JP4189718B2 - 塗料用樹脂組成物、およびこれを塗布した塗装金属板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分子鎖途中にカルボキシル基がペンダント状に導入された分子を含むポリエステル樹脂と架橋剤を含有することを特徴とする塗料用樹脂組成物およびこれを塗布した金属板に関するものであり、特に分子内に一つ以上のカルボン酸無水物構造を有する化合物の開環付加反応で樹脂酸価を与えられたポリエステル樹脂、および架橋剤を含有する塗料樹脂組成物、およびこれを塗布した金属板に関するものである。これらは金属表面への密着性に優れ、高度な加工性と耐食性が満足できる。
【0002】
【従来の技術】
現代生活の中で金属材料は家電製品、建築材料、自動車、飲料缶、および食品缶、金属キャップなど多種多様の部分に使用されている。これら金属材料はその意匠性向上のために塗料で塗装が行われている。この塗料に意匠性のほかに必要とされる機能としては(1)塗装後に成型、加工するため十分な屈曲性(加工性)、(2)曝される環境下(屋外、食品接触)での金属腐食の防止性や抑制性(耐食性)が挙げられる。
従来、この加工性や耐食性を満足するために、ポリエステル系塗料が使用されてきた。例えば特公昭62−5467号公報、特開平3−217471号公報ではビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物を原料としたポリエステルを使用し耐食性満足させている。また、特開昭60−141768号公報、特開平7−113059号公報等のようにポリエステル樹脂をビスフェノール型エポキシ樹脂で変性し、加工性、耐食性を満足させようとしている。これらはいずれもビスフェノール骨格を樹脂中に導入することで金属素材との密着性、あるいは腐食誘因成分の塩や酸類のバリアー性を高めている。しかしながら近年では、環境ホルモン問題よりビスフェノール誘導体の使用は望ましくない風潮にある。特に缶、食品容器の内面部分の塗装については早急な見直しが図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
モノカルボン酸無水物(分子中にカルボン酸無水物基を一つ有するの意、以下同様)の開環付加反応で酸価を与えられたポリエステル樹脂を塗料に使用すると、金属材料との密着性は向上し、加工性は高くなることが一般に良く知られている。しかし、加工性を満足させるには樹脂自身の高分子量化が必要なため、自ずと酸価を与えることができる末端基の数が少なくなり、高度の密着性を得るための酸価を付与することが困難となる。また、加工性を向上させるためには樹脂の低Tg化を行うことが良く使われる手法であるが、塗膜のバリアー性が低下し耐食性が得られず、加工性と耐食性の両立が困難である。
【0004】
即ち本発明の課題は、金属表面への密着性に特に優れ、かつ高度な加工性と耐食性が満足できる塗料用樹脂組成物、およびこれを塗布した塗装金属板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、分子鎖途中にカルボキシル基がペンダント状に導入された分子を含むポリエステル樹脂と架橋剤を含有するポリエステル樹脂、詳細には分子内に二つ以上の酸無水物を有するポリカルボン酸無水物を含む酸無水物を用いて、酸価を付与したポリエステル樹脂と架橋剤を使用した塗料用樹脂組成物を用いることで、これら従来の欠点を改善することができた。即ち本発明は以下の特徴を有している。
【0006】
(1)分子鎖途中にカルボキシル基がペンダント状に導入された分子を含むポリエステル樹脂と架橋剤を含有することを特徴とする塗料用樹脂組成物。
【0007】
(2)分子内に一つ以上のカルボン酸無水物構造を有する化合物の開環付加反応で樹脂酸価を与えられたポリエステル樹脂において、その開環付加反応に使用する全カルボン酸無水物を100モル%としたとき、その使用するカルボン酸無水物のうち10モル%以上が分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物であり、かつ開環付加反応後の数平均分子量が3,000〜100,000であるポリエステル樹脂と架橋剤を含有することを特徴とする(1)記載の塗料用樹脂組成物。
【0008】
(3)ポリエステル樹脂の酸価が50〜500eq/106gであることを特徴とする(1)または(2)記載の塗料用樹脂組成物。
【0009】
(4)ポリエステル樹脂/架橋剤が99/1〜50/50(重量比)の範囲内で含有することを特徴とする請求項(1)〜(3)に記載の塗料用樹脂組成物。
【0010】
(5)ガラス転移温度が30℃以上のポリエステル樹脂である(1)〜(4)に記載の塗料用樹脂組成物。
【0011】
(6)分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物がエチレングリコールビストリメリテート二無水物であることを特徴とする(2)〜(5)に記載の塗料用樹脂組成物。
【0012】
(7)(1)〜(6)記載の塗料用樹脂組成物を塗布した塗装金属板。
【0013】
【発明の実施形態】
以下に、本発明の塗料樹脂組成物、及びこれを塗布した塗装金属板に関して更に詳細に説明する。
【0014】
