JP4062899B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置、特に、複数の現像ユニットの各々を個別にユニット保持部に着脱自在となっている画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置として、例えば回転軸を中心として複数の現像ユニットを放射状に配置したロータリー現像部を備えた装置が知られている。この装置では、その回転軸を回転駆動することによって前記複数の現像ユニットのうちの一の現像ユニットを感光体に対向位置決めして感光体上の潜像を現像し、中間転写媒体上に転写する。そして、必要に応じて、ロータリー現像部を回転駆動して現像ユニットを切り換え、上記と同様にして各トナー色毎にトナー現像および転写処理を繰り返すことによって、複数色のトナー像を中間転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成している(カラー印刷モード)。
【0003】
また、上記のように構成された画像形成装置では、複数の現像ユニットのうち特定の現像ユニット、多くの場合ブラック現像ユニットを用いて単色印刷を行うことが可能となっている(単色印刷モード)。
【0004】
このような画像形成装置においては、印刷を実行するに際して、常に全色のトナーを使用しているわけではなく、例えば上記した単色印刷モードでは、該単色印刷に対応したトナー色(多くの場合ブラック)の現像ユニットのみを使用して印刷を行っている。このような場合、他のトナー色の現像ユニットは本来的には装着する必要がなく、したがって、例えば、外部装置から印刷すべき画像信号が与えられたとき、少なくともその印刷に必要な現像ユニットが装置に装着されていれば印刷を許可するようにしてもよい。このようにすると、例えばユニット交換等のために一部の現像ユニットが取り外された状態であっても、残りの現像ユニットによる印刷動作を実行させることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像形成装置においては、例えば購入直後のように現像ユニットがユニット保持部に装着されていない状態から各現像ユニットを装着するセットアップ作業や、例えば装置を移動するために全ての現像ユニットを取り外す取り外し作業等において、次のような問題を生じるおそれがある。すなわち、上記したセットアップや取り外し作業中に外部装置からの画像信号が入力されたとき、その画像信号に対応した現像ユニットがユニット保持部に装着されていれば印刷が実行されるので、ユーザによるセットアップまたは取り外し作業と装置の印刷動作とが衝突して、紙詰まり等の動作異常を起こすおそれがある。
【0006】
また、作業中に印刷動作が開始されたとき、ユーザは作業を中断し、印刷が終了するのを待たなければならないこととなる。
【0007】
さらに、上記したように、通常動作時には一部の現像ユニットが未装着であってもその装着状態に応じた印刷動作を実行できることが必要であるが、セットアップ等の作業中においては各現像ユニットの装着状態が刻々と変化するため、作業の進行状況に対応して常にそのときの装置の状態に応じた動作を行わせるためには複雑な制御が必要となり、その結果、開発コストの上昇や動作速度の低下を招くこととなる。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像形成装置のセットアップ作業中に画像信号が入力されたときの異常動作を、簡単な制御によって防止することを目的とする。
【0022】
この発明にかかる画像形成装置は、トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットと、前記M個の現像ユニットを装着可能に構成されたユニット保持部と、前記M個の現像ユニットが全て前記ユニット保持部に装着されているときのみ印刷を実行するM色印刷モードを実行可能とするとともに、前記M個の現像ユニットのうち少なくとも単色印刷用トナー色の現像ユニットが前記ユニット保持部に装着されているときに単色印刷を実行する単色印刷モードを実行可能とする制御手段とを備えた画像形成装置であって、上記目的を達成するため、前記制御手段は、前記単色印刷用現像ユニットを最終装着用現像ユニットとして、前記単色印刷用現像ユニット以外の現像ユニットを前記ユニット保持部に装着した後に前記単色印刷用現像ユニットを前記ユニット保持部に装着する装着シーケンスを実行するとともに、前記M個の現像ユニットのうち前記単色印刷用現像ユニットが前記ユニット保持部に装着されているときに残りの現像ユニットの装着状態に拘らず前記単色印刷モードの実行を許可することを特徴としている。
【0023】
このように構成された画像形成装置では、少なくとも単色印刷モードに対応した単色印刷用現像ユニットがユニット保持部に装着されているときに単色印刷モードの実行を許可しているので、単色印刷用現像ユニット以外の現像ユニットが未装着であっても単色印刷モードが実行される。しかも、その装着シーケンスにおいては、単色印刷モードに対応した単色印刷用現像ユニットを最終装着用現像ユニットとして最後に装着するようにしているので、装着シーケンスの最終工程において単色印刷用現像ユニットが装着されるまでは、画像信号が入力されたとしても印刷は実行されない。したがって、装着シーケンスの実行中に印刷動作が開始されるといった不具合は発生しない。
【0024】
この場合、上記のように予め装着順序を規定したシーケンスに則ってセットアップ作業を行うことによって作業中の印刷動作が自動的に規制されるようにしているので、装着作業中の印刷動作を禁止するための特別な制御を必要としない。
【0025】
ここで、前記最終装着用現像ユニットは、黒色トナーを内蔵したものであってもよい。この場合、最も使用頻度が高く、しかも単色印刷用として使用されることの多い黒(ブラック)色トナーに対応した現像ユニットを最後に装着することとなるため、例えば入力された画像信号が黒色印刷に対応したものであっても装着シーケンス実行中には印刷は実行されず、装着シーケンス実行中の印刷動作を確実に規制することができる。
【0033】
