JP3890933B2 - 画像形成装置における現像ユニットの装着方法および取り出し方法ならびに画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置、特に、複数の現像ユニットの各々を個別にユニット保持部に着脱自在となっている画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置として、回転軸を中心として複数の現像ユニットを放射状に配置したロータリー現像部を備えた装置が知られている。この装置では、その回転軸を回転駆動することによって前記複数の現像ユニットのうちの一の現像ユニットを感光体に対向位置決めして感光体上の潜像を現像し、中間転写媒体上に転写する。そして、必要に応じて、ロータリー現像部を回転駆動して現像ユニットを切り換え、上記と同様にして各トナー色毎にトナー現像および転写処理を繰り返すことによって、複数色のトナー像を中間転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成している(カラー印刷モード)。
【0003】
また、上記のように構成された画像形成装置では、複数の現像ユニットのうち特定の現像ユニット、多くの場合ブラック現像ユニットを用いて単色印刷を行うことが可能となっている(単色印刷モード)。
【0004】
このような画像形成装置においては、カラー、単色いずれの印刷要求にも迅速に対応し、所期のカラーまたは単色画像を得るために、各トナー色の現像ユニットが全て所定の位置に装着されている必要がある。
【0005】
そこで、装着作業を簡便なものとするとともに、ユーザの作業ミスによる現像ユニットの誤装着を未然に防止するため、予めプログラムされた装着シーケンスを備えた画像形成装置が考えられている。このような画像形成装置では、その装着シーケンスの進行に伴い、ユーザは予め定められた順序または装置の案内に従って、順番に現像ユニットを装着するだけで、全てのユニットを正しく装着できるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成装置では、全ての現像ユニットが装着されて初めて印刷動作が可能となるように構成されており、したがって、上記した装着シーケンスでも、装置に装着可能な現像ユニットを全て装着することを前提としている。そのため、装着作業を途中で中断して、一部の現像ユニットを装着しなかった場合には、装置に印刷動作を行わせることはできない。
【0007】
また、このような画像形成装置は、上記したように、必要に応じて単色印刷モードを実行可能となっており、この単色印刷モードでは、該単色印刷に対応した現像ユニットのみを使用して印刷を行うのであるから、他のトナー色の現像ユニットは本来的には装着する必要がない。しかし、上記のような構成をとっている従来の画像形成装置では、やはり全ての現像ユニットを装着しない限り印刷動作を実行することはできない。
【0008】
このような問題は、上記した装着作業時のみでなく、もともと装着されていた現像ユニットがユニット交換や装置の移動等のために取り外された場合にも起こり得るものであり、例えば、いずれかの現像ユニットを取り外した後に単色画像信号が入力された場合、たとえ単色印刷用の現像ユニットが装置に装着されていたとしても印刷を行うことはできず、ユーザにとっての利便性を損ねている。
【0009】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像形成装置に装着されるべき複数の現像ユニットのうちいくつかがまだ装着を完了していない場合や既に取り外されてしまった場合でも印刷動作を行うことを可能とする、画像形成装置における現像ユニットの装着方法および取り出し方法を提供することを第1の目的とする。また、全ての現像ユニットを装着しなくても印刷動作が可能な画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置における現像ユニットの装着方法は、上記第1の目的を達成するため、トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットをユニット保持部に装着可能となっており、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行可能な画像形成装置における、前記現像ユニットを前記ユニット保持部に順番に装着する現像ユニットの装着方法において、前記ユニット保持部を、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを装着するための所定位置に位置決めする位置決め工程と、前記位置決め工程の後に、前記ユニット保持部に前記一の現像ユニットを装着する装着工程とを交互に実施することで前記現像ユニットを装着し、しかも、前記M個のうち前記N個の現像ユニットを他の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部へ装着するとともに、前記N個の現像ユニットの装着が完了した時点で前記N色印刷モードの実行を許可することを特徴としている。
【0011】
このように構成された現像ユニット装着方法では、N色印刷モードを実行するために必要なN個の現像ユニットを、他の現像ユニットより優先して装着するので、このN個の現像ユニットの装着を完了した時点でN色印刷モードが実行可能となる。そのため、他の現像ユニットの装着を待たずに画像形成装置のN色印刷用装置としての使用を開始することができる。また、作業者が1つの現像ユニットを装着する毎に、ユニット保持部が自動的に移動して次のユニットを装着するための位置に位置決めするように構成してもよく、この場合、作業者は複数の現像ユニットを定められた順番に装着するだけでよく、装着作業を容易にかつ確実に行うことができる。
【0012】
ここで、前記N個の現像ユニットが装着された状態でユーザ操作によって装着の終了が指示されたときには、以後の現像ユニットを装着するための前記位置決め工程および前記装着工程の実施を中止して、他の現像ユニットを装着しないままで装置を使用することができる。
【0013】
また、この発明にかかる画像形成装置における現像ユニットの取り出し方法は、上記第1の目的を達成するため、トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットをユニット保持部に装着可能となっており、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行可能な画像形成装置における、前記現像ユニットを前記ユニット保持部から順番に取り出す現像ユニットの取り出し方法において、前記ユニット保持部を、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを取り出すための所定位置に位置決めする位置決め工程と、前記位置決め工程の後に、前記ユニット保持部から前記一の現像ユニットを取り出す取り出し工程とを交互に実施することで前記現像ユニットを取り出し、しかも、前記M個のうち前記N個の現像ユニット以外の現像ユニットを前記N個の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部から取り出すとともに、前記N個の現像ユニットのいずれかを取り出すまでは前記N色印刷モードの実行を許可することを特徴としている。