本発明において用いられるポリエステル樹脂に使用されるカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、ドデセニル無水コハク酸、テルペン−マレイン酸付加体などの不飽和ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、(無水)トリメリト酸、(無水)ピロメリト酸、メチルシクロへキセントリカルボン酸等の3価以上のカルボン酸、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−ペンタン酸、4−モノ(4’−ヒドロキシフェニル)−ペンタン酸、p−ヒドロキシ安息香酸などのモノカルボン酸等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上を任意に選択し使用できる。
【0015】
ポリエステル樹脂に使用されるポリアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、4−プロピル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のエーテルグリコール類、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカングリコール類、水添加ビスフェノール類等の脂環族ポリアルコール等、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の3価以上のポリアルコール等が挙げることができ、これらの中から1種、又は2種以上を任意に選択し使用できる。
【0016】
本発明において用いられるポリエステル樹脂は分子鎖途中にカルボキシル基がペンダント状に導入された分子を含むことが必要である。このようなポリエステルを得る方法は特に限定されないが、例えば分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物の開環付加反応が挙げられる。
【0017】
本発明において用いられるポリエステル樹脂は、分子内に一つ以上のカルボン酸無水物構造を有する化合物の開環付加反応で樹脂酸価を与えられたポリエステル樹脂において、その開環付加反応に使用する全カルボン酸無水物を100モル%としたとき、その使用するカルボン酸無水物のうち10モル%以上は分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いられるポリエステル樹脂を得るための分子内に一つ以上のカルボン酸無水物構造を有する化合物の開環付加反応としては、例えば(1)カルボン酸無水物を付加する前のポリエステル樹脂が目標の分子量(Mn=3,000〜100,000)に達した直後、溶融している状態(150〜280℃)にカルボン酸無水物を必要量添加する方法、(2)ポリエステル樹脂が目標の分子量未満(Mn<3,000)の段階でカルボン酸無水物を添加し、窒素雰囲気下で分子量を目標まで上げる方法、(3)酸を付加していないポリエステル樹脂とカルボン酸無水物を溶融押し出し装置で混練、およびバッチで溶融後に酸付加する方法などが挙げられ、いずれの方法でも本発明の樹脂は得られるが、生産性やコストの面より(1)の方法が好ましい。
【0019】
分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物(以下、ポリ酸無水物化合物と記載することがある)としては、例えば、無水ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,3,2’,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等があり、これらの中から1種、または2種以上を選び使用できる。これらのうちエチレングリコールビストリメリテート二無水物が経済性、耐候性及び反応制御の面で好ましい。
【0020】
分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物と併用しても良いカルボン酸一無水物化合物(以下モノ酸無水物化合物と記載することがある)としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の一無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられこれらから一種、また二種以上を選択し使用できる。これらのうち無水フタル酸と無水トリメリト酸が汎用性の上で好ましい。
【0021】
モノ酸無水物化合物のみでの酸付加反応では(1)樹脂分子鎖の末端にしかカルボキシル基を導入できない、(2)樹脂を高分子量化したときに末端の数が減少し、密着性に寄与する高い酸価にすることが困難となる、(3)末端の数以上のモノ酸無水物化合物を添加すると未反応の酸無水物が樹脂中に残存し、塗膜の性能を著しく損なう可能性がある、(4)更には、樹脂が分解し低分子量化する(特に2級のヒドロキシル基を有すグリコールを有するポリエステル)場合がある、などの問題があった。しかし、本発明のポリ酸無水物化合物を含有する酸付加方法では、例えばエチレングリコールビストリメリテートをポリエステル樹脂に付加する場合で説明すると、[化1]で示される末端がヒドロキシル基である二分子のポリエステルと、[化2]のエチレングリコールビストリメリテートの分子間で開環付加反応が起こり、[化3]で表されるように分子鎖途中にペンダント状に2価のカルボキシル基が与えられる可能性がある。これらの構造を樹脂が採ることにより、従来のモノ酸無水物化合物などで酸価を与えられるポリエステル樹脂よりもより密着性が向上し、耐食性も満足するに至ったと考えられる。また、比較的末端の数に制限されにくいため酸価を任意に調整しやすく、更には未反応の酸無水物は少なく、分子量の低下も起こりにくい。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
