JPH10172558A - 水素化物二次電池 - Google Patents

水素化物二次電池

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JPH10172558A
JPH10172558A JP8328535A JP32853596A JPH10172558A JP H10172558 A JPH10172558 A JP H10172558A JP 8328535 A JP8328535 A JP 8328535A JP 32853596 A JP32853596 A JP 32853596A JP H10172558 A JPH10172558 A JP H10172558A
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JP
Japan
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zinc
nickel hydroxide
secondary battery
hydride secondary
particle size
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JP8328535A
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Hiroshi Fukunaga
浩 福永
Hiromi Tamakoshi
博美 玉腰
Tatsu Nagai
龍 長井
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Hitachi Maxell Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペ─スト式ニツケル正極の利用率を向上さ
せ、かつ貯蔵特性を改善した水素化物二次電池を提供す
る。 【解決手段】 水酸化ニツケルを活物質とする正極と水
素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解
液とセパレ─タを有する水素化物二次電池において、上
記の水酸化ニツケルは粒度が2〜40μm、平均粒径が
8±2μmの粉末で、この粉末は平均粒径以上の粒子が
球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重量%以上も球状
であるとともに、電池内、とくに正極中または電解液中
に亜鉛または亜鉛化合物を含ませたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極の活物質とし
てペ─スト式水酸化ニツケルを用いた水素化物二次電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を用いた水素化物二次電池
は、多量の水素を吸蔵、放出する能力を有し、アルカリ
水溶液中でも電気化学的に水素の吸蔵、放出を行うこと
が可能であり、ニツケル極を正極に用いた場合、次式の
ように電池反応が起こる。負極の反応式中、MはLaN
i5系やTi−Ni系などの水素吸蔵合金である。
【0003】正極および負極の反応式において、充電で
は、反応は右に進み、アルカリ水溶液中の水を電気分解
して、水素を吸蔵し、水酸基を生じ、この水酸基と正極
であるNi(OH)2 とが反応して、NiOOHとな
り、水を生じる。また、放電の場合は、反応は左に進
み、上記と逆の反応となる。つまり、負極では充電で水
素の吸蔵が起こり、放電で水素の放出となる。
【0004】ニツケル極としては、特開平1−2273
63号公報などに開示のように、高容量化や低価格化の
ために、空孔率が95%以上、孔径が数μm〜100μ
m程度の導電性多孔基材を用い、これに水酸化ニツケル
を主体とする活物質スラリ─を担持させる、いわゆるペ
─スト式が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ペ─スト式電
極は、焼結式電極に比べて孔径が大きいため、活物質の
集電体までの距離が長く、利用率や負荷特性に劣り、ま
た対極から溶出、析出する金属の影響を受けやすく、長
期貯蔵後の容量劣化を招きやすい。「湯浅時報」No.
65,第28頁(1988年)には、正極中にニツケル
粉末、コバルト粉末またはコバルト化合物粉末などの導
電助剤を加えて利用率を向上させることが提案されてい
るが、この種の電池のさらなる高容量化のためには、活
物質である水酸化ニツケル自体の利用率を向上させるこ
