JP2001180462A - 自動二輪車の制動装置 - Google Patents

自動二輪車の制動装置

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JP2001180462A
JP2001180462A JP36593399A JP36593399A JP2001180462A JP 2001180462 A JP2001180462 A JP 2001180462A JP 36593399 A JP36593399 A JP 36593399A JP 36593399 A JP36593399 A JP 36593399A JP 2001180462 A JP2001180462 A JP 2001180462A
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宏昭 瀬戸
Toshiaki Makino
敏明 牧野
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大作 紙本
Yuji Takada
祐司 高田
Kunio Kajiwara
邦夫 梶原
Hideo Kawai
秀夫 河合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動機構の作動条件を適正に設定してその機
能を十分に発揮させるとともに運転状況に応じて車両の
前後姿勢を十分に保ちつつ最適な制動力を得ることがで
きる自動二輪車の制動装置を提供する。 【解決手段】 前輪制動機構2と後輪制動機構とを有
し、各制動機構2は操作子2aにより駆動される油圧装
置(マスターシリンダ)14を備え、少なくとも一方の
制動機構2は、ABS機構4および該制動機構の制動動
作を補助するためのアシスト機構(モータ40,アシス
トポンプ41)を備え、所定のアシスト条件のときに前
記アシスト機構を駆動するための制御装置(ECU)5
3を備え、該制御装置は、前記操作子により一方の制動
機構が動作中に前記アシスト条件が満たされたときに該
一方の制動機構または他方の制動機構のアシスト機構を
駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、独立した油圧駆動
系を有する前輪制動機構および後輪制動機構からなる自
動二輪車(スクータや小型鞍乗三輪車等を含む四輪車以
外の車両)の制動装置に関し、特に車輪のロックを防止
するABS機構を備えた自動二輪車の制動装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車の制動装置として、機械式ブ
レーキと油圧式ブレーキがある。機械式ブレーキはワイ
ヤやリンケージ等により制動力を伝える。これに対し油
圧式ブレーキは、ブレーキレバーやブレーキペダル等の
操作子の操作によりマスターシリンダで油圧を発生さ
せ、これをキャリパのパッドやホイルシリンダのシュー
を介してディスクやドラムを押圧して制動力を発生させ
るものである。
【0003】また、制動時に必要以上のブレーキ力によ
り車輪がロックするのを防止して不要なスリップを防止
し最適な制動効率のブレーキ作用を得るために、ABS
機構を備えた制動装置が実用化されている。
【0004】自動二輪車の制動装置は、四輪車に比べ、
制動時に荷重が前方に移動して前輪側が沈み姿勢が変化
しやすい。このため、前輪および後輪側で独立した制動
装置をもつ自動二輪車においてはライダーが制動力の前
後バランスをコントロールしている。
【0005】このような自動二輪車の制動装置として、
独立した前輪用の制動機構および後輪用の制動機構と、
これらの制動機構による制動動作を補助するアシスト機
構とを備え、所定のアシスト条件のときに前記アシスト
機構による補助動作を実行させる制動装置が考えられて
いる。このようなアシスト機構を用いることにより、運
転状態等に対応して最適な制動動作が得られるブレーキ
制御を図ろうとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、四輪車
に比べ特に制動時にライダーが前後バランスをコントロ
ールする自動二輪車において、例えば強い制動力を得た
い場合、前輪側の制動機構へのライダーの急激な強いブ
レーキ操作入力により荷重が前方に移動し車両の姿勢が
大きく変化する。このような場合には、強いブレーキ力
とともに前後の姿勢を保つために後輪側の制動機構も同
時に作動することが望まれる。
【0007】また、後輪側ブレーキは、前輪側ブレーキ
に比べ前後の姿勢変化への影響が少ない。また、後輪側
のブレーキは前輪に比べて発生できる減速度が低い。そ
のため、前輪側の制動機構のアシストにより車両全体で
さらに高い制動力を発生させることが望まれる。
【0008】このように、特に制動による前後の姿勢変
化への影響が大きい自動二輪車において、運転状況に応
じて必要とする最適な制動力を得るとともに安定した車
両のバランスを十分保つことができる制動装置の実現が
望まれている。
【0009】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、油圧駆動による前輪および後輪側の独立した制動
機構を備え、さらにABS機構とともに前輪および後輪
の制動機構のアシスト機構を備えた自動二輪車の制動装
置において、各制動機構の作動条件を適正に設定してそ
の機能を十分に発揮させるとともに運転状況に応じて車
