JP4184781B2 - 自立性袋状の容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自立性袋状の容器に関し、更に詳しくは、底部をガセット形式で形成する自立性袋と同様な形式の自立性袋状の容器であって、前後の壁面用積層体に厚紙が積層され、印刷等による意匠性が向上されると共に、容器胴部の剛性、保形性が高められ、内容物の保護性が向上された自立性袋状の容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内容物を簡便に密封包装し、流通、保存する安価な包装容器としては、積層フィルムをヒートシールしてなる袋が多用されてきた。
このような積層フィルム製の袋は、製袋の加工性がよく、密封性に優れ、また、防湿性やガスバリヤー性、その他、耐水性、耐熱性、耐内容物性、更に、レトルト処理適性や電子レンジ加熱適性などの性能も積層フィルムの構成材料の選定により比較的容易に付与できることから、各種食品類のほか、非食品も含めて広範囲の分野で三方シール形式、四方シール形式、ピロー形式などの平袋や、ガセット袋、スタンディングパウチ、或いは、これらの変形タイプ、応用タイプの袋に加工して使用されてきた。
これらの中でも、スタンディングパウチ形式の袋は、自立性と共に立体容器としての特性も備え、取り扱いが容易であると同時に容量の割にコンパクトに包装できることから、液状、粉状、粒状などの流動性を有する内容物を中心に便利に使用されてきた。
【0003】
しかし、このような積層フィルム製の袋は、柔軟であり保形性に劣るため、内容物が、例えば、せんべいなどの焼菓子やビスケット、その他スナック食品などの割れやすい食品、或いは、逆にケーキ類やカステラなどのように柔らかく潰れやすい食品などの場合には適さず、これらの包装には、例えば、成形トレーなどに内容物を入れ、その外側にピロー形式などの袋を用いて密封する方法、或いは、ラミネート厚紙を用いたカップタイプやブリックタイプ、ゲーベルトップタイプなどの紙容器、ラミネート厚紙とプラスチック成形体による複合容器、プラスチック成形容器、金属缶などの保形性容器を用いる方法が採られていた。
【0004】
スナック食品用、液体流通用などに用いられる上記ラミネート厚紙を用いたカップタイプの紙容器として、例えば、紙層を主体とし且つシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を最内層とする積層体を用いて作製した紙カップ容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記ラミネート厚紙を用いた箱型の紙容器では、例えば、内容物の充填後、オートクレーブなどによる加熱殺菌処理を可能としたブリックタイプなどの箱型の紙容器として、少なくとも中間層に紙または厚紙などの液体を吸収する材料を基層として用い、その外側と内側に外側コーティングと内側コーティングを積層したシートまたはウェブの形のラミネート・タイプの材料で形成され、その少なくとも一方の側において、85℃またはそれ以上の温度において湿気のある雰囲気中で熱処理される折り畳まれた防湿性かつ耐熱性の容器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−229660号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特表平11−508502号公報(第2〜5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような成形トレーと袋を併用する方法、或いは、前記各種の保形性容器を使用する方法では、容器の保形性がよく内容物の保護性は向上できるが、容器の材料費、或いは、容器の成形用の金型、および成形装置、その他、充填シール装置などが高価であり、また、容器のサイズチェンジなども簡単ではなく、製造コストを上昇させる問題があった。
従って、容器の材料費が安く、成形金型や専用の成形装置、充填シール装置などを必要とせず、容器のサイズチェンジなども簡単に行うことができ、製造コストが安く、且つ、保形性、密封性などの性能に優れ、内容物を安全に保護することのできる容器が強く求められるようになっている。
【0007】
