JP4187351B2 - 水素化物二次電池とその製造方法 - Google Patents

水素化物二次電池とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極の活物質としてペ―スト式水酸化ニツケルを用いた水素化物二次電池とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵合金を用いた水素化物二次電池は、ニツケル極を正極に、アルカリ水溶液中で電気化学的に水素の吸蔵、放出を行う能力を有するLaNi5 系やTi−Ni系などの水素吸蔵合金を負極に用いており、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムを主成分としたアルカリ水溶液中において、正極では、つぎの式のように電池反応が起こる。
Figure 0004187351
すなわち、この反応式において、充電では、反応は右に進み、アルカリ水溶液中の水を電気分解して、水酸基を生じ、この水酸基と正極であるNi(OH)2 とが反応して、β−NiOOHとなり、水を生じる。また、放電の場合は、反応は左に進み、上記と逆の反応となる。
【0003】
ニツケル極としては、特開平1−227363号公報などに開示のように、高容量化や低価格化のために、空孔率が95%以上、孔径が数μm〜100μm程度の導電性多孔基材を用い、これに水酸化ニツケルを主体とする活物質スラリ―を担持させる、いわゆるペ―スト式が知られている。
【0004】
しかし、ペ―スト式電極は、焼結式電極に比べて基材の孔径が大きいため、活物質の集電体までの距離が長く、利用率や負荷特性に劣る。この利用率を向上させるため、「湯浅時報」No.65、第28頁(1988年)や、特開平4−59658号公報などには、正極中にニツケル粉末、コバルト粉末またはコバルト化合物粉末などの導電助剤を加えたり、導電性多孔基材に充填したのち、アルカリ水溶液に浸漬し、加熱工程を経ることなどが提案されている。
【0005】
また、ペ―スト式正極は、焼結式に比べ、サイクル中に充放電による膨張収縮が大きく、充電しにくいγタイプのオキシ水酸化ニツケルに変化しやすいため、サイクル特性が劣るという問題や、対極の合金から溶出、析出する金属の影響を受けやすく、高温貯蔵後の容量劣化を招きやすい。このため、特公平4−137368号公報には、正極ペ―ストに亜鉛化合物を添加して、貯蔵中の正極のコバルトネツトワ―クの破壊を抑制する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水酸化ニツケルを主体とするペ―スト中にコバルト粉末などの導電助剤を加えたり、この正極ペ―ストや電解液中にさらに亜鉛を添加して、正極の利用率を向上させたり、サイクル特性を改善しようとしても、期待したほどの効果は得られず、また貯蔵特性の改善効果はほとんど望めない。しかも、正極ペ―スト中に添加される亜鉛は、コバルトと異なり、導電性がないため、これを添加することにより、正極の利用率を低下させることになる。また、正極の製造に際して、水酸化ニツケルに亜鉛を含ませたペ―ストを導電性多孔基材に充填したのち、アルカリ水溶液に浸漬すると、このアルカリ水溶液中に亜鉛酸化物が溶出しやすく、亜鉛の添加効果が十分に得られなくなる。
【0007】
さらに、亜鉛の溶出量を考慮して、アルカリ水溶液中の亜鉛濃度を高くし、亜鉛の添加量を増加することも考えられるが、利用率の向上のために、所定量以上は正極に添加できず、またそのように多量の亜鉛を添加することによつて、コバルトネツトワ―クの破壊抑制に全く寄与しない不要な亜鉛を生ずることになり、価格上および資源上、好ましいものとはいえない。
【0008】
このように、従来から、水酸化ニツケルを活物質とした正極ペ―スト中にコバルト化合物を添加することで、導電性のネツトワ―クを形成し、これにより正極の利用率を向上させることが行われてきたが、高温貯蔵時に上記導電性のネツトワ―クが破壊されやすく、貯蔵特性が低下する問題があつた。また、上記導電性のネツトワ―クを保護するために、正極ペ―スト中に亜鉛を添加すると、正極の利用率が低下するとともに、ネツトワ―ク形成のためのアルカリ浸漬処理で亜鉛が溶出し、所期の効果が得られなくなる問題があつた。さらに、上記亜鉛の添加量を多くすると、価格上や資源上の問題を無視できなかつた。
