示されている。この方法では、エマルジョンの粒子径分布を狭いものにできるが、粒子径が高分子膜の物性に左右されること、及び有機液体の流れが制御されていないことによりエマルジョン粒子径分布が生じるため、無機質球状体の粒子径の均一性という点では不十分であった。また、無機化合物水溶液の供給方法としてシリンジポンプを用いており、生産性の面でも問題があった。
近年、特許文献4に、歪みをもった形状の微小孔を通して、加圧された無機化合物水溶液を有機液体中に押し出して均質なエマルジョンを製造する方法とそのための装置が提案されている。最近ではさらに、粒子径の均一な無機質球状体を長期間にわたって効率よく、大量に、かつ安定に製造可能な方法及び装置の開発が求められている。
特公平2−61407号公報(特許請求の範囲) 特公昭57−55454号公報(特許請求の範囲) 特開平5−23565号公報(特許請求の範囲) 特開2002−119841号公報(特許請求の範囲、図1)
本発明の目的は、実質的に均一な粒子径を有する無機質球状体の製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明は、隔壁で区画された流路中を流速0.001〜2m/sかつ層流状態で流れる有機液体中に、前記隔壁に、該隔壁の厚さ方向に貫通するように形成された微小孔を通して無機化合物を含む水性液体を押し出してW/O型エマルジョンを形成した後、該W/O型エマルジョン中の無機化合物を含む水性液体を固形化することを特徴とする無機質球状体の製造方法を提供する。
本発明によって、実質的に粒子径が均一な無機質球状体を安定して製造することが可能となる。特に、目標とする粒子径を大きく逸脱する大粒子や小粒子の副生を防止し、粒子径が高度に均一化された無機質球状体が得られる。
本発明においては、無機化合物を含む水性液体を、層流で流れる有機液体中に、微小孔を通して押し出すことにより、有機液体が分散質(連続相)となりこの中に前記無機化合物を含有する水溶液の液滴が分散相となったエマルジョン、すなわちW/O型エマルジョンを形成した後、該W/O型エマルジョン中の無機化合物を含む水性液体の液滴を固形化して無機質球状体を形成する。
まず、無機化合物を含む水性液体としては、固形化によって沈殿物を形成することができるものであれば、いずれも適用可能である。無機化合物の水溶液だけでなく、シリカゾル、アルミナゾルなどのコロイド溶液を採用できる。無機化合物の水溶液としては、種々の金属塩や金属錯体の水溶液が使用できる。具体的にはアルカリ金属のケイ酸塩、アルミン酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、銅の硫酸塩、塩酸塩及び硝酸塩、鉄、コバルト又はニッケルの硫酸塩、塩酸塩及び硝酸塩の水溶液が挙げられる。
本発明では、無機化合物を含む水性液体としてシリカを含む水性液体を用いると好ましい。具体的には、水溶性シリカが溶解した水溶液、有機ケイ素化合物を加水分解して得られたシリカゾル及び市販のシリカゾルなどの固体シリカが分散した水性分散液が挙げられる。特に、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好ましく使用される。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどが挙げられ、中でも入手の容易さ、経済的理由によりナトリウムが最も好ましい。ナトリウムとケイ酸の割合は、NaO/SiO(モル比)で2.0〜3.8が好ましく、さらには2.0〜3.5が好ましい。また、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液の濃度は、SiO濃度として5〜30質量%が好ましく、さらには5〜25質量%が好ましい。
次に、有機液体としては、炭素数9〜12の飽和炭化水素が好ましく、操作性、火気への安全性、固形化した粒子と有機液体との分離性、無機質球状体粒子の形状特性、水への有機液体の溶解性などを総合的に考慮して選定される。炭素数が9〜12の飽和炭化水素は、単独で使用してもよいし、このうちの二種以上を混合して使用してもよい。また、炭素数が9〜12の飽和炭化水素は、その化学的安定性が良好であれば、直鎖状炭化水素であってもよいし、側鎖を有する炭化水素であってもよい。
炭素数9〜12の飽和炭化水素の引火点としては、20〜80℃のものが好ましい。引火点が20℃未満の飽和炭化水素を有機液体とした場合、引火点が低すぎるため、防火上、作業環境上の対策が必要である。また、引火点が80℃を超えるものは、揮発性が小さいことから、得られる無機質球状体に付着する炭化水素の量が多くなるおそれがある。
