JP3682351B2 - 制動装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪に制動力を発生させるキャリパ側の制動作動部にマスタシリンダ圧に加えてポンプの吐出圧である動圧を供給するようにした制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポンプを利用してブレーキ液圧を増減圧するようにした制動装置として、例えば、特開平4−230462号公報に記載のもの(これを以下、第1従来技術という)や、あるいは特開平5−147524号公報に記載のもの(これを以下、第2従来技術という)がある。
第1従来技術は、マスタシリンダと制動作動部とを結ぶ回路の途中にモータ,ピストン,減速機およびリニアボールアクチュエータ(回転を往復動に変換する装置)などを備えた装置が設けられ、モータ回転によるピストンの微妙な往復動により車輪のキャリパ側の制動作動部の液圧の増圧・保持・減圧を行うよう構成されている。すなわち、この第1従来技術では、モータ回転によるピストンの微妙な往復動によってABS(アンチロックブレーキシステム)制御を行い、また通常ブレーキの場合は、運転者の踏力により倍力装置を介しマスタシリンダで液圧を発生させ制動作動部の液圧が上昇するようになっている。
第2従来技術は、マスタシリンダとブレーキシリンダ(制動作動部)とを結ぶ回路の途中にモータの回転で作動するギヤポンプが設けられ、ABS制御時は、まずモータが正転してブレーキシリンダのブレーキ液をマスタシリンダ側に還流させ、その後、スリップ率が回復したらモータを逆転させてブレーキシリンダに向けてマスタシリンダのブレーキ液を供給させてブレーキシリンダ圧を増圧させるよう構成されている。なお、通常ブレーキ時は、ギヤポンプのギヤが空転してブレーキ液の流れが許容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の第1従来技術にあっては、ABS制御に際し、ピストンの微妙な往復動により管路の液圧を増圧・保持・減圧をさせて制動作動部のブレーキ液圧の増圧・保持・減圧を行うようにしているため、モータの回転を非常に微妙な動きとしてピストンに伝達する必要があり、そのための機構として減速機、リニアボールアクチュエータ(回転を往復動に変換するデバイス)が必要となると共に精度の高い制御ロジックが要求され、コストアップを招くという問題があった。
第2従来技術にあっても、第1従来技術同様にポンプの動作のみで液圧を変化させるようにしているため制御が難しく、制御自由度が低いという問題があった。
さらに、両従来技術とも、途中にポンプが設けられた回路のみを経由してマスタシリンダと制動作動部との間でブレーキ液を供給したり戻したりする構造であり、しかも、ポンプは、ブレーキ液を制動作動部に供給する時点で初めて作動を開始する構成であったため、ポンプにより踏力補助を行おうとしても、ブレーキの踏み込み操作に対応してポンプが制動作動部にブレーキ液を供給する際の立ち上がりが遅れ、応答性に欠け、通常ブレーキ時の踏力補助のためには、負圧ブースタなどの踏力倍力装置が別途必要であり、装置が大型かつ高価なものになるという問題があった。
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、構造が簡単で安価な手段により、制御性能および制御応答性の向上を図るとともに、踏力補助も行うことができるようにすることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために請求項1記載の発明では、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポンプが設けられ、このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて前記可変オリフィスの開度を制御する制動制御手段が設けられ、制動制御手段が、非ブレーキ操作時には可変オリフィスの開度を最大に開く方向に制御し、ブレーキ操作時には開度を閉じる方向に制御し、ブレーキを緩めたときには開度を開く方向に制御することを特徴とする。
