JP3662678B2 - 既設管路のライニング構造および既設管路のライニング工法 - Google Patents

既設管路のライニング構造および既設管路のライニング工法 Download PDF

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L1/00Laying or reclaiming pipes; Repairing or joining pipes on or under water

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、老朽化した下水管路、あるいは新設の下水管路等のように地中に埋設された既設管路をライニング管によってライニングした構造、および、既設管路をライニング管によってライニングする工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設された下水管路は、複数の下水管を接合して構成されている。このような下水管路は、地震等による地盤の変位によって、伸縮、曲げ等の外力を受けると、下水管同士の接合部に変位が集中し、その接合部分が破損して漏水するおそれがある。このために、地盤変位による外力が下水管同士の接合部に加わっても破損しないように、その接合部に、耐震構造の継手を新たに設置することが行われている。この場合、下水管の接合部に耐震構造の継手を新たに設置するためには、下水管路を地表から開削し、露出した下水管の接合部に、新たに耐震構造の継手を設置しなければならない。しかし、交通量の激しい地域に埋設された下水管路の場合には、このように、地表からの開削作業によって下水管路を露出させることは容易ではない。
【0003】
このために、開削作業を実施することなく、下水管の接合部を耐震構造とする方法の開発が要求されている。
【0004】
最近では、老朽化した下水管路の内周面をライニング材によってライニングすることにより、下水管路の全体にわたって補強することが行われている。この場合には下水管同士の接合部もライニング材によって補強された状態になり、地盤変位によって下水管同士の接合部の破損が防止される。
【0005】
例えば、実公平3−15291号公報には、合成樹脂製のチューブによって、下水管路等の既設管路内周面をライニングする工法が開示されている。このライニング工法では、下水管路内に挿入されたチューブを膨張させることにより、チューブを下水管路の内周面に密着させて、下水管路全体をライニングするようになっている。
【0006】
このような工法によって構成されたライニング構造では、チューブが一様な材料によって構成されているために、下水管路に加わる変位は、下水管同士の接合部に集中されない傾向になり、その接合部の破損が抑制される。しかし、硬化したチューブは伸縮機能がほとんどなく、地盤変位等によってチューブに応力が加わると、その応力がチューブの材料強度よりも大きい場合には、チューブが破損するおそれがある。また、このように、チューブを膨張して下水管路をライニングする工法では、下水管路内に下水を通水させた状態では作業が行えないという問題もある。
【0007】
このようなチューブに替えて、合成樹脂によって構成された帯板状のプロファイルを使用して下水管路をライニングする工法も実施されている。プロファイルを使用したライニング工法では、マンホール内に設置された製管機によって、可撓性を有する帯状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニング管を製造しつつ、製造されたライニング管を下水管路内に挿入し、その後に、下水管路とライニング管との間に裏込め材を充填するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなライニング工法によって得られるライニング構造では、ライニング管が、プロファイルを螺旋状に巻回して隣接する側縁部同士を相互に嵌合させることによって構成されているために、その嵌合部が螺旋状態で連続していることにより、ライニング管自体には伸縮性がある。従って、下水管の接合部に外力が加わっても、ライニング管は、それ自体の伸縮性によって破損されることは防止される。
【0009】
しかしながら、ライニング管と下水管路との間に充填される裏込め材の充填強度が大きくなると、ライニング管は、裏込め材とともに一体化された状態になり、ライニング管の伸縮性が損なわれるという問題がある。反対に、裏込め材の充填強度を低下させると、ライニング管によってライニングされた下水管路自体の強度が低下する。
【0010】
