JP4191914B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置、特に、複数の現像ユニットの各々を個別にユニット保持部に着脱自在となっている画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置として、回転軸を中心として複数の現像ユニットを放射状に配置したロータリー現像部を備えた装置が知られている。この装置では、その回転軸を回転駆動することによって前記複数の現像ユニットのうちの一の現像ユニットを感光体に対向位置決めして感光体上の潜像を現像し、中間転写媒体上に転写する。そして、必要に応じて、ロータリー現像部を回転駆動して現像ユニットを切り換え、上記と同様にして各トナー色毎にトナー現像および転写処理を繰り返すことによって、複数色のトナー像を中間転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成している(カラー印刷モード)。
【0003】
また、上記のように構成された画像形成装置では、複数の現像ユニットのうち特定の現像ユニット、多くの場合ブラック現像ユニットを用いて単色印刷を行うことが可能となっている(単色印刷モード)。
【0004】
このような画像形成装置においては、カラー、単色いずれの印刷要求にも迅速に対応し、所期のカラーまたは単色画像を得るために、各トナー色の現像ユニットが全て所定の位置に装着されている必要がある。
【0005】
そこで、従来のカラー画像形成装置では、現像ユニットの装着不備による印刷ミスを未然に防止するために、未装着の現像ユニットがある場合には印刷動作を禁止し、全ての現像ユニットが装着されたときのみ印刷を実行するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように構成された画像形成装置では、上記したように、必要に応じて単色印刷モードを実行可能となっており、この単色印刷モードでは、該単色の現像ユニットのみを使用して印刷を行うのであるから、他のトナー色の現像ユニットは本来的には装着する必要がない。
【0007】
しかしながら、上記した従来の画像形成装置では、カラー印刷モードか単色印刷モードかを問わず、全ての現像ユニットを装着しないと印刷を実行することができない。このため、ユーザが単色画像のみを出力したい場合であっても全てのトナー色の現像ユニットを購入して装着しなければならず、その費用および装着の手間がユーザにとっては過剰な負担となっている。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、全ての現像ユニットを装着せずとも単色印刷が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、装置本体に設けられたユニット保持部と、前記ユニット保持部に対して着脱自在に構成されて、互いに異なる色のトナーを内蔵する複数の現像ユニットと、外部からの現像ユニットの交換指示を受けるコントローラと、前記複数の現像ユニットのうちの一の現像ユニットを選択的に現像位置に位置決めするとともに、前記複数の現像ユニットのうち前記コントローラが交換指示を受けた現像ユニットを取出専用位置に位置決めする駆動手段と、前記装置本体に開閉自在に設けられて開いた状態において前記取出専用位置にある前記現像ユニットの着脱を可能とするカバーと、前記カバーの開閉が行なわれたか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記カバーの開閉動作がなされたと判断したときは、前記複数の現像ユニットのうち当該カバー開閉動作において前記取出専用位置に着脱された現像ユニットの前記ユニット保持部への装着の有無を検知する検知手段と、前記検知手段による検知結果を記憶する本体側記憶手段と、前記駆動手段を制御することによって、前記複数の現像ユニットのうち単色印刷用トナー色の現像ユニットを現像位置に位置させて単色トナー像を形成する単色印刷モードと、前記複数の現像ユニットのうち少なくとも2色以上の現像ユニットを順番に現像位置に位置させて互いに異なる色のトナー像をそれぞれ形成してカラー画像を形成するカラー印刷モードとを実行する制御手段とを備え、前記複数の現像ユニットのそれぞれは情報を書き込み可能なユニット側記憶部を有し、前記検知手段は、装着された現像ユニットが有する前記ユニット側記憶部にアクセスして該現像ユニットを検知するとともに、該装着検知と並行して装着検知の対象である現像ユニットが有する前記ユニット側記憶部への前記情報の読み出し/書き込みを実行し、前記制御手段は、前記本体側記憶手段に記憶されている検知結果を参照して、前記複数の現像ユニットのうち少なくとも前記単色印刷用トナー色の現像ユニットが前記ユニット保持部に装着されていると該検知結果が示す場合は、前記単色印刷モードの実行を許可することを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、制御手段が、現像ユニットの装着状態に応じて、各印刷モードにかかる印刷実行を許可するか否かを判定している。例えば、外部装置から単色印刷を実行する旨の印刷指令が入力されたとき、単色印刷用トナー色の現像ユニットが装着されていれば、制御手段は、他のトナー色の現像ユニットの装着状態に拘らず単色印刷を許可し、印刷を実行する。
