JPH10230835A - 制動装置 - Google Patents

制動装置

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JPH10230835A
JPH10230835A JP3633797A JP3633797A JPH10230835A JP H10230835 A JPH10230835 A JP H10230835A JP 3633797 A JP3633797 A JP 3633797A JP 3633797 A JP3633797 A JP 3633797A JP H10230835 A JPH10230835 A JP H10230835A
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純輔 黒木
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英治 八木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造簡単で安価な手段により、ブレーキ液圧
の制御精度および制御応答性の向上を図ること。 【解決手段】 マスタシリンダ1とブレーキシリンダ2
とを主制動回路3で接続し、主制動回路3の途中に、少
なくともブレーキシリンダ2への供給作動を行うギヤポ
ンプ6を設け、ギヤポンプ6と並行してバイパス回路7
を主制動回路3に接続し、バイパス回路7に可変オリフ
ィス8を設け、バイパス回路7の接続箇所よりも上流の
主制動回路3に常開の第1開閉弁21を向け、第1開閉
弁21と可変オリフィス8との間の分岐点7aから分岐
させた分岐回路23にリザーバ24を設けるとともに、
分岐回路23を開閉する常閉の第2開閉弁22を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、車輪に制動力を
発生させるキャリパ側の制動作動部にマスタシリンダ圧
に加えてポンプの吐出圧である動圧を供給するようにし
た制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 ポンプを利用してブレーキ液圧を増減
圧するようにした制動装置として、例えば、特開平4−
230462号公報に記載のもの(これを以下、第1従
来技術という)や、あるいは特開平5−147524号
公報に記載のもの(これを以下、第2従来技術という)
がある。第1従来技術は、マスタシリンダと制動作動部
とを結ぶ回路の途中にモータ,ピストン,減速機および
リニアボールアクチュエータ(回転を往復動に変換する
装置)などを備えた装置が設けられ、モータ回転による
ピストンの微妙な往復動により車輪のキャリパ側の制動
作動部の液圧の増圧・保持・減圧を行うよう構成されて
いる。すなわち、この第1従来技術では、モータ回転に
よるピストンの微妙な往復動によってABS(アンチロ
ックブレーキシステム)制御を行い、また通常ブレーキ
の場合は、運転者の踏力により倍力装置を介しマスタシ
リンダで液圧を発生させ制動作動部の液圧が上昇するよ
うになっている。第2従来技術は、マスタシリンダとブ
レーキシリンダ(制動作動部)とを結ぶ回路の途中にモ
ータの回転で作動するギヤポンプが設けられ、ABS制
御時は、まずモータが正転してブレーキシリンダのブレ
ーキ液をマスタシリンダ側に還流させ、その後、スリッ
プ率が回復したらモータを逆転させてブレーキシリンダ
に向けてマスタシリンダのブレーキ液を供給させてブレ
ーキシリンダ圧を増圧させるよう構成されている。な
お、通常ブレーキ時は、ギヤポンプのギヤが空転してブ
レーキ液の流れが許容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上述の第1従来技術
にあっては、ABS制御に際し、ピストンの微妙な往復
動により管路の液圧を増圧・保持・減圧をさせて制動作
動部のブレーキ液圧の増圧・保持・減圧を行うようにし
ているため、モータの回転を非常に微妙な動きとしてピ
ストンに伝達する必要があり、そのための機構として減
速機、リニアボールアクチュエータ(回転を往復動に変
換するデバイス)が必要となると共に精度の高い制御ロ
ジックが要求され、コストアップを招くという問題があ
った。上述の第2従来技術にあっても、第1従来技術同
様にポンプの動作のみで液圧を変化させるようにしてい
るため制御が難しく、制御自由度が低いという問題があ
った。さらに、両従来技術とも、途中にポンプが設けら
れた回路のみを経由してマスタシリンダと制動作動部と
の間でブレーキ液を供給したり戻したりする構造であ
り、しかも、ポンプは、ブレーキ液を制動作動部に供給
する時点で初めて作動を開始する構成であったため、ポ
ンプにより踏力補助を行おうとしても、ブレーキの踏み
込み操作に対応してポンプが制動作動部にブレーキ液を
供給する際の立ち上がりが遅れ、制御応答性に欠けると
いう問題があり、また、通常ブレーキ時の踏力補助のた
めには、負圧ブースタなどの踏力倍力装置が別途必要で
あり、装置が大型かつ高価なものになるという問題があ
った。本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされ
たもので、構造が簡単で安価な手段により、制御性能お
よび制御応答性の向上を図るとともに、踏力補助も行う
ことができるようにし、しかも、ポンプをマスタシリン
ダ側からホイルシリンダなどの制動作動部側へブレーキ
液を供給する方向にのみ駆動させていてもアンチスキッ
ド制御時に充分な減圧を図ることを可能とすることを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ために請求項1記載の発明では、運転者のブレーキペダ
ルの踏み込み操作により液圧を発生させるマスタシリン
ダと、車輪の制動作動を行う制動作動部とが主制動回路
で連通され、この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少
なくともマスタシリンダ側から制動作動部側へ送る供給
作動を行うポンプが設けられ、このポンプと並行して、
一端が主制動回路のポンプよりもマスタシリンダ側に接
続されている一方で、他端が主制動回路のポンプよりも
制動作動部側に接続されたバイパス回路が設けられ、こ
のバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断面
積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、前記主制動
回路において前記ポンプならびに前記バイパス回路の接
続箇所よりもマスタシリンダ側の位置に、前記主制動回
路を開閉する常開の第1開閉弁が設けられ、前記第1開
閉弁と前記ポンプならびに可変オリフィスとの間に位置
する前記主制動回路あるいは前記バイパス回路のいずれ
かから分岐された分岐回路にリザーバが設けられている
とともに、前記分岐回路にリザーバと主制動回路側とを
開閉する常閉の第2開閉弁が設けられ、車両状態検出手
段から得られる車両状態に基づいて、前記可変オリフィ
スの開度を制御するとともに、両開閉弁の開閉を制御す
る制動制御手段が設けられ、前記ポンプは、前記制動制
御手段あるいは他の制御手段により少なくとも走行中
は、常時、マスタシリンダ側から制動作動部側へブレー
キ液を供給させる方向に駆動されていることを特徴とす
る。請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明にお
いて、前記制動制御手段は、ブレーキ液圧の非制御時は
可変オリフィスの開度を最大に開き、ブレーキ液圧の制
御の際には、増圧制御時は可変オリフィスの開度を狭
め、保持制御時は可変オリフィスの開度を維持させ、減
圧制御時には可変オリフィスの開度を広げる液圧増減制
御を行うことを特徴とする。請求項3記載の発明では、
請求項1または2記載の発明において、前記制動制御手
段は、車両状態検出手段から得られる車両状態に基づい
て、運転者の制動操作時に車輪がロックするのを防止す
るアンチスキッド制御を行い、このアンチスキッド制御
時には、前記第1開閉弁を閉弁させる一方、前記第2開
閉弁を開弁させることを特徴とする。請求項4記載の発
明では、請求項1ないし3記載の発明において、前記制
動制御手段は、車両状態検出手段から得られる車両状態
に基づいて、駆動輪がスリップした際にこの駆動輪スリ
ップを抑制させるべく制動力を発生させる駆動力スリッ
プ防止制御と車両のヨーレイトが車両の安定性を損なう
方向に向かっている状態であるときに、所望の車輪に制
動力を発生させて車両を安定させる方向にヨーレイトを
発生させるヨーレイト制御との少なくとも一方からなる
車両安定制御を行い、この車両安定制御時には、前記第
1開閉弁を開弁状態に維持させるとともに、前記第2開
閉弁を閉弁状態に維持させることを特徴とする。請求項
5記載の発明では、請求項1ないし4記載の発明におい
て、前記制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液
圧増減制御における減圧制御時に、まず第1開閉弁を閉
弁させ、その極短時間後に前記第2開閉弁を開弁させる
ことを特徴とする。請求項6記載の発明では、請求項1
ないし5記載の発明において、前記制動制御手段は、ア
ンチスキッド制御に伴う液圧増減制御の終了時に、まず
閉弁状態の前記第1制御弁を開弁させ、所定時間後に開
弁状態の前記第2開閉弁を閉弁させることをことを特徴
とする。請求項7記載の発明では、請求項1ないし6記
載の発明において、前記制動制御手段が、前記ポンプの
駆動量を制御することを特徴とする。請求項8記載の発
明では、請求項1ないし7記載の発明において、前記ポ
ンプがギヤポンプであることを特徴とする。請求項9記
載の発明では、請求項1ないし8記載の発明において、
前記ポンプが主制動回路が4輪に向けて分岐されている
個所よりも制動作動部側に各車輪ごと設けられていると
ともに、前記ポンプを迂回するバイパス回路および可変
オリフィスも各車輪ごとに設けられている一方、前記第
1・第2開閉弁,分岐回路およびリザーバは、前記主制
動回路が2系統に分けられている部位に2車輪ごとに設
けられていることを特徴とする。請求項10記載の発明
では、請求項1ないし8記載の発明において、前記ポン
プ,バイパス回路,第1・第2開閉弁,分岐回路および
リザーバが、主制動回路が2輪づつの2系統に分岐され
