JP4187600B2 - 複合台形窓枠の連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は枠材を台形状に枠組みしてなる枠体を横方向に連結してなる台形窓枠の連結構造に関し、特に金属枠の室内側に樹脂枠を配設してなる複合枠材を台形状に枠組みして方立を介して横方向に連結する複合台形窓枠の連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金属枠からなる窓枠を金属方立を介して横方向に連結してなるいわゆる組合せ窓が建物の窓などに用いられている。また、金属枠の室内側に樹脂枠を配設して、断熱性及び意匠性を向上させた複合窓枠を横方向に連結してなるものもある。このような窓枠の連結構造としては、例えば特許文献1に示すようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−107633号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の複合窓枠を連結してなる組合せ窓は、各枠材がそれぞれ直交するように長方形状に枠組みした複合窓枠についてのものであり、枠材を台形状に枠組みした複合窓枠についての組合せ窓は存在しなかった。金属枠のみからなる台形状の枠体を横方向に連結する組合せ窓は存在するものの、複合窓枠においては、室内側に樹脂枠を有すると共に、各複合窓枠を連結する方立にも樹脂製の方立カバーを設けるため、いずれかの枠が斜めに配設される台形状の複合窓枠を連結した組合せ窓をデザインの統一性を保持しつつ構成することは困難である。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、台形状の複合窓枠についてデザインの統一性を保持しつつ、方立を介して連結する複合台形窓枠の連結構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造は、金属枠の室内側に樹脂枠を配設した複合台形窓枠を横方向に連設する複合台形窓枠の連結構造であって、
上記複合台形窓枠は上下枠及び左右の縦枠を上枠が傾斜するように台形状に枠組みし、上記樹脂枠は略四周に渡って室内側に突出するアングル片を有してなると共に、各複合台形窓枠を方立を介して横方向に連設し、
上記方立は互いに対向する各縦枠の間に配置され、上記上枠の上端から下枠の下端に渡って配設される室外部と、上記上枠のアングル片から下枠のアングル片に渡って配設される室内部とからなると共に、該室内部の室内側面には樹脂からなるカバー体を設け、
上記方立の室外部はその上面を上記上枠の上面と略連続した傾斜状に形成すると共に、上記カバー体はその上面を上記上枠のアングル片の上面と略連続した傾斜状に形成してなり、上記方立は上端付近と下端付近がそれぞれ上記室外部のみからなるように上記室内部を切り欠いて形成され、上下方向中央部は上記室外部と室内部の両方からなるように形成され、上記室内部の上端及び下端はいずれも水平状に形成されてなると共に、上記室内部は上端から下端に渡って上記カバー体に覆われることを特徴として構成されている。
【0007】
また、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造は、上記上枠は両端面を傾斜状に形成すると共に、略直立状に形成されてなる縦枠の上端部側面に当接固定することを特徴として構成されている。
【0008】
さらに、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造は、上記縦枠の上枠との突き合わせ部分は上記方立の室外部を介して対向するように配置されると共に、上記縦枠は上記方立の室外部の室外側面に設けられたタイト材に当接することを特徴として構成されている。
【0009】
さらにまた、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造は、上記方立は室内部において隣接する上記縦枠をそれぞれ固定して上記枠体を横方向に連設することを特徴として構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1は、本実施形態における複合台形窓枠を複数連結したサッシの正面図である。また、図2は、複合台形窓枠を複数連結したサッシの縦断面図であり、図3は、複合台形窓枠を複数連結したサッシの横断面図である。これら各図において、本実施形態における複合台形窓枠の連結構造は、金属枠4の室内側に樹脂枠5を配設した複合枠体1を方立2を介して横方向に連設するものである。各複合枠体1は上枠10と下枠20及び左右の縦枠30、30を上枠10が傾斜するように台形状に枠組みしたものである。