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、安価な材料で製造でき、且つ、容器の作製や充填シール装置などに特別な装置を必要とせず、従来の装置を用いて容易に製造することができ、そのサイズチェンジも容易で、また、容器が自立性と適度の剛性、即ち、保形性、密封性を有し、内容物の保護性に優れると共に、容器上部の全面開封も容易で、容器の印刷などによる意匠効果も向上でき、更に、容器の使用後は、容易に偏平に折り畳んで減容化できるという性能、使用適性と共に、廃棄処理性や経済性にも優れた容器を生産性よく提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、積層体を袋状にヒートシールして形成される自立性袋状の容器であって、該容器の胴部が、前後の壁面用積層体の両側端縁部を側部シール部でヒートシールして形成され、底部が、前後の壁面用積層体の下部の間に底面用積層体を内側に折り返して挿入し、ヒートシールしてなるガセット部を有する形式で形成され、且つ、前後の壁面用積層体が、少なくとも外側の透明樹脂層と、中間層の絵柄等の印刷層と、米坪量70〜280g/m2 の厚紙と、最内層の熱接着性樹脂層とを含む積層体で形成され、また、底面用積層体が、少なくとも外側の基材フィルム層と、最内層の熱接着性樹脂層とを含む積層体で形成されていることを特徴とする自立性袋状の容器からなる。
【0009】
本発明において、前後の壁面用積層体の中間層に積層する厚紙は、主に、積層体の剛性を適度に高め、自立性袋状の容器の保形性を向上させるために積層するものであり、その米坪量は70〜280g/m2 の範囲であることが好ましい。
米坪量が70g/m2 未満の場合は、積層体の剛性の向上効果を十分に得られず、容器の保形性が不十分となるため好ましくない。また、米坪量が280g/m2 を超える場合は、積層体の剛性が強くなりすぎて、容器の開口性が悪くなると共に、ヒートシールの作業性も低下するため好ましくない。
【0010】
厚紙の材質は、特に限定はされず、通常の厚紙、板紙を使用できるが、絵柄等の印刷効果をよくするためには、表面の平滑性および白色度が高いことが好ましく、例えば、表面にクレーコートなどのコート層を設けた厚紙やキャストコート紙などを好ましく使用することができる。
また、充填される内容物によっては、耐水性を有することも必要となるが、その場合は、強サイズ度の厚紙であることが好ましく、例えば、コップ原紙やミルクカートン原紙などを使用することができる。
【0011】
前記壁面用積層体の外側の透明樹脂層は、ヒートシールの際の熱に耐える耐熱性を有すると共に、内側の絵柄等の印刷層を明瞭に見せ、また、外側からの摩擦等による損傷を防止できることが好ましく、例えば、印刷やコーティング手段で塗布して形成した透明樹脂層のほか、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、各種ナイロンなどのポリアミド、ポリプロピレンなどの透明な一軸または二軸延伸フィルムを使用することができる。これらは単独で使用してもよく、複数を貼り合わせて使用してもよい。
【0012】
また、前記底面用積層体の外側の基材フィルム層は、ヒートシールの熱に耐える耐熱性、および屈曲強度、引っ張り強度などの機械的強度に優れることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、各種ナイロンなどのポリアミド、ポリプロピレンなどの二軸延伸フィルムを好適に使用することができる。この場合も、これらの二軸延伸フィルムは単独で使用してもよく、複数を貼り合わせて使用してもよい。
【0013】
前記壁面用積層体の中間層の絵柄等の印刷層は、通常は、多色グラビア印刷などで前記厚紙の表面に印刷するが、外側の透明樹脂層に前記透明な一軸または二軸延伸フィルムを使用する場合は、その内面に裏刷り形式で印刷して、その面に前記厚紙を貼り合わせてもよい。
【0014】
次に、前記壁面用積層体と底面用積層体の最内層の熱接着性樹脂層は、自己同士および相互間でヒートシール可能な熱接着性を有すること必要であり、通常、同一の熱接着性樹脂を使用することができる。
このような熱接着性樹脂としては、低密度ポリエチレン(以下、LDPEと記載する)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと記載する)、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載する)、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、EAAと記載する)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(以下、EEAと記載する)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(以下、EMAと記載する)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと記載する)、アイオノマー、非晶性ポリエステル、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体(エチレン含有量が10モル%以下の共重合体)、或いは、ポリプロピレンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはエステル単量体などをグラフト重合または共重合したポリプロピレン系樹脂、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの無延伸フィルム、またはこれらの樹脂を押し出しコートした樹脂層を使用することができる。