ところで、これらの画像形成装置では、ユニット保持部に装着可能な現像ユニットの個数は、例えば4個とすることができる。この場合、その4個の現像ユニットを例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー色に対応させることで、これら4色によるフルカラー印刷を行うことが可能となる。ただし、現像ユニットの個数はこれに限定されるわけではなく、必要に応じて2以上の任意の数としてよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用した画像形成装置の2つの実施形態について説明するが、両実施形態は同一の装置構成および基本動作を有しており、現像ユニットの装着/取り出しシーケンスの動作が異なるのみであるので、ここではまず両者に共通する装置構成およびその単色印刷モードについて説明し、その後に各実施形態における装着/取り出しシーケンスについての説明を行う。
【0035】
1.装置の構成
図1は、この発明にかかる画像形成装置を示す図である。図2は図1の画像形成装置のエンジンコントローラを示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成(カラー印刷モード)したり、ブラック(K)のトナーのみを用いて単色画像を形成(単色印刷モード)する装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニットのメインコントローラに与えられると、このメインコントローラからの指令に応じてエンジンコントローラ1がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0036】
このエンジン部EGでは、7つのユニット:(a)感光体ユニット2;(b)イエロー現像ユニット(以下「Y現像ユニット」という)3Y;(c)マゼンタ現像ユニット(「M現像ユニット」)3M;(d)シアン現像ユニット(「C現像ユニット」)3C;(e)ブラック現像ユニット(「K現像ユニット」)3K;(f)中間転写ユニット4および(g)定着ユニット5が装置本体6に対して着脱自在となっている。そして、すべてのユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5が装置本体6に装着された状態で、図1に示すように、感光体ユニット2の感光体21が図1の矢印方向D1に回転するとともに、その感光体21の周りにその回転方向D1に沿って、帯電部22、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kからなるロータリー現像部3およびクリーニング部23がそれぞれ配置される。
【0037】
7つのユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5のうち感光体ユニット2には感光体21、帯電部22およびクリーニング部23が収容されており、これらを一体的に装置本体6に対して着脱自在となっている。帯電部22は帯電バイアスが印加されており、感光体21の外周面を均一に帯電させる。
【0038】
また、この感光体ユニット2には、感光体21の回転方向D1における帯電部22の上流側にクリーニング部23が設けられており、一次転写後に感光体21の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。こうして、感光体21の表面クリーニングを行っている。
【0039】
このように構成された感光体ユニット2には、該ユニット2の残り寿命を示すデータなどを記憶するためのシリアルEEPROM71が取付けられており、感光体ユニット2を装置本体6に装着すると、コネクタ(図示省略)を介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、感光体ユニット2の装着検出や消耗品管理などを行う。なお、ユニット4、5についても感光体ユニット2と同様に種々のデータを記憶するためのシリアルEEPROM76、77がそれぞれ取付けられており、ユニット装着状態で装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、該ユニットの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0040】
一方、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kにも該ユニットに関する種々のデータを記憶するためのシリアルEEPROM72〜75が設けられている。これらのEEPROM72〜75は、後述するようにユニット装着状態では装置本体側のコネクタ34とは接続されておらず、必要に応じて一時的にエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0041】
この画像形成装置では、図1に示すように、帯電部22によって帯電された感光体21の外周面に対して、露光ユニット8からレーザ光Lが照射される。この露光ユニット8は外部装置からの画像信号に応じてレーザ光Lを感光体21上に走査露光して感光体21上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0042】
こうして形成された静電潜像はロータリー現像部3によってトナー現像される。このロータリー現像部3では、ブラック用の現像ユニット3K、シアン用の現像ユニット3C、マゼンタ用の現像ユニット3M、およびイエロー用の現像ユニット3Yが軸中心に回転自在に設けられている。そして、これらの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは予め決められた複数の位置に移動位置決めされるとともに、感光体21に対して選択的に当接もしくは離間位置で位置決めされ、直流成分もしくは直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを感光体21の表面に付与する。このように、この実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが本発明の「現像ユニット」として機能し、感光体21上にトナー像を形成する。
【0043】
上記のようにして現像部3で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で中間転写ユニット4の中間転写ベルト41上に一次転写される。すなわち、中間転写ユニット4は複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト41と、中間転写ベルト41を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えており、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト41上に重ね合わせてカラー画像を形成する一方、単色画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成されるブラック色のトナー像のみを中間転写ベルト41上に転写して単色画像を形成する。