請求項記載の発明では、請求項記載の制動制御手段が、可変オリフィスの開度制御に加えて前記ポンプの駆動を制御することを特徴とする。
請求項記載の発明では、請求項記載の制動制御手段は、車両走行中には、ポンプを常時一定に供給作動させることを特徴とする。
請求項記載の発明では、請求項1ないし3いずれかに記載のポンプがギヤポンプであることを特徴とする。
請求項記載の発明では、請求項1ないし4いずれかに記載のポンプおよびバイパス回路が各車輪ごとに設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明では、請求項1ないし4いずれかに記載の1つのポンプおよびバイパス回路が設けられている主制動回路が、2つの車輪の制動作動部に向けて分岐されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポンプが設けられ、このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、運転者のブレーキペダル操作にかかわらず、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて前記ポンプを供給作動すると共に、前記ポンプを供給作動させている状態で前記可変オリフィスの開度を制御し、前記制動作動部の制動力を発生させる制動制御手段が設けられ、前記制動制御手段は、制動力を発生させるときは前記可変オリフィスを閉じる方向に制御し、制動力を低下させるときは前記可変オリフィスを開く方向に制御することを特徴とする。
【0005】
【作用】
請求項1記載の発明では、可変オリフィスの開度を最大とした状態では、ポンプのマスタシリンダ側(以後、これを上流側という)と制動作動部側(以後、これを下流側という)とが連通状態となり、ポンプの上流側と下流側に液圧差が生じない。このため、ポンプを供給作動あるいは還流作動させても、ポンプの上流と下流とで液圧差は生じず、マスタシリンダの液圧と制動作動部の液圧は同圧となっていて、ブレーキペダルの操作を行なわない限り制動作動部において制動力が発生しない。そして、ポンプを作動させている状態において、可変オリフィスを絞ると、バイパス回路を循環する流量が減少し、ポンプの上流側と下流側とで液圧差が生じることになる。したがって、ポンプを供給作動させている状態では、可変オリフィスの開度を最大として制動作動部の液圧をマスタシリンダ圧(この時、大気圧)としておいた状態から、可変オリフィスを絞ると、制動作動部の液圧(以下、これをブレーキ圧という)はマスタシリンダの液圧よりも高くなり、そして、可変オリフィスの開度をその時の開度に維持すれば、ブレーキ圧を保持することができ、また、この状態から可変オリフィスを開くと、ブレーキ圧がマスタシリンダ圧まで低下する。すなわち、ポンプを供給作動させたまま可変オリフィスの絞り開度を調節するだけで、ブレーキ圧の増圧・保持・減圧の微妙な制御が可能となるもので、よって、ブレーキペダルの操作に応じて可変オリフィスの開度を制御することにより、倍力装置のようにブレーキ操作の補助を行ったり、あるいは、ブレーキ圧の減圧・保持・増圧を行って、ABS制御を行ったり、あるいは、運転者がブレーキ操作を行っていない状態で制動力を発生させて、車輪の駆動力や車両のヨーモーメントを制御する安定制御を実行することができる
【0006】
また、ポンプを供給作動させておけば、運転者の非ブレーキ操作時には可変オリフィスの開度を最大として、制動作動部のブレーキ圧をマスタシリンダ圧(この時、大気圧)とした状態から、ブレーキ操作時には、可変オリフィスを閉じる方向に制御すると、この可変オリフィスが閉じられた瞬間にポンプの吐出側、すなわち制動作動部側のブレーキ圧が瞬時に立ち上がり、このブレーキ圧が増加している状態から、運転者がブレーキを緩めると、可変オリフィスが開かれて、ブレーキ圧が低下する。このように、踏力補助の機能が得られる。そして、このように、可変オリフィスの開度を変更することで、踏力補助を行う場合、ポンプを停止させた状態から供給作動させるのに比べてブレーキ液圧の立ち上がりがよく初期応答性に優れる。
【0007】
