JP4185627B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材を搬送する搬送装置を具備する、例えば電子写真方式によって記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置の具体例について、図7を参照して説明する。図7に、従来の画像形成装置として、プロセスカートリッジを装着したレーザープリンタの構造図を示す。
【0003】
図7に示されるレーザープリンタはプロセスカートリッジ101を装着して、電子写真方式により画像を形成し、その画像を記録用紙に記録するものである。
【0004】
以下、本レーザープリンタの構成について説明する。プロセスカートリッジ101は枠体100内に像担持体である感光ドラム1を回転可能に設けており、その周囲には感光ドラム1の表面を一様に帯電処理する為の帯電手段(図示せず)と、帯電した感光ドラム1に画像情報に応じた光像を照射して形成した潜像を現像材(以下、トナーと称す)によって現像し、トナー像として可視化する為の現像手段(図示せず)と、トナー像を記録用紙に転写した後に感光ドラム1の表面に残留したトナーを除去する為のクリーニング手段(図示せず)とが配設されており、これらは枠体100によって一体化されカートリッジ化されている。
【0005】
尚、レーザープリンタは装置本体内にプロセスカートリッジ101を装着する為の装着手段(図示せず)を有している。一方、装置本体内の上部には感光ドラム1に対して画像情報に応じて光像を照射する為のレーザー走査光学手段102が設けられている。
【0006】
次に、図7に示される従来のレーザープリンタの印刷動作について説明する。給紙カセット103内に収納された記録用紙は、図示されていないホストコンピュータからのプリント信号により動作する給紙ローラ104と用紙分離手段105によって1枚ずつ分離されて給送される。
【0007】
この記録用紙は給紙反転部106を通って表裏反転され、搬送ローラ107とそれに圧接された従動ローラ108で構成された搬送ローラ部を経て装置本体後方に搬送される。そして、記録用紙は感光ドラム1とそれに圧接された転写ローラ2で構成された転写部に搬送される。
【0008】
一方、図示されていないホストコンピュータからの画像情報は光像としてレーザー走査光学手段102からプロセスカートリッジ101内の感光ドラム1に照射されて感光ドラム1に画像情報に応じた潜像が形成され、その潜像はトナーによって現像されて可視化される。
【0009】
次に、記録用紙は、トナー像として現像された感光ドラム1上の画像情報に対してタイミングをとって搬送され、感光ドラム1に形成されたトナー像と逆極性の電圧を転写ローラ2から印加される。そして、感光ドラム1と転写ローラ2との圧接部においてトナー像が記録用紙に転写される。
【0010】
トナー像の転写を受けた記録用紙は転写部を通過した直後に除電針45と、除電針45を保持し絶縁体で形成された除電針ホルダ46との真上を通過し、記録用紙裏面の余剰電荷が除去され、第1の搬送ベルト10の上を経由して定着フィルム3とそれに圧接された加圧ローラ4とで構成される定着部に搬送され、定着部でトナー像の定着を受ける。
【0011】
そして、定着部を通過した記録用紙は定着部後方の装置本体後部109を経由して再び表裏反転され、排紙ローラ110によって装置本体上部に設けられた排紙トレイ111に排紙される。
【0012】
次に、上記図7に示される除電針45、及び第1の搬送ベルト10の構造について、図8を参照して説明する。図8に、図7に示される画像形成装置が具備する搬送装置の構造図を示し、図8の(a)に、除電針及び搬送ベルトの平面図を示し、図8の(b)に、除電針及び搬送ベルトの側面図を示す。
【0013】
また、図8において、1は感光ドラム、2は転写ローラ、3は定着フィルム、4は加圧ローラ、45は除電針、46は除電針ホルダ、10は第1の搬送ベルト、11と12は第1の搬送ベルト10が架けられたローラである。
【0014】
ローラ11又は12はそれぞれ図示されていない駆動手段によって回転させられることで、第1の搬送ベルト10が用紙搬送方向に搬送される構成になっている。
【0015】
除電針45は記録用紙裏面の余剰電荷を除去するために設けられているが、除電針45と記録用紙とが完全に接触してしまうと多量の電荷がリークしてしまい、良好な画像を得ることができない。
【0016】
このため、除電針45は絶縁体で形成された除電針ホルダ46に覆われており、記録用紙と非常に近い距離まで近づいて余剰電荷をリークさせることはあっても、記録用紙が除電針に触れるなどして除電効果が過剰にならないような構成になっている。