【0009】
本発明は、このような事情に照らし、ペ―スト式ニツケル正極における活物質間の導電性を確保して、正極の利用率を向上するとともに、貯蔵特性も改善した水素化物二次電池を提供すること、また低価格化、低資源化をはかれる上記水素化物二次電池を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、活物質である水酸化ニツケル粒子にコバルト粉などの導電助剤を添加した正極ペ―ストを導電性多孔基材に充填し、これを亜鉛などを溶解させたアルカリ水溶液に浸漬し、加熱工程を経るなどして、導電性のネツトワ―クを形成するにあたり、上記の浸漬処理後、同水溶液中で特定の電圧処理を施すようにしたときに、水酸化ニツケル粒子の表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されることを知つた。
【0011】
このような亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されると、コバルトリツチな下層が高い導電性を付与して、正極の集電性を高めて利用率を向上させ、一方、亜鉛リツチな上層が高温貯蔵時でのコバルトの還元を抑制して、上記の導電性を維持しつつ耐還元性にすぐれたネツトワ―クの形成を可能とし、これにより、高い正極利用率とともに、すぐれた高温貯蔵特性を有する水素化物二次電池が得られることを知つた。また、このような正極の作製方法によると、亜鉛の添加量を低減でき、低価格化、低資源化にも貢献できることがわかつた。
【0012】
本発明は、以上の知見に基づいて、完成されたものである。
すなわち、本発明は、水酸化ニツケル粒子を活物質とするペ―スト式ニツケル正極と水素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解液とセパレ―タを有する水素化物二次電池において、上記の水酸化ニツケル粒子は、表面に亜鉛−コバルト複合化合物の層を有し、かつこの層が亜鉛:コバルトの原子比が1:15〜1:40の下層と同原子比が1:2.5〜1:3.5の上層とからなることを特徴とする水素化物二次電池(請求項1)、とくに、上記の水酸化ニツケル粒子が結晶中に亜鉛または/およびコバルトが固溶されてなる上記構成の水化物二次電池(請求項2)に係るものである。
【0013】
また、本発明は、上記水素化物二次電池の製造法として、ペ―スト式ニツケル正極の作製にあたり、A)水酸化ニツケル粒子とコバルトまたはコバルト化合物を含有するペ―ストを導電性多孔基材に担持させて圧縮成形する工程と、B)この成形体を亜鉛または亜鉛化合物を溶解させたアルカリ水溶液中に浸漬処理する工程と、C)この浸漬処理後にアルカリ水溶液中で上記成形体に正の電位をかけて電圧処理する工程と、D)電圧処理後の上記成形体をアルカリ水溶液が付着した状態で乾燥する工程とを設けて、水酸化ニツケル粒子の表面に、亜鉛:コバルトの原子比が1:15〜1:40の下層と同原子比が1:2.5〜1:3.5の上層とからなる亜鉛−コバルト複合化合物の層を形成することを特徴とする水素化物二次電池の製造方法(請求項3)、とくに、上記のA工程において、水酸化ニツケル粒子とコバルトまたはコバルト化合物を含有するペ―スト中にさらに亜鉛または亜鉛化合物を添加する上記構成の水化物二次電池の製造方法(請求項4)に係るものである。
【0014】
なお、本発明において、亜鉛−コバルト複合化合物の層における上記原子比は、EDX(エネルギ―分散型X線分析器:kevex社製「kevex sigma EDX」、電子加速電圧200keV、測定面積0.01μm2 )により、水酸化ニツケルの粒子断面の母層(水酸化ニツケル)、コバルトリツチな下層および亜鉛リツチな上層における亜鉛とコバルトの存在量を算出し、検量線法により、その比を求めたものである。ここで、検量線は、発光分光分析法(ICP法、日本ジヤ―レル・アツシユICP727、シングルモ―ド)により、亜鉛とコバルトの総量を測定した亜鉛とコバルトの固容量の異なる水酸化ニツケルを用いて作製することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のペ―スト式ニツケル正極において、水酸化ニツケルの粒子表面には、図1に示すように、母層(水酸化ニツケル)1上に亜鉛−コバルト複合化合物の層2が形成され、この層2はコバルトリツチな下層21と亜鉛リツチな上層22とから構成されていることを特徴とする。この図1は、実施例1で作製したペ―スト式ニツケル正極における水酸化ニツケルのTEM(透過型電子顕微鏡)による断面構造(倍率:300,000倍の写真)を示したものである。
