JP4188509B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車において、足で操作する足動ブレーキ手段の他に、指を含む手の力でレバーやスイッチなどを操作することによって制動力を発生させることのできる手動ブレーキ手段を備えたブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の発達によって電子コントロールによる多種多様な車両システムが開発されている。例えば、運転者が安全かつ楽に自動車を運転することを可能とするシステムとして、ハンドル付近に操作レバーやスイッチなどを設け、変速やオートクルーズコントロールの操作を行うことは一般的に成されている。
【0003】
そして、このようにハンドル付近に操作レバーを設けて制動力を発生させるようにしたブレーキ装置も提案されている。このようなブレーキ装置としては、例えば、特開昭63-74759号公報に記載のブレーキ装置が知られている。この従来技術は、ハンドル付近に手で操作する操作手段が設けられ、その操作量を検出する操作量検出手段が設けられ、この操作量検出手段が検出した操作量に応じた制動力を発生させるコントローラが設けられているもので、特に、コントローラは、運転手が足による制動操作を行った場合には、手動による操作量に応じて制動力を発生させることをキャンセルするように構成され、足と手との両方で操作を行ってしまったときに操作者の意に反して急ブレーキが発生するのを防止するようにしたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者が手動ブレーキの使い勝手を研究した結果、手のみの操作、足のみの操作の各操作は、それぞれ行われる状況が異なり、それに見合った制動力を発生させることが重要であり、手と足の両方で操作を行った場合にも、手の操作分をキャンセルするのではなく、両方の操作に見合った制動力を発生させることが重要であることを見出した。それに対し、上述の従来技術は、この点を考慮しておらず、以下に述べるような解決すべき課題を残していた。
【0005】
すなわち、本願発明者の研究によれば、運転者が手で制動操作を行うのに適した状況というのは、例えば、高速道路で先行車に長時間追従しているような安定走行時や、あるいは渋滞の中などの低速走行時などであり、このようなときは、運転者は比較的楽な運転姿勢をとっており、かつ減速度が比較的小さい制動を行う場合であり、制動力を発生させても大きな姿勢変化は生じない。
【0006】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、手動により制動を行う際に発生する制動力の大きさに関して考慮していないために、手動操作時に、運転者の意に反して大きな制動力が発生するおそれがあり、この場合、大きな姿勢変化を招くおそれがあるとともに、操作性に劣る。
【0007】
一方、本願発明者の研究によれば、運転者が足で制動操作を行う場合は、減速度が比較的大きい制動を行う場合であって、運転姿勢も急減速に対応した姿勢をとっている場合であり、例えば、カーブが連続する道を比較的高速で移動している場合などの非安定走行時である。このような場合、大きな制動力が必要であるが、足の弱い老人や女性などは、足により大きな操作力を発生させることができずに充分な制動力が得られないおそれがある。
【0008】
それに対して、従来技術にあっては、制動力に関する考慮が成されていないために、上述の制動力不足の発生を防止するには、踏力を補助するブレーキアシスト装置などを別途設ける必要があり、この場合、部品点数増によるコストアップを招いてしまう。
【0009】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、足の操作により制動力を発生させる足動ブレーキ手段とは別個に、手の操作により制動力を発生させる手動ブレーキ手段が設けられているブレーキ装置において、手による操作時に大きな姿勢変化を招くおそれのある不意な急制動が実行されるのを防止して操作性の向上を図るとともに不意な姿勢変化の発生を防止して、使い勝手の向上を図るとともに、ブレーキアシスト装置を別途設けること無しに大きな制動力を得ることができることを可能として、コストダウンを図ることを主たる目的としており、さらに、種々の使い勝手の向上を図ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、運転者の足動操作手段に対するブレーキ操作に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに供給する足動ブレーキ手段と、この足動ブレーキ手段と並列に設けられて、運転者の手動操作手段に対するブレーキ操作に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに供給する手動ブレーキ手段と、この手動ブレーキ手段の作動を制御するコントロール手段と、を備えたブレーキ装置において、前記コントロール手段は、手動ブレーキ手段から供給するブレーキ液圧の最大圧を、足動ブレーキ手段から供給可能なブレーキ液圧の最大圧よりも小さな圧力に設定するよう構成されているとともに、前記手動ブレーキ手段が、足動ブレーキ手段とは独立に作動し、足動操作手段に対する操作に加えて手動操作手段に対する操作を行った場合には、足動ブレーキ手段で発生したブレーキ液圧に手動ブレーキ手段で発生したブレーキ液圧が加わって、足動操作手段のみを操作した場合に比べて大きな制動力が発生するよう構成されていることを特徴とする手段とした。
【0011】
なお、請求項2に記載のように、請求項1に記載のブレーキ装置において、前記手動操作手段を車両のステアリングホイールを含みその近傍に設け、ステアリングホイールを握ったままで手動操作手段を操作可能に構成するのが好ましい。
【0012】
あるいは、請求項3に記載のように、請求項1または2に記載のブレーキ装置において、前記手動操作手段を、マニュアルトランスミッションのシフトノブに設けてもよい。
【0013】
また、請求項4に記載のように、請求項1ないし3に記載のブレーキ装置において、前記手動操作手段を、複数設けることが好ましい。
【0014】