またポリエステル樹脂の開環付加反応に使用する全カルボン酸無水物を100モル%としたとき、ポリ酸無水物化合物は10モル%以上、より好ましくは20モル%以上である。ポリカルボン酸無水物化合物はポリエステル樹脂末端のみならず、前記したように樹脂分子鎖中にカルボキシル基を修飾可能である。カルボキシル基を樹脂分子鎖中に修飾することで、分子量に制限無く酸価を付与することが可能となる。また、カルボキシル基間分子量が低いためか基材密着性が更に向上しており、耐食性に一段と優れた塗膜を得ることが出来る。
【0026】
ポリエステル樹脂酸価は50〜500eq/106gが好ましい。より好ましくい下限は100eq/106g、更に好ましくは130eq/106gである。一方より好ましい上限は350eq/106g、さらに好ましくは300eq/106gである。酸価を与えるカルボキシル基は金属基材との密着性を高め、加工性、耐食性のレベルアップに寄与する。特に基材との密着が上がると腐食誘因物質(塩類や酸)が金属に到達しにくくなり、優れた耐食性を示す。樹脂酸価が50eq/106g未満だと基材との密着性が十分に得られず加工性、耐食性の両立が困難となる場合がある。また500eq/106gを超えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
【0027】
本発明に使用されるポリエステル樹脂の数平均分子量は3,000〜100,000であり、より好ましい下限は8,000、さらに好ましくは10,000である。一方より好ましい上限は50,000であり、さらに好ましくは30,000である。数平均分子量が3,000未満であると塗膜が脆くなり、加工性が劣る場合がある。100,000を越えると塗装作業性が低下する場合がある。なお、ここで言う数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
【0028】
ポリエステル樹脂の好ましいガラス転移温度(Tg)は30℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃である。ガラス転移温度が30℃未満であると耐食性が劣る場合がある。特に缶内面塗料はフレーバー性を必要とするため50℃以上のTgが望ましい。上限は特に限定されないが、塗料組成物にするときの溶剤溶解性等を考慮すると100℃以下が好ましい。なお、ここで言うガラス転移温度(Tg)とは示差熱分析(DSC)によって測定したものである。
【0029】
本発明の塗料用樹脂組成物はポリエステル樹脂と架橋剤から構成されている。架橋剤としてはレゾール型フェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらより1種、または2種以上を任意に選択し使用できる。
【0030】
レゾール型フェノール樹脂としては、例えばフェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノールビスフェノール−A、ビスフェノール−F等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して使用できる。十分な硬化性を得るために3官能以上のフェノール化合物は70重量%以上であることが好ましい。
【0031】
前記したフェノール化合物はホルマリン、パラホルムアルデヒドまたはトリオキサン等からメチロール化される。メチロール化した後、ポリエステルとの硬化性、相容性を得るためメチロール基をアルコキシメチル化することが望ましい。アルコキシメチル化する際に使用されるアルコールとしては炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜4個の1価アルコールであり、好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどを挙げることができ、より好ましくはn−ブタノールである。また、アルコキシメチル化する際にはリン酸などの触媒を使用しても良い。
【0032】
架橋剤に使用するアミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド、などのアミノ成分と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどのアルデヒド成分との反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。このメチロール化アミノ樹脂のメチロール基を炭素原子数1〜6のアルコールによってエーテル化したものも上記アミノ樹脂に含まれる。これらの内、単独或いは併用して使用できる。衛生上、メラミン、ベンゾグアナミンを使用したアミノ樹脂が好ましく、更に好ましくは耐レトルト性、抽出性に優れるベンゾグアナミンを使用したアミノ樹脂である。
【0033】