とが必要である。
【0006】本発明は、上記事情にてらし、ペ─スト式
ニツケル正極の利用率を向上させ、かつ貯蔵特性を改善
した水素化物二次電池を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して、鋭意検討したところ、ペ─スト式電極に用
いられる従来の水酸化ニツケル粉末は、一般に、硫酸ニ
ツケル水溶液に水酸化ナトリウムを加えて水酸化ニツケ
ルの沈殿物を得、これを水洗、乾燥してつくられている
が、このものは通常数μm〜数10μm程度の粒子径を
有して、粒度分布の幅が広く、しかも、粒子径の大きな
ものは球状であるが、小さなものはダンゴ状のいびつな
形状を有しており、そのために、水酸化ニツケルの理想
的な利用率は110%程度であるにもかかわらず、実際
には95〜100%程度までの利用率しか得られていな
いことが判明した。
【0008】本発明者らは、この知見をもとにさらに検
討を加えた結果、水酸化ニツケル粉末の上記製造に際し
て反応、水洗、乾燥、粉砕などの諸条件を適宜選択する
と、粒度分布が狭くてかつ粒子径の小さいものまで球状
を呈するような特定の水酸化ニツケル粉末が得られ、こ
のものを正極の活物質とすると、利用率が飛躍的に向上
すること、また上記活物質を用いた正極や電解液中など
に亜鉛または亜鉛化合物を添加したり、上記亜鉛などを
添加した電解液中にさらにモリブデンなどの金属などを
添加すると、貯蔵特性も向上し、高容量でかつ貯蔵特性
にすぐれた水素化物二次電池が得られることを知り、本
発明を完成するに至つた。
【0009】本発明は、水酸化ニツケルを活物質とする
正極と水素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液より
なる電解液とセパレ─タを有する水素化物二次電池にお
いて、上記の水酸化ニツケルは粒度が2〜40μm、平
均粒径が8±2μmの粉末で、この粉末は平均粒径以上
の粒子が球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重量%以
上も球状であるとともに、電池内に亜鉛または亜鉛化合
物が添加されていることを特徴とする水素化物二次電池
(請求項1〜3)に係るものである。
【0010】また、上記構成の水素化物二次電池におい
て、亜鉛または亜鉛化合物が正極中に添加され、その添
加量が水酸化ニツケルに対して酸化亜鉛換算で1〜5重
量%である構成(請求項4)、ならびに亜鉛または亜鉛
化合物が電解液中に添加され、その添加量が電解液に対
して酸化亜鉛換算で1重量%以上飽和濃度以下である構
成(請求項5)を、好ましい態様としている。さらに、
上記後者の態様においては、電解液中に亜鉛または亜鉛
化合物とともに、モリブデン、タングステン、クロムま
たはこれら金属の化合物が添加されている構成(請求項
6)を、より好ましい態様とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水酸化ニツケ
ルは、マイクロトラツプ法により測定される粒度が2〜
40μm、平均粒径が8±2μmの粉末であつて、この
粉末はSEM(走査型電子顕微鏡)による観察で平均粒
径以上の粒子が球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重
量%以上も球状である、つまり、従来のものに比べて、
粒度分布の幅が狭くて均一な粒子からなり、かつ粒径の
大きいものだけでなく粒径の小さい粒子までもが球状で
あることを特徴とする。
【0012】従来のように小さい粒子が均一な球状とな
らずダンゴ状となる水酸化ニツケル粉末では、結晶性が
低いため、電気化学的反応の効率が悪くなり、そのぶん
正極の利用率が低くなる。これに対して、本発明の上記
水酸化ニツケル粉末は結晶性が高く、電気化学的反応の
効率が良くなり、正極の利用率が向上するとともに、粒
度分布が狭いため、上記反応が各粒子で均一に起こりや
すく、これも利用率の向上や長寿命化に寄与しているも
のと考えられる。
【0013】本発明の水酸化ニツケル粉末は、硫酸ニツ
ケル水溶液に通常コバルトや亜鉛を溶解させた硫酸溶液
を混合し、これを5〜20℃に保持し、水酸化ナトリウ
ムを加えてpHが11〜12となるように調整して、水
酸化ニツケルの沈澱物を得、この沈澱物を吸引ろ過し、
80〜110℃で乾燥したのち、所定粒度に粉砕し、さ
らに水洗後80〜110℃で乾燥することにより、調製
することができる。この方法は、従来の調製方法と比べ
ると、大きくは、低温(5〜20℃)で水酸化ニツケル