両の前後姿勢を十分に保ちつつ最適な制動力を得ること
ができる自動二輪車の制動装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明においては、前輪制動機構と後輪制動機構と
を有し、各制動機構は操作子により駆動される油圧装置
を備え、少なくとも一方の制動機構は、ABS機構およ
び該制動機構の制動動作を補助するためのアシスト機構
を備え、所定のアシスト条件のときに前記アシスト機構
を駆動するための制御装置を備え、該制御装置は、前記
アシスト条件が満たされるまでは、前記前輪制動機構と
前記後輪制動機構の独立状態を維持し、前記操作子によ
り一方の制動機構が動作中に前記アシスト条件が満たさ
れたときに該一方の制動機構または他方の制動機構のア
シスト機構を駆動するように構成されたことを特徴とす
る自動二輪車の制動装置を提供する。
【0011】この構成によれば、一方の制動機構の操作
子により油圧装置を駆動して前輪または後輪のいずれか
をブレーキ動作中に、制御装置がそのブレーキ操作入力
の強さや速さあるいは車輪のスリップ率等を計測してラ
イダーが要求するブレーキ力や車輪の走行状態等を検出
し、この検出結果が所定のアシスト条件に合うかどうか
を判定して、これに応じて最適なタイミングでアシスト
機構を駆動することにより、車体の前後姿勢を適切に保
ちながら必要で適切な制動力を得るように駆動制御する
ことができる。
【0012】本発明の構成例では、前記アシスト条件
は、前輪制動機構の操作子の入力圧力および入力速度に
基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を
駆動することを特徴としている。
【0013】この構成によれば、前輪側のブレーキ操作
中にその操作力および操作速度から緊急なブレーキが要
求されていることを識別し、これに応じて前輪をアシス
ト駆動することにより、この前輪側の制動機構の制動力
をさらに高めることができる。
【0014】さらに本発明の構成例では、前記前輪側の
アシスト機構とともに後輪側のアシスト機構を駆動する
ことを特徴としている。
【0015】この構成によれば、前輪のブレーキ動作に
加えてさらに前輪側および後輪側の両方のアシスト機構
を作動させて、より速く必要な制動力を得ることができ
る。さらにこの場合、後輪をアシスト駆動することによ
り姿勢変化を抑える作用が得られる。
【0016】別の構成例では、前記アシスト条件は、後
輪制動機構の操作子の入力圧力および入力速度に基づい
て設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動す
ることを特徴としている。
【0017】この構成によれば、後輪がブレーキ操作さ
れているときに、その操作力および操作速度から強いブ
レーキが要求されていることを識別し、これに応じてブ
レーキ入力されていない前輪をアシスト駆動することに
より、後輪の制動力に加えて前輪側の制動力を付与し車
両全体の制動力を高めることができる。
【0018】さらに本発明の構成例では、前記前輪側の
アシスト機構とともに後輪側のアシスト機構を駆動する
ことを特徴としている。
【0019】この構成によれば、後輪のブレーキ動作に
加えてさらに前輪側および後輪側の両方のアシスト機構
を作動させて、より速く必要な制動力が得られる。
【0020】別の構成例では、前記アシスト条件は、前
輪側制動機構の操作子の入力圧力および前輪のスリップ
率に基づいて設定され、これにより後輪側のアシスト機
構を駆動することを特徴としている。
【0021】この構成によれば、前輪がブレーキ動作し
ているときに、その入力圧力およびスリップ率を検出し
て、スリップ率に基づくABS機構が作動する前に、強
いブレーキ力が発生して前輪側に荷重が急激に移動して
いる場合に、後輪のアシスト機構を駆動して前輪の負担
荷重を軽減することにより、車両姿勢を安定させること
ができる。
【0022】別の構成例では、前記アシスト条件は、後
輪側のABSの作動に基づいて設定され、これにより前
輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0023】この構成によれば、例えば強いブレーキ力
が必要な時に、後輪側のブレーキを強く入力するとAB
S機構の作動領域に入る。このような場合、前輪側のア
シスト機構により前輪側のブレーキ力を付加することに
より、後輪単独では発生し得ない高い制動力が得られ
る。
【0024】さらに本発明の構成例では、前記アシスト
機構を構成する昇圧用ポンプを備え、該ポンプの吐出側
の油圧経路上にリリーフ弁とともに切換弁を設け、昇圧
動作中に該切換弁を断続的に切換え動作させることによ
り、前記昇圧用ポンプによる油圧の昇圧レートを調整可
能としたことを特徴としている。
【0025】この構成によれば、所定のアシスト条件が
満たされてアシスト駆動によりブレーキ力を付加する場
合、アシストによる昇圧レートを乗車フィーリング上適
切な値に設定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る自動二輪車の制動装置の構成図である。この図は、
前輪側の制動装置を示すものであり、実質上同一構成の
後輪側の制動装置が、アシストポンプ駆動用のモータ4
0(後述)を共通に用いて独立して設けられている。
【0027】図1は、通常運転時におけるブレーキレバ