【0014】
このように構成された現像ユニット取り出し方法では、N色印刷モードを実行するためのN個の現像ユニットをユニット保持部に残し、それ以外の現像ユニットを優先的に取り出すようにしているので、これらの現像ユニットを取り出す作業中あるいは全て取り出した後であっても、N個の現像ユニットの取り出しを開始する直前まで、画像形成装置をN色印刷装置として継続して使用することが可能となる。しかも、作業者が1つの現像ユニットを取り出す毎に、ユニット保持部が自動的に移動して次のユニットを取り出すための位置に位置決めされるので、作業者は上記取り出し順序を意識することなく作業を行うことができる。
【0015】
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記第2の目的を達成するため、トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットと、前記M個の現像ユニットを装着可能に構成されたユニット保持部と、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを装着するための所定位置への前記ユニット保持部の位置決めと、前記ユニット保持部への前記一の現像ユニットの装着とを交互に実施する装着シーケンスを実行し、しかも、前記装着シーケンスでは、前記M個のうち前記N個の現像ユニットを他の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部へ装着するとともに、前記N個の現像ユニットの装着が完了した時点で前記N色印刷モードの実行を許可することを特徴としている。
【0016】
このように構成された画像形成装置では、その現像ユニット装着シーケンスにおいて、N色印刷モードに対応したN個の現像ユニットを他の現像ユニットより優先して装着し、しかも、これらN個の現像ユニットが装着された時点でN色印刷モードの実行を許可しているので、残りの現像ユニットの装着作業中であっても、またそれらを装着しないままでも印刷動作が可能となっている。なお、上記においてN=1とした場合は、上記N色印刷モードは単色印刷モードに相当することとなる。
【0017】
また、かかる画像形成装置が、互いに異なるトナー色のN個(M>N≧2)の現像ユニットを用いてN色カラー印刷を実行するN色カラー印刷モードと、前記N個の現像ユニットのうち単色印刷用トナー色の一の現像ユニットを用いて単色印刷を実行する単色印刷モードとを実行可能となっているときには、前記制御手段は、前記装着シーケンスにおいて、前記N個の現像ユニットのうち前記単色印刷用の現像ユニットの前記ユニット保持部への装着を最優先に行い、しかも、前記単色印刷用の現像ユニットの前記ユニット保持部への装着完了時点より前記単色印刷モードの実行を許可するようにしてもよい。
【0018】
このように構成された画像形成装置では、その現像ユニット装着シーケンスにおいて、まず単色印刷モードを実行するために必要な一の現像ユニットを装着し、その装着が完了した時点で単色印刷モードを許可しているので、この単色印刷モードに対応した現像ユニットのみを装着した状態で単色印刷用装置としての使用が可能となっている。そして、必要に応じてN色印刷モードに対応した他の(N−1)個の現像ユニットをさらに装着すればN色印刷が可能となり、残りの全ての現像ユニットを装着すればフルカラーでの画像形成が可能となる。このように、この画像形成装置は、ユーザの希望に応じた様々な用途に供することができるものである。
【0019】
ところで、このような単色印刷は、多くの場合、黒色トナーを用いた白黒印刷として行われる。そこで、前記単色印刷用トナー色は黒色であってもよい。このとき、この画像形成装置によるカラー印刷モードと白黒印刷モードとが実行可能となり、しかも、このうちの白黒印刷モードは、少なくとも黒色トナーに対応した現像ユニットが装置に装着されていれば、他の現像ユニットの有無に拘らず実行が可能である。
【0020】
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記第2の目的を達成するため、トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットと、前記M個の現像ユニットを装着可能に構成されたユニット保持部と、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを装着するための所定位置への前記ユニット保持部の位置決めと、前記ユニット保持部からの前記一の現像ユニットの取り出しとを交互に実施する取り出しシーケンスを実行し、しかも、前記取り出しシーケンスでは、前記M個のうち前記N個の現像ユニット以外の現像ユニットを前記N個の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部から取り出すとともに、前記N個の現像ユニットのいずれかを取り出すまでは前記N色印刷モードの実行を許可することを特徴としている。
【0021】
このように構成された画像形成装置では、その現像ユニット取り出しシーケンスにおいて、N色印刷モードを実行するために必要なN個の現像ユニットをユニット保持部に残し、それ以外の現像ユニットから先に取り出すように構成されており、しかも、そのN個の現像ユニットが装着されていればN色印刷モードの実行を許可しているので、上記取り出しシーケンスによる各現像ユニットの取り出し作業中や、既に一部の現像ユニットが取り外された状態であっても印刷動作が可能となっている。なお、前述した装置と同様に、上記においてN=1とした場合は、上記N色印刷モードは単色印刷モードに相当することとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
1.装置の構成
図1は、この発明にかかる画像形成装置の一の実施形態を示す図である。図2は図1の画像形成装置のエンジンコントローラを示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成(カラー印刷モード)したり、ブラック(K)のトナーのみを用いて単色画像を形成(単色印刷モード)する装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニットのメインコントローラに与えられると、このメインコントローラからの指令に応じてエンジンコントローラ1がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0023】
このエンジン部EGでは、7つのユニット:(a)感光体ユニット2;(b)イエロー現像ユニット(以下「Y現像ユニット」という)3Y;(c)マゼンタ現像ユニット(「M現像ユニット」)3M;(d)シアン現像ユニット(「C現像ユニット」)3C;(e)ブラック現像ユニット(「K現像ユニット」)3K;(f)中間転写ユニット4および(g)定着ユニット5が装置本体6に対して着脱自在となっている。そして、すべてのユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5が装置本体6に装着された状態で、図1に示すように、感光体ユニット2の感光体21が図1の矢印方向D1に回転するとともに、その感光体21の周りにその回転方向D1に沿って、帯電部22、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kからなるロータリー現像部3およびクリーニング部23がそれぞれ配置される。