本発明では、W/O型エマルジョンと有機液体とは通常液液分離され、エマルジョンを固形化した後の無機質球状体と有機液体とは通常固液分離される。分離後のW/O型エマルジョンあるいは無機質球状体に付着又は吸着している有機液体は、乾燥操作などにより気化、分離するのが好ましい。気化により分離しやすいという面では有機液体は沸点が200℃以下であることが好ましく、これらの条件を満たすものとしては、C20、C1022及びC1124からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
本発明では、W/O型エマルジョンの形成にあたり、界面活性剤を使用するのが好ましい。このときの界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤も使用可能であるが、親水性、親油性の調整が容易である点でノニオン系界面活性剤が好ましい。例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが望ましい。
界面活性剤の使用量は、界面活性剤の種類、界面活性剤の親水性あるいは疎水性の程度を表す指標であるHLB(Hydrophile−lipophile balance)、目的とする無機質球状体の粒子径などの条件により異なるが、上記有機液体中に500〜20000ppm、好ましくは1000〜10000ppm含有させるのが好ましい。500ppm未満であると、乳化される水溶液の液滴が大きくなり、エマルジョンが不安定になるおそれがある。また、20000ppmを超えると、製品である無機質球状体粒子に付着する界面活性剤の量が多くなり好ましくない。
本発明では、有機液体の流速を0.001〜2m/sとすることにより、粒子径分布の狭いエマルジョン液滴が形成され、得られる無機質球状体の粒子径分布も狭くできる。有機液体の流速が0.01〜1m/sである場合はさらに好ましい。
流路中を流れる有機液体のレイノルズ数は2100以下とする。ここで、流路の断面が円形である場合のレイノルズ数は式1で計算され、流路の内径Dは流路の断面における最小径を使用する。ここで、D(流路の内径:m)、u(平均流速:m/s)、ρ(流体密度:kg/m)、μ(流体粘度:Pa・s)である。
レイノルズ数(−)=D・u・ρ/μ ・・・式1。
また、流路の断面が円形でない場合のレイノルズ数は式2で計算される。ここで、rは流路動水半径(m)=流路の断面積(m)/流路断面の流体に接する周長(m)であり、u、ρ、μは式1と同様である。
レイノルズ数(−)=4×r・u・ρ/μ ・・・式2。
レイノルズ数が2100以下の場合、有機液体の流れは層流状態であるため、有機液体の流れは安定したものとなる。その結果、微小孔を通して供給される無機化合物を含む水性液体が、常に一定の粒子径を有するW/O型エマルジョンとなるため、実質的に粒子径が均一な無機質球状体が製造されやすい。逆に、レイノルズ数が2100を超える場合、有機液体の流れが乱流となるため、従来と同様に粒子径が不揃いなW/O型エマルジョンとなり、その結果、無機質球状体の粒子径も不揃いになる。なお、この有機液体の流路の形状については、特に限定されない。
また、より有機液体の流れを安定させるために、有機液体の流れのレイノルズ数が500以下であることが好ましい。なお、微小孔より圧入される水性液体は、界面張力に起因して、微小孔の出口においてその孔径よりも大きく成長する。その後、液滴は、有機液体の流れにより切り離され、有機液体中でW/O型エマルジョンの液滴となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1〜3中、1及び2はアクリル樹脂製板である。図3において、無機化合物を含む水性液体は微小孔4から導入され、貫通孔3から導入されて層流状態で流れる有機液体中に圧入される。また、図4中、5はポリテトラフルオロエチレン製チューブである。図4において、無機化合物を含む水性液体はシリンジ用針6から導入され、チューブ端7から導入されて層流状態で流れる有機液体中に圧入される。また、図5及び図6中、8、12はアクリル樹脂製板、9はフッ素樹脂シート、11はアクリル樹脂製板部品である。図5及び図6において、無機化合物を含む水性液体はノズル15から導入され、ノズル13から導入されてノズル14から排出されるように層流状態で流れる有機液体中に、微小孔を通して圧入される。
