JP4190061B2 - 壁装用帯状材スリッター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下一対の回転刃によって壁装用帯状材の端部を搬送しながら搬送方向に沿って剪断する壁装用帯状材スリッターに関するものであり、特に回転刃を固定するボス部のロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の壁装用帯状材スリッターとしては、次のものが一般的に知られている。上下一対の回転刃は、夫々軸支されるシャフト上を摺動可能になっており、搬送される壁装用帯状材の幅に応じて位置決めされてシャフトに固定される。そして、モータ等により各シャフトを回転駆動させることにより上下一対の回転刃を互いに逆方向に回転させながら、壁装シート等の壁装用帯状材を搬送する。これにより、壁装シート等の端部が、搬送方向に沿って剪断されるようになっている。
【0003】
ここで、各回転刃のシャフトへの固定は、次のように行われる。各回転刃は、回転刃をシャフトに固定するためのボス部に取り付けられており、ボス部には所定の位置に孔部が設けられている。そして、この孔部にロックネジを締着することにより、ボス部内壁面をシャフトの外周に当接させてボス部をシャフトに固定し、この結果回転刃がシャフトに固定されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の壁装用帯状材スリッターには、次のような問題点がある。
【0005】
回転刃のシャフトへの固定は、ボス部内壁面がシャフト外周に当接することにより行われる。しかし、シャフト外周面はシャフトの回転方向に沿った曲面をなしているため、シャフトを回転させると、シャフトとボス部との間に摩擦が生じやすい。このため、長時間シャフトを回転させて壁装シート等の剪断作業を行うと、シャフトが摩耗してその径が小さくなり、回転刃の回転に支障を生じたり、回転刃の位置がずれる等の不具合が生じ、壁装シート等の剪断作業を円滑に行うことができないという問題がある。
【0006】
また、従来の壁装用帯状材スリッターでは、ロックネジを用いて回転刃を取り付けたボス部をシャフト上に固定しているので、壁装用帯状材の搬送中にロックネジが緩んでしまう場合がある。この場合、回転刃が壁装用帯状材の剪断すべき端部の位置からずれてしまい、壁装用帯状材の端部を正確に剪断できないという問題がある。
【0007】
更に、ロックネジを用いてボス部をシャフトにロックしているため、工具によるロックネジの締着作業が必要となり、ボス部のロック作業や、壁装用帯状材の幅に対応させて剪断位置を調整作業が煩雑となるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、長期間の使用でもシャフトが摩耗せず、円滑な剪断作業を行える壁装用帯状材スリッターを提供することを主な目的とする。また、本発明の別の目的は、常に壁装用帯状材の正確な位置での剪断を行える壁装用帯状材スリッターを提供することである。更に、本発明の別の目的は、ボス部のシャフトへのロック及びロック解除をワンタッチ式に行い、簡便な操作及び調整を行える壁装用帯状材スリッターを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、回転駆動される上下一対の回転刃と、夫々の回転刃を軸支するシャフトと、各回転刃を夫々のシャフトに固定する各ボス部とを備え、壁装用帯状材の端部を搬送しながら搬送方向に沿って剪断する壁装用帯状材スリッターであって、前記各ボス部のうち一方のボス部は、上下一対の回転刃のうちの一方の回転刃が取り付けられて該一方の回転刃とともに対応するシャフトを摺動可能な取付ボスを有し、他方のボス部は、他方の回転刃が取り付けられて該他方の回転刃とともに対応するシャフトを摺動可能な取付ボスと同シャフトを摺動可能な固定ボスと、この固定ボスと取付ボスとの間に介在して両者間に弾発力を作用させて他方の回転刃を一方の回転刃に押圧させる回転刃押圧用弾性部材とを有し、前記各シャフトは、外周面側に平坦部を有し、前記一方の回転刃の取付ボス及び他方の回転刃の固定ボスは、支点を中心にシャフト軸方向に沿って傾動してシャフトの前記平坦部と当接して前記取付ボス及び固定ボスとシャフトとの相対移動を阻止するロック部材と、前記ロック部材を前記傾動方向に付勢するロック用弾性部材と、前記ロック用弾性部材の付勢力に抗して、前記傾動方向と逆方向に押し込み操作されることにより前記ロック部材とシャフトの前記平坦部との当接を解除するロック解除レバーと、を備え、前記ロック部材と前記ロック解除レバーとは、一体形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明は、各シャフトがそ外周面側に平坦部を有し、当該平坦部にロック部材が当接してボス部とシャフトとの相対移動を阻止する。