ベンゾグアナミンを使用したアミノ樹脂としては、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂のメチロール基を一部又は全部を、メチルアルコールによってエーテル化したメチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチルアルコールによってブチルエーテル化したブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、或いはメチルアルコールとブチルアルコールとの両者によってエーテル化したメチルエーテル、ブチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。上記、ブチルアルコールとしてはイソブチルアルコール、n−ブチルアルコールが好ましい。
【0034】
メラミンを使用したアミノ樹脂としては、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基を一部又は全部を、メチルアルコールによってエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルアルコールによってブチルエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂、或いはメチルアルコールとブチルアルコールとの両者によってエーテル化したメチルエーテル、ブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂が好ましい。
【0035】
架橋剤に使用できるイソシアネート化合物としては芳香族、脂環族、脂肪族のジイソシアネート化合物、3価以上のポリイソシアネート化合物があり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでも良い。例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、或いはこれらイソシアネート化合物の3量体、およびこれらイソシアネート化合物の過剰量と例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物等と反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。これらはそれぞれ単独、または併用し使用できる。
【0036】
また、塗料としてポットライフが必要な場合、イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネート化合物の使用が好ましい。イソシアネートブロック剤としては例えば、フェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノール等の第3級アルコール類、ε−カプロラクタム等のラクタム類が挙げられ、そのほかにも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネート化合物は前記イソシアネート化合物とブロック化剤とを従来公知の方法により、反応させて得られ、同じくそれぞれ単独、または併用して使用できる。
【0037】
本発明に用いられる架橋剤としてはエポキシ化合物も使用できる。例えば、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、およびそのオリゴマー、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、およびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリト酸トリジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−グリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタングリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらはそれぞれ単独、または併用して使用することができる。
【0038】
本発明の塗料用樹脂組成物はポリエステル樹脂/架橋剤が99/1〜50/50(重量比)の範囲内で含有することが好ましい。架橋剤のより好ましい下限は3重量比である。一方より好ましい上限は40重量比、さらに好ましくは35重量比である。架橋剤が1重量比より少ない場合は、硬化性が低下するため、加工性、耐食性が劣る場合がある。また50重量比より多い場合は、塗膜の可撓性が著しく失われるため加工性が低下する場合がある。
【0039】
本発明の塗料用樹脂組成物には硬化触媒を使用することができる。例えば架橋剤にフェノール樹脂、アミノ樹脂を用いる場合はp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機スルホン酸化合物、およびこれらのアミン中和体など、リン酸化合物などを使用することができる。また、エポキシ化合物を架橋剤として使用する場合は3級アミン化合物、トリフェニルホスフィンなどの有機リン化合物を使用することができる。また、イソシアネート化合物を架橋剤として使用する場合は、3級アミン化合物、有機スズ化合物等を使用することができ、これらを1種、または2種以上任意に選択できる。
【0040】
また、本発明の塗料用樹脂組成物には潤滑剤を含有することができ、ポリエステル樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましい。これは加工時の塗膜の傷付きを抑制し、成形加工時の塗膜の滑りを向上させる効果がある。特に製缶の際のDI加工、DRD加工時に効果がある。使用する潤滑剤は、例えばポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、及びシリコン系化合物等を挙げることができる。潤滑剤は1種、または2種以上を混合し使用できる。