【0024】
7つのユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5のうち感光体ユニット2には感光体21、帯電部22およびクリーニング部23が収容されており、これらを一体的に装置本体6に対して着脱自在となっている。帯電部22は帯電バイアスが印加されており、感光体21の外周面を均一に帯電させる。
【0025】
また、この感光体ユニット2には、感光体21の回転方向D1における帯電部22の上流側にクリーニング部23が設けられており、一次転写後に感光体21の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。こうして、感光体21の表面クリーニングを行っている。
【0026】
このように構成された感光体ユニット2には、該ユニット2の残り寿命を示すデータなどを記憶するためのシリアルEEPROM71が取付けられており、感光体ユニット2を装置本体6に装着すると、コネクタ(図示省略)を介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、感光体ユニット2の装着検出や消耗品管理などを行う。なお、ユニット4、5についても感光体ユニット2と同様に種々のデータを記憶するためのシリアルEEPROM76、77がそれぞれ取付けられており、ユニット装着状態で装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、該ユニットの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0027】
一方、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kにも該ユニットに関する種々のデータを記憶するためのシリアルEEPROM72〜75が設けられている。これらのEEPROM72〜75は、後述するようにユニット装着状態では装置本体側のコネクタ34とは接続されておらず、必要に応じて一時的にエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0028】
この画像形成装置では、図1に示すように、帯電部22によって帯電された感光体21の外周面に対して、露光ユニット8からレーザ光Lが照射される。この露光ユニット8は外部装置からの画像信号に応じてレーザ光Lを感光体21上に走査露光して感光体21上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0029】
こうして形成された静電潜像はロータリー現像部3によってトナー現像される。このロータリー現像部3では、ブラック用の現像ユニット3K、シアン用の現像ユニット3C、マゼンタ用の現像ユニット3M、およびイエロー用の現像ユニット3Yが軸中心に回転自在に設けられている。そして、これらの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは予め決められた複数の位置に移動位置決めされるとともに、感光体21に対して選択的に当接もしくは離間位置で位置決めされ、直流成分もしくは直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを感光体21の表面に付与する。このように、この実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが本発明の「現像ユニット」として機能し、感光体21上にトナー像を形成する。
【0030】
上記のようにして現像部3で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で中間転写ユニット4の中間転写ベルト41上に一次転写される。すなわち、中間転写ユニット4は複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト41と、中間転写ベルト41を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えており、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト41上に重ね合わせてカラー画像を形成する一方、単色画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成されるブラック色のトナー像のみを中間転写ベルト41上に転写して単色画像を形成する。
【0031】
こうして中間転写ベルト41上に形成された画像については、所定の二次転写領域TR2において、カセット9から取り出されたシートS上に二次転写する。そして、トナー画像が転写されたシートSを、ヒータ(図示省略)が内蔵された定着ユニット5に導入し、ここで加熱しながら圧力を加えることによってトナーをシートSに定着させる。こうして画像が形成されたシートSは装置本体6の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0032】
次に、ロータリー現像部3の構成について、図3を参照してさらに詳しく説明する。図3はロータリー現像部3の動作を模式的に示す図である。ロータリー現像部3は、その中心に回転軸3aを有するとともに、かかる回転軸3aに固定された支持フレーム3bを有しており、前述した4色の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは本発明の「ユニット保持部」として機能する支持フレーム3bに対して着脱自在となっている。すなわち、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kおよび支持フレーム3bには軸方向に互いに係合するガイドレール(図示省略)が設けられており、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは支持フレーム3bの軸方向に取出し側(図1の紙面に直交する奥手側)へ着脱専用口321(図3)を通じて引出し可能となっている。また、新しい現像ユニットを着脱専用口321を通じて支持フレーム3bの軸方向へ進行して装着することができるようになっている。このようにして全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが装着されると、回転軸3aを中心として放射状に配置されることとなる。
【0033】
この着脱専用口321は、図3に示すように、ロータリー現像部3の取出し側に配置された側板32に設けられたものであり、例えば同図(c)に示すように現像ユニットが着脱位置に位置決めされたときのみ、この着脱専用口321を介して該現像ユニットを取出し、また新しい現像ユニットを装着可能となっている。そして、現像ユニットがその着脱位置以外に位置決めされている間は、その現像ユニットの取出し・装着が側板32によって規制される。
【0034】
また、回転軸3aには図示を省略するパルスモータがクラッチを介して接続されており、このパルスモータを駆動することで支持フレーム3bを回転させ、上記4つの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kのうち一の現像ユニットを選択的に感光体21と対向する現像位置に位置決めできるようになっている。なお、図1はK現像ユニット3Kが現像位置に位置決めされた状態を示している。