即ち、ロック部材は、シャフトの回転方向とは無関係な平坦部に当接するので、シャフトを回転させても、ロック部材とシャフト平坦部との間に摩擦は生じにくく、ロック部材のシャフト平坦部への固定は確実なものとなる。このため、シャフト回転中にシャフトが摩耗することを回避でき、壁装用帯状材スリッターを長期間使用しても、回転刃の回転に不具合を生じたり、回転刃の位置がずれたりすることはない。従って、使用中にボス部とシャフトとの間に摩擦が生じやすい従来の壁装用帯状材スリッターに比べて、円滑な剪断作業を行うことが可能となる。
【0011】
本発明のシャフトの平坦部は、ロック部材との当接部分が平坦であれば、その構成は特に限定されるものではない。例えば、ロック部材との当接部分のみに平坦部を有する他、回転刃の位置決めされる範囲を考慮して、シャフトの軸方向に亘り平坦部を有するように構成してもよい。
【0012】
また、シャフトの平坦部は、シャフトの外周面側にあればその構成は限定されるものではない。例えば、シャフト外周面の一部を平面的にカットしてそのカット面を平坦部として構成する他、ロック部材のシャフトへのロックを更に確実なものとすべく、シャフト外周面に凹部を設け、その凹部内壁底面を平坦部としてロック部材と当接するように構成してもよい。
【0013】
また、ロック部材は、シャフトの平坦部と当接してボス部とシャフトとの相対移動を阻止するものであれば、本請求項に係る発明ではその構成は特に限定しない。例えば、ロック部材を、その下端面をシャフト平坦部に当接させるべく、ロックネジを用いて固定したり、ワンタッチ式に固定できるようにしても良い。
【0014】
尚、壁装用帯状材は、例えば、壁装シート、壁装クロス等のようなものが該当する。
【0015】
本発明は、前記ロック部材は、支点を中心に傾動して、シャフトの前記平坦部と当接するものであり、前記一方の回転刃の取付ボス及び他方の回転刃の固定ボスには、前記ロック部材を前記傾動方向に付勢するロック用弾性部材と、前記ロック用弾性部材の付勢力に抗して、前記傾動方向と逆方向に押し込み操作されることにより前記ロック部材とシャフトの前記平坦部との当接を解除するロック解除レバーと、を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明は、ロック部材が支点を中心に傾動したときに、ロック部材がシャフト外周面側の平坦部と当接してボスとシャフトとの相対移動が阻止される。ここで、傾動方向は、シャフトの平坦部側の方向であり、ロック部材が傾動することによりロック部材の端面がシャフトの平坦部と当接し、ボスがシャフトに固定されてロック状態となる。また、ロック用弾性部材は、ロック部材を傾動方向に付勢している。このため、本発明では、ロック部材とロック用弾性部材によって、シャフトとボスとの相対移動が不可能にロックされた状態となり、壁装用帯状材の搬送中に回転刃の位置がずれることはない。従って、ロックネジによりボスをシャフトに固定する従来の壁装用帯状材スリッターに比べて、常に正確な壁装用帯状材の端部の剪断が可能となる。
【0017】
また、本発明では、ロック解除レバーによって、ロック部材をロック用弾性部材の付勢力に抗して傾動方向とは逆方向に押し込み操作させることが可能である。これにより、ロック用弾性部材の付勢力によるボスのシャフトに対するロック状態が解除される。即ち、シャフトとボスとの相対移動のロックとロック解除をロック部材のロック用弾性部材による傾動と、ロック解除レバーによるロック部材の押し込み操作のみによってワンタッチ式に行うので、ネジ回し等の工具が不要となり、ボスのシャフトへのロック操作や、壁装用帯状材の幅に対応させるための調整作業を簡便に行うことができる。
【0018】
ここで、ロック弾性部材は、ロック部材を傾動方向に付勢するものであれば、その構成は限定されるものではない。このような弾性部材としては、スプリング、ゴム等が挙げられる。
【0019】
また、ロック部材は、支点を中心として傾動可能なものであればその構成は特に限定されることはない。このようなロック部材としては、支点とすべき部分をボス部に枢支したものや、当該支点をロックピン等により枢支したものが挙げられる。
【0020】