【0041】
本発明の塗料用樹脂組成物は、前記したポリエステル樹脂と架橋剤を公知の有機溶剤に溶解した状態で使用されることが望ましい。使用する有機溶剤としてはトルエン、キシレン、ソルベッソなどの芳香族系炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、二塩基酸エステル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、n−ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブなどのエーテル類、等が挙げられ、溶解性、蒸発速度等を考慮して選択される。
【0042】
本発明の塗料用樹脂組成物には用途に合わせて酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、タルク、マイカなどの公知の無機顔料、消泡剤、分散剤、潤滑剤等の公知の添加剤を配合することができる。
【0043】
本発明の塗料用樹脂組成物には塗膜の可撓性、密着性付与などの改質を目的としたその他の樹脂を使用できる。その他の樹脂としてはエチレン−重合性不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−重合性カルボン酸共重合体アイオノマー、非水系ポリエステル樹脂等を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を配合することにより効果的の塗膜の可撓性、密着性を付与できることがある。
【0044】
本発明の塗料樹脂組成物はポリエステル樹脂、架橋剤を含む塗料とした後、金属板に塗装し使用される。使用する金属板としては例えば、熱延伸鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金メッキ鋼板、アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウム板、スズメッキ鋼板、ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、ティンフリースチール、ニッケルメッキ鋼板、極薄スズメッキ鋼板、クロム処理鋼板などが挙げられ、必要に応じてこれらに各種表面処理、並びにプライマー処理を行ったものが使用される。
【0045】
本発明の塗料用樹脂組成物を使用した塗料組成物はロールコーター塗装、スプレー塗装などの公知の塗装方法によって塗装し、本発明の塗装金属板を得ることができる。塗装膜厚は特に限定されるものではないが、乾燥膜厚で3〜18μm、更には3〜10μmの範囲であることが加工性や経済性の面で好ましい。塗膜の焼付条件は使用したポリエステル樹脂、架橋剤の種類、使用した溶剤や塗装する金属材料の種類、厚さ、塗装速度などにより適宜調節される。
【0046】
本発明の塗装金属板は家電、建材、車両などに使用する金属材料、鋼板、および飲料缶、食品用缶、その蓋、キャップ等に用いることができる金属板であればいずれへも塗装し使用できる。
【0047】
【実施例】
以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。実施例において単に部とあるものは重量部を示す。
各測定項目は以下の方法に従った。
【0048】
(1)ポリエステル樹脂の組成
500MHzの1H−核磁気共鳴スペクトル装置を用い、ポリエステル樹脂の酸成分、アルコール成分のモル比の定量を行った。
【0049】
(2)ポリエステル樹脂の数平均分子量の測定
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した。
【0050】
(3)ポリエステル樹脂の還元粘度測定
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25ccに溶かし、ウベローデ粘度管を用い30℃で測定した。
【0051】
(4)ガラス転移温度の測定
示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速度で測定した。
【0052】
(5)酸価の測定
ポリエステル0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.1NのKOHエタノール溶液で滴定し、樹脂106g当りの当量(eq/106g)を求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
【0053】
評価項目
(6)テストピースの作成
塗料組成物を金属板(ブリキ材:70mm×150mm×0.22mm)にバーコーターで膜厚が4〜8μmになるように塗装し、硬化焼き付けを行い、これを試験片とした。焼付条件としては200℃(雰囲気温度)×8分で評価を行った。
【0054】
(8)硬化性
試験片の塗装面にメチルエチルケトン(MEK)溶剤を浸したフェルトを当て、これに荷重0.5kgをかけながら往復させる。その際、素地に達した回数から硬化の程度を判断した。
◎:優良 (≧50回)
○:良好 (20〜50)
△:やや硬化不足(5〜20回)
×:未硬化 (<5回)
