JP3706709B2 - 制動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪に制動力を発生させるキャリパ側の制動作動部にマスタシリンダ圧に加えてポンプの吐出圧である動圧を供給するようにした制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポンプを利用してブレーキ液圧を増減圧するようにした制動装置として、例えば、特開平4−230462号公報に記載のもの(これを以下、第1従来技術という)や、あるいは特開平5−147524号公報に記載のもの(これを以下、第2従来技術という)がある。
第1従来技術は、マスタシリンダと制動作動部とを結ぶ回路の途中にモータ,ピストン,減速機およびリニアボールアクチュエータ(回転を往復動に変換する装置)などを備えた装置が設けられ、モータ回転によるピストンの微妙な往復動により車輪のキャリパ側の制動作動部の液圧の増圧・保持・減圧を行うよう構成されている。すなわち、この第1従来技術では、モータ回転によるピストンの微妙な往復動によってABS(アンチロックブレーキシステム)制御を行い、また通常ブレーキの場合は、運転者の踏力により倍力装置を介しマスタシリンダで液圧を発生させ制動作動部の液圧が上昇するようになっている。
第2従来技術は、マスタシリンダとブレーキシリンダ(制動作動部)とを結ぶ回路の途中にモータの回転で作動するギヤポンプが設けられ、ABS制御時は、まずモータが正転してブレーキシリンダのブレーキ液をマスタシリンダ側に還流させ、その後、スリップ率が回復したらモータを逆転させてブレーキシリンダに向けてマスタシリンダのブレーキ液を供給させてブレーキシリンダ圧を増圧させるよう構成されている。なお、通常ブレーキ時は、ギヤポンプのギヤが空転してブレーキ液の流れが許容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の第1従来技術にあっては、ABS制御に際し、ピストンの微妙な往復動により管路の液圧を増圧・保持・減圧をさせて制動作動部のブレーキ液圧の増圧・保持・減圧を行うようにしているため、モータの回転を非常に微妙な動きとしてピストンに伝達する必要があり、そのための機構として減速機、リニアボールアクチュエータ(回転を往復動に変換するデバイス)が必要となると共に精度の高い制御ロジックが要求され、コストアップを招くという問題があった。
上述の第2従来技術にあっても、第1従来技術同様にポンプの動作のみで液圧を変化させるようにしているため制御が難しく、制御自由度が低いという問題があった。
さらに、両従来技術とも、途中にポンプが設けられた回路のみを経由してマスタシリンダと制動作動部との間でブレーキ液を供給したり戻したりする構造であり、しかも、ポンプは、ブレーキ液を制動作動部に供給する時点で初めて作動を開始する構成であったため、ポンプにより踏力補助を行おうとしても、ブレーキの踏み込み操作に対応してポンプが制動作動部にブレーキ液を供給する際の立ち上がりが遅れ、制御応答性に欠けるという問題があり、また、通常ブレーキ時の踏力補助のためには、負圧ブースタなどの踏力倍力装置が別途必要であり、装置が大型かつ高価なものになるという問題があった。
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、構造が簡単で安価な手段により、制御性能および制御応答性の向上を図るとともに、踏力補助も行うことができるようにし、しかも、ポンプをマスタシリンダ側からホイルシリンダなどの制動作動部側へブレーキ液を供給する方向にのみ駆動させていてもアンチスキッド制御時に充分な減圧を図ることを可能とすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために請求項1記載の発明では、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポンプが設けられ、このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、前記主制動回路において前記ポンプならびに前記バイパス回路の接続箇所よりもマスタシリンダ側の位置に、前記主制動回路を開閉する常開の第1開閉弁が設けられ、前記第1開閉弁と前記ポンプならびに可変オリフィスとの間に位置する前記主制動回路あるいは前記バイパス回路のいずれかから分岐された分岐回路にリザーバが設けられているとともに、前記分岐回路にリザーバと主制動回路側とを開閉する常閉の第2開閉弁が設けられ、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、前記可変オリフィスの開度を制御するとともに、両開閉弁の開閉を制御する制動制御手段が設けられ、前記ポンプは、前記