JPH1047534A - 既設管路のライニング構造および既設管路のライニング工法 - Google Patents

既設管路のライニング構造および既設管路のライニング工法

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JPH1047534A
JPH1047534A JP20500396A JP20500396A JPH1047534A JP H1047534 A JPH1047534 A JP H1047534A JP 20500396 A JP20500396 A JP 20500396A JP 20500396 A JP20500396 A JP 20500396A JP H1047534 A JPH1047534 A JP H1047534A
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pipe
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三郎 小岩
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L1/00Laying or reclaiming pipes; Repairing or joining pipes on or under water

Abstract

(57)【要約】 【課題】下水管路における下水管同士の接合部に荷重が
加わっても、ライニング管が破損するおそれがない。 【解決手段】複数の下水管21が接合された下水管路2
0が構成されており、下水管21の接合部内周面が被覆
シート23によって覆われている。下水管路20内に
は、プロファイル11を螺旋状に巻回して構成されたラ
イニング管10が挿入されて、下水管路20とライニン
グ管10との間に裏込め材22が充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老朽化した下水管
路、あるいは新設の下水管路等のように地中に埋設され
た既設管路をライニング管によってライニングした構
造、および、既設管路をライニング管によってライニン
グする工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設された下水管路は、複数の下
水管を接合して構成されている。このような下水管路
は、地震等による地盤の変位によって、伸縮、曲げ等の
外力を受けると、下水管同士の接合部に変位が集中し、
その接合部分が破損して漏水するおそれがある。このた
めに、地盤変位による外力が下水管同士の接合部に加わ
っても破損しないように、その接合部に、耐震構造の継
手を新たに設置することが行われている。この場合、下
水管の接合部に耐震構造の継手を新たに設置するために
は、下水管路を地表から開削し、露出した下水管の接合
部に、新たに耐震構造の継手を設置しなければならな
い。しかし、交通量の激しい地域に埋設された下水管路
の場合には、このように、地表からの開削作業によって
下水管路を露出させることは容易ではない。
【0003】このために、開削作業を実施することな
く、下水管の接合部を耐震構造とする方法の開発が要求
されている。
【0004】最近では、老朽化した下水管路の内周面を
ライニング材によってライニングすることにより、下水
管路の全体にわたって補強することが行われている。こ
の場合には下水管同士の接合部もライニング材によって
補強された状態になり、地盤変位によって下水管同士の
接合部の破損が防止される。
【0005】例えば、実公平3−15291号公報に
は、合成樹脂製のチューブによって、下水管路等の既設
管路内周面をライニングする工法が開示されている。こ
のライニング工法では、下水管路内に挿入されたチュー
ブを膨張させることにより、チューブを下水管路の内周
面に密着させて、下水管路全体をライニングするように
なっている。
【0006】このような工法によって構成されたライニ
ング構造では、チューブが一様な材料によって構成され
ているために、下水管路に加わる変位は、下水管同士の
接合部に集中されない傾向になり、その接合部の破損が
抑制される。しかし、硬化したチューブは伸縮機能がほ
とんどなく、地盤変位等によってチューブに応力が加わ
ると、その応力がチューブの材料強度よりも大きい場合
には、チューブが破損するおそれがある。また、このよ
うに、チューブを膨張して下水管路をライニングする工
法では、下水管路内に下水を通水させた状態では作業が
行えないという問題もある。
【0007】このようなチューブに替えて、合成樹脂に
よって構成された帯板状のプロファイルを使用して下水