を調製している点で異なつている。
【0014】このように調製される水酸化ニツケル粉末
は、BET吸着法により測定される細孔半径が従来の水
酸化ニツケル粉末と同じ7〜8Åにピ─クを有するとと
もに、5〜6Åの範囲にもピ─クを有するという特異な
性状を示し、通常、7〜8Åのピ―クの強度(la)と
上記の5〜6Åのピ―クの強度(lb)との比(la:
lb)が100:50以上となるものである。
【0015】また、通常は、BET吸着法により測定さ
れる比表面積が5〜20m2/g、BET吸着法により測
定される細孔容積が0.015〜0.030cc/g、平
均細孔半径が25〜50Åの範囲に入つている。BET
吸着法により測定される比表面積は、窒素吸着法(ユア
サアイオニクス、オ─トソ─プ1)で1〜100Å、試
料1g、測定時間127分、吸着側での測定値である。
【0016】本発明においては、電池内に亜鉛または亜
鉛化合物、たとえば亜鉛酸化物、亜鉛塩化物、亜鉛錯体
などを含ませるが、この含ませ方は電池内で亜鉛イオン
として溶解できる状態であれば、任意の方法を採ること
ができる。とくに好ましい方法としては、正極中に添加
する方法、電解液中に添加する方法、さらに好ましくは
これらを併用する方法を挙げることができる。
【0017】正極中に添加する場合、その添加量は水酸
化ニツケルに対して酸化亜鉛換算で1〜5重量%とする
のがよい。5重量%を超えて添加すると、正極の利用率
が低下し、充電容量の不足により、電池容量が劣化す
る。また、電解液中に添加する場合、その添加量は電解
液に対して酸化亜鉛換算で1重量%以上飽和濃度以下と
するのがよい。飽和濃度を超えて添加すると、液の安定
性に問題を生じる。電解液中に添加する場合、亜鉛また
は亜鉛化合物とともに、モリブデン、タングステン、ク
ロムまたはこれら金属の酸化物、塩化物、錯体などの化
合物を一緒に添加すると、貯蔵特性のより一層の改善効
果を図れ、好ましい。
【0018】本発明において、正極は、上記の水酸化ニ
ツケル粉末とカルボキシメチルセルロ―ス、ポリテトラ
フルオロエチレンなどのバインダとを混練し、上記の亜
鉛または亜鉛化合物を添加する場合はこれも添加して混
練し、このペ─ストをニツケル発泡体などの導電性多孔
基材に担持させ、乾燥したのち、圧縮成形することによ
り、作製される。その際、ペ―ストに導電助剤として平
均粒径1.5μm以下のコバルト粉末を含ませてもよ
く、この場合、圧縮成形後にアルカリ水溶液中に浸漬す
る工程を付加するのが望ましい。コバルト粉末のほか、
ニツケル粉末やコバルト化合物などの他の導電助剤を含
ませてもよい。
【0019】このように作製される正極に対し、水素吸
蔵合金よりなる負極を使用し、この正負両極とさらにこ
れらを分離するナイロン不織布などのセパレ―タを電池
缶内に装填するとともに、電解液として水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウムなどの水溶液にLiOHなどの電解
質を溶解させ、上記の亜鉛または亜鉛化合物あるいはこ
れらとモリブデン、タングステン、クロムまたはこれら
金属の化合物を添加する場合はこれらを添加して調製し
たアルカリ水溶液を注入することにより、本発明の水素
化物二次電池が得られる。
【0020】負極に用いる水素吸蔵合金としては、Mm
(La,Ce,Nd,Pr)−Ni系、Ti−Ni系、
Ti−NiZr(Ti2-x Zrx 4-y Niy 1-z
z系(x=0〜1.5、y=0.6〜3.5、z=
0.2以下)、Ti−Mn系、Zr−Mn系などの各種
合金が挙げられる。これらの水素吸蔵合金は、通常は、
カルボキシメチルロ─ス、ポリテトラフルオロエチレン
などのバインダと混練してペ─ストとされ、これをニツ
ケル発泡体基材などに担持させ、乾燥したのち、圧縮成
形することにより、シ―ト状に成形される。
【0021】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。以下において、部とあるのは重量部を
意味する。また、実施例1〜15で用いたタイプA,B
の水酸化ニツケル粉末は、下記の合成例1,2で得たも
のである。
【0022】<合成例1>硫酸ニツケル50重量%の水
溶液10Kgと、コバルト2g、亜鉛4gをそれぞれ溶解
させた硫酸溶液5Kgを混合し、この混合溶液を10〜1
5℃に保持し、撹拌しながら水酸化ナトリウム500g
を加えて、pH11〜12になるように調整した。得ら
れた水酸化ニツケルの沈澱物を吸引ろ過し、90〜95
℃で乾燥したのち、粉砕して、粒度が2〜40μmにな