ー等の手動による操作入力により油圧を昇圧させている
状態を示す。この自動二輪車用制動装置は、前輪を制動
する前輪制動機構2と、この前輪制動機構2と実質上同
一構成で後輪を制動する後輪制動機構(図示しない)
と、前輪制動機構2による前輪のロックを回避するとと
もに前輪の制動補助力を供給するアシスト付きABS機
構4(後輪制動機構についても同じ、以下前輪制動機構
2についてのみ説明する)とを備えている。
【0028】上記前輪制動機構2は、運転者の前ブレー
キレバー2aの把持操作によりマスターシリンダ14で
発生したブレーキ液圧(以下油圧という)を前ブレーキ
通路2bにより第1電磁切換弁16および第2電磁切換
弁18を介して前輪用ブレーキキャリパ36に供給し、
該キャリパ36内のブレーキパッドで前ブレーキディス
ク6を挟持するように構成されている。
【0029】上記前ブレーキレバー2a(後ブレーキの
場合にはブレーキペダル)には、制動操作の有無を検出
するブレーキスイッチ8が配設され、また操作ストロー
ク量を検出するストロークセンサ10が取付けられてい
る。なお、該ストロークセンサ10の検出値に基づいて
後述するECU53によりストロークの変化速度(操作
入力速度)が求められる。また、上記前ブレーキディス
ク6の近傍には前輪の回転速度を検出する車輪速センサ
12が取付けられている。さらに、ブレーキレバー2a
によるブレーキ操作入力に応じたマスターシリンダの油
圧を検出するための圧力センサ(図示しない)が設けら
れている。
【0030】上記アシスト付きABS機構4は、アシス
ト回路2cとバイパス通路2dとを備えている。上記ア
シスト回路2cは、上記第2電磁切換弁18の下流側と
上流側とを連通しており、モータ40で回転駆動される
アシストポンプ41と、該ポンプ41の吐出側および吸
込側に位置する逆止弁26,27と、第3電磁切換弁1
9とが介設されている。上記バイパス通路2dは、上記
前ブレーキ通路2bの第1電磁切換弁16の上流側とア
シストポンプ41の吸込側とを連通し、第4電磁切換弁
17を有する。なお、24は上記アシスト回路2c内の
圧力を所定値以下に保持するリリーフ弁であり、また3
3は上記アシスト回路2c内の圧力変動を緩和する緩衝
弁である。
【0031】上記ブレーキスイッチ8およびストローク
センサ10の検出信号および図示しない舵角センサによ
り検出された走行ハンドルの操舵角信号は、ECU53
に入力される。該ECU53は、上記アシスト付きAB
S機構4を、アシスト発生条件が成立するまでは、前輪
制動機構2と後輪制動機構の独立状態が維持され、上記
アシスト発生条件が成立したときにはアシスト動作を実
行するように制御するアシスト制御手段として機能す
る。具体的には、上記ECU53は、リレー54を介し
て上記第1電磁切換弁16および第4電磁切換弁17
を、後述するアシスト発生条件が成立するまでは図1の
状態に保持し、アシスト発生条件が成立したときには後
述の図4で示すように第1および第4電磁切換弁16,
17の弁通路を切換える。
【0032】図1は、昇圧状態を示すものであり、この
状態において、ライダーがブレーキレバー2aを操作す
ることにより、その操作圧力や操作速度に応じてマスタ
ーシリンダー14で油圧を発生させる。この油圧がブレ
ーキ通路2b上の第1電磁切換弁16および第2電磁切
換弁18を介してキャリパ36に伝達され、ブレーキデ
ィスク6を油圧に応じたブレーキ力で締め付けて前輪を
制動する。
【0033】このとき、ライダーがブレーキレバー2a
を介して入力する操作圧力が、例えばブレーキレバー2
aのストローク量を検出することにより或いは油圧を検
出することにより検出される。また、操作入力速度がス
トロークセンサ10の変化量から演算して検出される。
このようなブレーキレバー2a(あるいはブレーキペダ
ル)等のブレーキ操作子へのライダーの意志による操作
入力の圧力(強さ)および速度に基づきブレーキ力の要
求度が判別される。このような操作入力の強さおよび速
度に基づいて、後述のようにアシスト条件が判別されア
シスト機構が駆動される。
【0034】図2は、上記図1の制動機構のABS作動
中での減圧動作状態を示す。この状態では、第2電磁切
換弁18が通路を閉じ、第3電磁切換弁19が通路を開
いている。これにより、キャリパ36に付与されていた
油圧は、第3電磁切換弁19、ポンプ41および第1電
磁切換弁16を通してマスターシリンダ14に戻され
る。
【0035】図3は、上記図1の制動機構のABS作動
中での圧力保持状態を示す。この状態では、第2電磁切
換弁18とともに第3電磁切換弁19が通路を閉じてい
る。これにより、キャリパ36に付与されている油圧は
通路が閉じられて封止され圧力が維持される。この場
合、キャリパ36の油圧は第2電磁切換弁18と並列の
逆止弁25を通して逃げようとするが、マスターシリン
ダ14(またはポンプ41)からキャリパ36の油圧よ
り強い圧力の油圧が逆止弁25の上流側から作用するた
めキャリパ36の油圧は維持される(キャリパ36の油
圧は絞り弁50を介して減圧されているためその上流側
の油圧より低い)。
【0036】図4は、上記図1の制動機構のアシスト動
作中での昇圧状態を示す。この状態では、図1の状態と
逆に、第1電磁切換弁16が閉じて第4電磁切換弁17
が開いている。したがって、マスターシリンダ14は第
4電磁切換弁17を介してポンプ41の吸込み側に連通
する。また、第2電磁切換弁18は開き、第3電磁切換