管路をライニングする工法も実施されている。プロファ
イルを使用したライニング工法では、マンホール内に設
置された製管機によって、可撓性を有する帯状のプロフ
ァイルを螺旋状に巻回してライニング管を製造しつつ、
製造されたライニング管を下水管路内に挿入し、その後
に、下水管路とライニング管との間に裏込め材を充填す
るようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようなライニング
工法によって得られるライニング構造では、ライニング
管が、プロファイルを螺旋状に巻回して隣接する側縁部
同士を相互に嵌合させることによって構成されているた
めに、その嵌合部が螺旋状態で連続していることによ
り、ライニング管自体には伸縮性がある。従って、下水
管の接合部に外力が加わっても、ライニング管は、それ
自体の伸縮性によって破損されることは防止される。
【0009】しかしながら、ライニング管と下水管路と
の間に充填される裏込め材の充填強度が大きくなると、
ライニング管は、裏込め材とともに一体化された状態に
なり、ライニング管の伸縮性が損なわれるという問題が
ある。反対に、裏込め材の充填強度を低下させると、ラ
イニング管によってライニングされた下水管路自体の強
度が低下する。
【0010】また、このようなライニング工法におい
て、下水管路内が通水された状態で、プロファイルを加
熱することなく冷間にて所定の口径で長距離にわたって
製造する場合には、プロファイルは、所定の口径に湾曲
される柔軟性と、所定の長距離にわたって破損すること
なく保持されるような強度とを有していることが必要で
あり、さらには、通水する下水等に対しても影響を受け
ないような材質であることも必要になる。このように、
プロファイルとして使用し得る材料が制限されると、地
盤変位等による影響に対応することができるようなライ
ニング管を得ることは容易ではない。
【0011】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、既設管路における既設管同士の接
合部の強度を、ライニング管の材料等に影響されること
なく、確実に向上させることができ、しかも、既設管路
全体も高強度に保持することができる既設管路のライニ
ング構造を提供することにある。本発明の他の目的は、
既設管同士の接合部を容易に高強度にすることができる
既設管路のライニング工法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の既設管路のラ
イニング構造は、複数の既設管を接合して構成された既
設管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管と
の間に裏込め材が充填されており、既設管路における少
なくとも既設管同士の接合部に対応した内周面が被覆シ
ートにて覆われていることを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の既設管路のライニング構
造は、前記被覆シートが既設管路の内周面を全体にわた
って覆っている。
【0014】請求項3に記載の既設管路のライニング構
造は、前記ライニング管は、帯板状になったプロファイ
ルを螺旋状に巻回して隣接する側縁部同士を接合するこ
とにより構成されている。
【0015】請求項4に記載の既設管路のライニング構
造は、前記被覆シートが複数設けられている。
【0016】請求項5に記載の既設管路のライニング構
造は、前記既設管路における既設管同士の接合部に対応
して、ライニング管に嵌合されたフレーム状の補強体
が、裏込め材に埋設されている。
【0017】請求項6に記載の既設管のライニング構造
は、複数の既設管を接合して構成された既設管路と、そ
の既設管路内に挿入されたライニング管との間に裏込め
材が充填されており、既設管路における少なくとも既設
管同士の接合部に対応したライニング管の外周面が被覆
シートにて覆われていることを特徴とする。
【0018】請求項7に記載の既設管路のライニング工
法は、既設管路における既設管同士の接合部に対応した
内周面を被覆シートにて覆う工程と、帯板状のプロファ
イルを螺旋状に巻回してライニング管を製造しつつ、製
造されたライニング管を既設管路内に挿入する工程と、
既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工
程と、を包含することを特徴とする。
【0019】請求項8に記載の既設管路のライニング工
法は、帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニ
ング管を製造するとともに、製造されたライニング管の
