JP4189159B2 - 管渠内における更生管施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水道管、上水道管あるいは農業用水路等の既設管渠内において、その管渠の内面に更生管を施工する方法に関し、詳しくは、既設管渠と更生管とを更生管施工方向から簡単かつ迅速に間仕切ることができるようにする対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水道管、上水道管あるいは農業用水路などの既設管渠の内面に更生管を施工する方法として、以下に列記する方法が提案されている。
【0003】
例えば、長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを既設管渠内で螺旋状に巻回して更生管を形成し、この更生管と既設管渠の内面との間にモルタルを注入して固化させることによって、既設管渠の内面に更生管を施工するようにしている。
【0004】
また、所定の長さに形成された管状物を既設管渠内で順に接続して更生管を形成し、この更生管と既設管渠の内面との間にモルタルを注入して固化させることによって、既設管渠の内面に更生管を施工するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、いずれのものにおいても、更生管の製管後にその一端側からモルタルが注入されるため、農業用水路などの何百メートルにも亘る長大な既設管渠にあっては、その内面と更生管との間にモルタルを延々と注入し続けなければならず、既設管渠内と更生管との間にモルタルをもれなく充填させるには無理がある。
【0006】
そこで、長大な既設管渠の内面と更生管との間を更生管の施工方向から所定間隔置きに間仕切りし、その間仕切り間毎にモルタルを注入して周方向でもれなく固化させることによって、既設管渠の内面に更生管を強固に固着させることが行われている。
【0007】
しかしながら、上述した既設管渠内で管状物を順に接続して更生管を形成するものでは、その管状物の管口と既設管渠の内面との間で間仕切りする際に、管状物を順次接続する際に粘土状のモルタルを管状物の管口と既設管渠の内面との間に手で詰め込んで間仕切りを作るしかなく、加えて、プロファイルを既設管渠内で螺旋状に巻回して更生管を形成するものにおいても、更生管の製管後にその施工方向途中位置において間仕切りする際に、間仕切りする部分に対応する更生管の間仕切り対応位置に部分的に穴を開け、その穴から粘土状のモルタルを手で詰め込んで間仕切りを作るしかない。
【0008】
そのため、管状物を順次接続する際に間仕切りを作るものでは、製管作業の途中、つまり管状体を接続する度にモルタルを手で詰め込む作業を行う必要があり、また、更生管の製管後に間仕切りを作るものでは、更生管の間仕切り対応位置に開設した穴からモルタルを手で詰め込む作業が必要となり、間仕切り作業を簡単かつ迅速に行うことができない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、間仕切り作業を簡単かつ迅速に行うことができる管渠内における更生管施工方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が講じた解決手段は、更生管の施工前に既設管渠内に収縮状態の袋状物を周方向に残置し、更生管の施工後に更生管の内部から更生管の穿孔を介してモルタルを袋状物の内部に注入して拡径することによって、更生管と既設管渠の内面との間を更生管の施工方向に間仕切りして、その間仕切り間ごとにモルタルを注入することを特徴とする。
【0011】
この特定事項により、既設管渠の内面に更生管を施工し終えた製管後に、予め残置しておいた袋状物のモルタル注入口と対応する更生管のモルタル注入口対応位置に穴を設けるなどして更生管の内面にモルタル注入口を導出させ、モルタル注入口を介してモルタルを袋状物の内部に注入して固化させることによって袋状物が拡径し、更生管と既設管渠の内面との間が更生管の施工方向から間仕切りされることになる。このため、管状物を順次接続する際に管状物の管口と既設管渠の内面との間にモルタルを詰め込んで間仕切りしたり、更生管の製管後に更生管の間仕切り対応位置に部分的に開けた穴からモルタルを詰め込んで間仕切りしたりする手作業が不要となり、更生管の製管後に更生管の内部からモルタルを袋状物に注入するのみで確実な間仕切りが作られ、間仕切り作業を簡単かつ迅速に行うことが可能となる。