【0011】
まず各複合枠体1について説明する。図1のように、複合枠体1を構成する左右の縦枠30、30はそれぞれ長さが異なり、下端は同高さに配置して下枠20は略水平に配設される。一方、上端はそれぞれ高さが異なるので、上枠10は傾斜状に配設される。縦枠30は略直立状に形成されており、上枠10は縦枠30に略適合するようにその両端面を傾斜状に形成している。すなわち、上枠10は高さの異なる縦枠30、30間を懸架するように傾斜配置され、複合枠体1を台形状としている。
【0012】
また、図2及び図3に示すように、複合枠体1を構成する上枠10と下枠20及び左右の縦枠30、30は、金属上枠11の室内側露出部分に樹脂上枠12を、金属下枠21の室内側露出部分に樹脂下枠22を、金属縦枠31の室内側露出部分に樹脂縦枠32を、それぞれ配設している。このように金属枠4の室内側露出部分に樹脂枠5を配設することにより、断熱性を高めることができると共に、デザインの統一性を図ることができて、意匠性を向上させることができる。金属枠4に対する樹脂枠5の固定は、各樹脂枠5に設けた係合部を金属枠4に係合固定させると共に、樹脂枠5から金属枠4に対するネジ止めを行うことによりなされる。これら金属枠4は、アルミの押出型材からなると共に、樹脂枠5は、塩化ビニルやアクリル樹脂等から成型される。
【0013】
各樹脂枠5は、室内側に突出するアングル片を有しており、樹脂上枠12にはその略全長に渡って上アングル片14が、樹脂下枠22にはその略全長に渡って下アングル片24が、樹脂縦枠32にはその略全長に渡って縦アングル片34が、それぞれ形成されている。すなわち、上アングル片14と下アングル片24及び左右の縦アングル片34、34によって、樹脂枠5は略四周に渡って室内側に突出するアングル片を形成されている。各アングル片より見付方向外側には、図示しない化粧額縁が略四周に渡って設けられる。アングル片と化粧額縁とは、それぞれネジ止めにより固定される。
【0014】
各複合枠体1に納められるガラス3は、押縁構造によって固定されている。図2及び図3に示すように、上枠10は、ガラス3の室外側に見付方向内側に向かって突出する延出片11aを備えている。また、下枠20は、ガラス3の室外側に見付方向内側に向かって突出する延出片21aを備えている。同様に、縦枠30は、ガラス3の室外側に見付方向内側に突出する延出片31aを備えている。そして、ガラス3の室内側には、上枠10と下枠20及び縦枠30に対してそれぞれその長手方向略全長に渡って押縁部材6が設けられ、これら延出片と押縁部材6により、ガラス3を挟持すると共に固定する。
【0015】
このように構成された各複合枠体1を横方向に連設する連結構造について説明する。本実施形態のサッシは、上枠10を傾斜状に配置した台形窓を横方向に連結するもので、図1に示すように、次第に高さが低くなる3つの複合枠体1をそれぞれ方立2を介して連結している。方立2は、図3に示すように、互いに対向する縦枠30間に設けられて、それぞれの縦枠30を固定する。図4には、方立2の正面図を示す。方立2は、室外部43と室内部44とを一体的に成型した金属材からなり、上端付近と下端付近はそれぞれ室外部43のみからなるように切り欠いて形成され、中央部は室外部43と室内部44の両方からなるように形成される。また、室外部43の下端は下枠20に合わせて水平状に形成し、上端は傾斜配置される上枠10に合わせて傾斜状に形成する。室内部44は上端と下端共に水平状に形成する。
【0016】
方立2の室外部43は、その室外側端部に長手方向略全長に渡ってタイト材40を保持し、縦枠30は室外側からそのタイト材40に当接して、サッシの水密性を確保している。一方、室内部44は、縦枠30を固定するための被係合部42を備えると共に、室内側端部には平面状の延出部41を備えている。被係合部42は、複合枠体1の外側に向かって突出する金属縦枠31の係合部35と係合し、縦枠30を固定する。また、延出部41は金属縦枠31の室内側面に室内側から当接し、その室内側面に長手方向数カ所でネジ止めすることにより、縦枠30を固定する。
【0017】
隣接する縦枠30、30を方立2により連結すると、方立2の平面状からなる延出部41と、それぞれの縦枠30の室内側に突出する縦アングル片34、34により凹部が形成される。そしてこの凹部を略覆う方立カバー7が設けられる。方立カバー7は、凹部に加えて、縦アングル片34の室内側面も略覆っており、室内側から見た複合枠体1の連結部分を略覆う構成とされている。また、方立カバー7は縦アングル片34の見込方向長さと略同じ見込方向寸法に形成されるので、方立2に方立カバー7を取付けることにより、複合枠体1、1を室内側から見て略連続状とし、一体感を確保することができる。