請求項記載の発明では、制動制御手段が可変オリフィスの開度制御に加えてポンプの駆動量の制御も行う。したがって、ポンプの供給作動量を変化させることで制動作動部のブレーキ液圧の微妙な調節も可能であり、しかも、ブレーキ圧の減圧時には、ポンプを還流作動させれば可変オリフィスを全開にするだけの場合に比べて、ブレーキ圧の減圧速度応答性の向上を図ることができ、加えて、ポンプを還流作動させている状態で可変オリフィスを絞ると、制動作動部の液圧をマスタシリンダの液圧よりも低下させることができる。したがって、請求項記載の発明では、請求項1のように可変オリフィスの開度制御のみに比べて、さらに、制御の幅を広げることができ、制御自由度が向上する。
【0008】
請求項記載の発明では、車両走行時には、ポンプを常時一定の供給作動を行わせるため、可変オリフィスの開度を絞った瞬間に制動作動部側の液圧を上昇させることが可能となり、制御が簡単でありながら、上述したように、可変オリフィスの開度制御により、制御性に優れるとともに制御応答性の高いブレーキ圧制御を行うことができる。
【0009】
請求項記載の発明では、ポンプとしてギヤポンプを用いており、主制動回路における供給作動・還流作動の切り替えが容易である。また、ポンプの停止時において、主制動回路を介してマスタシリンダ側と制動作動部側との間で相互にブレーキ液の移動が可能となり、フェイルセーフの機能を有する。
【0010】
請求項記載の発明では、各車輪ごとの制動作動部において、独立してブレーキ圧の制御が可能であり、また、請求項記載の発明では、2輪1組ごとにブレーキ液圧の制御が可能である。また、請求項7記載の発明では、運転者がブレーキ操作を行っていない状態で制動力を発生させて、車輪の駆動力や車両のヨーモーメントを制御する安定制御を実行することができる。また、ポンプを供給作動させておけば、制動力を発生させるときには、可変オリフィスを閉じる方向に制御すると、この可変オリフィスが閉じられた瞬間にポンプの吐出側、すなわち制動作動部側のブレーキ圧が瞬時に立ち上がり、このブレーキ圧が増加している状態から、制動力を低下させるときは、可変オリフィスが開かれて、ブレーキ圧が低下する。このように、可変オリフィスの開度を変更することで、ポンプを停止させた状態から供給作動させるのに比べてブレーキ液圧の立ち上がりがよく初期応答性に優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態1を示す全体図である。
図中1はマスタシリンダであり、ブレーキペダルBPを踏み込むことで液圧を発生する。このマスタシリンダ1は、各車輪のキャリパ部分のブレーキシリンダ(制動作動部)2に主制動回路3で接続されており、両者の間で主制動回路3を介してブレーキ液が流通するよう構成されている。
前記主制動回路3の途中には、本実施の形態の主要部である油圧制御回路4が設けられている。この油圧制御回路4は、前記主制動回路3と、この主制動回路3の途中に設けられてモータ5の回転数に応じて所定流量の流体を吐出するギヤポンプ6と、このギヤポンプ6と並行して、一端が主制動回路3のギヤポンプ6のマスタシリンダ1側に接続される一方で、他端が主制動回路のギヤポンプ6のブレーキシリンダ2側に接続されているバイパス回路7と、このバイパス回路7の途中に設けられてバイパス回路7の流路面積を変更可能な可変オリフィス8とを備えている。
【0012】
前記ギヤポンプ6は、モータ5の正逆転により、ブレーキ液を上流から下流に供給する供給作動と、その逆に、下流から上流に戻す還流作動とを行うことが可能な、外接形ギヤポンプあるいは内接形ギヤポンプである。なお、本実施の形態1では、前記モータ5は、コントロールユニット(制動制御手段)9によりON・OFF制御されるもので、本実施の形態1では、図外のイグニッションスイッチをONとした状態で、図外の車速センサにより走行状態(例えば、5〜10Km/h以上の車速)が検出されたら、モータ5をONとして一定の回転数で正転させ(一定電圧を供給する)るもので、これにより、前記ギヤポンプ6は供給作動を行う。また、この部位に用いるポンプとしては、ギヤポンプ6に限らずベーンポンプやピストンポンプなどでも成立する。なお、モータ5の起動を車速センサによる走行状態の検出としたが、ブレーキペダルスイッチによる起動としてもよく、そのほか、ブレーキ制御開始信号としてもよいことはいうまでもない。