弁19は閉じている。
【0037】この状態でポンプ41がモータ40により
駆動される。これにより、ポンプ41の吐出圧に応じた
油圧が逆止弁26および第2電磁切換弁18を通してキ
ャリパ36に作用する。
【0038】図5は、上記図1の制動機構のアシスト動
作中での減圧状態を示す。この状態では、図4の状態か
ら、第2電磁切換弁18を閉じ、第3電磁切換弁19を
開くように切換える。これにより、キャリパ36内の油
圧は、第3電磁切換弁19、逆止弁27、第4電磁切換
弁17を通してマスターシリンダ14に戻されキャリパ
36が減圧される。このときポンプ41は停止してい
る。
【0039】図6は、上記図1の制動機構のアシスト動
作中での圧力保持状態を示す。この状態では、前記図4
の状態から、第2電磁切換弁18を閉じるように切換え
る。これにより、前述の図3の場合と同様に、キャリパ
36内の油圧が第2電磁切換弁18および第3電磁切換
弁19間の配管内に閉じ込められて圧力が保持される。
【0040】図7は、アシストポンプ41の吐出圧力に
よる油圧のグラフであり、横軸は時間、縦軸は油圧を示
す。(A)は、ポンプ41を通常動作で駆動してポンプ
能力をそのまま用いて昇圧させたグラフであり、グラフ
の傾きθ1に対応する昇圧レートはポンプ能力にそのま
ま対応している。
【0041】(B)は、第2電磁切換弁18を断続的に
細かく切換えることにより、図4の昇圧状態と図6の保
持状態とを交互に繰り返したグラフである。これによ
り、平均昇圧レートを示す角度θ2がθ1より小さくな
り、アシストによるブレーキ力が小さくなる。このよう
に昇圧レートを変えることによりライダーの乗車フィー
リングに適切なレートを設定することができる。
【0042】図8は、ABS動作やアシスト動作の開始
条件(後述)となる車輪のスリップ率の説明グラフであ
り、横軸は時間、縦軸は速度を示す。減速運転状態で、
車体速度が一定の割合で低下しているときに、ブレーキ
操作により車輪速度が車体速度より小さくなると、車輪
がスリップする。このスリップ量が大きくなるとスリッ
プ率が大きくなる。車輪がロックしたときのスリップ量
が一番大きくこの時のスリップ率が1.0である。この
ようなスリップ率に基づいて、前述のECU53が、A
BS機構やアシスト機構によるブレーキ制御の開始条件
を判断して、必要に応じてアシスト動作が行われる。
【0043】図9〜図14は、本発明の実施の形態に係
るアシスト機構によるアシスト開始条件の説明図であ
る。図9は、前輪入力/前輪アシストの設定状態を示
す。(A)は前輪制動機構に対する操作入力を示し、
(B)は前輪に対するブレーキ力を示す。アシスト条件
は、(A)に示すように、例えば前輪ブレーキレバーの
操作入力による油圧が所定値Pf1以上で、且つ入力速
度に対応する傾きθf1が所定値以上となることであ
る。これは、例えばライダーが強いブレーキ力を必要と
している状態である。前述のECU53がこのようなア
シスト条件を判別し、この条件が満たされたとき(図の
時間t1)に、前輪へのアシスト力を付加する。これに
より(B)に示すように、時間t1の時点から前輪ブレ
ーキ力Fの立上がり角度がθF0からθF1に増加して短時
間でABS作動油圧に達し、強いブレーキ力が得られ
る。
【0044】このアシスト条件では、条件が満たされる
時間t1前は、前輪ブレーキが図1に示す昇圧状態であ
り、この状態から時間t1で第4電磁切換弁17を開く
ように切換え、モータ40を駆動してポンプ41を動作
させる。これにより、第1電磁切換弁16を通してブレ
ーキレバー2aによるブレーキ力とともにポンプ41の
吐出圧による油圧が付加されて第2電磁切換弁18を通
してキャリパ36に作用する。
【0045】このとき、ポンプ41からのアシストによ
るブレーキ力は、前述の図7(B)に示したように、ラ
イダーの乗車フィーリングに最適な昇圧レートを設定し
ている。
【0046】図10は、後輪入力/前輪アシストの設定
状態を示す。この場合のアシスト条件は、(A)に示す
ように、例えば後輪ブレーキペダルの操作入力による油
圧が所定値Pr2以上で、且つ入力速度に対応する傾き
θr2が所定値以上となることである。これは、例えば
ライダーが強いブレーキ力を必要としている状態であ
る。前述のECU53がこのようなアシスト条件を判別
し、この条件が満たされたとき(図の時間t2)に、前
輪へのアシスト力を付加する。これにより、(B)に示
すように、時間t2以降は後輪ブレーキ力(R)ととも
に前輪のアシストブレーキ力(F)が作用して前後輪を
合わせて大きな制動力が得られる。この場合の前輪ブレ
ーキによるアシスト力の立上がり角度θF2は、前述の図
7(B)で説明したとおり、適宜設定可能である。ま
た、アシスト力の加圧量の上限もモーターの制御または
切換弁の制御またはリリーフ弁24の選択などにより適
宜設定される。ここでPF2はABSが作動しない程度
のあまり大きくない値とし、後輪ブレーキにしか入力し
ていないライダーへの違和感を抑えるようにしている。
【0047】このアシスト条件においては、最初に図1
に対応した状態の後輪側の制動機構が動作し、時間t2
で上記アシスト条件が満たされると、これに加えて前輪
側の制動機構が図4に示すアシスト昇圧状態となってポ
ンプ41によりアシスト力が付加される。
【0048】図11は、前輪入力/(前輪+後輪)アシ
ストの設定状態を示す。このアシスト動作は、前述の図
9のアシスト動作に加えて、後輪のアシストブレーキを