【0011】
このように、少なくとも単色印刷用トナー色の現像ユニットが装着されていれば該トナー色での単色印刷を許可する構成となっているので、他トナー色の現像ユニットを装着しなくても、この画像形成装置を単色印刷装置として使用することが可能となる。
【0012】
また、例えば、単色印刷用以外のいずれかの色のトナーが消耗してカラー印刷が不可能となった場合には、従来の画像形成装置ではこのトナーを補充しない限り全ての印刷ができなくなっていたが、本発明の装置はそのまま単色印刷装置としての使用を継続することができる。
【0013】
なお、外部からの印字指令がカラー印刷を実行する旨であれば、制御手段は、全色の現像ユニットが揃っているときのみ印刷を実行するが、いずれか1色でも未装着の現像ユニットがあるときには印刷を行わないように構成してもよく、この場合、カラー印刷は全トナー色の現像ユニットが装着されたときのみ実行可能とすることで、いずれかの色のトナーの欠如によって画像の品質が損なわれることを未然に防止することができる。
【0014】
ここで、この画像形成装置のユニット保持部は、前記装置本体に対して所定の回転軸回りに回転自在に設けられ、しかも、前記複数の現像ユニットは、前記回転軸を中心として放射状に前記ユニット保持部に装着可能となっており、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットは前記駆動手段による前記ユニット保持部の回転駆動により前記現像位置に移動される構成としてもよい(請求項2)。
【0015】
このように構成された発明では、ユニット保持部の回転により、各現像ユニットが順次現像位置に移動し、現像位置に配置された感光体に対向することで各色のトナー像を形成する。そのため、感光体には常に1つの現像ユニットのみが対向することとなり、感光体の周長を小さく構成することができて、装置の小型化を図ることができる。
【0018】
また、この種の画像形成装置を使用するユーザにとっては、多くの場合、カラー印刷が可能な装置を使用していても、カラー印刷に比べて、例えば黒色トナーを用いた白黒印刷を行う頻度が圧倒的に高いのが実情である。そこで、前記単色印刷用トナー色として、例えば黒色を使用することができる(請求項3)。
【0019】
このとき、カラー印刷が可能な画像形成装置において、少なくとも黒色トナーを内蔵する現像ユニットを装着することで、使用頻度の高い白黒印刷を行うことが可能となる。
【0020】
そのため、例えば、その用途のほとんどが白黒印刷であるというユーザや、当面は白黒印刷しか行わないが将来的な使用に備えてカラー印刷可能な装置を購入したいと考えるユーザに対して、無用の負担を強いることなく、その要求に応えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる画像形成装置の一の実施形態を示す図である。図2は図1の画像形成装置のエンジンコントローラを示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成(カラー印刷モード)したり、ブラック(K)のトナーのみを用いて単色画像を形成(単色印刷モード)する装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニットのメインコントローラに与えられると、このメインコントローラからの指令に応じてエンジンコントローラ1がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0022】
このエンジン部EGでは、7つのユニット:(a)感光体ユニット2;(b)イエロー現像ユニット3Y;(c)マゼンタ現像ユニット3M;(d)シアン現像ユニット3C;(e)ブラック現像ユニット3K;(f)中間転写ユニット4および(g)定着ユニット5が装置本体6に対して着脱自在となっている。そして、すべてのユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5が装置本体6に装着された状態で、図1に示すように、感光体ユニット2の感光体21が図1の矢印方向D1に回転するとともに、その感光体21の周りにその回転方向D1に沿って、帯電部22、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kからなるロータリー現像部3およびクリーニング部23がそれぞれ配置される。
【0023】
7つのユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5のうち感光体ユニット2には感光体21、帯電部22およびクリーニング部23が収容されており、これらを一体的に装置本体6に対して着脱自在となっている。帯電部22は帯電バイアスが印加されており、感光体21の外周面を均一に帯電させる。