外周面を被覆シートにて覆いつつ、そのライニング管を
既設管路内に挿入する工程と、既設管路とライニング管
との間に裏込め材を充填する工程と、を包含することを
特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1(a)は、本発明の既設管路のライニ
ング構造の実施の形態の一例を示す一部破断側面図、図
1(b)は、図1(a)のA−A線における断面図であ
る。このライニング構造では、既設管路としての下水管
路20の内周面がライニング管10によってライニング
されている。
【0022】下水管路20は、例えば、一方の端部に受
口部21aを有する複数のヒューム管によって構成され
た下水管21を直線状に接合して構成されている。
【0023】ライニング管10は、合成樹脂製の帯板状
をしたプロファイルを螺旋状に巻回して構成されてい
る。下水管路20とライニング管10との間には、裏込
め材22が、下水管路20の全長にわたって充填されて
いる。下水管路20における下水管21同士の接合部に
対応する下水管路20の内周面は、軸方向にそって適当
な長さにわたって被覆シート23によって覆われてお
り、下水管21の接合部に対応する下水管路20の内周
面と裏込め材22との間に被覆シート23が介在されて
いる。
【0024】ライニング管10は、図2に示すプロファ
イル11を螺旋状に巻回して製造されている。このプロ
ファイル11は、その全長にわたって、帯状の補強材1
2によって補強されている。
【0025】プロファイル11は、厚さが2〜4mm程
度の帯板状をした基板本体部11bを有している。この
基板本体部11bの幅方向の一方の側縁部には、基板本
体部11bの厚さ分だけ、らせん状に巻回された際に外
周側となる表面側に位置する段落ち部11cが設けられ
ている。基板本体部11bの側縁部である段落ち部11
cの側縁部には、基板本体部11bの表面側から側縁部
側に斜めに延出する斜め係止リブ11eが長手方向に連
続して設けられている。
【0026】段落ち部11cの中程には、係止リブ11
eの突出方向と同方向に突出する半円環状のソケット1
1dが、基板本体部11bの長手方向に沿って連続して
設けられている。このソケット11dは、基板本体部1
1bの裏面に開口した状態になっている。ソケット11
dの内部は、開口側部分が狭く、内奥側が円弧状に広が
った状態になっている。半円環状のソケット11dの外
周面には、基板本体部11bの幅方向に沿って延出した
補強部11gが設けられている。
【0027】プロファイル11は、ソケット11d、斜
め係止リブ11e等が設けられた表面が外周側になるよ
うに螺旋状に巻回される。
【0028】基板本体部11bにおける斜め係止リブ1
1eが設けられた側縁とは反対側に位置する側縁の近傍
部分には、基板本体部11bに対してソケット11dの
突出方向と同方向に垂直に立ち上げられた嵌合突条11
fが、基板本体部11bの長手方向に沿って連続して設
けられている。この嵌合突条11fは、基板本体部11
bの表面から垂直に立ち上がった支柱部の先端に断面円
形状の嵌合部が設けられており、その嵌合部は、段落ち
部11cに設けられたソケット11dの中空の断面と整
合した断面円形状になっている。
【0029】基板本体部11bの外周側の表面には、嵌
合突条11fと段落ち部11cの補強部11gとの間
に、等しい間隔をあけて、嵌合突条11fと同方向に突
出する2つの補強リブ11hが設けられている。そし
て、嵌合突条11fに隣接した補強リブ11hには、図
2に二点鎖線で示すように、基板11が螺旋状に巻回さ
れてソケット11d内に嵌合突条11fが嵌合された際
に、斜め係止リブ11eの先端部が係合されるようにな
っている。
【0030】基板本体部11bにおける嵌合突条11f
に近接した表面には、薄い帯状のシール材11kが設け
られている。このシール材11kは、プロファイル11
が螺旋状に巻回されてソケット11d内に嵌合突条11
fが嵌合され、さらに、斜め係止リブ11eの先端部が
係合された際に、斜め係止リブ11eとソケット11d
との間が基板本体部11bとの間に挟み込まれて両者の
間をシールするようになっている。
【0031】このような構成のプロファイル11は、基
板本体部11b、段落ち部11c、ソケット11d、斜
め係止リブ11e、嵌合突条11f、各補強リブ11h
および補強部11gが、可撓性を有するポリエチレン、
ポリプロピレン、塩化ビニル等の合成樹脂によって一体
的に成形されている。
【0032】基板本体部11bの幅方向の中央部に設け
られた一対の補強リブ11h間には、プロファイル11
と同様に帯状に延びる補強材12が設けられている。こ