ている部位に設けられていることを特徴とする。
【0005】
【作用】 請求項1記載の発明では、少なくとも走行中
は常時マスタシリンダ側(以後、これをポンプの上流側
という)から制動作動部側(以後、これをポンプの下流
側という)へブレーキを供給する方向に駆動している
(以後、これを供給駆動という)。このポンプの供給駆
動状態で、可変オリフィスの開度を最大としたときに
は、ブレーキ液はバイパス回路を介してポンプの上流側
と下流側とで同量が循環されるだけであるから、ポンプ
の上流と下流とで液圧差は生じず、よって、制動作動部
のブレーキ液圧はマスタシリンダ圧に等しくなり、運転
者が制動作動を行っていない状態では大気圧となり、制
動作動部において制動力は発生しない。
【0006】この状態から可変オリフィスを絞ると、ポ
ンプによる供給量よりもバイパス回路を通ってポンプの
下流から上流へ戻る流量が減少し、ポンプの下流側の液
圧が上流側よりも高くなる。したがって、制動作動部の
ブレーキ液圧がマスタシリンダ圧よりも高くなり、運転
者が制動操作を行っていなくても制動力を発生させるこ
とができる。そしてこの時、可変オリフィスの開度を絞
った瞬間に制動作動部側の液圧が上昇するもので、ポン
プを停止状態から駆動させた場合よりも高い応答性が得
られる。また、上述の制動作動部の増圧状態で可変オリ
フィスの開度を維持すれば、ブレーキ液圧を保持するこ
とができ、また、この状態から可変オリフィスの開度を
開くと、ブレーキ液圧がマスタシリンダ圧まで低下す
る。このように本発明では、ポンプを供給駆動させたま
ま可変オリフィスの絞り開度を調節するだけで、すなわ
ち、請求項2記載の液圧増減制御のように、増圧制御時
は可変降りフィ寸開度を狭め、保持制御時は可変オリフ
ィスの開度を維持させ、減圧制御時には可変オリフィス
の開度を開くことで、ブレーキ液圧の増圧・保持・減圧
の微妙な制御が可能となる。よって、ブレーキペダルの
操作に応じて可変オリフィスの開度を制御することによ
って、倍力装置のようにブレーキ操作の補助を行った
り、あるいは、請求項4記載の発明ように運転者がブレ
ーキ操作を行っていない状態で制動力を発生させて、車
輪の駆動力や車両のヨーモーメントを制御する運動安定
制御を実行することができる。ところで、上述のように
ポンプを供給駆動させたまま可変オリフィスの開度を制
御するだけでは、制動作動部のブレーキ液圧を減圧する
際に、マスタシリンダ圧と同圧となるまでしか低下しな
い。したがって、本発明では、運転者が制動作動部を操
作してマスタシリンダ圧が大気圧よりも高くなっている
状態において、制動作動部のブレーキ液圧をマスタシリ
ンダ圧よりも低い圧まで低下させる時には、可変オリフ
ィスの開度を広げるとともに、第1開閉弁を閉弁させる
一方で、第2開閉弁を開弁させる。このように第1開閉
弁を閉弁させて主制動回路を遮断してマスタシリンダ圧
が主制動回路の下流に供給されないようにした状態で第
2開閉弁を開弁すると、制動作動部のブレーキ液圧は分
岐回路からリザーバに抜かれて、大気圧付近まで減圧さ
せることができる。このように制動作動部のブレーキ液
圧をマスタシリンダ圧よりも減圧可能であるので、制動
時に車輪がロックしそうな場合には減圧し、また、この
車輪ロックを招きそうな状態がなくなったらブレーキ液
圧の増圧や保持を行って、車輪ロックを防止しながら制
動距離を最小限に制御するABS制御(請求項3記載の
制御)を行うことができる。
【0007】請求項5記載の発明では、ABS制御に伴
う液圧増減制御における減圧制御時に、まず、第1開閉
弁を開弁させ、マスタシリンダからの液圧がリザーバへ
流れ込まない状態を形成し、その極短時間後に第2開閉
弁を開弁させて、制動作動部の減圧を行う。よって、マ
スタシリンダ圧がリザーバに流れ込んで、制動作動部の
減圧が不十分になることがない。請求項6記載の発明で
は、制動制御手段は、アンチスキッド制御に伴う液圧増
減制御時には第1開閉弁を閉弁させるとともに第2開閉
弁を開弁させているが、この液圧増減制御の終了時に
は、まず、第1開閉弁を開弁状態に戻して、制動作動部
およびリザーバのブレーキ液をマスタシリンダ側に戻
し、リザーバのブレーキ液が確実にマスタシリンダ側に
放出されるだけの所定時間が経過した後に、第2開閉弁
を閉弁状態に戻す。請求項7記載の発明では、制動制御
手段がポンプの駆動量の制御も行う。したがって、ポン
プの供給駆動量を変化させることで制動作動部のブレー
キ液圧の調節も可能であり、可変オリフィス開度制御の
みにより液圧制御を行うよりも制御自由度が向上する。
請求項8記載の発明では、ポンプとしてギヤポンプを用
いており、ポンプの停止時において、主制動回路を介し
てマスタシリンダ側と制動作動部側との間で相互にブレ
ーキ液の移動が可能でありフェイルセーフの機能を有す
る。
【0008】請求項9記載の発明では、各車輪ごとに制
動作動部において、独立してブレーキ圧の制御が可能で
あり、また、請求項10記載の発明では、2輪1組ごと
にブレーキ液圧の制御が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1は実施の形態1を示す全
体図である。図中1はマスタシリンダであり、ブレーキ