本発明において、無機化合物を含む水性液体を供給する微小孔の断面を円形、矩形、三角形及び楕円形からなる群より選ばれる1つ以上の形状とすると、加工が比較的容易であり、また、粒子径の均一な無機質球状体を安定して製造できることから好ましい。また、微小孔の断面の動水半径rの4倍値は0.1〜500μmとすると好ましい。ここで、rは式2と同様に、断面の動水半径r(m)=微小孔の断面積(m)/微小孔断面の流体に接する周長(m)である。ただし、いずれの孔においても有機液体の流路の幅より小さい孔であることが必須である。微小孔の形成方法としては、エキシマレーザーなどレーザーを用いる加工方法やプレス加工などの方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。より好ましくは、動水半径rの4倍値を1〜100μmとする。
ここで、微小孔の断面が矩形、三角形及び楕円形からなる群より選ばれる1つ以上の形状である場合、孔の出口で液滴となった時点で液滴は曲率分布をもち、比較的早期に自発的に切り離され有機液体中で液滴になるものと推定している。そのため、円形状の孔を使用した場合と比べ、比較的エマルジョン粒子径が小さいものが得られやすく好ましい。また、このとき断面の形状に内接する円の直径に対する断面形状に外接する円の直径の比が20以下であることが好ましい。さらに好ましくは10以下である。20を超える場合、長径方向で液滴が分割される傾向がみられ、その結果エマルジョン粒子が不均一なものとなりやすく好ましくない。特に、断面形状に内接する円の直径を1μm以上、断面形状に外接する円の直径を80μm以下とすると好ましい。
さらに、生成するW/O型エマルジョンの液滴径は、水性液体の流れ方向の線速に対する有機液体の流れ方向の線速の比によっても影響を受ける。本発明では、この線速の比を1〜500とすると好ましく、さらに好ましくは10〜300とする。線速の比が500を超える場合は、有機液体を過剰に消費しすぎるおそれがあるため経済的観点から好ましくない。また、1未満では、有機液体の流れにより液滴が切り離される効果が得られにくくなり、エマルジョン粒子が不均一になるおそれがあるため好ましくない。
本発明においては、図3、図5及び図6に示すように、有機液体の流路を隔壁で区画して形成し、隔壁の厚さ方向に貫通した微小孔を通して水性液体を圧入する。これにより、水性液体と有機液体とが直交流で混合するため、水性液体と有機液体とを並流混合する図4のような場合と比較して有機液体の流れによりエマルジョン液滴が切り離される効果が得られやすくなるため、粒子径の小さい無機質球状体が安定して得られやすくなる。
また、微小孔は、有機液体の流路上に、微小孔の断面形状に外接する円の直径の1/2以上の間隔を設けて複数個設置するのが好ましい。さらに好ましくは微小孔の断面形状に外接する円の直径以上の間隔を設ける。外接する円の直径の1/2より短い間隔しか設けずに微小孔を設置すると、エマルジョンの液滴が合一し、その結果粒子径が不均一になる可能性があるため好ましくない。ただし、合一しない範囲でなるべく密接して設置したほうが、生産性を向上できるので好ましい。
微小孔を複数個設置する場合、有機液体の流路内で圧力損失により、上流側の微小孔から生成する液滴と、下流側の微小孔から生成する液滴とで液滴径が異なるおそれがある。そのため、得られる無機質球状体の粒子径が不揃いなものになりやすい。例えば、図5において、水性液体の圧入時の微小孔部分での圧力は、どの孔においてもほぼ一定である。したがって、有機液体の流れの上流に位置する微小孔における水性液体と有機液体との圧力差をP1、下流に位置する微小孔における圧力差をP2とすると、P1とP2とは式3で表される関係にある。ここで、ΔPは有機液体の流路内での圧力損失に相当する。
P2=P1+ΔP・・・式3。
つまり、下流に位置する微小孔では圧力差が相対的に大きいため、水性液体の圧入量が増大して上流に位置する微小孔より大きなエマルジョン粒子が生成しやすくなる。そのため、結果的に粒子径分布の広い無機質球状体が得られやすくなる。
本発明では、図5及び図6において、ステンレス鋼板10上に微小孔を100個以上形成し、有機液体の流れに対して最上流に位置する微小孔と、最下流に位置する微小孔との間の有機液体の圧力損失を10〜1000Paとすれば、各微小孔からの水性液体の圧入量が安定化し、粒子径の均一な無機質球状体が得られやすいため好ましい。特に、走査型電子顕微鏡写真から測定した個数平均粒子径が0.1〜100μmであり、粒子径分布の標準偏差を個数平均粒子径で割った値が0.20以下と、高度に粒子径が均一化された無機質球状体が得られやすくなる。粒子径の均一化の観点から、圧力損失は800Pa以下であることが好ましく、より好ましくは500Pa以下である。なお、圧力損失が10Pa未満であると、有機液体の流速が遅いため、有機液体の流れによりエマルジョン液滴が切り離される効果が得られにくくなり、目的とする大きさを逸脱する大粒子が生成しやすくなるので好ましくない。
ここで、有機液体流路における有機液体の圧力損失(Pa)は、例えば化工便覧改訂5版に記載される、層流における圧力損失式を用いて算出できる。断面の形状が円形の場合、式4で計算される。ここで、Lは流路長さ(m)であり、D、u、μは式1と同様である。