作用させるものである。したがって、アシスト条件は図
9の場合と同様であり、すなわち(A)に示すように、
例えば前輪ブレーキレバーの操作入力による油圧が所定
値Pf3以上で、且つ入力速度に対応する傾きθf3が
所定値以上となることである。これは、例えばライダー
が強いブレーキ力を必要としている状態である。前述の
ECU53がこのようなアシスト条件を判別し、この条
件が満たされたとき(図の時間t3)に、前輪へのアシ
スト力とともに後輪のアシスト力を付加する。これによ
り(B)に示すように、時間t3の時点から前輪ブレー
キ力(F)の立上がり角度がθF0からθF3に増加すると
ともに後輪のアシストブレーキ力(R)が付加され、短
時間で強いブレーキ力が得られる。
【0049】このアシスト条件では、条件が満たされる
時間t3前は、前輪ブレーキが図1に示す昇圧状態であ
り、この状態から時間t3で第4電磁切換弁17を開く
ように切換え、モータ40を駆動してポンプ41を動作
させる。これにより前輪のアシストブレーキ力が付与さ
れる。さらに時間t3で、後輪ブレーキを図4に対応し
たアシスト昇圧状態として後輪側のポンプによりアシス
ト力を付与する。
【0050】図12は、後輪入力/(前輪+後輪)アシ
ストの設定状態を示す。
【0051】このアシスト動作は、前述の図10のアシ
スト動作に加えて、後輪のアシストブレーキを作用させ
るものである。したがって、アシスト条件は図10の場
合と同様であり、すなわち(A)に示すように、例えば
後輪ブレーキペダルの操作入力による油圧が所定値Pr
4以上で、且つ入力速度に対応する傾きθr4が所定値
以上となることである。これは、例えばライダーが強い
ブレーキ力を必要としている状態である。前述のECU
53がこのようなアシスト条件を判別し、この条件が満
たされたとき(図の時間t4)に、前輪へのアシスト力
とともに後輪のアシスト力を付加する。これにより
(B)に示すように、時間t4の時点から後輪ブレーキ
力(R)の立上がり角度がθR0からθR4に増加するとと
もに前輪のアシストブレーキ力(F)が付加され、短時
間で強いブレーキ力が得られる。
【0052】このアシスト条件では、条件が満たされる
時間t4前は、後輪ブレーキが図1に対応する昇圧状態
であり、この状態から時間t4で後輪ブレーキの第4電
磁切換弁17を開くように切換え、モータ40を駆動し
てポンプ41を動作させる。これにより後輪のアシスト
ブレーキ力が付与される。さらに時間t4で、前輪ブレ
ーキを図4に示すアシスト昇圧状態として前輪側のポン
プ41によりアシスト力を付与する。
【0053】図13は、前輪入力/後輪アシストの設定
状態を示す。ライダーのブレーキレバーの操作入力によ
り前輪に強いブレーキ力が作用しているときは、前輪側
に荷重が移動して、車両姿勢が変化している。このとき
後輪側にブレーキ力をアシストすることにより、前輪の
荷重負担を軽減させて車両姿勢を安定させることができ
る。
【0054】図13のアシスト動作は、このような前輪
への強いブレーキ力が作用したときに、車両姿勢の変化
を少なくすることを目的とするものである。アシスト条
件は、(A)に示すように、前輪のブレーキレバーによ
る操作入力例えば油圧が所定値Pf5以上及び前輪のス
リップ率が所定値以上となることである。このような条
件をECUが判別し、条件が満たされたとき(時間t
5)に、(B)に示すように、後輪のアシストブレーキ
力(R)を付加する。
【0055】この場合、前輪ブレーキは、図1に示すよ
うにブレーキレバーによる昇圧状態であり、前輪がこの
状態のまま、時間t5で後輪ブレーキが図4に対応した
ポンプ41によるアシスト駆動状態となる。この時後輪
のアシストブレーキ力(R)は所定の加圧量にとどめて
おくことが望ましい。
【0056】図14は、後輪入力/前輪アシストの設定
状態を示す。後輪ブレーキは、前輪ブレーキに比べ前後
方向の姿勢に対する影響が少ない。また後輪側のブレー
キは前輪に比べて発生できる減速度が低い。そこで前輪
ブレーキをアシスト駆動することにより強い制動力を得
ることができる。
【0057】図14のアシスト動作は、このように姿勢
バランスの変化が少ない後輪による制動中にさらに強い
制動力を得ることを目的とするものである。アシスト条
件は、後輪のABSが作動することである。(A)に示
すように時間t6でABSの作動が検出されると、
(B)に示すように、前輪のアシストブレーキ力(F)
が付加される。この時前輪のアシストブレーキ力(F)
を所定の加圧量にとどめておくのが望ましい。
【0058】この場合、後輪ブレーキは、図1に対応し
た状態のブレーキペダルによる昇圧状態であり、時間t
6でABSの作動が検出されると、前輪ブレーキが図4
のアシスト駆動状態となってポンプ41により油圧が供
給される。
【0059】図15は本発明の別の実施の形態の構成図
であり、図16はこの実施形態で用いる流量制御弁の構
成説明図である。この実施形態は、上記図1〜図6の実
施形態における第2電磁切換弁18に代えて、これと同
様の機能を有する流量制御弁(図のFCV)38を設け
たものである。その他の構成は実質上前述の構成と同じ
である。
【0060】なお、図15では、前輪制動機構2ととも
に後輪制動機構3を図示して全体の制動装置1を示して
ある。また、51は圧力センサであり、それぞれ前輪の
ブレーキレバー2aまたは後輪のブレーキペダル3aか
らのブレーキ操作入力をマスターシリンダ14の油圧を