【0017】
以下、図8、及び図9を参照しながら第1の搬送ベルト10の働きについて説明する。図9に、図8に示される従来の画像形成装置が具備する除電針、及び搬送ベルトの一例の構造図を示す。
【0018】
近年では、レーザープリンタの普及が進み、従来の大きなサイズの記録用紙だけでなく、はがき、封筒、若しくはカード等の小さなサイズの用紙にも画像を記録したいというニーズが高まっている。
【0019】
ここで図8の図示A寸法より短いサイズの記録用紙(以下、短サイズ用紙とも記す。)を印刷しようとする場合、転写部Bから出てきた短サイズ用紙の先端が定着部Cに届かず、いずれのローラにも保持されない場合が発生する。
【0020】
この場合、転写部Bと定着部Cとの間では画像が未定着であり、印刷面側(図示E側)には触れることができないため、図9のような搬送を補助するローラ(図示A)を設けることができないことはいうまでもない。
【0021】
従って、従来の画像形成装置においては、短サイズ用紙は裏面だけに接触する第1の搬送ベルト10と短サイズ用紙の自重による摩擦力のみで定着部Cまで搬送されることになる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成装置が具備する搬送装置では、記録材、特に短サイズ用紙の搬送に失敗するケースがあるという問題点を有している。
【0023】
すなわち、従来の構成では、図8に示されるように、短サイズ用紙の後端(図示F)が除電針ホルダ46にのった場合、先端の接触部(図示G)の摩擦力だけで記録材を搬送することになるが、この摩擦力は短サイズ用紙の自重に比例するため非常に小さい。
【0024】
更に短サイズ用紙の両端のそりや、ばりの有無によって摩擦力が損なわれる可能性が大きい。
【0025】
このため、後端F部と除電針ホルダ46との摩擦抵抗に対して、先端G部と第1の搬送ベルト10の摩擦による前進力が上回ることができず短サイズ用紙が停止してしまうことが多く、搬送性能の信頼性が非常に低いという問題点がある。
【0026】
ここで、この問題点の対策案として、図10に示されるような案を提案することができる。図10に、短サイズ用紙を搬送するための従来の画像形成装置が具備する搬送装置の構造図を示す。
【0027】
まず、上記問題点を解決するために、図10の(a)、及び図10の(b)に示される搬送装置のように、第1の搬送ベルト10を除電針ホルダ46に近づけて配置することが考えられるが、図10の(a)のように単に近づけただけでは搬送性能の向上に対して効果がなく、図10の(b)のように除電針ホルダ46より図示A部を高く配置すると用紙先端部がA部に当たってジャミングになりやすい構成となってしまう。
【0028】
そこで、図10の(c)のように、除電針ホルダ46を切り欠いて、第1の搬送ベルト10を配置すると、記録用紙搬送経路に対して図示B方向から除電針45が露出してしまい、除電効果が過剰になってしまったり記録用紙が除電針45に触れて多量の電荷がリークしてしまうなどの不具合が発生する。
【0029】
さらに、図10の(d)のように、除電針45まで切り欠いて第1の搬送ベルト10を配置すると、第1の搬送ベルト10の幅の範囲で除電針45が欠落し除電効果が得られないことになり、良好な画像が得られないということは言うまでもない。
【0030】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、除電手段における適切な除電効果を保持して記録材に形成される画質の低下を防止しつつ、記録材、特に短サイズの記録材の搬送性能を向上させることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、原稿の画情報に応じた光が照射されることにより潜像が形成される像担持体と、前記像担持体と圧接し、前記像担持体上の潜像に応じたトナー像を記録材に転写する転写手段と、前記転写手段よりも記録材搬送方向下流側に設けられ、記録材における余剰電荷を除去するための除電針及び前記除電針を保持するホルダを有する除電手段と、前記除電手段よりも記録材搬送方向下流側に設けられ、記録材上のトナー像を記録材に定着させるための定着手段と、前記除電手段と前記定着手段の間に設けられ、前記トナー像が転写された記録材を、前記定着手段側に搬送する第1の搬送ベルトと、を有する画像形成装置において、前記トナー像が転写された記録材を搬送する第2の搬送ベルトを有し、前記ホルダは記録材搬送方向下流側から上流側に向かって引っ込んでいる欠落部を備え、前記第2の搬送ベルトの搬送方向の一端側は前記欠落部に入り込んでおり、他端側は前記第1の搬送ベルトを張架する回転伝達軸によって張架されていることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る画像形成装置の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する各実施形態においては、除電針、及びその周辺の構成以外は前述の従来技術と同様であるので、図示と説明を省略する。また、給紙から画像記録、及び排紙に至る印刷動作についても前述の従来技術と同様であるため説明を省略する。