の補強材12は、鋼板、ステンレス、アルミニウム等の
帯板状の金属板を、幅方向の中央部が上方に向かって鋭
角的に突出するように屈曲されるとともに、各側縁が、
その幅方向の中央部に対して幅方向に並んだ状態になる
ように、その中央部と各側縁との中間部が、下方に鋭角
的に突出するようにそれぞれ屈曲されて、断面W字状に
成形されている。そして、補強材12の各側縁が、プロ
ファイル11の中央部にて隣接する一対の補強リブ11
hの先端部に、それぞれ係止されることによって、プロ
ファイル11に取り付けられている。
【0033】このようなプロファイル11および補強材
12を使用して、本発明の既設管のライニング方法が次
のように実施される。まず、下水管路20における下水
管21同士の接合部分に対応した内周面が、軸方向に適
当な長さにわたって、被覆シート23によって、全周に
わたって覆われる。
【0034】このような状態になると、下水管路20に
設けられたマンホール内に製管機を設置して、地上から
マンホールを通って製管機に、補強材12が装着された
プロファイル11が供給される。製管機に供給されるプ
ロファイル11は、製管機によって螺旋状に巻回され
て、図2に二点鎖線で示すように、段落ち部11cに設
けられたソケット11d内に、嵌合突条11fが嵌合さ
れるとともに、斜め係止リブ11eの先端部が、補強リ
ブ11hの間に係合される。ソケット11d内に嵌合さ
れた嵌合突条11fは、ソケット11dに係止して抜け
止め状態にされる。これにより、プロファイル11は、
螺旋管状に成形されて、ライニング管10として下水管
路20内に挿入される。
【0035】なお、このように、マンホール内に製管機
を設置してライニング管10を下水管路20内に挿入す
る構成に替えて、下水管路20内にプロファィル11を
直接供給して、下水管路20内に進入した作業員によっ
て、プロファィル11を下水管路20の内周面に沿うよ
うに螺旋状に張り付け、プロファィル11の段落ち部1
1cに設けられたソケット11d内に、嵌合突条11f
を嵌合させるとともに、斜め係止リブ11eの先端部を
補強リブ11hの間に係合させるようにしてもよい。
【0036】このようにして、適当な長さにわたって下
水管路20内にライニング管10が挿入された状態にな
ると、下水管路20内に挿入されていないプロファイル
11がライニング管10とされたプロファイル11部分
から切断されて、ライニング管10と下水管路20との
間に、モルタル等の裏込め材22が、ライニング管10
が挿入された下水管路20の全体にわたって充填され
る。そして、裏込め材を硬化させることにより、本発明
の既設管のライニング構造が得られる。
【0037】このようにして得られたライニング構造で
は、下水管路20における下水管21同士の接合部に対
応した内周面が、被覆シート23によって覆われている
ために、下水管21同士の接合部における段差が、裏込
め材に対するアンカーとして機能するおそれがなく、地
震等による地盤変動によって、下水管21の接合部に外
力が加わっても、伸縮性を有するライニング管10は、
裏込め材23とともに変位し、ライニング管10に加わ
る応力が吸収される。
【0038】被覆シート23は、下水管路20における
下水管21同士の接合部に形成される段差を覆うととも
に、地盤変位による裏込め材22の変位を吸収し得るよ
うに、0.5mm 程度の厚さであればよく、従って、シート
状に限らず、フィルム状、薄板状であってもよい。被覆
シート23は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロ
ン等の合成樹脂、アルミニウム等の金属等によって構成
される。
【0039】被覆シート23は、下水管路20における
下水管21同士の接合部に対応した内周面を全周にわた
って覆う構成であればよく、従って、下水管路20に設
けられた複数の下水管21の接合部を、適当な長さの被
覆シート23によってそれぞれ覆う構成に限らず、下水
管路20の内周面を、その全長にわたって被覆シート2
3によって覆う構成であってもよい。また。図3に示す
ように、被覆シート23を2枚重ねて、下水管21同士
の接合部を覆うようにしてもよい。
【0040】ライニング管10は、プロファイル11を
螺旋状に巻回して製造される螺旋管に限らず、通常の合
成樹脂管等であってもよい。また、プロファイル11
も、図2に示すような形状に限らず、例えば、比較的小
径のライニング管10を製造する場合には、図4に示す
ように、補強リブ11hの個数が多くて補強材12が設
けられていないようなものであってもよい。さらに、図
5(a)および(b)に示すように、基板本体部11b
の各側縁部に、補強リブ11hと同方向に突出して外側