【0044】
こうして中間転写ベルト41上に形成された画像については、所定の二次転写領域TR2において、カセット9から取り出されたシートS上に二次転写する。そして、トナー画像が転写されたシートSを、ヒータ(図示省略)が内蔵された定着ユニット5に導入し、ここで加熱しながら圧力を加えることによってトナーをシートSに定着させる。こうして画像が形成されたシートSは装置本体6の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0045】
次に、ロータリー現像部3の構成について、図3を参照してさらに詳しく説明する。図3はロータリー現像部3の動作を模式的に示す図である。ロータリー現像部3は、その中心に回転軸3aを有するとともに、かかる回転軸3aに固定された支持フレーム3bを有しており、前述した4色の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは本発明の「ユニット保持部」として機能する支持フレーム3bに対して着脱自在となっている。すなわち、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kおよび支持フレーム3bには軸方向に互いに係合するガイドレール(図示省略)が設けられており、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは支持フレーム3bの軸方向に取り出し側(図1の紙面に直交する奥手側)へ着脱専用口321(図3)を通じて引き出し可能となっている。また、新しい現像ユニットを着脱専用口321を通じて支持フレーム3bの軸方向へ進行して装着することができるようになっている。このようにして全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが装着されると、回転軸3aを中心として放射状に配置されることとなる。
【0046】
この着脱専用口321は、図3に示すように、ロータリー現像部3の取り出し側に配置された側板32に設けられたものであり、例えば同図(c)に示すように現像ユニットが着脱位置に位置決めされたときのみ、この着脱専用口321を介して該現像ユニットを取り出し、また新しい現像ユニットを装着可能となっている。そして、現像ユニットがその着脱位置以外に位置決めされている間は、その現像ユニットの取り出し・装着が側板32によって規制される。
【0047】
また、回転軸3aには図示を省略するパルスモータがクラッチを介して接続されており、このパルスモータを駆動することで支持フレーム3bを回転させ、上記4つの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kのうち一の現像ユニットを選択的に感光体21と対向する現像位置に位置決めできるようになっている。なお、図1はK現像ユニット3Kが現像位置に位置決めされた状態を示している。
【0048】
また、現像部3の回転軸3aの一方端側(図1の紙面手前側)には、現像部3のホームポジション位置(以下「HP位置」という)を検出するためのHP検出部31(図2参照)が設けられている。このHP検出部31は、回転軸3aの一方端に固着された信号用円板311と、フォト・インタラプター等からなるHPセンサ312とで構成されており、円板311の周縁部がHPセンサ312の隙間(図示省略)にくるように設けられている。そして、円板311に形成されたスリット部がHPセンサ312の隙間に移動してくると、HPセンサ312からの出力信号が「L」から「H」に変化する。そして、信号レベルの変化とパルスモータのパルス数に基づき現像部3のHP位置を検出することができるようになっている。また、HP位置とパルスモータのパルス数に基づき現像部3の位置を検出することができるように構成されている。
【0049】
なお、HP検出部31の構成はこれに限定されるものでなく、例えば支持フレーム3bの外周縁の一部に設けた突起部等の特徴部を検出し、これによりHP位置を検出するように構成してもよい。この場合、回転軸3aに円板311を設ける必要がなく、軸方向のサイズを小さくすることができ、装置サイズの小型化を図る上で有利となる。
【0050】
また、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの一方端側面には、コネクタ33Y、33M、33C、33Kが固着されており、現像位置に位置決めされたときに回転移動方向における1つ下流側の位置(以下「コネクタ接続位置」という)にある現像ユニットのコネクタ(例えば図3(b)に示すようにY現像ユニット3Yが現像位置に位置決めされたときには、その1つ下流側のK現像ユニット3Kに固着されたコネクタ33K)が装置本体側に設けられた現像部用共通コネクタ34と対向する。この現像部用共通コネクタ34は同図に示すようにロータリー現像部3に対して接離移動可能に構成されており、必要に応じてコネクタ接続位置にある現像ユニットに近接移動して該現像ユニットのコネクタと嵌合する。これによって、該現像ユニットに取り付けられたEEPROM72〜75が両コネクタを介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、該現像ユニットの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0051】
なお、図面への記載を省略するが、ロータリー現像部3を上記した現像位置、HP位置および着脱位置で確実に位置決め固定するために、ロック機構が設けられている。
【0052】
また、装置本体6には、上記各ユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5を含むエンジン部EGを覆うフロントカバーが設けられており、ユーザ等が後述する現像ユニットの装着・取り出しを行う際にはこのフロントカバーを開いて作業を行うが、通常の印刷動作は、このフロントカバーが閉じられた状態で実行される。そして、装置本体6には、フロントカバーの開閉を検知するための、例えばリミットスイッチによる開閉センサ(図示省略)が設けられている。後述するように、CPU11はこの開閉センサの出力信号に基づいてフロントカバーの開閉状態を判断しており、また、ユーザの作業中にエンジン部EGが駆動されることのないよう、フロントカバーが開いているときには印刷動作を禁止するよう構成されている。