【0035】
また、現像部3の回転軸3aの一方端側(図1の紙面手前側)には、現像部3のホームポジション位置(以下「HP位置」という)を検出するためのHP検出部31(図2参照)が設けられている。このHP検出部31は、回転軸3aの一方端に固着された信号用円板311と、フォト・インタラプター等からなるHPセンサ312とで構成されており、円板311の周縁部がHPセンサ312の隙間(図示省略)にくるように設けられている。そして、円板311に形成されたスリット部がHPセンサ312の隙間に移動してくると、HPセンサ312からの出力信号が「L」から「H」に変化する。そして、信号レベルの変化とパルスモータのパルス数に基づき現像部3のHP位置を検出することができるようになっている。また、HP位置とパルスモータのパルス数に基づき現像部3の位置を検出することができるように構成されている。
【0036】
なお、HP検出部31の構成はこれに限定されるものでなく、例えば支持フレーム3bの外周縁の一部に設けた突起部等の特徴部を検出し、これによりHP位置を検出するように構成してもよい。この場合、回転軸3aに円板311を設ける必要がなく、軸方向のサイズを小さくすることができ、装置サイズの小型化を図る上で有利となる。
【0037】
また、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの一方端側面には、コネクタ33Y、33M、33C、33Kが固着されており、現像位置に位置決めされたときに回転移動方向における1つ下流側の位置(以下「コネクタ接続位置」という)にある現像ユニットのコネクタ(例えば図3(b)に示すようにY現像ユニット3Yが現像位置に位置決めされたときには、その1つ下流側のK現像ユニット3Kに固着されたコネクタ33K)が装置本体側に設けられた現像部用共通コネクタ34と対向する。この現像部用共通コネクタ34は同図に示すようにロータリー現像部3に対して接離移動可能に構成されており、必要に応じてコネクタ接続位置にある現像ユニットに近接移動して該現像ユニットのコネクタと嵌合する。これによって、該現像ユニットに取り付けられたEEPROM72〜75が両コネクタを介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、エンジンコントローラ1との間でデータ転送を行い、該現像ユニットの装着検出や消耗品管理などを行う。
【0038】
なお、図面への記載を省略するが、ロータリー現像部3を上記した現像位置、HP位置および着脱位置で確実に位置決め固定するために、ロック機構が設けられている。また、装置本体6には、上記各ユニット2、3Y、3M、3C、3K、4、5を含むエンジン部EGを覆うフロントカバーが設けられており、ユーザ等が後述する現像ユニットの装着・取出しを行う際にはこのフロントカバーを開いて作業を行うが、通常の印刷動作は、このフロントカバーが閉じられた状態で実行される。
【0039】
次に、エンジンコントローラ1の構成について図2を参照しつつ説明する。このエンジンコントローラ1は本発明の「制御手段」として機能するものであり、HP検出部31からの信号とパルスモータのパルス数などに基づきCPU11により後述するプログラムを実行して装置各部を制御する。なお、このCPU11には、プログラムや他のデータなどを記憶するためのROM12、各種データを一時的に記憶するRAM13が接続されている。
【0040】
また、CPU11は、シリアルI/F(インターフェース)15を介して電子カウンタに用いるシリアルEEPROM14に接続されている。このシリアルEEPROM14には、装置制御のために必要となるデータが記憶されている。また、CPU11は、シリアルI/F15を介して各ユニット2、4、5およびコネクタ34に接続されており、各ユニット2、4、5および、コネクタ34と適宜接続される各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kに設けられたシリアルEEPROM71〜77との間でデータ転送可能となるとともに、入出力ポート16を介してシリアルEEPROM14、71〜77にチップセレクト信号CSを入力可能となっている。
【0041】
また、エンジンコントローラ1には、電圧監視回路17が設けられており、電源電圧が所定電圧を下回ると、電圧監視回路17がその電圧降下を検出し、その旨を示すリセット信号をCPU11と周辺機器15、16に出力する。
【0042】
さらに、CPU11は入出力ポート16を介してHP検出部31と接続されている。
【0043】
2.現像ユニット装着方法
このように構成された画像形成装置における、本発明の現像ユニット装着方法の一の実施形態たる装着シーケンスの動作について、図3ないし図5を参照しつつ説明する。図4および図5は、それぞれこの画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスおよび各現像ユニットの装着手順を示すフローチャートである。
【0044】
この装置では、装置の新規購入や移転等により全ての現像ユニットが取り外された装置本体6が設置された後に、ユーザ等が電源を投入すると、CPU11が、ROM13に格納されたプログラムに基づいて、以下に示すステップS1〜S10からなる装着シーケンスを実行して4個の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを順次装着する。この装着シーケンスでは、ユーザが1つの現像ユニットを装着し終わるとロータリー現像部3が回転駆動されて次の現像ユニット着脱位置に位置決めされるので、ユーザは各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを予め定められた順序で装着するのみで、全ての現像ユニット3Y、3M、3C、3Kを所定の位置に、しかも短時間で装着することができる。
【0045】
まずステップS1で、単色印刷用トナー色であるK現像ユニット3Kの装着を最初に行う。具体的には、図5に示すステップS21ないしS27のx現像ユニット装着ルーチンを実行する(x=K、M、C、Y;ここではx=Kと読み替えればよい)。
【0046】
ステップS21では、まず支持フレーム3bへのユニットの装着状態に応じてロータリー現像部3の回転速度nを設定する。ここで、回転速度nは、支持フレーム3bに装着されている現像ユニットの数およびその位置関係に応じて次の3通りのうちのいずれか:
(1)現像ユニットの数が0または4個のとき、回転速度n1;
(2)現像ユニット数が2個で、しかもそれらが回転軸に対して対称な位置に装着されているとき、回転速度n2;
(3)上記(1)、(2)のいずれでもないとき、回転速度n3
に選ばれる。なお、これらの回転速度の間にはn1>n2>n3の関係がある。すなわち、ロータリー現像部3の回転速度は、上記(1)の場合が最も高速で、次いで(2)、そして(3)が最も低速である。
【0047】