また、このようなライニング工法において、下水管路内が通水された状態で、プロファイルを加熱することなく冷間にて所定の口径で長距離にわたって製造する場合には、プロファイルは、所定の口径に湾曲される柔軟性と、所定の長距離にわたって破損することなく保持されるような強度とを有していることが必要であり、さらには、通水する下水等に対しても影響を受けないような材質であることも必要になる。このように、プロファイルとして使用し得る材料が制限されると、地盤変位等による影響に対応することができるようなライニング管を得ることは容易ではない。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、既設管路における既設管同士の接合部の強度を、ライニング管の材料等に影響されることなく、確実に向上させることができ、しかも、既設管路全体も高強度に保持することができる既設管路のライニング構造を提供することにある。本発明の他の目的は、既設管同士の接合部を容易に高強度にすることができる既設管路のライニング工法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の既設管路のライニング構造は、複数の既設管を接合して構成された既設管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管との間に裏込め材が充填されており、既設管路における少なくとも既設管同士の接合部に対応した内周面が、既設管路における既設管同士の接合部に形成される段差を覆うとともに、地盤変位による裏込め材の変位を吸収し得る被覆シートにて覆われていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の既設管路のライニング構造は、前記被覆シートが既設管路の内周面を全体にわたって覆っている。
【0014】
請求項3に記載の既設管路のライニング構造は、前記ライニング管は、帯板状になったプロファイルを螺旋状に巻回して隣接する側縁部同士を接合することにより構成されている。
【0015】
請求項4に記載の既設管路のライニング構造は、前記被覆シートが複数設けられている。
【0016】
請求項5に記載の既設管路のライニング構造は、前記既設管路における既設管同士の接合部に対応して、ライニング管に嵌合されたフレーム状の補強体が、裏込め材に埋設されている。
【0017】
請求項6に記載の既設管路のライニング構造は、複数の既設管を接合して構成された既設管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管との間に裏込め材が充填されており、既設管路における少なくとも既設管同士の接合部に対応したライニング管の外周面が被覆シートにて覆われていることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の既設管路のライニング工法は、既設管路における既設管同士の接合部に対応した内周面を、既設管路における既設管同士の接合部に形成される段差を覆うとともに、地盤変位による裏込め材の変位を吸収し得る被覆シートにて覆う工程と、帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニング管を製造しつつ、製造されたライニング管を既設管路内に挿入する工程と、既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工程と、を包含することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の既設管路のライニング工法は、帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニング管を製造するとともに、製造されたライニング管の外周面を被覆シートにて覆いつつ、そのライニング管を既設管路内に挿入する工程と、既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工程と、を包含することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1(a)は、本発明の既設管路のライニング構造の実施の形態の一例を示す一部破断側面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線における断面図である。このライニング構造では、既設管路としての下水管路20の内周面がライニング管10によってライニングされている。
【0022】
下水管路20は、例えば、一方の端部に受口部21aを有する複数のヒューム管によって構成された下水管21を直線状に接合して構成されている。
【0023】
ライニング管10は、合成樹脂製の帯板状をしたプロファイルを螺旋状に巻回して構成されている。下水管路20とライニング管10との間には、裏込め材22が、下水管路20の全長にわたって充填されている。下水管路20における下水管21同士の接合部に対応する下水管路20の内周面は、軸方向にそって適当な長さにわたって被覆シート23によって覆われており、下水管21の接合部に対応する下水管路20の内周面と裏込め材22との間に被覆シート23が介在されている。
【0024】
ライニング管10は、図2に示すプロファイル11を螺旋状に巻回して製造されている。このプロファイル11は、その全長にわたって、帯状の補強材12によって補強されている。
【0025】
プロファイル11は、厚さが2〜4mm程度の帯板状をした基板本体部11bを有している。この基板本体部11bの幅方向の一方の側縁部には、基板本体部11bの厚さ分だけ、らせん状に巻回された際に外周側となる表面側に位置する段落ち部11cが設けられている。基板本体部11bの側縁部である段落ち部11cの側縁部には、基板本体部11bの表面側から側縁部側に斜めに延出する斜め係止リブ11eが長手方向に連続して設けられている。