【0016】
コバルトリツチな下層21において、亜鉛:コバルトの原子比は1:15〜1:40、好適には1:20〜1:35である。このような原子比に設定すると、正極の導電性にすぐれて、活物質である水酸化ニツケルの利用率を向上できる。また、亜鉛リツチな上層22において、亜鉛:コバルトの原子比は1:2.5〜1:3.5、好適には1:2.7〜1:3.4である。このような原子比に設定すると、導電性の低減でコバルトの還元が抑制され、高温貯蔵中での導電性のネツトワ―クの破壊を防止できるとともに、下層の導電性の高いコバルトリツチ層を保護して、利用率を維持しつつ、高温貯蔵特性を向上できる。
【0017】
このようなペ―スト式ニツケル正極は、A)水酸化ニツケルとコバルトまたはコバルト化合物を含有するペ―ストを導電性多孔基材に担持させて圧縮成形する工程と、B)この成形体を亜鉛または亜鉛化合物を溶解させたアルカリ水溶液中に浸漬処理する工程と、C)この浸漬処理後にアルカリ水溶液中で上記成形体に正の電位をかけて電圧処理する工程と、D)電圧処理後の上記成形体をアルカリ水溶液が付着した状態で乾燥する工程とにより、作製される。
【0018】
A工程では、正極の活物質である水酸化ニツケル粉末に、導電助剤としてコバルト粉末またはコバルト酸化物、コバルト塩化物、コバルト錯体などのコバルト化合物粉末を加え、さらにカルボキシルメチルセルロ―ス、ポリテトラフルオロエチレンなどのバインダを混練して、ペ―スト化し、これをニツケル発泡体などの導電性多孔基材に担持させ、乾燥して、圧縮成形する。
【0019】
上記のペ―スト化にあたり、導電性を向上するために、他の導電助剤として、粒子径3μm以下のニツケル粉末を加えることができる。また、水酸化ニツケルの粒子表面に形成する亜鉛−コバルト複合化合物の層における亜鉛:コバルトの原子比の調整を容易にするため、B工程のアルカリ水溶液中に添加する亜鉛または亜鉛化合物を上記ペ―スト中にも加えることができる。
【0020】
水酸化ニツケル粉末は、従来から公知のものを使用できるが、その中でも、水酸化ニツケルの結晶中に亜鉛が1〜5重量%または/およびコバルトが0.5〜2重量%固溶されたものは、B工程のアルカリ浸漬処理時に上記固溶された亜鉛やコバルトが水酸化ニツケルの粒子表面に溶出し、下層の亜鉛:コバルトの原子比の調整が容易となり、また上記溶出によりペ―ストおよびアルカリ水溶液に添加する亜鉛または亜鉛化合物の量を低減できるので、好ましい。
【0021】
また、このような水酸化ニツケル粉末の粒子構造としては、利用率を向上するために、微細な細孔構造を有しているのが好ましく、細孔半径のピ―ク値が10Å以下であるのがとくに好ましい。なお、上記の細孔半径とは、窒素吸着法(ユアサアイオニクス、オ―トソ―プ1)で試料1gを80℃で10-3Torr以下まで真空引きする前処理を行つたものを測定細孔径1〜100Å(MP+BJH法)、測定時間127分で、相対圧力(P/Po)0.995以上まで窒素ガスを吸着させたのち、脱離剤で測定したときの値である。
【0022】
B工程では、上記のように圧縮成形した成形体を、亜鉛または亜鉛化合物を溶解させたアルカリ水溶液中に浸漬処理する。アルカリ水溶液は、水に水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリを20〜40重量%の濃度に溶解させ、これに3重量%以下、好ましくは1重量%以下の濃度で亜鉛または亜鉛酸化物、亜鉛塩化物、亜鉛錯体などの亜鉛化合物を添加したものが用いられる。
【0023】
この浸漬処理により、成形体中のコバルト化合物の溶解析出が生じ、成形体中で水酸化ニツケルをつなぐ水酸化コバルトのネツトワ―クが形成され、アルカリ水溶液中にはコバルトイオンが飽和する。この際の処理温度としては、コバルトのネツトワ―クの形成を十分かつ円滑に進めるとともに、活物質である水酸化ニツケルの脱落を防止するため、40〜100℃とするのが好ましく、50〜80℃とするのがより好ましい。また、同様の理由で、浸漬処理時間としては、5〜120分が好ましく、20〜100分がより好ましい。