【0055】
(9)加工性1
試験片と同じ厚さの金属板を1枚挟み180度方向に折り返し、万力を使用折り曲げる。この曲げ加工部を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5.5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方(≦1.5mA)が良好である。
【0056】
(10)加工性2
試験片と同じ厚さの金属板を180℃方向に甘く折り返す。これに同じ板厚の金属板を1枚挟み、この曲げ部分を40cmの高さから1kgのおもり(ブロック状)を落とし、折り曲げる。この曲げ加工部を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5.5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方(≦1.5mA)が良好である。
【0057】
(12)耐食性
試験片をクエン酸3wt%+乳酸3wt%+食塩2%を含む水溶液に浸し、50℃×1週間放置した。その後、試験片を取り出し、表面の錆の発生状態を目視で評価した。
◎:優良(全く錆は発生せず)
○:良好(わずかに錆の発生箇所がある)
△:劣る(全体に錆が見られる)
×:著しく劣る(腐食が激しい)
【0058】
本発明のポリエステル樹脂の合成
エステル交換法による合成例(a)
ジメチルテレフタル酸446部、トリメリト酸2.2g、エチレングリコール57部、プロピレングリコール246部、1,4−シクロヘキサンジメタノール66部、チタンテトラブトキシド0.2部を3Lの四つ口フラスコに仕込み、重合装置を組む。4時間かけて220℃まで徐々に昇温しエステル交換を行なった。これを30分かけて10mmHgまで減圧初期重合を行なうとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で90分間後期重合を行なった。目標分子量に達したらこれを窒素雰囲気下で220℃に冷却した。次いでエチレングリコールビストリメリテート二無水物20部、無水トリメリト酸5部を相次いで投入し、窒素雰囲気下、200〜230℃、1時間攪拌を継続した。これを取り出し本発明のポリエステル樹脂(a)を得た。最終の樹脂組成、各種特性値は表1に示す。
得られたポリエステル樹脂(a)80部、シクロヘキサノン60部、ソルベッソ−150 60部を1Lのフラスコに仕込み、80℃まで加熱し、本発明のポリエステル樹脂ワニスを得た。
【0059】
直接重合法による合成例(b)
テレフタル酸276部、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸72部、トリメリト酸4部、2−メチル−1,3−プロパンジオール200部、1,4−シクロヘキサンジメタノール135部、チタンテトラブトキシド0.2部を3Lの四つ口フラスコに仕込み、4時間かけて235℃まで徐々に昇温し、エステル化を行った。これを30分かけて10mmHgまで減圧初期重合を行なうとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で90分間後期重合を行なった。目標分子量に達したらこれを窒素雰囲気下で220℃に冷却した。
次いでエチレングリコールビストリメリテート二無水物9部、無水トリメリト酸8部を相次いで投入し、窒素雰囲気下、200〜230℃、1時間攪拌を継続した。これを取り出し本発明のポリエステル樹脂(b)を得た。最終の樹脂組成、各種特性値は表1に示す。
得られたポリエステル樹脂(b)80部、シクロヘキサノン60部、ソルベッソ−150 60部を1Lのフラスコに仕込み、80℃まで加熱し、固形分40%の本発明のポリエステル樹脂ワニスを得た。
【0060】
合成例 (c)〜(e)
合成例(a)、(b)と同様にして樹脂組成、特性値が表1に示されるようなポリエステル樹脂(c)〜(e)を得た。
これらは(a)、(b)と同様にシクロヘキサノン/ソルベッソ−150=1/1の溶剤で固形分40%となるように溶解し、本発明のポリエステル樹脂ワニスを得た。
【0061】
【表1】
【0062】
比較例 (f)〜(j)
合成例(a)、(b)と同様にして、樹脂組成が表2に示されるような比較合成例ポリエステル樹脂(f)〜(j)を得た。
これらは(a)、(b)と同様にシクロヘキサノン/ソルベッソ−150=1/1の溶剤で固形分40%となるように溶解し、比較例として使用するポリエステル樹脂ワニスを得た。
【0063】
【表2】
【0064】
合成例(k)レゾール型フェノール樹脂の合成
m−クレゾール100部、37%ホルマリン水溶液180部、及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部を加え、110〜120℃で4時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して、固形分約50%のm−クレゾール系のレゾール型フェノール樹脂架橋剤(k)を得た。これは後述する塗料評価で使用する。
【0065】
合成例(l)エポキシ変性ポリエステル樹脂の合成