【0012】
ここで、袋状物として、目開き0.5mm〜5mmの網状体を袋状に形成してなるものを適用した場合には、注入されたモルタルが袋状物から滲み出して、モルタルの注入により拡径した袋状物が既設管渠の内面と更生管とに密着した状態で固化し、袋状物(網状体)によって堅牢な間仕切りを作ることが可能となる。
【0013】
この場合、網状体が目開き0.5mm以下のものでは、モルタル注入時のエアー抜きが不十分となって固化したモルタルに巣が生じて堅牢な間仕切りを作れないおそれがあり、一方、5mm以上のものでは、モルタルが流出してしまって確実な間仕切りが作れないおそれがあり、かかる点で、網状体を目開き0.5mm〜5mmの範囲に規定することで、堅牢かつ確実な間仕切りを作ることが可能となる。
【0014】
特に、管渠内における更生管施工方法を具体的に適用するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0015】
つまり、長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを既設管渠内で螺旋状に巻回して更生管を形成したり、所定の長さに形成された管状物を既設管渠内で順に接続して更生管を形成し、袋状物を、上記更生管の施工前に既設管渠内に残置し、更生管の施工後に更生管内面よりモルタル注入口を導出させ、このモルタル注入口からモルタルを内部に注入して充満させることによって、更生管と既設管渠の内面との間を更生管の施工方向から間仕切りするように拡径させている。
【0016】
これらの特定事項により、更生管の施工方向途中位置や管状物の管口など任意の位置に更生管の製管後に間仕切りを作ることが可能となる。特に、プロファイルを既設管渠内で螺旋状に巻回して更生管を形成するものにあっては、網状体よりなる袋状物を適用することで、製管機との干渉が容易に回避され、製管機による製管作業を円滑に行うことが可能となる。
【0017】
特に、袋状物を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0018】
つまり、網状体として、線径が直径0.1mm〜3mmの金属繊維よりなるものを適用している。
【0019】
この場合、網状体の線径が直径0.1mmを下回ると、モルタルの注入圧やモルタルの自重に耐え得る素材が限定されてコストアップにつながるおそれがあり、一方、直径3mmを越えると、仕切るべき断面形状に沿い難くなって確実な間仕切りが作れないおそれがある。これにより、網状体としての金属繊維の線径を直径0.1mm〜3mmの範囲に規定することで、安価でかつ確実な間仕切りを作ることが可能となる。
【0020】
また、拡径時に更生管と既設管渠の内面との間の仕切るべき断面形状に即した形状となるように袋状物を形成した場合には、モルタルの注入によって袋状物が仕切るべき断面形状に沿って効果的に拡径し、より確実な間仕切りを作ることが可能となる。
【0021】
更に、網状体の目開き量に対しその20%以上に粒度分布のピーク値を保有する骨材をモルタルに配合している。この場合、骨材の粒径が小さいと、網状体の目から流出する骨材量が多くなって非効率となるが、その反面、大きすぎると、固化したモルタルに巣が生じて堅牢な間仕切りを作れないおそれがあり、かかる点で、網状体の目開き量に対しその20%以上に粒度分布のピーク値を保有する骨材と規定することで、効率よく堅牢な間仕切りを作ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は更生管としてのライニング管の施工に使用するプロファイル(リブロック型)の一例を示す側面図、図2はライニング管の施工に使用する製管機の構造を示す正面図である。また、図3は本発明の管渠内のライニング管施工方法の実施形態を説明する説明図である。
【0024】
本実施の形態に用いられるプロファイルは、図1(a)及び(b)に示すように、帯状部材2と補強部材3によって構成されている。
【0025】
帯状部材2は、硬質塩化ビニル等を長尺帯状に成形した部材で、その外面には複数のリブ21が長手方向に沿って形成されており、その両端部にはそれぞれ互いに内外に重なり合って係合する接合部2a,2bが形成されている。その接合部2bの近傍には、接合部のシールを確保するためのパッキン22が設けられている。また、補強部材3は、断面W字形に加工された金属製(例えば鋼製)の長尺帯状の部材である。