制動制御手段あるいは他の制御手段により少なくとも走行中は、常時、マスタシリンダ側から制動作動部側へブレーキ液を供給させる方向に駆動されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制動制御手段は、ブレーキ液圧の非制御時は可変オリフィスの開度を最大に開き、ブレーキ液圧の制御の際には、増圧制御時は可変オリフィスの開度を狭め、保持制御時は可変オリフィスの開度を維持させ、減圧制御時には可変オリフィスの開度を広げる液圧増減制御を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の発明において、前記制動制御手段は、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、運転者の制動操作時に車輪がロックするのを防止するアンチスキッド制御を行い、このアンチスキッド制御時には、前記第1開閉弁を閉弁させる一方、前記第2開閉弁を開弁させることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3記載の発明において、前記制動制御手段は、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、駆動輪がスリップした際にこの駆動輪スリップを抑制させるべく制動力を発生させる駆動力スリップ防止制御と車両のヨーレイトが車両の安定性を損なう方向に向かっている状態であるときに、所望の車輪に制動力を発生させて車両を安定させる方向にヨーレイトを発生させるヨーレイト制御との少なくとも一方からなる車両安定制御を行い、この車両安定制御時には、前記第1開閉弁を開弁状態に維持させるとともに、前記第2開閉弁を閉弁状態に維持させることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4記載の発明において、前記制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増減制御における減圧制御時に、まず第1開閉弁を閉弁させ、その極短時間後に前記第2開閉弁を開弁させることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5記載の発明において、前記制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増減制御の終了時に、まず閉弁状態の前記第1制御弁を開弁させ、所定時間後に開弁状態の前記第2開閉弁を閉弁させることをことを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項1ないし6記載の発明において、前記制動制御手段が、前記ポンプの駆動量を制御することを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項1ないし7記載の発明において、前記ポンプがギヤポンプであることを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項1ないし8記載の発明において、前記ポンプが主制動回路が4輪に向けて分岐されている個所よりも制動作動部側に各車輪ごと設けられているとともに、前記ポンプを迂回するバイパス回路および可変オリフィスも各車輪ごとに設けられている一方、前記第1・第2開閉弁,分岐回路およびリザーバは、前記主制動回路が2系統に分けられている部位に2車輪ごとに設けられていることを特徴とする。
請求項10記載の発明では、請求項1ないし8記載の発明において、前記ポンプ,バイパス回路,第1・第2開閉弁,分岐回路およびリザーバが、主制動回路が2輪づつの2系統に分岐されている部位に設けられていることを特徴とする。
【0005】
【作用】
請求項1記載の発明では、少なくとも走行中は常時マスタシリンダ側(以後、これをポンプの上流側という)から制動作動部側(以後、これをポンプの下流側という)へブレーキを供給する方向に駆動している(以後、これを供給駆動という)。
このポンプの供給駆動状態で、可変オリフィスの開度を最大としたときには、ブレーキ液はバイパス回路を介してポンプの上流側と下流側とで同量が循環されるだけであるから、ポンプの上流と下流とで液圧差は生じず、よって、制動作動部のブレーキ液圧はマスタシリンダ圧に等しくなり、運転者が制動作動を行っていない状態では大気圧となり、制動作動部において制動力は発生しない。
【0006】
この状態から可変オリフィスを絞ると、ポンプによる供給量よりもバイパス回路を通ってポンプの下流から上流へ戻る流量が減少し、ポンプの下流側の液圧が上流側よりも高くなる。したがって、制動作動部のブレーキ液圧がマスタシリンダ圧よりも高くなり、運転者が制動操作を行っていなくても制動力を発生させることができる。そしてこの時、可変オリフィスの開度を絞った瞬間に制動作動部側の液圧が上昇するもので、ポンプを停止状態から駆動させた場合よりも高い応答性が得られる。