【0015】
前記プロピレン−エチレン共重合体は、エチレン含有量を10モル%以下、例えば5〜10モル%の範囲とすることにより、ポリプロピレンの耐熱性や剛性などの長所をそれほど損なうことなく、押し出し加工適性、ヒートシール適性、および低温時の衝撃強さなどを向上させることができる。
また、前記ポリプロピレン系樹脂で、ポリプロピレンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはエステル単量体などをグラフト重合する場合、グラフト成分の具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−無水物、シトラコン酸、シトラコン酸無水物、クロトン酸、クロトン酸無水物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウムなどが挙げられる。これらの中でも、コストおよびグラフト重合の容易さなどから無水マレイン酸をポリプロピレンにグラフト重合したポリプロピレン系樹脂を特に好ましく使用することができる。
【0016】
前記のような構成を採ることにより、以下に列挙するような作用効果を得ることができる。
(1)本発明の自立性袋状の容器は、胴部が前後の壁面用積層体の両側端縁部を側部シール部でヒートシールして形成されると共に、底部が底面用積層体を用いてガセット部を設けた形式で形成されているので、内容物が充填された容器は、底部が前後に大きく広がり立体構造を形成し、自立性が付与されると共に、容量の割にコンパクトに包装することができる。
(2)前後の壁面用積層体が、少なくとも外側の透明樹脂層と、中間層の絵柄等の印刷層および米坪量70〜280g/m2 の厚紙と、最内層の熱接着性樹脂層とを含む積層体で形成され、また、底面用積層体が、少なくとも外側の基材フィルム層と、最内層の熱接着性樹脂層とを含む積層体で形成されているので、容器の胴部に適度の剛性が付与され、カールやシワなども殆どなく外観が向上されると共に、容器の保形性が向上し、内容物が割れやすいものや潰れやすいものであっても、安全に保護することができる。
(3)また、前後の壁面用積層体の剛性が高められることにより、容器の下部においては、底面の外周にヒートシール部により形成される脚部の剛性も高められるため、容器の自立性が一層向上される。
(4)前後の壁面用積層体において、中間層の絵柄等の印刷層は、前記厚紙の外面または外側の透明樹脂層の内面に設けることができるので、外側の透明樹脂層で保護されると共に、厚紙の白さと不透明性により印刷効果が高められ、容器の意匠性を一層向上させることができる。
【0017】
さらに、請求項1に記載した発明は、前記前後の壁面用積層体に、少なくとも縦方向の押し罫が、底面用積層体折り返し部のラインと底部シール部のラインとの間の位置から、少なくとも自立性袋状の容器の中間部より上方の位置まで、複数本適宜の間隔をあけて設けられていることを特徴とする自立性袋状の容器からなる。
【0018】
前記縦方向の押し罫は、そのリブ効果により壁面用積層体の剛性を一層高め、容器の保形性を向上させると共に、容器に内容物を充填した際、前後の壁面用積層体が縦方向の押し罫で折れ曲がって前後に広がり、容器の胴部を多角柱状などの安定した形状にするために設けるものであり、そのためには、縦方向の押し罫は、例えば、容器の底部近辺から容器の中間部よりやや上の位置までの長さで、適宜の間隔をあけて複数本設けることができる。
【0019】
このような構成を採ることにより、前記に記載した発明の作用効果に加えて、自立性袋状の容器の保形性が一層向上され、胴部が安定した筒形状となるので、内容物の保護性を一層向上できると共に、容器の外観も一層向上させることができる。
【0020】
請求項2に記載した発明は、前記前後の壁面用積層体および底面用積層体が、中間層にガスバリヤー層を含むことを特徴とする請求項1に記載の自立性袋状の容器からなる。
【0021】
上記ガスバリヤー層としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウムなどの金属、またはシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫、酸化マグネシウムなどの無機酸化物の蒸着層を延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムや、延伸ナイロンフィルムなどのポリアミドフィルムなどに設けた蒸着フィルム、或いはエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)の延伸フィルムなどのガスバリヤー性フィルムを使用することができ、これらの中から適宜選択して使用することができる。