【0026】
そして、図3に示すように、以上の構造のプロファイル1は、帯状部材2のリブ21,21間に補強部材3を嵌め込んだ状態でドラムDに巻き付けられ、この状態で施工現場に供給される。
【0027】
ライニング管の施工に使用する製管機10は、図2に示すように、矩形環状の規制フレーム11に所定の間隔・角度をもって配置されたガイドローラ12,…と、それらガイドローラ12,…を相互に連結するリンク体13a,…からなる環状体構造の成形フレーム13と、この成形フレーム13に配設された接合機構部14によって主に構成されている。
【0028】
接合機構部14には、外面ローラ14aと内面ローラ14b及びそれらを駆動する油圧モータ14cが設けられており、図4に示すように、その外面ローラ14aと内面ローラ14bとの間にプロファイル1を挟み込んだ状態で、それらローラ14a,14bを駆動することにより、製管機10全体が断面略矩形状の既設管渠P内を周回移動し、プロファイル1を螺旋状に巻回しながら進行し、その進行過程でプロファイル1の接合部2a,2b同士を相互に接合して、図5に示すように、断面略矩形状のライニング管Rを形成するように構成されている。
【0029】
そして、図3に示すように、既設管渠P内の上面には、ライニング管Rの施工方向所定間隔置きにそれぞれ一対の断面略L字状のアングル31,31(図3では3箇所のみ示す)がアンカボルト32により固設されている。この一対のアングル31,31間には、金属製の網状体を袋状に形成した収縮状態の袋状物33が取り付けられている。この袋状物33は、既設管渠Pの内面に対し小径に形成されるライニング管Rとの間を拡径によって施工方向所定間隔置きに間仕切りするものであり、既設管渠Pとライニング管Rとの間を周方向(上面および左右両側面)から隙間なく埋めれるように略筒状に形成されてなる。つまり、袋状物33は、その拡径時にライニング管Rと既設管渠Pの内面との間の仕切るべき断面形状に即した断面略円筒形状で、図4に二点鎖線で示すように、ライニング管Rの施工方向から見て下方に開口する略コ字状を呈した形状に形成されている。この場合、アングル31,31は、既設管渠Pに対し周方向800mm間隔置きにアンカボルト32で固定されている一方、袋状物33の中央部分(既設管渠Pの上面と対応する部分)は、アングル31,31に対し周方向100mm間隔置きに接着材(図示せず)で接着されている。
【0030】
図6に示すように、上記袋状物33の中央部分には、下方へ余剰に垂下する小径筒状の垂下部分33aが設けられ、この垂下部分33aの先端にモルタル注入口33bが開設されている。そして、袋状物33の内部には、モルタル注入口より垂下部分33aを介してモルタル7が注入され、この注入されたモルタル7の固化によって、既設管渠Pの内面とライニング管Rとの間がライニング管Rの施工方向所定間隔置きに間仕切りされるようになっている。この場合、既設管渠Pの内面とライニング管Rは、袋状物33内に注入されたモルタル7の固化によって、互いの上面および左右両側面間が隙間なく埋められ、互いの下面同士はライニング管Rの自重により密着している。
【0031】
次に、ライニング管Rの施工方法の一例を図3〜図8に基づいて説明する。
【0032】
まず、図3に示すように、上流側マンホールQ1側にプロファイル1を巻き付けたドラムD(中出し式)を配置し、下流側マンホールQ2側に電源Gを配置して、上流側から下流側に向けてライニング管Rを製管する。
【0033】
そして、ライニング管Rの製管手順としては、まず、製管機10とその油圧ユニット20を載置した台車30を、マンホールQ1を介して更生の対象となる既設管渠P内に搬入する。次いで、プロファイル1をマンホールQ1内に引き込み、マンホールQ1内においてプロファイル1を手作業にて数回(3回程度)巻回し、ライニング管(これを開始用ライニング管という)を作製する。
【0034】
なお、以上の初期セッティングにおいて、開始用ライニング管の内面の周長は製管機10の周長と等しい長さとしておく。また、開始用ライニング管が移動(回転等)しないように、開始用ライニング管を既設管渠Pに固定するか、あるいは適当な厚さの重り等を開始用ライニング管の管端部に設置しておく。
【0035】
