JP4191905B2 - 画像形成方法およびそれに用いられる記録材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる静電像現像用の記録材および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体トナー電子写真プロセスの定着は、大別すると(1)圧力や溶剤を用いた非加熱定着方法、(2)像保持体の広い部分に加熱された空気を供給して定着させるオーブン定着法や光により熱を供給する輻射定着法に代表されるトナー像に直接加熱を行わない非接触加熱定着方法、(3)ヒートロールで熱と圧力を同時に供給する接触加熱方法、の3種がある。電子写真プロセスを用いた複写機やプリンターの多くは熱効率の点などから熱ロール定着が広く使用されるようになっており、結局、前記(2)の非接触加熱定着法、及び前記(3)の熱ロール定着法が主に使われている。
【0003】
そこで、前記(3)の熱ロール定着法についてみると、従来、電子写真方式による画像形成装置では、現像装置によって結着樹脂および着色剤を主成分とするトナー像を転写材上に転写し、定着させることにより画像を得ている。前述の定着における方式は、熱効率に優れ、かつダウンサイジングの点から加熱ローラを直接転写材上のトナー像に圧接することにより定着する方法、すなわち熱ローラ定着方式が広く用いられている。
【0004】
また、近年、省エネという環境への配慮から、定着に用いる熱ローラの消費電力の削減が望まれている。この問題を解決する方法として、定着装置の改良が進み、熱エネルギー効率を更に高めるために、トナー像支持面と接触する側のローラの厚みを0.7mm以下とする試みがなされている。この定着装置により熱エネルギー効率は極めて良くなり、立ち上げ時間の大幅な短縮が可能となった。しかし、ローラが薄くなったために機械的強度が弱くなり、ローラ間に従来の大きさの荷重を加えるとローラが変形するため、ローラに加える荷重は小さくなった。このために、このような装置に用いられるトナー、記録材は、従来とは比較にならないほどの低温定着化が求められている。この点をトナーから改善した例(例えば特開平2−22668号公報、特開平7−77828号公報等)はいくつか見られるが、記録材に焦点を当て工夫した例はほとんどない。定着過程はトナーと記録材の親和性が関係するため、適切な記録材の採用が必要とされる。
【0005】
つぎに前記(2)の非接触加熱定着法についてみると、熱ロール定着では加熱加圧時にトナー層を押しつぶすため、ドットで形成された精細な画像の出力には不向きである一方、非接触加熱定着方法は精細な画像を出力するのに適しており、非接触加熱定着方法に好適なトナーとして、例えば特開平6-282102号公報に示されているガラス転点及び溶融粘度が異なる2種類の樹脂を用いた場合、定着自体は充分に行われているが、好適な画像光沢や色の鮮やかさを得るまでには至っていない。また、特開平10-39539号公報においては、トナー粒子とBET値の関係について規定しているが、同様に画像光沢や色の鮮やかさについての問題があった。
また、非接触加熱定着方法では定着に圧力が加わらないため画像光沢が出にくく、色も鮮やかになりにくい。また、記録材を加圧保持しないため、記録材のしわや横ずれ等の搬送不良が発生しやすいという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、低面圧ローラ定着方法において、省エネルギーで低温定着可能な、記録材のジャムや搬送性、定着不良が少ない良質な画像形成方法、およびそのための記録材を提供することである
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、省エネルギーで低温定着可能な、耐オフセット性に優れ、ジャム、定着不良、搬送性不良の少ない安定した良質な画像形成方法及びそれに用いられる記録材は、記録材の表面平滑性、灰分量、表面電気抵抗等を改善することにより前記の目的が達成されることを見い出した。
【0008】
すなわち、本発明者等は鋭意検討の結果、上記課題はつぎの(1)〜(10)項の本発明、即ち(1)「転写材に形成したトナー像を、2本のローラの間を通すことによって加熱溶融して定着を行なう画像形成方法であって、トナー像支持面と接触する側の定着ローラの伝熱性外周部材厚みが0.7mm以下で、かつ2本のローラ間に加わる面圧(ローラ荷重/接触面積cm)が1.5×10Pa以下のとき、該記録材の表面のベック平滑度が、30〜10000秒で、かつ、灰分が1〜3.1%であることを特徴とする画像形成方法」、(2)「転写工程後に感光体の表面に残留したトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、このクリーニングしたトナーを再び現像部に供給するトナーリサイクルシステムを採用することを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成方法」、(3)「前記記録材が、JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×10〜1×1013Ωであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成方法」、(4)「前記記録材が、普通紙、コート紙および加工紙から選択された紙よりなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成方法」、(5)「前記記録材の片面に樹脂を含有する画像受像層が設けられていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成方法」によって達成される。
【0009】
