JP4579366B2 - 自動二輪車の制動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、独立した油圧駆動系を有する前輪制動機構および後輪制動機構からなる自動二輪車(スクータや小型鞍乗三輪車等を含む四輪車以外の車両)の制動装置に関し、特に車輪のロックを防止するABS機構を備えた自動二輪車の制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車の制動装置として、機械式ブレーキと油圧式ブレーキがある。機械式ブレーキはワイヤやリンケージ等により制動力を伝える。これに対し油圧式ブレーキは、ブレーキレバーやブレーキペダル等の操作子の操作によりマスターシリンダで油圧を発生させ、これをキャリパのパッドやホイルシリンダのシューを介してディスクやドラムを押圧して制動力を発生させるものである。
【0003】
また、制動時に必要以上のブレーキ力により車輪がロックするのを防止して不要なスリップを防止し最適な制動効率のブレーキ作用を得るために、ABS機構を備えた制動装置が実用化されている。
【0004】
自動二輪車の制動装置は、四輪車に比べ、制動時に荷重が前方に移動して前輪側が沈み姿勢が変化しやすい。このため、前輪および後輪側で独立した制動装置をもつ自動二輪車においてはライダーが制動力の前後バランスをコントロールしている。
【0005】
このような自動二輪車の制動装置として、独立した前輪用の制動機構および後輪用の制動機構と、これらの制動機構による制動動作を補助するアシスト機構とを備え、所定のアシスト条件のときに前記アシスト機構による補助動作を実行させる制動装置が考えられている。
このようなアシスト機構を用いることにより、運転状態等に対応して最適な制動動作が得られるブレーキ制御を図ろうとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、四輪車に比べ特に制動時にライダーが前後バランスをコントロールする自動二輪車において、例えば強い制動力を得たい場合、前輪側の制動機構へのライダーの急激な強いブレーキ操作入力により荷重が前方に移動し車両の姿勢が大きく変化する。このような場合には、強いブレーキ力とともに前後の姿勢を保つために後輪側の制動機構も同時に作動することが望まれる。
【0007】
また、後輪側ブレーキは、前輪側ブレーキに比べ前後の姿勢変化への影響が少ない。また、後輪側のブレーキは前輪に比べて発生できる減速度が低い。そのため、前輪側の制動機構のアシストにより車両全体でさらに高い制動力を発生させることが望まれる。
【0008】
このように、特に制動による前後の姿勢変化への影響が大きい自動二輪車において、運転状況に応じて必要とする最適な制動力を得るとともに安定した車両のバランスを十分保つことができる制動装置の実現が望まれている。
【0009】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、油圧駆動による前輪および後輪側の独立した制動機構を備え、さらに前輪および後輪の制動機構のアシスト機構を備えた自動二輪車の制動装置において、各制動機構の作動条件を適正に設定してその機能を十分に発揮させるとともに運転状況に応じて車両の前後姿勢を十分に保ちつつ最適な制動力を得ることができる自動二輪車の制動装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明においては、前輪制動機構と後輪制動機構とを有し、各制動機構は、それぞれ独立した操作子により駆動される油圧装置と、昇圧用ポンプを駆動源として該制動機構の制動動作を補助するためのアシスト機構とをそれぞれ備え、所定のアシスト条件のときに前記アシスト機構を駆動するための制御装置を備え、該制御装置は、前記アシスト条件が満たされるまでは、前記前輪制動機構と前記後輪制動機構の独立状態を維持し、前記操作子により一方の制動機構が動作中に前記アシスト条件が満たされたときにその条件に応じて該一方の制動機構または他方の制動機構或いは両方の制動機構のアシスト機構を選択駆動するように構成されたことを特徴とする自動二輪車の制動装置を提供する。
【0011】
この構成によれば、一方の制動機構の操作子により油圧装置を駆動して前輪または後輪のいずれかをブレーキ動作中に、制御装置がそのブレーキ操作入力の強さや速さあるいは車輪のスリップ率等を計測してライダーが要求するブレーキ力や車輪の走行状態等を検出し、この検出結果が所定のアシスト条件に合うかどうかを判定して、これに応じて最適なタイミングでアシスト機構を駆動することにより、車体の前後姿勢を適切に保ちながら必要で適切な制動力を得るように駆動制御することができる。
【0012】
