JP6241252B2 - 球状シリカの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、球状シリカの製造方法に関する。
球状シリカは、その粒子径、細孔構造、表面特性の多様性から、例えば、トナー、断熱材、真空断熱材の芯材、食品添加剤、医療用診断剤、塗料用フィラー、化粧品用フィラー、樹脂フィルム用フィラー、液晶用スペーサー、クロマトグラフィー用充填剤、触媒、触媒担体、樹脂充填剤、吸着剤、乾燥剤等に広く用いることができる。
粉体が油性の液体を吸収して保持する性質は、吸油量で表される。高吸油量の球状シリカは、各種成分を細孔部に保持して用いることができ、多様な用途に応用可能である。また、粒子の形状は、充填性や、担体としての形状を考慮すると、球状であることが好ましい。高吸油量の球状シリカは、例えば次のような用途がある。
化粧品用途では、皮脂をより吸収させるため、または、香料等をより多く担持させ効果を長持ちさせるため、高吸油量の粒子が求められる。また、すぐれた触感を示すため、粒子の形状は球状が望まれる。
触媒担持用途では、ポリマー、特にポリオレフィン製造用の重合触媒の担持用途において、高吸油量の球状シリカが求められている。また、その比表面積としては200m/g以上が一般的である。また、この用途は、触媒担持体である粒子と同じ形状のポリマーが生成されるため、粒子の形状は球状が望まれ、ハンドリングの面から粒子径が均一なものが望まれる。
断熱材用途や真空断熱材用途では、高吸油量で高比表面積で微細孔を持ち、かさ密度が小さいシリカが求められている。
特許文献1には、特定のアニオンを含有するケイ酸アルカリ水溶液を有機溶媒中で乳化し、炭酸ガスでゲル化することによる高吸油量、かつ高比表面積のシリカゲルの製造方法が開示されている。
特許文献2には、金属酸化物ゾルをW相とするO/W/O型エマルションを作製して、吸油量が250mL/100g以上の金属酸化物粉末を製造する方法が提案されている。
特許文献3には、高吸油性の多孔質シリカを製造するために、炭酸アルカリ土類金属塩を用いた多孔質シリカの製造法が開示されている。
特許文献4には、水性シリカゾルを疎水性溶媒中に分散させてW/Oエマルションを形成し、ゲル化してゲルに変換し、ゲルの水分を溶媒置換し、ゲルを疎水化剤で処理し、溶媒を除去することによる、乾燥収縮を抑制し、高空隙率で、細孔容積及び比表面積が大きいエアロゲルを得るエアロゲルの製造方法が開示されている。
特許第3973305号公報 国際公開2012/147812号 特開平3−75215公報 特許第4960534号公報
特許文献1の例1〜4では、ケイ酸ナトリウム水溶液と有機溶媒とをホモミキサーで乳化しているため、得られるシリカゲルの粒子径が十分に均一でない。特許文献1の例5は比較例であり、超臨界乾燥によってシリカゲルを得ており、シリカゲルの形状は球状ではなく、破砕状である。
また、特許文献2の製造方法では、油滴を内部に閉じ込めた水滴粒子が油相中に分散しているO/W/O型エマルションを原料としており、粒子内部に大きな空間を保有する。そのため、吸油量が不充分である。また、乾燥前の前処理工程として、アルコール置換、疎水化処理工程を必要としている。
特許文献3の製造法では、各試料を水中に添加して加熱及び撹拌をしている。この製造方法では、粒子は球状にならない。また、この製造方法では、得られる粒子の比表面積が小さくなる。特許文献3の例1では、吸油量が600cc/100gであるが、比表面積が72m/gであり、比表面積が小さい。
特許文献4の製造法では、高吸油量の粒子が得られているが、乾燥前の前処理工程としてアルコール置換、疎水化処理工程を必要としており、また乳化をホモミキサーで実施しているため粒子径は不均一である。
通常、球状シリカが乳化方法で製造される場合では、最後に球状シリカを乾燥させる。高吸油量を得るために細孔容積が大きく、かつ表面積の大きい(細孔径が小さい)球状シリカを乾燥させると、球状シリカの収縮が大きくなって、球状シリカが割れることがある。また、従来の高吸油量の球状シリカは、粒子の強度が弱いため、分級の際に粒子が破損することがある。これらは、シリカの形状を球状にする際に問題となる。
本発明の目的は、吸油量が高く、粒子形状が球状であり、粒子径が均一な球状シリカを提供することである。
本発明の一側面としては、下記工程(1)〜(4)を有することを特徴とする、球状シリカの製造方法である。
(1)隔壁で区画された流路中を流れる有機溶媒中に、前記隔壁に形成した微小孔部を通して、硫酸ナトリウムを含むケイ酸アルカリ水溶液を押し出して、油中水型エマルションを作製する工程、
(2)前記油中水型エマルションをゲル化しシリカヒドロゲルを形成する工程、
(3)前記シリカヒドロゲルを熟成する工程、及び
(4)前記熟成したシリカヒドロゲルを乾燥する工程
本発明の製造方法によれば、吸油量が高く、粒子形状が球状であり、粒子径が均一な球状シリカを提供できる。
本発明の一実施形態による乳化装置の断面模式図である。 図2は実施例5、比較例2における乳化試験設備の概略図である。 図3は実施例5における分散相供給圧力の経時変化を表したグラフである。 図4は比較例2における分散相供給圧力の経時変化を表したグラフである。
「球状シリカの製造方法」
本発明の一実施形態による球状シリカの製造方法としては、(1)隔壁で区画された流路中を流れる有機溶媒に、隔壁に形成した微小孔部を通して、硫酸ナトリウムを含むケイ酸アルカリ水溶液を押し出して、油中水型エマルションを作製する工程、(2)油中水型エマルションをゲル化しシリカヒドロゲルを形成する工程、(3)シリカヒドロゲルを熟成する工程、及び(4)熟成したシリカヒドロゲルを乾燥する工程を有することを特徴とする。
工程(1)では、ケイ酸アルカリ水溶液を分散相とし、有機溶媒を連続相として、油中水(W/O)型エマルションが作製される。本実施形態による油中水型エマルションにおいて、分散相と連続相との室温(20〜23℃)における体積比は、得られるエマルション中の分散相/連続相の体積比として、1/1〜1/100が好ましく、より好ましくは1/1〜1/10、さらに好ましくは1/1〜1/5である。
[ケイ酸アルカリ水溶液]
本実施形態では、塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群より選ばれる塩の1種以上(以下、単に塩と称する場合がある。)を含むケイ酸アルカリ水溶液を分散相として用いる。
このケイ酸アルカリ水溶液は、ケイ酸成分がSiOに換算したSiO濃度で3〜20質量%であり、塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群より選ばれる塩の1種以上が合計で0.1〜15質量%であることが好ましい。
ケイ酸アルカリ水溶液中のケイ酸アルカリとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムのケイ酸塩、またはこれらの組み合わせを挙げるができる。
ケイ酸アルカリとしては、なかでも入手の容易さ、経済的理由により、ケイ酸ナトリウムを含むことが好ましい。ナトリウムとケイ酸の割合は、NaO/SiO(モル比)で2.0〜3.8が好ましく、さらには2.0〜3.5が好ましい。
ケイ酸アルカリ水溶液中のケイ酸成分は、SiOに換算したSiO濃度で、ケイ酸アルカリ水溶液全体に対し、3〜20質量%であることが好ましい。
ケイ酸アルカリ水溶液中のケイ酸成分は、主にケイ酸アルカリ及び/またはSiOの形態で含まれるため、SiOに換算したSiO濃度として表す。
このケイ酸成分の濃度が、3質量%以上であることで、高生産効率で製造することが可能である。
好ましくは、ケイ酸成分の濃度は5質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。
一方、このケイ酸成分の濃度が、20質量%以下であることで、目標とする高吸油性球状シリカの製造が可能となる。
好ましくは、ケイ酸成分の濃度は15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下である。
[塩]
ケイ酸アルカリ水溶液は、塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群より選ばれる塩の1種以上を含む。
好ましくは、アルカリ金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物、ならびに、アルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群より選ばれる1種以上である。
塩化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を挙げることができる。
硫酸塩としては、例えば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等を挙げることができる。
硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等を挙げることができる。
フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等を挙げることができる。