【0024】
また、この感光体ユニット2には、感光体21の回転方向D1における帯電部22の上流側にクリーニング部23が設けられており、一次転写後に感光体21の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。こうして、感光体21の表面クリーニングを行っている。
【0025】
このように構成された感光体ユニット2には、該ユニット2の残り寿命を示すデータなどを記憶するためのシリアルEEPROM71が取付けられており、感光体ユニット2を装置本体6に装着すると、コネクタ(図示省略)を介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、感光体ユニット2の装着検出や消耗品管理などを行う。なお、ユニット4、5についても感光体ユニット2と同様に種々のデータを記憶するためのシリアルEEPROM76、77がそれぞれ取付けられており、ユニット装着状態で装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、該ユニットの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0026】
一方、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kにも該ユニットに関する種々のデータを記憶するためのシリアルEEPROM72〜75が設けられている。これらのEEPROM72〜75は、後述するようにユニット装着状態では装置本体6側のコネクタ34とは接続されておらず、必要に応じて一時的にエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0027】
この画像形成装置では、図1に示すように、帯電部22によって帯電された感光体21の外周面に対して、露光ユニット8からレーザ光Lが照射される。この露光ユニット8はエンジンコントローラ1からの画像信号に応じてレーザ光Lを感光体21上に走査露光して感光体21上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0028】
こうして形成された静電潜像はロータリー現像部3によってトナー現像される。このロータリー現像部3では、ブラック用の現像ユニット3K、シアン用の現像ユニット3C、マゼンタ用の現像ユニット3M、およびイエロー用の現像ユニット3Yが軸中心に回転自在に設けられている。そして、これらの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは予め決められた複数の位置に移動位置決めされるとともに、感光体21に対して選択的に当接もしくは離間位置で位置決めされ、直流成分もしくは直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを感光体21の表面に付与する。このように、この実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが本発明の「現像ユニット」として機能し、感光体21上にトナー像を形成する。
【0029】
上記のようにして現像部3で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で中間転写ユニット4の中間転写ベルト41上に一次転写される。すなわち、中間転写ユニット4は複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト41と、中間転写ベルト41を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えており、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト41上に重ね合わせてカラー画像を形成する(カラー印刷モード)一方、単色画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成されるブラック色のトナー像のみを中間転写ベルト41上に転写して単色画像を形成する(単色印刷モード)。
【0030】
こうして中間転写ベルト41上に形成された画像については、所定の二次転写領域TR2において、カセット9から取り出されたシートS上に二次転写する。また、こうして画像が形成されたシートSは定着ユニット5を経由して装置本体6の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0031】
次に、ロータリー現像部3の構成について、図3を参照してさらに詳しく説明する。図3はロータリー現像部3の動作を示す模式図である。
【0032】