【0041】
参考例1)まず、図1を参照して本発明に係る画像形成装置の参考例1について説明する。図1に、本発明に係る画像形成装置の参考例1が具備する搬送装置の構造図を示す。
【0042】
図1において、図1の(a)は、本発明に係る画像形成装置の参考例1が具備する搬送装置の平面図であり、図1の(b)は、本発明に係る画像形成装置の参考例1が具備する搬送装置の側面図であり、図1の(c)は、本発明に係る画像形成装置の参考例1が具備する搬送装置の除電針の一部構造図(図1の(a)のY−Y断面図)であり、図1の(d)は、本発明に係る画像形成装置の参考例1が具備する搬送装置の一部構造図(図1の(a)のX−X断面図)である。また、図1に示される部材のうち、図7、及び図8に示される部材と同様な部材には同じ番号を付す。
【0043】
図1において、1は像担持体としての感光ドラム、2は転写手段としての転写ローラ、3は定着フィルム及び4は加圧ローラでありこれらは定着手段を構成し、5は除電針及び6は除電針ホルダでありこれらは除電手段を構成し、7は第2の搬送手段としての第2の搬送ベルト、8と9は第2の搬送ベルト7が架けられたローラ、10は第1の搬送手段としての第1の搬送ベルト、11と12は第1の搬送ベルト10が架けられたローラである。
【0044】
ローラ8又は9と、ローラ11又は12とは、それぞれ図示されていない駆動手段によって回転させられることで、第2の搬送ベルト7、及び第1の搬送ベルト10が用紙搬送方向に搬送される構成になっている。
【0045】
このような構成により、転写ローラ2からでてきた短サイズ用紙が図示の通り、先端Aが第1の搬送ベルト10で、後短Bが第2の搬送ベルト7で摩擦による前進力を受け、従来例のように第1の搬送ベルト10のみで搬送するのではないため、途中で停止することなく安定して搬送される。
【0046】
また、図1の(c)に示す通り、本発明に係る画像形成装置の参考例1における除電針5にはその幅が、2mmより大きく、12mm以下の欠落部5aがあり、その欠落部5aに幅2mm以上、12mm未満の第2の搬送ベルト7とその第2の搬送ベルト7がかかったローラ8が設けられている。
【0047】
ここで、図1に示される除電針5の構造について図2を参照してさらに詳細に説明する。図2に、図1に示される除電針5の一部構造図を示す。
【0048】
除電針5は、電荷の量と、記録用紙から除電針5までの距離との関係から、除電針5の欠落範囲が12mm以下であれば、図2のように欠落部5aに隣接した除電針5b、及び除電針5cの作用により実質的に除電効果がほぼ均一になり、画像を損ねない。
【0049】
しかし、除電針5の欠落部5aを小さくするのに伴って、第2の搬送ベルト7の幅を小さくしすぎると、短サイズ用紙の自重では摩擦による前進力が不足し、十分な搬送性能が得られない。
【0050】
従って、記録用紙の自重と、記録用紙とベルトとの間の摩擦力との関係から、自重が数g程度の短サイズ用紙の搬送性能を確保するためには、第2の搬送ベルト7に2mm以上の幅が必要となる。このような理由から除電針5の欠落部としての欠落範囲は12mm以下で、そこに設けられる第2の搬送ベルト7の幅は2mm以上となっている。
【0051】
次に、図1に示される搬送装置において、第2の搬送ベルト7の搬送速度が不適切である場合の概略について図3を参照して説明する。図3に、図2に示される搬送装置において、第2の搬送ベルト7の搬送速度が不適切である場合の概略図を示す。
【0052】
図3の(a)に示されるように、第2の搬送ベルト7の速度が記録用紙の搬送速度より極端に遅い場合、先端が転写部から出てくる場合に、記録用紙先端(図示A部)が湾曲してしまうため、未定着画像に乱れが発生することがある。
【0053】
反対に、図3の(b)に示されるように、第2の搬送ベルト7の速度が記録用紙の搬送速度より極端に早い場合、定着部に入っていく場合に、記録用紙後端(図示B部)が湾曲してしまうため、未定着画像に乱れが発生することがある。