ペダルBPを踏み込むことで液圧を発生する。このマス
タシリンダ1は、各車輪のキャリパ部分のブレーキシリ
ンダ(制動作動部)2に主制動回路3で接続されてお
り、両者の間で主制動回路3を介してブレーキ液が流通
するよう構成されている。
【0010】前記主制動回路3の途中には、モータ5の
回転数に応じて所定流量の流体を吐出するギヤポンプ6
が設けられており、このギヤポンプ6は、本実施の形態
の場合、ブレーキ液をマスタシリンダ1側(これを上流
側とする)からブレーキシリンダ2側(これを下流側と
する)へ供給する駆動のみを行う。
【0011】両端がそれぞれ主制動回路3のギヤポンプ
6の上流側と下流側とに接続されて前記ギヤポンプ6を
迂回するバイパス回路7が設けられている。そして、こ
のバイパス回路7の途中には、バイパス回路7の流路面
積を任意に変更可能な可変オリフィス8が設けられてい
る。この可変オリフィス8は、図示を省略したソレノイ
ドを有し、このソレノイドに通電する駆動電流により開
度が変更される構成となっている。
【0012】さらに、前記主制動回路3には、前記マス
タシリンダ1と前記ギヤポンプ6との間であって、前記
バイパス回路7との接続箇所よりも上流に第1開閉弁2
1が設けられている。この第1開閉弁21は、ソレノイ
ド駆動の開閉弁であり、非駆動時にはスプリングの付勢
力により開弁され、ソレノイド駆動時には閉弁する常開
の開閉弁である。
【0013】前記バイパス回路7において、前記主制動
回路3と可変オリフィス8との間に設けられた分岐点7
aから分岐回路23が分岐され、この分岐回路23にリ
ザーバ24が設けられている。そして、前記分岐回路2
3の途中には、この分岐回路23を開閉する第2開閉弁
22が設けられている。この第2開閉弁22は、ソレノ
イド駆動の開閉弁であり、非駆動時にはスプリングの付
勢力により閉弁され、ソレノイド駆動時には開弁される
常閉の開閉弁である。なお、前記分岐回路23は、第1
開閉弁21とギヤポンプ6および可変オリフィス8との
間であれば、主制動回路3とバイパス回路7とのいずれ
に接続されていてもよい。
【0014】本実施の形態1では、前記モータ5(ギヤ
ポンプ6)、可変オリフィス8、第1開閉弁21ならび
に第2開閉弁22の作動は、コントロールユニット(制
動制御手段)9により制御される。すなわち、前記モー
タ5は、図外のイグニッションスイッチをONとしたと
きには、一定電圧あるいは一定電流で駆動される。ちな
みに、このモータ5の駆動により前記ギヤポンプ6はブ
レーキ液を主制動回路3の上流から下流に供給する駆動
を行う。なお、この部位に用いるポンプとしては、ギヤ
ポンプ6に限らずベーンポンプやピストンポンプなどで
も成立する。前記コントロールユニット9は、入力セン
サに車両状態検出手段としての踏力センサ10を有して
いる他、車両の環境情報や、エンジンの駆動状態の情報
や、あるいは車両の前後および左右の加速度、ヨーレイ
ト、舵角に関する情報が入力されている。前記踏力セン
サ10は、ブレーキペダルBPとマスタシリンダ1との
間のロッド11に設けられ、運転者の踏力を検出するも
ので、前記コントロールユニット9は、この踏力信号に
応じて前記可変オリフィス8の図外のソレノイドへの駆
動電流を決定するものである。
【0015】次に、実施の形態1の動作を説明する。 a)ブレーキペダルの非操作時 本実施の形態1では、イグニッションスイッチをONと
するとコントロールユニット9によりモータ5が一定駆
動を開始する。そして、この時、コントロールユニット
9は可変オリフィス8の開度を最大に制御している。し
たがって、ギヤポンプ6が主制動回路3の上流から下流
に供給するブレーキ液は、バイパス回路7により下流か
ら上流に還流されて循環されるだけであり、ブレーキシ
リンダ2におけるブレーキ液圧はマスタシリンダ1と同
圧の大気圧となっている。
【0016】b) ブレーキペダル操作時における踏力補
助時 b1)ブレーキペダル踏込時 運転者がブレーキペダルBPを踏むと、マスタシリンダ
1で発生した液圧が、主制動回路3およびバイパス回路
7を介してブレーキシリンダ2に伝達されて、制動力が
生じる。また、それに並行して踏力センサ10が運転者
の踏力に応じた信号を出力し、コントロールユニット9
は、この踏力信号に応じた面積に可変オリフィス8の開
度を絞る。このように可変オリフィス8の開度が絞られ
るとバイパス回路7による還流量が制限されるため瞬時
にギヤポンプ6の上流側と下流側とで液圧差が生じ、ブ
レーキシリンダ2におけるブレーキ液圧はマスタシリン
ダ圧よりも上昇することになり、いわゆる踏力補助が成
される。なお、この時、図2(a)に示すように、ブレ
ーキシリンダ2に発生するブレーキ圧P1 は、ギヤポン
プ6の流量Qと可変オリフィス8の内径φdおよびマス
タシリンダ圧P0 により決定されるものであって、内径
φdの値が小さくなるほど、ブレーキ圧P1 の上昇率は
高くなり、小さな踏力で大きなブレーキ圧P1 を得るこ
とができる。また、同図(b)は本実施の形態1のモデ
ル図である。
【0017】b2)ブレーキペダル保持時 運転者がブレーキペダルBPを踏み込んだ位置に保持す
ることにより踏力は一定となるので、可変オリフィス6