るように調製した。この粉末を水洗し、90〜95℃で
乾燥して、コバルトと亜鉛が水酸化ニツケルの内部に均
一に固溶した水酸化ニツケル粉末(タイプA)を得た。
【0023】このタイプAの水酸化ニツケル粉末は、I
CP法(発光分光分析法、日本ジヤ─レル・アツシユI
CP727、シングルモ─ド)による測定で、コバルト
含有量が1重量%、亜鉛含有量が2重量%であつた。こ
の水酸化ニツケル粉末について、SEM(倍率1,00
0倍)により観察した結果は、図1に示されるとおりで
あり、平均粒径以上の粒子が球状でかつ平均粒径以下の
粒子の95重量%以上も球状であつた。
【0024】また、マイクロトラツプ法により粒度分布
を調べた結果は、図4に示されるとおりであり、粒度が
2〜40μm、平均粒径が9.2μmであつた。さら
に、BET吸着法により細孔半径を測定した結果は、図
7の曲線−7aに示されるとおりであり、7〜8Åのピ
─クのほかに、5〜6Åにもピ─クを有し、7〜8Åの
ピ─クの強度(la)と5〜6Åのピ─クの強度(l
b)の比(la:lb)は100:83であつた。ま
た、BET吸着法による比表面積は5m2/g、細孔容積
は0.015cc/g、平均細孔半径は25Åであつた。
【0025】<合成例2>コバルトを2g、亜鉛を10
gとした以外は、合成例1と同様にして、水酸化ニツケ
ル粉末(タイプB)を得た。ICP法による測定で、コ
バルト含有量は1重量%、亜鉛含有量は5重量%であつ
た。この水酸化ニツケル粉末について、SEM(倍率
1,000倍)により観察した結果は、図2に示される
とおりであり、平均粒径以上の粒子が球状でかつ平均粒
径以下の粒子の95重量%以上も球状であつた。
【0026】また、マイクロトラツプ法により粒度分布
を調べた結果は、図5に示されるとおりであり、粒度が
2〜40μm、平均粒径が7.2μmであつた。さら
に、BET吸着法により細孔半径を測定した結果は、図
7の曲線−7bに示されるとおりであり、7〜8Åのピ
─クのほかに、5〜6Åにもピ─クを有し、7〜8Åの
ピ─クの強度(la)と5〜6Åのピ─クの強度(l
b)の比(la:lb)は100:70であつた。ま
た、BET吸着法による比表面積は20m2/g、細孔容
積は0.030cc/g、平均細孔半径は50Åであつ
た。
【0027】参考例1 市販のMm(La、Ce、Nd、Pr)、Ni、Co、
Mn、AlおよびMo(いずれも純度99.9重量%以
上)の各試料を、Mm(La:0.32原子%、Ce:
0.48原子%、Nd:0.15原子%、Pr:0.0
4原子%)、Ni:3.55原子%、Co:0.75原
子%、Mn:0.4原子%、Al:0.3原子%、M
o:0.04原子%の組成になるように、高周波溶解炉
によつて加熱溶解し、水素吸蔵合金を得た。この合金を
耐圧容器中で10-4Torrまで真空引きを行い、アル
ゴンガスで3回パ─ジを行つたのち、水素圧力14Kg/
cm2で24時間保持し、水素を排気し、さらに400℃
で加熱し、水素を完全に放出することにより、20〜1
00μmの粉末を得た。
【0028】この合金粉末100部に、3重量%のカル
ボキシメチルセルロ─ス水溶液50部、60重量%のポ
リテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)分
散剤溶液5部、カルボニルニツケル粉末10部を混合
し、ペ─ストを調製した。このペ─ストをニツケル発泡
体基材に充填担持させ、乾燥後、圧縮成形した。その
後、所定サイズに裁断して、負極シ─トとした。
【0029】これとは別に、タイプAの水酸化ニツケル
粉末100部に、ニツケル粉末10部、コバルト粉末1
0部、2重量%のカルボキシメチルセルロ─ス水溶液5
部、60重量%のPTFE分散剤溶液5部を混合し、ペ
─ストとした。このペ─ストをニツケル発泡体基材に充
填担持させ、80℃で2時間乾燥後、1トン/cm2 で圧
縮成形して、シ─ト状とした。これを亜鉛を飽和させた
45℃のアルカリ水溶液に30分間浸漬したのち、80
℃の温水で2時間水洗し、さらに80℃で1時間乾燥
後、圧縮成形し、所定サイズに裁断して、正極シ─トと
した。
【0030】上記の負極シ―トと正極シ─トをナイロン
不織布製のセパレ─タを介して捲回し、単3サイズの電
極缶に入れ、これに電解液(30重量%水酸化カリウム
水溶液1リツトルにLiOHを17g溶解させたアルカ
リ水溶液)を注入した。樹脂製封口体に正極タブをスポ
ツト溶接し、負極の最外周部分は缶の側面に接触させた
のち、密封した。これを60℃で17時間保存し、0.