【0054】
このような先端や後端での湾曲がほとんど発生しなくなるためには、短サイズ用紙が湾曲する際の剛性と用紙先端とベルトの摩擦力の関係から、ベルトと記録用紙の速度差が±3%以内であることが必要である。このことから、第2の搬送ベルト7の搬送速度は転写ローラや定着フィルムによる搬送速度の約0.97倍から1.03倍程度までの範囲内となっている。
【0055】
また、第2の搬送ベルト7、及び第1の搬送ベルト10の外周は、図1の(b)に示される通り、突起がついていた方が搬送方が向上するため、適当な大きさや形状の突起が適当な間隔で設けられるのが一般的である。
【0056】
加えて、第2の搬送ベルト7、及び第1の搬送ベルト10の搬送力は短サイズ用紙の幅方向に対して対称に作用した方が左右対称に搬送力が作用するため、本参考例のように偶数個のベルトを短サイズ用紙の幅方向に対して対称に配置するか、もしくは奇数個のベルトにおいて、中央に1つ配置し、残りの偶数個を短サイズ用紙の幅方向に対して対称に配置するのが望ましいことは言うまでもない。これらは、以下に説明する参考例及び実施形態においても同様である。
【0057】
このように、本発明に係る画像形成装置の参考例1においては、除電針5の欠落部5aに設けられた第2の搬送ベルト7により、適切な除電を行いつつ、コピー用紙などの記録材、特に短サイズ用紙などの搬送を適切に行うことが可能となる。
【0058】
(第の実施形態)次に、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態について図面を参照して説明する。まず、図4を参照して本発明に係る画像形成装置の第の実施形態について説明する。図4に、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態が具備する搬送装置の構造図を示す。
【0059】
図4において、図4の(a)は、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態が具備する搬送装置の平面図であり、図4の(b)は、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態が具備する搬送装置の側面図であり、図4の(c)は、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態が具備する搬送装置の一部構造図(図4の(a)のX−X断面図)である。
【0060】
また、図4において、前述の図1に示される参考例1が具備する部材と同様な部材には同じ番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0061】
図4において、1は像担持体としての感光ドラム、2は転写手段としての転写ローラ、3は定着フィルム及び4は加圧ローラでありこれらは定着手段を構成し、5は除電針及び6は除電針ホルダでありこれらは除電手段を構成し、7は第2の搬送手段としての第2の搬送ベルト、8は第2の搬送ベルト7が架けられたローラ、10は第1の搬送手段としての第1の搬送ベルト、12は第1の搬送ベルト10が架けられたローラ、13は第2の搬送ベルト7と第1の搬送ベルト10が架けられた回転伝達軸である。
【0062】
図4に示される通り、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態においても、前述の参考例と同様に、除電針5の12mm以下の欠落部としての欠落範囲に、その幅が2mm以上の幅である第2の搬送ベルト7が設けられている。このような幅の範囲にしている理由、及び効果は、上述の参考例1の場合の理由、及び効果と同様である。
【0063】
また、同様に、図4に示されるこの第2の搬送ベルト7の速度は、転写ローラや定着フィルムの搬送速度の約0.97倍から1.03倍程度までである。このような速度範囲にしている理由、及び効果は、上述の参考例1の場合の理由、及び効果と同様である。
【0064】
一方、前述の参考例1と異なり、図4に示される第の実施形態においては、第2の搬送ベルト7と第1の搬送ベルト10とは回転伝達軸13に架けられており、なおかつ、回転伝達軸のプーリ部13aとプーリ部13bとの径が等しくなっている。
【0065】
そして、回転伝達軸13が図示されていない駆動手段によって回転させられることによって第2の搬送ベルト7と第1の搬送ベルト10とは同じ速さで駆動される。
【0066】