ここで、このようにユニット保持部3bへの各現像ユニットの装着状態に応じてロータリー現像部3の回転速度を変化させているのは、次の理由による。すなわち、一部の現像ユニットが装着されず、その回転軸3aに対する対称性が著しく崩れたロータリー現像部3を高速で回転駆動するためには高出力のモータが必要であり、またこのような回転駆動を行うとその反作用で装置が異常振動を起こすおそれがある。そこで、上記のような非対称性が生じた場合には、ロータリー現像部3を通常より低速で回転させることによって、このような振動の発生を抑制し、小出力モータでの駆動を可能にしている。
【0048】
装着シーケンスを開始したステップS1の段階では、支持フレーム3bには現像ユニットは装着されていないので上記(1)に該当し、したがって、このとき回転速度は最も高速のn1に設定される。
【0049】
次に、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を上記回転速度n1で回転移動させ、図3(c)に示すK現像ユニット着脱位置に位置決めする(ステップS22)。こうしてロータリー現像部3が図3(c)に示すK現像ユニット着脱位置に位置決めされたとき、K現像ユニット3Kの装着が初めて可能となる。ただし、K現像ユニット3K以外の現像ユニット3C、3M、3Yについては、側板32により装着が規制されている。このため、ユーザ等が誤ってK現像ユニット以外の現像ユニットの装着を行うことを未然に防止することができる。
【0050】
そして、ステップS23で、ユーザ等によってK現像ユニット3Kが着脱専用口321を介して支持フレーム3bに装着されるのを待つ。ここで、ユーザによるユニットの装着作業がなされたか否かは、フロントカバーの開閉が行われたか否かで判別することができる。すなわち、装置本体6に例えばリミットスイッチによる開閉センサ(図示省略)を設け、この開閉センサが、ユーザによってフロントカバーが閉じられたことを検知した時点で、交換作業が終了したと判断すればよい。なお、このときユーザは、必要に応じて該現像ユニットの装着を行わないままフロントカバーを閉じてもよい。
【0051】
こうして、フロントカバーが閉じられたことが検知されると、回転速度をn3に設定する(ステップS24)。ここで、回転速度を最低速のn3に設定するのは、フロントカバーが開閉されたことによって、現像ユニットの装着状態が変化した可能性があるものの、この時点では装着状態がどのように変化したかが判断できないからである。次に、ロータリー現像部3を回転速度n3で回転駆動してK現像ユニット3Kをコネクタ接続位置へ位置決めする(ステップS25)。これによって、図3(b)に示すように、K現像ユニット3Kのコネクタ33Kが装置本体6側の現像部用共通コネクタ34と対向する。
【0052】
次のステップS26では、コネクタ34がロータリー現像部3側に移動してコネクタ33Kと嵌合し、K現像ユニット3Kに取り付けられたEEPROM75が両コネクタ33K、34を介して装置本体6のエンジンコントローラ1と電気的に接続され、EEPROM75に対するデータの読み出し/書き込みを行う。これによって、K現像ユニット3Kに関するデータが更新記憶される。また、EEPROM75から読み出されたデータをエンジンコントローラ1内部のEEPROM14に記憶されたデータと照合することにより、CPU11はK現像ユニット3Kが支持フレーム3bの所定位置に正しく装着されたかどうかを確認することができる。
【0053】
これに続いて、エンジンコントローラ1に設けられたEEPROM14に、K現像ユニット3Kに関するデータの書き込みを行う(ステップS27)。ここで、K現像ユニット3Kが装着されずに、もしくはブラック以外のトナー色の現像ユニットが装着されてフロントカバーが閉じられたときは、EEPROM14にはその旨を示すデータが書き込まれる。
【0054】
こうしてK現像ユニット3K装着ルーチンを終了すると図4のステップS2へ進む。ここで、K現像ユニット3Kが装着されなかった(何も装着されなかった、もしくは他のトナー色の現像ユニットが装着された)場合にはステップS1に戻り、K現像ユニット3Kが正しく装着されるのを待つ。
【0055】
一方、K現像ユニット3Kが装着されたことが確認されると、これ以後、外部装置からの印字指令に基づく単色印刷モードが実行可能となる。この単色印刷モードについては後で詳述する。
【0056】
こうしてK現像ユニット3Kが装着されると、続いてM現像ユニット3Mの装着を行う(ステップS4)。ここで、K現像ユニット3Kの次にM現像ユニット3Mの装着を行うのは、K現像ユニット3KとM現像ユニット3Mとはロータリー現像部3の回転軸3aに対して対称な位置に配置されるため(図1参照)、こうすることでこれら2つの現像ユニット3K、3Mが装着された状態で回転軸3aからみた非対称性が小さくなって、ロータリー現像部3を駆動するパルスモータの負担を軽減することができるからである。
【0057】
ステップS4では、上記したK現像ユニット3Kの装着と同様に、図5に示すx現像ユニット装着ルーチン(ここでは、x=Mと読み替える)を再び実行して、M現像ユニット3Mの装着を行う。この場合、ロータリー現像部3には既にK現像ユニット3Kが装着されている(前述の(3)に相当)。そのため、ステップS21では回転速度nは最低速のn3に設定されて、ロータリー現像部3のM現像ユニット着脱位置への移動は回転速度n3で行われる。
【0058】
こうしてM現像ユニット3Mの装着が終了すると、同様にして、引き続きY現像ユニット3Y(ステップS6)、C現像ユニット3C(ステップS8)を順次装着してゆくが、このときにもロータリー現像部3の回転速度nはその時点での各現像ユニットの装着状態に応じて適宜設定される。
【0059】
そして、各現像ユニットの装着が終了すると、ステップS9で、EEPROM14に記憶されたデータに基づくそのときの現像ユニットの装着状態が上記(1)ないし(3)のいずれに該当するかに応じて、以後の動作におけるロータリー現像部3の回転速度nを設定する。例えば、K現像ユニット3Kのみが装着されている場合には、上記(3)に該当するので、回転速度はn3に設定する。また、K現像ユニット3Kと、M現像ユニット3Mが回転軸に対して対称に装着されている場合には(2)に該当するので、回転速度はn2に設定する。さらに、全ての現像ユニットが装着されている場合には、(1)に該当するので回転速度をn1とする。
【0060】
最後に、パルスモータを駆動してロータリー現像部3を回転移動させてロータリー現像部3を図3(a)に示すHP位置に位置決めして待機状態に入り(ステップS10)、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が与えられるのを待って通常の画像形成動作を実行する。
【0061】
なお、ユーザは、それぞれの現像ユニットの装着が終了した時点で、残りの現像ユニットを装着する必要がなければ、以後の装着作業を省略して装着シーケンスを終了させることができる。すなわち、ユーザ操作によって装着シーケンス終了が指示されたときは(ステップS3、S5、S7)、CPU11は以後の現像ユニット装着ルーチンを行わず、直ちに上記のステップS9およびS10を実行して、装着シーケンスを終了する。
【0062】
このように、各現像ユニットの装着が終了すると、その装着状態に応じてロータリー現像部3の回転速度nが設定されるが、ここで設定された回転速度nは以後の動作においても適用される。そして、ユーザにより現像ユニットの取出し・交換が行われると、その装着状態に基づいて、新たな回転速度が設定される。
【0063】