1C(120mA)で15時間充電し、0.2C(22
0mA)で1.0Vまで放電した。このサイクルを放電
容量が一定になるまで繰り返し、水素化物二次電池を作
製した。
【0031】実施例1〜4 電解液(30重量%水酸化カリウム水溶液1リツトルに
LiOHを17g溶解させたアルカリ水溶液)中に、酸
化亜鉛を1重量%(実施例1)、3重量%(実施例
2)、飽和濃度(約5重量%程度)(実施例3)、酸化
亜鉛を1重量%とモリブデン酸リチウムを1重量%(実
施例4)、添加するようにした以外は、参考例1と同様
にして、4種の水素化物二次電池を作製した。
【0032】実施例5 正極シ─トの作製にあたり、ニツケル発泡体基材に充填
担持させるペ─スト中に、水酸化ニツケル粉末100部
に対し、酸化亜鉛を1部添加するようにした以外は、参
考例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。
【0033】実施例6〜9 電解液(30重量%水酸化カリウム水溶液1リツトルに
LiOHを17g溶解させたアルカリ水溶液)中に、酸
化亜鉛を1重量%(実施例6)、3重量%(実施例
7)、飽和濃度(約5重量%程度)(実施例8)、酸化
亜鉛を1重量%とモリブデン酸リチウムを1重量%(実
施例9)、添加するようにした以外は、実施例5と同様
にして、4種の水素化物二次電池を作製した。
【0034】実施例10 正極シ─トの作製にあたり、ニツケル発泡体基材に充填
担持させるペ─スト中に、水酸化ニツケル粉末100部
に対し、酸化亜鉛を5部添加するようにした以外は、参
考例1と同様にして、水素化物二次電池を作製した。
【0035】実施例11〜14 電解液(30重量%水酸化カリウム水溶液1リツトルに
LiOHを17g溶解させたアルカリ水溶液)中に、酸
化亜鉛を1重量%(実施例11)、3重量%(実施例1
2)、飽和濃度(約5重量%程度)(実施例13)、酸
化亜鉛を1重量%とモリブデン酸リチウムを1重量%
(実施例14)、添加するようにした以外は、実施例1
0と同様にして、4種の水素化物二次電池を作製した。
【0036】実施例15 正極の水酸化ニツケル粉末として、タイプBの水酸化ニ
ツケル粉末を用いた以外は、実施例14(正極中に酸化
亜鉛を5部添加し、かつ電解液中に酸化亜鉛を1重量%
とモリブデン酸リチウムを1重量%添加する)と同様に
して、水素化物二次電池を作製した。
【0037】比較例1 正極の水酸化ニツケル粉末として、市販の水酸化ニツケ
ル粉末を用いた以外は、参考例1と同様にして、水素化
物二次電池を作製した。
【0038】なお、用いた市販の水酸化ニツケル粉末に
ついて、SEM(倍率1,000倍)により観察した結
果は、図3に示されるとおりであり、平均粒径以上の粒
子は球状であつたが、平均粒径以下の粒子はダンゴ状で
いびつな形状であつた。また、マイクロトラツプ法によ
り粒度分布を調べた結果は、図6に示されるとおりであ
り、粒度が0.4〜96μm、平均粒径が12μmで、
粒度分布幅の広いものであつた。さらに、BET吸着法
により細孔半径を測定した結果は、図7の曲線−7cに
示されるとおりであり、7〜8Åにピ─クがみられた
が、5〜6Åにピ─クはみられなかつた。また、BET
吸着法による比表面積は20m2/g、細孔容積は0.0
30cc/g、平均細孔半径は35Åであつた。
【0039】上記の実施例1〜15、参考例1および比
較例1の各水素化物二次電池について、充電容量、電池
容量および正極の利用率を調べた。また、貯蔵試験とし
て、放電後の電池を60℃で40日間保存し、保存後
0.1Cで15時間充電したのち、0.2Cで1.0V
まで放電した。保存後の容量を保存前の容量で割り、1
00をかけ、回復率とした。結果は、表1に示されると
おりであつた。
【0040】
【0041】上記の結果から、本発明の実施例1〜15
の各水素化物二次電池は、表1に示すように、正極利用
率が、従来の水酸化ニツケル粉末を用いた比較例1の水
素化物二次電池に比べて、10%程度高く、電池容量が
高くなつており、しかも、貯蔵試験による回復率が、上
記の比較例1および参考例1(酸化亜鉛を添加しない以
外は実施例1と同様構成)の電池に比べて、高くなつて
おり、高容量でかつ貯蔵特性にすぐれていることがわか
る。
【0042】なお、以上の実施例では、正極または電解
液中に添加する亜鉛源として、酸化亜鉛を用いている
が、亜鉛塩化物、亜鉛錯体などの他の亜鉛化合物や、金
属亜鉛を用いたときでも、上記とほぼ同様の効果が奏さ