また、請求項5に記載のように、請求項4に記載のブレーキ装置において、前記コントロール手段を、複数の手動操作手段が操作されたときには、各操作力を加算した値に基づいて手動ブレーキ手段の作動を制御するよう構成してもよい。
【0015】
また、請求項6に記載のように、請求項1ないし5に記載のブレーキ装置において、車両の速度を検出する車速検出手段を設け、前記コントロール手段を、前記手動操作手段の操作に対応させてホイールシリンダにブレーキ圧を供給する作動が所定の車速以下でのみ行われるよう構成してもよい。
【0016】
また、請求項7に記載のように、請求項1ないし6に記載のブレーキ装置において、前記コントロール手段を、手動操作手段に対する操作力に応じ、操作力が大きいほどブレーキ液圧を増圧するよう構成してもよい。
【0017】
また、請求項8に記載のように、請求項7に記載のブレーキ装置において、前記コントロール手段、手動操作手段に対する操作に応じて供給するブレーキ液圧の特性が、操作力が大きくなるに連れてブレーキ液圧の増大量が小さくなる特性に設定するのが好ましい。
【0018】
また、請求項9に記載のように、請求項1ないし8に記載のブレーキ装置において、前記コントロール手段のブレーキ液圧特性を変更する特性変更手段を設けるとともに、前記コントロール手段を、特性変更手段の操作に応じて最大ブレーキ液圧が異なる複数種類のブレーキ液圧特性に変更可能に構成してもよい。
【0019】
また、請求項10に記載のように、請求項9に記載のブレーキ装置において、複数種類のブレーキ液圧特性を、最大ブレーキ液圧が異なっていても所定のブレーキ液圧までは操作力に対するブレーキ液圧の変化率が一定である特性としてもよい。
【0020】
また、請求項11に記載のように、請求項1ないし10に記載のブレーキ装置において、前記足動ブレーキ手段を、足動操作手段としてのブレーキペダルに対する操作に応じてブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダで発生したブレーキ液圧をホイールシリンダに供給するブレーキ回路とで構成し、前記手動ブレーキ手段を、前記ブレーキ回路と、このブレーキ回路の遮断および連通を切り替えるゲート弁およびこのゲート弁と並列に設けられてマスタシリンダからホイールシリンダ方向へのブレーキ液の流れのみを許す一方弁と、前記ブレーキ回路においてゲート弁の下流に向けてブレーキ液を吐出するポンプと、を備えている手段としてもよい。
【0021】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載の発明にあっては、手動操作手段を操作した場合、手動ブレーキ手段により発生するブレーキ液圧の最大圧は、足動ブレーキ手段の最大圧よりも低く抑えた圧力となっているため、手動操作手段を操作し過ぎても、意に反して急制動が成されるのを抑制できる。したがって、意に反した急制動を原因として、大きな減速度により運転者の姿勢が不安定な状態となったり、操作違和感を感じたりすることが無く、使い勝手が向上するという効果を奏する。
【0022】
一方、大きな制動力が欲しいときは、足動操作手段により制動操作を行う。この場合、運転者に必要以上の快適性を与えることが無く、安定した姿勢で減速度を受け止めることができる。
【0023】
緊急制動時や非力な人が運転する場合のように、上記足動操作手段の操作だけでは充分な制動力が得られないときには、足動操作手段に対する操作に加えて手動操作手段による操作を行う。したがって、足動ブレーキ手段で発生したブレーキ液圧に、これとは並列に独立して手動ブレーキ手段で発生したブレーキ液圧が加わって、ホイールシリンダ圧が高まり、足動操作手段のみを操作した場合に比べて大きな制動力が発生する。このように、足動ブレーキ手段にブレーキアシスト装置を追加することなく大きな制動力を発生させることができるものであり、安価にブレーキアシスト機能を得ることができるという効果を奏する。
【0024】
請求項2に記載の発明にあっては、手動操作手段を操作する場合、ステアリングホイールを握ったまま、あるいは少ない手の移動量で手による制動操作を行うことができる。したがって、使い勝手に優れているという効果を奏する。
【0025】
請求項3に記載の発明にあっては、手動操作手段を操作する場合、マニュアルトランスミッションにより変速操作を行いながら操作することができる。したがって、スポーツ走行時にあっては、一般に「ヒールアンドトゥー」と呼ばれる技術であって、変速操作とブレーキ操作とアクセル操作とを同時に行う技術を使用することがあるが、本発明では、左足でクラッチペダル操作のみを行うとともに右足でアクセル操作のみを行い、一方の手でシフトノブによるギヤチェンジを行いながら同時に手動操作手段による制動操作を行うことができるものであり、高度な運転技術をより簡単に行うことができる。よって、使い勝手に優れるという効果を奏する。
【0026】
請求項4に記載の発明にあっては、手で制動操作を行う場合には、複数箇所に設けた手動操作手段のいずれか1つあるいは複数を操作する。したがって、複数の手動操作手段のうちで操作しやすいものを選択的に使用するといった使い方、例えば、シフトノブとステアリングホイールとに手動操作手段が設けられている場合、操舵操作を行っていてステアリングホイールに設けられている手動操作手段を操作し難い場合には、シフトノブに設けられている手動操作手段を操作するというような使い方が可能であり、また、複数の手動操作手段を操作する場合には、減速度を受け止めることができる正しい運転姿勢に近づくように手動操作手段を配置することができ、使い勝手に優れるという効果が得られる。
【0027】
請求項5に記載の発明にあっては、複数の手動操作手段を操作したときには、それぞれの操作力を加算した強さに応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに向けて供給する。したがって、複数の手動操作手段を操作したときには、1つの手動操作手段を操作したときに比べて、高い制動力を発生させることができる。よって、発生させる制動力の強さ調節の自由度が高くなり、使い勝手に優れるという効果を奏する。また、高い制動力が必要なときには、両手でステアリングホイールを握るように複数の手動操作手段を配置して、急制動時の姿勢安定性を向上させることができる。