本発明の構成例では、前記アシスト条件は、前輪制動機構の操作子の入力圧力および入力速度に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、前輪側のブレーキ操作中にその操作力および操作速度から緊急なブレーキが要求されていることを識別し、これに応じて前輪をアシスト駆動することにより、この前輪側の制動機構の制動力をさらに高めることができる。
【0014】
さらに本発明の構成例では、前記前輪側のアシスト機構とともに後輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、前輪のブレーキ動作に加えてさらに前輪側および後輪側の両方のアシスト機構を作動させて、より速く必要な制動力を得ることができる。
さらにこの場合、後輪をアシスト駆動することにより姿勢変化を抑える作用が得られる。
【0016】
別の構成例では、前記アシスト条件は、後輪制動機構の操作子の入力圧力および入力速度に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、後輪がブレーキ操作されているときに、その操作力および操作速度から強いブレーキが要求されていることを識別し、これに応じてブレーキ入力されていない前輪をアシスト駆動することにより、後輪の制動力に加えて前輪側の制動力を付与し車両全体の制動力を高めることができる。
【0018】
さらに本発明の構成例では、前記前輪側のアシスト機構とともに後輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、後輪のブレーキ動作に加えてさらに前輪側および後輪側の両方のアシスト機構を作動させて、より速く必要な制動力が得られる。
【0020】
別の構成例では、前記アシスト条件は、前輪側制動機構の操作子の入力圧力および前輪のスリップ率に基づいて設定され、これにより後輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、前輪がブレーキ動作しているときに、その入力圧力およびスリップ率を検出して、スリップ率に基づくABS機構が作動する前に、強いブレーキ力が発生して前輪側に荷重が急激に移動している場合に、後輪のアシスト機構を駆動して前輪の負担荷重を軽減することにより、車両姿勢を安定させることができる。
【0022】
別の構成例では、前記後輪制動機構はABS機構を備え、前記アシスト条件は、前記ABS機構の作動に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、例えば強いブレーキ力が必要な時に、後輪側のブレーキを強く入力するとABS機構の作動領域に入る。このような場合、前輪側のアシスト機構により前輪側のブレーキ力を付加することにより、後輪単独では発生し得ない高い制動力が得られる。
【0024】
さらに本発明の構成例では、前記昇圧用ポンプの吐出側の油圧経路上にリリーフ弁とともに切換弁を設け、昇圧動作中に該切換弁を断続的に切換え動作させることにより、前記昇圧用ポンプによる油圧の昇圧レートを調整可能としたことを特徴としている。
【0025】
この構成によれば、所定のアシスト条件が満たされてアシスト駆動によりブレーキ力を付加する場合、アシストによる昇圧レートを乗車フィーリング上適切な値に設定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る自動二輪車の制動装置の構成図である。この図は、前輪側の制動装置を示すものであり、実質上同一構成の後輪側の制動装置が、アシストポンプ駆動用のモータ40(後述)を共通に用いて独立して設けられている。
【0027】
図1は、通常運転時におけるブレーキレバー等の手動による操作入力により油圧を昇圧させている状態を示す。
この自動二輪車用制動装置は、前輪を制動する前輪制動機構2と、この前輪制動機構2と実質上同一構成で後輪を制動する後輪制動機構(図示しない)と、前輪制動機構2による前輪のロックを回避するとともに前輪の制動補助力を供給するアシスト付きABS機構4(後輪制動機構についても同じ、以下前輪制動機構2についてのみ説明する)とを備えている。
【0028】
上記前輪制動機構2は、運転者の前ブレーキレバー2aの把持操作によりマスターシリンダ14で発生したブレーキ液圧(以下油圧という)を前ブレーキ通路2bにより第1電磁切換弁16および第2電磁切換弁18を介して前輪用ブレーキキャリパ36に供給し、該キャリパ36内のブレーキパッドで前ブレーキディスク6を挟持するように構成されている。
【0029】
上記前ブレーキレバー2a(後ブレーキの場合にはブレーキペダル)には、制動操作の有無を検出するブレーキスイッチ8が配設され、また操作ストローク量を検出するストロークセンサ10が取付けられている。なお、該ストロークセンサ10の検出値に基づいて後述するECU53によりストロークの変化速度(操作入力速度)が求められる。また、上記前ブレーキディスク6の近傍には前輪の回転速度を検出する車輪速センサ12が取付けられている。さらに、ブレーキレバー2aによるブレーキ操作入力に応じたマスターシリンダの油圧を検出するための圧力センサ(図示しない)が設けられている。