【0022】
前記金属または無機酸化物の蒸着層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などのPVD法、或いはプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法などのCVD法により基材フィルム上に形成することができ、その厚みは100〜1000Åの範囲が適当である。
このような金属または無機酸化物の蒸着層は、単独の層で形成してもよいが、複数の層で形成することもでき、それによりガスバリヤー性を一層向上させることができる。
また、前記金属または無機酸化物の蒸着層は、その接着性を向上させ、或いは亀裂などの損傷を防止して優れたガスバリヤー性を有効に発揮させるため、その上下の面に接着性向上層、保護層、ガスバリヤー性向上層などの目的で、反応型アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シランカップリング剤を含有させたアクリル系樹脂、金属アルコキシドを含有させた水溶性高分子、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂層を設けて複合層としてガスバリヤー層を形成することもできる。
【0023】
前記のような構成を採ることにより、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、自立性袋状の容器に優れたガスバリヤー性を付与することができるので、食品等の内容物の保存性を一層向上させることができる。
【0024】
請求項3に記載した発明は、前記容器の底部のガセット部が、内側の中央部が低く、両側端部に向かって高くなる船底形のシールパターンでヒートシールされていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の自立性袋状の容器からなる。
【0025】
前記自立性袋状の容器の底部のガセット部をヒートシールする船底形のシールパターンは、内側の中央部が低く、両側端部に向かって高くなる形状であれば、特に限定はされないが、特に好ましい形状として、内側が円弧状などの湾曲線で形成される船底形のシールパターン、或いは、内側が所定幅の底部から両側が外側に傾斜を持って直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンを挙げることができる。
【0026】
このような構成を採ることにより、請求項1または2のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、内容物を充填した自立性袋状の容器は、その底部が、前記船底形のシールパターンに応じて、例えば、内側が湾曲線で形成される船底形のシールパターンの場合は楕円形状に、また、内側が所定幅の底部から両側が外側に傾斜を持って直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンの場合は六角形状に広がり、いずれも中央部が前後に大きく広げられ、また、底面の外周にはヒートシール部による脚部が確実に形成されるため、容器の自立性を一層向上させることができる。
【0027】
請求項4に記載した発明は、前記容器の上部に開封手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自立性袋状の容器からなる。
【0028】
前記開封手段は、印刷で表示された切り取り線などの開封指示線や開封指示マークであってもよく、また、実際の引き裂きによる開封操作を容易にする以下のような易開封性手段であってもよい。更に、これらの複数を適宜組み合わせて設けたものであってもよい。
【0029】
上記易開封性手段としては、例えば、通常のパウチでも多用されるノッチを設ける方法のほか、レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、或いは、容器の壁面用積層体中に易引き裂き性の一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が容器の開封方向と一致するように積層する)などがあり、これらは単独で用いてもよく、また、例えばノッチと、ハーフカット線または一軸延伸フィルムの積層などのように複数の手段を適宜組み合わせて用いることができる。
前記ノッチは、通常、一字形やV字形などのノッチが使用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。
前記ハーフカット線を設ける場合も、直線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状などの断続的なハーフカット線で設けることもできる。更に、このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本または各2本など、複数のハーフカット線を平行に、または中心のハーフカット線に収斂するように設けることもできる。