【0053】
次に、エンジンコントローラ1の構成について図2を参照しつつ説明する。このエンジンコントローラ1は本発明の「制御手段」として機能するものであり、HP検出部31からの信号とパルスモータのパルス数などに基づきCPU11により後述するプログラムを実行して装置各部を制御する。なお、このCPU11には、プログラムや他のデータなどを記憶するためのROM12、各種データを一時的に記憶するRAM13が接続されている。
【0054】
また、CPU11は、シリアルI/F(インターフェース)15を介して電子カウンタに用いるシリアルEEPROM14に接続されている。このシリアルEEPROM14には、装置制御のために必要となるデータ、例えば各現像ユニットの装着状態を示すデータが記憶されている。また、CPU11は、シリアルI/F15を介して各ユニット2、4、5およびコネクタ34に接続されており、各ユニット2、4、5および、コネクタ34と適宜接続される各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kに設けられたシリアルEEPROM71〜77との間でデータ転送可能となるとともに、入出力ポート16を介してシリアルEEPROM14、71〜77にチップセレクト信号CSを入力可能となっている。
【0055】
また、エンジンコントローラ1には、電圧監視回路17が設けられており、電源電圧が所定電圧を下回ると、電圧監視回路17がその電圧降下を検出し、その旨を示すリセット信号をCPU11と周辺機器15、16に出力する。
【0056】
さらに、CPU11は入出力ポート16を介してHP検出部31と接続されている。
【0057】
2.単色印刷モード
上記のように構成された画像形成装置において、外部装置(ここでは、ホストコンピュータ)から単色画像信号が与えられたときの画像形成動作、すなわち単色印刷モードについて、図4を参照しつつ説明する。図4はこの画像形成装置における単色印刷シーケンスを示すフローチャートである。なお、この画像形成装置では、4色の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが全て装着されているときのみカラー印刷モードの実行を許可しており、この状態でカラー画像信号が与えられた場合の動作は全ての現像ユニットが装着された従来のカラー画像形成装置の動作と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0058】
この画像形成装置では、ホストコンピュータから単色印刷に対応した画像信号が与えられたとき、CPU11が、図4に示すステップS1ないしS9の単色印刷シーケンスを実行する。
【0059】
まず、ステップS1で、装置が印刷可能な状態であるかを判定する。そして、フロントカバーが開いている等の理由でCPU11が印刷を禁止しているときは印刷を行わず、そのまま単色印刷シーケンスを終了する。一方、印刷が禁止されていなければ次のステップS2に進む。ステップS2では、EEPROM14に記憶されたデータから、K現像ユニット3Kが正しく装着されているか否かを判定する。そして、K現像ユニット3Kが装着されていなければ、そのまま単色印刷シーケンスを終了する。このように、この画像形成装置では、CPU11によって印刷が禁止されている、もしくはK現像ユニット3Kが装着されていない場合には、単色画像信号が入力されても単色印刷モードは実行されないように構成されている。
【0060】
一方、K現像ユニット3Kが装着されているときは、印刷動作を行うべく定着ユニット5に内蔵されたヒータに通電し、ウォームアップを開始する(ステップS3)。そして、ヒータが所定の温度まで上昇するのを待って(ステップS4)、パルスモータがロータリー現像部3を回転駆動して、K現像ユニット3Kを感光体21に対向する現像位置に位置決めする(ステップS5)。そして、ホストコンピュータから送られる画像信号に基づき、1ページ分のトナー画像を形成し、シートSに転写する(ステップS6)。さらに次ページ以降の画像信号があればS6に戻って印刷を実行し、全てのページを印刷し終わるまで上記印刷作業を繰り返す(ステップS7)。こうして印刷が終了すると、再びロータリー現像部3が回転移動してHP位置に戻り(ステップS8)、ヒータへの通電を停止して(ステップS9)待機状態となる。
【0061】
このように、この画像形成装置では、CPU11によって印刷が禁止されておらず、しかも4個の現像ユニットのうちK現像ユニット3Kが装着されているときには、他の現像ユニット3Y、3M、3Cの装着状態に拘らずブラック色による単色印刷モードが実行可能となっている。したがって、例えばユニット交換等のために一部の現像ユニットが取り外されたとしても、K現像ユニット3Kが装着されていればブラック色による単色印刷を行うことができる。また、全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが支持フレーム3bに装着されているときには、単色印刷モードに加えてさらにカラー印刷モードが実行可能となる。
【0062】
一方、CPU11が印刷を禁止している、もしくはK現像ユニット3Kが装着されていないときには、単色印刷モード、カラー印刷モードともに実行されることはない。
【0063】
3.第1実施形態
この第1実施形態の画像形成装置は、本発明にかかる現像ユニット装着方法の第1の実施形態たる装着シーケンス(1)と、本発明にかかる現像ユニット取り出し方法の第1の実施形態たる取り出しシーケンス(1)とを実行可能となっている。ここでは、まず装着シーケンス(1)の動作について、図5および図6を参照しつつ説明する。図5および図6は、それぞれこの実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスおよび各現像ユニットの装着手順を示すフローチャートである。
【0064】
この装置では、装置の新規購入や移転等により全ての現像ユニットが取り外された装置本体6が設置された後に、ユーザ等が電源を投入すると、CPU11が、ROM12に格納されたプログラムに基づくセットアップ動作として、図5に示すステップS11ないしS15からなる装着シーケンス(1)を実行して4個の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを支持フレーム3bに順次装着する。この装着シーケンス(1)では、ユーザが1つの現像ユニットを装着し終わるとロータリー現像部3が回転駆動されて次の現像ユニット着脱位置に位置決めされるので、ユーザは各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを予め定められた順序で装着するのみで、全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを所定の位置に、しかも短時間でセットアップを行うことができる。