【0030】
上記アシスト付きABS機構4は、アシスト回路2cとバイパス通路2dとを備えている。上記アシスト回路2cは、上記第2電磁切換弁18の下流側と上流側とを連通しており、モータ40で回転駆動されるアシストポンプ41と、該ポンプ41の吐出側および吸込側に位置する逆止弁26,27と、第3電磁切換弁19とが介設されている。上記バイパス通路2dは、上記前ブレーキ通路2bの第1電磁切換弁16の上流側とアシストポンプ41の吸込側とを連通し、第4電磁切換弁17を有する。なお、24は上記アシスト回路2c内の圧力を所定値以下に保持するリリーフ弁であり、また33は上記アシスト回路2c内の圧力変動を緩和する緩衝弁である。
【0031】
上記ブレーキスイッチ8およびストロークセンサ10の検出信号および図示しない舵角センサにより検出された走行ハンドルの操舵角信号は、ECU53に入力される。該ECU53は、上記アシスト付きABS機構4を、アシスト発生条件が成立するまでは、前輪制動機構2と後輪制動機構の独立状態が維持され、上記アシスト発生条件が成立したときにはアシスト動作を実行するように制御するアシスト制御手段として機能する。具体的には、上記ECU53は、リレー54を介して上記第1電磁切換弁16および第4電磁切換弁17を、後述するアシスト発生条件が成立するまでは図1の状態に保持し、アシスト発生条件が成立したときには後述の図4で示すように第1および第4電磁切換弁16,17の弁通路を切換える。
【0032】
図1は、昇圧状態を示すものであり、この状態において、ライダーがブレーキレバー2aを操作することにより、その操作圧力や操作速度に応じてマスターシリンダー14で油圧を発生させる。この油圧がブレーキ通路2b上の第1電磁切換弁16および第2電磁切換弁18を介してキャリパ36に伝達され、ブレーキディスク6を油圧に応じたブレーキ力で締め付けて前輪を制動する。
【0033】
このとき、ライダーがブレーキレバー2aを介して入力する操作圧力が、例えばブレーキレバー2aのストローク量を検出することにより或いは油圧を検出することにより検出される。また、操作入力速度がストロークセンサ10の変化量から演算して検出される。このようなブレーキレバー2a(あるいはブレーキペダル)等のブレーキ操作子へのライダーの意志による操作入力の圧力(強さ)および速度に基づきブレーキ力の要求度が判別される。このような操作入力の強さおよび速度に基づいて、後述のようにアシスト条件が判別されアシスト機構が駆動される。
【0034】
図2は、上記図1の制動機構のABS作動中での減圧動作状態を示す。
この状態では、第2電磁切換弁18が通路を閉じ、第3電磁切換弁19が通路を開いている。これにより、キャリパ36に付与されていた油圧は、第3電磁切換弁19、ポンプ41および第1電磁切換弁16を通してマスターシリンダ14に戻される。
【0035】
図3は、上記図1の制動機構のABS作動中での圧力保持状態を示す。
この状態では、第2電磁切換弁18とともに第3電磁切換弁19が通路を閉じている。これにより、キャリパ36に付与されている油圧は通路が閉じられて封止され圧力が維持される。この場合、キャリパ36の油圧は第2電磁切換弁18と並列の逆止弁25を通して逃げようとするが、マスターシリンダ14(またはポンプ41)からキャリパ36の油圧より強い圧力の油圧が逆止弁25の上流側から作用するためキャリパ36の油圧は維持される(キャリパ36の油圧は絞り弁50を介して減圧されているためその上流側の油圧より低い)。
【0036】
図4は、上記図1の制動機構のアシスト動作中での昇圧状態を示す。
この状態では、図1の状態と逆に、第1電磁切換弁16が閉じて第4電磁切換弁17が開いている。したがって、マスターシリンダ14は第4電磁切換弁17を介してポンプ41の吸込み側に連通する。また、第2電磁切換弁18は開き、第3電磁切換弁19は閉じている。
【0037】
この状態でポンプ41がモータ40により駆動される。これにより、ポンプ41の吐出圧に応じた油圧が逆止弁26および第2電磁切換弁18を通してキャリパ36に作用する。
【0038】
図5は、上記図1の制動機構のアシスト動作中での減圧状態を示す。
この状態では、図4の状態から、第2電磁切換弁18を閉じ、第3電磁切換弁19を開くように切換える。これにより、キャリパ36内の油圧は、第3電磁切換弁19、逆止弁27、第4電磁切換弁17を通してマスターシリンダ14に戻されキャリパ36が減圧される。このときポンプ41は停止している。
【0039】
図6は、上記図1の制動機構のアシスト動作中での圧力保持状態を示す。