このように、この画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスでは、単色印刷用トナーを内蔵するK現像ユニット3Kを、他色の現像ユニット3Y、3M、3Cに先立って装着するように構成されている。しかも、後述するように、この画像形成装置の単色印刷シーケンスは、K現像ユニット3Kがユニット保持部3bに装着されていれば動作可能に構成されているので、上記装着シーケンスにおいて、K現像ユニット3Kの装着が完了した時点から、他の現像ユニットの装着を待たずに単色印刷モードを実行可能となっている。そして、例えば、他の現像ユニットを装着せず、K現像ユニット3Kのみを装着した状態で単色印刷用画像形成装置として使用するなど、ユーザの使用状況に合わせた使い方ができる利便性の高い装置となっている。
【0064】
なお、ロータリー現像部3の回転角度はパルスモータを駆動する駆動パルスの数によって決まり、一方、その回転速度は駆動パルスの繰り返し周期で決まる。そこで、この画像形成装置では、所定の回転角度に応じたパルス数の駆動パルスを発生させてロータリー現像部3を回転駆動するに際し、各現像ユニットの装着状態によってその駆動パルスの周期を変化させることで、上記のような可変速駆動を実現している。
【0065】
3.単色印刷モード
各現像ユニットの装着が完了して待機状態にある画像形成装置に対し、外部装置(ここでは、ホストコンピュータ)から単色画像信号が与えられたときの画像形成動作、すなわち単色印刷モードについて、図6を参照しつつ説明する。図6はこの画像形成装置における単色印刷シーケンスを示すフローチャートである。なお、この画像形成装置では、4色の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが全て装着されているときのみカラー印刷モードを許可しており、この状態でカラー画像信号が与えられた場合の動作は全ての現像ユニットが装着された従来のカラー画像形成装置の動作と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0066】
この画像形成装置では、ホストコンピュータから単色印刷に対応した画像信号が与えられたとき、CPU11が、図6に示すステップS31ないしS37の単色印刷シーケンスを実行する。
【0067】
まず、ステップS31で、エンジンコントローラ1のEEPROM14に記憶されたデータから、K現像ユニット3Kが正しく装着されているか否かを判定する。そして、K現像ユニット3Kが装着されていなければ、そのまま単色印刷シーケンスを終了する。
【0068】
一方、K現像ユニット3Kが装着されているときには、単色印刷動作を行うべく、定着ユニット5に内蔵されたヒータに通電し、ウォームアップを開始する(ステップS32)。そして、ヒータが所定の温度まで上昇するのを待って(ステップS33)、パルスモータがロータリー現像部3を回転駆動して、K現像ユニット3Kを感光体21に対向する現像位置に位置決めする(ステップS34)。そして、ホストコンピュータから送られる画像信号に基づき、1ページ分のトナー画像を形成し、シートSに転写する(ステップS35)。さらに次ページ以降の画像信号があればS35に戻って再び印刷を実行し、全てのページを印刷し終わるまで上記印刷作業を繰り返す(ステップS36)。こうして印刷が終了すると、再びロータリー現像部3が回転移動してHP位置に戻り、待機状態となる(ステップS37)。
【0069】
このように、この実施形態の画像形成装置では、4個の現像ユニットのうちK現像ユニット3Kが装着されていれば、他のトナー色の現像ユニットの装着状態に拘らずブラック色による単色印刷が可能となっている。そのため、前述した現像ユニット装着シーケンスにおいては、図4に示すステップS2でK現像ユニット3Kの装着が確認された時点から、本装置を単色印刷装置として使用可能となっている。
【0070】
4.現像ユニット取り出し方法
この画像形成装置は、現像ユニットを取り外す際のユーザの便宜を図るとともに、単色印刷装置としての機能をできるだけ長く維持すべく、本発明の現像ユニット取り出し方法の一の実施形態たる現像ユニット取り出しシーケンスを備えている。この取り出しシーケンスに基づいて、支持フレーム3bに装着された現像ユニット3Y、3M、3C、3Kの全てを順番に取り出す方法について、図7および図8を参照しつつ説明する。図7および図8は、それぞれこの画像形成装置における現像ユニット取り出しシーケンスおよび各現像ユニットの取り出し手順を示すフローチャートである。
【0071】
この画像形成装置では、ユーザ操作等により現像ユニット取り出しが指示されると、CPU11が、図7に示すステップS41ないしS57からなる現像ユニット取り出しシーケンスを実行する。この現像ユニット取り出しシーケンスでは、単色印刷用トナーを内蔵するK現像ユニット3Kの取り出しに先立って、他の現像ユニット3Y、3M、3Cを取り出すように構成されており、これにより、この画像形成装置は他のトナー色の現像ユニット3Y、3M、3Cの一部または全部を取り外した状態でも単色印刷用装置として使用することが可能となっている。
【0072】
まず、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kに設けられたEEPROM72〜75に記憶された、各ユニットの使用状況に関するデータの更新を行う。具体的には、図7のステップS41〜S48に示すように、ロータリー現像部3を回転駆動して各現像ユニット3K、3C、3M、3Yをこの順番にコネクタ接続位置に位置決めし、その都度装置本体6に設けたコネクタ34と、各ユニットに取りつけたコネクタ33K、33C、33M、33Yとを接続してデータ転送を行う。これによって各現像ユニットに関するデータが更新記憶される。なお、このデータ更新を行う順序は、後述する取り出し順序には拘束されないので、ここではロータリー現像部3の回転方向に沿った上記順序とすることで、ロータリー現像部3の移動距離を最短として処理時間を短縮している。
【0073】
こうしてデータの更新が終わると、次にC現像ユニットの取り出しを行う(ステップS49)。具体的には、図8に示すステップS61ないしS66のx現像ユニット取り出しルーチンを実行する(x=C、Y、M、K;ここではx=Cと読み替えればよい)。
【0074】
まずステップS61では、各現像ユニットの装着状態に応じてロータリー現像部3の回転速度nを設定する。ここでは全ての現像ユニットが装着されているので、回転速度n1に設定する。その後、この回転速度n1でロータリー現像部3が回転して、C現像ユニット3Cが着脱位置(図3(c)参照)に位置決めされる(ステップS62)。
【0075】
そして、ステップS63で、ユーザ等によってC現像ユニット3Cが着脱専用口321を介して支持フレーム3bから取り出されるのを待つ。ここでも、ユーザが取り出しを行ったか否かはフロントカバーの開閉を検知することで行う。そして、ユーザは、必要に応じ、該現像ユニットを装着したままフロントカバーを閉じてもよい。
【0076】