前記したポリエステル樹脂(j)100部、ソルベッソ−150を60部を1Lの四つ口フラスコに仕込み、100℃に加熱し、完全に溶解する。これにエピコート1004(油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ樹脂)30部を加え、再度完全に溶解させる。これにトルフェニルホスフィン3部を加え、105℃で反応を進める。これらの溶液の酸価が、初期値の75%になった時点でシクロヘキサノン100部、ソルベッソ−150を40部加え、冷却と共に反応を停止させ、固形分40%の比較例樹脂ワニスであるエポキシ変性ポリエステル樹脂(l)を得た。これは後述する塗料評価の比較例として使用する。
【0066】
参考例1(クリア塗料の調合)
前述の通り調製したポリエステル樹脂(a)のワニス100部、コロネート2513(日本ポリウレタン工業(株)製、HDI系ブロックイソシアネート化合物)を6.0部、ジブチルスズジラウレート0.1部を混合し、これに適量のシクロヘキサノン/ソルベッソ−150=1/1の混合溶剤を加え、参考例(1)に使用するクリア塗料にした。
【0067】
実施例1〜2、参考例2〜6及び比較例9〜16のクリア塗料調合
参考例1と同様にして本発明の実施例クリア1〜2、参考例クリア2〜6及び比較例クリア9〜16を得た。次いで同じく前述した方法により塗布、焼付を行い実施例、比較例、参考例の評価に使用する塗装金属板のテストピースを得た。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を実施例および参考例については表3、比較例については表4に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
参考 (ホワイト塗料の調製)
前述の通り調製したポリエステル樹脂(a)のワニス20部、酸化チタン(商品名:タイペークCR−93、石原産業(株)製)10部、ガラスビーズ(平均径3mm)20部を70mlのマヨネーズ瓶に入れよく混ぜる。粘度調製としてシクロヘキサノン3部、ソルベッソ−150を3部加え、ペイントシェーカーで6時間振盪分散を行った。これにコロネート2513(日本ポリウレタン工業(株)製、HDI系ブロックイソシアネート化合物)を1.2部、ジブチルスズジラウレート0.02部を加え、再度30分ペイントシェーカーにて分散した。これを参考例()に使用するホワイト塗料とした。
【0071】
実施例3〜4、参考例8〜12及び比較例25〜32のホワイト塗料調合
参考と同様にして本発明の実施例ホワイト塗料3〜4、参考例ホワイト塗料8〜12及び比較例ホワイト25〜32を得た。次いで同じく前述した方法により塗布、焼付を行い実施例、比較例、参考例の評価に使用する塗装金属板のテストピースを得た。なお、粘度調整用の溶剤量はポリエステル樹脂の性状、架橋剤の種類、量などにより適宜調整した。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を実施例および参考例については表5、比較例については表6に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
表5〜6で明らかなように、本発明の塗料組成物を塗布した金属板は硬化性、加工性(1と2)、耐食性に優れている。
【0075】
【発明の効果】
金属材料に塗装される塗料、コーティング剤は意匠性、加工性と共に、その金属を腐食から守る役割を必要とされている。特に屋外用途や金属缶内面塗料の類は耐食性を重視されている。本発明の塗料用樹脂組成物は酸価を付与したポリエステル樹脂を使用するが、酸付加に使用する際に分子内に二つ以上のカルボン酸無水物を有する化合物を使用する。これにより高酸価かつペンダントカルボキシル基を樹脂に修飾し、従来のポリエステル樹脂に優る金属密着性を有するポリエステル樹脂とし、耐食性、加工性の両立を可能とした。ついては家電用、建材用、缶内面用、自動車用などの耐食性を求められる塗料、コーティング材料に好適である。

Claims (4)

  1. 分子内に一つ以上のカルボン酸無水物構造を有する化合物の開環付加反応で樹脂酸価を与えられたポリエステル樹脂において、その開環付加反応に使用する全カルボン酸無水物を100モル%としたとき、その使用するカルボン酸無水物のうち10モル%以上が分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物であり、前記分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物が、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、の中から選ばれる1種、または2種以上であり、かつ開環付加反応後の数平均分子量が3,000〜100,000であり、分子鎖途中にカルボキシル基がペンダント状に導入された分子を含むポリエステル樹脂と、
    レゾール型フェノール樹脂から選ばれる1種または2種以上からなる架橋剤を含有し、
    ポリエステル樹脂/架橋剤が99/1〜50/50(重量比)の範囲内であることを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  2. ポリエステル樹脂の酸価が50〜500eq/106gであることを特徴とする請求項1記載の塗料用樹脂組成物。
  3. ガラス転移温度が30℃以上のポリエステル樹脂である請求項1または2に記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜いずれかに記載の塗料用樹脂組成物を塗布した塗装金属板。
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