また、上述の制動作動部の増圧状態で可変オリフィスの開度を維持すれば、ブレーキ液圧を保持することができ、また、この状態から可変オリフィスの開度を開くと、ブレーキ液圧がマスタシリンダ圧まで低下する。
このように本発明では、ポンプを供給駆動させたまま可変オリフィスの絞り開度を調節するだけで、すなわち、請求項2記載の液圧増減制御のように、増圧制御時は可変降りフィ寸開度を狭め、保持制御時は可変オリフィスの開度を維持させ、減圧制御時には可変オリフィスの開度を開くことで、ブレーキ液圧の増圧・保持・減圧の微妙な制御が可能となる。よって、ブレーキペダルの操作に応じて可変オリフィスの開度を制御することによって、倍力装置のようにブレーキ操作の補助を行ったり、あるいは、請求項4記載の発明ように運転者がブレーキ操作を行っていない状態で制動力を発生させて、車輪の駆動力や車両のヨーモーメントを制御する運動安定制御を実行することができる。
ところで、上述のようにポンプを供給駆動させたまま可変オリフィスの開度を制御するだけでは、制動作動部のブレーキ液圧を減圧する際に、マスタシリンダ圧と同圧となるまでしか低下しない。したがって、本発明では、運転者が制動作動部を操作してマスタシリンダ圧が大気圧よりも高くなっている状態において、制動作動部のブレーキ液圧をマスタシリンダ圧よりも低い圧まで低下させる時には、可変オリフィスの開度を広げるとともに、第1開閉弁を閉弁させる一方で、第2開閉弁を開弁させる。このように第1開閉弁を閉弁させて主制動回路を遮断してマスタシリンダ圧が主制動回路の下流に供給されないようにした状態で第2開閉弁を開弁すると、制動作動部のブレーキ液圧は分岐回路からリザーバに抜かれて、大気圧付近まで減圧させることができる。このように制動作動部のブレーキ液圧をマスタシリンダ圧よりも減圧可能であるので、制動時に車輪がロックしそうな場合には減圧し、また、この車輪ロックを招きそうな状態がなくなったらブレーキ液圧の増圧や保持を行って、車輪ロックを防止しながら制動距離を最小限に制御するABS制御(請求項3記載の制御)を行うことができる。
【0007】
請求項5記載の発明では、ABS制御に伴う液圧増減制御における減圧制御時に、まず、第1開閉弁を開弁させ、マスタシリンダからの液圧がリザーバへ流れ込まない状態を形成し、その極短時間後に第2開閉弁を開弁させて、制動作動部の減圧を行う。よって、マスタシリンダ圧がリザーバに流れ込んで、制動作動部の減圧が不十分になることがない。
請求項6記載の発明では、制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増減制御時には第1開閉弁を閉弁させるとともに第2開閉弁を開弁させているが、この液圧増減制御の終了時には、まず、第1開閉弁を開弁状態に戻して、制動作動部およびリザーバのブレーキ液をマスタシリンダ側に戻し、リザーバのブレーキ液が確実にマスタシリンダ側に放出されるだけの所定時間が経過した後に、第2開閉弁を閉弁状態に戻す。
請求項7記載の発明では、制動制御手段がポンプの駆動量の制御も行う。したがって、ポンプの供給駆動量を変化させることで制動作動部のブレーキ液圧の調節も可能であり、可変オリフィス開度制御のみにより液圧制御を行うよりも制御自由度が向上する。
請求項8記載の発明では、ポンプとしてギヤポンプを用いており、ポンプの停止時において、主制動回路を介してマスタシリンダ側と制動作動部側との間で相互にブレーキ液の移動が可能でありフェイルセーフの機能を有する。
【0008】
請求項9記載の発明では、各車輪ごとに制動作動部において、独立してブレーキ圧の制御が可能であり、また、請求項10記載の発明では、2輪1組ごとにブレーキ液圧の制御が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態1を示す全体図である。
図中1はマスタシリンダであり、ブレーキペダルBPを踏み込むことで液圧を発生する。このマスタシリンダ1は、各車輪のキャリパ部分のブレーキシリンダ(制動作動部)2に主制動回路3で接続されており、両者の間で主制動回路3を介してブレーキ液が流通するよう構成されている。
【0010】
前記主制動回路3の途中には、モータ5の回転数に応じて所定流量の流体を吐出するギヤポンプ6が設けられており、このギヤポンプ6は、本実施の形態の場合、ブレーキ液をマスタシリンダ1側(これを上流側とする)からブレーキシリンダ2側(これを下流側とする)へ供給する駆動のみを行う。
【0011】