ロータリー現像部3は、その中心に回転軸3aを有するとともに、かかる回転軸3aに固定された支持フレーム3bを有しており、前述した4色の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは本発明の「ユニット保持部」として機能する支持フレーム3bに対して着脱自在となっている。すなわち、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kおよび支持フレーム3bには軸方向に互いに係合するガイドレール(図示省略)が設けられており、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは支持フレーム3bの軸方向に取出し側(図1の紙面に直交する奥手側)へ取出専用口321(図3)を通じて引出し可能となっている。また、新しい現像ユニットを取出専用口321を通じて支持フレーム3bの軸方向へ進行して装着することができるようになっている。このようにして全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが装着されると、回転軸3aを中心として放射状に配置されることとなる。
【0033】
この取出専用口321は、図3に示すように、ロータリー現像部3の取出し側に配置された側板32に設けられたものであり、例えば同図(c)に示すように現像ユニットが取出専用位置に位置決めされたときのみ、この取出専用口321を介して該現像ユニットを取出し、また取出し後に新しい現像ユニットを装着可能となっている。そして、現像ユニットがその取出専用位置以外に位置決めされている間は、その現像ユニットの取出しが側板32によって規制される。
【0034】
また、回転軸3aには図示を省略するパルスモータがクラッチを介して接続されており、このパルスモータを駆動することで支持フレーム3bを回転させ、上記4つの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kのうち一の現像ユニットを選択的に感光体21と対向する現像位置に位置決めできるようになっている。すなわち、このパルスモータが本発明の「駆動手段」として機能している。なお、図1はブラック現像ユニット3Kが現像位置に位置決めされた状態を示している。
【0035】
また、現像部3の回転軸3aの一方端側(図1の紙面手前側)には、現像部3のホームポジション位置(以下「HP位置」という)を検出するためのHP検出部31(図2)が設けられている。このHP検出部31は、回転軸3aの一方端に固着された信号用円板311と、フォト・インタラプター等からなるHPセンサ312とで構成されており、円板311の周縁部がHPセンサ312の隙間(図示省略)にくるように設けられている。そして、円板311に形成されたスリット部がHPセンサ312の隙間に移動してくると、HPセンサ312からの出力信号が「L」から「H」に変化する。そして、信号レベルの変化とパルスモータのパルス数に基づき現像部3のHP位置を検出することができるようになっている。また、HP位置とパルスモータのパルス数に基づき現像部3の位置を検出することができるように構成されている。
【0036】
なお、HP検出部31の構成はこれに限定されるものでなく、例えば支持フレーム3bの外周縁の一部に設けた突起部等の特徴部を検出し、これによりHP位置を検出するように構成してもよい。この場合、回転軸3aに円板311を設ける必要がなく、軸方向のサイズを小さくすることができ、装置サイズの小型化を図る上で有利となる。
【0037】
また、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの一方端側面には、コネクタ33Y、33M、33C、33Kが固着されており、現像位置に位置決めされたときに回転移動方向における1つ下流側の現像ユニットのコネクタ(例えば図3(b)に示すようにイエロー現像ユニット3Yが現像位置に位置決めされたときには、その1つ下流側のブラック現像ユニット3Kに固着されたコネクタ33K)が装置本体側に設けられた現像部用共通コネクタ34と対向する。この現像部用共通コネクタ34は同図に示すようにロータリー現像部3に対して接離移動可能に構成されており、必要に応じて現像位置の1つ下流側にある現像ユニットに近接移動して該現像ユニットのコネクタと嵌合する。これによって、該現像ユニットに取り付けられたEEPROMが両コネクタを介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、該現像ユニットの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0038】
なお、図面への図示を省略するが、ロータリー現像部3を上記した現像位置、HP位置および取出専用位置で確実に位置決め固定するために、ロック機構が設けられている。また、装置本体6には、上記各ユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5を含むエンジン部EGを覆うフロントカバーが設けられており、ユーザ等が後述する現像ユニット交換を行う際にはこのフロントカバーを開いて作業を行うが、通常の印刷動作は、このフロントカバーが閉じられた状態で実行される。