介して検出するためのものである。
【0061】この流量制御弁38と第3電磁切換弁19
は図16に示すように一体化されている。流量制御弁3
8は、スプールボディ43の弁穴43c内にスプール4
5を軸方向に摺動自在に配置し、かつばね44で図16
(a)に示す非作動時位置に付勢した構造のものであ
る。上記弁穴43cの入口43a、出口43bは上記通
路2b(後輪側は対応する通路3b)のマスタシリンダ
14側、ブレーキキャリパ36側にそれぞれ連通し、戻
り通路43dは上記アシストポンプ41の吸込側に連通
している。また上記第3電磁切換弁19はソレノイド4
6で弁体47を進退させることにより上記戻り通路43
dを開閉するようになっており、該弁体47はばね48
で閉方向に付勢されている。
【0062】上記スプール45には、上記入口43aと
の連通面積により作動油量を調整する平衡オリフィス4
5aと、固定オリフィス45bと、該固定オリフィス4
5bの上流側および下流側に開口する出口45c、戻り
通路45dとが形成されている。
【0063】このような構成の流量制御弁38を用いた
制動装置1においても、前述の図1〜図6の構成と同様
に上記図9〜図14のアシスト動作を行うことができ
る。
【0064】図17は、前輪側入力により前輪側アシス
ト(又は前輪側アシストとともに後輪側アシスト)動作
を行う場合のアシスト開始までのフローチャートであ
る。このフローは、前述の図9および図11に示したア
シスト動作の開始条件を示すものである。各判別ステッ
プの動作は以下のとおりである。
【0065】S1:既に前輪側入力によるアシストが行
われてその昇圧中ではないことを判別する。すなわち、
前輪側のブレーキレバー操作入力で前輪ブレーキ(また
は前輪ブレーキと後輪ブレーキの両方)のアシスト昇圧
動作が行われている状態のときには、さらに入力をして
も新たに前輪側入力によるアシスト動作を開始せず、ア
シスト判定不成立となる(ステップS11)。
【0066】S2:既に後輪側入力によるアシストが行
われてその昇圧中ではないことを判別する。Noのと
き、すなわち既に後輪側入力により前輪ブレーキのアシ
スト昇圧動作が行われている状態のときには、前輪側の
ブレーキ操作入力がされた場合に、アシスト開始条件を
通常時(非アシスト時)と変えて、入力絶対値(入力圧
力)がgより大で且つ入力速度がhより大か否かを判別
する(ステップS7)。この新たなアシスト条件が満た
されなければアシストは行わない(ステップS11)。
【0067】S3:前輪側入力で前輪側アシスト(図
9,図11)、若しくは後輪側入力で前輪側アシスト
(図10,図12)をしている状態のとき(昇圧中以外
の終了に向かう状態のとき)は、前輪側のブレーキ操作
入力がされた場合に、アシスト開始条件を通常時(非ア
シスト時)と変えて、入力絶対値がiより大で且つ入力
速度がjより大か否かを判別する(ステップS8)。こ
の新たな開始条件が満たされなければアシストは行わな
い(ステップS11)。
【0068】S4:前輪側入力で前輪ブレーキがABS
作動中ではないことを判別する。Noのとき、すなわち
前輪ブレーキがABS作動中(非アシスト時)のときに
は、アシスト開始条件を通常時(非ABS時)と変え
て、入力絶対値がkより大で且つ入力速度がlより大か
否かを判別する(ステップS9)。この新たなアシスト
条件が満たされなければアシストは行わない(ステップ
S11)。
【0069】S5:上記ステップS1〜S4をYesで
クリアした場合、新たなアシスト開始条件となる前輪側
ブレーキ入力絶対値がd以上で且つ入力速度がe以上か
否かを判別する。すなわち、通常のライダーのブレーキ
操作入力のみの状態(ABS非作動でかつアシスト非作
動の状態)では、この入力絶対値dおよび入力速度eが
基本のアシスト条件となる。このアシスト条件が満たさ
れなければアシストは行わない(ステップS11)。
【0070】S6:車速がfより大きいか否かを判別す
る。すなわち、ブレーキ操作入力が上記アシスト条件を
満たしても、車速がf以下のときにはアシストは行わな
い(ステップS11)。車速がfを越えているときにア
シストを開始する(ステップS10)。
【0071】図18は、後輪側入力により前輪側アシス
ト(又は前輪側アシストとともに後輪側アシスト)動作
を行う場合のアシスト開始までのフローチャートであ
る。このフローは、前述の図10および図12に示した
アシスト動作の開始条件を示すものである。各判別ステ
ップの動作は以下のとおりである。
【0072】S11:前輪側入力によるアシスト昇圧中
ではないことを判別する。前輪側のブレーキ操作入力に
より前輪ブレーキ(または前輪ブレーキとともに後輪ブ
レーキ)のアシストの昇圧をしている状態のときには、
後輪側のブレーキペダル操作入力が大きくても前輪ブレ
ーキのアシストは行わない(ステップS19)。
【0073】S12:後輪ブレーキがABS動作中では
ないことを判別する。後輪側入力により後輪ブレーキが
ABS動作中のときには、後輪側入力によるアシスト開
始条件を、通常時(非ABS時)のアシスト条件と変え
て、入力絶対値がOより大で且つ入力速度がPより大と
し、このアシスト条件を判別する(ステップS16)。
この新たなアシスト条件が満たされなければアシストは
行わない(ステップS19)。
【0074】S13:前輪ブレーキがABS動作中では
ないことを判別する。前輪側入力により前輪ブレーキが