両端がそれぞれ主制動回路3のギヤポンプ6の上流側と下流側とに接続されて前記ギヤポンプ6を迂回するバイパス回路7が設けられている。そして、このバイパス回路7の途中には、バイパス回路7の流路面積を任意に変更可能な可変オリフィス8が設けられている。この可変オリフィス8は、図示を省略したソレノイドを有し、このソレノイドに通電する駆動電流により開度が変更される構成となっている。
【0012】
さらに、前記主制動回路3には、前記マスタシリンダ1と前記ギヤポンプ6との間であって、前記バイパス回路7との接続箇所よりも上流に第1開閉弁21が設けられている。この第1開閉弁21は、ソレノイド駆動の開閉弁であり、非駆動時にはスプリングの付勢力により開弁され、ソレノイド駆動時には閉弁する常開の開閉弁である。
【0013】
前記バイパス回路7において、前記主制動回路3と可変オリフィス8との間に設けられた分岐点7aから分岐回路23が分岐され、この分岐回路23にリザーバ24が設けられている。そして、前記分岐回路23の途中には、この分岐回路23を開閉する第2開閉弁22が設けられている。この第2開閉弁22は、ソレノイド駆動の開閉弁であり、非駆動時にはスプリングの付勢力により閉弁され、ソレノイド駆動時には開弁される常閉の開閉弁である。なお、前記分岐回路23は、第1開閉弁21とギヤポンプ6および可変オリフィス8との間であれば、主制動回路3とバイパス回路7とのいずれに接続されていてもよい。
【0014】
本実施の形態1では、前記モータ5(ギヤポンプ6)、可変オリフィス8、第1開閉弁21ならびに第2開閉弁22の作動は、コントロールユニット(制動制御手段)9により制御される。
すなわち、前記モータ5は、図外のイグニッションスイッチをONとしたときには、一定電圧あるいは一定電流で駆動される。ちなみに、このモータ5の駆動により前記ギヤポンプ6はブレーキ液を主制動回路3の上流から下流に供給する駆動を行う。なお、この部位に用いるポンプとしては、ギヤポンプ6に限らずベーンポンプやピストンポンプなどでも成立する。
前記コントロールユニット9は、入力センサに車両状態検出手段としての踏力センサ10を有している他、車両の環境情報や、エンジンの駆動状態の情報や、あるいは車両の前後および左右の加速度、ヨーレイト、舵角に関する情報が入力されている。前記踏力センサ10は、ブレーキペダルBPとマスタシリンダ1との間のロッド11に設けられ、運転者の踏力を検出するもので、前記コントロールユニット9は、この踏力信号に応じて前記可変オリフィス8の図外のソレノイドへの駆動電流を決定するものである。
【0015】
次に、実施の形態1の動作を説明する。
a)ブレーキペダルの非操作時
本実施の形態1では、イグニッションスイッチをONとするとコントロールユニット9によりモータ5が一定駆動を開始する。そして、この時、コントロールユニット9は可変オリフィス8の開度を最大に制御している。したがって、ギヤポンプ6が主制動回路3の上流から下流に供給するブレーキ液は、バイパス回路7により下流から上流に還流されて循環されるだけであり、ブレーキシリンダ2におけるブレーキ液圧はマスタシリンダ1と同圧の大気圧となっている。
【0016】
b) ブレーキペダル操作時における踏力補助時
b1)ブレーキペダル踏込時
運転者がブレーキペダルBPを踏むと、マスタシリンダ1で発生した液圧が、主制動回路3およびバイパス回路7を介してブレーキシリンダ2に伝達されて、制動力が生じる。
また、それに並行して踏力センサ10が運転者の踏力に応じた信号を出力し、コントロールユニット9は、この踏力信号に応じた面積に可変オリフィス8の開度を絞る。このように可変オリフィス8の開度が絞られるとバイパス回路7による還流量が制限されるため瞬時にギヤポンプ6の上流側と下流側とで液圧差が生じ、ブレーキシリンダ2におけるブレーキ液圧はマスタシリンダ圧よりも上昇することになり、いわゆる踏力補助が成される。
なお、この時、図2(a)に示すように、ブレーキシリンダ2に発生するブレーキ圧P1 は、ギヤポンプ6の流量Qと可変オリフィス8の内径φdおよびマスタシリンダ圧P0 により決定されるものであって、内径φdの値が小さくなるほど、ブレーキ圧P1 の上昇率は高くなり、小さな踏力で大きなブレーキ圧P1 を得ることができる。また、同図(b)は本実施の形態1のモデル図である。
【0017】
b2)ブレーキペダル保持時
運転者がブレーキペダルBPを踏み込んだ位置に保持することにより踏力は一定となるので、可変オリフィス6は保持したときの内径を維持し、ブレーキシリンダ2に発生するブレーキ圧を保持する。
【0018】
b3)ブレーキペダル戻し時
運転者がブレーキペダルBPの踏み込みを緩めると、コントロールユニット11は、踏力センサ10の検出値の低下に対応して可変オリフィス8の開度を広げる。これにより、バイパス回路7によるブレーキ液のギヤポンプ6の上流への還流量が増加するためブレーキシリンダ2のブレーキ液圧が低下する。この場合、ブレーキ液を微妙に還流させることも可能であるから、減速ギヤなどを用いることなく微妙にブレーキ液圧を制御することができる。