【0039】
次に、エンジンコントローラ1の構成について図2を参照しつつ説明する。このエンジンコントローラ1は本発明の「制御手段」として機能するものであり、HP検出部31からの信号とパルスモータのパルス数などに基づきCPU11により後述するプログラムを実行して装置各部を制御する。なお、このCPU11には、プログラムや他のデータなどを記憶するためのROM12、各種データを一時的に記憶するRAM13が接続されている。
【0040】
また、CPU11は、シリアルI/F(インターフェース)15を介して電子カウンタに用いるシリアルEEPROM14に接続されている。このシリアルEEPROM14には、装置制御のために必要となるデータが記憶されている。また、CPU11は、シリアルI/F15を介して各ユニット2、4、5およびコネクタ34に接続されており、各ユニット2、4、5および、コネクタ34と適宜接続される各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kに設けられたシリアルEEPROM71〜77との間でデータ転送可能となるとともに、入出力ポート16を介してシリアルEEPROM14、71〜77にチップセレクト信号CSを入力可能となっている。
【0041】
また、エンジンコントローラ1には、電圧監視回路17が設けられており、電源電圧が所定電圧を下回ると、電圧監視回路17がその電圧降下を検出し、その旨を示すリセット信号をCPU11と周辺機器15、16に出力する。
【0042】
さらに、CPU11は入出力ポート16を介してHP検出部31と接続されている。
【0043】
次に、このように構成された画像形成装置における現像ユニットの交換操作について説明する。図4は、交換操作時におけるエンジンコントローラ1の動作を示すフローチャートである。ここでは一例としてブラック現像ユニット3Kを交換する場合について図3および図4を参照しつつ説明するが、その他のトナー色の現像ユニットについても同様である。
【0044】
この装置では、ユーザ等から現像ユニットの交換が指示されると、エンジンコントローラ1はステップS1〜S9を実行してブラック現像ユニット3Kの交換処理を実行する。まず、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を回転移動させてイエロー現像ユニット3Yを現像位置に位置決めする(ステップS1)。これによって、図3(b)に示すように、ブラック現像ユニット3Kのコネクタ33Kが装置本体側の現像部用共通コネクタ34と対向する。
【0045】
次のステップS2で、コネクタ34がロータリー現像部3側に移動してコネクタ33Kと嵌合し、ブラック現像ユニット3Kに取り付けられたEEPROM75が両コネクタ33K、34を介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、EEPROM75に対するデータの読み出し/書き込みを行う。これによって、ブラック現像ユニット3Kに関するデータが更新記憶される。
【0046】
これに続いて、コネクタ34が装置本体側に後退移動してコネクタ33Kから取り外されるとともに、ロータリー現像部3の回転動作と干渉しない位置に退避する。その後で、図3(c)に示すように、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を回転移動させてブラック現像ユニット3Kを取出専用位置に位置決めする(ステップS3)。これによって、ブラック現像ユニット3Kの取出しが初めて可能となる。ただし、ブラック現像ユニット3K以外の現像ユニット3C、3M、3Yについては、側板32により取出しが規制されている。このため、ユーザ等が誤ってブラック現像ユニット以外の現像ユニットを取出すのを未然に防止することができる。
【0047】
そして、ステップS4でユーザ等によってブラック現像ユニット3Kが取出専用口321を介してロータリー現像部3から取出され、その後、新しいブラック現像ユニット3Kが装着されるのを待つ。ここで、ユーザによるユニットの交換作業がなされたか否かは、フロントカバーの開閉が行われたか否かで判別することができる。すなわち、装置本体6に例えばリミットスイッチによる開閉センサ(図示省略)を設け、この開閉センサが、ユーザによってフロントカバーが閉じられたことを検知した時点で、交換作業が終了したと判断することができる。なお、このときユーザは、必要に応じて該現像ユニットの装着を行わないままフロントカバーを閉じてもよい。
【0048】
こうして、フロントカバーが閉じられたことを検知すると、上記ステップS1と同様にして、イエロー現像ユニット3Yの現像位置への位置決めを行う(ステップS5)。そして、コネクタ34がロータリー現像部33側に移動し、新たに装着されたブラック現像ユニット3Kのコネクタ33Kと嵌合すると(ステップS6)、上記ステップS2と同様にブラック現像ユニット3Kに関するデータの読み出し/書き込みが行われる(ステップS7)。