本発明は、前記他方の回転刃が取り付けられて該他方の回転刃とともに対応するシャフトを摺動可能な取付ボスと同シャフトを摺動可能な固定ボスとの間に介在して、両者間に弾発力を作用させる回転刃押圧用弾性部材を更に備え、前記ロック部材は、前記回転刃押圧用弾性部材の弾発力に抗して前記ボス部の移動を阻止するものであることを特徴とする。
【0021】
本発明は、回転刃押圧用弾性部材によって、回転刃とボス部との間に弾発力を作用させて、一方の回転刃を他方の回転刃に押圧させている。そして、ロック部材によって回転刃押圧用弾性部材の弾発力に抗してボス部の移動を阻止し、前記ロック用弾性部材によって、シャフトとボス部とのロック状態を維持している。このため、本発明では、一対の回転刃を常に正確な剪断位置で互いに接触した状態を維持できる。
【0022】
本発明の回転刃押圧用弾性部材は、回転刃とボス部との間に介在し、両者間に弾発力を作用させるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。例えば、このような回転刃押圧用弾性部材をシャフトの軸方向に沿って設けたスプリング等として構成することができる。また、回転刃押圧用弾性部材は、夫々の回転刃ごとに夫々のボス部間に介在させて構成することができるが、一方の回転刃と対応するボス部との間にのみ介在させて構成してもよい。他方の回転刃の位置が固定されていれば、一方の回転刃からの押圧のみによって、両回転刃は接触した状態を維持できるからである。
【0023】
本発明は、前記ロック部材と前記ロック解除レバーとは、一体形成されていることを特徴とする。
【0024】
本発明では、ロック部材とロック解除レバーとが一体形成されているので、ボス部のシャフトへのロックとロック解除を一つの部材で行うことができるため操作がより簡便になる。また、構造が簡易となるため、製造コストの低減が図られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態について、以下図示例とともに説明する。図1は、本実施形態に係るクロススリッターの構成図を示している。本実施形態に係るクロススリッターは、壁紙糊付け機に用いられ、壁装用帯状材としてのクロスの両端をクロスロール(図示せず)で搬送しながら、クロスの両端を剪断するものである。
【0026】
図1に示す通り、本実施形態のクロススリッターは、上下一対の回転刃を有し、上段部は、回転駆動される上刃1と上刃1を軸支する上刃用シャフト2と、上刃1を取り付けた上刃取付ボス5とから概略構成される。また、下段部は、回転駆動される下刃7と、下刃7を軸支する下刃用シャフト9と、下刃7を取り付けた下刃取付ボス8と、下刃7を下刃用シャフト9に固定する下刃固定ボス11と、下刃固定ボス11と下刃取付ボス8との間に介在して設けられ、下刃用シャフト9の軸方向に伸縮する下刃固定バネ10とから概略構成される。尚、図1では、クロススリッターの一方端のみの構成を示しているが、他端の構成は図1に示す構造と対称となっているため、説明を省略する。
【0027】
上刃1と下刃7は、本発明の上下一対の回転刃を構成するものである。上刃1は上刃取付ボス5とともに、上刃用シャフト2を摺動可能となっており、下刃7は下刃取付ボス8とともに、下刃用シャフト9を摺動可能となっている。
【0028】
上刃用シャフト2と下刃用シャフト9は、図1(b)に示すように、夫々の図1(b)における外周面の上部が軸方向に亘り平面にカットされた平坦部12を有している(以下、この平坦部を「Dカット面」という。)。この平坦部12には、後述するロックレバー3の下端部が当接することにより、各回転刃が各シャフトにロックされる。このため、各シャフトを回転させても、シャフトとロック部材との間に摩擦が生じにくく、シャフトが摩耗することはない。
【0029】
上刃取付ボス5は、本発明のボス部を構成し、上刃1を上刃用シャフト2に固定するものである。上刃取付ボス5には、ロックピン6aに枢支されたロックレバー3aが設けられている。ロックレバー3aは、本発明のロック部材を構成するとともに、本発明のロック解除レバーを構成する。即ち、本実施形態のロックレバー3aは、本発明のロック部材とロック解除レバーとが一体形成されたものとなっている。このロックレバー3aは、ロックピン6aを支点として矢印C方向とその逆方向である矢印D方向に傾動可能となっている。
【0030】
ロックレバー3aが、矢印C方向に傾動したときには、ロックレバー3aの下端面が上刃用シャフト2の外周のDカット面12aに当接し、上刃1及び上刃取付ボス5の矢印A方向への移動を阻止して、上刃取付ボス5が上刃用シャフト2にロックされ、上刃1が上刃用シャフト2上で固定される。
【0031】