【0013】
前記可変オリフィス8は、図示を省略したソレノイドを有し、このソレノイドに通電する駆動電流により開度が変更される構成となっている。そして、前記可変オリフィス8の開度は、前記コントロールユニット9により制御される。このコントロールユニット9は、入力センサに車両状態検出手段としての踏力センサ10を有している。この踏力センサ10は、ブレーキペダルBPとマスタシリンダ1との間のロッド11に設けられ、運転者の踏力を検出するもので、前記コントロールユニット9は、この踏力信号に応じて前記ソレノイドへの駆動電流を決定するものである。
【0014】
次に、実施の形態1の動作を説明する。
a)ブレーキペダルの非操作時
本実施の形態1では、イグニッションスイッチをONとした後、走行を開始すると、コントロールユニット9によりモータ5が一定の正転駆動を開始する。そして、この時、コントロールユニット9は可変オリフィス8の開度を最大に制御している。したがって、ギヤポンプ6はブレーキ油をバイパス回路7により循環させるだけであり、ブレーキシリンダ2におけるブレーキ圧はマスタシリンダ1と同圧の大気圧となっている。
【0015】
b) ブレーキペダル操作時
b1)ブレーキペダル踏込時
運転者がブレーキペダルBPを踏むと、マスタシリンダ1で発生した液圧が、主制動回路3およびバイパス回路7を介してブレーキシリンダ2に伝達されて、制動力が生じる。
また、それに並行して踏力センサ10が運転者の踏力に応じた信号を出力し、コントロールユニット9はこの踏力信号に応じた面積に可変オリフィス8の開度を絞る。この可変オリフィス8の開度を絞るのと同時に、ギヤポンプ6の上流側と下流側とで液圧差が生じ、ブレーキシリンダ2におけるブレーキ圧はマスタシリンダ圧よりも上昇し、踏力補助が成される。
なお、この時、図2(a)に示すように、ブレーキシリンダ2に発生するブレーキ圧P1 は、ギヤポンプ6の流量Qと可変オリフィス8の内径φdおよびマスタシリンダ圧P0 により決定されるものであって、内径φdの値が小さくなるほど、ブレーキ圧P1 の上昇率は高くなり、小さな踏力で大きなブレーキ圧P1 を得ることができる。また、同図(b)は本実施の形態1のモデル図である。
【0016】
b2)ブレーキペダル保持時
運転者がブレーキペダルBPを踏み込んだ位置に保持することにより踏力は一定となるので、可変オリフィス6は保持したときの内径を維持し、ブレーキシリンダ2に発生するブレーキ圧を保持する。
【0017】
b3)ブレーキペダル戻し時
運転者がブレーキペダルBPの踏み込みを緩めると、コントロールユニット11は、踏力センサ10の検出値の低下に対応して可変オリフィス8の開度を広げる。これにより、ブレーキ液のギヤポンプ6の上流への還流量が増加するためブレーキシリンダ2のブレーキ圧が低下する。この場合、ブレーキ液を微妙に還流させることも可能であるから、減速ギヤなどを用いることなく微妙にブレーキ液圧を制御することができる。
また、ブレーキペダルBPの戻しを急激に行った場合には、可変オリフィス8の開度を最大に開けば、ギヤポンプ6の上流と下流との液圧差がなくなり、ブレーキ圧はマスタシリンダ圧まで、すなわち大気圧まで急速に低下する。
このように、バイパス回路7に設けた可変オリフィス8の開度を変更するだけで、ブレーキ圧の微妙な制御が可能であり、ギヤポンプ6の回転数のみを制御するのに比べ、制御性に優れているといえる。
以上説明したように、実施の形態1では、モータ5を一定回転数で回転させておいて可変オリフィス8の内径φdを制御することにより、ブレーキ圧を瞬時に上昇させることができるとともに、減速ギヤを用いることなく微妙なブレーキ圧の制御が可能であり、モータ6の回転数の制御に比べて、高い制御応答性が得られるとともに、制御性に優れているという効果が得られる。
また、万一モータ5またはギヤポンプ6の故障といった事態に遭遇しても、通常ブレーキの性能を確保することができフェイルセーフを向上できるという効果が得られる。