また、ブレーキペダルBPの戻しを急激に行った場合には、可変オリフィス8の開度を最大に開けば、ギヤポンプ6の上流と下流との液圧差がなくなり、ブレーキ液圧はマスタシリンダ圧まで、すなわち大気圧まで急速に低下する。
このように、バイパス回路7に設けた可変オリフィス8の開度を変更するだけで、ブレーキ液圧の微妙な制御が可能であり、ギヤポンプ6の回転数のみを制御するのに比べ、制御性に優れているといえる。
c)ABS制御時
本実施の形態1により制動時の車輪ロックを防止するABS制御を行った場合の動作について説明する。
ブレーキペダルBPを踏んでブレーキシリンダ2により制動力を発生させたときに車輪のスリップ率が予め設定された値を越えると(例えば、車輪速が車体速×0.9以下になると)、コントロールユニット9はブレーキ液圧を減圧させて制動力を緩めてスリップ率を所定値未満に抑える減圧制御を実行する。この時、上述の踏力補助の際のように可変オリフィス8の開度を最大に開くだけでは、ブレーキ液圧はマスタシリンダ圧までしか低下せず、充分な減圧は成されない。そこで、本実施の形態1では、減圧制御時には(ちなみにABS制御を実行する場合、最初に減圧を行ってロック抑制を行う)、図3に示すとおり、まず、第1開閉弁21を閉弁させ、その極短時間後(例えば、10ms後)に、第2開閉弁22を開弁させるとともに、減圧信号に応じた開度まで可変オリフィス8の開度を広げる。これにより、ブレーキシリンダ2側のブレーキ液圧は、リザーバ24に開放されて低下するものであり、この場合、主制動回路3が第1開閉弁21により遮断されているため、マスタシリンダ圧よりも低下させることができる。
次に、この減圧状態でブレーキ液圧を保持させる場合には、第1開閉弁21が閉、第2開閉弁22が開の状態を維持したまま、可変オリフィス8の開度がその時点の開度に保持する。これにより上述の踏力補助の場合と同様にしてブレーキ液圧が保持される。
その後、ブレーキ液圧を増圧する場合、図3に示すとおり、第1開閉弁21が閉、第2開閉弁22が開の状態を維持したままで、増圧信号に応じた開度まで可変オリフィス8の開度を絞る。これにより上述の踏力補助の場合と同様にしてブレーキ液圧が増圧される。
また、本実施の形態では、ABS制御を終了する場合、ブレーキペダルBPの踏み付け操作が終了した(非制動状態になったら)ら、図3に示すとおり、まず第1開閉弁21を開弁し、それから所定時間経過後に第2開閉弁22を閉弁させる。このように、まず第1開閉弁21を開弁させたときに、ブレーキシリンダ2ならびにリザーバ24内のブレーキ液がマスタシリンダ1に戻されるもので、リザーバ24内のブレーキ液が確実にマスタシリンダ1に戻るのに要する時間が経過したら(例えば、100ms)、第2開閉弁22を閉じて、次の減圧に備えるものである。
d)運動安定制御時
近年、制動装置の制動力を利用して走行安定を図る運動安定制御が考えられている。この運動安定制御としては、大きく分けて、駆動力制御とヨーレイト制御が考えられており、駆動力制御は加速時に駆動輪の駆動力が大き過ぎてスリップが生じた場合に、これら駆動輪に制動力を与えて駆動力を低減させてスリップを抑制・防止する制御であり、また、ヨーレイト制御は、車両のヨーレイトが車両の安定性を妨げる方向に作用する状態(例えば所定量よりも大きなアンダステア状態、あるいは所定量よりも大きなオーバステア状態)となったときに、所望の車輪に制動力を発生させることにより、車両のヨーレイトを安定方向に向ける制御であって、具体的には、アンダステア時には、旋回内輪の前輪に制動力を発生させてアンダステア状態を弱めることができ、一方、オーバステア時には、旋回外輪の前輪あるいは旋回外輪の後輪に制動力を発生させてオーバステア状態を弱めるというような制御である。
上記のような運動安定制御を行う場合には、運転者はブレーキペダルBPを操作しておらずマスタシリンダ1は大気圧となっているため、リザーバ24を用いなくても大気圧まで減圧でき、したがって、両開閉弁21,22は、図1のように前者を開弁して後者を閉弁下状態に維持したまま、上述した踏力補助制御と同様に可変オリフィス8の開度のみを制御してブレーキ液圧の制御を行う。すなわち、可変オリフィス8を全開としておけばブレーキシリンダ2はマスタシリンダ1と同圧の大気圧であり、これから可変オリフィス8の開度を絞ればブレーキシリンダ2のブレーキ液圧が増圧されて制動力が発生し、可変オリフィス8の開度を維持すればブレーキ液圧もその時の液圧に維持され、可変オリフィス8の開度を広げればブレーキ液圧が減圧される。
【0019】