これらは、単独で、または組み合わせて用いることができる。
なかでも、硫酸ナトリウム(NaSO)が好ましい。硫酸ナトリウムを用いれば、原料の価格を抑えることができる。また、硫酸ナトリウムはケイ酸アルカリ水溶液と混合しても異物を形成しにくい。さらに、後述する本発明の乳化方法では、μmオーダーの微小孔部からケイ酸アルカリ水溶液を押し出すため、長時間乳化を継続するためには、原料の保存安定性が重要となるため、原料の保存安定性が確保できる硫酸ナトリウムが好ましい。
ケイ酸アルカリ水溶液は、塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群より選ばれる塩の1種以上を合計で0.1〜15質量%で含むことが好ましい。
塩の濃度が0.1質量%以上であることで、上記した範囲の高吸油量の球状シリカを得ることができる。塩の濃度は、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。
一方、塩の濃度が15質量%以下であることで、乾燥時の粒子の割れを抑制することができる。乾燥時に粒子が割れると、粉体の感触が悪くなる。さらに、割れた粒子は高吸油性を示さない性質の粒子に乾燥されてしまうため、高吸油量のシリカを得ることも困難になる。
塩の濃度は、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。
[その他成分]
ケイ酸アルカリ水溶液には、任意にその他の無機化合物を含ませてもよい。これによって、球状シリカとその他の無機化合物との複合粒子を得ることができる。
その他の無機化合物としては、アルミン酸塩;ケイ素、アルミニウム、チタン、亜鉛、セリウムまたは錫の酸化物;アルカリ土類金属(主にカルシウム、ストロンチウム、バリウム)のハロゲン化物(塩化物以外);銅の酸化物、及び塩酸塩;鉄、コバルトまたはニッケルの酸化物、及び塩酸塩等、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
[有機溶媒]
本実施形態では、有機溶媒を分散相として用いる。有機溶媒としては、上記したケイ酸アルカリ水溶液に対して溶解度が低いものであることが好ましく、より好ましくは溶解度を有さないものである。有機溶媒の例としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、含フッ素化合物類等を挙げることができる。
有機溶媒としては、具体的には、炭素数9〜12の飽和炭化水素、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクテン、イソオクテン等の炭素数6〜8の脂肪族炭化水素類、
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の炭素数1〜8の脂環式炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素類、
プロピルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類、
酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−プチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、乳酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル等のエステル類、
1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル等の含フッ素化合物類等を挙げることができる。
これらは、単独で、または組み合わせて用いてもよい。
有機溶媒としては、操作性、火気への安全性、固形化した粒子と有機溶媒との分離性、水への有機溶媒の溶解性などを総合的に考慮して選定される。炭素数9〜12の飽和炭化水素が好ましい。炭素数が9〜12の飽和炭化水素は、単独で使用してもよいし、このうちの二種以上を混合して使用してもよい。また、炭素数が9〜12の飽和炭化水素は、その化学的安定性が良好であれば、飽和直鎖炭化水素、飽和分岐鎖炭化水素、飽和環状炭化水素のいずれであってもよい。
炭素数9〜12の飽和直鎖炭化水素としては、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカンが好ましい。炭素数9〜12の飽和分岐鎖炭化水素としては、イソノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン等が好ましい。
有機溶媒の引火点としては、20〜80℃のものが好ましく、より好ましくは30〜60℃のものが好ましい。また、不燃性または難燃性の有機溶媒が好ましい。
引火点が20℃未満の飽和炭化水素を有機溶媒とした場合、引火点が低いため、防火上、作業環境上の対策が必要である。有機溶媒の引火点が20℃以上であることで、防火性を高めて作業環境を改善することができる。一方、80℃以下であることで、揮発性を十分に得て、球状シリカを有機溶媒から回収する際に、球状シリカに有機溶媒が付着して混入することを防止できる。
このような引火点の有機溶媒としては、炭素数9〜12の飽和炭化水素の中から選択することがより好ましい。
本実施形態では、ケイ酸アルカリ水溶液及び有機溶媒からエマルションを作製し、エマルションをゲル化して球状シリカを形成した後に、球状シリカと有機溶媒とは通常固液分離される。分離後の球状シリカに有機溶媒が付着又は吸着する場合は、濾過操作、洗浄操作、蒸留操作などにより分離することが好ましい。
[界面活性剤]
有機溶媒には、乳化剤として界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤を添加するとエマルションをより安定化することができる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の中から選択したものを用いることが出来る。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の使用量は、界面活性剤の種類、界面活性剤の親水性あるいは疎水性の程度を表す指標であるHLB(Hydrophile−lipophile balance)、目的とする球状シリカの粒子径などの条件により異なるが、上記有機溶媒中に0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%で含有させることが好ましい。
W/O型エマルションを作製する場合は、界面活性剤のHLBは2〜9が好ましく、3〜6がより好ましい。
0.01質量%以上であることで、均一に乳化することができ、エマルションをより安定化することができる。一方、2質量%以下であることで、最終製品である球状シリカに界面活性剤が付着して混入することを防止することができる。分散相の粘度が低い場合、均一に乳化するためには界面活性剤の濃度がより低い方が好ましい。
(エマルション作製工程)
油中水型エマルションは、隔壁で区画された流路中を流れる有機溶媒に、隔壁に形成した微小孔部を通して、塩化物、硫酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群より選ばれる塩の1種以上を含むケイ酸アルカリ水溶液を押し出して作製する。
これによって、有機溶媒からなる連続相中にケイ酸アルカリ水溶液からなる液滴、すなわちエマルション液滴が分散相となった油中水型エマルションを作製することができる。
このような乳化方法としては、いわゆるマイクロミキサー法を好ましく用いることができる。
本実施形態では、できるだけ中空粒子が少ない球状シリカを得るため、マイクロミキサー法を用いることが好ましい。中空粒子は、球状シリカの内部に大きな空隙部が存在する粒子である。中空粒子が存在すると、粒子強度が低下して、粒子の割れや欠けが発生することがあり、好ましくない。粒子の割れや欠けは、吸油量が低下する原因となり得る。
また、マイクロミキサー法によれば、比較的大きく均一な粒子径の球状シリカを得ることができる。さらに、マイクロミキサー法によれば、中空粒子の発生を防ぎながら、球状シリカの粒子径をより均一にすることができる。
上記乳化方法において、有機溶媒が流れる隔壁で区画された流路の形状は特に制限されない。例えば、有機溶媒の流れ方向に直交する流路の断面形状(以下、単に「流路の断面形状」と称することがある)が円形、だ円、ドーナツ形、矩形、三角形、多角形等であってよいが、好ましくは矩形である。
隔壁で区画された流路は1本でもよいが、高い生産性を得るためには複数本設けることが好ましい。
流路を区画する隔壁としては、有機溶媒とケイ酸アルカリ水溶液とを隔離する部材であって、隔壁の厚み方向に貫通した微小孔部を有する板状や膜状の部材である。隔壁の材質としては、ケイ酸アルカリ水溶液及び有機溶媒に対して耐性を有するものが好ましい。例えば、ガラスやセラミックス等の無機材料、ニッケルやニッケル合金、ステンレス鋼等の金属材料、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂材料等を挙げることができる。中でも、比較的安価で入手しやすく、優れた耐性や加工性を有する点からステンレス鋼のシートを用いることが好ましい。