【0018】
以下、他の実施の形態について説明するが、この説明において実施の形態1と同様の構成には同じ符号を付けることで説明を省略する。
(実施の形態2)
図3は請求項記載の発明の適用形態である実施の形態2の全体図であって、油圧制御回路20は、実施の形態1の油圧制御回路4を各輪に適用した形態である。なお、2系統のギヤポンプ6,6を1台のモータ5で駆動するように構成されている。
また、コントロールユニット9は、必要に応じてモータ5を逆転駆動させて、ギヤポンプ6によりブレーキシリンダ2側のブレーキ液をマスタシリンダ側に還流させることもできるように構成されている。そして、コントロールユニット9は、踏力センサ10と、各車輪に設けた図外の車輪速センサに接続され、また、他の車両状態を検出する図外のセンサから、加速度,ヨーレイト,舵角、さらには環境情報やエンジン情報などを入力して、実施の形態1で示した踏力補助制御に加えて、ABS制御や車両安定制御を実行する。
ちなみに、ABS制御は、図外の車輪速センサで得られる車輪速から各輪のスリップ率を演算し、このスリップ率に基づいて、制動時にスリップ率が所定範囲に収まるように制御する。すなわち、ブレーキペダルBPの踏込操作時に、スリップ率が所定値を越える車輪が生じた場合、ブレーキシリンダ2におけるブレーキ圧をまず減圧させるのであるが、この時、実施の形態1のように、ギヤポンプ6を走行中に常時供給作動させて踏力補助を行う構成の場合には、該当する車輪のブレーキシリンダ2に接続されたバイパス回路7の可変オリフィス8の開度を広げると、ギヤポンプ6の上流・下流間の差圧が減少して減圧される。なお、上述とは異なり、踏力補助を行っていない状態で制動輪スリップが生じた場合は、モータ5を逆転させてギヤポンプ6を還流作動させるとともに、可変オリフィス8を全開状態から所定開度に絞ると、ブレーキ圧が減圧される。
そして、ブレーキ圧の減圧によりスリップ率が所定範囲に低下したら、前者の場合には、可変オリフィス8の開度をその開度に維持し、後者の場合は、モータ5の逆転回転数をその回転数に維持させてブレーキ圧の保持を図り、さらに、スリップ率が所定範囲よりも低下した場合には、前者の場合には、可変オリフィス8の開度を再び絞り、後者の場合は、可変オリフィス8の開度を開くか、あるいはモータ5を正転させてギヤポンプ6を供給作動させて、ブレーキシリンダ2のブレーキ圧の増圧を行う。
【0019】
また、安定制御においては、駆動輪スリップを防止する制御、および車両のヨーレイトを適正に制御する運動制御を実行するが、前者の駆動輪スリップ防止制御の場合、駆動輪のスリップ率が所定範囲に収まるように制御する。
加速時に、駆動輪のスリップ率が所定値を越えると、その駆動輪のブレーキシリンダ2にブレーキ圧を供給し、制動力発生させて駆動力を低下させてスリップ率を所定範囲内に抑える。この場合、上述したようにギヤポンプ6を常時供給作動させている構成では、該当するブレーキシリンダ2に接続されているバイパス回路7の可変オリフィス8を絞るだけで、運転者がブレーキペダルBPを操作していないにもかかわらず、ブレーキシリンダ2にブレーキ圧が発生する。なお、ギヤポンプ6を常時は停止させている構成では、当然のことながら、ギヤポンプ6を供給作動させるとともに、可変オリフィス8を絞って、所定のブレーキシリンダ2にブレーキ圧を発生させる。
【0020】
また、運動安定制御の場合も、上記駆動輪スリップ防止制御と同様にして、運転者がブレーキペダルBPを操作していない状態でブレーキシリンダ2にブレーキ圧を発生させるものであり、検出される加速度やヨーレイトに基づいて、旋回時に舵角に対してヨーレイトが大きくなり過ぎたオーバステア状態や、ヨーレイトが不足したアンダステア状態を検出した時には、所定の車輪のブレーキシリンダ2にブレーキ圧を発生させ、この制動力により生じるヨーレイトにより、車両のヨーレイトを適正方向に制御するものである。具体的には、例えば左旋回時にオーバステア状態となった時には、右前輪に制動力を発生させて現在のヨーモーメントを抑える方向にヨーモメントを発生させ、また、左旋回時にアンダステア状態となった時には、左前輪に制動力を発生させて現在のヨーモーメントを強める方向にヨーモーメントを発生させる。