こうして、フロントカバーが閉じられたことが検知されると、回転速度をn3に設定する(ステップS64)。次に、ロータリー現像部3を回転速度n3で回転駆動してC現像ユニットコネクタ接続位置(つまりK現像ユニット現像位置)に位置決めする(ステップS65)。そして、コネクタ34がロータリー現像部3側に移動する。このとき、上記したステップS63でC現像ユニット3Cが取り出されず、ユニット保持部3bに装着されたままとなっていればコネクタ34はコネクタ33Cと嵌合してEEPROM74に記憶されたデータが読み出されるが、既にC現像ユニット3Cが取り外されていれば、このデータは読み出されることがない。また、C現像ユニット3Cが取り出された後に別の現像ユニットが装着されていれば、ステップS41で読み出し・書き込みを行ったデータとは異なるデータが読み出されることとなる。このことから、CPU11は、コネクタ34を介して読み出されるデータをEEPROM14に記憶されたデータと照合することで、ユーザによってC現像ユニット3Cが取り外されたかどうかを判断する(ステップS66)。
【0077】
このようにしてC現像ユニット3Cの取り出し作業が終了すると、同様にしてY現像ユニット3Y、M現像ユニット3M、K現像ユニット3Kを順番に取り出す(ステップS51〜S55)。ここで、K現像ユニット3Kが取り出されたことが確認されると、前述したように、以後は単色印刷モードの実行が禁止される。なお、カラー印刷モードは、4個の現像ユニットのうちいずれか1つが取り外された時点で実行が禁止されている。
【0078】
そして、各現像ユニットの取り出しが終了すると、その時の支持フレーム3bへの現像ユニット装着状態に応じてロータリー現像部3の回転速度を設定した後(ステップS56)、ロータリー現像部3がHP位置まで回転移動して取り出しシーケンスを終了する(ステップS57)。
【0079】
なお、前述した装着シーケンスと同様に、ユーザはそれぞれの現像ユニットの取り出しが終了した時点で、残りの現像ユニットを取り出す必要がなければ、以後の取り出し作業を省略して取り出しシーケンスを終了させることができる。すなわち、ユーザ操作によって取り出しシーケンス終了が指示されたときは(ステップS50、S52、S54)、CPU11は以後の現像ユニット取り出しルーチンを行わず、直ちに上記のステップS56およびS57を実行して、取り出しシーケンスを終了する。
【0080】
このように、この画像形成装置の現像ユニット取り出しシーケンスでは、エンジンコントローラ1が、各現像ユニット3C、3Y、3M、3Kをこの順序で取り出すべくロータリー現像部3を回転位置決めしているので、ユーザは取り出し順序を意識する必要がなく、着脱位置に位置決めされた現像ユニットを順次取り出すだけでよい。また、前述したように、K現像ユニット3Kが装着されていれば外部装置からの印刷要求に基づく単色印刷動作が許可されており、しかもK現像ユニット3Kの取り出しを、他の現像ユニットを取り出した後に行うように構成しているので、他の現像ユニットの取り出し作業中や、これらの現像ユニットを取り外した後であっても、K現像ユニット3Kを取り外すまではブラック色による単色印刷が可能となっている。
【0081】
5.その他
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、4つの現像ユニット3Y、3M、3C、3Kが図1に示す配列で装着されているが、現像ユニットの配列はこれに限定されるものではなく、他の配列であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態では各現像ユニットの装着状態に応じてロータリー現像部3の回転速度をn1、n2、n3の3段階に変化させているが、回転速度の組み合わせはこれ以外であってもよく、例えばロータリー現像部3への装着個数が0個のときと4個のときとで回転速度を異ならせたり、1個のときと3個のときとで異ならせるようにしてもよい。また、0個または4個の場合とそれ以外の場合とで、高速・低速の2段階に変化させるようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、4つの現像ユニットを支持フレーム3bに装着する構成となっているが、現像ユニットの個数は「4」に限定されるものではなく、2以上の現像ユニットが装着される装置全般に本発明を適用することができる。
【0084】
また、上記実施形態では、各現像ユニット3Y、3M、3C、3Kがロータリー現像部3の軸方向に着脱可能となっているが、ロータリー現像部3の放射方向に現像ユニットが着脱される画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0085】
また、上記実施形態における現像ユニットの装着シーケンスおよび取り出しシーケンスでは、ユーザが予め定められた順序で各現像ユニットの装着・取り出しを行うよう構成されているが、これ以外に、例えば、画像形成装置にディスプレイ表示または音声による報知手段をさらに設け、シーケンスの進行に応じてユーザが行うべき作業をこの報知手段によりユーザに報知するようにしてもよい。このようにすると、装着・取り出し作業がさらに容易かつ確実なものとなり、ユーザフレンドリーな装置とすることができる。
【0086】
また、上記実施形態の画像形成装置では、4色のフルカラー画像用トナーを用いたフルカラー画像と、これらのトナーのうちブラック色のみを用いた単色画像とを形成可能となっているが、他のトナー色による単色画像を形成可能な装置としてもよく、また、4色のうち2色または3色のトナーを用いた多色(2色または3色)カラー印刷を行えるようにしてもよい。そして、このような装置に対して本発明を適用し、その単色または多色印刷用のトナー色に対応した現像ユニットを、他の現像ユニットに優先して装着したり、他の現像ユニットを取り出した後に取り出すようにするとともに、その単色または多色印刷用のトナー色に対応した現像ユニットが装着されているときに印刷動作を許可することで、本発明の効果を得ることができる。
【0087】
また、上記実施形態では、単色印刷のみ可能な(すなわちK現像ユニット3K以外のいずれかの現像ユニットが装着されていない)状態でカラー画像信号が入力されたとき、印刷を禁止するように構成しているが、このとき、例えば、必要に応じてカラー画像信号を白黒画像信号に変換し、ブラック色による単色印刷を実行するようにしてもよい。
【0088】
さらに、上記実施形態にかかる画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印刷するプリンタであるが、本発明は複写機やファクシミリ装置などを含め、電子写真方式の画像形成装置全般に適用することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、この発明の現像ユニット装着方法では、N色印刷モードを実行するために必要なN個の現像ユニットを、他の現像ユニットより優先して装着するので、このN個の現像ユニットの装着を完了した時点でN色印刷モードを実行可能とすることができる。そのため、他の現像ユニットの装着を待たずに画像形成装置のN色印刷用装置としての使用を開始することができる。また、例えば、以後の装着作業を途中で中断して、他の現像ユニットを装着しないままで装置を使用するといった使い方も可能となる。
【0090】
また、この発明の現像ユニット取り出し方法では、N色印刷モードを実行するためのN個の現像ユニットをユニット保持部に残し、それ以外の現像ユニットを優先的に取り出すようにしているので、これらの現像ユニットを取り出す作業中あるいは全て取り出した後であっても、N個の現像ユニットの取り出しを開始する直前まで、画像形成装置をN色印刷装置として継続して使用することが可能となる。