【0018】
方立カバー7は、樹脂材から成型された中空状の部材からなり、金属からなる方立2を室内側から略覆うものである。このため、サッシの断熱性及び意匠性を向上させることができる。また、方立カバー7の固定は、縦アングル片34からネジ止めされることによりなされる。この場合、金属部分を介することなく方立カバー7を固定することができるので、サッシの断熱性を確保することができる。
【0019】
さらに、方立カバー7は、化粧額縁を取付けた場合に方立2が室内側に露出する上アングル片14から下アングル片24までの間に渡って設けられる。このため、方立カバー7の下端は下アングル片24に略適合するように水平状に形成されている。一方、方立カバー7の上端は、傾斜した上アングル片14の上面に略適合するように傾斜状に形成されている。このように形成することにより、サッシの一体感を確保することができる。図5には、複合枠体1の連結部分における上端付近の拡大図を示す。この図に示すように、方立カバー7の上面は、傾斜した上アングル片14の上面と略連続状となるように配置される。
【0020】
図6には、複合枠体1の連結部分の分解平面図を示す。方立2に固定される縦枠30は、建物開口部に固定される縦枠30と同じものを用いることができる。ただし、建物開口部に対する固定フィンを有しているため、そのままでは方立2に対する固定を行うことができない。そのため、固定フィン部分については方立2に対する固定時には切り取っておく必要がある。固定フィン部分は、薄肉状に形成されているので、任意の切断具によって、その不要部分を容易に切断することができる。
【0021】
このように不要部分を切り取られた縦枠30は、その係合部35を方立2の被係合部42に対して係合させると共に、延出片41から縦枠30に対してネジ止めすることにより、各縦枠30、30を固定する。その上で、方立2の室内側に形成される凹部に対して、方立カバー7を納めると共に、縦アングル片34から方立カバー7をネジ止めする。
【0022】
図7には、複合枠体1の連結部分の分解正面図を示す。複合枠体1の上枠10は、端面を傾斜状に形成されると共に、縦枠30の側面に当接させて連結されている。このため、縦枠30の上面は上枠10の上面と略連続状となる傾斜状に形成されている。また、方立2に対しては、両側から縦枠30、30を突き合わせて固定する。縦枠30、30の方立2に対する固定は、方立2の室内部44によってなされる。ここで、室内部44は、その上端が縦枠30、30を固定した際の上アングル片14、14を結んだ線よりも下方となるように配置される。室内部44の室内側には、上述した方立カバー7が設けられるので、室内部44が室内側に直接露出することはない。したがって、室内部44の形状はこれに限られないが、本実施形態に示すように、必ずしも傾斜状の上枠10に合わせてその上端を傾斜状とする必要はない。
【0023】
図8には、複合枠体1の連結部分の分解斜視図を示す。この図に示すように、方立2については、室外部43の上端は連結する各複合枠体1、1の上枠10の傾斜に略適合するように傾斜状に形成され、その一方、室内部44の上端は略水平状に形成される。また、方立カバー7については、その上端は連結する各複合枠体1の上アングル片14、14の傾斜に略適合するように傾斜状に形成される。
【0024】
方立2の室外部43は、複合枠体1の連結部分における水密性を確保するために、タイト材40を有しているため、複合枠体1の上端から下端に渡って設けられる必要があり、したがってその両端面は複合枠体1の上枠10及び下枠20の形状に略適合するように形成される。一方、方立2の室内部44は、複合枠体1の縦枠30を固定するものであり、上アングル片14から下アングル片24に渡って設けられ、しかもそれが方立カバー7により室内側には露出しないので、上端部について傾斜配置される上枠10に適合するように形成する必要がなく、本実施形態のように略水平状として簡易な加工により方立2を形成することができる。
【0025】