【0021】
(実施の形態3)
図4は請求項記載の発明の適用形態である実施の形態3の制動装置を示す図であって、この実施の形態3の油圧制御回路30は、実施の形態1の油圧制御回路4を2系統に分けて設けた例であり、各主制動回路3,3にそれぞれ2個づつのブレーキシリンダ2,2が接続されている。また、コントロールユニット9は、ブレーキ液圧の制御を前記2系統ごとに独立して制御する。これにより、車両の安定バランスをとった制御が可能であるとともに、フェイルセーフ性能を高めることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載の発明にあっては、マスタシリンダと制動作動部とを結ぶ主制動回路の途中にポンプを設け、このポンプと並行して設けたバイパス回路に可変オリフィスを設けた構成としたため、可変オリフィスの開度を調整するだけで制動作動部におけるブレーキ圧の微妙な制御が可能となるものであるとともに、ポンプの駆動を制御するのに比べてブレーキ圧の立ち上がり応答性および制御応答性も高いものであり、減速ギヤなどを用いない構成を簡略化した安価な手段により精度の高い制御が可能となるという効果が得られるとともに、高い立ち上がり応答性および制御応答性が得られるという効果が得られる。加えて、上記構成により、運転者のブレーキ操作の踏力補助を行うこと、制動時の車輪のロックを防止するABS制御を行うこと、駆動輪スリップを防止するために駆動輪に適正な制動力を与える駆動輪スリップ防止制御を行うこと、車両挙動に応じて任意の車輪に最適な制動力を発生させることにより車両姿勢が安定する方向に車体のヨーレイトを発生させる運動安定制御を行うことが可能であり、しかも、圧力制御弁を用いていないので、前記踏力補助制御、ABS制御、駆動輪スリップ防止制御、運動安定制御を行なう際に、ペダル振動や騒音が少なくなり、快適性が向上するという効果が得られる。
また、倍力装置を用いることなしに小さなブレーキペダル踏力により大きなブレーキ液圧を得ることができ、構成を簡略化した低コストの手段により、上述のような制御性の高い踏力補助を行うことのできる装置を提供できるという効果が得られる。
請求項記載の発明にあっては、上述のような可変オリフィスの開度調整に加えて、ポンプの駆動により制動作動部のブレーキ圧を調整することができるために、制御自由度をさらに向上させることができるという効果が得られる。
請求項記載の発明では、車両走行時にはポンプを常時一定の制動作動を行わせるように構成したため、ポンプに対する制御は簡便にしながら、上記可変オリフィスの開度制御に基づいて、制御性に優れるとともに、応答性の高いブレーキ圧制御を行うことができるという効果が得られる。
【0023】
請求項記載の発明にあっては、各車輪ごとに制動作動部のブレーキ液圧を独立して制御することができ、精度の高い制御が可能となる。
【0024】
請求項記載の発明では、2輪1組で制動作動部のブレーキ液圧を制御することができ、低コストの手段により、フェイルセーフ性の高い制御を行うことができる。
請求項7記載の発明では、マスタシリンダと制動作動部とを結ぶ主制動回路の途中にポンプを設け、このポンプと並行して設けたバイパス回路に可変オリフィスを設けた構成としたため、ポンプを供給作動させている状態で可変オリフィスの開度を調整するだけで制動作動部におけるブレーキ圧の微妙な制御が可能となるものであるとともに、ポンプの駆動を制御するのに比べてブレーキ圧の立ち上がり応答性および制御応答性も高いものであり、減速ギヤなどを用いない構成を簡略化した安価な手段により精度の高い制御が可能となるという効果が得られるとともに、高い立ち上がり応答性および制御応答性が得られるという効果が得られる。加えて、上記構成により、駆動輪スリップを防止するために駆動輪に適正な制動力を与える駆動輪スリップ防止制御を行うこと、車両挙動に応じて任意の車輪に最適な制動力を発生させることにより車両姿勢が安定する方向に車体のヨーレイトを発生させる運動安定制御を行うことが可能であり、しかも、圧力制御弁を用いていないので、駆動輪スリップ防止制御、運動安定制御を行なう際に、振動や騒音が少なくなり、快適性が向上するという効果が得られる。また、上述の駆動輪スリップ防止制御、運転安定制御を行う際に、ポンプを駆動させた状態で、可変オリフィスの開度を制御するだけで制御性の高いブレーキ圧の調整が可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す全体図である。