微小孔部の全体的な形状としては、特に制限されず、例えば、平板、円盤、円筒、角筒等であってよい。ケイ酸アルカリ水溶液の流れ方向に直交する微小孔部の断面形状(以下、単に「微小孔部の断面形状」と称することがある)としては、特に制限されず、例えば、円形、楕円、矩形、三角形、多角形等であってよい。これに限定されないが、微小孔部の出口部分、すなわち連続相の流路側の断面形状の短手方向長さとしては、例えば1〜50μmとすることができ、長手方向長さとしては1〜50μmとすることができる。
隔壁には、微小孔部を1個または複数個で設けることができる。流路が複数本ある場合には、それぞれの流路に対して1個または複数個の微小孔を設けることができる。
隔壁で区画された流路を流れる有機溶媒の流速は、0.01〜10m/sであることが好ましい。これによって、粒子径分布の狭いエマルション液滴が得られ、それを固形化した球状シリカの粒子径分布も狭くすることができる。有機溶媒の流速としては、より好ましくは0.02m/s以上であり、一層好ましくは0.04m/s以上である。一方、上限はより好ましくは9.0m/s以下であり、一層好ましくは8.0m/s以下である。ここで、有機溶媒の流速とは、単位時間当たりに隔壁で区画された流路に流れる有機溶媒の流量(m/s)を流路の断面積(m)で割った値のことである。
隔壁で区画された流路の高さとしては、10μm〜1mmであることが好ましい。流路の断面形状が矩形の場合は、微小孔部が形成されている隔壁とこの隔壁と対向する隔壁との間の距離が流路の高さとなる。
流路の高さが10μm以上であることで、均一なエマルション液滴の生成が可能となる。また、流路の高さが10μm未満であると、有機溶媒の流れによって切り離される前に、微小孔部が形成された隔壁に対向する隔壁に到達してしまい、目視で確認できる程の粗大なエマルション液滴が生成し、均一なエマルション液滴の生成ができなくなる。
一方、流路の高さが1mm以下であることで、有機溶媒の過剰な消費をより防止することができる。また、流路の高さが1mmを超えると、微小孔部の出口側でせん断力を十分に与えることができなくなり、目的とする粒子径や粒子径分布が得られないことがある。
流路の高さは、より好ましくは30μm以上であり、一層好ましくは200μm以上である。
ここで、流路の高さとは、微小孔部が形成された隔壁とこの隔壁に対向する隔壁との間の距離である。また、流路の幅としては連続相の流れ方向に対し直交し、かつ流路の高さと直交する方向の隔壁の間の距離である。流路の幅としては、特に制限されないが、例えば0.1〜10mmの範囲とすることができる。
流路の長さとしては、特に制限されないが、例えば1〜500mmの範囲とすることができる。500mmを超えると圧力損失が大きくなるため、流路外への漏洩が起きる可能性が高まり好ましくない。また、1mm未満だと隔壁に形成できる微小孔の数が少なくなるため生産性が低くなり好ましくない。流路の全長を通して、流路の断面形状が変化する構成では、流路の高さとしては、流路全長を通して最小の部分の高さとし、また、流路の幅としては、流路全長を通して最小の部分の幅とする。
ケイ酸アルカリ水溶液の流速は、微小孔部の1孔当たり0.01〜5m/sであることが好ましい。これによって、粒子径分布の狭いエマルション液滴を得ることができ、それを固形化した球状シリカの粒子径分布を狭くすることができる。ここで、ケイ酸アルカリ水溶液の流速は、1孔の微小孔に単位時間当たりに流れるケイ酸アルカリ水溶液の流量(m/s)を微小孔の断面積(m)で割った値のことである。
ケイ酸アルカリ水溶液の流速が0.01m/s未満の場合、粒子径分布の広いエマルション液滴が生成することがある。また、生産性も低くなる。一方、5m/s超過の場合、粗大なエマルション液滴が生成することがあり、本発明の球状シリカを得ることができないことがある。
微小孔部の1孔当たりの流速は、好ましくは0.1m/s以上である。
流路中を流れる有機溶媒のレイノルズ数は1〜10000であることが好ましい。ここで、流路の断面が円形である場合のレイノルズ数は下記式1で計算され、流路の内径Dは流路の断面における最小径を使用する。ここで、D(流路の内径:m)、u(平均流速:m/s)、ρ(流体密度:kg/m3)、μ(流体粘度:Pa・s)である。
レイノルズ数(−)=D・u・ρ/μ・・・式1。
また、流路の断面が円形でない場合のレイノルズ数は下記式2で計算される。ここで、rは流路動水半径(m)=流路の断面積(m2)/流路断面の流体に接する周長(m)であり、u、ρ、μは式1と同様である。
レイノルズ数(−)=4×r・u・ρ/μ・・・式2。
レイノルズ数が1以上であることで、微小孔部から高流速で押し出されるケイ酸アルカリ水溶液を切り離すのに十分なせん断力を与えることができ、有機溶媒中でケイ酸アルカリ水溶液をエマルション液滴に形成することを促進することができる。
一方、レイノルズ数が10000以下であることで、流路での液体の流れの乱れを防止して、粒子径の均一なエマルション液滴を形成することができ、均一な粒子径の球状シリカを得ることができる。
レイノルズ数は、好ましくは30以上であり、より好ましくは50以上である。一方、好ましくは7000以下であり、より好ましくは5000以下である。
(乳化装置)
以下、本実施形態に用いられる乳化装置の一例について図1を参照して説明する。以下の説明では、図1に示す乳化装置を用いて、マイクロミキサー法によって、ケイ酸アルカリ水溶液と有機溶媒とから、油中水型エマルションを作製する方法について説明する。
図1において、1及び2はアクリル樹脂製部材、3は流路3aが形成されたステンレス鋼板、4は複数の微小孔部4aが形成されたステンレス鋼板である。ステンレス鋼板3の流路3aにステンレス鋼板4の微小孔部4aが対向するようにステンレス鋼板3及びステンレス鋼板4を重ね合わせ、ステンレス鋼板3側にアクリル樹脂製部材1が配置され、ステンレス鋼板4側にアクリル樹脂製部材2が配置される。ステンレス鋼板3及び4は、アクリル樹脂製部材1及び2によって挟み込まれ、液体の流路3aを形成する。
アクリル樹脂製部材1には、連続相入口部5及びエマルション出口部6が設けられ、有機溶媒が連続相入口部5から供給されエマルション出口部6方向に流れる。アクリル樹脂製部材2には、分散相供給部7が設けられ、ケイ酸アルカリ水溶液が分散相供給部から供給され、微小孔部4aを通して、流路3aに押し出される。流路3aにおいて、連続相及び分散相からエマルションが作製されて、エマルション出口部6から排出される。
なお、微小孔部4aより押し出されるケイ酸アルカリ水溶液は、界面張力に起因して、微小孔部4aの出口においてその孔径よりも大きく成長する。その後、ケイ酸アルカリ水溶液は、有機溶媒の流れにより切り離され、有機溶媒中でエマルション液滴を形成する。
ステンレス鋼板3の流路3aは、複数本の流路3aが有機溶媒の流れ方向に沿って形成されていてもよい。また、ステンレス鋼板4の微小孔部4aは、それぞれの流路3aに対し複数個の微小孔部4aが形成されていてもよい。
本実施形態では、有機溶媒が流れる流路3aを形成するステンレス鋼板3の厚さを30μm〜1mmにすることで、流路3aの高さを30μm〜1mmにすることができる。
ステンレス鋼板4の厚さは、特に制限されず、例えば10〜500μmとすることができる。10μm以上であることで、鋼板の強度を確保して折れ曲がりを防止して、鋼板の平面性を保つことができ、また、複数の微小孔部4aから流路3aに圧入されるケイ酸アルカリ水溶液の液滴が合一することを防止して、より均一な粒子径の液滴を形成することができる。一方、500μm以下であることで、鋼板の加工性に優れ、低コストで加工精度を高めることができる。ステンレス鋼板4の厚さは、好ましくは30〜200μmである。
流路3a及び微小孔部4aの形成方法にとしては、特に制限されず、レーザー加工、エッチング加工、エレクトロフォーミング加工、プレス加工など種々の加工法が適用できるが、加工の簡便さやコストの点からエキシマレーザー、UV−YAGレーザー、フェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーなどのレーザー加工法を用いることが好ましい。
ケイ酸アルカリ水溶液は水性液体であるため、ステンレス鋼板4は、少なくとも微小孔部4aの流路3a側の表面が撥水処理してあることが好ましい。この撥水処理は、ステンレス鋼板4の表面のうち、少なくとも有機溶媒としての有機溶媒と接触する部分に対して行うことが好ましい。例えば、ステンレス鋼板4に微小孔部4aを形成した後に、ステンレス鋼板4の表面全体を撥水処理することができる。
これによって、ケイ酸アルカリ水溶液が微小孔部4aの出口部分で切り離される作用を促進して、より均一な粒子径のエマルション液滴を形成することができる。ステンレス鋼板4が親水性の場合、ケイ酸アルカリ水溶液である水性液体が微小孔部4aから押し出された後に、ステンレス鋼板4の表面に沿って流れてしまい、エマルション液滴の粒子径が不均一になる現象がある。この現象は、高速度カメラでの観察により確認されている。