加えて、本発明では、1つの手動操作手段のみを操作したときに発生する制動力を低く抑えることになり、1つの手動操作手段のみを操作したときの制動力を抑えて、意に反する急制動をよりいっそう防止することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明にあっては、所定の車速よりも高速の走行時には、足による制動操作のみで制動力を発生させることができ、所定の車速以下の低速走行時には、手と足のいずれの操作でも、また両方の操作で制動力を発生させることができる。したがって、高速走行時には、足踏みによる制動操作のみを受け付けることで、緊急時などに運転者に違和感無く制動操作を行わせるようにすることができるとともに、運転者に減速度をしっかりと受け止めることのできる姿勢をとらせることができ、使い勝手の向上を図ることができる。さらに、高速の走行時において手による制動操作を受け付けないようにすることで、手動ブレーキ手段の作動頻度を抑えて手動ブレーキ手段の耐久性を向上させることができる。一方、低速走行時には、手動操作により制動力を発生可能とすることで、渋滞時などの低速走行時における運転者の負担を軽減することができるもので、言い換えると、足を常にブレーキペダルの側に置いておくことを不要とすることで、運転者の姿勢に対する快適性を向上させることができる。
【0029】
請求項7に記載の発明では、手動操作手段に対して入力する操作力を大きくすれば大きくするほど制動力が増加し、操作力を小さくすれば小さくするほど制動力が減少する。なお、この操作力を検出するにあたり、操作力を直接検出するようにしてもよいし、あるいは、手動操作手段の変位量や操作力に置き換えて検出するようにしてもよい。
したがって、足動操作手段と同様の操作感覚で制動操作を行うことができ、優れた操作性を得ることができるという効果を奏する。
【0030】
請求項8に記載の発明では、手動操作手段を操作するにあたり、より高い減速度を必要とする場合には、大きな操作力を加えるが、この時、大きな操作力を加えたときのブレーキ液圧の増圧力を小さくすることで、微妙な操作が可能となって、さらに使い勝手が向上する。
【0031】
請求項9に記載の発明では、特性変更手段により、手動操作手段の操作に対応した複数種類のブレーキ液圧特性の中から任意の特性を選択することができる。この複数種類のブレーキ液圧特性は、最大ブレーキ液圧が異なるもので、雪道などの低摩擦係数の路面を走行する際には、高摩擦係数の路面を走行するときに比べて最大ブレーキ液圧が低い特性を選択したり、あるいは、渋滞走行時にも、微妙な調節が可能なように最大ブレーキ液圧が低い特性を選択したり、あるいは、山道を走行するときや、老人や女性などの体力が低い人が運転するときには、最大ブレーキ液圧が高い特性を選択したり、という具合に、車両の走行状態や、運転者の体力などに応じて最適の特性を選択することが可能であり、使い勝手に優れるという効果を奏する。
【0032】
請求項10に記載の発明では、複数種類のブレーキ液圧特性のいずれを選択しても、所定のブレーキ液圧(制動力)となるまでは、手動操作手段の操作に対するブレーキ液圧の上昇特性が同一であり、所定のブレーキ液圧を越えて以降が、異なるよう設定されている。したがって、いずれの特性を選択した場合でも、運転者に違和感を与えることが無く、使い勝手に優れている。
【0033】
請求項11に記載の発明では、運転者が楽な運転を望んでいる場合および大きな制動力が必要ないときには手動操作手段による制動操作を行うことができる。この手動操作手段を操作したときには、ゲート弁を閉じてブレーキ回路の途中を遮断しておいて、ポンプを駆動させブレーキ液をブレーキ回路に吐出させる。このブレーキ液がホイールシリンダに供給されて制動力が発生する。なお、この時のブレーキ液圧の調整は、ポンプの駆動状態により供給するブレーキ液圧を調整する方法や、ブレーキ回路においてポンプの吐出位置よりもホイールシリンダ側の位置に液圧調整弁を設けておいてこの液圧調整弁により調整する方法や、ゲート弁をデューティ制御などにより任意に開いてブレーキ液をマスタシリンダ側に逃がすことにより液圧を調整する方法などにより行うことができる。
【0034】
次に、比較的大きな制動力が必要なときには、運転者は足動操作手段による制動操作を行う。この場合、周知のように、マスタシリンダにおいて発生したブレーキ液圧がブレーキ回路を介してホイールシリンダに供給されて、制動力を得ることができる。
【0035】
次に、緊急制動時や、あるいは非力な運転者が上述した足による制動操作で充分な制動力が得られない時には、足動操作手段と手動操作手段との両方を操作するが、この場合、ホイールシリンダに向けて、ポンプから吐出されるブレーキ液と、マスタシリンダからゲート弁を迂回しながら一方弁を経て供給されるブレーキ液とが供給され、大きな制動力を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1のブレーキ装置は、請求項1,2,4,5,7,8,9,10,11の発明に対応している。
【0037】
図1は実施の形態1のブレーキ装置の概略を示す概略図であって、足動操作手段としてのブレーキペダルBPのストロークに応じてブレーキ液圧を発生するマスタシリンダMCとホイールシリンダWCとがブレーキ回路1,2を介して接続されている。したがって、ブレーキペダルBPを操作すると、マスタシリンダMCからホイールシリンダWCに向けてブレーキ液が供給される。
【0038】
このブレーキ回路1,2の途中にはゲート弁3が設けられ、ブレーキ回路1,2を遮断および連通可能に構成されているとともに、このゲート弁3と並列に一方弁3aが設けられ、マスタシリンダMCからホイールシリンダWCに向けてのブレーキ液の流通が確保されている。
【0039】
また、ポンプ4が設けられ、ゲート弁3の上流のブレーキ液をゲート弁3の下流に向けて吐出可能に構成されている。このポンプ4の作動は、コントロールユニット11により制御される。すなわち、コントロールユニット11は、手動操作手段としての手動ブレーキスイッチ14に接続され、手動ブレーキスイッチ14が操作されたときには、ポンプ4を作動させ、ブレーキ液をホイールシリンダWCに向けて吐出可能に構成されている。したがって、手動ブレーキスイッチ14の操作に応じて制動力を発生させることができる。
【0040】
以下、図2に示すブレーキ装置の全体構成を示す構成図に基づいて、上記の構成について詳細に説明する。
【0041】