【0026】
段落ち部11cの中程には、係止リブ11eの突出方向と同方向に突出する半円環状のソケット11dが、基板本体部11bの長手方向に沿って連続して設けられている。このソケット11dは、基板本体部11bの裏面に開口した状態になっている。ソケット11dの内部は、開口側部分が狭く、内奥側が円弧状に広がった状態になっている。半円環状のソケット11dの外周面には、基板本体部11bの幅方向に沿って延出した補強部11gが設けられている。
【0027】
プロファイル11は、ソケット11d、斜め係止リブ11e等が設けられた表面が外周側になるように螺旋状に巻回される。
【0028】
基板本体部11bにおける斜め係止リブ11eが設けられた側縁とは反対側に位置する側縁の近傍部分には、基板本体部11bに対してソケット11dの突出方向と同方向に垂直に立ち上げられた嵌合突条11fが、基板本体部11bの長手方向に沿って連続して設けられている。この嵌合突条11fは、基板本体部11bの表面から垂直に立ち上がった支柱部の先端に断面円形状の嵌合部が設けられており、その嵌合部は、段落ち部11cに設けられたソケット11dの中空の断面と整合した断面円形状になっている。
【0029】
基板本体部11bの外周側の表面には、嵌合突条11fと段落ち部11cの補強部11gとの間に、等しい間隔をあけて、嵌合突条11fと同方向に突出する2つの補強リブ11hが設けられている。そして、嵌合突条11fに隣接した補強リブ11hには、図2に二点鎖線で示すように、基板11が螺旋状に巻回されてソケット11d内に嵌合突条11fが嵌合された際に、斜め係止リブ11eの先端部が係合されるようになっている。
【0030】
基板本体部11bにおける嵌合突条11fに近接した表面には、薄い帯状のシール材11kが設けられている。このシール材11kは、プロファイル11が螺旋状に巻回されてソケット11d内に嵌合突条11fが嵌合され、さらに、斜め係止リブ11eの先端部が係合された際に、斜め係止リブ11eとソケット11dとの間が基板本体部11bとの間に挟み込まれて両者の間をシールするようになっている。
【0031】
このような構成のプロファイル11は、基板本体部11b、段落ち部11c、ソケット11d、斜め係止リブ11e、嵌合突条11f、各補強リブ11hおよび補強部11gが、可撓性を有するポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等の合成樹脂によって一体的に成形されている。
【0032】
基板本体部11bの幅方向の中央部に設けられた一対の補強リブ11h間には、プロファイル11と同様に帯状に延びる補強材12が設けられている。この補強材12は、鋼板、ステンレス、アルミニウム等の帯板状の金属板を、幅方向の中央部が上方に向かって鋭角的に突出するように屈曲されるとともに、各側縁が、その幅方向の中央部に対して幅方向に並んだ状態になるように、その中央部と各側縁との中間部が、下方に鋭角的に突出するようにそれぞれ屈曲されて、断面W字状に成形されている。そして、補強材12の各側縁が、プロファイル11の中央部にて隣接する一対の補強リブ11hの先端部に、それぞれ係止されることによって、プロファイル11に取り付けられている。
【0033】
このようなプロファイル11および補強材12を使用して、本発明の既設管のライニング方法が次のように実施される。まず、下水管路20における下水管21同士の接合部分に対応した内周面が、軸方向に適当な長さにわたって、被覆シート23によって、全周にわたって覆われる。
【0034】
このような状態になると、下水管路20に設けられたマンホール内に製管機を設置して、地上からマンホールを通って製管機に、補強材12が装着されたプロファイル11が供給される。製管機に供給されるプロファイル11は、製管機によって螺旋状に巻回されて、図2に二点鎖線で示すように、段落ち部11cに設けられたソケット11d内に、嵌合突条11fが嵌合されるとともに、斜め係止リブ11eの先端部が、補強リブ11hの間に係合される。ソケット11d内に嵌合された嵌合突条11fは、ソケット11dに係止して抜け止め状態にされる。これにより、プロファイル11は、螺旋管状に成形されて、ライニング管10として下水管路20内に挿入される。
【0035】
なお、このように、マンホール内に製管機を設置してライニング管10を下水管路20内に挿入する構成に替えて、下水管路20内にプロファィル11を直接供給して、下水管路20内に進入した作業員によって、プロファィル11を下水管路20の内周面に沿うように螺旋状に張り付け、プロファィル11の段落ち部11cに設けられたソケット11d内に、嵌合突条11fを嵌合させるとともに、斜め係止リブ11eの先端部を補強リブ11hの間に係合させるようにしてもよい。
【0036】