撥水処理は、疎水性樹脂又はシランカップリング剤を溶剤に溶解した撥水処理剤を用いて、ステンレス鋼板4の表面をコーティングすることで行うことができる。疎水性樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いると好ましい。これは、コーティングの際に微小孔部4aが閉塞した場合であっても、加熱処理により孔を貫通させられるためである。また、疎水性樹脂として、耐久性の観点から、溶媒可溶型のフッ素樹脂を用いることが好ましい。コーティングには任意の方法を用いることができるが、撥水処理剤をディップコートすることで、薄く均一にコーティングできる。
撥水処理では、ステンレス鋼板4表面に0.001〜5μmの膜厚を有する撥水性の処理膜を形成することが好ましい。0.001μm以上であることで、耐久性及び機械的強度を高めることができ、また、ピンホールの発生を防ぐことができる。一方、5μm以下であることで、微小孔部4aが撥水処理剤によって被覆されて閉塞されることを防止することができる。
微小孔部4aの断面形状としては、例えば、円形、楕円、矩形、三角形、多角形等を挙げることができる。中でも円形が好ましい。このような形状であることで、加工性に優れ、また、より均一な粒子径のエマルション液滴を形成することができる。
また、微小孔部4aは、ステンレス鋼板4の流路3a側の開口部を反対面側の開口部よりも小さくして、ステンレス鋼板4の厚み方向に傾斜を有する形状としてもよい。これによって、ケイ酸アルカリ水溶液を、微小孔部4aを通して流路3aに押し出す際の圧力を低減することができる。
微小孔部4aの断面形状が円形以外である場合、微小孔部4aの流路3a側の開口部で、ケイ酸アルカリ水溶液がエマルション液滴となった時点でエマルション液滴は曲率分布を有し、比較的早期にケイ酸アルカリ水溶液から自発的に切り離され有機溶媒中でエマルション液滴になるものと推定される。そのため、円形状の微小孔部4aの場合と比べ、比較的エマルション液滴の粒子径が小さいものが得られやすいという利点を有する。
ケイ酸アルカリ水溶液を供給する微小孔部4aは、生産性の観点から、ステンレス鋼板4の厚さ方向に貫通するように、複数個設けることが好ましい。1つの流路3aに対する微小孔部4aの個数としては、例えば1000個以上とすることができ、より好ましくは5000個以上であり、さらに好ましくは20000個以上であり、50000個以上としてもよい。
ステンレス鋼板4に流路3aに対向して形成される微小孔部4aの配列としては、特に限定されないが、生産性及び加工性の観点から、ステンレス鋼板4の幅方向(流路3aの幅方向)及び/または長さ方向(有機溶媒の流れ方向)に複数個の微小孔部4aを一定間隔またはランダムに形成することができる。
例えば、ステンレス鋼板4の幅方向及び長さ方向に一定のピッチで複数個の微小孔部4aを並列配列で形成することができる。また、ステンレス鋼板4の幅方向及び長さ方向に並列配列した微小孔部4aのうち、幅方向に隣接する2つの微小孔部4aと、長さ方向に隣接する2つの微小孔部4aとを選び、これらの微小孔部4aの中心を結んで形成される長方形の対角線の中心にもう1個の微小孔部4aを形成して千鳥配列で形成することができる。この千鳥配列では、微小孔部4aを密に配列することができ、ステンレス鋼板4aの開口率を高くして、生産性をより高めることができる。
複数の微小孔部4aを形成する際の隣接する微小孔部4aの間隔(ピッチ)としては、特に制限されないが、微小孔部4aの断面形状に外接する円の直径の1/2以上の間隔を設けて、隣接する微小孔部4aをステンレス鋼板4に形成することが好ましい。より好ましくは、微小孔部4aの断面形状に外接する円の直径以上の間隔を設ける。
隣接する微小孔部4aの間隔が上記した範囲であることで、エマルション液滴が形成された後に、複数のエマルション液滴が合一することを防いで、エマルション液滴の粒子径をより均一にすることができる。一方、エマルション液滴の合一を防げる範囲で複数の微少孔部4aを密接して配置することで、生産性を高めることができる。
本実施形態に用いることが可能な乳化装置としては、図1に示す乳化装置のように、ステンレス鋼板4が水平面に対して平行、もしくは垂直になるように設置することができる。水平面に対して垂直に置く場合、連続相の流れが上方から下方になっても、下方から上方になってもどちらでもよい。
(工程(2))
本発明の製造方法は、油中水型エマルションをゲル化しシリカヒドロゲルを形成する工程(2)を含む。工程(2)をゲル化工程ともいう。ゲル化工程では、エマルション液滴1個からシリカヒドロゲル1個を形成することが好ましい。本明細書において、ゲル化後から乾燥前の球状シリカをシリカヒドロゲルともいう。
ゲル化工程は、エマルション中にゲル化剤を導入することで行うことができる。
これによって、球状であるエマルション液滴はこの形状を保持したままゲル化され、球状のシリカヒドロゲルを得ることができる。
ゲル化剤としては、無機酸や有機酸などの酸が用いられ、特に無機酸である硫酸、塩酸、硝酸、炭酸などが好ましい。操作の容易性などの点で、より簡便で好ましいのは、炭酸ガスを用いる方法である。炭酸ガスは、100%濃度の純炭酸ガスを導入してもよいし、空気や不活性ガスで希釈した炭酸ガスを導入してもよい。
また、ゲル化工程としては、沈殿剤を添加してケイ酸アルカリ水溶液からシリカヒドロゲルを沈殿させる方法を用いることができる。沈殿剤としては、例えば、アルカリ金属のハロゲン化物あるいは炭酸塩、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物等を挙げることができる。具体的には、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、炭酸水素カリウム等の水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ゲル化の際の温度は4〜30℃が好ましく、より好ましくは5〜25℃である。これによって、高吸油量の球状シリカを得ることができる。この温度範囲内であることで、ゲル化後のシリカゲル内の粗密差をコントロールし、後工程の球状シリカの乾燥の際に、粒子の割れや欠けを防ぐことができる。ゲル化に要する時間は、通常1〜30分とすることができる。
ゲル化後には、シリカヒドロゲルを水相に移動させて、シリカヒドロゲルを含む水スラリーとして回収することができる。
例えば、ゲル化後に、2層分離や遠心分離によって、シリカヒドロゲルを水相に移動させることができる。また、固形化後に、水の存在下で蒸留を行って、使用した有機溶媒を揮発させて、シリカヒドロゲルを水相に移動させることができる。この際に、水をさらに添加して、シリカヒドロゲルの濃度を0.5〜20質量%に調整してもよい。
ゲル化工程後、アルカリ処理工程前に、シリカヒドロゲル中の共存塩を除去するために洗浄してもよい。シリカヒドロゲルの洗浄は、水スラリーをろ過した後に、イオン交換水等の純水を用いて洗浄することができる。
(工程(3))
本発明の製造方法は、上記ゲル化したシリカヒドロゲルを熟成する工程を含む。工程(3)を熟成工程ともいう。
熟成とは、球状シリカの吸油量や細孔容積を変えずに、比表面積を調整する方法であり、上記ゲル化後のシリカヒドロゲルを含む水スラリーを所定のpH、温度に調製し、所定時間任意に攪拌することで、求める比表面積の球状シリカが得られる。pH、温度は高いほど、時間は長いほど比表面積が小さなものが得られる。比表面積が小さくなるにつれて細孔径は大きくなるため、乾燥時に細孔内に存在する水が蒸発する際に生じる毛管収縮力が弱まり、結果として高吸油量の球状シリカが得られる。
熟成は、ゲル化したシリカヒドロゲルを含む水スラリーを、pH2〜12にして行うことが好ましい。pH調整のために、ゲル化工程によって得られるシリカヒドロゲルを含む水スラリーに、硫酸、塩酸、硝酸等の酸性のpH調整剤や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ性のpH調整剤を添加してもよい。
熟成は、50〜95℃、より好ましくは80〜95℃の温度で、0.5〜2時間、
より好ましくは0.5〜1時間かけて行うことが好ましい。
熟成後のシリカヒドロゲルを含む水スラリーは、後工程の工程(4)の前に、酸性にpH調整するのが好ましい。これによって、反応系内に残存している炭酸根、あるいは不溶解成分を乾燥前に除去することが可能である。またアルカリ条件下で熟成をした場合は、所定熟成時間経過後に余分な熟成が進むことを防止することが可能となる。
熟成処理後の水スラリーのpHは、3.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下である。酸性のpH調整剤としては、硫酸、塩酸、硝酸等を用いることができる。
さらに、熟成後、乾燥工程前に、シリカヒドロゲルさらに洗浄してもよい。これによって、水スラリー中に共存している塩を除去することができ、乾燥工程後に球状シリカ中に共存塩が析出することを防止することができる。結果として、吸油量の低下や乾燥時の割れを防止することができる。シリカヒドロゲルの洗浄は、水スラリーをろ過した後に、イオン交換水等の純水を用いて洗浄することができる。
ケイ酸アルカリ水溶液に、ゲル化剤として酸を用いる場合、アルカリ金属塩(例えばゲル化剤が炭酸であれば炭酸ナトリウムなど)を副生するので、この塩が球状シリカへ混入することを防止するため、ろ過した際のシリカヒドロゲル(ウエットケーキ)は十分水洗することが好ましい。場合によっては、水洗後のウエットケーキに再度水を添加してスラリーとして、再度ろ過、水洗を繰り返してもよい。