図において、MCはマスタシリンダであり足動操作手段としてのブレーキペダルBPを踏み込むとブレーキ液をブレーキ回路1,2を介してホイールシリンダWCに向けて供給する周知のものである。なお、マスタシリンダMCにはブレーキ液を貯留するリザーバRESが設けられている。
【0042】
前記ブレーキ回路1,2はいわゆるX配管と呼ばれる接続構造となっている。すなわち、ブレーキ回路1は、左前輪のホイールシリンダWC(FL)と右後輪のホイールシリンダWC(RR)とを結び、ブレーキ回路2は、左前輪のホイールシリンダWC(FL)と右後輪のホイールシリンダWC(RR)とを結ぶよう構成されている。
【0043】
前記ブレーキ回路1,2の途中には、特許請求の範囲のゲート弁に相当するアウト側ゲート弁3が設けられている。このアウト側ゲート弁3は、ブレーキ回路1,2の連通・遮断を切り替える常開のソレノイド弁であり、比例制御弁を用いている。
【0044】
前記アウト側ゲート弁3には、マスタシリンダMC側(以下、これを上流という)からホイールシリンダWC側(以下、これを下流という)へのブレーキ液の流通のみを許容する一方弁3aが並列に設けられているとともに、これらに並列に迂回路3bが設けられ、この迂回路3bには、アウト側ゲート弁3の下流の圧力が所定圧を越えたら上流に逃がすリリーフバルブ3cが設けられている。
【0045】
また、前記ブレーキ回路1,2において、アウト側ゲート弁3の下流にはソレノイド駆動の比例制御弁からなる増圧弁5が設けられ、さらに、この増圧弁5よりも下流位置とリザーバ7とを結ぶリターン通路10の途中にはソレノイド駆動のON・OFF弁からなる減圧弁6が設けられている。
【0046】
さらに、前記ブレーキ回路1,2には、マスタシリンダMC以外の液圧源としてポンプ4が接続されている。すなわち、このポンプ4は、運転者が操作していないときのブレーキ液圧源となるとともに、ABS制御を実行したときの戻しポンプを兼ねるものである。このポンプ4は、モータ8により作動するプランジャポンプであって、2つのプランジャ4p,4pを備えるとともに、それぞれのプランジャ4p,4pで吸入・吐出を行うポンプ室4rが、枝分かれされた吸入回路4a,4bを介して前記ブレーキ回路1,2においてアウト側ゲート弁3よりも上流の位置と、前記リザーバ7とに接続されている。一方、吐出回路4cが、前記ブレーキ回路1,2において、前記アウト側ゲート弁3と増圧弁5との間の位置に接続されている。なお、前記吸入回路4bには、ブレーキ液がリザーバ7の方向へ流れるのを防止する逆止弁4dが設けられている。
【0047】
また、前記吸入回路4aには、この吸入回路4aの連通・遮断を切り替えるイン側ゲート弁9が設けられている。このイン側ゲート弁9は、常閉のON/OFF式のソレノイドバルブにより構成されている。
なお、以上説明した構成は、請求項11に記載の発明に対応している。
【0048】
前記2つのゲート弁3,9、増圧弁5、減圧弁6およびモータ8の作動は、コントロールユニット11により制御される。このコントロールユニット11は、車輪速センサ12とオートクルーズコントローラ13と手動操作手段としての手動ブレーキスイッチ14と特性変更手段としてのモードセレクトスイッチ15に接続されている。前記車輪速センサ12は、車両の4輪各輪に設けられていて、各輪の回転速度に対応した信号を出力する。
【0049】
前記オートクルーズコントローラ13は、図示を省略しているが、オートクルーズの実行の要否を切り替えたり、走行速度を設定したり、自動追尾モードを設定したりする操作パネルと、前走車の速度を検出するレーダ13aとに接続されている。すなわち、このオートクルーズコントローラ13は、操作パネルにおいて定速走行モードが選択された場合には、自車両を運転者が設定した速度で走行させるためにエンジン出力調整手段に対してエンジンの出力を制御する信号を出力する定速走行制御を実行し、同じく、自動追尾モードが選択された場合には、レーダ13aにより入力される前走車の走行状態に応じて最適車間で追従するべく、エンジン出力調整手段に対してエンジンの出力を制御する信号を出力するとともに、コントロールユニット11に対して必要な制動力に対応した目標減速度を出力する。
【0050】
前記手動ブレーキスイッチ14は、図3に示すようにステアリングホイール16の左右2カ所に設けられている(以上、請求項2および4記載の発明に対応している)。また、この手動ブレーキスイッチ14は、感圧式のスイッチであり、このスイッチを押す圧力、すなわち操作力に応じた信号を出力するよう構成されている。
【0051】
次に、上記コントロールユニット11の実際の制御内容について、フローチャートに基づいて具体的に説明する。
図4は実施の形態1の制御流れを示すフローチャートである。
ステップ101では、手動ブレーキスイッチ14の出力値を読み込む。この場合、ステアリングホイール16に設けられた2つの手動ブレーキスイッチ14,14のトータルの出力値を読み込む(請求項5に記載の発明に対応)。
【0052】
続くステップ102では、モードセレクトスイッチ15においてLightが選択されているか否かを判定し、Lightが選択されていればステップ104に進み、Lightが選択されていない場合にはステップ103に進む。ちなみに、本実施の形態1にあっては、モードセレクトスイッチ15は、Light,MID,Heavyの3モードのいずれかを選択するよう構成されている。
【0053】
次に、ステップ103では、モードセレクトスイッチ15においてMIDが選択されているか否かを判定し、MIDが選択されている場合にはステップ105に進み、MIDが選択されていない場合、すなわちHeavyが選択されている場合にはステップ106に進む。
【0054】
ステップ104では、図5に示す3種類の特性のうちで最も最大ブレーキ液圧が低く設定されたLightの特性に基づいて、ステップ101で読み込んだ値に対応する目標圧力を設定し、ステップ105では、同図に示す3種類の特性のうちで最大ブレーキ液圧が中間に設定されたMIDの特性に基づいて、ステップ101で読み込んだ値に対応する目標圧力を設定し、ステップ106では、同図に示す3種類の特性のうちで最大ブレーキ液圧が最も高く設定されたHeavyの特性にに基づいて、ステップ101で読み込んだ値に対応する目標圧力値を設定する。なお、上記図5に示す特性は、請求項10に記載の発明に対応して、共通の立ち上がり特性を有しているとともに、請求項7および8に記載の発明に対応して操作力が大きくなるにつれてブレーキ液圧が増圧されるとともに、その増大量が小さくなる特性に設定されている。