次に、開始用ライニング管の内側に製管機10を組み込み、開始用ライニング管の前縁において製管機10の接合機構部14を所定状態に設置し、この状態で製管機10の接合機構部14を駆動する。この接合機構部14の駆動により、図6に示すように、外面ローラ14aと内面ローラ14bとの狭着力によって、開始用ライニング管に連なって、新たに供給されるプロファイル1が、相接する接合部2a,2b同士の接合により、開始用ライニング管に接合される。これと同時に、製管機10の全体が既設管渠Pの周方向に公転し、かつ、既設管渠Pのライニング管施工方向に前進し、この製管機10の動きにともなって、プロファイル1が螺旋状に巻回され、その新たなプロファイル1が順次に接合されてライニング管Rが施工されて行く。なお、以上のプロファイル1の供給時において、地上に設置したドラムDを、接合機構部14の周回数に応じて連続的または断続的に回転させて、プロファイル1の捩れの発生を防止しておく。
【0036】
このとき、製管機10が既設管渠P内を周回移動してライニング管施工方向に前進すると、ライニング管Rの施工方向所定間隔置きにアングル31,31に取り付けた袋状物33に接近するが、この袋状物33が網状体よりなる変形可能な収縮状態であるので、作業者が袋状物33を既設管渠P側に押し退けておけば、製管機10は既設管渠P内で干渉することなく円滑に周回移動してライニング管Rを形成しながら施工方向に前進する。
【0037】
そして、ライニング管Rの製管作業が、既設管渠Pの全長にわたって完了した後、プロファイル1を切断し、製管機10を分解して地上に引き上げる。また、油圧ユニット20及び台車30も同時に撤去する。
【0038】
それから、図6の(a)に示すように、ライニング管Rの施工方向所定間隔置きに設置した袋状物33の垂下部分33aとそれぞれ対応するライニング管Rの上面略中央位置に穿孔Ra(図7では1箇所のみ示す)を穿設し、垂下部分33aをライニング管R内に導出させておく。
【0039】
そして、地上に配備したモルタルタンク車(図示せず)からマンホールQ1側より供給ホースSaをライニング管R内に導出し、図7の(b)に示すように、その供給ホースSaの先端を垂下部分33a先端のモルタル注入口33bに接続した状態で、供給ホースSaの先端を穿孔Raに差し入れ、モルタルタンク車からのモルタル7を供給ホースSaより垂下部分33aを介して袋状物33内に注入する。その後、袋状物33の内部がモルタル7で満たされると、モルタル7の注入を停止し、供給ホースSaの先端より垂下部分33aを取り外して結わえ、図7の(c)に示すように、穿孔Raを蓋Rcにより閉じる。このような袋状物33へのモルタル注入作業をライニング管Rの施工方向に順次行う。このとき、袋状物33内に注入されたモルタル7が袋状物33から滲み出し、モルタル7の注入により拡径した袋状物33が既設管渠Pの内面とライニング管Rとに密着した状態で固化する。これによって、既設管渠Pの内面とライニング管Rとが袋状物33によりライニング管Rの施工方向に間仕切られる。
【0040】
しかる後、袋状物33内に注入したモルタル7の固化が完了すると、図8の(a)に示すように、相隣なる袋状物33,33管のほぼ中央に対応するライニング管Rの上面略中央位置にそれぞれ穿孔Rb(図8では1箇所のみ示す)を穿設する。この穿孔Rbは、供給ホースSa先端の径とほぼ同一径に形成する。そして、図8の(b)に示すように、上記穿孔Rbにモルタルタンク車から導出した供給ホースSaの先端を接続し、モルタルタンク車からのモルタル7を供給ホースSaより穿孔Rbを介して相隣なる袋状物33,33により間仕切られた既設管渠Pの内面とライニング管Rとの間仕切り空間内に注入する。このモルタル7の注入を行う際に、ライニング管Rに座屈破壊等が生じる可能性がある場合には、ライニング管R内に支保工等を施しておく。
【0041】
その後、間仕切り空間の内部がモルタル7で満たされると、モルタル7の注入を停止し、図8の(c)に示すように、供給ホースSaの先端を穿孔Rbから取り外し、穿孔Rbを蓋Rdにより閉じる。このような間仕切り空間へのモルタル注入作業をライニング管Rの施工方向に順次行った後、ライニング管R内に導出した供給ホースSaを地上のモルタルタンク車に回収する。
【0042】
ここで、袋状物33およびモルタル7の特性について述べる。
【0043】
まず、袋状物33としては、線径が直径0.1mm〜3mmの金属繊維を目開き0.5〜5mmの範囲で網状体に織り込んだものが適用される。
【0044】