この状態では、前記図4の状態から、第2電磁切換弁18を閉じるように切換える。これにより、前述の図3の場合と同様に、キャリパ36内の油圧が第2電磁切換弁18および第3電磁切換弁19間の配管内に閉じ込められて圧力が保持される。
【0040】
図7は、アシストポンプ41の吐出圧力による油圧のグラフであり、横軸は時間、縦軸は油圧を示す。
(A)は、ポンプ41を通常動作で駆動してポンプ能力をそのまま用いて昇圧させたグラフであり、グラフの傾きθ1に対応する昇圧レートはポンプ能力にそのまま対応している。
【0041】
(B)は、第2電磁切換弁18を断続的に細かく切換えることにより、図4の昇圧状態と図6の保持状態とを交互に繰り返したグラフである。これにより、平均昇圧レートを示す角度θ2がθ1より小さくなり、アシストによるブレーキ力が小さくなる。このように昇圧レートを変えることによりライダーの乗車フィーリングに適切なレートを設定することができる。
【0042】
図8は、ABS動作やアシスト動作の開始条件(後述)となる車輪のスリップ率の説明グラフであり、横軸は時間、縦軸は速度を示す。
減速運転状態で、車体速度が一定の割合で低下しているときに、ブレーキ操作により車輪速度が車体速度より小さくなると、車輪がスリップする。このスリップ量が大きくなるとスリップ率が大きくなる。車輪がロックしたときのスリップ量が一番大きくこの時のスリップ率が1.0である。このようなスリップ率に基づいて、前述のECU53が、ABS機構やアシスト機構によるブレーキ制御の開始条件を判断して、必要に応じてアシスト動作が行われる。
【0043】
図9〜図14は、本発明の実施の形態に係るアシスト機構によるアシスト開始条件の説明図である。
図9は、前輪入力/前輪アシストの設定状態を示す。
(A)は前輪制動機構に対する操作入力を示し、(B)は前輪に対するブレーキ力を示す。アシスト条件は、(A)に示すように、例えば前輪ブレーキレバーの操作入力による油圧が所定値Pf1以上で、且つ入力速度に対応する傾きθf1が所定値以上となることである。これは、例えばライダーが強いブレーキ力を必要としている状態である。前述のECU53がこのようなアシスト条件を判別し、この条件が満たされたとき(図の時間t1)に、前輪へのアシスト力を付加する。これにより(B)に示すように、時間t1の時点から前輪ブレーキ力Fの立上がり角度がθF0からθF1に増加して短時間でABS作動油圧に達し、強いブレーキ力が得られる。
【0044】
このアシスト条件では、条件が満たされる時間t1前は、前輪ブレーキが図1に示す昇圧状態であり、この状態から時間t1で第4電磁切換弁17を開くように切換え、モータ40を駆動してポンプ41を動作させる。これにより、第1電磁切換弁16を通してブレーキレバー2aによるブレーキ力とともにポンプ41の吐出圧による油圧が付加されて第2電磁切換弁18を通してキャリパ36に作用する。
【0045】
このとき、ポンプ41からのアシストによるブレーキ力は、前述の図7(B)に示したように、ライダーの乗車フィーリングに最適な昇圧レートを設定している。
【0046】
図10は、後輪入力/前輪アシストの設定状態を示す。
この場合のアシスト条件は、(A)に示すように、例えば後輪ブレーキペダルの操作入力による油圧が所定値Pr2以上で、且つ入力速度に対応する傾きθr2が所定値以上となることである。これは、例えばライダーが強いブレーキ力を必要としている状態である。前述のECU53がこのようなアシスト条件を判別し、この条件が満たされたとき(図の時間t2)に、前輪へのアシスト力を付加する。これにより、(B)に示すように、時間t2以降は後輪ブレーキ力(R)とともに前輪のアシストブレーキ力(F)が作用して前後輪を合わせて大きな制動力が得られる。この場合の前輪ブレーキによるアシスト力の立上がり角度θF2は、前述の図7(B)で説明したとおり、適宜設定可能である。また、アシスト力の加圧量の上限もモーターの制御または切換弁の制御またはリリーフ弁24の選択などにより適宜設定される。ここでPF2はABSが作動しない程度のあまり大きくない値とし、後輪ブレーキにしか入力していないライダーへの違和感を抑えるようにしている。
【0047】
このアシスト条件においては、最初に図1に対応した状態の後輪側の制動機構が動作し、時間t2で上記アシスト条件が満たされると、これに加えて前輪側の制動機構が図4に示すアシスト昇圧状態となってポンプ41によりアシスト力が付加される。
【0048】
図11は、前輪入力/(前輪+後輪)アシストの設定状態を示す。
このアシスト動作は、前述の図9のアシスト動作に加えて、後輪のアシストブレーキを作用させるものである。したがって、アシスト条件は図9の場合と同様であり、すなわち(A)に示すように、例えば前輪ブレーキレバーの操作入力による油圧が所定値Pf3以上で、且つ入力速度に対応する傾きθf3が所定値以上となることである。これは、例えばライダーが強いブレーキ力を必要としている状態である。前述のECU53がこのようなアシスト条件を判別し、この条件が満たされたとき(図の時間t3)に、前輪へのアシスト力とともに後輪のアシスト力を付加する。これにより(B)に示すように、時間t3の時点から前輪ブレーキ力(F)の立上がり角度がθF0からθF3に増加するとともに後輪のアシストブレーキ力(R)が付加され、短時間で強いブレーキ力が得られる。