【0055】
ステップ107では、ステップ104から106のいずれかで設定された目標圧力値に基づいて、モータ8の駆動パターンと、アウト側ゲート弁3ならびに増圧弁5の駆動デューティ比とを算出し、続くステップ108により駆動信号を出力する。ちなみに、本実施の形態では、目標圧力値に応じて、目標圧力値が大きければモータ8を高速駆動させ、目標圧力値が小さければ低速駆動させて、ポンプ4の吐出ブレーキ液圧をある程度コントロールした上で、増圧弁5の開弁によるホイールシリンダWCへの供給量と、アウト側ゲート弁3の開弁によるマスタシリンダMC側への逃がし量とをPWM制御による微妙なコントロールにより高い精度でホイールシリンダ圧を制御するよう構成されている。
【0056】
なお、本実施の形態1では、手動による最大ブレーキ液圧は、ブレーキペダルBPによる最大ブレーキ液圧よりも低く抑えられている。すなわち、図6は、ブレーキ操作量と発生減速度との関係を示す特性図であるが、手動により得られる最大減速度は、最大でも足動の場合の7割程度に抑えられている。この特性は請求項1に記載の発明に対応している。
【0057】
次に、本実施の形態1の作動について説明する。
ア)安定走行時あるいは低速走行時
安定走行時あるいは低速走行時のように急制動が不要な場合には、手動で制動を行うことができ、この場合、運転者は、ブレーキペダルBPの操作から解放されて比較的快適な姿勢をとることができる。
【0058】
この手動による制動時には、運転者は、ステアリングホイール16に設けた手動ブレーキスイッチ14,14を、必要な制動力に応じた押圧力で押す操作を行う。この押圧力(操作力)に応じた信号が、手動ブレーキスイッチ14からコントロールユニット11に出力され、コントロールユニット11は、イン側ゲート弁9を開弁するとともにモータ8を駆動させて、ブレーキ回路1,2にブレーキ液を吐出させ、さらに、手動ブレーキスイッチ14からの入力に基づいて得られた目標圧力値に応じてアウト側ゲート弁3と増圧弁5の開弁制御を行い、ホイールシリンダWCの圧力、すなわち制動力を制御する。
【0059】
この時、渋滞などにおける低速走行時などでは、比較的小さな制動力で済むため、運転者は、1つの手動ブレーキスイッチ14のみを操作することで、必要な制動力を得ることができる。したがって、運転者は、より快適な姿勢をとることができるとともに、このようなリラックスした姿勢をとっていても、足で操作を行ったときのような急制動が成されることはなく、姿勢が不安定になることはない。
【0060】
イ)手動操作による急制動時
手動操作によりより高い制動力を得たい場合には、2つの手動ブレーキスイッチ14,14の両方を同時に操作する。この場合、2つの手動ブレーキスイッチ14,14に対する押圧力の合力が高くなる結果、目標液圧値も高くなり、ホイールシリンダWCに供給するブレーキ液圧、すなわち制動力が高くなる。
【0061】
この場合、比較的大きな制動力が発生するが、この手動制動操作を行うときには、必ず両手でステアリングホイール16を握った姿勢となるため、大きな制動力が発生しても姿勢が不安定になることがない。
【0062】
ウ)ブレーキ液圧特性の選択
本実施の形態では、モードセレクトスイッチ15を操作することにより、図5に示すLight,MID,Heavyの3つのモードのいずれかに任意に選択することができる。したがって、通常は、MIDに設定しておいて、制動時の車輪ロックを招きやすい雪道などの低摩擦係数路を走行するときや、あるいは渋滞走行時などの急制動が不要なときなどには、Lightのモードを選択することにより、最大ブレーキ液圧が低く抑えられ、微妙な操作を行わなくても所望の低制動力が得られ、高い操作性を得ることができる。
【0063】
また、カーブが多い山道を高速で走行する場合のようなスポーツ走行を行うときには、Heavyを選択する。これにより、手動制動であっても比較的大きな制動力を得ることができる。
【0064】
また、老人や女性などの非力な人が運転を行う場合にも、Heavyを選択することで、入力する操作力に対して発生する制動力を大きくして、非力な人の操作性を改善することも可能である。
【0065】
エ)足による制動時
足により制動操作を行う場合は、一般的な車両と同様にブレーキペダルBPを踏むと、マスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧がブレーキ回路1,2を介してホイールシリンダWCに送られ制動力が発生する。
【0066】
この場合、もちろん運転者は、減速度に対応できる姿勢をとっており、姿勢が不安定になることはない。
【0067】
オ)緊急制動時およびブレーキアシスト時
上記エ)の足による操作よりもさらに大きな制動力が欲しい緊急制動時や、あるいは老人や女性など足による操作力が不足していて、さらに大きな制動力を発生させたい場合などには、上記エ)の足による制動操作に加えて、上記ア)もしくはイ)の手動による制動操作を実行する。
【0068】
この場合、アウト側ゲート弁3が閉弁されポンプ4からブレーキ液が供給されるとともに、マスタシリンダMCからは一方弁3aを介して供給される。したがって、アウト側ゲート弁3よりも下流、すなわちホイールシリンダWC側にあっては、マスタシリンダMCの発生圧よりも高圧にすることができ、高い制動力を得ることができる。
【0069】
このように、本実施の形態1にあっては、マスタシリンダMCに倍力装置などのブレーキアシスト装置を設けなくても、アシスト機能を得ることができる。
【0070】
(他の実施の形態)
以下に、他の実施の形態について説明する。
まず、手動操作手段としての手動ブレーキスイッチ14の他の例について実施の形態2から6に基づき説明する。
(実施の形態2)
図7は実施の形態2の要部の斜視図であって、実施の形態1と同様のステアリングホイール16上の位置にレバー式の手動ブレーキスイッチ14aを設けた例である。この手動ブレーキスイッチ14aは、ほぼ垂直の初期位置に自動復帰するよう付勢されており、この付勢力に抗して初期位置からいずれかの方向に倒すと、その倒した量に相当する信号を出力するよう構成されている。したがって、倒した量に応じて制動力が発生することになる。