(工程(4))
本発明の製造方法は、熟成したシリカヒドロゲルを乾燥する工程(4)を含む。工程(4)を乾燥工程ともいう。乾燥方法は、シリカヒドロゲルを含む水スラリーから水分を除去する方法であれば、特に限定されない。好ましい乾燥方法としては、短時間で乾燥可能な方法であり、乾燥収縮を防いで吸油量をより高めることができる。このような乾燥方法としては、例えば、気流乾燥法、スプレードライ乾燥法、キルン乾燥法等がある。この他、凍結乾燥法、超臨界乾燥法、溶媒置換乾燥法等でもよい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒置換乾燥法は、シリカゲル内部を低表面張力となる液体で置換後に乾燥する方法であり、置換する薬剤としては、メタノール、アセトン等の水溶性の有機溶媒を用いることができる。また、水スラリーをろ過して、加熱によって乾燥する乾燥方法でもよい。
より好ましい乾燥方法としては、コスト及び安全性の観点から、気流乾燥、スプレードライ乾燥法、キルン乾燥法である。これらの乾燥方法は、さらに、溶媒置換を行わず水系のままで乾燥することができるので安全上好ましい。
乾燥温度は、乾燥方法によるが、例えば、100〜200℃とすることで、シリカの物性に影響を与えずに、水分を除去することができる。乾燥時間は、乾燥方法によるが、短時間で乾燥することで、乾燥の際に球状シリカの収縮を防いで、球状シリカが割れることを防止することができる。
「球状シリカ」
上記した本実施形態による球状シリカの製造方法にしたがえば、粒子形状が球状である球状シリカを製造することができる。また、粒子径及び粒子の均一性を好ましい範囲に調整することができる。
本実施形態において、球状シリカとしては、球状の1粒の粒子である。球状としては、真球、楕円球を含む。好ましくは、球状シリカは、乳化方法によって製造されることで、エマルション1滴が1粒の球状シリカに形成されたものである。乳化方法については、上述した通りである。
球状シリカの形状は、走査型電子顕微鏡による観察によって、確認することができる。球状シリカは、走査型電子顕微鏡によって、粒子の輪郭が真円ないし楕円に観察される。
また、粒子形状が球状であることで、紛体として流れ性が改善されて、ハンドリングしやすくすることができる。
本実施形態による球状シリカは、画像解析法により求めた平均円形度が0.80以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましい。「画像解析法により求めた粒子の平均円形度」は、2000個以上の粉末粒子について画像を撮影し、その画像を解析して求めた円形度の相加平均値である。各粒子について「円形度」は、下記式で求められる値Cである。また、1個の凝集粒子を形成している粒子群は1粒子として計数する。
C=4πS/L
式(1)中、Sは当該粒子が画像中に占める面積(投影面積)を表す。Lは画像中における当該粒子の外周部の長さ(周囲長)を表す。
この円形度の値Cは、市販されている画像解析型の粒度測定装置で求めることが可能である。
平均円形度が0.80以上で1に近くなるほど、球状シリカを構成する粉末粒子は真球に近い形状となる。
球状シリカの平均粒子径(D50)としては、10μm以上であることが好ましく、より好ましくは15μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上である。これによって、球状シリカの形状をより真球状に近づけることができ、また、より好ましい範囲の吸油量及び比表面積の球状シリカを得ることができる。特に、球状シリカの平均粒子径(D50)が10μm以上であることで、大きな粒子径で高吸油量の球状シリカを提供することができる。
平均粒子径(D50)が10μm以上の球状シリカは、上記した乳化方法によって好ましく製造することができる。特に、従来の乳化方法では、粒子径が大きい球状シリカを作製しようとすると、乾燥時に粒子が割れて、球状シリカを得ることができないことがある。しかし、本実施形態による乳化方法によれば、粒子径が10μm以上であっても、乾燥時の粒子の割れを防いで、球状シリカを得ることができる。
一方、球状シリカの平均粒子径(D50)としては、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは70μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。これによって、より強度の高い球状シリカとすることができる。
球状シリカのD90/D10としては、1.7以下であることが好ましく、より好ましくは1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以下である。これによって、球状シリカの粒子径をより均一とすることができる。
球状シリカの粒子径が均一であると、粒子の重点密度を下げることができ、かさ密度をより低くすることができる。例えば、断熱材や真空断熱材の用途への応用性を広げることができる。また、粒子径が均一であることで粒度分布上混在する、小さな粒子や大きな粒子の割合を減少することができ、高吸油量、高強度の球状シリカを作製しやすくなる。
球状シリカの粒子径は均一であることが好ましいため、D90/D10は1.0に近づくことが好ましい形態である。
ここで、球状シリカの平均粒子径(D50)は、粒子の体積を粒子径の小さな側から積算していった場合に合計体積が50%となるときの粒子径である。
また、D90は、90%体積換算粒子径であって、粒子の体積を粒子径の小さな側から積算していった場合に合計体積が90%となるときの粒子径であり、D10は、10%体積換算粒子径であって、同様に積算体積が10%となる粒子径である。
球状シリカのD50、D90及びD10は、ベックマンコールター社製のコールターカウンタを用いて測定することができる。
[吸油量]
上記した本実施形態による球状シリカの製造方法にしたがえば、吸油量が300〜550ml/100gである球状シリカを得ることができる。
吸油量が上記範囲にあることで、各種成分を保持する容量を多くすることができ、球状シリカの用途を広げることができる。また、かさ密度を小さくすることができ、例えば、断熱材や真空断熱材の用途により適する球状シリカを提供することができる。
球状シリカの吸油量は、より好ましくは350ml/100g以上であり、さらに好ましくは400ml/100g以上である。
ここで、吸油量は、JISK5101に準じて測定することができる。具体的には、試料全体がひとかたまりとなるまで練りながら、試料に煮アマニ油を加えていく。吸油量は、試料全体がひとかたまりとなったときの、試料100gあたりの煮アマニ油の容積で表わす。以下、この測定法による吸油量を、単に吸油量という。
[比表面積]
上記した本実施形態による球状シリカの製造方法にしたがえば、比表面積が200m/g〜800m/gである球状シリカを得ることができる。ここで、比表面積は、窒素吸着法により窒素相対圧0〜0.99で測定した結果を、BET法で解析して求めることができる。
ここで、BET法は、窒素(N)などの気体粒子を固体粒子に吸着させ、吸着した量から表面積を測定する気体吸着法である。具体的には、圧力Pと吸着量Vとの関係からBET式(Brunauer,Emmet and Teller’s equation)によって、単分子吸着量VMを測定することで、比表面積を求めることができる。
球状シリカの比表面積が200m/g以上であることで、表面に他成分をより大量に担持することが可能となる。
一方、球状シリカの比表面積が800m/g以下であることで、きれいな球状粒子として高吸油性の乾燥粉体を得ることが可能となる。比表面積が800m/gを超えると、乾燥時に割れが発生して、球状粒子を得ることができない場合がある。
[細孔容積]
上記した本実施形態による球状シリカの製造方法にしたがえば、細孔容積が1.5〜3.5ml/gである球状シリカを得ることができる。ここで、細孔容積は、窒素吸着法により窒素相対圧0〜0.99で測定した結果を、BJH法で解析して求めることができる。
細孔容積が上記範囲にあることで、各種成分を保持する容量をより多くすることができ、球状シリカの用途を広げることができる。また、かさ密度を小さくすることができ、例えば、断熱材や真空断熱材の用途により適する球状シリカを提供することができる。
球状シリカの細孔容積は、より好ましくは1.8ml/g以上であり、さらに好ましくは2.0ml/g以上である。
[中空粒子]
上記した本実施形態による球状シリカの製造方法にしたがえば、球状シリカ中の中空粒子の発生を防止することができる。得られる球状シリカにおいて、粒子1000個あたり中空粒子は20個以下であることが好ましく、より好ましくは10個以下であり、一層好ましい形態では、中空粒子は含まれない。
ここで、中空粒子としては、大きな空隙を有する粒子であり、例えば、粒子の直径方向長さに対し10%以上の直径方向長さを有する空隙部を有する形状の粒子、または、直径0.3μm以上の長さを有する空隙部を有する形状の粒子である。中空粒子の形状としては、空隙部全体が粒子の内部にある形状はもちろん、空隙部の一部が粒子から露出して粒子表面の一部が欠けた形状も含まれる。