【図2】実施の形態1の液圧特性図である。
【図3】実施の形態2を示す全体図である。
【図4】実施の形態3を示す全体図である。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル
1 マスタシリンダ
2 ブレーキシリンダ(制動作動部)
3 主制動回路
4 油圧制御回路
5 モータ
6 ギヤポンプ
7 バイパス回路
8 可変オリフィス
9 コントロールユニット(制動制御手段)
10 踏力センサ
11 ロッド
20 油圧制御回路
30 油圧制御回路

Claims (7)

  1. 運転者のブレーキペダルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、
    この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポンプが設けられ、
    このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、
    このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて前記可変オリフィスの開度を制御する制動制御手段が設けられ
    前記制動制御手段は、非ブレーキ操作時には可変オリフィスの開度を最大に開く方向に制御し、ブレーキ操作時には開度を閉じる方向に制御し、ブレーキを緩めたときには開度を開く方向に制御することを特徴とする制動装置。
  2. 前記制動制御手段が、上述の可変オリフィスの開度制御に加えて前記ポンプの駆動を制御することを特徴とする請求項1記載の制動装置。
  3. 前記制動制御手段は、車両走行中には、ポンプを常時一定に供給作動させることを特徴とする請求項2記載の制動装置。
  4. 前記ポンプがギヤポンプであることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の制動装置。
  5. 前記ポンプおよびバイパス回路が各車輪ごとに設けられていることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の制動装置。
  6. 前記1つのポンプおよびバイパス回路が設けられている主制動回路が、2つの車輪の制動作動部に向けて分岐されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の制動装置。
  7. 運転者のブレーキペダルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、
    この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポンプが設けられ、
    このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、
    このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、
    運転者のブレーキペダル操作にかかわらず、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて前記ポンプを供給作動すると共に、前記ポンプを供給作動させている状態で前記可変オリフィスの開度を制御し、前記制動作動部の制動力を発生させる制動制御手段が設けられ、
    前記制動制御手段は、制動力を発生させるときは前記可変オリフィスを閉じる方向に制御し、制動力を低下させるときは前記可変オリフィスを開く方向に制御することを特徴とする制動装置。
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