【0024】
C工程では、上記の浸漬処理後に、さらにアルカリ水溶液中で電圧処理する。これは、アルカリ水溶液を入れた浴槽(ステンレス)をマイナス極とし、成形体(正極)をプラス極として、電圧を印加する、つまり、上記成形体に対して正の電位をかけるようにすればよい。こうすることにより、アルカリ水溶液中に溶解した亜鉛イオンとコバルトイオンが水酸化コバルトのネツトワ―ク上や水酸化ニツケルの表面に集積し、電位をかけることで微少電流が流れ、コバルト化合物やコバルト−亜鉛複合化合物が酸化され、より結晶性の高い、安定した亜鉛−コバルト複合化合物のネツトワ―クを形成できる。
【0025】
このネツトワ―ク形成時の条件は、水酸化ニツケルの粒子表面への亜鉛の集積効率を向上させ、またコバルト化合物の酸化を十分に進ませて、結晶性にすぐれる亜鉛−コバルト複合化合物のネツトワ―クとし、さらにこの層の原子比を調整するためにも、電圧がHg/HgOに対して0.1〜0.4Vであるのが好ましく、0.2〜0.3Vであるのがより好ましい。また、操作時間としては、生産性の点より、1〜10分が好ましく、3〜8分がより好ましい。
【0026】
D工程では、上記のように電圧処理したのち、アルカリ水溶液が付着した状態で乾燥する。この乾燥により、水酸化コバルトのネツトワ―ク上や水酸化ニツケル粒子の表面の亜鉛とコバルトの複合化合物がより強固で高次な酸化物となる。この乾燥の温度は、上記酸化を十分に行うとともに、導電性のないCo3 4 の生成を抑制するために、40〜100℃とするのが好ましく、50〜80℃とするのがより好ましい。また、同様の理由で、乾燥の時間は、5〜120分とするのが好ましく、30〜90分とするのがより好ましい。
【0027】
その後、水洗し、乾燥すると、本発明のペ―スト式ニツケル正極が得られる。この正極は、これに含まれる活物質である水酸化ニツケルの粒子表面に前記したコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されており、この特異な構成により、導電性にすぐれて高い利用率を示し、かつ高温貯蔵性にすぐれたものとなる。
【0028】
本発明の負極に用いる水素吸蔵合金としては、とくに制限されるものではないが、たとえば、Mm(La、Ce、Nd、Pr)−Ni系、Ti−Ni系、Ti−NiZr(Ti2-x Zrx 4-y Niy 1-z Crz 系(x=0〜1.5、y=0.6〜3.5、z=0.2以下)、Ti−Mn系、Zr−Mn系などの各種の水素吸蔵合金が挙げられる。これらの水素吸蔵合金の粒子径としては、通常、100μm以下であるのが好ましい。
【0029】
なお、上記の水素吸蔵合金の中でも、とくにMm(La、Ce、Nd、Pr)−Ni系であつて、Niの一部をMn、Co、Al、Mg、CuおよびCrの中から選択される少なくとも1種の元素で置換した水素吸蔵合金が好ましく、またMm中の希土類元素のLaなどの含有量を多くした高容量の非化学量論組成の水素吸蔵合金(たとえば、Mm1に対して、他のNi、Mn、Co、Al、Mgなどの元素の合計量が5.02〜5.45である水素吸蔵合金)が好ましい。この水素吸蔵合金は、低い水素平衡圧で高容量化が期待でき、水素吸蔵合金として好ましいものであるが、表面に添加金属が多く存在するため、通常では、高温貯蔵時に添加金属の溶出が多く、正極活物質の利用率の低下が生じやすい。しかし、このような水素吸蔵合金と前記した耐還元性にすぐれた水酸化ニツケルと組み合わせて使用すると、上記問題も低減でき、本発明にとくに有効である。
【0030】
本発明の負極は、上記の水素吸蔵合金とバインダとを、必要によりニツケル粉末などの導電助剤とともにペ―スト化し、これをニツケル発泡体基材などに担持させ、乾燥したのち、圧縮成形しシ―ト状に裁断することによつて作製される。バインダは、水素吸蔵合金を結着できる機能を有する限り、とくに制限なく使用できる。具体的には、ポリエチレンフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリオレフイン、ポリビニルアルコ―ル、ポリアクリル酸、ポリテトラフロオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポロビニルピロリドン、メチルセルロ―ス、カルボキシメチルセルロ―スなどが挙げられる。それらの中でも、とくにポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ―ル、メチルセルロ―ス、カルボキシメチルセルロ―スなどの水溶性高分子が好ましい。