【0071】
(実施の形態3)
図8は実施の形態3の要部の斜視図であって、実施の形態1と同様のステアリングホイール16上の位置に回転式の手動ブレーキスイッチ14bを設けた例である。この手動ブレーキスイッチ14bは、所定の回転角度の初期位置に自動復帰するよう付勢されており、この付勢力に抗して初期位置からいずれかの方向に回転させると、その回転量に相当する信号を出力するよう構成されている。したがって、回転量に応じて制動力が発生することになる。
【0072】
(実施の形態4)
図9は実施の形態4の要部の斜視図であって、実施の形態1と同様のステアリングホイール16上の位置にスライド式の手動ブレーキスイッチ14cを設けた例である。この手動ブレーキスイッチ14cは、直線上のスライド可能範囲内の所定の初期位置に自動復帰するよう付勢されており、この付勢力に抗して初期位置からいずれかの方向にスライドさせると、そのスライド量に相当する信号を出力するよう構成されている。したがって、スライド量に応じて制動力が発生することになる。
【0073】
(実施の形態5)
図10は実施の形態5の要部の斜視図であって、ステアリングホイール16の近傍位置に手動制動操作手段としてブレーキレバー14dを設けた例である。 なお、図において20はウインカレバー、21はワイパレバーである。
【0074】
なお、以上示した実施の形態2から5にあっては、手動ブレーキスイッチ14a,14b,14cやブレーキレバー14dの操作量あるいは変位量に応じた信号を出力するが、これは、実施の形態1の操作力に等しいものである。
【0075】
(実施の形態6)
実施の形態6は請求項3に記載の発明に対応している。
図11は実施の形態6の要部の斜視図であって、マニュアルトランスミッションのシフト操作を行うシフトレバー22のシフトノブ22aに実施の形態1で用いた感圧式の手動ブレーキスイッチ14を設けた例である。なお、この手動ブレーキスイッチ14としては、実施の形態2から4に示したレバー式や回転式やスライド式のものを設けてもよい。
また、図において、31はアクセルペダル、32はクラッチペダルである。
【0076】
マニュアルトランスミッション搭載車では、スポーツ走行時にあっては、一般に「ヒールアンドトゥー」と呼ばれる技術を用いて変速を行うことがある。これは、コーナ進入時などにおける変速時に、右足でブレーキペダルBPにより制動操作を行いながら、左足でクラッチペダル32を操作し、同時に右足でさらにアクセルペダル31によりクラッチ締結時のエンジン回転数を最適に調整するものである。この時、本実施の形態6にあっては、左足でクラッチペダル操作を行うとともに右足でアクセル操作のみを行い、さらに、左手でシフトレバー22によるギヤチェンジを行いながら同時にブレーキスイッチ14により制動操作を行うことができる。したがって、右足でアクセルペダル31とブレーキペダルBPとを同時に操作する場合には、非常に高い熟練技術を必要とするが、本実施の形態6では、左手の親指などで手動ブレーキスイッチ14の操作を行いながら左の掌全体でシフトレバー22を操作するから、熟練度を要さず、「ヒールアンドトゥー」と同等の操作を簡単に行うことができる。
【0077】
なお、この実施の形態6では、手動ブレーキスイッチ14をマニュアルミッションのシフトレバーのシフトノブに設けた例を示しているが、オートマチックトランスミッションのシフトレバーに設けてもよいし、また、設ける位置はシフトノブ自体ではなく、その近傍に設けるようにしてもよい。
【0078】
(実施の形態7)
以下に、コントロールユニット11による制御の他の例について説明する。
【0079】
実施の形態7は、手動の操作力に対応する目標圧力値の特性を1種類とした例であって、この場合、実施の形態1で示したモードセレクトスイッチ15は、設けられていない。
【0080】
図12は実施の形態7の制御流れを示しており、ステップ701で手動ブレーキスイッチ14の出力値を読み込み、ステップ702において、予め設定された目標圧力値特性に基づいて目標圧力値を決定する。なお、図13はこの実施の形態7の目標圧力値特性を示している。
【0081】
この場合も手動ブレーキスイッチ14の出力値が大きくなるほど目標圧力値の上昇率が低下する非線形特性としているため、発生制動力を大きくしたときの微妙な調整が容易である。
【0082】
次に、ステップ703において、目標圧力値から前述のステップ107と同様にモータ8やアウト側ゲート弁3や増圧弁5に対する出力を決定し、ステップ704において駆動信号を出力する。
【0083】
(実施の形態8)
次に説明する実施の形態8は、手動の操作力に対応する目標圧力値の特性を2種類とした例である。この場合、モードセレクトスイッチ15は、スポーツとノーマルの2種類のモードを有している。
【0084】
図14は実施の形態8の制御流れを示しており、ステップ801で手動ブレーキスイッチ14の出力値を読み込み、ステップ802において、モードセレクトスイッチ15においてスポーツ・ノーマルのいずれが選択されているかを判定してスポーツの場合はステップ803に進み、ノーマルの場合にはステップ804に進む。
【0085】
ステップ803およびステップ804では、それぞれの特性に応じて目標圧力値を求めるもので、図15は、スポーツ・ノーマルの各特性を示している。そして、続くステップ805において、目標圧力値からモータ8やアウト側ゲート弁3や増圧弁5に対する駆動信号を決定し、ステップ806でこの駆動信号を出力する。
【0086】
したがって、実施の形態8にあっては、高速道路などの安定走行時や渋滞などの低速走行時には、ノーマルモードに基づいて手動制動操作時には発生する制動力を低く抑えて楽な運転姿勢をとっていても運転姿勢が不安定になることがないようにし、一方、コーナが多い山道などを高速で走行するスポーツ走行時には、モードセレクトスイッチ15をスポーツモードに切り替えて発生する制動力を高めて手動制動操作であってもスポーツ走行を行うのに充分な制動力が得られる。この場合、スポーツ走行を行う運転姿勢、すなわち急加速や急減速を行っても不安定になることのない運転姿勢をとっているので、手動制動操作による減速度が大きくなっても運転姿勢が不安定になることはない。
【0087】
(実施の形態9)