以上説明したように、実施の形態1では、モータ5を一定電圧あるいは一定電流で回転させておいて可変オリフィス8の内径φdを制御することにより、ブレーキ圧を瞬時に上昇させることができるとともに、減速ギヤを用いることなく微妙なブレーキ圧の制御が可能であり、モータ6の回転数の制御に比べて、高い制御応答性が得られるとともに、制御性に優れているという効果が得られる。
また、万一モータ5またはギヤポンプ6の故障といった事態に遭遇しても、通常ブレーキの性能を確保することができフェイルセーフを向上できるという効果が得られる。
さらに、上述のように制御応答性・制御性を向上させるにあたり、バイパス回路7と可変オリフィス8とを設けた構成としたが、主制動回路3に第1開閉弁21を設けるとともに、この第1開閉弁21の下流から分岐した分岐回路23にリザーバ24および第2開閉弁22を設けた構成としたため、ABS制御時には第1開閉弁21を閉弁させるとともに第2開閉弁22を開弁させて、ブレーキシリンダ2のブレーキ液圧をマスタシリンダ圧よりも低下させて車輪ロックの防止あるいは抑制を図るのに充分な減圧を行うことができる。しかも、両開閉弁21,22の開閉を制御するにあたって、減圧時にはまず第1開閉弁21を閉弁させ、その後、第2開閉弁22を開弁するようにしたため、マスタシリンダ圧がリザーバ24に導入されることがなく、したがって、ブレーキシリンダ2の減圧を確実に行うことができる。加えて、ABS制御の終了時には、第1開閉弁21を開弁してから所定時間が経過した後第2開閉弁22を閉弁するようにしたため、リザーバ24に貯留されたブレーキ液が完全に抜けてしまう前に第2開閉弁22が閉弁して次回に減圧する際に充分な減圧ができなくなるという不具合が生じることがない。
【0020】
以下、他の実施の形態について説明するが、この説明において実施の形態1と同様の構成には同じ符号を付けることで説明を省略する。
(実施の形態2)
図4は請求項9記載の発明の適用形態である実施の形態2の全体図であって、主制動回路3が4輪に向かって分岐された分岐部3a,3aよりも下流においてポンプ6,バイパス回路7,可変オリフィス8を各車輪に独立して設けたいわゆる4チャンネル構造とし、さらに、両開閉弁21,22およびリザーバ24は、2車輪づつの2系統に設けた形態を示している。なお、2系統のギヤポンプ6,6を1台のモータ5で駆動するように構成されている。
したがって、各輪のブレーキシリンダ2のブレーキ液圧を独立して制御することができ、精度の高い制御が可能となり、かつ、モータ5,両開閉弁21,22およびリザーバ24は、2輪ごとに設けて、構造を簡略化することができる。
【0021】
(実施の形態3)
図5は請求項10記載の発明の適用形態である実施の形態3の全体図であり、主制動回路3が4輪に向かって分岐されいている分岐部3aよりも上流の2輪づつの2系統に向かって分岐された部位にポンプ6,バイパス回路7,可変オリフィス8,両開閉弁21,22およびリザーバ24を設けたいわゆる2チャンネル構造に構成した形態を示している。
したがって、2輪ごとにブレーキ液圧を独立して制御することができ、全体構造の簡略化を図ることができる。
【0022】
(実施の形態4)
図6は実施の形態4の全体図である。この実施の形態4は、可変オリフィスとして、全開状態と、所定断面積の絞り状態との2通りの開度にしか切り替えることのできない可変オリフィス48を用いた形態である。
この実施の形態4によれば、走行中、通常はモータ5を所定電圧あるいは所定電流で回転させておくとともに可変オリフィス48は全開状態としておく。この状態では、他の実施の形態と同様にギヤポンプ6によりブレーキ液がバイパス回路7を通って循環されるだけでありブレーキ液圧は大気圧となっている。
次に、運転者の制動操作を検出したり、あるいは運動安定制御を実行するにあたり、ブレーキ液圧を増圧させる時には、可変オリフィス48を絞り側に切り替える。これにより、ブレーキ液圧は瞬時に立ち上がる。そして、コントロールユニット9は、必要に応じてモータ5の回転数を上昇させて増圧させたり、回転数を減少させて減圧させたりして、所望のブレーキ液圧に制御する。そして、ブレーキ液圧を急減圧する場合には、第1開閉弁21を可変オリフィス48を全開状態としてに切り替えることによりマスタシリンダ圧まで低減させることができ、運動安定制御時には、マスタシリンダ圧は大気圧であるから、ブレーキ液圧は大気圧まで低減する。なお、モータ5を逆転させることにより、ブレーキ液圧をマスタシリンダ圧よりも低減させることができる。
一方、ABS制御時には、実施の形態1と同様に、第1開閉弁21を閉弁した後、第2開閉弁22を開弁するとともに可変オリフィス48を全開に戻して、ブレーキシリンダ2のブレーキ液をリザーバ24に抜いて減圧する。また、増圧時は、第1開閉弁21を閉、第2開閉弁22を開とした状態を保ったままで、可変オリフィス48を絞り側に切り替える。
この実施の形態4によれば、可変オリフィス48が単なる切替弁であり構造の簡略化を図ることができる。