圧力損失=32μLu/D ・・・式4。
また、流路が矩形の場合には、式5で計算される。ここで、X=16/3−1024/π×(b/a)×{tanh(πa/2b)+1/243×tanh(3πa/2b)+・・}、a(流路断面の長辺長さ:m)、b(短辺長さ:m)であり、L、u、μは式4と同様である。
圧力損失=32μLu/(bX/2) ・・・式5。
本発明では、図5及び図6に示すとおり、有機液体の流れに対して最上流に位置する微小孔と、最下流に位置する微小孔との距離をLとする。Lは1〜300mmとすると好ましい。1mm未満であると加工が煩雑となり、充分な生産性を得がたいため好ましくない。一方、300mmを超える場合、圧力損失を10〜1000Paに保つためには有機液体の流速を遅くする必要があるため、有機液体の流れによりエマルジョン液滴が切り離される効果が得られにくくなり、目的とする大きさを逸脱するエマルジョン粒子が生成しやすくなるため好ましくない。
本発明の無機質球状体の製造装置は、図5のように、有機液体の流路が水平面に対して平行になるように設置してもよい。しかし、有機溶媒の密度が水性液体の密度より小さい場合には、有機液体の流路が水平面に対して30°以上の角度を有するように設置し、かつ、有機液体を下方から上方に流すと、粒子径が均一な無機質球状体が得られやすくなり好ましい。特に、図6のように有機液体の流路が水平面に対して垂直になるように設置すると好ましい。一方、有機溶媒の密度が水性液体の密度より大きい場合には、これらの装置を用い、有機液体を上方から下方に流せば、上記のような粒子径の均一化効果が得られやすくなり好ましい。
有機液体の流路が水平面に対して30°以上の角度を有するように設置した場合、高さ方向の所定水平面においては、水性液体側及び有機液体側それぞれにおいて液深に起因する圧力が印加される。特定水平面において、水性液体、有機液体の液深がほぼ同等と仮定すると、水性液体と有機液体との密度差に起因し、(水性液体密度−有機液体密度)×液深に相当する圧力差が生じる。そのため、有機液体の密度が水性液体の密度より小さい場合は有機液体を下方から上方へ、反対の場合は上方から下方へ流せば、有機液体の流路を水平面に対して平行に形成した図5のような場合と比較して、全流路における水性液体側と有機液体側の圧力差の変化を相対的に狭くできる。その結果、各微小孔からの水性液体の供給量を安定化してエマルジョン液滴径を均一化できるため、得られる無機質球状体の粒子径の均一化に効果を発揮する。
なお、図5及び図6において、エマルジョンの生産性を向上するため、ステンレス鋼板10上に微小孔を100個以上、さらには1000個以上設置すると好ましい。ここで、ステンレス鋼板10上に微小孔を複数個設ける場合、水性液体は各微小孔を通してほぼ一定圧力で有機液体中に圧入されるので、水性液体の流れ方向の線速は微小孔部分で測定すればよい。
なお、本発明において、隔壁を構成する材料としては、無機化合物を含む水性液体及び有機液体に対する耐性を有するものを使用する。金属を主体とするものであると加工性及び強度に優れるため好ましいが、その他、樹脂を主体とするものも好適に用いられる。樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリエステル及びフッ素樹脂からなる1種以上を用いると加工性、寸法安定性に優れるため好ましい。
厚さ方向に貫通した微小孔を形成する隔壁の構成材料は、親有機液体性であることが好ましい。したがって、金属材質の場合は、油を焼き付けるなどの方法で親有機液体性をもたせる処理を施すことが望ましい。これは、無機化合物を含む水性液体が微小孔を通過した後の隔壁からの液離れを促すためであり、隔壁が親水性の場合、微小孔を通過後、隔壁に沿って水性液体が流れてしまい、エマルジョンの粒子径が不均一になりやすいことが、高速度カメラでの観察により明らかになっている。
W/O型エマルジョン中の無機化合物を含む水性液体を固形化して無機質球状体とする方法としては、沈殿剤を加えて無機化合物を沈殿させる方法を用いることができる。沈殿剤としては、アルカリ金属のハロゲン化物あるいは炭酸塩、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩およびアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群より選ばれた少なくとも1種の水溶液が挙げられる。