【0049】
一方、ブラック現像ユニット3Kが装着されないままカバーが閉じられた場合には、コネクタ34がロータリー現像部33側に移動しても、その位置にあるべきブラック現像ユニット3Kのコネクタ33Kと接続することができない。この場合には、上記ステップS7は省略される。このように、このコネクタ34は、各現像ユニットに設けられたEEPROM72〜75へのデータ転送を行うとともに、エンジンコントローラ1がデータ照合を行って各現像ユニットが装着されたか否かを検知するように構成されており、コネクタ34およびエンジンコントローラ1が本発明の「検知手段」として機能している。
【0050】
次に、エンジンコントローラ1に設けられたEEPROM14に、ブラック現像ユニット3Kに関するデータの書き込みを行うが、ブラック現像ユニット3Kが装着されなかったときは、EEPROM14にはその旨を示すデータが書き込まれる(ステップS8)。
【0051】
最後に、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を回転移動させてロータリー現像部3を図3(a)に示すHP位置に位置決めして待機状態に入る(ステップS9)。こうして、ブラック現像ユニット3Kの交換処理を完了し、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が与えられるのを待って通常の画像形成動作を実行する。
【0052】
このように、ブラック現像ユニット3Kの交換が終了した時点で、エンジンコントローラ1のEEPROM14には、ブラック現像ユニット3Kが装着されているか否かやその使用状況を示すデータが記憶されており、これは他の現像ユニットの交換作業を行った場合も同様である。したがって、エンジンコントローラ1は、シリアルI/F15を介してEEPROM14に書き込まれたデータを随時読み出すことで、各現像ユニットの装着状態や使用状況に関する情報を得ることができる。
【0053】
次に、こうして各現像ユニットの装着が完了して待機状態にある画像形成装置に対し、外部装置(ここでは、ホストコンピュータ)から画像信号が与えられたときの動作について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0054】
ホストコンピュータは、まず画像形成装置が印刷可能な状態(レディ状態)にあるか否かを確認するためのステータス要求信号を出力する。画像形成装置側では、ホストコンピュータからの信号を受信すると(ステップS11)、この信号の内容を識別する。そして、この信号がステータス要求信号であれば(ステップS12)、CPU11はEEPROM14に記憶された、各現像ユニットに関するデータを読み出し、各現像ユニットの装着状態を確認してその状態に応じた応答信号をホストコンピュータに送信する。
【0055】
具体的には、ブラック現像ユニット3Kが装着されていなければ(ステップS13)、カラー、単色とも印刷を行うことはできないので、CPU11はホストコンピュータに対し、印刷不可能な状態(ノットレディ状態)であることを示すノットレディ信号を返す(ステップS15)。一方、ブラック現像ユニット3Kが装着されているとき、少なくともブラック色による単色印刷、つまり単色印刷モードは実行可能であるので、CPU11はエンジン部EGがレディ状態であることを示すレディ信号を返す(ステップS14)。そして、ステップS11に戻り、ホストコンピュータからの信号待ち状態となる。
【0056】
こうして画像形成装置からの応答を受けたホストコンピュータは、その応答がレディ信号のとき、引き続いて印刷すべき画像情報を示す信号(画像信号)を送信し、画像形成装置側では、受信した信号が画像信号であるとき(ステップS16)、その内容に基づき以下のステップS17〜S21を実行する。
【0057】
まず、画像信号を受信したとき、画像形成装置がノットレディ状態(例えばブラック現像ユニット3Kが装着されていない)にあれば、CPU11はホストコンピュータに対してノットレディ信号を出力する(ステップS15)。
【0058】
一方、装置がレディ状態にあるとき、受信した画像信号がブラック単色印刷に対応したものであるかどうかを判定する(ステップS18)。そして、画像信号が単色印刷に対応したものであれば、CPU11は、ROM12に記憶された所定の単色印刷シーケンスに基づいてエンジン部EG各部を制御して、画像信号に応じたブラック単色印刷モードを実行する(ステップS19)。
【0059】
また、装置がレディ状態にあり、しかも画像信号がカラー印刷に対応したものであれば、CPU11はEEPROM14に記憶されたデータから、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各トナー色に対応した現像ユニット3Y、3M、3Cが装着されているかどうかを確認する(ステップS20)。そして、いずれかの現像ユニットが装着されていない場合には、ノットレディ信号を出力し(ステップS15)、全ての現像ユニットが装着されている場合には、所定のカラー画像形成シーケンスに基づいてカラー印刷モードを実行する(ステップS21)。