また、上記第1の課題は、本発明の(6)「転写材に形成したトナー像を、2本のローラの間を通すことによって加熱溶融して定着を行なう画像形成方法に用いられる記録材であって、トナー像支持面と接触する側の定着ローラの伝熱性外周部材厚みが0.7mm以下で、かつ2本のローラ間に加わる面圧(ローラ荷重/接触面積cm)が1.5×10Pa以下のときに用いられる記録材の表面のベック平滑度が、30〜10000秒で、かつ、灰分が1〜3.1%であることを特徴とする低面圧定着用記録材」、(7)「転写工程後に感光体の表面に残留したトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、このクリーニングしたトナーを再び現像部に供給するトナーリサイクルシステムを採用することを特徴とする画像形成方法に用いられる前記第(6)項に記載の低面圧定着用記録材」、(8)「前記記録材が、JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×10〜1×1013Ωであることを特徴とする前記第(6)項又は第(7)項に記載の低面圧定着用記録材」、(9)「前記記録材が、普通紙、コート紙および加工紙から選択された紙よりなることを特徴とする前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の低面圧定着用記録材」、(10)「前記記録材の片面に樹脂を含有する画像受像層が設けられていることを特徴とする前記第(6)項乃至第(9)項のいずれかに記載の低面圧定着用記録材」によって達成される。
【0013】
以下、詳細に本発明を説明する、ベック平滑度が、30〜10000秒で、かつ、灰分が1〜3.1%である記録材を用いることによって、本発明の課題が達成される。
その理由として、ベック平滑度30秒未満の比較的粗い記録材では画像品質は比較的良いが、手で触れたとき表面がざらざらして記録材としての風合いがザラザラで悪く、また、トナー付着量の多い部分で、濃度均一性、モトルが低下する。さらにジャムが発生しやすいという問題がある。また、10000秒以上の極めて平滑性の良い記録材を用いた場合、トナーの定着性が悪くなるという問題があり、かつ、記録材表面の空隙力が低く、給紙、排紙不良等の走行不良や定着不良などが発生するため好ましくない。
30〜10000秒では、トナーと記録材の親和性が良く、熱の伝達に優れ、定着の安定性向上が図れる。また、熱効率が良いためトナーに必要以上の熱を与えずに済むため、耐オフセット性が向上する。
【0015】
灰分については低い方が硬度はでやすい。填料(クレー、タルク、炭酸カルシウム等)を1〜40%(対パルプ重量比)添加し吸湿性(率)を抑え、さらに、填料によって繊維間結合を抑え、記録材に空隙を与えて収縮および膨張力を小さくすることにより、記録材の表面を整え、光沢の高い、色の鮮やかさの良い画像が形成できる。
しかし、白色で印字画像の裏写りが少なく、中間調領域のざらつきがない記録材とするため、灰分は1〜40%であることが必要である。1%未満では硬度は出るが、表面性が悪くなりコピー画像及び印刷画像の解像度が低下する。また、ジャムも発生しやすい。また、40%以上では、記録材の表面の空隙を填料が埋めるような形となるため記録材の表面性(平滑性)は良くなるが、填料比率が増加するため記録材の腰(クラーク硬度)が低下して搬送性不良が発生しやすい。そのため、記録材の平滑度は、35〜5000秒、かつ灰分は1〜3.1%の範囲にあることが望ましい。
【0016】
また、該トナーの140℃での溶融粘度を120mPas・sec以下にすることで、特に第2群の本発明の場合、例えば150℃程度の温度で定着する際、トナーの粘度が充分低くなり、定着領域にトナー像が入ってきてトナー表面が溶融し、光沢を高くし、色を鮮明化することができる。
【0017】
一方、特に本発明の場合、転写工程後に感光体の表面に残留したトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、このクリーニングしたトナーを再び現像部に供給するトナーリサイクルシステムを採用したとき、トナー中に紙分等の記録材表面剥離物が混入しジャムが発生しやすくなるが、上記のベック平滑度が、30〜10000秒で、かつ、灰分が1〜3.1%である記録材を用いることで紙粉等の発生を抑え、ジャム、搬送性不良を回避できる。
【0018】
また、前記記録材のJIS K 6911による表面電気抵抗率が1×10Ω未満では、例えば80%RHという湿度の高い条件でトナーの転写効率が低下し、印字濃度が低下する。逆に1×1013Ωを越える場合、20%RHという湿度の低い条件で画像周辺にトナーが飛散したり、地肌汚れが発生し、色の鮮やかさが低下する。
【0019】
また、前記記録材は、普通紙、コート紙および加工紙から選択された紙により構成することができ、それにより良好な画像を形成できる。具体的には、化学パルプ、古紙パルプ等が使用できる。
化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材およびその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが好ましく、さらに白色度の高いものが好ましい。
また、古紙パルプとしては、例えば製本、印刷工場、裁断所等において発生する裁落、損紙、幅落しした古紙である上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凸版および凹版印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙パルプ、および水性、油性インクや鉛筆等で筆記した古紙パルプ、新聞古紙を解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ、比較的脱墨が容易な平板印刷された古紙パルプが好ましく、その中でもさらに白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0020】