は保持したときの内径を維持し、ブレーキシリンダ2に
発生するブレーキ圧を保持する。
【0018】b3)ブレーキペダル戻し時 運転者がブレーキペダルBPの踏み込みを緩めると、コ
ントロールユニット11は、踏力センサ10の検出値の
低下に対応して可変オリフィス8の開度を広げる。これ
により、バイパス回路7によるブレーキ液のギヤポンプ
6の上流への還流量が増加するためブレーキシリンダ2
のブレーキ液圧が低下する。この場合、ブレーキ液を微
妙に還流させることも可能であるから、減速ギヤなどを
用いることなく微妙にブレーキ液圧を制御することがで
きる。また、ブレーキペダルBPの戻しを急激に行った
場合には、可変オリフィス8の開度を最大に開けば、ギ
ヤポンプ6の上流と下流との液圧差がなくなり、ブレー
キ液圧はマスタシリンダ圧まで、すなわち大気圧まで急
速に低下する。このように、バイパス回路7に設けた可
変オリフィス8の開度を変更するだけで、ブレーキ液圧
の微妙な制御が可能であり、ギヤポンプ6の回転数のみ
を制御するのに比べ、制御性に優れているといえる。 c)ABS制御時 本実施の形態1により制動時の車輪ロックを防止するA
BS制御を行った場合の動作について説明する。ブレー
キペダルBPを踏んでブレーキシリンダ2により制動力
を発生させたときに車輪のスリップ率が予め設定された
値を越えると(例えば、車輪速が車体速×0.9以下に
なると)、コントロールユニット9はブレーキ液圧を減
圧させて制動力を緩めてスリップ率を所定値未満に抑え
る減圧制御を実行する。この時、上述の踏力補助の際の
ように可変オリフィス8の開度を最大に開くだけでは、
ブレーキ液圧はマスタシリンダ圧までしか低下せず、充
分な減圧は成されない。そこで、本実施の形態1では、
減圧制御時には(ちなみにABS制御を実行する場合、
最初に減圧を行ってロック抑制を行う)、図3に示すと
おり、まず、第1開閉弁21を閉弁させ、その極短時間
後(例えば、10ms後)に、第2開閉弁22を開弁さ
せるとともに、減圧信号に応じた開度まで可変オリフィ
ス8の開度を広げる。これにより、ブレーキシリンダ2
側のブレーキ液圧は、リザーバ24に開放されて低下す
るものであり、この場合、主制動回路3が第1開閉弁2
1により遮断されているため、マスタシリンダ圧よりも
低下させることができる。次に、この減圧状態でブレー
キ液圧を保持させる場合には、第1開閉弁21が閉、第
2開閉弁22が開の状態を維持したまま、可変オリフィ
ス8の開度がその時点の開度に保持する。これにより上
述の踏力補助の場合と同様にしてブレーキ液圧が保持さ
れる。その後、ブレーキ液圧を増圧する場合、図3に示
すとおり、第1開閉弁21が閉、第2開閉弁22が開の
状態を維持したままで、増圧信号に応じた開度まで可変
オリフィス8の開度を絞る。これにより上述の踏力補助
の場合と同様にしてブレーキ液圧が増圧される。また、
本実施の形態では、ABS制御を終了する場合、ブレー
キペダルBPの踏み付け操作が終了した(非制動状態に
なったら)ら、図3に示すとおり、まず第1開閉弁21
を開弁し、それから所定時間経過後に第2開閉弁22を
閉弁させる。このように、まず第1開閉弁21を開弁さ
せたときに、ブレーキシリンダ2ならびにリザーバ24
内のブレーキ液がマスタシリンダ1に戻されるもので、
リザーバ24内のブレーキ液が確実にマスタシリンダ1
に戻るのに要する時間が経過したら(例えば、100m
s)、第2開閉弁22を閉じて、次の減圧に備えるもの
である。 d)運動安定制御時 近年、制動装置の制動力を利用して走行安定を図る運動
安定制御が考えられている。この運動安定制御として
は、大きく分けて、駆動力制御とヨーレイト制御が考え
られており、駆動力制御は加速時に駆動輪の駆動力が大
き過ぎてスリップが生じた場合に、これら駆動輪に制動
力を与えて駆動力を低減させてスリップを抑制・防止す
る制御であり、また、ヨーレイト制御は、車両のヨーレ
イトが車両の安定性を妨げる方向に作用する状態(例え
ば所定量よりも大きなアンダステア状態、あるいは所定
量よりも大きなオーバステア状態)となったときに、所
望の車輪に制動力を発生させることにより、車両のヨー
レイトを安定方向に向ける制御であって、具体的には、
アンダステア時には、旋回内輪の前輪に制動力を発生さ
せてアンダステア状態を弱めることができ、一方、オー
バステア時には、旋回外輪の前輪あるいは旋回外輪の後
輪に制動力を発生させてオーバステア状態を弱めるとい
うような制御である。上記のような運動安定制御を行う
場合には、運転者はブレーキペダルBPを操作しておら
ずマスタシリンダ1は大気圧となっているため、リザー
バ24を用いなくても大気圧まで減圧でき、したがっ
て、両開閉弁21,22は、図1のように前者を開弁し
て後者を閉弁下状態に維持したまま、上述した踏力補助
制御と同様に可変オリフィス8の開度のみを制御してブ
レーキ液圧の制御を行う。すなわち、可変オリフィス8
を全開としておけばブレーキシリンダ2はマスタシリン
ダ1と同圧の大気圧であり、これから可変オリフィス8
の開度を絞ればブレーキシリンダ2のブレーキ液圧が増
圧されて制動力が発生し、可変オリフィス8の開度を維
持すればブレーキ液圧もその時の液圧に維持され、可変