【0049】
このアシスト条件では、条件が満たされる時間t3前は、前輪ブレーキが図1に示す昇圧状態であり、この状態から時間t3で第4電磁切換弁17を開くように切換え、モータ40を駆動してポンプ41を動作させる。これにより前輪のアシストブレーキ力が付与される。さらに時間t3で、後輪ブレーキを図4に対応したアシスト昇圧状態として後輪側のポンプによりアシスト力を付与する。
【0050】
図12は、後輪入力/(前輪+後輪)アシストの設定状態を示す。
【0051】
このアシスト動作は、前述の図10のアシスト動作に加えて、後輪のアシストブレーキを作用させるものである。したがって、アシスト条件は図10の場合と同様であり、すなわち(A)に示すように、例えば後輪ブレーキペダルの操作入力による油圧が所定値Pr4以上で、且つ入力速度に対応する傾きθr4が所定値以上となることである。これは、例えばライダーが強いブレーキ力を必要としている状態である。前述のECU53がこのようなアシスト条件を判別し、この条件が満たされたとき(図の時間t4)に、前輪へのアシスト力とともに後輪のアシスト力を付加する。これにより(B)に示すように、時間t4の時点から後輪ブレーキ力(R)の立上がり角度がθR0からθR4に増加するとともに前輪のアシストブレーキ力(F)が付加され、短時間で強いブレーキ力が得られる。
【0052】
このアシスト条件では、条件が満たされる時間t4前は、後輪ブレーキが図1に対応する昇圧状態であり、この状態から時間t4で後輪ブレーキの第4電磁切換弁17を開くように切換え、モータ40を駆動してポンプ41を動作させる。
これにより後輪のアシストブレーキ力が付与される。さらに時間t4で、前輪ブレーキを図4に示すアシスト昇圧状態として前輪側のポンプ41によりアシスト力を付与する。
【0053】
図13は、前輪入力/後輪アシストの設定状態を示す。
ライダーのブレーキレバーの操作入力により前輪に強いブレーキ力が作用しているときは、前輪側に荷重が移動して、車両姿勢が変化している。このとき後輪側にブレーキ力をアシストすることにより、前輪の荷重負担を軽減させて車両姿勢を安定させることができる。
【0054】
図13のアシスト動作は、このような前輪への強いブレーキ力が作用したときに、車両姿勢の変化を少なくすることを目的とするものである。
アシスト条件は、(A)に示すように、前輪のブレーキレバーによる操作入力例えば油圧が所定値Pf5以上及び前輪のスリップ率が所定値以上となることである。このような条件をECUが判別し、条件が満たされたとき(時間t5)に、(B)に示すように、後輪のアシストブレーキ力(R)を付加する。
【0055】
この場合、前輪ブレーキは、図1に示すようにブレーキレバーによる昇圧状態であり、前輪がこの状態のまま、時間t5で後輪ブレーキが図4に対応したポンプ41によるアシスト駆動状態となる。この時後輪のアシストブレーキ力(R)は所定の加圧量にとどめておくことが望ましい。
【0056】
図14は、後輪入力/前輪アシストの設定状態を示す。
後輪ブレーキは、前輪ブレーキに比べ前後方向の姿勢に対する影響が少ない。
また後輪側のブレーキは前輪に比べて発生できる減速度が低い。そこで前輪ブレーキをアシスト駆動することにより強い制動力を得ることができる。
【0057】
図14のアシスト動作は、このように姿勢バランスの変化が少ない後輪による制動中にさらに強い制動力を得ることを目的とするものである。
アシスト条件は、後輪のABSが作動することである。(A)に示すように時間t6でABSの作動が検出されると、(B)に示すように、前輪のアシストブレーキ力(F)が付加される。この時前輪のアシストブレーキ力(F)を所定の加圧量にとどめておくのが望ましい。
【0058】
この場合、後輪ブレーキは、図1に対応した状態のブレーキペダルによる昇圧状態であり、時間t6でABSの作動が検出されると、前輪ブレーキが図4のアシスト駆動状態となってポンプ41により油圧が供給される。
【0059】
図15は本発明の別の実施の形態の構成図であり、図16はこの実施形態で用いる流量制御弁の構成説明図である。
この実施形態は、上記図1〜図6の実施形態における第2電磁切換弁18に代えて、これと同様の機能を有する流量制御弁(図のFCV)38を設けたものである。その他の構成は実質上前述の構成と同じである。
【0060】
なお、図15では、前輪制動機構2とともに後輪制動機構3を図示して全体の制動装置1を示してある。また、51は圧力センサであり、それぞれ前輪のブレーキレバー2aまたは後輪のブレーキペダル3aからのブレーキ操作入力をマスターシリンダ14の油圧を介して検出するためのものである。