このように、本発明に係る画像形成装置の第の実施形態においては、前述の本発明に係る画像形成装置の参考例1と同様の効果が得られると共に、第2の搬送ベルト7が架かった第2のプーリ部としてのプーリ部13aの径と、第1の搬送ベルト10が架かった第1のプーリ部としてのプーリ部13bの径とが等しく、かつこれらが同心となるような回転伝達軸13を設けることによって、簡素な構成で2つの搬送ベルトを略同じ速さで駆動することが可能となる。
【0067】
ここで、上記第の実施形態においては、第2の搬送ベルト7が架かったプーリ部13aの径と、第1の搬送ベルト10が架かったプーリ部13bの径とが等しいとしたが、本発明に係る画像形成装置はこのような径に限定されるものではなく、プーリ部13aの径と、プーリ部13bの径とを異なるように構成してもよい。ただ、この場合であっても、上述のように、第2の搬送ベルト7の搬送速度が、転写ローラや定着フィルムの搬送速度の約0.97倍以上、1.03倍以下の範囲内の速度になるようにする。
【0068】
参考例2)次に、本発明に係る画像形成装置の参考例2について図面を参照して説明する。まず、図5を参照して本発明に係る画像形成装置の参考例2について説明する。図5に、本発明に係る画像形成装置の参考例2が具備する搬送装置の構造図を示す。
【0069】
図5において、図5の(a)は、本発明に係る画像形成装置の参考例2が具備する搬送装置の平面図であり、図5の(b)は、本発明に係る画像形成装置の参考例2が具備する搬送装置に通紙される記録紙のそろえ方の一例の概略図であり、図5の(c)は、本発明に係る画像形成装置の参考例2が具備する搬送装置の側面図である。
【0070】
また、図5において、前述の図1に示される参考例1が具備する部材と同様な部材には同じ番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0071】
図5の(a)においては、1は像担持体としての感光ドラム、2は転写手段としての転写ローラ、3は定着フィルム及び4は加圧ローラでありこれらは定着手段を構成し、5は除電針及び6は除電針ホルダでりこれらは除電手段を構成し、7は第2の搬送手段としての第2の搬送ベルト、8と9は第2の搬送ベルト7が架けられたローラ、10は第1の搬送手段としての第1の搬送ベルト、11と12は第1の搬送ベルト10が架けられたローラである。
【0072】
また、前述のように、図5の(b)は、本発明に係る画像形成装置の参考例2が具備する搬送装置にサイズの異なる記録用紙(図示A,B,C)を通紙する際の概略図であり、幅方向の中心線(図示D)を揃える構成になっている。
【0073】
図5に示される通り、本発明に係る画像形成装置の参考例2においても、参考例1と同様に、除電針5の12mm以下の幅の欠落部としての欠落範囲に2mm以上の幅で、速度が転写ローラや定着フィルムの搬送速度の約0.97倍から1.03倍程度までの速度である第2の搬送ベルト7が設けられており、その理由や効果については、前述の参考例1の理由や効果と同様である。
【0074】
一方、画像形成装置では複数のサイズの記録用紙を通紙可能であるのが一般的で、その構成は図6のような幅方向の端部を揃える端基準方式と、図5のような幅方向の中心を揃える中心基準方式がある。
【0075】
図6に、本発明に係る画像形成装置の参考例2に、端基準方式で記録用紙を通紙した場合の概略図を示す。
【0076】
本発明に係る画像形成装置の第2の搬送ベルト7は記録用紙の裏面に摩擦力を与えるが、図6のように端基準方式をとると、記録用紙の片方のベルトにしか当たらない場合や、記録用紙の幅方向に対して非対称に当たる場合があり、記録用紙が偶力(図6のE)を受けて斜めに搬送されてしまう可能性が大きい。
【0077】
そのため、図5に示される、本発明に係る画像形成装置の参考例2においては、用紙の通紙方式として、中心基準方式を採用することにより、このような偶力の発生を防止している。
【0078】
このように、本発明に係る画像形成装置の参考例2においては、前述の本発明に係る画像形成装置の参考例1と同様な効果を得られると共に、中心基準方式を採用することによってどのようなサイズの記録用紙であっても、第2の搬送ベルト7が幅方向に対して対称に当たるため、偶力が発生せず、記録用紙が斜めに搬送されることがない。
【0079】
ここで、上記各実施形態の説明においては、参考例1、第の実施形態、及び参考例2を個別に説明したが、これらを任意に組み合わせた実施形態であっても良いことは明白であり、その場合の効果は、個々の効果を組み合わせたものとなる。
【0080】
例えば、上記第の実施形態と参考例2とを組み合わせると第1の搬送ベルトと第2の搬送ベルトとを容易に同一の速さで駆動できると共に、記録用紙に発生する偶力も抑えることができる実施形態となる