オリフィス8の開度を広げればブレーキ液圧が減圧され
る。
【0019】以上説明したように、実施の形態1では、
モータ5を一定電圧あるいは一定電流で回転させておい
て可変オリフィス8の内径φdを制御することにより、
ブレーキ圧を瞬時に上昇させることができるとともに、
減速ギヤを用いることなく微妙なブレーキ圧の制御が可
能であり、モータ6の回転数の制御に比べて、高い制御
応答性が得られるとともに、制御性に優れているという
効果が得られる。また、万一モータ5またはギヤポンプ
6の故障といった事態に遭遇しても、通常ブレーキの性
能を確保することができフェイルセーフを向上できると
いう効果が得られる。さらに、上述のように制御応答性
・制御性を向上させるにあたり、バイパス回路7と可変
オリフィス8とを設けた構成としたが、主制動回路3に
第1開閉弁21を設けるとともに、この第1開閉弁21
の下流から分岐した分岐回路23にリザーバ24および
第2開閉弁22を設けた構成としたため、ABS制御時
には第1開閉弁21を閉弁させるとともに第2開閉弁2
2を開弁させて、ブレーキシリンダ2のブレーキ液圧を
マスタシリンダ圧よりも低下させて車輪ロックの防止あ
るいは抑制を図るのに充分な減圧を行うことができる。
しかも、両開閉弁21,22の開閉を制御するにあたっ
て、減圧時にはまず第1開閉弁21を閉弁させ、その
後、第2開閉弁22を開弁するようにしたため、マスタ
シリンダ圧がリザーバ24に導入されることがなく、し
たがって、ブレーキシリンダ2の減圧を確実に行うこと
ができる。加えて、ABS制御の終了時には、第1開閉
弁21を開弁してから所定時間が経過した後第2開閉弁
22を閉弁するようにしたため、リザーバ24に貯留さ
れたブレーキ液が完全に抜けてしまう前に第2開閉弁2
2が閉弁して次回に減圧する際に充分な減圧ができなく
なるという不具合が生じることがない。
【0020】以下、他の実施の形態について説明する
が、この説明において実施の形態1と同様の構成には同
じ符号を付けることで説明を省略する。 (実施の形態2)図4は請求項9記載の発明の適用形態
である実施の形態2の全体図であって、主制動回路3が
4輪に向かって分岐された分岐部3a,3aよりも下流
においてポンプ6,バイパス回路7,可変オリフィス8
を各車輪に独立して設けたいわゆる4チャンネル構造と
し、さらに、両開閉弁21,22およびリザーバ24
は、2車輪づつの2系統に設けた形態を示している。な
お、2系統のギヤポンプ6,6を1台のモータ5で駆動
するように構成されている。したがって、各輪のブレー
キシリンダ2のブレーキ液圧を独立して制御することが
でき、精度の高い制御が可能となり、かつ、モータ5,
両開閉弁21,22およびリザーバ24は、2輪ごとに
設けて、構造を簡略化することができる。
【0021】(実施の形態3)図5は請求項10記載の
発明の適用形態である実施の形態3の全体図であり、主
制動回路3が4輪に向かって分岐されいている分岐部3
aよりも上流の2輪づつの2系統に向かって分岐された
部位にポンプ6,バイパス回路7,可変オリフィス8,
両開閉弁21,22およびリザーバ24を設けたいわゆ
る2チャンネル構造に構成した形態を示している。した
がって、2輪ごとにブレーキ液圧を独立して制御するこ
とができ、全体構造の簡略化を図ることができる。
【0022】(実施の形態4)図6は実施の形態4の全
体図である。この実施の形態4は、可変オリフィスとし
て、全開状態と、所定断面積の絞り状態との2通りの開
度にしか切り替えることのできない可変オリフィス48
を用いた形態である。この実施の形態4によれば、走行
中、通常はモータ5を所定電圧あるいは所定電流で回転
させておくとともに可変オリフィス48は全開状態とし
ておく。この状態では、他の実施の形態と同様にギヤポ
ンプ6によりブレーキ液がバイパス回路7を通って循環
されるだけでありブレーキ液圧は大気圧となっている。
次に、運転者の制動操作を検出したり、あるいは運動安
定制御を実行するにあたり、ブレーキ液圧を増圧させる
時には、可変オリフィス48を絞り側に切り替える。こ
れにより、ブレーキ液圧は瞬時に立ち上がる。そして、
コントロールユニット9は、必要に応じてモータ5の回
転数を上昇させて増圧させたり、回転数を減少させて減
圧させたりして、所望のブレーキ液圧に制御する。そし
て、ブレーキ液圧を急減圧する場合には、第1開閉弁2
1を可変オリフィス48を全開状態としてに切り替える
ことによりマスタシリンダ圧まで低減させることがで
き、運動安定制御時には、マスタシリンダ圧は大気圧で
あるから、ブレーキ液圧は大気圧まで低減する。なお、
モータ5を逆転させることにより、ブレーキ液圧をマス
タシリンダ圧よりも低減させることができる。一方、A
BS制御時には、実施の形態1と同様に、第1開閉弁2
1を閉弁した後、第2開閉弁22を開弁するとともに可
変オリフィス48を全開に戻して、ブレーキシリンダ2
のブレーキ液をリザーバ24に抜いて減圧する。また、
増圧時は、第1開閉弁21を閉、第2開閉弁22を開と
した状態を保ったままで、可変オリフィス48を絞り側
に切り替える。この実施の形態4によれば、可変オリフ
ィス48が単なる切替弁であり構造の簡略化を図ること