【0061】
この流量制御弁38と第3電磁切換弁19は図16に示すように一体化されている。流量制御弁38は、スプールボディ43の弁穴43c内にスプール45を軸方向に摺動自在に配置し、かつばね44で図16(a)に示す非作動時位置に付勢した構造のものである。上記弁穴43cの入口43a、出口43bは上記通路2b(後輪側は対応する通路3b)のマスタシリンダ14側、ブレーキキャリパ36側にそれぞれ連通し、戻り通路43dは上記アシストポンプ41の吸込側に連通している。また上記第3電磁切換弁19はソレノイド46で弁体47を進退させることにより上記戻り通路43dを開閉するようになっており、該弁体47はばね48で閉方向に付勢されている。
【0062】
上記スプール45には、上記入口43aとの連通面積により作動油量を調整する平衡オリフィス45aと、固定オリフィス45bと、該固定オリフィス45bの上流側および下流側に開口する出口45c、戻り通路45dとが形成されている。
【0063】
このような構成の流量制御弁38を用いた制動装置1においても、前述の図1〜図6の構成と同様に上記図9〜図14のアシスト動作を行うことができる。
【0064】
図17は、前輪側入力により前輪側アシスト(又は前輪側アシストとともに後輪側アシスト)動作を行う場合のアシスト開始までのフローチャートである。このフローは、前述の図9および図11に示したアシスト動作の開始条件を示すものである。
各判別ステップの動作は以下のとおりである。
【0065】
S1:既に前輪側入力によるアシストが行われてその昇圧中ではないことを判別する。すなわち、前輪側のブレーキレバー操作入力で前輪ブレーキ(または前輪ブレーキと後輪ブレーキの両方)のアシスト昇圧動作が行われている状態のときには、さらに入力をしても新たに前輪側入力によるアシスト動作を開始せず、アシスト判定不成立となる(ステップS11)。
【0066】
S2:既に後輪側入力によるアシストが行われてその昇圧中ではないことを判別する。Noのとき、すなわち既に後輪側入力により前輪ブレーキのアシスト昇圧動作が行われている状態のときには、前輪側のブレーキ操作入力がされた場合に、アシスト開始条件を通常時(非アシスト時)と変えて、入力絶対値(入力圧力)がgより大で且つ入力速度がhより大か否かを判別する(ステップS7)。
この新たなアシスト条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS11)。
【0067】
S3:前輪側入力で前輪側アシスト(図9,図11)、若しくは後輪側入力で前輪側アシスト(図10,図12)をしている状態のとき(昇圧中以外の終了に向かう状態のとき)は、前輪側のブレーキ操作入力がされた場合に、アシスト開始条件を通常時(非アシスト時)と変えて、入力絶対値がiより大で且つ入力速度がjより大か否かを判別する(ステップS8)。この新たな開始条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS11)。
【0068】
S4:前輪側入力で前輪ブレーキがABS作動中ではないことを判別する。Noのとき、すなわち前輪ブレーキがABS作動中(非アシスト時)のときには、アシスト開始条件を通常時(非ABS時)と変えて、入力絶対値がkより大で且つ入力速度がlより大か否かを判別する(ステップS9)。この新たなアシスト条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS11)。
【0069】
S5:上記ステップS1〜S4をYesでクリアした場合、新たなアシスト開始条件となる前輪側ブレーキ入力絶対値がd以上で且つ入力速度がe以上か否かを判別する。すなわち、通常のライダーのブレーキ操作入力のみの状態(ABS非作動でかつアシスト非作動の状態)では、この入力絶対値dおよび入力速度eが基本のアシスト条件となる。このアシスト条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS11)。
【0070】
S6:車速がfより大きいか否かを判別する。すなわち、ブレーキ操作入力が上記アシスト条件を満たしても、車速がf以下のときにはアシストは行わない(ステップS11)。車速がfを越えているときにアシストを開始する(ステップS10)。
【0071】
図18は、後輪側入力により前輪側アシスト(又は前輪側アシストとともに後輪側アシスト)動作を行う場合のアシスト開始までのフローチャートである。このフローは、前述の図10および図12に示したアシスト動作の開始条件を示すものである。
各判別ステップの動作は以下のとおりである。
【0072】