【0060】
このように、本実施形態の画像形成装置は、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの装着状態に応じて、ホストコンピュータからの印刷指令に対する動作を異ならせている。すなわち、
(1)ブラック現像ユニット3Kが装着されていないとき、単色印刷モード、カラー印刷モードとも許可しない
(2)ブラック現像ユニット3Kが装着されているとき、単色印刷モードを許可する
(3)ブラック現像ユニット3Kに加えて、さらに、イエロー、マゼンタ、シアンの各現像ユニット3Y、3M、3Cが全て装着されているとき、カラー印刷モードを許可する
のように区別して、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの装着状態に応じた処理を実行する。
【0061】
このような区別に基づいて画像形成処理を行うことによって、本実施形態の画像形成装置は以下のような作用効果を有している。
【0062】
まず、少なくともブラック現像ユニット3Kが正しく装着されていれば、ブラック単色での印刷動作が可能となっているので、他のトナー色の現像ユニットを装着しなくても、白黒印刷を行うことが可能である。そのため、例えば、その用途のほとんどが白黒印刷であるというユーザや、当面は白黒印刷しか行わないが将来的な使用に備えてカラー印刷可能な装置を購入したいと考えるユーザに対して、無用の負担を強いることなく、その要求に応えることができる。
【0063】
そして、全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを装着することで、従来の装置と同様に、フルカラー画像形成装置として使用することができる。もちろん、この状態においてもホストコンピュータから単色印刷に対応した画像信号を受信した場合には、ブラック現像ユニット3Kを用いてブラック単色印刷を行うことが可能である。
【0064】
さらに、いずれかの色のトナーが消耗してカラー印刷が行えなくなったとしても、それにより全ての印刷ができなくなるのではなく、ブラック色による単色印刷を引き続き行うことができるので、上記トナーを補充するまでの間、装置が使用できなくなるといった不都合が生じない。
【0065】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが、回転軸3aのまわりに放射状に取り付けられてロータリー現像部3を構成しており、ロータリー現像部3の回転によって各現像ユニットが順次、現像位置に移動して各色のトナー現像を行っているが、本発明の適用対象は上記実施形態に限定されるものではなく、これ以外にも、例えば、各現像ユニットを感光体の周囲に並べて固定し、感光体上の複数の現像位置で各トナー色での現像が行われる画像形成装置等にも本発明を適用することが可能である。
【0066】
また、上記実施形態では、4つの現像ユニットを支持フレーム3bに装着する構成となっているが、現像ユニットの個数は「4」に限定されるものではなく、2以上の現像ユニットが装着される装置全般に本発明を適用することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kがロータリー現像部3の軸方向に着脱可能となっているが、ロータリー現像部3の放射方向に現像ユニットが着脱される画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0068】
また、上記実施形態の印刷処理においては、ブラック現像ユニット3Kが装着されているか否かでレディ/ノットレディ状態を区別し、画像信号がカラー画像であったときにカラー印刷が可能であるか否かを判定しているが、これ以外にも、例えば、ホストコンピュータからのステータス要求があったときに、装置の状態を単色レディ/カラーレディ/ノットレディ状態に区分して応答するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態の画像形成装置では、4色のフルカラー画像用トナーのうちブラック色のみを用いた単色画像を形成可能となっているが、他のトナー色による単色画像を形成可能な装置としてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、単色印刷のみ可能な状態でカラー画像信号が入力されたとき、CPUがホストコンピュータに対しノットレディ信号を返して印刷を禁止しているが、このとき、例えば、必要に応じてカラー画像信号を白黒画像信号に変換し、白黒印刷を実行するようにしてもよい。
【0071】