ができる。
【0023】(実施の形態5および実施の形態6)図7
は実施の形態5を示す全体図、図8は実施の形態6の全
体図であって、これらの主要部は図6に示す実施の形態
4と同様の構成であるから、詳細な説明は省略する。図
7の実施の形態5は、実施の形態4の公正を欠く輪につ
いて設けた形態であり、図8の実施の形態6は、実施の
形態4の構成を2車輪づつの2系統に設けた例である。
そして、これらの実施の形態5,6によれば、実施の形
態4と同様の踏力補助制御や運動安定制御やABS制御
を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】 以上説明してきたように本発明の制動
装置にあっては、マスタシリンダと制動作動部とを結ぶ
主制動回路の途中にポンプを設け、このポンプと並行し
て設けたバイパス回路に可変オリフィスを設け、さら
に、主制動回路のバイパス回路の接続箇所よりも上流に
常開の第1開閉弁を設け、この第1開閉弁の下流に接続
した分岐回路にリザーバを設けるとともに、分岐回路を
開閉する常閉の第2開閉弁を設け、ポンプを少なくとも
走行中は常時供給駆動させるよう構成したために、以下
に列挙する効果が得られる。 イ)運転者のブレーキ操作の踏力補助を行うこと、駆動
輪スリップを防止するために駆動輪に適正な制動力を与
える駆動輪スリップ防止制御を行うこと、車両挙動に応
じて任意の車輪に最適な制動力を発生させることにより
車両姿勢が安定する方向に車体のヨーレイトを発生させ
る運動安定制御を行うことが可能であり、しかも、圧力
制御弁を用いていないので、前記踏力補助制御、ABS
制御、駆動輪スリップ防止制御、運動安定制御を行なう
際に、ペダル振動や騒音が少なくなり、快適性が向上す
る。 ロ)ポンプを停止状態から駆動させるのに比べて増圧時
のブレーキ液圧の立ち上がり応答性に優れ高い制御応答
性が得られる。 ハ)車両走行時にはポンプを常時一定の供給駆動を行わ
せ、可変オリフィスの開度を調整するだけで制動作動部
におけるブレーキ液圧の微妙な制御が可能であるため、
ポンプに対する制御は簡便にしながら高い精度のブレー
キ液圧制御が可能となる。 ニ)上記制御精度・制御応答性効果を減速ギヤなどを用
いない構成を簡略化した安価な手段により得られる。
【0025】請求項5記載の発明では、ABS制御に伴
う液圧増減制御における減圧制御時に、まず第1開閉弁
を閉弁させ、その極短時間後に、第2開閉弁を開弁させ
るようにしたため、マスタシリンダ圧がリザーバへ流れ
込まないようにして、減圧を常に確実に行える。請求項
6記載の発明では、制動制御手段は、アンチスキッド制
御に伴う液圧増減制御の終了時には、アンチスキッド制
御により閉弁していた第1開閉弁ならびに開弁させてい
た第2開閉弁を、まず、第1開閉弁を開弁状態に戻し、
所定時感度に第2開閉弁を閉弁状態に戻すように構成し
たため、両開閉弁がいずれも開弁している間にリザーバ
内のブレーキ液が確実にマスタシリンダ側に戻った後に
第2開閉弁が閉じられることになり、次回にアンチスキ
ッド制御に伴う減圧制御時に、リザーバに液圧が残留さ
れていて減圧が不十分になることがなく、制動作動部の
ブレーキ液圧を確実に減圧させることができるという効
果が得られる。請求項7記載の発明では、制動制御手段
がポンプの駆動量の制御も行うように構成したため、可
変オリフィス開度制御のみにより液圧制御を行うよりも
制御自由度が向上するという効果が得られる。請求項8
記載の発明では、ポンプとしてギヤポンプを用いた構成
としたため、ポンプの停止時において、主制動回路を介
してマスタシリンダ側と制動作動部側との間で相互にブ
レーキ液の移動が可能でありフェイルセーフに優れてい
るという効果が得られる。請求項9記載の発明にあって
は、各車輪ごとに制動作動部のブレーキ液圧を独立して
制御することができ、精度の高い制御が可能となる一
方、第1・第2開閉弁ならびにリザーバは2輪ごとに設
けて構造の簡略化を図ることができる。請求項10記載
の発明では、2輪1組で制動作動部のブレーキ液圧を制
御することができ、低コストの手段により、フェイルセ
ーフ性の高い制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す全体図である。
【図2】実施の形態1の液圧特性図である。
【図3】実施の形態1の動作例を示すタイムチャートで
ある。
【図4】実施の形態2を示す全体図である。
【図5】実施の形態3を示す全体図である。
【図6】実施の形態4を示す全体図である。
【図7】実施の形態5を示す全体図である。
【図8】実施の形態6を示す全体図である。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル 1 マスタシリンダ 2 ブレーキシリンダ(制動作動部) 3 主制動回路 5 モータ 6 ギヤポンプ 7 バイパス回路 7a 分岐点 8 可変オリフィス 9 コントロールユニット(制動制御手段) 10 踏力センサ 11 ロッド 21 第1開閉弁 22 第2開閉弁 23 分岐回路 24 リザーバ 48 可変オリフィス

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のブレーキペダルの踏み込み操作