【0030】
このような構成を採ることにより、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、容器に充填された内容物を取り出す際、容器の上部の開封位置に、容器の開封を容易にするための開封手段が設けられているので、開封位置を間違えることがなく、また、容器の上部の一部でも全体でも任意の大きさに容易に切り取って開封することができる。従って、内容物が固形物の場合でも、形状に係わりなく容易に取り出すことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の図面に限定されるものではない。
図1、図2、図3、図4は、それぞれ本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の一例の構成を示す模式断面図である。
また、図5、図6は、それぞれ本発明の自立性袋状の容器に用いる底面用積層体の一例の構成を示す模式断面図である。
図7は、本発明の自立性袋状の容器の第一の実施例の構成を示す図であり、(イ)はその模式正面図、(ロ)は(イ)に示した自立性袋状の容器のA−A線の模式断面図である。
また、図8、図9は、本発明の自立性袋状の容器の第二、第三の実施例の構成を示す模式正面図である。
【0032】
図1は、本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第1の例の構成を示す模式断面図であり、図1に示した壁面用積層体50a は、外側(図において上側)から、透明樹脂層1a 、接着層5a 、絵柄等の印刷層2、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3、接着層5b 、熱接着性樹脂層4a を順に積層して構成したものである。
この場合、外側の透明樹脂層1a には、前述したポリエチレンテレフタレート、各種ナイロン、ポリプロピレンなどの透明な一軸または二軸延伸フィルムを用い、中間層の絵柄等の印刷層2は、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3の外面に印刷し、その上に接着層5a を介して透明樹脂層1a を貼り合わせたものである。
【0033】
図2は、本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第2の例の構成を示す模式断面図であり、図2に示した壁面用積層体50b は、外側(図において上側)から、透明樹脂層1a 、絵柄等の印刷層2、接着層5a 、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3、接着層5b 、熱接着性樹脂層4a を順に積層して構成したものである。
この壁面用積層体50b は、前記図1に示した壁面用積層体50a の構成において、中間層に設けた絵柄等の印刷層2を前記厚紙3の外面に印刷するのではなく、外側の透明樹脂層1a のフィルムの内面に裏刷り形式で印刷し、その印刷面に米坪量70〜280g/m2 の厚紙3を接着層5a を介して貼り合わせて構成したものである。
【0034】
図3は、本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第3の例の構成を示す模式断面図であり、図3に示した壁面用積層体50c は、外側(図において上側)から、透明樹脂層1a 、接着層5a 、絵柄等の印刷層2、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3、接着層5b 、ガスバリヤー層6a 、接着層5c 、熱接着性樹脂層4a を順に積層して構成したものである。
この壁面用積層体50c は、前記図1に示した壁面用積層体50a の構成において、中間層の前記厚紙3と最内層の熱接着性樹脂層4a との間に、ガスバリヤー層6a を追加し、接着層5b 、5c を介して積層して構成したものである。
【0035】
図4は、本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第4の例の構成を示す模式断面図であり、図4に示した壁面用積層体50d は、外側(図において上側)から、透明樹脂層1b 、絵柄等の印刷層2、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3、接着層5b 、熱接着性樹脂層4a を順に積層して構成したものである。
この場合、透明樹脂層1b は、印刷またはコーティング手段で塗布して形成した透明樹脂層であり、前記厚紙3の外面に印刷して形成した絵柄等の印刷層2の上に、直接印刷またはコーティングして形成することができる。