実施の形態9は、請求項6に記載の発明に対応して手動による制動を所定の車速以下でのみ行うようにし、高速走行時には手動による制動を行うことができなくした例である。
【0088】
図16は実施の形態9の制御流れを示すもので、ステップ901では、手動ブレーキスイッチ14が操作されているか否かを判定し、操作されている場合にはステップ905に進み、操作されていない場合にはステップ902進む。
【0089】
この手動ブレーキスイッチ14が操作されていない場合には、ステップ902においてイン側ゲート弁9を閉弁させ、ステップ903においてアウト側ゲート弁3を開弁させ、ステップ904においてモータ8の駆動を停止させる。
【0090】
一方、手動ブレーキスイッチ14が操作されている場合、まず、ステップ905において車速が、例えば70から100km/hほどの範囲内の所定の車速以下の低・中速走行であるか否かを判定し、所定車速以下ではステップ906に進み、所定車速よりも高い高速走行時にはステップ918に進んで、手動ブレーキが非作動状態であることを示すブザーあるいはランプなどによる報知を行う。
【0091】
所定車速以下で手動ブレーキスイッチ14が操作された場合には、ステップ906に進んで、予め設定されている目標液圧勾配を参照して最大液圧を算出し、続くステップ907において、現在の最大液圧しきい値以上であるか否かを判定し、最大液圧しきい値以上でない場合には、増圧を行うべくステップ915に進む。一方、現在の最大液圧しきい値以上である場合には、保持と減圧のいずれを行うかを判断すべく、ステップ908に進んで減圧必要なしきい値以上であるか否かを判定し、減圧必要なしきい値以上の場合は減圧を行うべくステップ911に進み、減圧必要なしきい値以上でない場合には保持を行うべくステップ909に進む。
【0092】
保持を行う場合、ステップ909においてイン側ゲート弁9を閉弁させ、ポンプ4をアイドリング駆動させる。このようにした吸入回路4aからのブレーキ液の供給が絶たれることで、ホイールシリンダWCは、保持が成される。
【0093】
減圧を行う場合、ステップ911においてイン側ゲート弁911を閉弁させ、ステップ912においてポンプ4をアイドリング駆動させ、ステップ913においてアウト側ゲート弁3の駆動デューティ比を算出してこれに基づいてステップ914においてアウト側ゲート弁3を駆動させる。
【0094】
増圧を行う場合、ステップ915においてアウト側ゲート弁3を閉弁させるとともにイン側ゲート弁9を開弁させ、ステップ916においてポンプ4を駆動させるデューティ比を算出し、ステップ917においてポンプ4を駆動させる。
【0095】
以上のように、本実施の形態9では、手動ブレーキスイッチ14により制動が行える速度を所定の速度以下の低・中速域に限っている。したがって、手動ブレーキ操作を行ったときに、姿勢が不安定になることがない。また、高速域において足踏み式のブレーキペダルBPによってのみ制動操作を行うもので、緊急時の対応に違和感がないとともに、姿勢が不安定になることもない。また、システムの作動回数が減って、耐久性が向上する。
【0096】
(実施の形態10)
実施の形態10は、オートクルーズコントロールに制御を組み合わせた例を示している。
【0097】
図17は実施の形態10の制御流れを示しており、ステップ1001においてオートクルーズコントロールの作動中か否かを判定し、作動中である場合にはステップ1002に、作動中でない場合にはステップ1008に進む。
【0098】
オートクルーズコントロールの作動中の場合、ステップ1002においてブレーキペダルBPが踏まれたか否かを判定し、踏まれた場合には、オートクルーズコントロールをキャンセルしつつ(図示省略)ステップ1003に進んで、手動ブレーキスイッチ14が操作されたか否かを判定し、手動ブレーキスイッチ14が操作されていない場合には、そのまま1回の流れを終えて、要はブレーキペダルBPの操作分の制動力を得る。一方、ステップ1003において手動ブレーキスイッチ14の操作がある場合には、ステップ1004に進んで、ブレーキペダルBPの操作分の制動力に、さらに手動ブレーキスイッチ14の操作分の制動力を加算させる。
【0099】
また、ステップ1002においてブレーキペダルBPの操作が成されていない場合、ステップ1005に進んで、手動ブレーキスイッチ14が操作された否かを判定し、操作が成されている場合にはステップ1006に進んで手動ブレーキ操作に基づく制動を開始し、操作が成されていない場合には、ステップ1007に進んで、オートクルーズコントロール制御を続行する。
【0100】
また、ステップ1001においてオートクルーズコントロールが作動中でないと判定した場合には、まず、ステップ1008に進んで、ブレーキペダルBPが操作されたか否かを判定し、操作されている場合にはステップ1009において、また、操作されていない場合にはステップ1010において、それぞれ手動ブレーキスイッチ14が操作されたかどうかを判定し、手動ブレーキスイッチ14が操作された場合にはステップ1011に進んで手動ブレーキ操作に応じた制動を開始し、操作されていない場合にはそのまま1回の流れを終える。なお、この場合もブレーキペダルBPと手動ブレーキスイッチ14とが操作された場合には両者を加算した制動力が発生する。
【0101】
以上図面により実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態の構成に限定されるものではない。
例えば、実施の形態では、手動操作手段を、ステアリングホイール16あるいはその近傍に設けたものと、シフトレバー22に設けたものを示したが、両方に設けてもよい。また、このように複数設けた場合、実施の形態1では、これらの出力値を加算する例を示したが、この加算に加えて、例えば、図18に示すように、1つを操作した場合と2つを操作した場合とで特性を異ならせるようにしてもよい。
【0102】
また、ブレーキ操作液圧源としてブレーキペダルBPの操作により機械的に液圧を発生させるマスタシリンダを示したが、ブレーキペダルBPと機械的な連携が無く、ブレーキペダルBPに対する操作を電気的に検出してその検出値に基づいて制御液圧を発生する手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のブレーキ装置の全体構成の概略を示す概略図である。
【図2】実施の形態1の全体構成を示す構成図である。