具体的には炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、炭酸水素カリウム等の水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機化合物を含む水性液体中の無機化合物がシリカの場合は、W/O型エマルジョンをゲル化することにより、球状である水溶液の分散液滴は、この球状を保持したままゲル化され、球状のシリカヒドロゲルが得られる。ゲル化には、エマルジョン中にゲル化剤を導入するのが好ましい。ゲル化剤としては、無機酸や有機酸などの酸が用いられ、特に無機酸である硫酸、塩酸、硝酸、炭酸などが好ましい。操作の容易性などの点で、最も簡便で好ましいのは、炭酸ガスを用いる方法である。炭酸ガスは、100%濃度の純炭酸ガスを導入してもよいし、空気や不活性ガスで希釈した炭酸ガスを導入してもよい。ゲル化に要する時間は、通常4〜30minが好ましく、ゲル化時の温度は5〜30℃が好ましい。
ゲル化終了後は、反応系を静置して、有機液体の相とシリカヒドロゲルを含む水性相に2相分離させてシリカゲルを分離するのが好ましい。有機液体として飽和炭化水素を用いた場合は、上層に有機液体の相が、下部にシリカヒドロゲルを含む水性液体相が分離するので、両者を公知の手段により分離する。
シリカヒドロゲルの水スラリーは、所望により硫酸などの酸を添加してpHを1〜5程度に調整してゲル化を完結させ、次に60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で水蒸気蒸留して当該水スラリー中に残留している僅かの有機液体を留出して除去し、さらにはpH7〜9程度の適当なpHで加温してシリカヒドロゲルの熟成を行う。
上記の熟成処理を行った後、水スラリーをろ過してシリカヒドロゲルを得、これを100〜150℃程度の温度で、1〜30h程度乾燥することにより、シリカ多孔質球状体粒子が得られる。
なお、シリカを含む水性液体としてケイ酸アルカリ水溶液を用い、ゲル化剤として酸を用いた場合、アルカリ金属塩(例えばゲル化剤が炭酸であれば炭酸ナトリウムなど)を副生するので、この塩がシリカ多孔質球状体へ混入することを防止するため、ろ過した際のシリカヒドロゲル(ウエットケーキ)は十分水洗することが好ましい。場合によっては、水洗後のウエットケーキに再度水を添加してスラリーとして、再度ろ過、水洗を繰り返してもよい。なおこの際、所望により当該スラリーのpHを1〜5程度に調整して再度熟成する操作を行ってもよい。
[例1]
(1)(溶液の調製)
SiO濃度24.4質量%、NaO濃度8.14質量%(SiO/NaOモル比=3.09、密度1320kg/m)のケイ酸ナトリウム水溶液を調製した。有機液体はn−デカン(C1022、密度730kg/m)を使用し、あらかじめ界面活性剤としてソルビタンモノオレイン酸エステルを5000ppm溶解したものを準備した。
(2)(乳化装置作製)
乳化装置を図3に示す。まず、厚さ2mm、1辺50mmの正方形のアクリル樹脂製板1に、図1のように長さ40mm、幅500μm、深さ100μmの溝を形成した。もう1枚の厚さ2mm、1辺50mmの正方形のアクリル樹脂製板2に、内径500μmの円形の貫通孔3と、内径=4r=100μmの円形の微小孔4とを図2のように形成し、貫通孔3及び微小孔4にそれぞれシリンジ用針を挿入した後、エポキシ系接着剤により固定した。アクリル樹脂製板1とアクリル樹脂製板2とを図3のように積層し、クランプにて4辺を均等な力で締め付けて固定した。このとき、アクリル樹脂製板2に形成した貫通孔がアクリル樹脂製板上に形成した溝上に位置するように設置した。さらに、作製した装置はあらかじめ水を供給することで液が漏洩しないことを確認した。
(3)(乳化)
(2)で作製した乳化装置を水平に置いて使用し、貫通孔3より(1)で調製したn−デカンを、微小孔4より(1)で調製したケイ酸ナトリウム水溶液を供給することで、ケイ酸ナトリウム水溶液が界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルジョンを連続的に製造した。このときn−デカンの供給量は7.2mL/hであり、流路における流れ方向の線速は4.0×10 −2 m/sであった。実験は常温で行い、このとき、n−デカンの流れのレイノルズ数は、流路の動水半径:41.7μm、粘度:8.0×10−4Pa・sから計算したところ約6であり、層流状態であった。
また、ケイ酸ナトリウム水溶液の供給量は0.06mL/hであり、微小孔4における流れ方向の線速は2.1×10 −3 m/sであった。さらに、ケイ酸ナトリウム水溶液の微小孔4における流れ方向の線速に対する、n−デカンの流れ方向の線速の比は19であった。光学顕微鏡により確認したところ、エマルジョン粒子は約130μmの実質的に均一な粒子径を有していた。
(4)(ゲル化)