に屈曲され、裏面側に開口した溝部11mをそれぞれ有
する構成であってもよい。この場合には、螺旋状に巻回
された基板本体部11bの隣接する各溝部11mが、断
面U字状の帯状になった嵌合部材13にて接合される。
【0041】また、図6(a)および(b)に示すよう
に、下水管路20における各下水管21の接合部に対応
する内周面が被覆シート23によって覆われた裏込め材
22内に、鉄筋41によって円筒フレーム状に構成され
た補強体40を、ライニング管10に嵌合した状態で埋
設するようにしてもよい。この場合、鉄筋41によって
円筒フレーム状に構成された補強体40は、下水管路2
0における各下水管21の接合部に対応する部分にのみ
配置する構成に限らず、下水管路20の全体にわたって
配置するようにしてもよい。なお、図6(a)において
は、下水管路20の内周面が全体にわたって、被覆シー
ト23によって覆われている。
【0042】このようなライニング構造では、下水管路
20に加わる荷重のライニング管10に対する影響が、
補強体40によって、一層、緩和される。
【0043】このようなライニング構造の強度を評価す
るために、下水管路20の外圧試験および引張試験を実
施した。
【0044】まず、本発明のライニング構造の下水管路
20における各下水管21の外圧強度について試験し
た。下水管路20は、口径が1000mmの2本の下水管(ヒ
ューム管)21を相互に接合して構成した。次に、2本
の下水管21によって構成された下水管路20の内周面
を、厚さ 200μm のポリエチレンフィルムによって構成
された1枚の被覆シート23によって、全長にわたって
被覆した。その後、図2に示すプロファイル11(基板
本体部11bの厚さが 3.4mm、基板本体11bの裏面か
ら補強リブ11h先端までの長さが21.5mm、ソケット1
1dの中心から嵌合突条11fの中心までの距離が79m
m)を使用して、口径 900mmのライニング管10を製造
し、下水管路20内に挿入した。そして、下水管路20
とライニング管10との間に、高強度モルタルの裏込め
材22を充填した。
【0045】このような下水管路20の各下水管21
に、直径方向にそれぞれ圧力を加えて、破壊される際の
荷重(破壊荷重)をそれぞれ測定した。各下水管21に
おける破壊荷重は、144.9 KN/m 、136.6 KN/m であっ
た。
【0046】比較のために、3本の下水管が接合された
下水管路において、被覆シート23が設けられていない
こと以外は同様の条件として、各下水管の破壊荷重をそ
れぞれ測定したところ、132.9 KN/m 、129.2 KN/m 、
134.2 KN/m であった。
【0047】このように、本発明のライニング構造で
は、下水管21の破壊荷重は、従来のライニング構造に
おける下水管の破壊荷重とほぼ同様であった。ヒューム
管の規格荷重は 61.9 KN/m であり、従って、本発明の
ライニング構造では、下水管20の外圧強度としては特
に問題がない。
【0048】次に、本発明のライニング構造の下水管路
20において、地盤変位によって各下水管路21が引張
力を受けた場合を想定した引張試験を行って、ライニン
グ管10への影響を測定した。下水管路20は、口径が
600mmの2本の下水管(ヒューム管)21を相互に接合
して構成した。そして、2本の下水管21によって構成
された下水管路20の内周面を、厚さ 0.5mmのポリプロ
ピレンフィルムによって構成された被覆シート23によ
って全長にわたって被覆した。この場合、下水管21の
接合部におけるほぼ半周を1枚の被覆シート23によっ
て被覆し、他の半周を2枚の被覆シート23によって被
覆した。
【0049】その後、図4に示すプロファイル11を使
用して、口径が 500mmのライニング管10を製造した。
このプロファイル11は、補強リブ11hが5つ設けら
れており、補強材12が設けられていないこと以外は、
図2に示すプロファイル11と同様の構成になってい
る。プロファイル11における基板本体部11bの厚さ
は 1.8mm、基板本体11bの裏面から補強リブ11h先
端までの長さは11.9mm、ソケット11dの中心から嵌合
突条11fの中心までの距離は87mmである。製造された
ライニング管10を下水管路20内に挿入して、下水管
路20とライニング管10との間に、高強度モルタルの
裏込め材22を充填した。
【0050】このような下水管路20における一方の下
水管21に、図7に示す引張試験機30を装着した。こ
の引張試験機30は、中空の円錐台形状になった一対の
固定治具31間に、各固定治具31を相互に離れる方向
に加圧する一対の油圧ジャッキ32が設けられている。