一方、ロックレバー3aが矢印D方向に傾動したときには、ロックレバー3aの下端面が上刃用シャフト外周のDカット面12aから離れ、上刃取付ボス5のA方向へ移動が許容されるようになっている。
【0032】
上刃取付ボス5には、更に本発明のロック用弾性部材を構成するロックバネ4aが設けられている。ロックバネ4aは、その弾性力によってロックレバー3aを矢印E方向、即ち、ロックピン6aを支点としてロックレバー3aを下端面を上刃用シャフト2の外周のDカット面12aに当接する方向に常に付勢している。このため、ロックバネ4aによる矢印E方向の付勢力により、上刃用シャフト2に対するロックレバー3aの傾動によるロック作用は、方向性をもつことになり、例えば、上刃用シャフト2に対して上刃取付ボス5が矢印A方向に移動しようとするときに特に強いロック作用が働く。これによって、常にロックレバー3aの下端面は上刃用シャフト外周のDカット面12aに当接して、簡単に離れることはない。従って、クロスの搬送中に、上刃取付ボス5が移動して上刃1の位置がずれることはなく、クロス端部の正確な位置での剪断が可能となる。
【0033】
尚、ロックレバー3aがC方向、D方向のいずれに傾動した場合でも、上刃1及び上刃取付ボス5は、後述する下刃7と下刃固定バネ10からの弾発力により、矢印B方向への移動は阻止される。
【0034】
一方、傾動状態にあるロックレバー3aを、ロックバネ4aの矢印E方向への付勢力に対抗して、矢印E方向と逆方向に押し込むことにより、ロックレバー3aがロックピン6aを支点として矢印Cから矢印Dの方向に傾動し、上刃取付ボス5と上刃用シャフト2とのロック状態が解除される。その結果、上刃取付ボス5は、上刃用シャフト2上を矢印A方向に自由に移動可能となる。このため、使用するクロスの幅等により、上刃1を移動してクロスの剪断位置を調整する場合でも、ロックレバー3aをワンタッチ式に戻せば、簡単に調整することができる。
【0035】
下刃固定バネ10は、本発明の回転刃押圧用弾性部材を構成し、その両端は下刃固定ボス11と下刃取付ボス8とに夫々当接している。そして、下刃固定バネ10の弾発力により、下刃取付ボス8を矢印B方向に押圧し、このため、下刃7が常に上刃1に接触して、クロスの剪断を確実なものとするようになっている。
【0036】
下刃固定ボス11は、本発明のボス部を構成するものであり、上刃取付ボス5と同様にロックレバー3b、ロックピン6b及びロックバネ4bが設けられている。ロックレバー3bは、上刃取付ボス5のロックレバー3aと同様に、ロックピン6bを支点として矢印C方向とその逆方向である矢印D方向に傾動可能となっており、ロックレバー3bが、矢印C方向に傾動したときには、ロックレバー3bの下端面が下刃用シャフト9の外周のDカット面12bに当接し、下刃7及び下刃取付ボス8の矢印A方向への移動を阻止して、下刃取付ボス8が下刃用シャフト9にロックされ、下刃7が下刃用シャフト9上で固定される。
【0037】
一方、ロックレバー3bが矢印D方向に傾動したときには、ロックレバー3bの下端面が下刃用シャフト外周のDカット面12bから離れ、下刃固定ボス11のA方向へ移動が許容されるようになっている。
【0038】
ロックバネ4bは、上刃取付ボス5のロックバネ4aと同様に、弾性力によってロックレバー3bを矢印E方向(ロックピン6bを支点としてロックレバー3bを下端面を下刃用シャフト9外周のDカット面12bに当接する方向)に常に付勢している。このため、ロックバネ4bによる矢印E方向の付勢力により、下刃用シャフト9に対するロックレバー3bの傾動によるロック作用は、方向性をもつことになり、例えば、下刃固定バネ10の弾発力により下刃用シャフト9に対して下刃固定ボス11が矢印A方向に移動しようとするときに特に強いロック作用が働き、下刃用シャフト9に対して下刃固定ボス11が矢印B方向に移動しようとするときにはロック作用は比較的弱くなる。これによって、常にロックレバー3bの下端面は下刃用シャフト外周のDカット面12bに当接して、簡単に離れることはない。従って、クロスの搬送中に、下刃固定ボス11が移動して上刃1の位置がずれることはなく、クロス端部の正確な位置での剪断が可能となる。
【0039】
一方、上刃取付ボスと同様に、傾動状態にあるロックレバー3bを、ロックバネ4bの矢印E方向への付勢力に対抗して、矢印E方向と逆方向に押し込むことにより、ロックレバー3bがロックピン6bを支点として矢印Cから矢印Dの方向に傾動し、下刃固定ボス11と下刃用シャフト9とのロック状態が解除され、下刃固定ボス11は、下刃用シャフト9上を矢印A方向に自由に移動可能となる。このため、使用するクロスの幅等により、下刃7を移動してクロスの剪断位置を調整する場合でも、ロックレバー3bをワンタッチ式に戻せば、簡単に調整することができる。