このようにして、適当な長さにわたって下水管路20内にライニング管10が挿入された状態になると、下水管路20内に挿入されていないプロファイル11がライニング管10とされたプロファイル11部分から切断されて、ライニング管10と下水管路20との間に、モルタル等の裏込め材22が、ライニング管10が挿入された下水管路20の全体にわたって充填される。そして、裏込め材を硬化させることにより、本発明の既設管のライニング構造が得られる。
【0037】
このようにして得られたライニング構造では、下水管路20における下水管21同士の接合部に対応した内周面が、被覆シート23によって覆われているために、下水管21同士の接合部における段差が、裏込め材に対するアンカーとして機能するおそれがなく、地震等による地盤変動によって、下水管21の接合部に外力が加わっても、伸縮性を有するライニング管10は、裏込め材23とともに変位し、ライニング管10に加わる応力が吸収される。
【0038】
被覆シート23は、下水管路20における下水管21同士の接合部に形成される段差を覆うとともに、地盤変位による裏込め材22の変位を吸収し得るように、0.5mm 程度の厚さであればよく、従って、シート状に限らず、フィルム状、薄板状であってもよい。被覆シート23は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の合成樹脂、アルミニウム等の金属等によって構成される。
【0039】
被覆シート23は、下水管路20における下水管21同士の接合部に対応した内周面を全周にわたって覆う構成であればよく、従って、下水管路20に設けられた複数の下水管21の接合部を、適当な長さの被覆シート23によってそれぞれ覆う構成に限らず、下水管路20の内周面を、その全長にわたって被覆シート23によって覆う構成であってもよい。また。図3に示すように、被覆シート23を2枚重ねて、下水管21同士の接合部を覆うようにしてもよい。
【0040】
ライニング管10は、プロファイル11を螺旋状に巻回して製造される螺旋管に限らず、通常の合成樹脂管等であってもよい。また、プロファイル11も、図2に示すような形状に限らず、例えば、比較的小径のライニング管10を製造する場合には、図4に示すように、補強リブ11hの個数が多くて補強材12が設けられていないようなものであってもよい。さらに、図5(a)および(b)に示すように、基板本体部11bの各側縁部に、補強リブ11hと同方向に突出して外側に屈曲され、裏面側に開口した溝部11mをそれぞれ有する構成であってもよい。この場合には、螺旋状に巻回された基板本体部11bの隣接する各溝部11mが、断面U字状の帯状になった嵌合部材13にて接合される。
【0041】
また、図6(a)および(b)に示すように、下水管路20における各下水管21の接合部に対応する内周面が被覆シート23によって覆われた裏込め材22内に、鉄筋41によって円筒フレーム状に構成された補強体40を、ライニング管10に嵌合した状態で埋設するようにしてもよい。この場合、鉄筋41によって円筒フレーム状に構成された補強体40は、下水管路20における各下水管21の接合部に対応する部分にのみ配置する構成に限らず、下水管路20の全体にわたって配置するようにしてもよい。なお、図6(a)においては、下水管路20の内周面が全体にわたって、被覆シート23によって覆われている。
【0042】
このようなライニング構造では、下水管路20に加わる荷重のライニング管10に対する影響が、補強体40によって、一層、緩和される。
【0043】
このようなライニング構造の強度を評価するために、下水管路20の外圧試験および引張試験を実施した。
【0044】
まず、本発明のライニング構造の下水管路20における各下水管21の外圧強度について試験した。下水管路20は、口径が1000mmの2本の下水管(ヒューム管)21を相互に接合して構成した。次に、2本の下水管21によって構成された下水管路20の内周面を、厚さ 200μm のポリエチレンフィルムによって構成された1枚の被覆シート23によって、全長にわたって被覆した。その後、図2に示すプロファイル11(基板本体部11bの厚さが 3.4mm、基板本体11bの裏面から補強リブ11h先端までの長さが21.5mm、ソケット11dの中心から嵌合突条11fの中心までの距離が79mm)を使用して、口径 900mmのライニング管10を製造し、下水管路20内に挿入した。そして、下水管路20とライニング管10との間に、高強度モルタルの裏込め材22を充填した。
【0045】
このような下水管路20の各下水管21に、直径方向にそれぞれ圧力を加えて、破壊される際の荷重(破壊荷重)をそれぞれ測定した。各下水管21における破壊荷重は、144.9 KN/m 、136.6 KN/m であった。
【0046】
比較のために、3本の下水管が接合された下水管路において、被覆シート23が設けられていないこと以外は同様の条件として、各下水管の破壊荷重をそれぞれ測定したところ、132.9 KN/m 、129.2 KN/m 、134.2 KN/m であった。
【0047】
このように、本発明のライニング構造では、下水管21の破壊荷重は、従来のライニング構造における下水管の破壊荷重とほぼ同様であった。ヒューム管の規格荷重は 61.9 KN/m であり、従って、本発明のライニング構造では、下水管20の外圧強度としては特に問題がない。