中空粒子の評価方法としては、次の通りである。球状シリカを透過型光学顕微鏡によって観察した際に、粒子の外形を示す円の内側にさらに小さな円が認められる粒子、あるいは、内部が空洞である粒子が割れた破片状の粒子として観察されるものが、大きな空隙を有する球状シリカとする。球状シリカの個数としては、球状シリカを透過型光学顕微鏡によって合計1000個の粒子を撮影し、このようにして粒子1000個を観察した際の大きな空隙を有する球状シリカの個数とすることができる。
球状シリカに、中空粒子が含まれると、強度が低下して、取り扱い中に割れることがあり、球状体としての特性が低下する場合がある。
また、球状シリカをポリマーの触媒担持用に用いる場合は、球状シリカの形状にポリマーが形成されるため、球状シリカに中空粒子があると、ポリマーのかさ密度も高くなり、設備利用の体積効率が低下することがある。
また、真空断熱材用に用いる場合は、中空粒子のように比較的な大きな空隙ではなく、比較的小さな細孔が存在することが好ましい。これより、中空粒子が少ないことが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1>
以下の試験を通じて得られた球状シリカの平均粒子径(D50)、D90/D10、細孔物性(比表面積、細孔容積、吸油量)、及び粒子形状(中空粒子数、平均円形度)を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例1)
「1.分散相及び連続相の調製」
分散相として、3号ケイ酸ソーダ(AGCエスアイテック株式会社製、ケイ酸ナトリウム水溶液、NaO/SiO(モル比)=3.09)を、硫酸ナトリウム(NaSO)水溶液で薄めて、SiO濃度を12質量%、硫酸ナトリウム濃度を8.5質量%としたものを用いた。このときの密度は1150kg/mであった。
連続相の有機溶媒としてn−デカン(C1022、密度730kg/m)を用いた。また、あらかじめ、このn−デカンに界面活性剤としてモノオレイン酸ソルビタン(三洋化成工業株式会社製「イオネットS80」)を0.3質量%溶解したものを連続相として用いた。
「2.乳化装置Aの作製」
実施例1では、乳化装置Aを用いて乳化を行った。乳化装置Aの断面模式図は図1に示す通りである。
乳化装置Aにおいて、ステンレス鋼板3は、厚さ600μmのSUS304製のシートに対し、流路(マイクロチャネル)に相当する幅3.0mm×長さ74mmの1本の貫通加工部(3a)がエッチング加工されたものであり、すなわち幅3.0mm×高さ600μmの流路3aが形成されている。
ステンレス鋼板4は、厚さ50μmのSUS304製のシートに対し、ステンレス鋼板3と重ね合わせた際に流路3aの中央部に微小孔部4aが重なるような位置に微小孔部4aが加工されたものである。微小孔部4aは流路の中央部の2.61mm×37.9mmの面積(9.89×10−5)に、出口側(下側、すなわちステンレス鋼板3側)の孔径が12.7μmである円形の貫通孔部4bが100μmピッチで10260個加工してある。
ステンレス鋼板3の流路aが形成された面及びステンレス鋼板4の微小孔部4aが形成された面に撥水処理を施した。撥水処理は、溶媒可溶型フッ素樹脂(旭硝子株式会社製「サイトップ」)を溶媒(旭硝子株式会社製「CT−Solv100」)に溶解した溶液を、乾燥後の被覆厚が0.1μmになるようにディップコート法により被覆した。
このステンレス鋼板3とステンレス鋼板4とを図1のように重ね、分散相供給部7を有する分散相流路形成用のアクリル製部材2と、連続相入口部5及びエマルション出口部6のそれぞれの流路を有するアクリル製部材1とで挟み込み、乳化装置Aを作製した。乳化装置Aの4辺をクランプにて均等な力で締め付けて固定し、事前に水を供給することで漏洩がないことを確認した。
「3.エマルション作製」
上記「2」で作製した乳化装置Aを流路が水平方向になるように置いて使用し、連続相入口部5より上記「1」で調製した界面活性剤を溶解したn−デカンを、分散相供給部7より微小孔部4aを通して上記「1」で調製した3号ケイ酸ソーダを供給することで、3号ケイ酸ソーダが界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルションを連続的に製造した。
このとき、n−デカンの供給量は1流路あたり14.8L/hであり、流路における流れ方向の線速(流速)は2.3m/sであった。実験は常温で行い、このとき、n−デカンの流れのレイノルズ数は、下記式2aより、流路の動水半径:250μm、粘度:9.28×10−4Pa・sから計算したところ1797であった。また、3号ケイ酸ソーダの供給量は微小孔部形成領域(乳化装置Aでは9.89×10−5)の単位面積あたり5.01L/h(50.6m/m・h)であり、微小孔部4aの1孔(4b)あたりの流れ方向の線速(流速)は1.07m/sであった。
レイノルズ数(−)=4×r・u・ρ/μ 式2a。
ここで、rは流路動水半径(m)=流路の断面積(m)/流路断面の流体に接する周長(m)であり、u(平均流速:m/s)、ρ(流体密度:kg/m)、μ(流体粘度:Pa・s)である。平均流速uは、連続相の流路における流れ方向の流速である。
「4.ゲル化及び熟成」
上記「3」で15分間W/O型エマルションを作製し続けた後に、エマルションを350ml採取し、10℃に温度調整した後、撹拌しながら100質量%濃度の炭酸ガスを100mL/分の供給速度で25分間吹き込んでゲル化を行った。生成したシリカヒドロゲルに対し、水200mLを加えて10分間静置させた後、比重差により2相分離してシリカヒドロゲルの水スラリー(水相)を得た。得られたシリカヒドロゲルの水スラリーをろ過して、イオン交換水2Lで洗浄した後、1規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH9とした。次いで、熟成工程として93℃に昇温後、1時間攪拌した。
「5.洗浄及び乾燥」
上記「4」で熟成をかけた水スラリーに0.1既定の硫酸を添加し、pH2とした。次いで水スラリーをろ過して、イオン交換水2Lで洗浄した後、最終的にイオン交換水を加えて10体積%スラリーとした。このシリカスラリーをスプレードライヤー(日本ビュッヒ製ミニスプレードライヤーB290)にて200℃で乾燥し、球状シリカを得た。
「6.形状確認」
得られた球状シリカは走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタ(ベックマンコールター社製、コールターカウンタ マルチサイザー3)にて測定したところ、50%体積換算粒子径(D50:平均粒子径)は27.4μm、90%体積換算粒子径(D90)と10%体積換算粒子径(D10)の比(D90/D10)は1.37であった。
また、窒素吸着法により測定したBET法による比表面積は306m2/g、BJH法による細孔容積は2.60ml/g、JISK5101に基づき測定した吸油量は476ml/100gであった。
シスメックス株式会社製のフロー式粒子画像分析装置(FPIA−3000S)を用いて、円形度の測定を行った。測定に際しては、前処理として、50mlビーカーに純水約20mlを入れ、シリカサンプル、分散剤(ナロアクティ「CL−95」、三洋化成工業株式会社製)、及び染色液(ブリリアントクレシルブルー,和光純薬工業株式会社製)を加え、約1分間超音波照射したものを使用した。測定の結果、平均円形度は0.99であった。
以下の評価結果も上記と同様にして測定した。
(実施例2)
硫酸ナトリウムの濃度を0.5質量%に変更した以外は、上記実施例1と同様にしてW/O型エマルションの作製から回収の工程を行った。
得られた球状シリカは走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、D50は24.5μm、D90/D10は1.41であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は329m2/g、細孔容積は2.09ml/g、吸油量は399ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は0.99であった。
(実施例3)
「1.分散相及び連続相の調製」
上記実施例1と同様にして分散相及び連続相を調製した。
「2.乳化装置Bの作製」
実施例2では、乳化装置Bを用いて乳化を行った。乳化装置Bの断面模式図は図1に示す通りである。
乳化装置Bにおいて、ステンレス鋼板3は、厚さ200μmのSUS304製のシートに対し、流路(マイクロチャネル)に相当する幅3.0mm×長さ74mmの1本の貫通孔(3a)がエッチング加工されたものであり、すなわち幅3.0mm×高さ200μmの流路3aが形成されている。
ステンレス鋼板4は、厚さ50μmのSUS304製のシートに対し、ステンレス鋼板3と重ね合わせた際に流路3aの中央部に微小孔部4aが重なるような位置に微小孔部4aを有し、表面が疎水化処理されている。微小孔部4aは流路の中央部の2.63mm×38.3mmの面積(1.01×10−4)に、出口側(下側、すなわちステンレス鋼板3側)の孔径が7μmである円形の貫通孔が57μmピッチで31584個加工してある。また、スレンレス鋼板3及び4は、上記乳化装置Aと同様に撥水処理を施した。