【0036】
図5は、本発明の自立性袋状の容器に用いる底面用積層体の第1の例の構成を示す模式断面図であり、図5に示した底面用積層体60a は、外側(図において上側)から、基材フィルム層7、接着層5d 、熱接着性樹脂層4b を順に積層して構成したものである。
【0037】
また、図6は、本発明の自立性袋状の容器に用いる底面用積層体の第2の例の構成を示す模式断面図であり、図6に示した底面用積層体60b は、外側(図において上側)から、基材フィルム層7、接着層5d 、ガスバリヤー層6b 、接着層5e 、熱接着性樹脂層4b を順に積層して構成したものである。
この底面用積層体60b は、前記図5に示した底面用積層体60a の構成において、基材フィルム7と熱接着性樹脂層4b との間に、中間層としてガスバリヤー層6b を追加し、接着層5d 、5e を介して積層して構成したものである。
【0038】
以上、図1〜図6に示した壁面用積層体50a 〜50d または底面用積層体60a 、60b の構成において、外側の透明樹脂層1a 、1b 、基材フィルム層7、中間層の絵柄等の印刷層2、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3、およびガスバリヤー層6a 、6b 、最内層の熱接着性樹脂層4a 、4b の具体例など内容については、先に説明したので重複を避けるため、ここでは説明を省略する。
前記各層の間の接着層5a 〜5e には、その積層方法に応じて適するものを使用することができる。
接着層5a 〜5e の両側の層が、ロール状に巻き上げられた形状で供給される場合は、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)などで貼り合わせることができ、ドライラミネーション法で貼り合わせる場合は、接着層5a 〜5e として、例えば、二液硬化型ポリウレタン系接着剤など、公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。また、押し出しラミネーション法で貼り合わせる場合は、例えば、LDPE(低密度ポリエチレン)、エチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン系共重合体、その他、耐熱性が必要な場合は、ポリプロピレン系の熱接着性樹脂、具体例としてポリプロピレン系アドマー〔三井化学(株)製〕などを使用することができ、これらは、両側の層の間に膜状に溶融押し出して、圧着、冷却する方法で使用される。
【0039】
最内層の熱接着性樹脂層4a 、4b は、予め製膜した無延伸フィルムを上記の方法で貼り合わせてもよいが、積層面にアンカーコートを施して、その上に前記の熱接着性樹脂を押し出しコートして積層することもできる。
また、中間層のガスバリヤー層6a 、6b として、アルミニウム箔などの金属箔を使用する場合は、折り曲げなどによるクラックの発生を防止するため、更にその内側の面に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの保護層を積層することができる。
前記各層をドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する場合、その積層面には、必要に応じて、接着性を向上させるため、コロナ放電処理、オゾン処理、アンカーコート、プライマーコートなどの公知の易接着性処理を施すことができる。
特に、中間層の前記厚紙3の積層面は接着剤などを吸収しやすいため、必要な場合、目止めを兼ねて、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの水分散型のエマルジョンもしくはディスパージョンによる水性アンカーコートなどを施すことができる。
ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂を用いた水性アンカーコート剤は、接着性向上剤としてだけではなく、前記厚紙3のサイズ度の向上剤としても有効である。
【0040】
尚、本発明において、壁面用積層体50a 〜50d には、その剛性を高め、容器の保形性を向上させると共に、絵柄等の印刷層2の印刷効果を高め意匠性を向上させるために、中間層に前記厚紙3を積層したが、底面用積層体60a 、60b に関しては、柔軟性が必要とされるため、特に厚紙を積層する必要はない。只、自立性袋状の容器の底面中央部近辺においては、剛性を高めることにより容器の保形性を向上させるための補助手段にはできるので、この部分にパターン状に厚紙を積層することは差し支えない。
【0041】
次に、図7は、本発明の自立性袋状の容器の第一の実施例の構成を示す図であり、(イ)はその模式正面図、(ロ)は(イ)に示した自立性袋状の容器のA−A線の模式断面図である。