【0048】
次に、本発明のライニング構造の下水管路20において、地盤変位によって各下水管路21が引張力を受けた場合を想定した引張試験を行って、ライニング管10への影響を測定した。下水管路20は、口径が 600mmの2本の下水管(ヒューム管)21を相互に接合して構成した。そして、2本の下水管21によって構成された下水管路20の内周面を、厚さ 0.5mmのポリプロピレンフィルムによって構成された被覆シート23によって全長にわたって被覆した。この場合、下水管21の接合部におけるほぼ半周を1枚の被覆シート23によって被覆し、他の半周を2枚の被覆シート23によって被覆した。
【0049】
その後、図4に示すプロファイル11を使用して、口径が 500mmのライニング管10を製造した。このプロファイル11は、補強リブ11hが5つ設けられており、補強材12が設けられていないこと以外は、図2に示すプロファイル11と同様の構成になっている。プロファイル11における基板本体部11bの厚さは 1.8mm、基板本体11bの裏面から補強リブ11h先端までの長さは11.9mm、ソケット11dの中心から嵌合突条11fの中心までの距離は87mmである。製造されたライニング管10を下水管路20内に挿入して、下水管路20とライニング管10との間に、高強度モルタルの裏込め材22を充填した。
【0050】
このような下水管路20における一方の下水管21に、図7に示す引張試験機30を装着した。この引張試験機30は、中空の円錐台形状になった一対の固定治具31間に、各固定治具31を相互に離れる方向に加圧する一対の油圧ジャッキ32が設けられている。各油圧ジャッキ32には、作用する加圧量を測定するロードセル33がそれぞれ設けられている。
【0051】
引張試験機30は、相互に接合された一対の下水管21におけるそれぞれの受口部21aに、各固定治具31が当接するように、一方の下水管21に装着し、各油圧ジャッキ32を段階的に駆動して、各下水管21を相互に引っ張った状態になるように押圧した。そして、油圧ジャッキ32が伸長した場合の油圧ジャッキ32の伸長量(一対の下水管21全体の引き抜き量)およびその場合の油圧ジャッキ32に加わる荷重と、ライニング管10の内周面におけるプロファイル11の開き量(間隙量)とをそれぞれ測定した。ライニング管10内周面におけるプロファイル11の開き量は、螺旋状に巻回されたプロファイル11における段落ち部11cの段落ち部分と、その段落ち部11c内に嵌合されたプロファイル11の側縁部との螺旋状に沿った突き合わせ部分における開き量をライニング管10の内部から測定した。
【0052】
測定は、プロファイル11の側縁部に沿って、下水管21の接合部分における軸方向の中央部(測定箇所No.10 付近)に対して、プロファイル11の突き合わせ部分に沿って 8.7mmの間隔をあけて、1枚の被覆シート23によって覆われている方向に対しては10箇所(測定箇所No.10 〜 No.19)または8箇所、2枚の被覆シート23によって覆われた反対方向に対しては14箇所(測定箇所No.-3 〜 No.10)または13箇所とした。結果を表1および図8のグラフに示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003662678
【0054】
被覆シート23を設けない場合には、通常、下水管21の抜け量が10mm程度になるとライニング管10におけるプロファイル11の嵌合部が破壊したが、本発明では、下水管21の抜け量が60mm程度になっても、ライニング管10におけるプロファイル11の嵌合部は破壊しなかった。また、1枚の被覆シート23を設けた場合(測定箇所No.11 〜 No.20)には、下水管21同士の接合部付近にてライニング管10におけるプロファイル11の嵌合部は開き量が大きくなる傾向にあり、2枚の被覆シート23を重ねて使用する方が、ライニング管10におけるプロファイル11の嵌合部の開き量が全体にわたって小さくなっていた。従って、複数枚の被覆シート23を使用することにより、下水管21の接合部に加わる荷重を、ライニング管10に対して周方向に分散させることができる。
【0055】
図9(a)は、本発明の既設管路のライニング構造の実施の形態の他の例を示す一部破断側面図、図9(b)は、図9(a)のA−A線における断面図である。このライニング構造では、下水管路20内に挿入されたライニング管10の外周面が、その全長および全周にわたって、被覆シート23によって覆われており、被覆シート23によって覆われたライニング管10と下水管路20との間に裏込め材22が充填されている。ライニング管10は、前記実施の形態と同様に、合成樹脂製のプロファイル11を螺旋状に巻回して、隣接する側縁部同士が嵌合されて構成されている。
【0056】
このようなライニング構造を形成する場合には、プロファイル11を螺旋状に巻回して製造されるライニング管10を下水管路20内に挿入する際に、ライニング管10の外周面に、被覆シート23が螺旋状に巻き付けられる。これにより、下水管路20内に挿入されるライニング管10は、外周面の全体が被覆シート23にて覆われた状態になる。下水管路20内に、被覆シート23によって被覆されたライニング管10が挿入されると、裏込め材22が充填される。