【0031】
本発明においては、上記のペ―スト式ニツケル正極および負極を用い、この正負両極とさらにこれらを分離するナイロン不織布などのセパレ―タを電池缶内に装填するとともに、電解液として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水溶液にLiOHなどの電解質を溶解させたアルカリ水溶液を注入することにより、水素化物二次電池を得ることができる。
【0032】
本発明の水素化物二次電池においては、上記の電解液中にさらに亜鉛または亜鉛化合物を共存させたものを用いるのが好ましい。このような電解液を用いることにより、亜鉛−コバルト複合化合物のネツトワ―ク中から電解液中への溶出を防止でき、コバルトの還元を抑制することにより、正極の利用率と高温貯蔵特性をさらに向上させることができる。電解液中に添加する亜鉛または亜鉛化合物の添加量としては、上記の効果を得るためにも、電解液に対して酸化亜鉛換算で1重量%以上飽和濃度以下とするのが好ましい。
【0033】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0034】
実施例1
市販のMm(La、Ce、Nd、Pr)、Ni、Co、Mn、AlおよびMo(いずれも純度99.9重量%以上)の各試料を、Mm(La:0.32原子%、Ce:0.48原子%、Nd:0.15原子%、Pr:0.04原子%)、Ni:3.55原子%、Co:0.75原子%、Mn:0.4原子%、Al:0.3原子%、Mo:0.04原子%の組成(Mm1に対して、Ni、Co、Mn、AlおよびMoの合計量が5.04)になるように、高周波溶解炉によつて加熱溶解し、水素吸蔵合金を得た。この合金を耐圧容器中で10-4Torrまで真空引きを行い、アルゴンガスで3回パ―ジを行つたのち、水素圧力14kg/cm2 で24時間保持し、水素を排気し、さらに400℃で加熱し、水素を完全に放出することにより、20〜100μmの粉末を得た。
【0035】
この合金粉末100部に、3重量%のカルボキシメチルセルロ―ス水溶液50部、60重量%のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)分散液5部、カルボニルニツケル粉末10部を混合し、ペ―ストを調製した。このペ―ストをニツケル発泡体基材に充填担持させ、乾燥後、圧縮成形した。その後、所定サイズに裁断して、負極シ―トとした。
【0036】
これとは別に、水酸化ニツケル粉末(結晶中に亜鉛が2重量%、コバルトが1重量%固溶され、細孔半径のピ―ク値が8Åである)100部に、ニツケル粉末10部、コバルト粉末10部、酸化亜鉛1部、2重量%のカルボキシメチルセルロ―ス水溶液5部、60重量%のPTFE分散液5部を混合し、ペ―ストとした。このペ―ストをニツケル発泡体基材に充填担持させ、80℃で2時間乾燥後、1トン/cm2 で圧縮成形して、シ―ト状とした。つぎに、このシ―ト状物を、酸化亜鉛を1重量%溶解させた70℃のアルカリ水溶液(水酸化カリウムの30重量%水溶液)に60分間浸漬処理し、さらに70℃の状態で浴槽(ステンレス)をマイナス極とし、シ―ト状物からなる電極をプラス極として、電圧処理した。電圧はHg/HgOに対して0.25Vとし、5分間通電した。ついで、アルカリ水溶液が付着した状態で70℃で60分間乾燥した。その後、水洗し、乾燥し、所定サイズに裁断して、正極シ―トとした。
【0037】
この正極シ―トについて、その一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた。その結果、図1(倍率:300,000倍の写真)に示すように、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていた。各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:25、上層が1:3であつた。