これまで、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用はこの実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲内において、様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では、横方向に3つの複合枠体1を連結したサッシを示したが、連結数はいくつであってもよく、それぞれの連結部分に適合するように方立2及び方立カバー7を形成すればよい。すなわち、連結数がいくつであっても、方立2はその室外部43の上端を上枠10に合わせて略傾斜状とし、方立カバー7の上端も、上枠10のアングル片14に合わせて略傾斜状とすることで、台形窓を連結したサッシにおいて、一体感を確保することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造によれば、複合台形窓枠を方立を介して横方向に連設し、方立の室外部はその上面を上枠の上面と略連続した傾斜状に形成し、カバー体はその上面を上枠のアングル片の上面と略連続した傾斜状に形成したことにより、室外側において水密性を確保し、室内側において窓枠を連結すると共に、その連結部分をカバー体により被覆することができ、複合台形窓枠について、特に傾斜した上端部付近においてデザインの統一性を保持しつつ、方立を介して連結することができる。
【0027】
また、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造によれば、縦枠の上枠との突き合わせ部分は方立の室外部を介して対向するように配置され、縦枠は方立の室外部の室外側面に設けられたタイト材に当接することにより、上枠の上端から下枠の下端に渡って配設される室外部により、サッシの水密性を充分に確保することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る複合台形窓枠の連結構造によれば、方立は室内部において隣接する縦枠をそれぞれ固定して枠体を横方向に連設することにより、室内部は上枠のアングル片から下枠のアングル片に渡って配設されるので、その形状を必ずしも台形窓に適合する傾斜状としなくてもよく、方立の加工が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における複合台形窓枠を複数連結したサッシの正面図である。
【図2】本実施形態における複合台形窓枠を複数連結したサッシの縦断面図である。
【図3】本実施形態における複合台形窓枠を複数連結したサッシの横断面図である。
【図4】本実施形態における方立の正面図である。
【図5】本実施形態における複合台形窓枠の連結部分の上端付近を示した拡大図である。
【図6】本実施形態における複合台形窓枠の連結部分を示した分解平面図である。
【図7】本実施形態における複合台形窓枠の連結部分を示した分解正面図である。
【図8】本実施形態における複合台形窓枠の連結部分を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
1 複合枠体
2 方立
3 ガラス
4 金属枠
5 樹脂枠
6 押縁部材
7 方立カバー
10 上枠
20 下枠
30 縦枠
35 係合部
40 タイト材
41 延出部
42 被係合部
43 室外部
44 室内部
Claims (4)
- 金属枠の室内側に樹脂枠を配設した複合台形窓枠を横方向に連設する複合台形窓枠の連結構造であって、
上記複合台形窓枠は上下枠及び左右の縦枠を上枠が傾斜するように台形状に枠組みし、上記樹脂枠は略四周に渡って室内側に突出するアングル片を有してなると共に、各複合台形窓枠を方立を介して横方向に連設し、
上記方立は互いに対向する各縦枠の間に配置され、上記上枠の上端から下枠の下端に渡って配設される室外部と、上記上枠のアングル片から下枠のアングル片に渡って配設される室内部とからなると共に、該室内部の室内側面には樹脂からなるカバー体を設け、
上記方立の室外部はその上面を上記上枠の上面と略連続した傾斜状に形成すると共に、上記カバー体はその上面を上記上枠のアングル片の上面と略連続した傾斜状に形成してなり、上記方立は上端付近と下端付近がそれぞれ上記室外部のみからなるように上記室内部を切り欠いて形成され、上下方向中央部は上記室外部と室内部の両方からなるように形成され、上記室内部の上端及び下端はいずれも水平状に形成されてなると共に、上記室内部は上端から下端に渡って上記カバー体に覆われることを特徴とする複合台形窓枠の連結構造。 - 上記上枠は両端面を傾斜状に形成すると共に、略直立状に形成されてなる縦枠の上端部側面に当接固定することを特徴とする請求項1記載の複合台形窓枠の連結構造。
- 上記縦枠の上枠との突き合わせ部分は上記方立の室外部を介して対向するように配置されると共に、上記縦枠は上記方立の室外部の室外側面に設けられたタイト材に当接することを特徴とする請求項1または2記載の複合台形窓枠の連結構造。
- 上記方立は室内部において隣接する上記縦枠をそれぞれ固定して上記枠体を横方向に連設することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合台形窓枠の連結構造。
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