【0023】
(実施の形態5および実施の形態6)
図7は実施の形態5を示す全体図、図8は実施の形態6の全体図であって、これらの主要部は図6に示す実施の形態4と同様の構成であるから、詳細な説明は省略する。
図7の実施の形態5は、実施の形態4の公正を欠く輪について設けた形態であり、図8の実施の形態6は、実施の形態4の構成を2車輪づつの2系統に設けた例である。そして、これらの実施の形態5,6によれば、実施の形態4と同様の踏力補助制御や運動安定制御やABS制御を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の制動装置にあっては、マスタシリンダと制動作動部とを結ぶ主制動回路の途中にポンプを設け、このポンプと並行して設けたバイパス回路に可変オリフィスを設け、さらに、主制動回路のバイパス回路の接続箇所よりも上流に常開の第1開閉弁を設け、この第1開閉弁の下流に接続した分岐回路にリザーバを設けるとともに、分岐回路を開閉する常閉の第2開閉弁を設け、ポンプを少なくとも走行中は常時供給駆動させるよう構成したために、以下に列挙する効果が得られる。
イ)運転者のブレーキ操作の踏力補助を行うこと、駆動輪スリップを防止するために駆動輪に適正な制動力を与える駆動輪スリップ防止制御を行うこと、車両挙動に応じて任意の車輪に最適な制動力を発生させることにより車両姿勢が安定する方向に車体のヨーレイトを発生させる運動安定制御を行うことが可能であり、しかも、圧力制御弁を用いていないので、前記踏力補助制御、ABS制御、駆動輪スリップ防止制御、運動安定制御を行なう際に、ペダル振動や騒音が少なくなり、快適性が向上する。
ロ)ポンプを停止状態から駆動させるのに比べて増圧時のブレーキ液圧の立ち上がり応答性に優れ高い制御応答性が得られる。
ハ)車両走行時にはポンプを常時一定の供給駆動を行わせ、可変オリフィスの開度を調整するだけで制動作動部におけるブレーキ液圧の微妙な制御が可能であるため、ポンプに対する制御は簡便にしながら高い精度のブレーキ液圧制御が可能となる。
ニ)上記制御精度・制御応答性効果を減速ギヤなどを用いない構成を簡略化した安価な手段により得られる。
【0025】
請求項5記載の発明では、ABS制御に伴う液圧増減制御における減圧制御時に、まず第1開閉弁を閉弁させ、その極短時間後に、第2開閉弁を開弁させるようにしたため、マスタシリンダ圧がリザーバへ流れ込まないようにして、減圧を常に確実に行える。
請求項6記載の発明では、制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増減制御の終了時には、アンチスキッド制御により閉弁していた第1開閉弁ならびに開弁させていた第2開閉弁を、まず、第1開閉弁を開弁状態に戻し、所定時感度に第2開閉弁を閉弁状態に戻すように構成したため、両開閉弁がいずれも開弁している間にリザーバ内のブレーキ液が確実にマスタシリンダ側に戻った後に第2開閉弁が閉じられることになり、次回にアンチスキッド制御に伴う減圧制御時に、リザーバに液圧が残留されていて減圧が不十分になることがなく、制動作動部のブレーキ液圧を確実に減圧させることができるという効果が得られる。
請求項7記載の発明では、制動制御手段がポンプの駆動量の制御も行うように構成したため、可変オリフィス開度制御のみにより液圧制御を行うよりも制御自由度が向上するという効果が得られる。
請求項8記載の発明では、ポンプとしてギヤポンプを用いた構成としたため、ポンプの停止時において、主制動回路を介してマスタシリンダ側と制動作動部側との間で相互にブレーキ液の移動が可能でありフェイルセーフに優れているという効果が得られる。
請求項9記載の発明にあっては、各車輪ごとに制動作動部のブレーキ液圧を独立して制御することができ、精度の高い制御が可能となる一方、第1・第2開閉弁ならびにリザーバは2輪ごとに設けて構造の簡略化を図ることができる。
請求項10記載の発明では、2輪1組で制動作動部のブレーキ液圧を制御することができ、低コストの手段により、フェイルセーフ性の高い制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す全体図である。
【図2】実施の形態1の液圧特性図である。
【図3】実施の形態1の動作例を示すタイムチャートである。
【図4】実施の形態2を示す全体図である。
【図5】実施の形態3を示す全体図である。
【図6】実施の形態4を示す全体図である。
【図7】実施の形態5を示す全体図である。
【図8】実施の形態6を示す全体図である。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル
1 マスタシリンダ
2 ブレーキシリンダ(制動作動部)
3 主制動回路
5 モータ
6 ギヤポンプ
7 バイパス回路
7a 分岐点
8 可変オリフィス