図7の(イ)、(ロ)に示した自立性袋状の容器100は、その底部が、前後の壁面用積層体50、50の下部の間に、底面用積層体60を内側に折り返して底面用積層体折り返し部13まで挿入してなるガセット部11を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面用積層体60の両側の下端近傍には、この場合、半楕円状の底面用積層体切り欠き部12a 、12b が設けられており、ガセット部11は、その外側端縁部が所定幅でヒートシールされるシールパターンの底部シール部9でヒートシールして形成され、胴部が、前後の壁面用積層体50、50の両側の端縁部を側部シール部8a 、8b でヒートシールして形成されている。
【0042】
また、自立性袋状の容器100の上部は、この部分から内容物を充填した後、上部シール部10でヒートシールされるが、上部シール部10の下側には、容器100の開封を容易にする開封手段として、ハーフカット線15と、その一方の端部にノッチ14が設けられて構成されている。
尚、上記前後の壁面用積層体50には、例えば、前記図1〜図4で説明した構成の壁面用積層体50a 〜50d を使用することができ、また、上記底面用積層体60には、例えば、前記図5、図6で説明した構成の底面用積層体60a 、60b を使用することができる。
【0043】
このような構成を採ることにより、内容物の充填は、例えば、従来のスタンディングパウチ用の充填シール機を利用して、自立性袋状の容器100の上部の開口部から容易に充填し、充填後、上部シール部10をヒートシールして密封することができる。
内容物が充填された容器100は、底部が前後に大きく広がり立体構造を採るので、容量の割にコンパクトに包装することができ、また、底面の外周にはヒートシール部による脚部が形成されると共に、前後の壁面用積層体50は、その中間層に米坪量70〜280g/m2 の厚紙3が積層され、剛性が高められているので、容器の自立性と保形性が向上され、内容物が割れやすいものや潰れやすいものであっても、安全に保護することができる。
【0044】
また、前後の壁面用積層体50は、少なくとも外側の透明樹脂層1a 、1b と、中間層の絵柄等の印刷層2と、米坪量70〜280g/m2 の厚紙3と、最内層の熱接着性樹脂層4a とを含む積層体で形成され、また、底面用積層体60は、少なくとも外側の基材フィルム層7と、最内層の熱接着性樹脂層4b とを含む積層体で形成されているので、前後の壁面用積層体50の絵柄等の印刷層2は、外側の透明樹脂層1a 、1b と前記厚紙3の間に設けることができ、外側が透明樹脂層1a 、1b で保護されると共に、内側の前記厚紙3の白さと不透明性により印刷効果が高められるので、自立性袋状の容器100の意匠性を向上させることができる。また、前後の壁面用積層体50および底面用積層体60の中間層には、ガスバリヤー層6a 、6b を積層することができ、それにより内容物の保存性を向上させることができる。
【0045】
自立性袋状の容器100に充填された内容物を取り出す際には、上部シール部10の下側に、容器100の開封を容易にする開封手段として、ハーフカット線15と、その一方の端部にノッチ14が設けられているので、鋏などの道具を使用することなく、ノッチ14を起点としてハーフカット線15に沿って容易に手で引き裂いて容器100の上部全体を開封することができる。従って、内容物が大きさのある固形物の場合でも、内容物を容易に取り出すことができる。
【0046】
図8は、本発明の自立性袋状の容器の第二の実施例の構成を示す模式正面図であり、図8に示した自立性袋状の容器200は、前記図7に示した自立性袋状の容器100の構成において、底部のガセット部11をヒートシールする底部シール部9のシールパターンを、内側が円弧状の湾曲線で形成される船底形のシールパターンに変更すると共に、前後の壁面用積層体50に、底部近辺から上方に向けて中間部よりやや上寄りの位置まで、縦方向の押し罫16を3本適宜の間隔をあけて設けて構成したものであり、その他の構成は、全て前記図7に示した自立性袋状の容器100と同様に形成して構成したものである。
【0047】
このような構成を採ることにより、前記図7に示した自立性袋状の容器100と比較して、内容物充填後の容器200の底部の広がり形状が、底部シール部9のシールパターンにより楕円状になり、底面用積層体60が滑らかな曲面を形成して広がるようになる。従って、内容物の収納が安定化されると共に、底面の外周に形成される脚部の剛性も強くなり、容器200の自立性が一層向上される。また、前後の壁面用積層体50に設けた縦方向の押し罫16により、容器200の胴部が多角柱状となり縦方向の剛性が強化されるので、保形性が一層向上されると共に胴膨れも防止され、容器200の外観も優れたものになる。
また、前記変更点以外は、前記図7に示した自立性袋状の容器100と同じ構成であるため、図7に示した自立性袋状の容器100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0048】