各油圧ジャッキ32には、作用する加圧量を測定するロ
ードセル33がそれぞれ設けられている。
【0051】引張試験機30は、相互に接合された一対
の下水管21におけるそれぞれの受口部21aに、各固
定治具31が当接するように、一方の下水管21に装着
し、各油圧ジャッキ32を段階的に駆動して、各下水管
21を相互に引っ張った状態になるように押圧した。そ
して、油圧ジャッキ32が伸長した場合の油圧ジャッキ
32の伸長量(一対の下水管21全体の引き抜き量)お
よびその場合の油圧ジャッキ32に加わる荷重と、ライ
ニング管10の内周面におけるプロファイル11の開き
量(間隙量)とをそれぞれ測定した。ライニング管10
内周面におけるプロファイル11の開き量は、螺旋状に
巻回されたプロファイル11における段落ち部11cの
段落ち部分と、その段落ち部11c内に嵌合されたプロ
ファイル11の側縁部との螺旋状に沿った突き合わせ部
分における開き量をライニング管10の内部から測定し
た。
【0052】測定は、プロファイル11の側縁部に沿っ
て、下水管21の接合部分における軸方向の中央部(測
定箇所No.10 付近)に対して、プロファイル11の突き
合わせ部分に沿って 8.7mmの間隔をあけて、1枚の被覆
シート23によって覆われている方向に対しては10箇
所(測定箇所No.10 〜 No.19)または8箇所、2枚の被
覆シート23によって覆われた反対方向に対しては14
箇所(測定箇所No.-3〜 No.10)または13箇所とし
た。結果を表1および図8のグラフに示す。
【0053】
【表1】
【0054】被覆フィルム23を設けない場合には、通
常、下水管21の抜け量が10mm程度になるとライニング
管10におけるプロファイル11の嵌合部が破壊した
が、本発明では、下水管21の抜け量が60mm程度になっ
ても、ライニング管10におけるプロファイル11の嵌
合部は破壊しなかった。また、1枚の被覆シート23を
設けた場合(測定箇所No.11 〜 No.20)には、下水管2
1同士の接合部付近にてライニング管10におけるプロ
ファイル11の嵌合部は開き量が大きくなる傾向にあ
り、2枚の被覆シート23を重ねて使用する方が、ライ
ニング管10におけるプロファイル11の嵌合部の開き
量が全体にわたって小さくなっていた。従って、複数枚
の被覆シート23を使用することにより、下水管21の
接合部に加わる荷重を、ライニング管10に対して周方
向に分散させることができる。
【0055】図9(a)は、本発明の既設管路のライニ
ング構造の実施の形態の他の例を示す一部破断側面図、
図9(b)は、図9(a)のA−A線における断面図で
ある。このライニング構造では、下水管路20内に挿入
されたライニング管10の外周面が、その全長および全
周にわたって、被覆シート23によって覆われており、
被覆シート23によって覆われたライニング管10と下
水管路20との間に裏込め材22が充填されている。ラ
イニング管10は、前記実施の形態と同様に、合成樹脂
製のプロファイル11を螺旋状に巻回して、隣接する側
縁部同士が嵌合されて構成されている。
【0056】このようなライニング構造を形成する場合
には、プロファイル11を螺旋状に巻回して製造される
ライニング管10を下水管路20内に挿入する際に、ラ
イニング管10の外周面に、被覆シート23が螺旋状に
巻き付けられる。これにより、下水管路20内に挿入さ
れるライニング管10は、外周面の全体が被覆シート2
3にて覆われた状態になる。下水管路20内に、被覆シ
ート23によって被覆されたライニング管10が挿入さ
れると、裏込め材22が充填される。
【0057】このような構成のライニング構造でも、下
水管路20における下水管21の接合部に加わる外力に
対して、裏込め材22が下水管路20とともに変位する
ような場合にも、被覆シート23によって、ライニング
管10の伸縮性が阻害されるおそれがない。
【0058】
【発明の効果】本発明の既設管のライニング構造は、こ
のように、既設管路における既設管同士の接合部に対応
した内周面が、被覆シートによって覆われた状態で、既
設管路とライニング管との間に裏込め材が充填されてい
るために、ライニング管の材質、裏込め材の充填条件等
にかかわらず、地盤変位等によって既設管路に外力が加
わるような場合にもライニング管が破損するおそれがな
い。また、本発明のライニング工法は、このようなライ
ニング構造を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の既設管路のライニング構造
の実施の形態の一例を示す一部破断側面図、(b)は、
(a)のA−A線における断面図である。
【図2】そのライニング構造のライニング管の製造に使