9 コントロールユニット(制動制御手段)
10 踏力センサ
11 ロッド
21 第1開閉弁
22 第2開閉弁
23 分岐回路
24 リザーバ
48 可変オリフィス

Claims (10)

  1. 運転者のブレーキペダルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、
    この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポンプが設けられ、
    このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、
    このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、
    前記主制動回路において前記ポンプならびに前記バイパス回路の接続箇所よりもマスタシリンダ側の位置に、前記主制動回路を開閉する常開の第1開閉弁が設けられ、
    前記第1開閉弁と前記ポンプならびに可変オリフィスとの間に位置する前記主制動回路あるいは前記バイパス回路のいずれかから分岐された分岐回路にリザーバが設けられているとともに、前記分岐回路にリザーバと主制動回路側とを開閉する常閉の第2開閉弁が設けられ、
    車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、前記可変オリフィスの開度を制御するとともに、両開閉弁の開閉を制御する制動制御手段が設けられ、
    前記ポンプは、前記制動制御手段あるいは他の制御手段により少なくとも走行中は、常時、マスタシリンダ側から制動作動部側へブレーキ液を供給させる方向に駆動されていることを特徴とする制動装置。
  2. 前記制動制御手段は、ブレーキ液圧の非制御時は可変オリフィスの開度を最大に開き、ブレーキ液圧の制御の際には、増圧制御時は可変オリフィスの開度を狭め、保持制御時は可変オリフィスの開度を維持させ、減圧制御時には可変オリフィスの開度を広げる液圧増減制御を行うことを特徴とする請求項1記載の制動装置。
  3. 前記制動制御手段は、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、運転者の制動操作時に車輪がロックするのを防止するアンチスキッド制御を行い、このアンチスキッド制御時には、前記第1開閉弁を閉弁させる一方、前記第2開閉弁を開弁させることを特徴とする請求項1または2記載の制動装置。
  4. 前記制動制御手段は、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、駆動輪がスリップした際にこの駆動輪スリップを抑制させるべく制動力を発生させる駆動力スリップ防止制御と車両のヨーレイトが車両の安定性を損なう方向に向かっている状態であるときに、所望の車輪に制動力を発生させて車両を安定させる方向にヨーレイトを発生させるヨーレイト制御との少なくとも一方からなる車両安定制御を行い、この車両安定制御時には、前記第1開閉弁を開弁状態に維持させるとともに、前記第2開閉弁を閉弁状態に維持させることを特徴とする請求項1ないし3記載の制動装置。
  5. 前記制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増減制御における減圧制御時に、まず第1開閉弁を閉弁させ、その極短時間後に前記第2開閉弁を開弁させることを特徴とする請求項1ないし4記載の制動装置。
  6. 前記制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増減制御の終了時に、まず閉弁状態の前記第1制御弁を開弁させ、所定時間後に開弁状態の前記第2開閉弁を閉弁させることをことを特徴とする請求項1ないし5記載の制動装置。
  7. 前記制動制御手段が、前記ポンプの駆動量を制御することを特徴とする請求項1ないし6記載の制動装置。
  8. 前記ポンプがギヤポンプであることを特徴とする請求項1ないし7記載の制動装置。
  9. 前記ポンプが主制動回路が4輪に向けて分岐されている個所よりも制動作動部側に各車輪ごと設けられているとともに、前記ポンプを迂回するバイパス回路および可変オリフィスも各車輪ごとに設けられている一方、前記第1・第2開閉弁,分岐回路およびリザーバは、前記主制動回路が2系統に分けられている部位に2車輪ごとに設けられていることを特徴とする請求項1ないし8記載の制動装置。
  10. 前記ポンプ,バイパス回路,第1・第2開閉弁,分岐回路およびリザーバが、主制動回路が2輪づつの2系統に分岐されている部位に設けられていることを特徴とする請求項1ないし8記載の制動装置。
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