れることが確認されている。また、電解液中に酸化亜鉛
とともに添加したモリブデン酸リチウムに代えて、他の
モリブデン酸化合物や金属モリブデンを用いたときで
も、さらにタングステン、クロムまたはこれら金属の化
合物を用いたときでも、やはり上記とほぼ同様の効果が
奏されることが確認されている。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明は、水酸化ニツケ
ル粉末として特定性状のものを用い、かつ電池内に亜鉛
または亜鉛化合物あるいはこれとモリブデン、タングス
テン、クロムまたはこれら金属の化合物を添加したこと
により、ニツケル正極の利用率を向上できるとともに、
貯蔵特性の改善を図れ、高容量でかつ貯蔵特性にすぐれ
た水素化物二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜14で用いたタイプAの水酸化ニツ
ケル粉末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率1,
000倍)写真である。
【図2】実施例15で用いたタイプBの水酸化ニツケル
粉末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率1,00
0倍)写真である。
【図3】比較例1で用いた市販の水酸化ニツケル粉末の
粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率1,000倍)
写真である。
【図4】実施例1〜14で用いたタイプAの水酸化ニツ
ケル粉末の粒度分布図である。
【図5】実施例15で用いたタイプBの水酸化ニツケル
粉末の粒度分布図である。
【図6】比較例1で用いた市販の水酸化ニツケル粉末の
粒度分布図である。
【図7】実施例1〜15で使用したタイプA,Bの水酸
化ニツケル粉末と比較例1で使用した市販の水酸化ニツ
ケル粉末の細孔半径を示す特性図である。
【符号の説明】
7a 実施例1〜14で用いたタイプAの水酸化ニツケ
ル粉末 7b 実施例15で用いたタイプBの水酸化ニツケル粉
末 7c 比較例1で用いた市販の水酸化ニツケル粉末

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニツケルを活物質とする正極と水
    素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解
    液とセパレ─タを有する水素化物二次電池において、上
    記の水酸化ニツケルは粒度が2〜40μm、平均粒径が
    8±2μmの粉末で、この粉末は平均粒径以上の粒子が
    球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重量%以上も球状
    であるとともに、電池内に亜鉛または亜鉛化合物が添加
    されていることを特徴とする水素化物二次電池。
  2. 【請求項2】 水酸化ニツケル粉末は、細孔半径が少な
    くとも7〜8Åのピ―クと5〜6Åのピ─クを有すると
    ともに、7〜8Åのピ―クの強度(la)と5〜6Åの
    ピ―クの強度(lb)との比(la:lb)が100:
    50以上である請求項1に記載の水素化物二次電池。
  3. 【請求項3】 水酸化ニツケル粉末は、BET吸着法に
    よる比表面積が5〜20m2/g、細孔容積が0.015
    〜0.030cc/g、平均細孔半径が25〜50Åであ
    る請求項1または2に記載の水素化物二次電池。
  4. 【請求項4】 亜鉛または亜鉛化合物が正極中に添加さ
    れ、その添加量が水酸化ニツケルに対して酸化亜鉛換算
    で1〜5重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の
    水素化物二次電池。
  5. 【請求項5】 亜鉛または亜鉛化合物が電解液中に添加
    され、その添加量が電解液に対して酸化亜鉛換算で1重
    量%以上飽和濃度以下である請求項1〜3のいずれかに
    記載の水素化物二次電池。
  6. 【請求項6】 電解液中に、亜鉛または亜鉛化合物とと
    もに、モリブデン、タングステン、クロムまたはこれら
    金属の化合物が添加されている請求項5に記載の水素化
    物二次電池。
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