このステンレス鋼板3とステンレス鋼板4とを図1のように重ね、分散相供給部7を有する分散相流路形成用のアクリル製部材2と、連続相入口部5及びエマルション出口部6のそれぞれの流路を有するアクリル製部材1とで挟み込み、乳化装置Bを作製した。乳化装置Bの4辺をクランプにて均等な力で締め付けて固定し、事前に水を供給することで漏洩がないことを確認した。
「3.エマルション作製」
上記実施例1と同様にして3号ケイ酸ソーダが界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルションを連続的に製造した。
このとき、n−デカンの供給量は1流路あたり5.3L/hであり、流路における流れ方向の線速(流速)は2.5m/sであった。実験は常温で行い、このとき、n−デカンの流れのレイノルズ数は、上記式2aより、流路の動水半径:93.8μm、粘度:9.28×10−4Pa・sから計算したところ724であった。また、3号ケイ酸ソーダの供給量は微小孔部形成領域(乳化装置Bでは1.01×10−4)の単位面積あたり1.83L/h(18.2m/m・h)であり、微小孔部4aの1孔(4b)あたりの流れ方向の線速(流速)は0.42m/sであった。
「4.ゲル化及び熟成」
上記実施例1と同様にしてゲル化及び熟成を行った。
「5.洗浄及び回収」
上記実施例1と同様にして洗浄及び回収を行った。
「6.形状確認」
得られた球状シリカは走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、D50は10.8μm、D90/D10は1.62であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は294m2/g、細孔容積は2.29ml/g、吸油量は424ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は0.99であった。
(実施例4)
「1.分散相及び連続相の調製」
分散相として、3号ケイ酸ソーダ(AGCエスアイテック株式会社製、ケイ酸ナトリウム水溶液、NaO/SiO(モル比)=3.09)を、塩化ナトリウム(NaCl)水溶液で薄めて、SiO濃度を10質量%、塩化ナトリウム濃度を8.5質量%としたものを使用した。このときの密度は1113kg/mであった。
連続相は実施例1と同様にして準備した。
「2.乳化装置A作製」
上記実施例1と同様に乳化装置Aを用いて乳化を行った。
「3.エマルション作製」
上記実施例1と同様にして3号ケイ酸ソーダが界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルションを連続的に製造した。
このとき、n−デカンの供給量は1流路あたり21.0L/hであり、流路における流れ方向の線速(流速)は3.2m/sであった。実験は常温で行い、このとき、n−デカンの流れのレイノルズ数は、上記式2aより、流路の動水半径:250μm、粘度:9.28×10−4Pa・sから計算したところ2549であった。また、3号ケイ酸ソーダの供給量は微小孔部形成領域(乳化装置Aでは9.89×10−5)の単位面積あたり5.18L/h(52.4m/m・h)であり、微小孔部4aの1孔(4b)あたりの流れ方向の線速(流速)は1.11m/sであった。
「4.ゲル化及び熟成」
上記実施例1と同様にしてゲル化及び熟成を行った。
「5.洗浄及び回収」
上記実施例1と同様にして洗浄及び回収を行った。
「6.形状確認」
得られた球状シリカは走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、D50は20.1μm、D90/D10は1.38であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は266m2/g、細孔容積は3.12ml/g、吸油量は527ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は0.99であった。
(実施例5)
「1.分散相及び連続相の調製」
上記実施例1と同様にして分散相及び連続相の調製を行った。
「2.乳化装置A作製」
上記実施例1と同様に乳化装置Aを用いて乳化を行った。
「3.エマルション作製」
上記実施例1と同様にして3号ケイ酸ソーダが界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルションを連続的に製造した。
このとき、n−デカンの供給量は1流路あたり14.8L/hであり、流路における流れ方向の線速(流速)は2.3m/sであった。実験は常温で行い、このとき、n−デカンの流れのレイノルズ数は、上記式2aより、流路の動水半径:250μm、粘度:9.28×10−4Pa・sから計算したところ1797であった。また、3号ケイ酸ソーダの供給量は微小孔部形成領域(乳化装置Aでは9.89×10−5)の単位面積あたり5.01L/h(50.6m/m・h)であり、微小孔部4aの1孔(4b)あたりの流れ方向の線速(流速)は1.07m/sであった。
「4.ゲル化及び熟成」
上記実施例1と同様にしてシリカヒドロゲルの水スラリー(水相)を得た。得られたシリカヒドロゲルの水スラリーをろ過して、イオン交換水2Lで洗浄した後、1規定の硫酸水溶液を添加し、pH2とした。次いで、熟成工程として80℃に昇温後、1時間攪拌した。
「5.洗浄及び回収」
上記「4」の工程後の水スラリーをろ過して、イオン交換水2Lで洗浄した後、最終的にイオン交換水を加えて10体積%スラリーとした。このシリカスラリーをスプレードライヤー(日本ビュッヒ製ミニスプレードライヤーB290)にて200℃で乾燥し、球状シリカ粉体を得た。
上記実施例1と同様にして洗浄及び回収を行った。
「6.形状確認」
得られた球状シリカは走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、D50は27.2μm、D90/D10は1.38であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は758m2/g、細孔容積は2.21ml/g、吸油量は385ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は0.99であった。
(比較例1)
「1.分散相及び連続相の調製」
上記実施例1と同様にして分散相及び連続相の調製を行った。
「2.エマルション作製」
連続相280mlに、分散相を70mlを投入しホモミキサーで乳化した。
「3.ゲル化及び熟成」
上記実施例1と同様にしてゲル化及び熟成を行った。
「4.洗浄及び回収」
上記実施例1と同様にして洗浄及び回収を行った。
「5.形状確認」
得られた球状シリカは走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は40個であった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、D50は29.0μm、D90/D10は2.05であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は292m/g、細孔容積は2.62ml/g、吸油量は451ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は0.95であった。
Figure 0006241252
<試験例2>
以下の試験では、本乳化装置を使用した際の長時間安定運転性に対して、原料ケイ酸ソーダの影響に関して20時間乳化を継続する試験を行った。原料供給圧力、得られる球状シリカの平均粒子径(D50)、D90/D10、細孔物性(比表面積、細孔容積、吸油量)、及び粒子形状(中空粒子数、平均円形度)の経時変化を評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
「1.分散相及び連続相の調製」
実施例1と同様に分散相及び連続相を調製した。分散相及び連続相の調製後に、いずれも粒子径が0.8μmのラテックス球状粒子を99%以上捕捉する性能を持つカートリッジフィルター(アドバンテック東洋株式会社製「CCP−LX」)を使用して事前ろ過を行い、その後72hr静置させた。
「2−1.乳化装置作製」
実施例1と同様に乳化装置Aを作製した。
「2−2.試験設備作製」
試験設備の概略図を図2に示す。
図2に示す試験設備では、上記「2−1」で作製した乳化装置8を流路が水平方向になるように置き、エマルション出口部6の垂直下方にエマルション受槽9を配置した。分散相、連続相ともに供給槽14、15の底面近くまでフッ素樹脂チューブを差し込み、ギアポンプを介して乳化装置8と接続した。分散相、連続相の供給ラインにはそれぞれ圧力計12、13と分散相及び連続相インラインフィルター10、11を設置した。
「3.エマルション作製」
上記実施例1と同様にして3号ケイ酸ソーダが界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルションを連続的に製造した。
このとき、n−デカンの供給量は実施例1と同様に1流路あたり14.8L/hであり、流路における流れ方向の流速は2.3m/sであった。実験は常温で行い、このときのn−デカンの流れのレイノルズ数の計算値は1797であった。