また、前記記録材の片面に樹脂を含有する画像受像層を設けることで、トナーとの親和性を高め、定着安定性を向上させることができる。親和性が高まることで、定着後の画像表面の表面性が向上し光沢が高くなる。例えば、変性シリコーン樹脂または硬化性シリコーン樹脂を含有する画像受像層で、変性シリコーン樹脂または硬化性シリコーン樹脂と共に他の樹脂を併用するのが好ましく、特に、使用する樹脂が画像支持体の使用に際して、画像形成材料と同種の樹脂となっているのが好ましい。また、変性シリコーン樹脂または硬化性シリコーン樹脂と共に用いられる樹脂は、定着温度において画像形成材料と共に溶融するものであって、その溶融粘度が画像形成材料より低いことが好ましい。
【0021】
本発明において使用することができる樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−プロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
【0022】
本発明の記録材が適用される定着方法は、2本のローラの間を通すことによって加熱溶融して定着を行なう画像形成方法であって、トナー像支持面と接触する側の伝熱性、好ましくは金属製の定着ローラの外周部材厚みが0.7mm以下で、かつ2本のローラ間に加わる面圧(ローラ荷重/接触面積cm)が1.5×10Pa以下となる方法である。
【0023】
本発明で用いられるトナー材料については、限定されず条件を満たせば公知の材料が使用できる。
本発明で用いるトナーの主成分樹脂は特に限定されるものではなく、スチレン/アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。分子量分布は、1山分布、2山以上分布の両方が用いられるが、分子量が40万以上である高分子量成分及びTHF不溶のゲル分の総和は樹脂全体の10wt%以下が好ましい。より好ましくは3wt%以下、特に好ましくは1wt%以下である。
【0024】
さらに、光沢性を高める上では、少なくとも(a)エポキシ樹脂、(b)2価フェノール、および(c)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテルを反応して合成された、主鎖にポリオキシアルキレン部をするポリオール樹脂を結着樹脂として用いることが好適である。ここで、エポキシ樹脂は好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを反応させて得られたものであり、2価フェノールはビスフェノールAやビスフェノールFが挙げられる。また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテルはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた生成物をエピクロロヒドリンやβメチルエピクロロヒドリンでグリシジルエーテルにしても良い。また、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、p−クミルフェノール等の一価フェノールを反応させても良い。
本発明で用いられる材料については限定されず条件を満たせば公知の材料が使用できる。
【0025】
着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0026】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0027】
本発明において、荷電制御剤の使用量はバインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。0.1重量部未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0028】
本発明で用いるトナーは、本質的に上述のバインダー樹脂、着色剤及び帯電制御剤よりなるが、所望ならばこれに更にワックスその他の成分を含有させることができる。ワックス類としては、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができる。具体例としては、オレフィン系ワックス、特に好ましくは低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石鹸等が好ましい。その使用量はバインダー、着色剤により異なるが、バインダー樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましい。
【0029】
滑剤としては、DSC測定において50〜130℃、特に好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは65〜90℃の範囲に吸熱ピークを有し、かつ、該吸熱ピークの半幅値が15℃以下、特に好ましくは10℃以下であるものが好ましい。さらに好ましくは、上記条件を満たし、一般式(1)で示される構造を有するものが挙げられる。
【0030】
【化1】
1−CO−R2 (1)
(式中、R1は炭素数10以上のアルキル基またはアルコキシル基を示し、R2は−X−COOR3(Xはアルキレン基を示し、R3は炭素数10以上のアルキル基を示す。)または炭素数10以上のアルキル基を示す。)
【0031】
1はアルキル基またはアルコキシル基であり、炭素数はそれぞれ10以上、好ましくは16以上、さらに好ましくは20以上である。R2は−X−COOR3、好ましくはXが−(CH2)n−で示され、nが6以上の直鎖アルキレン基であり、R3が炭素数20以上のアルキル基である。あるいは、R2は炭素数10以上、好ましくは16以上のアルキル基である。特に好ましくは炭素数20以上のアルキル基である。R2が−X−COOR3のときはR1はアルコキシル基(すなわちジエステル)であることが好ましい。
【0032】