【0038】
上記の負極シ―トと正極シ―トをナイロン不織布製のセパレ―タを介して捲回し、単3サイズの電極缶に入れ、電解液を注入した。電解液としては、30重量%水酸化カリウム水溶液1リツトルにLiOHを17g溶解させたアルカリ水溶液に酸化亜鉛を3重量%添加したものを用いた。樹脂製封口体に正極タブをスポツト溶接し、負極の最外周部分は缶の側面に接触させたのち、密封した。これを60℃で17時間保存し、0.1C(120mA)で15時間放電し、0.2C(220mA)で1.0Vまで放電した。このサイクルを放電容量が一定になるまで繰り返し、水素化物二次電池を作製した。
【0039】
実施例2
実施例1の正極シ―トの作製において、水酸化ニツケルとして、結晶中に亜鉛が3.5重量%、コバルトが0.5重量%固溶され、細孔半径のピ―ク値が6Åであるものを使用し、アルカリ水溶液中の浸漬処理を80℃で45分間とし、また電圧処理として80℃の状態で0.35Vで8分間通電させ、さらにアルカリ水溶液が付着した状態の乾燥を80℃で45分間とした以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていた。また、各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:35、上層が1:2.8であつた。
【0040】
実施例3
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時に酸化亜鉛を添加せず、アルカリ水溶液中の酸化亜鉛濃度を3重量%とし、このアルカリ水溶液中の浸漬処理を50℃で100分間とし、また電圧処理として60℃の状態で0.1Vで5分間通電させ、さらにアルカリ水溶液が付着した状態の乾燥を80℃で30分間とした以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていた。また、各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:32、上層が1:3.3であつた。
【0041】
実施例4
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時に酸化亜鉛を添加せず、アルカリ水溶液中の酸化亜鉛濃度を3重量%とし、このアルカリ水溶液中の浸漬処理を80℃で20分間とし、また電圧処理として60℃の状態で0.1Vで5分間通電させ、さらにアルカリ水溶液が付着した状態の乾燥を80℃で20分間とした以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていた。また、各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:30、上層が1:3.2であつた。
【0042】
実施例5
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時に酸化亜鉛を添加せず、アルカリ水溶液中の酸化亜鉛濃度を3重量%とし、このアルカリ水溶液中の浸漬処理を60℃で20分間とし、また電圧処理として80℃の状態で0.4Vで5分間通電させ、さらにアルカリ水溶液が付着した状態の乾燥を80℃で30分間とし、電解液におけるアルカリ水溶液への酸化亜鉛の添加量を1.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていた。また、各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:27、上層が1:2.9であつた。
【0043】
実施例6
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時の酸化亜鉛の添加量を0.5部にするとともに、アルカリ水溶液中の酸化亜鉛濃度を2重量%とし、このアルカリ水溶液中の浸漬処理を60℃で60分間とし、また電圧処理として60℃の状態で0.1Vで3分間通電させ、さらにアルカリ水溶液が付着した状態の乾燥を80℃で30分間とした以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていることがわかつた。また、各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:19、上層が1:3.4であつた。