【0081】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、除電手段に沿って設けられたトナー像が転写された記録材を搬送する第2の搬送手段を備えることから、記録材、例えば短サイズ用紙の後端が、除電手段に載った際であっても十分な搬送性能をもつことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の参考例1が具備する搬送装置の構造図である。
【図2】図1に示される搬送装置が具備する除電針の一部構造図である。
【図3】図1に示される搬送装置において、搬送速度が不適切である場合の概略図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第の実施形態が具備する搬送装置の構造図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の参考例2が具備する搬送装置の構造図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の参考例2に、端基準方式で記録用紙を通紙した場合の概略図である。
【図7】従来の画像形成装置の構造図である。
【図8】図7に示される画像形成装置が具備する搬送装置の構造図である。
【図9】図8に示される従来の画像形成装置が具備する除電針、及び搬送ベルトの一例の構造図である。
【図10】短サイズ用紙を搬送するための従来の画像形成装置が具備する搬送装置の構造図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 転写ローラ
3 定着フィルム
4 加圧ローラ
5 除電針
5a 欠落部
5b,5c 除電針
6 除電針ホルダ
7 第2の搬送ベルト
8,9 ローラ
10 第1の搬送ベルト
11,12 ローラ
13 回転伝達軸
13a,13b プーリ部
45 除電針
46 除電針ホルダ
100 枠体
101 プロセスカートリッジ
102 レーザー走査光学手段
103 給紙カセット
104 給紙ローラ
105 用紙分離手段
106 給紙反転部
107 搬送ローラ
108 従動ローラ
109 装置本体後部
110 排紙ローラ
111 排紙トレイ

Claims (5)

  1. 原稿の画情報に応じた光が照射されることにより潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体と圧接し、前記像担持体上の潜像に応じたトナー像を記録材に転写する転写手段と、
    前記転写手段よりも記録材搬送方向下流側に設けられ、記録材における余剰電荷を除去するための除電針及び前記除電針を保持するホルダを有する除電手段と、
    前記除電手段よりも記録材搬送方向下流側に設けられ、記録材上のトナー像を記録材に定着させるための定着手段と、
    前記除電手段と前記定着手段の間に設けられ、前記トナー像が転写された記録材を、前記定着手段側に搬送する第1の搬送ベルトと、
    を有する画像形成装置において、
    前記トナー像が転写された記録材を搬送する第2の搬送ベルトを有し、前記ホルダは記録材搬送方向下流側から上流側に向かって引っ込んでいる欠落部を備え、前記第2の搬送ベルトの搬送方向の一端側は前記欠落部に入り込んでおり、他端側は前記第1の搬送ベルトを張架する回転伝達軸によって張架されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記欠落部の幅が、12mm以下であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2の搬送ベルトの幅が、2mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記回転伝達軸の前記第1の搬送ベルトが架かった第1のプーリ部の径と、前記回転伝達軸の前記第2の搬送ベルトが架かった第2のプーリ部の径とが等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の搬送ベルトの搬送の速さが、
    前記像担持体と前記転写手段とにより排出される記録材の排出の速さ、及び前記定着手段から排出される記録材の排出の速さのうちの少なくともいずれか一方の速さの0.97倍以上、1.03倍以下の範囲内の速さであることを特徴とする請求項1からのいずれ
    か1項に記載の画像形成装置。
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