【0065】
まずステップS11で、Y現像ユニット3Yの装着を行う。具体的には、図6に示すステップS21ないしS25のx現像ユニット装着ルーチンを実行する(x=Y、C、M、K;ここではx=Yと読み替えればよい)。
【0066】
ステップS21では、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を回転移動させ、Y現像ユニット3Yを着脱位置(図3(c)においてK現像ユニット3Kが置かれている位置)に位置決めする。こうしてロータリー現像部3がY現像ユニット着脱位置に位置決めされたとき、Y現像ユニット3Yの装着が初めて可能となる。ただし、Y現像ユニット3Y以外の現像ユニット3C、3M、3Kについては、側板32により装着が規制されている。このため、ユーザ等が誤ってY現像ユニット以外の現像ユニットの装着を行うことを未然に防止することができる。
【0067】
そして、ステップS22で、ユーザ等によってY現像ユニット3Yが着脱専用口321を介して支持フレーム3bに装着されるのを待つ。ここで、ユーザによるユニットの装着作業がなされたか否かは、フロントカバーの開閉が行われたか否かで判別することができる。すなわち、装置本体6に設けた開閉センサが、ユーザによってフロントカバーが閉じられたことを検知した時点で、交換作業が終了したと判断すればよい。なお、このときユーザは、必要に応じて該現像ユニットの装着を行わないままフロントカバーを閉じてもよい。
【0068】
こうして、フロントカバーが閉じられたことが検知されると、ロータリー現像部3を回転駆動してY現像ユニット3Yをコネクタ接続位置へ位置決めする(ステップS23)。これによって、Y現像ユニット3Yのコネクタ33Yが装置本体6側の現像部用共通コネクタ34と対向する。
【0069】
次のステップS24では、コネクタ34がロータリー現像部3側に移動してコネクタ33Yと嵌合し、Y現像ユニット3Yに取り付けられたEEPROM72が両コネクタ33Y、34を介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、EEPROM72に対するデータの読み出し/書き込みを行う。これによって、Y現像ユニット3Yに関するデータが更新記憶される。また、EEPROM72から読み出されたデータをエンジンコントローラ1内部のEEPROM14に記憶されたデータと照合することにより、CPU11はY現像ユニット3Yが支持フレーム3bの所定位置に正しく装着されたかどうかを確認することができる。
【0070】
これに続いて、エンジンコントローラ1に設けられたEEPROM14に、Y現像ユニット3Yに関するデータの書き込みを行う(ステップS25)。ここで、Y現像ユニット3Yが装着されずに、もしくはイエロー以外のトナー色の現像ユニットが装着されてフロントカバーが閉じられたときは、EEPROM14にはその旨を示すデータが書き込まれる。
【0071】
こうしてY現像ユニット3Y装着ルーチンを終了すると図5のステップS12へ進み、続いてC現像ユニット3Cの装着を行う(ステップS12)。ここで、Y現像ユニット3Yの次にC現像ユニット3Cの装着を行うのは、Y現像ユニット3YとC現像ユニット3Cとはロータリー現像部3の回転軸3aに対して対称な位置に配置されるため(図1参照)、こうすることでこれら2つの現像ユニット3Y、3Cが装着された状態で回転軸3aに対する重量配分の非対称性が小さくなって、パルスモータの負担を軽減することができるからである。
【0072】
ステップS12では、上記したY現像ユニット3Yの装着と同様に、図6に示すx現像ユニット装着ルーチン(ここでは、x=Cと読み替える)を再び実行して、C現像ユニット3Cの装着を行う。そして、引き続きM現像ユニット3M(ステップS13)、K現像ユニット3K(ステップS14)を同様にして順次装着してゆく。
【0073】
そして、各現像ユニットの装着が終了すると、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を回転移動させてロータリー現像部3を図3(a)に示すHP位置に位置決めして待機状態に入り(ステップS15)、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が与えられるのを待って通常の画像形成動作を実行する。
【0074】
このように、この実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット装着シーケンス(1)では、単色印刷用トナーを内蔵するK現像ユニット3Kを、他色の現像ユニット3Y、3M、3Cを装着した後に装着するように構成されている。すなわち、この実施形態では、K現像ユニット3Kが本発明の「最終装着用現像ユニット」に相当する。そのため、K現像ユニット3Kの装着が終わったときには装着シーケンス(1)自体が終了することとなる。そして、前述したように、この画像形成装置の単色印刷シーケンスは、K現像ユニット3Kがユニット保持部3bに装着されているとき動作可能に構成されているので、実質的には装着シーケンス(1)の終了時に初めて印刷動作が可能となる。したがって、上記装着シーケンス(1)の実行中、すなわちセットアップ作業中に印刷動作が開始されて異常動作を引き起こすことはない。
【0075】
また、K現像ユニット3Kの装着順序を最後としていることで、他の現像ユニットの装着作業中の印刷動作は自動的に規制されるので、このような異常動作を防止するための特別な制御を必要としない。
【0076】
なお、上記した装着シーケンス(1)においては、単色印刷モードの実行に必要なK現像ユニット3Kを最後に装着することが必要であるが、他の現像ユニット3Y、3M、3Cについては上記した装着順序に限定されるものではなく、どのような順序で装着してもよい。
【0077】
次に、この実施形態にかかる画像形成装置において、装置の移転等のために、ユニット支持フレーム3bから全ての現像ユニットを取り外す取り外し作業としての取り出しシーケンス(1)について、図7および図8を参照しつつ説明する。図7および図8は、それぞれこの画像形成装置における現像ユニット取り出しシーケンスおよび各現像ユニットの取り出し手順を示すフローチャートである。