【0057】
このような構成のライニング構造でも、下水管路20における下水管21の接合部に加わる外力に対して、裏込め材22が下水管路20とともに変位するような場合にも、被覆シート23によって、ライニング管10の伸縮性が阻害されるおそれがない。
【0058】
【発明の効果】
本発明の既設管路のライニング構造は、ライニング管の材質、裏込め材の充填条件等にかかわらず、地盤変位等によって既設管路に外力が加わるような場合にもライニング管が破損するおそれがない。また、本発明のライニング工法は、このようなライニング構造を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の既設管路のライニング構造の実施の形態の一例を示す一部破断側面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図である。
【図2】そのライニング構造のライニング管の製造に使用されるプロファイルの一例を示す横断面図である。
【図3】本発明の既設管のライニング構造の実施の形態の他の例を示す既設管路の横断面図である。
【図4】本発明のライニング構造のライニング管の製造に使用されるプロファイルの他の例を示す横断面図である。
【図5】(a)は、本発明のライニング構造のライニング管の製造に使用されるプロファイルのさらに他の例を示す横断面図、(b)は、その要部を拡大して示す斜視図である。
【図6】(a)は、本発明の既設管路のライニング構造の実施の形態のさらに他の例を示す一部破断側面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図である。
【図7】本発明のライニング構造の強度試験の実施状態を示す側面図である。
【図8】その強度試験の測定結果を示すグラフである。
【図9】(a)は、本発明の既設管路のライニング構造の実施の形態のさらに他の例を示す一部破断側面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図である。
【符号の説明】
10 プロファイル
11b 基板本体
11c 段落ち部
11d ソケット
11e 係止リブ
11f 嵌合突条
11h 補強リブ
12 補強材
20 下水管路
21 下水管
22 裏込め材
23 被覆シート
40 補強体
41 鉄筋

Claims (8)

  1. 複数の既設管を接合して構成された既設管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管との間に裏込め材が充填されており、既設管路における少なくとも既設管同士の接合部に対応した内周面が、既設管路における既設管同士の接合部に形成される段差を覆うとともに、地盤変位による裏込め材の変位を吸収し得る被覆シートにて覆われていることを特徴とする既設管路のライニング構造。
  2. 前記被覆シートが既設管路の内周面を全体にわたって覆っている請求項1に記載の既設管路のライニング構造。
  3. 前記ライニング管は、帯板状になったプロファイルを螺旋状に巻回して隣接する側縁部同士を接合することにより構成されている請求項1に記載の既設管路のライニング構造。
  4. 前記被覆シートが複数設けられている請求項1に記載の既設管のライニング構造。
  5. 前記既設管路における既設管同士の接合部に対応して、ライニング管に嵌合されたフレーム状の補強体が、裏込め材に埋設されている請求項1に記載の既設管路のライニング構造。
  6. 複数の既設管を接合して構成された既設管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管との間に裏込め材が充填されており、既設管路における少なくとも既設管同士の接合部に対応したライニング管の外周面が被覆シートにて覆われていることを特徴とする既設管路のライニング構造。
  7. 既設管路における既設管同士の接合部に対応した内周面を、既設管路における既設管同士の接合部に形成される段差を覆うとともに、地盤変位による裏込め材の変位を吸収し得る被覆シートにて覆う工程と、帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニング管を製造しつつ、製造されたライニング管を既設管路内に挿入する工程と、既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工程と、を包含することを特徴とする既設管路のライニング工法。
  8. 帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニング管を製造するとともに、製造されたライニング管の外周面を被覆シートにて覆いつつ、そのライニング管を既設管路内に挿入する工程と、既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工程と、を包含することを特徴とする既設管路のライニング工法。
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