用されるプロファイルの一例を示す横断面図である。
【図3】本発明の既設管のライニング構造の実施の形態
の他の例を示す既設管路の横断面図である。
【図4】本発明のライニング構造のライニング管の製造
に使用されるプロファイルの他の例を示す横断面図であ
る。
【図5】(a)は、本発明のライニング構造のライニン
グ管の製造に使用されるプロファイルのさらに他の例を
示す横断面図、(b)は、その要部を拡大して示す斜視
図である。
【図6】(a)は、本発明の既設管路のライニング構造
の実施の形態のさらに他の例を示す一部破断側面図、
(b)は、(a)のA−A線における断面図である。
【図7】本発明のライニング構造の強度試験の実施状態
を示す側面図である。
【図8】その強度試験の測定結果を示すグラフである。
【図9】(a)は、本発明の既設管路のライニング構造
の実施の形態のさらに他の例を示す一部破断側面図、
(b)は、(a)のA−A線における断面図である。
【符号の説明】
10 プロファイル 11b 基板本体 11c 段落ち部 11d ソケット 11e 係止リブ 11f 嵌合突条 11h 補強リブ 12 補強材 20 下水管路 21 下水管 22 裏込め材 23 被覆シート 40 補強体 41 鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山城 浜夫 埼玉県狭山市大字笹井213−10 狭山グリ ーンハイツ5棟402 (72)発明者 北山 康 滋賀県栗太郡栗東町野尻75 積水化学工業 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の既設管を接合して構成された既設
    管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管との
    間に裏込め材が充填されており、既設管路における少な
    くとも既設管同士の接合部に対応した内周面が被覆シー
    トにて覆われていることを特徴とする既設管のライニン
    グ構造。
  2. 【請求項2】 前記被覆シートが既設管路の内周面を全
    体にわたって覆っている請求項1に記載の既設管路のラ
    イニング構造。
  3. 【請求項3】 前記ライニング管は、帯板状になったプ
    ロファイルを螺旋状に巻回して隣接する側縁部同士を接
    合することにより構成されている請求項1に記載の既設
    管路のライニング構造。
  4. 【請求項4】 前記被覆シートが複数設けられている請
    求項1に記載の既設管のライニング構造。
  5. 【請求項5】 前記既設管路における既設管同士の接合
    部に対応して、ライニング管に嵌合されたフレーム状の
    補強体が、裏込め材に埋設されている請求項1に記載の
    既設管路のライニング構造。
  6. 【請求項6】 複数の既設管を接合して構成された既設
    管路と、その既設管路内に挿入されたライニング管との
    間に裏込め材が充填されており、既設管路における少な
    くとも既設管同士の接合部に対応したライニング管の外
    周面が被覆シートにて覆われていることを特徴とする既
    設管路のライニング構造。
  7. 【請求項7】 既設管路における既設管同士の接合部に
    対応した内周面を被覆シートにて覆う工程と、 帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回してライニング管
    を製造しつつ、製造されたライニング管を既設管路内に
    挿入する工程と、 既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工
    程と、 を包含することを特徴とする既設管路のライニング工
    法。
  8. 【請求項8】 帯板状のプロファイルを螺旋状に巻回し
    てライニング管を製造するとともに、製造されたライニ
    ング管の外周面を被覆シートにて覆いつつ、そのライニ
    ング管を既設管路内に挿入する工程と、 既設管路とライニング管との間に裏込め材を充填する工
    程と、 を包含することを特徴とする既設管路のライニング工
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003262288A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Sekisui Chem Co Ltd 管渠内における更生管施工方法

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