(1)で作製した界面活性剤を溶解したn−デカンを50cmのメスシリンダーに入れ、この溶液中に炭酸ガスを100cm/minの供給速度で吹き込んだ。(3)で作製したW/O型エマルジョンを連続的に該メスシリンダーに供給することでゲル化を行った。生成したシリカヒドロゲルをn−デカンから比重差により2相分離し、シリカヒドロゲルの水スラリーを得た。次いで、シリカヒドロゲルの水スラリーに0.1規定の硫酸水溶液を加え、25℃でpH9に調整した後、80℃において1時間熟成した。その後室温まで放冷し、さらに20質量%の硫酸水溶液を添加してpH2に調整し、3時間静置した。次いでろ過、洗浄を行い、120℃で20時間乾燥することでシリカ多孔質球状体を得た。
(5)(形状確認)
得られたシリカ多孔質球状体は、走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認できた。また、粒子の合計数が1000個以上となるように、複数枚の写真を使用し、写真内に確認できる全数を測定した結果を使用して粒子径分布を実測した。個数平均粒子径は115μmであり、標準偏差は6μmであった。このときの、粒子径分布の標準偏差を個数平均粒子径で割った値は0.052であり、実質的に均一な粒子径のシリカ多孔質球状体であった。なお、個数平均粒子径/4r=1.15であった。
[例2](参考例)
内径500μmのポリテトラフルオロエチレン製チューブ5に、内径200μm、外径410μmのシリンジ用針6を図4のように差込み、チューブ端7と、シリンジ用針6のそれぞれからシリンジポンプにて液を供給できるように固定した。作製した装置はあらかじめ水を供給することで液が漏洩しないことを確認した。
作製した乳化装置を水平に置いて使用し、チューブ端7より例1で調製したn−デカンを、シリンジ用針6より例1で調製したケイ酸ナトリウム水溶液を供給してW/O型エマルジョンを連続的に作製した。このときn−デカンの供給量は20mL/hであり、流路における流れ方向の線速は8.6×10 −2 m/sであった。実験は常温で行い、このとき、n−デカンの流れのレイノルズ数は、流路の動水半径:22.5μmから計算したところ約7であり、層流状態であった。
また、ケイ酸ナトリウム水溶液の供給量は0.3mL/hであり、シリンジ用針6の内部における流れ方向の線速は2.7×10 −3 m/sであった。さらに、シリンジ用針6内部におけるケイ酸ナトリウム水溶液の流れ方向の線速に対する、n−デカンの流れ方向の線速の比は32であった。光学顕微鏡により確認したところ、エマルジョン粒子は約270μmの実質的に均一な粒子径を有していた。
得られたエマルジョン粒子を例1と同様にゲル化してシリカ多孔質球状体を作製した。得られたシリカ多孔質球状体は、走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認できた。また、走査型電子顕微鏡写真より、実施例1と同様にして粒子径分布を実測した。個数平均粒子径は227μmであり、標準偏差は14μmであった。このときの、粒子径分布の標準偏差を個数平均粒子径で割った値は0.062であり、実質的に均一な粒子径のシリカ多孔質球状体であった。なお、個数平均粒子径/4r=1.14であった。
[例3]
(1)(液体の調製)
例1と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を調製した。有機液体はイソノナン(C20、密度730kg/m)を使用し、あらかじめ界面活性剤としてソルビタンモノオレイン酸エステルを5000ppm溶解したものを調製した。
(2)(乳化装置作製)
乳化装置は図5に断面図を示す。まず、厚さ2mm、1辺50mmの正方形のアクリル樹脂製板8に、内径3.2mmの貫通孔を2個形成し、外径3.2mmのゴムチューブ配管(ノートン社製、商品名:タイゴンチューブR−3603)をそれぞれ接続してノズル13、14とし、ノズル13より液の供給が、また、ノズル14より液の排出ができるようにした。もう1枚の厚さ2mm、1辺50mmの正方形のアクリル樹脂製板12の中央に、内径3mmの貫通孔を形成し、ジョイント部品を介して内径1mmのポリテトラフルオロエチレンチューブを接続してノズル15とし、ノズル15より液が供給できるようにした。更にもう1枚の厚さ2mm、1辺50mmの正方形のアクリル樹脂製板に対し、外縁部より10mmを残し内側30mm角をくり抜いてアクリル樹脂製板部品11を作製した。次いで、厚さ50μm、1辺50mmの正方形のステンレス鋼板10の中央部に、エキシマレーザーにて内径=4r=30μmの断面の形状が円形の貫通孔を幅方向に140μmピッチで10個、長さ方向に250μmピッチで100個、合計1000個を作製した。さらに、厚さ400μm、1辺50mmの正方形のフッ素樹脂シートの中心部に幅3mm、長さ35mmのスリットを形成してフッ素樹脂シート9を作製した。