【0078】
この画像形成装置では、ユーザ操作等により現像ユニット取り外し作業の実施が指示されると、CPU11が、図7に示すステップS31ないしS43からなる現像ユニット取り出しシーケンス(1)を実行する。この現像ユニット取り出しシーケンス(1)では、上記した装着シーケンス(1)とは逆に、単色印刷用トナーを内蔵するK現像ユニット3Kを、他の現像ユニット3Y、3M、3Cに先立って取り出すように構成されており、これにより、この画像形成装置は、K現像ユニット3Kを取り出した時点で印刷動作が規制され、以後の取り外し作業中に画像信号が入力されて印刷動作が開始されるのを防止している。このように、この実施形態では、K現像ユニット3Kが、本発明の「最先取り出し用現像ユニット」に相当する。
【0079】
この取り出しシーケンス(1)では、まず、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kに設けられたEEPROM72〜75に記憶された、各ユニットの使用状況に関するデータの更新を行う。具体的には、図7のステップS31〜S38に示すように、ロータリー現像部3を回転駆動して各現像ユニット3K、3C、3M、3Yを順番にコネクタ接続位置に位置決めし、その都度装置本体6に設けたコネクタ34と、各ユニットに取りつけたコネクタ33K、33C、33M、33Yとを接続してデータ転送を行う。これによって各現像ユニットに関するデータが更新記憶される。なお、このデータ更新を行う順序は、後述する取り出し順序とは独立に決めることができるので、ここではロータリー現像部3の回転方向に沿った上記順序とすることで、ロータリー現像部3の移動距離を小さくして処理時間を短縮している。
【0080】
こうしてデータの更新が終わると、次にK現像ユニット3Kの取り出しを行う(ステップS39)。具体的には、図8に示すステップS51ないしS54のx現像ユニット取り出しルーチンを実行する(x=K、M、C、Y;ここではx=Kと読み替えればよい)。
【0081】
まずステップS51では、ロータリー現像部3が回転して、K現像ユニット3Kが着脱位置(図3(c)参照)に位置決めされる。そして、ステップS52で、ユーザ等によってK現像ユニット3Kが着脱専用口321を介して支持フレーム3bから取り出されるのを待つ。ここでも、ユーザが取り出しを行ったか否かはフロントカバーの開閉を検知することで行う。そして、ユーザは、必要に応じ、該現像ユニットを装着したままフロントカバーを閉じてもよい。
【0082】
こうして、フロントカバーが閉じられたことが検知されると、ロータリー現像部3を回転駆動して図3(b)に示すK現像ユニットコネクタ接続位置(つまりY現像ユニット現像位置)に位置決めする(ステップS53)。そして、コネクタ34がロータリー現像部3側に移動する。このとき、上記したステップS52でK現像ユニット3Kが取り出されず、ユニット保持部3bに装着されたままとなっていればコネクタ34はコネクタ33Kと嵌合してEEPROM75に記憶されたデータが読み出されるが、既にK現像ユニット3Kが取り外されていれば、このデータは読み出されることがない。また、K現像ユニット3Kが取り出された後に別の現像ユニットが装着されていれば、ステップS32で読み出し/書き込みを行ったデータとは異なるデータが読み出されることとなる。このことから、CPU11は、コネクタ34を介して読み出されるデータをEEPROM14に記憶されたデータと照合することで、ユーザによってK現像ユニット3Kが取り外されたかどうかを判断する(ステップS54)。
【0083】
こうしてK現像ユニット3Kが取り出されてしまうと、前述したように、以後は印刷動作が行われることはない。そして、その後、M現像ユニット3M、C現像ユニット3C、Y現像ユニット3Yを順番に取り出す(ステップS40〜S42)。そして、各現像ユニットの取り出しが終了すると、ロータリー現像部3がHP位置まで回転移動して取り出しシーケンス(1)を終了する(ステップS43)。
【0084】
このように、この画像形成装置の現像ユニット取り出しシーケンス(1)では、エンジンコントローラ1が、各現像ユニット3K、3M、3C、3Yをこの順序で取り出すべくロータリー現像部3を回転位置決めしているので、ユーザは取り出し順序を意識する必要がなく、着脱位置に位置決めされた現像ユニットを順次取り出すだけでよい。また、前述したように、K現像ユニット3Kが装着されていれば外部装置からの印刷要求に基づく単色印刷動作が許可されており、しかもK現像ユニット3Kの取り出しを、他の現像ユニットの取り出しに先立って行うように構成しているので、取り外し作業中の印刷動作を確実に規制することができ、異常動作を起こすことがない。
【0085】
なお、この場合も、K現像ユニット3Kを最初に取り出すことによって以後の印刷動作が自動的に規制されており、特別な制御を行う必要はない。また、K現像ユニット3K以外の現像ユニットの取り出しは、必ずしも上記した順序でなくてもよい。
【0086】
また、上記実施形態の画像形成装置では、4色のフルカラー画像用トナーを用いたフルカラー画像と、これらのトナーのうちブラック色のみを用いた単色画像とを形成可能となっているが、他のトナー色による単色画像を形成可能な装置としてもよく、また、4色のうち2色または3色のトナーを用いた多色(2色または3色)カラー印刷を行えるようにしてもよい。そして、このような装置に対して本発明を適用し、その単色印刷用現像ユニット、または多色印刷用現像ユニットのうち1つを「最終装着用現像ユニット」として最後に装着したり、「最先取り出し用現像ユニット」として最初に取り出すようにすることで、セットアップや取り外し作業中に印刷動作が開始されて動作が異常になるという問題を回避することができる。
【0087】
4.第2実施形態
この実施形態の画像形成装置では、セットアップ作業および取り外し作業における現像ユニットの装着方法および取り出し方法が上記した第1実施形態の装置とは一部異なっており、本発明にかかる現像ユニット装着方法の第2の実施形態たる装着シーケンス(2)と、本発明にかかる現像ユニット取り出し方法の第2の実施形態たる取り出しシーケンス(2)とを実行可能となっている。それ以外の構成や、印刷動作については第1の実施形態と同一である。ここでは、まず装着シーケンス(2)の動作について、図9を参照しつつ説明する。図9は、この実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスを示すフローチャートである。
【0088】