具体例としては、ジ−n−デシルケトン、ジ−n−ドデシルケトン、ジ−n−ステアリルケトン、ジ−n−イコシルケトン、ジ−n−ベヘニルケトン、ジ−n−テトラコシルケトン等の脂肪族ケトン類;セバシン酸ジドデシル、セバシン酸ジステアリル、セバシン酸ジベヘニル等の脂肪酸ジエステル類、ラウリン酸ステアリル、ラウリン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の脂肪酸モノエステル類等が挙げられる。これらの混合物も好適であるが、このとき、DSCの吸熱ピークの半幅値が15℃以下であることが必要である。中でも分子中の全炭素数が36以上であるものが特に好ましく、さらに上記具体例の中でも脂肪族ケトン類が特に良好である。その使用量はバインダー、着色剤により異なるが、バインダー樹脂100重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは2〜10重量部である。
【0033】
また、添加物としては、例えばシリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
特に好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、アルミナ微粒子が挙げられる。シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21(以上ヘキスト)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)がある。また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル)やSTT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B(以上テイカ)等がある。特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル)やSTT−30A、STT−65S−S(以上チタン工業)、TAF−500T、TAF−1500T(以上富士チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)などがある。疎水化処理されたシリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、またはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル、シリコーンワニス等のオルガノポリシロキサン等で処理して得ることができる。
【0034】
上述した各成分から本発明に係るトナーを製造するには、粉砕法、重合法とも常法に従って行なうことができる。例えば、まず樹脂、着色剤、帯電制御剤、更に必要に応じて添加されるワックス等を混合機で均一に分散混合し、次いで混合物を密閉式ニーダー、又は1軸若しくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッシャー、ハンマーミル等で粗砕し、ジェットミル、高速ローター回転ミル等で細粉砕し、風力分級機(例えば、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレーターなど)等で分級する方法が採用される。
【0035】
本発明においては、トナー単独で現像剤となし静電潜像を顕像化する、いわゆる一成分現像法で現像してもよいし、トナーとキャリアを混合してなる二成分現像剤を用いて静電潜像を顕像化する二成分現像法で現像してもよい。
【0036】
本発明でトナーを2成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア、ガラスビーズ等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、またはこれら樹脂の混合物等が利用できる。
【0037】
また、本発明に係るトナーは更に磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。本発明の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物等が挙げられる。
【0038】
これら磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し約40〜150重量部である。
【0039】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。なお、以下の実施例および比較例において部、%は重量によるものである。
【0040】
本発明について実施例1、2を参考例1〜4、比較例1〜6と対照して説明する。
本発明について〕
実施例1
以下の製造処方を用いた。
(A)叩解度500CSFのL−BKP 100%
(B)内添薬品として、タルク8%(対パルプ重量比)、ロジンサイズ剤1%、硫酸バンド5%、表面サイズ剤として酸化デンプン0.5g/m、NaCl 0.25%
そして、プレス加圧力を10〜40kg/mと極力低めに設定し、キャレンダ自重通しで長網抄紙を用いて抄紙速度400m/minで坪量67g/mの厚紙を抄造した。
この記録材の平滑度、灰分、表面電気抵抗数特性を測定し、表1に示した。
【0041】
参考例1
合成ベーマイトゾル100重量部に、重合度500でケン化度99mol%のポリビニルアルコール11重量部を加え、さらに水を加えて固形分濃度18重量%の塗工液を調製した。この塗工液を坪量127g/mの上質紙に乾燥塗工量15g/mになるようにバーコーターを用いて塗工した。塗工直後の水分量(水分/固形分)は456%であった。これを乾燥して水分量を250%まで減じた。これを90℃に加熱した鏡面を有する型に線圧10kg/cmで密着させて乾燥させた後、剥離して光沢のある塗工層を有する光沢紙を得た。この記録材の平滑度、灰分、表面電気抵抗数特性を測定し、表1に示した。
【0042】
参考例2