S11:前輪側入力によるアシスト昇圧中ではないことを判別する。前輪側のブレーキ操作入力により前輪ブレーキ(または前輪ブレーキとともに後輪ブレーキ)のアシストの昇圧をしている状態のときには、後輪側のブレーキペダル操作入力が大きくても前輪ブレーキのアシストは行わない(ステップS19)。
【0073】
S12:後輪ブレーキがABS動作中ではないことを判別する。後輪側入力により後輪ブレーキがABS動作中のときには、後輪側入力によるアシスト開始条件を、通常時(非ABS時)のアシスト条件と変えて、入力絶対値がOより大で且つ入力速度がPより大とし、このアシスト条件を判別する(ステップS16)。この新たなアシスト条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS19)。
【0074】
S13:前輪ブレーキがABS動作中ではないことを判別する。前輪側入力により前輪ブレーキがABS動作中のときには、後輪側入力によるアシスト開始条件を、通常時(前輪も後輪もともに非ABS時)のアシスト条件と変えて、入力絶対値がQより大で且つ入力速度がRより大とし、このアシスト条件を判別する(ステップS17)。この新たなアシスト条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS19)。
【0075】
S14:上記ステップS11〜S13をYesでクリアした場合、新たなアシスト開始条件となる後輪側ブレーキ入力絶対値がm以上で且つ入力速度がn以上か否かを判別する。すなわち、通常のライダーのブレーキ操作入力のみの状態(前輪ブレーキ、後輪ブレーキともにABS非作動で前輪ブレーキがアシストされていない状態)では、この入力絶対値mおよび入力速度nが基本のアシスト条件となる。このアシスト条件が満たされなければアシストは行わない(ステップS19)。
【0076】
S15:車速がcより大きいか否かを判別する。車速がc以下のときには、ブレーキ操作入力が上記アシスト条件(ステップS11〜S14)を満たしていても、アシストは行わない(ステップS19)。車速がcを越えているときにアシストを開始する(ステップS18)。
【0077】
図19は、前輪側入力により後輪側アシスト動作を行う場合のアシスト開始までのフローチャートである。このフローは、前述の図13に示したアシスト動作の開始条件を示すものである。
各判別ステップの動作は以下のとおりである。
【0078】
S20:前輪ブレーキの操作入力絶対値が所定値qより大か否かを判別する。
入力絶対値がq以下であればアシストは行わない(ステップS25)。
【0079】
S21:前輪ブレーキを入力して前輪がスリップしたとき(図8参照)、そのスリップ率がaより大きいか否かを判別する。スリップ率がa以下であればアシストは行わない(ステップS25)。すなわち、このステップS21は、前輪ブレーキ力が十分作用している状態かどうかを検出するものである。
【0080】
S22:後輪ブレーキが入力されていない状態を判別する。既に後輪ブレーキに入力操作している場合には、後輪ブレーキをアシストしない(ステップS25)。
【0081】
S23:車速がbより大きいか否かを判別する。すなわち、上記アシスト判別条件が満たされていても、車速がb以下のときにはアシストは行わない(ステップS25)。車速がbを越えているときにアシスト動作を開始する(ステップS24)。
【0082】
図20は、後輪側入力により前輪側アシスト動作を行う場合のアシスト開始までのフローチャートである。このフローは、前述の図14に示したアシスト動作の開始条件を示すものである。
各判別ステップの動作は以下のとおりである。
【0083】
S31:後輪ブレーキの入力操作により後輪ブレーキのABSが開始されたか否かを判別する。後輪ブレーキがABS動作していなければアシストは行わない(ステップS36)。
【0084】
S32:路面のμ値が所定値より大きいか否かを判別する。推定μ判定値が低いときはアシストを行わない(ステップS36)。なお、μ値とは路面の滑り易さを示す値であり、車体速度と車輪の減速度とに基づいて判定される推定値である。μ判定値が小さい場合には、減速により車輪の回転速度は車体速度より遅くなり、大きい場合には略等しくなる。
【0085】
S33:前輪ブレーキの操作入力がないことを判別する。既に前輪ブレーキが操作されて入力があるときは後輪側の入力による前輪ブレーキのアシストは行わない(ステップS36)。これは前輪側のブレーキ入力操作によるブレーキ動作を優先するためである。
【0086】