この場合、線径が直径0.1mmを下回ると、モルタル7の注入圧やモルタル7の自重に耐え得る素材が限定されてコストアップにつながるおそれがあり、一方、直径3mmを越えると、仕切るべき断面形状に沿い難くなって確実な間仕切りが作れないおそれがあり、かかる点で、線径を直径0.1mm〜3mmの範囲に規定しており、より好ましくは、線径が直径0.3mm程度のものが好ましい。また、網状体が目開き0.5mm以下のものでは、モルタル7注入時のエアー抜きが不十分となって固化したモルタル7に巣が生じて堅牢な間仕切りを作れないおそれがあり、一方、5mm以上のものでは、モルタル7が流出してしまって確実な間仕切りが作れないおそれがあり、かかる点で、網状体を目開き0.5mm〜5mmの範囲に規定しており、より好ましくは、目開き1.7mm〜1.8mmが好適である。
【0045】
そして、モルタル7には、網状体の目開き量に対しその20%以上に粒度分布のピーク値を保有する骨材が配合されている。この場合、骨材の粒径が小さいと、網状体の目から流出する骨材量が多くなって非効率となるが、その反面、大きすぎると、固化したモルタル7に巣が生じて堅牢な間仕切りを作れないおそれがあり、かかる点で、網状体の目開き量に対しその20%以上に粒度分布のピーク値を保有する骨材が好適である。そして、モルタル7としては、ポルトランドセメントに骨材として珪砂4号および5号をブレンドしたものが適用されている。この骨材の粒度分布としては、最小径が0.1mm程度で、最大径が2mm程度で、ピーク値が0.5mm程度のものが適用される。また、フロー値は28cm程度のものが好ましい。なお、モルタル7は、袋状物33および間仕切り空間共に同一のものが注入される。
【0046】
このように、既設管渠Pの内面にライニング管Rを施工し終えた製管後に、予めライニング管Rの施工方向所定間隔置きに設置した袋状物33の垂下部分33a(モルタル注入口)と対応するライニング管R上面略中央位置に穿孔を穿設し、この穿孔Raを介してライニング管R内に垂下部分33aを導出させ、供給ホースの先端を垂下部分33a先端のモルタル注入口に接続した状態で、供給ホースの先端を穿孔Raに差し入れて、モルタルタンク車からのモルタル7を供給ホースより垂下部分33aを介して袋状物33の内部に注入して固化させることによって袋状物33が拡径し、ライニング管Rと既設管渠Pの内面とが袋状物33によってライニング管Rの施工方向に所定間隔置きに間仕切られることになる。このため、管状物を順次接続する際に管状物の管口と既設管渠の内面との間にモルタル7を詰め込んで間仕切りしたり、ライニング管(更生管)の製管後にライニング管の間仕切り対応位置に部分的に開けた穴からモルタル7を詰め込んで間仕切りしたりする手作業が不要となり、ライニング管Rの製管後にライニング管Rの内部からモルタル7を袋状物33に注入するのみで確実な間仕切りが作られ、間仕切り作業を簡単かつ迅速に行うことができる。しかも、ライニング管Rの施工方向の任意の位置にライニング管Rの製管後に間仕切りを簡単に作ることができる。更に、網状体よりなる袋状物33の適用によって、製管機10との干渉が容易に回避され、製管機10による製管作業を円滑に行うことができる。
【0047】
また、目開き0.5mm〜5mmの網状体を袋状に形成した袋状物33が適用されているので、内部に注入されたモルタル7が袋状物33から滲み出して、モルタル7の注入により拡径した袋状物33が既設管渠Pの内面とライニング管Rとに密着した状態で固化し、袋状物33(網状体)によって堅牢な間仕切りを作ることができる。
【0048】
そして、線径が直径0.1mm〜3mmの金属繊維よりなる網状体が袋状物33として適用されているので、安価でかつ確実な間仕切りを作ることができる。
【0049】
また、拡径時にライニング管Rと既設管渠Pの内面との間の仕切るべき断面形状に即した形状となるように袋状物33が形成されているので、モルタル7の注入によって袋状物33が仕切るべき断面形状に沿って効果的に拡径し、より確実な間仕切りを作ることができる。
【0050】
更に、網状体の目開き量に対しその20%以上に粒度分布のピーク値を保有する骨材がモルタル7に配合されているので、効率よく堅牢な間仕切りを作ることができる。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、プロファイル1を既設管渠P内で螺旋状に巻回してライニング管Rを形成したが、所定の長さに形成された管状物を既設管渠内に順に搬入し、既設管渠内で順に接続してライニング管が形成されていてもよい。この場合においても、ライニング管(管状物)の施工方向所定間隔置きに設置した袋状物の垂下部分とそれぞれ対応するライニング管の上面略中央位置に穿孔を穿設し、この穿孔から導出した垂下部分33a先端のモルタル注入口に供給ホースの先端を接続した状態で、モルタル7を供給ホースより垂下部分33aを介して袋状物33内に注入して固化させることによって、既設管渠の内面とライニング管とを袋状物によりライニング管の施工方向に間仕切ることができる。