【図3】実施の形態1の要部を示す正面図である。
【図4】実施の形態1の制御流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1の手動による操作量に対する減速度を示す特性図である。
【図6】実施の形態1の手動と足動の作動領域を示す特性図である。
【図7】実施の形態2の要部を示す斜視図である。
【図8】実施の形態3の要部を示す斜視図である。
【図9】実施の形態4の要部を示す斜視図である。
【図10】実施の形態5の要部を示す斜視図である。
【図11】実施の形態6の要部を示す斜視図である。
【図12】実施の形態7の制御流れを示すフローチャートである。
【図13】実施の形態7の手動ブレーキスイッチの操作量に対する目標圧力値を示す特性図である。
【図14】実施の形態8の制御流れを示すフローチャートである。
【図15】実施の形態8の手動ブレーキスイッチの操作量に対する発生減速度を示す特性図である。
【図16】実施の形態9の制御流れを示すフローチャートである。
【図17】実施の形態10の制御流れを示すフローチャートである。
【図18】実施の形態11の手動ブレーキスイッチの操作量に対する発生減速度を示す特性図である。
【符号の説明】
MC マスタシリンダ
WC ホイールシリンダ
BP ブレーキペダル
RES リザーバ
1 ブレーキ回路
2 ブレーキ回路
3 アウト側ゲート弁(ゲート弁)
3a 一方弁
3b 迂回路
3c リリーフバルブ
4 ポンプ
4a 吸入回路
4b 吸入回路
4c 吐出回路
4d 逆止弁
4p プランジャ
4r ポンプ室
5 増圧弁
6 減圧弁
7 リザーバ
8 モータ
9 イン側ゲート弁
10 リターン通路
11 コントロールユニット
12 車輪速センサ
13 オートクルーズコントローラ
13a レーダー
14 手動ブレーキスイッチ(手動操作手段)
14a 手動ブレーキレバー
14b 手動ブレーキスイッチ
14c 手動ブレーキスイッチ
15 モードセレクトスイッチ
16 ステアリングホイール
20 ウインカーレバー
21 ワイパーレバー
22 シフトレバー
22a シフトノブ
31 アクセルペダル
32 クラッチペダル

Claims (11)

  1. 運転者の足動操作手段に対するブレーキ操作に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに供給する足動ブレーキ手段と、この足動ブレーキ手段と並列に設けられて、運転者の手動操作手段に対するブレーキ操作に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに供給する手動ブレーキ手段と、この手動ブレーキ手段の作動を制御するコントロール手段と、を備えたブレーキ装置において、
    前記コントロール手段は、手動ブレーキ手段から供給するブレーキ液圧の最大圧を、足動ブレーキ手段から供給可能なブレーキ液圧の最大圧よりも小さな圧力に設定するよう構成されているとともに、
    前記手動ブレーキ手段が、足動ブレーキ手段とは独立に作動し、
    足動操作手段に対する操作に加えて手動操作手段に対する操作を行った場合には、足動ブレーキ手段で発生したブレーキ液圧に手動ブレーキ手段で発生したブレーキ液圧が加わって、足動操作手段のみを操作した場合に比べて大きな制動力が発生するよう構成されていることを特徴とするブレーキ装置。
  2. 前記手動操作手段を車両のステアリングホイールを含みその近傍に設け、ステアリングホイールを握ったままで手動操作手段を操作可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記手動操作手段を、マニュアルトランスミッションのシフトノブに設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ装置。
  4. 前記手動操作手段を、複数設けたことを特徴とする請求項1ないし3に記載のブレーキ装置。
  5. 前記コントロール手段を、複数の手動操作手段が操作されたときには、各操作力を加算した値に基づいて手動ブレーキ手段の作動を制御するよう構成したことを特徴とする請求項4に記載のブレーキ装置。
  6. 車両の速度を検出する車速検出手段を設け、前記コントロール手段を、前記手動操作手段の操作に対応させてホイールシリンダにブレーキ圧を供給する作動が所定の車速以下でのみ行われるよう構成したことを特徴とする請求項1ないし5に記載のブレーキ装置。
  7. 前記コントロール手段を、手動操作手段に対する操作力に応じ、操作力が大きいほどブレーキ液圧を増圧するよう構成したことを特徴とする請求項1ないし6に記載のブレーキ装置。
  8. 前記コントロール手段、手動操作手段に対する操作に応じて供給するブレーキ液圧の特性、操作力が大きくなるに連れてブレーキ液圧の増大量が小さくなる特性に設定することを特徴とする請求項7に記載のブレーキ装置。
  9. 前記コントロール手段のブレーキ液圧特性を変更する特性変更手段を設けるとともに、前記コントロール手段を、特性変更手段の操作に応じて最大ブレーキ液圧が異なる複数種類のブレーキ液圧特性に変更可能に構成したことを特徴とする請求項1ないし8に記載のブレーキ装置。
  10. 請求項9に記載のブレーキ装置において、複数種類のブレーキ液圧特性を、最大ブレーキ液圧が異なっていても所定のブレーキ液圧までは操作力に対するブレーキ液圧の変化率が一定である特性としたことを特徴とするブレーキ装置。
  11. 前記足動ブレーキ手段を、足動操作手段としてのブレーキペダルに対する操作に応じてブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダで発生したブレーキ液圧をホイールシリンダに供給するブレーキ回路とで構成し、前記手動ブレーキ手段を、前記ブレーキ回路と、このブレーキ回路の遮断および連通を切り替えるゲート弁およびこのゲート弁と並列に設けられてマスタシリンダからホイールシリンダ方向へのブレーキ液の流れのみを許す一方弁と、前記ブレーキ回路においてゲート弁の下流に向けてブレーキ液を吐出するポンプと、を備えている手段としたことを特徴とする請求項1ないし10に記載のブレーキ装置。
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