【0044】
実施例7
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時に酸化亜鉛を添加せず、アルカリ水溶液中の酸化亜鉛濃度を3重量%とし、このアルカリ水溶液中の浸漬処理を60℃で60分間とし、また電圧処理として60℃の状態で0.3Vで5分間通電させ、さらにアルカリ水溶液が付着した状態の乾燥を100℃で50分間とした以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層が形成されていた。また、各層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、下層が1:23、上層が1:2.7であつた。
【0045】
比較例1
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時に酸化亜鉛を添加せず、またアルカリ水溶液中にも酸化亜鉛を添加せず、さらにアルカリ水溶液中での浸漬処理後に電圧処理を施さず、電解液中に酸化亜鉛を添加しなかつた以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面には、亜鉛−コバルト複合化合物の層が1層だけ形成されていることがわかつた。また、この層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、1:95であつた。
【0046】
比較例2
実施例1の正極シ―トの作製において、水酸化ニツケルとして、結晶中に亜鉛およびコバルトが固溶されていないものを使用し、アルカリ水溶液中に酸化亜鉛を添加せず、またアルカリ水溶液中での浸漬処理後に電圧処理を施さなかつた以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面には、亜鉛−コバルト複合化合物の層が1層だけ形成されていることがわかつた。また、この層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、1:45であつた。
【0047】
比較例3
実施例1の正極シ―トの作製において、ペ―スト調製時に酸化亜鉛を添加せず、アルカリ水溶液の酸化亜鉛濃度を4重量%とし、またアルカリ水溶液中の浸漬処理後に電圧処理を施さなかつた以外は、実施例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。正極シ―トの一部を粉砕し、活物質である水酸化ニツケルを取り出し、これをスライスして、TEM−EDX分析を行つた結果、水酸化ニツケルの粒子表面には、亜鉛−コバルト複合化合物の層が1層だけ形成されていることがわかつた。また、この層の亜鉛:コバルトの原子比をEDXにより分析したところ、1:50であつた。
【0048】
上記の実施例1〜7および比較例1〜3の各水素化物二次電池について、放電容量、正極の利用率を調べた。放電容量は比較例2の電池の放電容量を100%として比較した。また、放電後の電池を60℃で40日間貯蔵したのち、0.1C(120mA)で15時間充電し、0.2C(220mA)で1.0Vまで放電するサイクルを3回行い、3回目の放電容量から、回復率(%)=(貯蔵後の放電容量/貯蔵前の放電容量)×100、を求めた。また、上記の各水素化物二次電池の製造における正極シ―トの作製にあたり、アルカリ水溶液中に浸漬処理する工程で、アルカリ水溶液中に残存した亜鉛量を発光分光分析法(ICP法、日本ジヤ―レル・アツシユICP727、シングルモ―ド)により測定し、添加量に対して廃棄された亜鉛量を測定した。これらの結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0049】
Figure 0004187351
【0050】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜7の水素化物二次電池は、正極の利用率が、比較例1〜3の水素化物二次電池に比べて、2〜5%程度高く、電池容量が高くなつており、また高温貯蔵後の回復率も高くなつていることがわかる。さらに、正極シ―トの作製にあたり、アルカリ水溶液中での浸漬処理後に特定の電圧処理を施すようにした実施例1〜7の方法によると、添加亜鉛が効率よく使用されていることもわかる。