この装着シーケンス(2)においても、第1実施形態における装着シーケンス(1)(図5参照)と同様に、図6に示すx現像ユニット装着ルーチンを繰り返して各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを支持フレーム3bに装着するが、図9に示すように、セットアップ作業を行う前にCPU11が印刷動作を禁止する点(ステップS61)、装着終了後にCPU11が印刷禁止を解除する点(ステップS66)および各現像ユニットの装着順序(ステップS62〜S65)の点で、第1実施形態の装着シーケンス(1)とは異なっている。以下、この相違点に基づいて装着シーケンス(2)の動作を説明する。
【0089】
この装着シーケンス(2)では、シーケンス開始直後のステップS61で、CPU11が印刷動作を禁止している。このため、これ以後に画像信号が入力されたとしても、例えば図4の単色印刷シーケンスのステップS1に示すように、印刷は実行されない。したがって、以後のシーケンス実行中に印刷動作が開始されることはなく、前述したような異常動作は発生しない。そして、このようにCPU11が印刷動作を禁止しているため、以後のセットアップ作業においては各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kをどのような順序で装着してもよい。図9では、装着順序の一例としてK現像ユニット3K、M現像ユニット3M、C現像ユニット3C、Y現像ユニット3Yをこの順で装着するシーケンスを示しているが、装着順序はこれに限定されるものでないことはいうまでもなく、どのような順序であってもよい。もちろん、ユーザは必要に応じていずれかの現像ユニットを装着しないままとしてもよい。
【0090】
そして、全ての現像ユニットの装着が完了した時点で印刷禁止を解除し(ステップS66)、ロータリー現像部3がHP位置に回転移動して待機状態となる(ステップS67)。
【0091】
このように、この装着シーケンス(2)においてはシーケンス開始時に印刷動作を禁止しているので、以後のセットアップ作業中に印刷動作が開始されることはない。そして、装着が終了して印刷禁止が解除された後では、例えば単色印刷モードは、図4に示すようにK現像ユニット3Kが装着されていれば実行可能となっているので、必ずしも全ての現像ユニットを装着していなくても印刷動作が可能である。
【0092】
次に、この実施形態にかかる画像形成装置において、支持フレーム3bから全ての現像ユニットを取り外す取り出しシーケンス(2)について、図10を参照しつつ説明する。図10は、この実施形態にかかる画像形成装置における現像ユニット取り出しシーケンスを示すフローチャートである。
【0093】
この取り出しシーケンス(2)の動作も基本的には第1実施形態における取り出しシーケンス(1)の動作と同様であり、各現像ユニットのEEPROM72〜75のデータ更新を行った後に図8に示すx現像ユニット取り出しルーチンを繰り返すことで各現像ユニットを順番に取り出すのであるが、図10に示すように、冒頭においてCPU11が印刷を禁止し(ステップS71)、最後に印刷禁止を解除する(ステップS84)点および現像ユニットの取り出し順序(ステップS80〜S83)のみが相違している。
【0094】
上記したように、この取り出しシーケンス(2)では、シーケンス実行中は印刷動作を禁止することによって、取り外し作業中に印刷動作が開始されることを防止している。そのため、現像ユニットの取り出し順序は任意に規定することができ、図10では上記した装着シーケンス(2)の装着順とは反対の順序、すなわちY現像ユニット3Y、C現像ユニット3C、M現像ユニット3M、K現像ユニット3Kの順に取り出す例を示しているが、もちろんこれ以外の順序であってもよい。
【0095】
なお、ステップS84において、全ての現像ユニットの取り出しの後にCPU11が印刷禁止を解除するように構成されているが、これにより、現像ユニットが全て取り外された状態で画像信号が入力されたときに印刷動作が開始されるというわけではない。すなわち、例えば図4の単色印刷シーケンスに示すように、この画像形成装置の印刷動作は、K現像ユニット3Kが装着されていなければ実行されない構成となっているので、ステップS84で印刷禁止が解除されたとしても、既にK現像ユニット3Kが取り出されていれば印刷は実行されない。一方、取り出しシーケンス(2)(さらに詳しくは、図10に示すステップS83)においてK現像ユニット3Kが取り出されず、支持フレーム3bに装着されたままとなっていれば、ステップS84において再び印刷を許可することによって、この現像ユニット3Kによる単色印刷モードを実行できるようになっている。
【0096】
このように、この実施形態の画像形成装置は、現像ユニットのセットアップまたは取り外し作業中には印刷動作を禁止するように構成されており、したがって、作業中に異常動作を起こすことがなく、また装着・取り出しの順序が制約されないので制御が簡単となる。また、先の第1実施形態では、特定の現像ユニットを選択して「最終装着用現像ユニット」または「最先取り出し用現像ユニット」として設定する必要があるが、この第2実施形態ではこのような設定は必要なく、各現像ユニットは全く同等であるので、例えば単色印刷用の現像ユニットとして、いずれの現像ユニットを選択してもよいこととなる。そのため、例えば、単色印刷モード用のトナー色を、ユーザ操作等によって選択するといった付加機能を持たせることも可能となる。
【0097】
また、上記実施形態の画像形成装置では、4色のフルカラー画像用トナーを用いたフルカラー画像と、これらのトナーのうちブラック色のみを用いた単色画像とを形成可能となっているが、他のトナー色による単色画像を形成可能な装置としてもよく、また、4色のうち2色または3色のトナーを用いた多色(2色または3色)カラー印刷を行える装置としてもよい。
【0098】
5.その他
以上、本発明の各実施形態の構成および動作について説明したが、これらの実施形態は、本発明の趣旨を体現した画像形成装置の典型的な例である。すなわち、上記した第1および第2実施形態にかかる画像形成装置は、必ずしも全ての現像ユニットを装着しなくても、装着された現像ユニットを用いての印刷動作が可能な装置である。そして、その現像ユニットのセットアップおよび取り外し作業を本発明の手順に則って行うことによって、本発明の目的たる、これらの作業中に印刷動作が開始されることによる不具合を防止しているものである。
【0099】