また、3号ケイ酸ソーダの供給量は微小孔部形成領域(乳化装置Aでは9.89×10−5)の単位面積あたり5.01L/h(50.6m/m・h)であり、微小孔部4aの1孔(4b)あたりの流れ方向の流速は1.07m/sであった。
エマルション出口部6から排出されたエマルションは、エマルション受槽9に溜めておき、随時抜き出した。また、エマルションは10時間後、20時間後それぞれエマルション出口部6から350mlサンプリングした。また、分散相圧力計12の経時変化を図3に示す。20時間に渡って圧力はほとんど変動することなくエマルションを作製することができた。
「4.ゲル化および熟成」
上記実施例1と同様にして両サンプル(10時間後及び20時間後)共にゲル化および熟成を行った。
「5.洗浄及び回収」
上記実施例1と同様にして両サンプル(10時間後及び20時間後)共に洗浄及び回収を行った。
「6.形状確認」
得られた球状シリカはいずれも走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、10時間後のサンプルのD50は27.1μm、D90/D10は1.39であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は317m2/g、細孔容積は2.6ml/g、吸油量は464ml/100gであった。
また、20時間後のサンプルのD50は27.3μm、D90/D10は1.37であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は310m2/g、細孔容積は2.70ml/g、吸油量は475ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は10時間後、20時間後ともに0.99であった。
(実施例7)
「1.分散相及び連続相の調製」
分散相として、3号ケイ酸ソーダ(AGCエスアイテック株式会社製、ケイ酸ナトリウム水溶液、NaO/SiO(モル比)=3.09)を塩化ナトリウム水溶液で薄めて、SiO濃度を12質量%、塩化ナトリウム濃度を3.0質量%としたものを使用した。このときの密度は1150kg/mであった。
連続相は実施例1と同様にして準備した。
分散相及び連続相の調製後にいずれも粒子径が0.8μmのラテックス球状粒子を99%以上捕捉する性能を持つカートリッジフィルター(アドバンテック東洋株式会社製「CCP−LX」)を使用して事前ろ過を行い、その後72hr静置させた。
「2−1.乳化装置作製」
実施例1と同様に乳化装置Aを作製した。
「2−2.試験設備作製」
実施例5と同様の設備を使用して試験を行った。試験設備の概略図を図2に示す。
「3.エマルション作製」
上記実施例1と同様にして3号ケイ酸ソーダが界面活性剤を溶解したn−デカン中に分散したW/O型エマルションを連続的に製造した。
このとき、n−デカンの供給量は実施例4と同様に1流路あたり21.0L/hであり、流路における流れ方向の流速は3.2m/sであった。実験は常温で行い、このときのn−デカンの流れのレイノルズ数の計算値は2549であった。
また、3号ケイ酸ソーダの供給量は微小孔部形成領域(乳化装置Aでは9.89×10−5)の単位面積あたり5.18L/h(52.4m/m・h)であり、微小孔部4aの1孔(4b)あたりの流れ方向の流速は1.11m/sであった。
エマルション出口部6から排出されたエマルションは、エマルション受槽9に溜めておき、随時抜き出した。また、エマルションは10時間後にエマルション出口部6から350mlサンプリングした。また、分散相圧力計12の経時変化を図4に示す。約12時間経過時点から徐々に圧力が上昇し始め、19.5時間経過時点では0.25MPaを超える圧力となり、安全上の観点からエマルション作製を停止した。そのため、20時間後のサンプリングは行えなかった。
「4.ゲル化および熟成」
上記実施例1と同様にしてゲル化および熟成を行った。
「5.洗浄及び回収」
上記実施例1と同様にして洗浄及び回収を行った。
「6.形状確認」
得られた球状シリカはいずれも走査型電子顕微鏡写真よりほぼ真球状であることが確認された。また、透過型光学顕微鏡より、球状シリカ1000個あたり中空粒子は確認されなかった。
また、この球状シリカをコールターカウンタにて測定したところ、10時間後のサンプルのD50は31.9μm、D90/D10は1.37であった。また、窒素吸着法により測定した比表面積は208m2/g、細孔容積は2.37ml/g、吸油量は414ml/100gであった。
画像解析法により求めた平均円形度は0.99であった。
Figure 0006241252
本発明による球状シリカは、例えば、トナー、断熱材、真空断熱材用芯材、食品添加剤、医療用診断剤、塗料用フィラー、化粧品用フィラー、樹脂フィルム用フィラー、液晶用スペーサー、クロマトグラフィー用充填剤、触媒、触媒担体、樹脂充填剤、吸着剤、乾燥剤等に広く用いることができる。
本発明による球状シリカは、球状で高吸油量であるため、触媒担体の形状を反映したポリマー形状となるポリエチレンやポリプロピレン等のポリマーを製造する際に、触媒担体として好ましく用いることができる。また、適当な比表面積であるため、触媒成分を担持しやすい。
また、本発明による球状シリカは、球状で高吸油量であるため、香料等の各種成分を大量に保持し、触感に優れる化粧用フィラーとして好ましく用いることができる。
また、本発明による球状シリカは、球状で高吸油量であるため、かさ密度を小さくすることができ、断熱材や真空断熱材に好ましく用いることができる。また、適当な比表面積であるため、断熱性能も高めることができる。
触媒担持用途等では、球状の樹脂を製造する際に、球状の担持体として球状シリカを提供することができる。例えば、ポリオレフィン等のポリマー製造用の触媒担用途として、球状のポリマーを作製するのに適している。また、化粧品用途では、肌への触感を改善することができる。また、断熱材や真空断熱材の芯材用途では、芯材を包むフィルムへ傷がつきにくくなり耐久性を向上させることが充てん量を多くすることができる。また、粒子形状が球状であることで、紛体として流れ性が改善されて、ハンドリングしやすくすることができる。
粒子形状が球状であることで、触媒担持用途等では、球状の樹脂を製造する際に、球状の担持体として球状シリカを提供することができる。例えば、ポリオレフィン等のポリマー用の触媒担持用として、球状のポリマーを作製するのに適している。また、化粧品用途では、肌への触感を改善することができる。また、断熱材や真空断熱材の芯材用途では、芯材を包むフィルムへ傷がつきにくくなり耐久性を向上させることが充てん量を多くすることができる。
1 アクリル樹脂製部材
2 アクリル樹脂製部材
3 ステンレス鋼板
3a 流路
4 ステンレス鋼板
4a 微小孔部
4b 貫通孔部
5 連続相入口部
6 エマルション出口部
7 分散相供給部
8 乳化装置
9 エマルション受槽
10 分散相インラインフィルター
11 連続相インラインフィルター
12 分散相圧力計
13 連続相圧力計
14 分散相供給槽
15 連続相供給槽

Claims (7)

  1. 下記工程(1)〜(4)を有することを特徴とする、球状シリカの製造方法。
    (1)隔壁で区画された流路中を流れる有機溶媒中に、前記隔壁に形成した微小孔部を通して、硫酸ナトリウムを含むケイ酸アルカリ水溶液を押し出して、油中水型エマルションを作製する工程、
    (2)前記油中水型エマルションをゲル化しシリカヒドロゲルを形成する工程、
    (3)前記シリカヒドロゲルを熟成する工程、及び
    (4)前記熟成したシリカヒドロゲルを乾燥する工程。
  2. 前記球状シリカは、吸油量が300〜550ml/100gであり、
    粒子の体積を粒子径の小さな側から積算していった場合に合計体積が50%となるときの粒子径が10〜100μmであり、
    (粒子の体積を粒子径の小さな側から積算していった場合に合計体積が90%となるときの粒子径)/(粒子の体積を粒子径の小さな側から積算していった場合に合計体積が10%となるときの粒子径)が1.7以下である、
    請求項1に記載の球状シリカの製造方法。
  3. 前記ケイ酸アルカリ水溶液は、ケイ酸成分をSiOに換算したSiO濃度で3〜20質量%、硫酸ナトリウムを合計で0.1〜15質量%で含む、請求項1または2に記載の球状シリカの製造方法。
  4. 前記球状シリカは、BET法による比表面積が200〜800m/gであり、BJH法による細孔容積が1.5〜3.5ml/gである、請求項1からのいずれか1項に記載の球状シリカの製造方法。
  5. 前記球状シリカは、粒子1000個あたり中空粒子が20個以下である、請求項1からのいずれか1項に記載の球状シリカの製造方法。
  6. 前記球状シリカは、画像解析により求めた粒子の平均円形度が0.80以上である、請求項1からのいずれか1項に記載の球状シリカの製造方法。
  7. 前記乾燥工程が気流乾燥、スプレードライ、キルン乾燥、またはこれらの組み合わせである、請求項1からのいずれか1項に記載の球状シリカの製造方法。
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