    により液圧を発生させるマスタシリンダと、車輪の制動
    作動を行う制動作動部とが主制動回路で連通され、 この主制動回路の途中に、ブレーキ液を少なくともマス
    タシリンダ側から制動作動部側へ送る供給作動を行うポ
    ンプが設けられ、 このポンプと並行して、一端が主制動回路のポンプより
    もマスタシリンダ側に接続されている一方で、他端が主
    制動回路のポンプよりも制動作動部側に接続されたバイ
    パス回路が設けられ、 このバイパス回路の途中に、このバイパス回路の流路断
    面積を変更可能な可変オリフィスが設けられ、 前記主制動回路において前記ポンプならびに前記バイパ
    ス回路の接続箇所よりもマスタシリンダ側の位置に、前
    記主制動回路を開閉する常開の第1開閉弁が設けられ、 前記第1開閉弁と前記ポンプならびに可変オリフィスと
    の間に位置する前記主制動回路あるいは前記バイパス回
    路のいずれかから分岐された分岐回路にリザーバが設け
    られているとともに、前記分岐回路にリザーバと主制動
    回路側とを開閉する常閉の第2開閉弁が設けられ、 車両状態検出手段から得られる車両状態に基づいて、前
    記可変オリフィスの開度を制御するとともに、両開閉弁
    の開閉を制御する制動制御手段が設けられ、 前記ポンプは、前記制動制御手段あるいは他の制御手段
    により少なくとも走行中は、常時、マスタシリンダ側か
    ら制動作動部側へブレーキ液を供給させる方向に駆動さ
    れていることを特徴とする制動装置。
  2. 【請求項2】 前記制動制御手段は、ブレーキ液圧の非
    制御時は可変オリフィスの開度を最大に開き、ブレーキ
    液圧の制御の際には、増圧制御時は可変オリフィスの開
    度を狭め、保持制御時は可変オリフィスの開度を維持さ
    せ、減圧制御時には可変オリフィスの開度を広げる液圧
    増減制御を行うことを特徴とする請求項1記載の制動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制動制御手段は、車両状態検出手段
    から得られる車両状態に基づいて、運転者の制動操作時
    に車輪がロックするのを防止するアンチスキッド制御を
    行い、このアンチスキッド制御時には、前記第1開閉弁
    を閉弁させる一方、前記第2開閉弁を開弁させることを
    特徴とする請求項1または2記載の制動装置。
  4. 【請求項4】 前記制動制御手段は、車両状態検出手段
    から得られる車両状態に基づいて、駆動輪がスリップし
    た際にこの駆動輪スリップを抑制させるべく制動力を発
    生させる駆動力スリップ防止制御と車両のヨーレイトが
    車両の安定性を損なう方向に向かっている状態であると
    きに、所望の車輪に制動力を発生させて車両を安定させ
    る方向にヨーレイトを発生させるヨーレイト制御との少
    なくとも一方からなる車両安定制御を行い、この車両安
    定制御時には、前記第1開閉弁を開弁状態に維持させる
    とともに、前記第2開閉弁を閉弁状態に維持させること
    を特徴とする請求項1ないし3記載の制動装置。
  5. 【請求項5】 前記制動制御手段は、アンチスキッド制
    御に伴う液圧増減制御における減圧制御時に、まず第1
    開閉弁を閉弁させ、その極短時間後に前記第2開閉弁を
    開弁させることを特徴とする請求項1ないし4記載の制
    動装置。
  6. 【請求項6】 前記制動制御手段は、アンチスキッド制
    御に伴う液圧増減制御の終了時に、まず閉弁状態の前記
    第1制御弁を開弁させ、所定時間後に開弁状態の前記第
    2開閉弁を閉弁させることをことを特徴とする請求項1
    ないし5記載の制動装置。
  7. 【請求項7】 前記制動制御手段が、前記ポンプの駆動
    量を制御することを特徴とする請求項1ないし6記載の
    制動装置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプがギヤポンプであることを特
    徴とする請求項1ないし7記載の制動装置。
  9. 【請求項9】 前記ポンプが主制動回路が4輪に向けて
    分岐されている個所よりも制動作動部側に各車輪ごと設
    けられているとともに、前記ポンプを迂回するバイパス
    回路および可変オリフィスも各車輪ごとに設けられてい
    る一方、前記第1・第2開閉弁,分岐回路およびリザー
    バは、前記主制動回路が2系統に分けられている部位に
    2車輪ごとに設けられていることを特徴とする請求項1
    ないし8記載の制動装置。
  10. 【請求項10】 前記ポンプ,バイパス回路,第1・第
    2開閉弁,分岐回路およびリザーバが、主制動回路が2
    輪づつの2系統に分岐されている部位に設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし8記載の制動装置。
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