【0052】
また、製管機10のライニング管施工方向への移動は、別途に設けた移動駆動源によって行うようにしてもよい。
【0053】
更に、上記実施形態では、断面略矩形状の既設管渠P内をライニング管Rにより施工する場合について述べたが、断面略円形状の既設管渠内をライニング管により施工する場合にも適用できるのはもちろんである。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の管渠内における更生管施工法によれば、更生管の施工前に既設管渠内に収縮状態の袋状物を周方向に残置し、更生管の施工後に更生管の内部から更生管の穿孔を介してモルタルを袋状物の内部に注入して拡径することによって、更生管と既設管渠の内面との間を更生管の施工方向に間仕切りすることで、モルタルを詰め込んで間仕切りする手作業を不要とし、更生管の製管後に更生管の内部からモルタルを袋状物に注入するのみで確実な間仕切りを作ることができ、間仕切り作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はライニング管の施工に使用するプロファイルの一例を示す図である。
(b)はプロファイル同士の係合状態を示す図である。
【図2】ライニング管の施工に使用する製管機の構造を示す正面図である。
【図3】ライニング管施工方法を示す概略説明図である。
【図4】プロファイルの接合方法を示す説明図である。
【図5】図3のZ−Z線における断面図である。
【図6】既設管渠内をライニング管の施工方向から見た断面図である。
【図7】(a)はライニング管の穿孔より垂下部分を導出させた状態を示す説明図である。
(b)は垂下部分のモルタル注入口に供給ホースからのモルタルの注入状態を示す説明図である。
(c)は袋状物内へのモルタル注入後に穿孔を蓋で閉じた状態を示す説明図である。
【図8】(a)はライニング管に穿孔を穿設した状態を示す説明図である。
(b)は穿孔に供給ホースを接続してモルタルを注入する状態を示す説明図である。
(c)は間仕切り空間内へのモルタル注入後に穿孔を蓋で閉じた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 プロファイル
2 帯状部材
33 袋状物
33b モルタル注入口
7 モルタル
P 既設管渠
R ライニング管(更生管)
Claims (2)
- 既設管渠の内面に更生管を施工する方法であって、
更生管は、長尺の帯状に形成された帯状部材を既設管渠内で螺旋状に巻回して形成されるようになっており、
上記更生管の施工前に既設管渠内に収縮状態の袋状物を周方向に残置し、更生管の施工後に更生管の内部から更生管の穿孔を介してモルタルを袋状物の内部に注入して拡径することによって、更生管と既設管渠の内面との間を更生管の施工方向に間仕切りして、
その間仕切り間毎にモルタルを注入することを特徴とする管渠内における更生管施工方法。 - 既設管渠の内面に更生管を施工する方法であって、
更生管は、所定の長さに形成された管状物を既設管渠内で順に接続して形成されるようになっており、
上記更生管の施工前に既設管渠内に収縮状態の袋状物を周方向に残置し、更生管の施工後に更生管の内部から更生管の穿孔を介してモルタルを袋状物の内部に注入して拡径することによって、更生管と既設管渠の内面との間を更生管の施工方向に間仕切りして、
その間仕切り間毎にモルタルを注入することを特徴とする管渠内における更生管施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002062414A JP4189159B2 (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 管渠内における更生管施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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