S34:車速がcより大きいか否かを判別する。車速がc以下のときには、ブレーキ操作入力が上記アシスト条件(ステップS31〜S33)を満たしていても、アシストは行わない(ステップS36)。車速がcを越えているときにアシストを開始する(ステップS35)。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、前輪側または後輪側の一方の制動機構の操作子により油圧装置を駆動して前輪または後輪のいずれかをブレーキ動作中に、制御装置がそのブレーキ操作入力の強さや速さあるいは車輪のスリップ率等を計測してライダーが要求するブレーキ力や車輪の走行状態等を検出し、この検出結果が所定のアシスト条件に合うかどうかを判別して、これに応じて最適なタイミングでアシスト機構を駆動することにより、車体の姿勢を適切に保ちながら必要な制動力を得るように駆動制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るブレーキ装置の通常時の昇圧状態の構成図
【図2】図1のブレーキ装置の通常時減圧状態の構成図
【図3】図1のブレーキ装置の通常時圧力保持状態の構成図
【図4】図1のブレーキ装置のアシスト時の昇圧状態の構成図
【図5】図1のブレーキ装置のアシスト時減圧状態の構成図
【図6】図1のブレーキ装置のアシスト時圧力保持状態の構成図
【図7】図1のブレーキ装置のアシストポンプ吐出圧の説明図
【図8】車体のスリップの説明図
【図9】本発明によるアシスト形態の説明図
【図10】本発明による別のアシスト形態の説明図
【図11】本発明によるさらに別のアシスト形態の説明図
【図12】本発明によるさらに別のアシスト形態の説明図
【図13】本発明によるさらに別のアシスト形態の説明図
【図14】本発明によるさらに別のアシスト形態の説明図
【図15】本発明の別の実施形態に係るブレーキ装置の構成図
【図16】図15のブレーキ装置の流量制御弁の構成説明図
【図17】本発明の前輪側入力によるアシスト開始動作のフロー図
【図18】本発明の後輪側入力によるアシスト開始動作のフロー図
【図19】本発明の前輪側入力によるアシスト開始動作の別のフロー図
【図20】本発明の後輪側入力によるアシスト開始動作の別のフロー図
【符号の説明】
1:ブレーキ装置、2:前輪制動機構、3:後輪制動機構、
4:アシスト付きABS機構、2a:ブレーキレバー、
3a:ブレーキペダル、6:ブレーキディスク、8:ブレーキスイッチ、
10:ストロークセンサ、12:車輪速センサ、14:マスターシリンダ、
16:第1電磁切換弁、17:第4電磁切換弁、18:第2電磁切換弁、
19:第3電磁切換弁、24:リリーフ弁、25,26,27:逆止弁、
33:緩衝弁、36:キャリパ、40:モータ、41:アシストポンプ、
53:制御装置(ECU)、54:リレー
Claims (8)
- 前輪制動機構と後輪制動機構とを有し、
各制動機構は、それぞれ独立した操作子により駆動される油圧装置と、昇圧用ポンプを駆動源として該制動機構の制動動作を補助するためのアシスト機構とをそれぞれ備え、
所定のアシスト条件のときに前記アシスト機構を駆動するための制御装置を備え、
該制御装置は、前記アシスト条件が満たされるまでは、前記前輪制動機構と後輪制動機構の独立状態を維持し、前記操作子により一方の制動機構が動作中に前記アシスト条件が満たされたときにその条件に応じて該一方の制動機構または他方の制動機構或いは両方の制動機構のアシスト機構を選択駆動するように構成されたことを特徴とする自動二輪車の制動装置。 - 前記アシスト条件は、前輪制動機構の操作子の入力圧力および入力速度に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。
- 前記前輪側のアシスト機構とともに後輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車の制動装置。
- 前記アシスト条件は、後輪制動機構の操作子の入力圧力および入力速度に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。
- 前記前輪側のアシスト機構とともに後輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車の制動装置。
- 前記アシスト条件は、前輪側制動機構の操作子の入力圧力および前輪のスリップ率に基づいて設定され、これにより後輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。
- 前記後輪制動機構はABS機構を備え、
前記アシスト条件は、前記ABS機構の作動に基づいて設定され、これにより前輪側のアシスト機構を駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の制動装置。 - 前記昇圧用ポンプの吐出側の油圧経路上にリリーフ弁とともに切換弁を設け、昇圧動作中に該切換弁を断続的に切換え動作させることにより、前記昇圧用ポンプによる油圧の昇圧レートを調整可能としたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動二輪車の制動装置。
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