ABS動作中のときには、後輪側入力によるアシスト開
始条件を、通常時(前輪も後輪もともに非ABS時)の
アシスト条件と変えて、入力絶対値がQより大で且つ入
力速度がRより大とし、このアシスト条件を判別する
(ステップS17)。この新たなアシスト条件が満たさ
れなければアシストは行わない(ステップS19)。
【0075】S14:上記ステップS11〜S13をY
esでクリアした場合、新たなアシスト開始条件となる
後輪側ブレーキ入力絶対値がm以上で且つ入力速度がn
以上か否かを判別する。すなわち、通常のライダーのブ
レーキ操作入力のみの状態(前輪ブレーキ、後輪ブレー
キともにABS非作動で前輪ブレーキがアシストされて
いない状態)では、この入力絶対値mおよび入力速度n
が基本のアシスト条件となる。このアシスト条件が満た
されなければアシストは行わない(ステップS19)。
【0076】S15:車速がcより大きいか否かを判別
する。車速がc以下のときには、ブレーキ操作入力が上
記アシスト条件(ステップS11〜S14)を満たして
いても、アシストは行わない(ステップS19)。車速
がcを越えているときにアシストを開始する(ステップ
S18)。
【0077】図19は、前輪側入力により後輪側アシス
ト動作を行う場合のアシスト開始までのフローチャート
である。このフローは、前述の図13に示したアシスト
動作の開始条件を示すものである。各判別ステップの動
作は以下のとおりである。
【0078】S20:前輪ブレーキの操作入力絶対値が
所定値qより大か否かを判別する。入力絶対値がq以下
であればアシストは行わない(ステップS25)。
【0079】S21:前輪ブレーキを入力して前輪がス
リップしたとき(図8参照)、そのスリップ率がaより
大きいか否かを判別する。スリップ率がa以下であれば
アシストは行わない(ステップS25)。すなわち、こ
のステップS21は、前輪ブレーキ力が十分作用してい
る状態かどうかを検出するものである。
【0080】S22:後輪ブレーキが入力されていない
状態を判別する。既に後輪ブレーキに入力操作している
場合には、後輪ブレーキをアシストしない(ステップS
25)。
【0081】S23:車速がbより大きいか否かを判別
する。すなわち、上記アシスト判別条件が満たされてい
ても、車速がb以下のときにはアシストは行わない(ス
テップS25)。車速がbを越えているときにアシスト
動作を開始する(ステップS24)。
【0082】図20は、後輪側入力により前輪側アシス
ト動作を行う場合のアシスト開始までのフローチャート
である。このフローは、前述の図14に示したアシスト
動作の開始条件を示すものである。各判別ステップの動
作は以下のとおりである。
【0083】S31:後輪ブレーキの入力操作により後
輪ブレーキのABSが開始されたか否かを判別する。後
輪ブレーキがABS動作していなければアシストは行わ
ない(ステップS36)。
【0084】S32:路面のμ値が所定値より大きいか
否かを判別する。推定μ判定値が低いときはアシストを
行わない(ステップS36)。なお、μ値とは路面の滑
り易さを示す値であり、車体速度と車輪の減速度とに基
づいて判定される推定値である。μ判定値が小さい場合
には、減速により車輪の回転速度は車体速度より遅くな
り、大きい場合には略等しくなる。
【0085】S33:前輪ブレーキの操作入力がないこ
とを判別する。既に前輪ブレーキが操作されて入力があ
るときは後輪側の入力による前輪ブレーキのアシストは
行わない(ステップS36)。これは前輪側のブレーキ
入力操作によるブレーキ動作を優先するためである。
【0086】S34:車速がcより大きいか否かを判別
する。車速がc以下のときには、ブレーキ操作入力が上
記アシスト条件(ステップS31〜S33)を満たして
いても、アシストは行わない(ステップS36)。車速
がcを越えているときにアシストを開始する(ステップ
S35)。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、前輪
側または後輪側の一方の制動機構の操作子により油圧装
置を駆動して前輪または後輪のいずれかをブレーキ動作
中に、制御装置がそのブレーキ操作入力の強さや速さあ
るいは車輪のスリップ率等を計測してライダーが要求す
るブレーキ力や車輪の走行状態等を検出し、この検出結
果が所定のアシスト条件に合うかどうかを判別して、こ
れに応じて最適なタイミングでアシスト機構を駆動する
ことにより、車体の姿勢を適切に保ちながら必要な制動
力を得るように駆動制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るブレーキ装置の通常
時の昇圧状態の構成図
【図2】 図1のブレーキ装置の通常時減圧状態の構成
【図3】 図1のブレーキ装置の通常時圧力保持状態の
構成図
【図4】 図1のブレーキ装置のアシスト時の昇圧状態
の構成図
【図5】 図1のブレーキ装置のアシスト時減圧状態の
構成図
【図6】 図1のブレーキ装置のアシスト時圧力保持状
態の構成図
【図7】 図1のブレーキ装置のアシストポンプ吐出圧
の説明図
【図8】 車体のスリップの説明図
【図9】 本発明によるアシスト形態の説明図
【図10】 本発明による別のアシスト形態の説明図
【図11】 本発明によるさらに別のアシスト形態の説
明図
【図12】 本発明によるさらに別のアシスト形態の説
明図
【図13】 本発明によるさらに別のアシスト形態の説
明図