アクリル樹脂製板8、フッ素樹脂シート9、ステンレス鋼板10、アクリル樹脂製板部品11及びアクリル樹脂製板12を順に積層し、クランプにて4辺を均等な力で締め付けて固定した。このとき、ステンレス鋼板10に作製した貫通孔の幅方向及び長手方向を、それぞれフッ素樹脂シート9に作製したスリットの幅及び長さ方向に合わせ、貫通孔がスリットの中心部に位置するように、また、アクリル樹脂製板8のノズル13の孔とノズル14の孔とがフッ素樹脂シート9のスリット上に位置するように設置した。さらに、作製した装置はあらかじめ水を供給することで液が漏洩しないことを確認した。
(3)(乳化)
(2)で作製した乳化装置を水平に置いて使用し、ノズル13より(1)で調製した界面活性剤を溶解したイソノナンを、ノズル15より(1)で調製したケイ酸ナトリウム水溶液を供給することで、ケイ酸ナトリウム水溶液が界面活性剤を溶解したイソノナン中に分散するW/O型エマルジョンを連続的に作製した。このとき界面活性剤を溶解したイソノナンの供給量は1350mL/hであった。製造は常温で行った。
このとき、イソノナンの流れのレイノルズ数は、流路の動水半径:176.5μm、イソノナンの線速:0.31m/s、イソノナンの粘度:7.5×10−4Pa・sから計算したところ約215であり、層流状態であった。有機液体の最上流に位置する貫通孔と最下流に位置する貫通孔との距離=流路長さL=0.025mであり、また、イソノナン流路は矩形であるから、Lにおける圧力損失を式5から計算したところ480Paであった。更に、ケイ酸ナトリウム水溶液の供給量は5.0mL/hであり、貫通孔における流れ方向の線速は2.0×10−3m/sであった。
また、貫通孔から供給されるケイ酸ナトリウム水溶液の貫通孔部分での流れ方向の線速に対するイソノナンの流れ方向の線速の比は159であった。高速度カメラにて乳化の様子を確認したところ、ケイ酸ナトリウム水溶液は、貫通孔出口で液滴化されており、また、エマルジョン粒子は約60μmの実質的に均一な粒子径を有していた。
(4)(ゲル化)
(1)で作製した界面活性剤を溶解したイソノナンを容積約5Lの容器(直径;100mm、高さ650mm)に入れ、この溶液中に炭酸ガスを100cm/minの供給速度で吹き込んだ。(3)で作製したW/O型エマルジョンを連続的に該容器に供給することでゲル化を行った。生成したシリカヒドロゲルをイソノナンから比重差により2相分離し、シリカヒドロゲルの水スラリーを得た。次いで、得られたシリカヒドロゲルの水スラリーに0.1規定の硫酸水溶液を加え、25℃でpH9に調整した後、80℃において1時間熟成した。その後、室温まで放冷し、さらに20質量%の硫酸水溶液を添加してpH2に調整し、3時間静置した。次いで、ろ過、水洗を行い、120℃で20時間乾燥することでシリカ多孔質球状体を得た。
(5)(形状確認)
得られたシリカ多孔質球状体は走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、走査型電子顕微鏡写真より、実施例1と同様にして粒子径分布を実測した。個数平均粒子径は51μmであり、標準偏差は6.8μmであった。このときの、粒子径分布の標準偏差を個数平均粒子径で割った値は0.133であり、実質的に均一な粒子径のシリカ多孔質球状体であった。なお、個数平均粒子径/4r=1.70であった。
[例4]
乳化装置を図6のように水平面と垂直に置いて使用した以外は、例3と同様にしてシリカ多孔質球状体を得た。このとき、イソノナン側流路ではLにおいて、例3で計算した流れに起因する圧力損失に、イソノナンの液深に起因する179Paの圧力差が加わり、合計659Paの圧力差が生じていたと計算される。一方、ケイ酸ナトリウム水溶液側では、流れに起因する圧力損失は流れが遅いために無視してよく、液深に起因する323Paの圧力差のみが生じていたと計算される。したがって、Lにおいては、ケイ酸ナトリウム水溶液をイソノナン側に圧入する際の圧力差の変化は336Paであったと計算される。
得られたシリカ多孔質球状体は走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認され、個数平均粒子径は50μmであり、標準偏差は4.9μmであった。このときの、粒子径分布の標準偏差を個数平均粒子径で割った値は、0.098であり、実質的に均一な粒子径のシリカ多孔質球状体であった。なお、個数平均粒子径/4r=1.67であった。
[例5]
図5において、厚さ200μm、1辺50mmの正方形のフッ素樹脂シートに幅2mm、長さ35mmのスリットを形成したものをフッ素樹脂シート9として使用した以外は、例3と同様にしてシリカ多孔質球状体を得た。イソノナン流路は矩形であるから、Lにおける圧力損失を式5から計算したところ5628Paであり、ケイ酸ナトリウム水溶液の貫通孔部分での流れ方向の線速に対する、イソノナンの流れ方向の線速の比は477であった。