ポリエステル樹脂10部、シリコーンポリエステルワニス(変性シリコーン樹脂)8.6部、白色顔料として酸化チタン4.5部にトルエン20部を加えてサンドミル分散機で充分攪拌し、画像受像層形成用塗布液を作製した。この塗布液を上質紙に滴下し、バーコーターを用いて塗工した。塗工後、100℃で10分間乾燥し、普通紙上に画像受像層を形成した。この記録材の平滑度、灰分、表面電気抵抗数特性を測定し、表1に示した。
【0043】
実施例2、参考例3、4
実施例1、参考例1〜2の記録材を使用し、トナーリサイクルシステムを採用した(表1)。
【0044】
比較例1〜4
実施例1と同一組成で諸物理特性の異なった紙を調整した。この記録材の平滑度、灰分、表面電気抵抗数特性を測定し、結果を表1に示した。
【0045】
上記の記録材の平滑度は、JIS P8119に従って記録材の表裏について測定した。なお、表1に記載の平滑度は、印刷画像との「ざらつき」との対応をとるため、各試料の印刷される側の面の平滑度を記載した。
【0046】
上記の記録材の灰分は、JIS P8128を参考にして測定した。試験片は、JIS P8128に従って調製し、500℃で3時間燃焼させた後の残さ物の重量(W)を秤量し、乾燥試験片の質量(S)に対する割合(W/S)を百分率で表わした。
【0047】
表面電気抵抗値は(株)川口電機製作所製の常温測定箱(RC−02)及び超絶縁計(R−503)を使用し、印加電圧を100Vに設定し、Jis 8111の方法により試験片を前処理し、各々前処理と同じ条件でJIS 6911の表面抵抗率に準じた方法により測定した。
【0048】
〔実機評価〕
リコー製複写機MF200の定着部を改造して、1000枚印字テストを行なった。定着ローラはトナー像支持面と接触する側の定着ローラの厚み0.5mm、ローラ荷重/接触面積が1.2×105Paの定着機を用いた。画質、ジャム発生の有無、給紙、排紙等の搬送性不良、オフセット、スミヤ等の定着性の評価を行ない、各評価で、良好なものは○、悪いが使用可能なものは△、悪く使用不可なものは×として表1に示した。
【0049】
【表1】
Figure 0004191905
【0050】
上記結果から、本発明により、低面圧定着を含む静電方式画像形成法であって、記録材の表面電気抵抗が高く低消費電力で、平滑性に優れジャムや搬送性、定着不良が少なく、画質の良好な画像形成方法及びそのための記録材が提供されることが判る。
【0073】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明により、低消費電力で低面圧定着を含む静電方式画像形成方法において、記録材のジャムや搬送性、定着不良が少なく、画質の良好な画像形成方法及びそのための記録材が提供することができる

Claims (10)

  1. 転写材に形成したトナー像を、2本のローラの間を通すことによって加熱溶融して定着を行なう画像形成方法であって、トナー像支持面と接触する側の定着ローラの伝熱性外周部材厚みが0.7mm以下で、かつ2本のローラ間に加わる面圧(ローラ荷重/接触面積cm)が1.5×10Pa以下のとき、該記録材の表面のベック平滑度が、30〜10000秒で、かつ、灰分が1〜3.1%であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 転写工程後に感光体の表面に残留したトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、このクリーニングしたトナーを再び現像部に供給するトナーリサイクルシステムを採用することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記記録材が、JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×10〜1×1013Ωであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記記録材が、普通紙、コート紙および加工紙から選択された紙よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記記録材の片面に樹脂を含有する画像受像層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 転写材に形成したトナー像を、2本のローラの間を通すことによって加熱溶融して定着を行なう画像形成方法に用いられる記録材であって、トナー像支持面と接触する側の定着ローラの伝熱性外周部材厚みが0.7mm以下で、かつ2本のローラ間に加わる面圧(ローラ荷重/接触面積cm)が1.5×10Pa以下のときに用いられる記録材の表面のベック平滑度が、30〜10000秒で、かつ、灰分が1〜3.1%であることを特徴とする低面圧定着用記録材。
  7. 転写工程後に感光体の表面に残留したトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、このクリーニングしたトナーを再び現像部に供給するトナーリサイクルシステムを採用することを特徴とする画像形成方法に用いられる請求項6に記載の低面圧定着用記録材。
  8. 前記記録材が、JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×10〜1×1013Ωであることを特徴とする請求項6又は7に記載の低面圧定着用記録材。
  9. 前記記録材が、普通紙、コート紙および加工紙から選択された紙よりなることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の低面圧定着用記録材。
  10. 前記記録材の片面に樹脂を含有する画像受像層が設けられていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の低面圧定着用記録材。
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