【0040】
このように、ロックレバー3bをワンタッチ式に上刃取付ボス5及び下刃固定ボス11を各シャフトにロックし、また、ワンタッチ式にロックレバー3bを矢印E方向と逆方向に押し込むことにより、各ボスのロックを解除できるので、操作が非常に簡便となり、また幅の異なるクロスの端部を剪断したり、剪断位置を変更する場合にも、上刃1及び下刃7のシャフト上での位置を簡便に調整することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る発明では、各シャフトが外周面側に平坦部を有し、各ボス部は、シャフトの前記平坦部と当接してボス部とシャフトとの相対移動を阻止するロック部材を備えているので、シャフトを回転させても、ロック部材とシャフトの間に摩擦は生じないため、シャフト径に変動せず、円滑な剪断作業を行えるという効果がある。
【0042】
本発明では、ロック部材が、支点を中心に傾動し、シャフトの平坦部と当接してボスとシャフトとの相対移動を阻止するものであり、ロック部材を傾動方向に付勢するロック用弾性部材と、ロック用弾性部材の付勢力に抗して、前記傾動方向と逆方向に押し込み操作されることによりロック部材とシャフトの平坦部との当接を解除するロック解除レバーとを備えているため、シャフトとボスとの相対移動が不可能にロックされた状態となり、壁装用帯状材の搬送中に回転刃の位置がずれることはなく、常に正確な壁装用帯状材の端部の剪断ができるという効果がある。
【0043】
また、本発明では、シャフトとボスとの相対移動のロックとロック解除をロック部材のロック用弾性部材による傾動と、ロック解除レバーによるロック部材の押し込み操作のみによってワンタッチ式に行うので、ネジ回し等の工具が不要となり、ボスのシャフトへのロック操作や、壁装用帯状材の幅に対応させるための調整作業を簡便に行えるという効果がある。
【0044】
本発明は、前記他方の回転刃が取り付けられて該他方の回転刃とともに対応するシャフトを摺動可能な取付ボスと同シャフトを摺動可能な固定ボスとの間に介在して、両者間に弾発力を作用させる回転刃押圧用弾性部材を更に備え、ロック部材は、回転刃押圧用弾性部材の弾発力に抗してボスの移動を阻止するものであるため、一対の回転刃を常に正確な剪断位置で接触した状態を維持できるという効果がある。
【0045】
本発明は、ロック部材とロック解除レバーとが一体形成されているため、操作がより簡便になるという効果がある。また、構造が簡易となり、製造コストの低減が図られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るクロススリッターの概略構成図である。図1(a)は、正面図、図1(b)は、側面図である。
【符号の説明】
1:上刃
2:上刃用シャフト
3a,3b:ロックレバー
4a,4b:ロックバネ
5:上刃取付ボス
6a,6b:ロックピン
7:下刃
8:下刃取付ボス
9:下刃用シャフト
10:下刃固定バネ
11:下刃固定ボス
12a,12b:Dカット面
Claims (1)
- 回転駆動される上下一対の回転刃と、夫々の回転刃を軸支するシャフトと、各回転刃を夫々のシャフトに固定する各ボス部とを備え、壁装用帯状材の端部を搬送しながら搬送方向に沿って剪断する壁装用帯状材スリッターであって、
前記各ボス部のうち一方のボス部は、上下一対の回転刃のうちの一方の回転刃が取り付けられて該一方の回転刃とともに対応するシャフトを摺動可能な取付ボスを有し、
他方のボス部は、他方の回転刃が取り付けられて該他方の回転刃とともに対応するシャフトを摺動可能な取付ボスと同シャフトを摺動可能な固定ボスと、この固定ボスと取付ボスとの間に介在して両者間に弾発力を作用させて他方の回転刃を一方の回転刃に押圧させる回転刃押圧用弾性部材とを有し、
前記各シャフトは、外周面側に平坦部を有し、前記一方の回転刃の取付ボス及び他方の回転刃の固定ボスは、
支点を中心にシャフト軸方向に沿って傾動してシャフトの前記平坦部と当接して前記取付ボス及び固定ボスとシャフトとの相対移動を阻止するロック部材と、
前記ロック部材を前記傾動方向に付勢するロック用弾性部材と、
前記ロック用弾性部材の付勢力に抗して、前記傾動方向と逆方向に押し込み操作されることにより前記ロック部材とシャフトの前記平坦部との当接を解除するロック解除レバーと、
を備え、
前記ロック部材と前記ロック解除レバーとは、一体形成されていることを特徴とする壁装用帯状材スリッター。
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