高速度カメラにて乳化の様子を確認したところ、ノズル15より供給されたケイ酸ナトリウム水溶液は、貫通孔出口で液滴化されているものの、有機液体流路の上流から下流にいくにつれてエマルジョンの液滴径が大きくなる傾向を示し、分布が広い状態であった。
得られたエマルジョンを例1と同様にゲル化して得られたシリカ多孔質球状体は、走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認され、個数平均粒子径は55μmであり、標準偏差は16.8μmであった。このときの、粒子径分布の標準偏差を個数平均粒子径で割った値は0.305であり、例3、例4と比較して広い分布を有していた。なお、個数平均粒子径/4r=1.83であった。
実質的に粒子径が均一な無機質球状体が得られるので、液体クロマトグラフィー用充填材、化粧品用フィラー、触媒担体などに使用できる。
例1で用いた乳化装置の部材を示す図 例1で用いた乳化装置の別の部材を示す図 例1で用いた乳化装置の主要部を示す図 例2で用いた乳化装置の主要部を示す図 例3及び例5で用いた乳化装置の断面図 例4で用いた乳化装置の断面図
符号の説明
1、2、8、12:アクリル樹脂製板
3:アクリル樹脂製板2に形成されたノズル
4:アクリル樹脂製板2に形成されたノズル
5:ポリテトラフルオロエチレン製チューブ
6:シリンジ用針
7:チューブ端7
9:フッ素樹脂シート
10:ステンレス鋼板
11:アクリル樹脂製板部品
13、14:アクリル樹脂製板8に形成されたノズル
15:アクリル樹脂製板12に形成されたノズル

Claims (13)

  1. 隔壁で区画された流路中を流速0.001〜2m/sかつ層流状態で流れる有機液体中に、前記隔壁に、該隔壁の厚さ方向に貫通するように形成された微小孔を通して無機化合物を含む水性液体を押し出してW/O型エマルジョンを形成した後、該W/O型エマルジョン中の無機化合物を含む水性液体を固形化することを特徴とする無機質球状体の製造方法。
  2. 前記水性液体がシリカを含み、前記無機質球状体が多孔質シリカである請求項1に記載の無機質球状体の製造方法。
  3. 前記W/O型エマルジョンを、酸を添加することでゲル化する請求項2に記載の無機質球状体の製造方法。
  4. 前記有機液体が炭素数9〜12の飽和炭化水素である請求項1〜3のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
  5. 前記有機液体のレイノルズ数が500以下である請求項1〜4のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
  6. 前記水性液体の流れ方向の線速に対する前記有機液体の流れ方向の線速の比が1〜500である請求項1〜5のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
  7. 前記微小孔の断面が円形、矩形、三角形及び楕円形からなる群より選ばれる1つ以上の形状である請求項1〜6のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
  8. 前記微小孔の断面の動水半径rの4倍値が0.1〜500μmである請求項7に記載の無機質球状体の製造方法。
  9. 前記微小孔を、微小孔の断面形状に外接する円の直径の1/2以上離して、1つの隔壁上に複数個設置する請求項1〜8のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
  10. 前記微小孔を100個以上形成し、かつ、前記微小孔のうち前記有機液体の最上流に位置するものと、最下流に位置するものとの間の前記有機液体の圧力損失を10〜1000Paとする請求項1〜9のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
  11. 前記流路を水平面に対して30°以上の角度を有するように設置し、前記有機液体を下方から上方に流す請求項10に記載の無機質球状体の製造方法。
  12. 前記微小孔のうち前記有機液体の最上流に位置するものと、最下流に位置するものとの距離が1〜300mmである請求項10または11に記載の無機質球状体の製造方法。
  13. 個数平均粒子径が0.1〜100μmである無機質球状体を得るための請求項10〜12のいずれかに記載の無機質球状体の製造方法。
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