さらに、上記実施形態にかかる画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印刷するプリンタであるが、本発明は複写機やファクシミリ装置などを含め、電子写真方式の画像形成装置全般に適用することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、単色印刷用トナー色の現像ユニットが装着されていれば印刷動作を許可しているので、他のトナー色の現像ユニットを必ずしも装着しなくても、該トナー色での単色印刷を行うことができる。
【0073】
そして、例えば、カラー印刷可能な画像形成装置を単色印刷用として使用したいユーザにとっては、該トナー色の現像ユニットのみを装着して使用することが可能となるので、他のトナー色の現像ユニットを購入して装着するという無用の負担を強いられることがなく、用途に応じた使い分けが可能な利便性の高い装置となる。
【0074】
さらに、カラー印刷用トナー色のうちいずれかのトナーが消耗してカラー印刷が行えなくなった場合であっても、単色印刷用トナーが残っていれば単色印刷を継続することができるので、トナーを補充するまでの間、装置を使用することができなくなるといった不具合も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一の実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置のエンジンコントローラを示すブロック図である。
【図3】ロータリー現像部の動作を模式的に示す図である。
【図4】図1の画像形成装置でのブラック現像ユニットの交換動作を示すフローチャートである。
【図5】図1の画像形成装置における印刷動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジンコントローラ(制御手段、検知手段)
3…ロータリー現像部
3b…支持フレーム(ユニット保持部)
3Y、3M、3C、3K…現像ユニット
33Y、33M、33C、33K…(ユニット側)コネクタ
34…現像部用共通コネクタ(検知手段)
Claims (3)
- 装置本体に設けられたユニット保持部と、
前記ユニット保持部に対して着脱自在に構成されて、互いに異なる色のトナーを内蔵する複数の現像ユニットと、
外部からの現像ユニットの交換指示を受けるコントローラと、
前記複数の現像ユニットのうちの一の現像ユニットを選択的に現像位置に位置決めするとともに、前記複数の現像ユニットのうち前記コントローラが交換指示を受けた現像ユニットを取出専用位置に位置決めする駆動手段と、
前記装置本体に開閉自在に設けられて開いた状態において前記取出専用位置にある前記現像ユニットの着脱を可能とするカバーと、
前記カバーの開閉が行なわれたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記カバーの開閉動作がなされたと判断したときは、前記複数の現像ユニットのうち当該カバー開閉動作において前記取出専用位置に着脱された現像ユニットの前記ユニット保持部への装着の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知結果を記憶する本体側記憶手段と、
前記駆動手段を制御することによって、前記複数の現像ユニットのうち単色印刷用トナー色の現像ユニットを現像位置に位置させて単色トナー像を形成する単色印刷モードと、前記複数の現像ユニットのうち少なくとも2色以上の現像ユニットを順番に現像位置に位置させて互いに異なる色のトナー像をそれぞれ形成してカラー画像を形成するカラー印刷モードとを実行する制御手段とを備え、
前記複数の現像ユニットのそれぞれは情報を書き込み可能なユニット側記憶部を有し、
前記検知手段は、装着された現像ユニットが有する前記ユニット側記憶部にアクセスして該現像ユニットを検知するとともに、該装着検知と並行して装着検知の対象である現像ユニットが有する前記ユニット側記憶部への前記情報の読み出し/書き込みを実行し、
前記制御手段は、前記本体側記憶手段に記憶されている検知結果を参照して、前記複数の現像ユニットのうち少なくとも前記単色印刷用トナー色の現像ユニットが前記ユニット保持部に装着されていると該検知結果が示す場合は、前記単色印刷モードの実行を許可することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ユニット保持部は前記装置本体に対して所定の回転軸まわりに回転自在に設けられ、しかも、
前記複数の現像ユニットは、前記回転軸を中心として放射状に前記ユニット保持部に装着可能となっており、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットは前記駆動手段による前記ユニット保持部の回転駆動により前記現像位置に移動される請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記単色印刷用トナー色は黒色である請求項1または2のいずれかに記載の画像形成装置。
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