【図14】 本発明によるさらに別のアシスト形態の説
明図
【図15】 本発明の別の実施形態に係るブレーキ装置
の構成図
【図16】 図15のブレーキ装置の流量制御弁の構成
説明図
【図17】 本発明の前輪側入力によるアシスト開始動
作のフロー図
【図18】 本発明の後輪側入力によるアシスト開始動
作のフロー図
【図19】 本発明の前輪側入力によるアシスト開始動
作の別のフロー図
【図20】 本発明の後輪側入力によるアシスト開始動
作の別のフロー図
【符号の説明】 1:ブレーキ装置、2:前輪制動機構、3:後輪制動機
構、4:アシスト付きABS機構、2a:ブレーキレバ
ー、3a:ブレーキペダル、6:ブレーキディスク、
8:ブレーキスイッチ、10:ストロークセンサ、1
2:車輪速センサ、14:マスターシリンダ、16:第
1電磁切換弁、17:第4電磁切換弁、18:第2電磁
切換弁、19:第3電磁切換弁、24:リリーフ弁、2
5,26,27:逆止弁、33:緩衝弁、36:キャリ
パ、40:モータ、41:アシストポンプ、53:制御
装置(ECU)、54:リレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紙本 大作 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (72)発明者 高田 祐司 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (72)発明者 梶原 邦夫 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (72)発明者 河合 秀夫 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3D046 AA03 BB00 BB28 CC02 DD03 EE01 FF04 HH02 HH23 HH36 JJ00 JJ06 JJ19 KK07 LL23 LL30 LL37

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪制動機構と後輪制動機構とを有し、 各制動機構は操作子により駆動される油圧装置を備え、 少なくとも一方の制動機構は、ABS機構および該制動
    機構の制動動作を補助するためのアシスト機構を備え、 所定のアシスト条件のときに前記アシスト機構を駆動す
    るための制御装置を備え、 該制御装置は、前記アシスト条件が満たされるまでは、
    前記前輪制動機構と後輪制動機構の独立状態を維持し、
    前記操作子により一方の制動機構が動作中に前記アシス
    ト条件が満たされたときに該一方の制動機構または他方
    の制動機構のアシスト機構を駆動するように構成された
    ことを特徴とする自動二輪車の制動装置。
  2. 【請求項2】前記アシスト条件は、前輪制動機構の操作
    子の入力圧力および入力速度に基づいて設定され、これ
    により前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とす
    る請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。
  3. 【請求項3】前記前輪側のアシスト機構とともに後輪側
    のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項2に
    記載の自動二輪車の制動装置。
  4. 【請求項4】前記アシスト条件は、後輪制動機構の操作
    子の入力圧力および入力速度に基づいて設定され、これ
    により前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とす
    る請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。
  5. 【請求項5】前記前輪側のアシスト機構とともに後輪側
    のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項4に
    記載の自動二輪車の制動装置。
  6. 【請求項6】前記アシスト条件は、前輪側制動機構の操
    作子の入力圧力および前輪のスリップ率に基づいて設定
    され、これにより後輪側のアシスト機構を駆動すること
    を特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。
  7. 【請求項7】前記アシスト条件は、後輪側のABSの作
    動に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機
    構を駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動二
    輪車の制動装置。
  8. 【請求項8】前記アシスト機構を構成する昇圧用ポンプ
    を備え、該ポンプの吐出側の油圧経路上にリリーフ弁と
    ともに切換弁を設け、昇圧動作中に該切換弁を断続的に
    切換え動作させることにより、前記昇圧用ポンプによる
    油圧の昇圧レートを調整可能としたことを特徴とする請
    求項1から7のいずれかに記載の自動二輪車の制動装
    置。
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