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態では、4つの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが図1に示す配列で装着されているが、現像ユニットの配列はこれに限定されるものではなく、他の配列であってもよい。
【0100】
また、上記第1の実施形態は装着シーケンス(1)および取り出しシーケンス(1)を備えており、一方、第2の実施形態は装着シーケンス(2)および取り出しシーケンス(2)を備える構成となっているが、これらの各シーケンスはこの組み合わせに限定して実施されるものではなく、それぞれ単独に実施されてもよく、また例えば1つの画像形成装置が装着シーケンス(1)および取り出しシーケンス(2)を備えるというように、異なる組み合わせで実施されてもよい。
【0101】
また、上記各実施形態では、4つの現像ユニットを支持フレーム3bに装着する構成となっているが、現像ユニットの個数は「4」に限定されるものではなく、2以上の現像ユニットが装着される装置全般に本発明を適用することができる。
【0102】
また、上記各実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kがロータリー現像部3の軸方向に着脱可能となっているが、ロータリー現像部3の放射方向に現像ユニットが着脱される画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0103】
また、上記各実施形態における現像ユニットの装着シーケンスおよび取り出しシーケンスでは、ユーザが予め定められた順序で各現像ユニットの装着・取り出しを行うよう構成されているが、これ以外に、例えば、画像形成装置にディスプレイ表示または音声による報知手段をさらに設け、シーケンスの進行に応じてユーザが行うべき作業をこの報知手段によりユーザに報知するようにしてもよい。このようにすると、セットアップ・取り外し作業がさらに容易かつ確実なものとなり、ユーザフレンドリーな装置とすることができる。
【0104】
また、上記各実施形態では、単色印刷のみ可能な(すなわちK現像ユニット3K以外のいずれかの現像ユニットが装着されていない)状態でカラー画像信号が入力されたとき、印刷を禁止するように構成しているが、このとき、例えば、必要に応じてカラー画像信号を白黒画像信号に変換し、ブラック色による単色印刷を実行するようにしてもよい。
【0105】
さらに、上記実施形態にかかる画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印刷するプリンタであるが、本発明は複写機やファクシミリ装置などを含め、電子写真方式の画像形成装置全般に適用することができる。
【0106】
【発明の効果】
以上のように、この発明にかかる画像形成装置では、単色印刷モードの実行に必要な単色印刷用現像ユニットを最終装着用現像ユニットとして最後に装着することによって、装着作業中の印刷動作を規制している。そのため、装着作業中に印刷動作が開始されて動作が異常となったり、作業途中のユーザが印刷動作が終了するまで待たなければならないといった不具合を未然に防止することができる。そして、装着作業中に画像信号が入力されたときの動作を考慮する必要がなく、また装着順序を上記のようにすることで自動的に作業中の印刷動作が規制されるので、装置の制御が簡単である。
【0108】
そして、この発明にかかる画像形成装置は、単色印刷モードの実行に必要な単色印刷用現像ユニットが装着されていれば単色印刷モードを実行可能であり、しかも上記のような方法にしたがって現像ユニットの装着を行うので、装着作業中の印刷開始によって動作が異常となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置のエンジンコントローラを示すブロック図である。
【図3】ロータリー現像部3の動作を模式的に示す図である。
【図4】この画像形成装置における単色印刷シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態にかかる画像形成装置の各現像ユニットの装着手順を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット取り出しシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態にかかる画像形成装置の各現像ユニットの取り出し手順を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態にかかる画像形成装置の現像ユニット取り出しシーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジンコントローラ(制御手段)
3…ロータリー現像部
3b…支持フレーム(ユニット保持部)
3Y、3M、3C…現像ユニット
3K…現像ユニット(単色印刷用現像ユニット、最終装着用現像ユニット、最先取り出し用現像ユニット)
33Y、33M、33C、33K…(ユニット側)コネクタ
34…現像部用共通コネクタ
Claims (3)
- トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットと、前記M個の現像ユニットを装着可能に構成されたユニット保持部と、前記M個の現像ユニットが全て前記ユニット保持部に装着されているときのみ印刷を実行するM色印刷モードを実行可能とするとともに、前記M個の現像ユニットのうち少なくとも単色印刷用トナー色の単色印刷用現像ユニットが前記ユニット保持部に装着されているときに単色印刷を実行する単色印刷モードを実行可能とする制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、
前記単色印刷用現像ユニットを最終装着用現像ユニットとして、前記単色印刷用現像ユニット以外の現像ユニットを前記ユニット保持部に装着した後に前記単色印刷用現像ユニットを前記ユニット保持部に装着する装着シーケンスを実行するとともに、
前記M個の現像ユニットのうち前記単色印刷用現像ユニットが前記ユニット保持部に装着されているときに残りの現像ユニットの装着状態に拘らず前記単色印刷モードの実行を許可することを特徴とする画像形成装置。 - 前記最終装着用現像ユニットが、黒色トナーを内蔵したものである請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ユニット保持部が、4個の現像ユニットを装着可能となっている請求項1または2に記載の画像形成装置。
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