【0051】
また、実施例1〜7で使用した水酸化ニツケルは、結晶中に亜鉛およびコバルトが固溶されたものであるため、粒子表面への耐還元性にすぐれた亜鉛−コバルト複合化合物の層の形成が容易になつているものと考えられ、さらに細孔半径の最大値が10Å以下の微細な細孔構造を持つ水酸化ニツケルを用いているため、利用率を向上でき、高容量化可能であるとともに、電解液にも酸化亜鉛を添加しているため、負極として合金溶出の多い高容量の水素吸蔵合金を使用しているにもかかわらず、高温貯蔵特性にすぐれているものと考えられる。
【0052】
これに対して、正極ペ―スト中にのみ亜鉛を添加し、電圧処理を施さなかつた比較例2の水素化物二次電池では、アルカリ水溶液中での処理時に上記ペ―スト中の亜鉛が溶出して、廃棄亜鉛を生じた。また、電圧処理を施さなかつた比較例3の水素化物二次電池では、アルカリ水溶液中の亜鉛消費量が少なく、添加量に対して廃棄される亜鉛の量が多かつた。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ペ―スト式ニツケル正極において、活物質である水酸化ニツケルの粒子表面にコバルトリツチな下層と亜鉛リツチな上層とからなる2層構成の亜鉛−コバルト複合化合物の層を形成したことにより、高い正極利用率とすぐれた高温貯蔵特性を有する水素化物二次電池を提供できる。また、上記構成のペ―スト式ニツケル正極の作製に際し、水酸化ニツケルとコバルトまたはコバルト化合物を含有するペ―ストを導電性多孔基材に担持させて圧縮成形し、これを亜鉛または亜鉛化合物を溶解させたアルカリ水溶液中に浸漬処理し、さらに特定の電圧処理を施したのち、乾燥するようにしたことにより、高い正極利用率とすぐれた高温貯蔵特性が得られるうえに、添加する亜鉛量を低減でき、水素化物二次電池の低価格化、低資源化もはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のペ―スト式ニツケル正極における水酸化ニツケルの透過型電子顕微鏡による断面構造(倍率:300,000倍の写真)を示したものである。
【符号の説明】
1 母層(水酸化ニツケル)
2 亜鉛−コバルト複合化合物の層
21 コバルトリツチな下層
22 亜鉛リツチな上層

Claims (4)

  1. 水酸化ニツケル粒子を活物質とするペ―スト式ニツケル正極と水素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解液とセパレ―タを有する水素化物二次電池において、上記の水酸化ニツケル粒子は、表面に亜鉛−コバルト複合化合物の層を有し、かつこの層が亜鉛:コバルトの原子比が1:15〜1:40の下層と同原子比が1:2.5〜1:3.5の上層とからなることを特徴とする水素化物二次電池。
  2. 水酸化ニツケル粒子は、結晶中に亜鉛または/およびコバルトが固溶されてなる請求項1に記載の水化物二次電池。
  3. 水酸化ニツケル粒子を活物質とするペ―スト式ニツケル正極と水素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解液とセパレ―タを有する水素化物二次電池の製造方法において、上記のペ―スト式ニツケル正極の作製にあたり、A)水酸化ニツケル粒子とコバルトまたはコバルト化合物を含有するペ―ストを導電性多孔基材に担持させて圧縮成形する工程と、B)この成形体を亜鉛または亜鉛化合物を溶解させたアルカリ水溶液中に浸漬処理する工程と、C)この浸漬処理後にアルカリ水溶液中で上記成形体に正の電位をかけて電圧処理する工程と、D)電圧処理後の上記成形体をアルカリ水溶液が付着した状態で乾燥する工程とを設けて、水酸化ニツケル粒子の表面に、亜鉛:コバルトの原子比が1:15〜1:40の下層と同原子比が1:2.5〜1:3.5の上層とからなる亜鉛−コバルト複合化合物の層を形成することを特徴とする水素化物二次電池の製造方法。
  4. A工程において、水酸化ニツケル粒子とコバルトまたはコバルト化合物を含有するペ―スト中にさらに亜鉛または亜鉛化合物を添加する請求項3に記載の水化物二次電池の製造方法。
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