【0091】
また、この発明の画像形成装置では、N色印刷用トナー色に対応したN個の現像ユニットがユニット保持部に装着されているときにはN色印刷モードの実行を許可するように構成しているので、上記N個以外の現像ユニットを装着していなくても、装置をN色印刷装置として使用することが可能である。
【0092】
そして、このような装置において、上記した現像ユニットの装着方法および取り出し方法を適用することによって、上記N個の現像ユニットを装着完了した時点から上記N個の現像ユニットの取り出しを開始する時点まで、N色印刷装置としての使用に供することのできる時間を最大とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一の実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置のエンジンコントローラを示すブロック図である。
【図3】ロータリー現像部の動作を模式的に示す図である。
【図4】図1の画像形成装置の現像ユニット装着シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】現像ユニットの装着手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の画像形成装置における単色印刷シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】図1の画像形成装置の現像ユニット取り出しシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】現像ユニットの取り出し手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジンコントローラ(制御手段)
3…ロータリー現像部
3b…支持フレーム(ユニット保持部)
3Y、3M、3C、3K…現像ユニット
33Y、33M、33C、33K…(ユニット側)コネクタ
34…現像部用共通コネクタ
Claims (7)
- トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットをユニット保持部に装着可能となっており、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行可能な画像形成装置における、前記現像ユニットを前記ユニット保持部に順番に装着する現像ユニットの装着方法において、
前記ユニット保持部を、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを装着するための所定位置に位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程の後に、前記ユニット保持部に前記一の現像ユニットを装着する装着工程と
を交互に実施することで前記現像ユニットを装着し、しかも、
前記M個のうち前記N個の現像ユニットを他の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部へ装着するとともに、前記N個の現像ユニットの装着が完了した時点で前記N色印刷モードの実行を許可する
ことを特徴とする、画像形成装置における現像ユニットの装着方法。 - 前記N個の現像ユニットが装着された状態でユーザ操作によって装着の終了が指示されたときには、以後の現像ユニットを装着するための前記位置決め工程および前記装着工程の実施を中止する請求項1に記載の画像形成装置における現像ユニットの装着方法。
- トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットをユニット保持部に装着可能となっており、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行可能な画像形成装置における、前記現像ユニットを前記ユニット保持部から順番に取り出す現像ユニットの取り出し方法において、
前記ユニット保持部を、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを取り出すための所定位置に位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程の後に、前記ユニット保持部から前記一の現像ユニットを取り出す取り出し工程と
を交互に実施することで前記現像ユニットを取り出し、しかも、
前記M個のうち前記N個の現像ユニット以外の現像ユニットを前記N個の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部から取り出すとともに、前記N個の現像ユニットのいずれかを取り出すまでは前記N色印刷モードの実行を許可する
ことを特徴とする、画像形成装置における現像ユニットの取り出し方法。 - 前記N個の現像ユニットが装着された状態でユーザ操作によって取り出しの終了が指示されたときには、以後の現像ユニットを取り出すための前記位置決め工程および前記取り出し工程の実施を中止する請求項3に記載の画像形成装置における現像ユニットの取り出し方法。
- トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットと、前記M個の現像ユニットを装着可能に構成されたユニット保持部と、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを装着するための所定位置への前記ユニット保持部の位置決めと、前記ユニット保持部への前記一の現像ユニットの装着とを交互に実施する装着シーケンスを実行し、しかも、
前記装着シーケンスでは、前記M個のうち前記N個の現像ユニットを他の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部へ装着するとともに、前記N個の現像ユニットの装着が完了した時点で前記N色印刷モードの実行を許可する
ことを特徴とする画像形成装置。 - トナーを内蔵するM個(M≧2)の現像ユニットと、前記M個の現像ユニットを装着可能に構成されたユニット保持部と、前記ユニット保持部に装着された現像ユニットのうちN個(M>N≧1)の現像ユニットを用いて印刷を実行するN色印刷モードを実行する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、前記M個の現像ユニットのうち一の現像ユニットを装着するための所定位置への前記ユニット保持部の位置決めと、前記ユニット保持部からの前記一の現像ユニットの取り出しとを交互に実施する取り出しシーケンスを実行し、しかも、
前記取り出しシーケンスでは、前記M個のうち前記N個の現像ユニット以外の現像ユニットを前記N個の現像ユニットよりも優先して前記ユニット保持部から取り出すとともに、前記N個の現像ユニットのいずれかを取り出すまでは前記N色印刷モードの実行を許可する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記個数Nが1であり、前記N色印刷モードは単色印刷モードであって、該単色印刷モード用のトナー色が黒色である請求項5または6に記載の画像形成装置。
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