次に、図9は、本発明の自立性袋状の容器の第三の実施例の構成を示す模式正面図であり、図9に示した自立性袋状の容器300は、前記図7に示した自立性袋状の容器100の構成において、底部のガセット部11をヒートシールする底部シール部9のシールパターンを、内側が所定幅の底部から両側が外側に傾斜を持って直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンに変更すると共に、前後の壁面用積層体50に、上記船底形のシールパターンの所定幅の底部の両端、即ち、両側が外側に傾斜を持って直線状に立ち上がる部分の基部近傍から上方に向けて、中間部よりやや上寄りの位置まで、縦方向の押し罫16を2本設けて構成したものであり、その他の構成は、全て前記図7に示した自立性袋状の容器100と同様に形成して構成したものである。
【0049】
このような構成を採ることにより、自立性袋状の容器300は、前記図7に示した自立性袋状の容器100と比較して、底部シール部9の前記シールパターンと前後の壁面用積層体50に設けた押し罫16により、内容物充填後の容器300の底部の広がり形状が六角形状になると共に、その上の胴部も前後4本の押し罫16が折れ曲がって広がるので、容器胴部が安定した六角柱状になり、前記図8に示した自立性袋状の容器200の場合と同様に、底面の外周にヒートシール部で形成される脚部の面積が大きくなり、その剛性が高められるため、容器300の自立性が一層向上されると同時に、その保形性も一層向上され、また、胴膨れも防止されるため、外観も一層向上される。
また、前記変更点以外は、前記図7に示した自立性袋状の容器100と同じ構成であるため、図7に示した自立性袋状の容器100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0050】
以上のような本発明の自立性袋状の容器は、その本体部が、通常のスタンディングパウチと同様に、底部をガセット形式で形成して自立性を付与した形態であるため、基本的には、従来のスタンディングパウチ用の製袋機を利用して製造することができる。そして、必要に応じて、底部のガセット部をヒートシールする熱板などのシールヘッドの形状を変更すると共に、容器の上部に開封手段として、ハーフカット線やノッチを設ける場合は、例えば、レーザー光照射装置や打ち抜き装置などをスタンディングパウチ用の製袋機に追加付設し、また、前後の壁面用積層体に押し罫を設ける場合は、その熱プレス装置またはエンボス装置などを追加付設することにより、いずれも容易に製造することができる。
【0051】
【実施例】
次に、本発明の自立性袋状の容器について、実施例を示して更に具体的に説明する。
【0052】
(実施例1)
図7に示した構成の自立性袋状の容器を作製することとし、前後の壁面用積層体50として、外側から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと記載する)(厚み12μm)/接着層1/多色グラビア印刷層・コートカード紙(米坪量150g/m2 )/接着層2/アルミニウム蒸着PETフィルム(厚み12μm)/接着層3/無延伸LLDPEフィルム(厚み60μm)の順に積層した積層体を用い、また、底面用積層体60には、外側から、PETフィルム(厚み12μm)/接着層4/アルミニウム蒸着二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)/接着層5/無延伸LLDPEフィルム(厚み60μm)の順に積層した積層体を用いて、スタンディングパウチ用製袋機を使用し、これにハーフカット線15とノッチ14を設けるためめのレーザー光照射装置と打ち抜き装置を取り付けて、図7に示した構成で、外形寸法が幅130mm、長さ190mmで、ガセット部11の長さが40mmとなるように加工して、実施例1の自立性袋状の容器を作製した。
【0053】
尚、上記壁面用積層体50と底面用積層体60の構成において、接着層1〜5のうち、接着層1、2の部分、即ち、壁面用積層体50の外側のPETフィルムと多色グラビア印刷層を設けたコートカード紙の貼り合わせ部の接着層1にはLDPE(厚み15μm)を用い、また、多色グラビア印刷層を設けたコートカード紙とアルミニウム蒸着PETフィルムの貼り合わせ部の接着層2にはエチレン−メタクリル酸共重合体(厚み15μm)を用いて押し出しラミネーション法で貼り合わせたほかは、全て二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネーション法で貼り合わせたものである。
また、容器上部のハーフカット線15は、外側からPETフィルム(厚み12μm)の全層とコートカード紙(米坪量150g/m2 )の1/2程度の厚みまでがカットされるように設けた。
【0054】
(実施例2)
図9に示した構成の自立性袋状の容器を作製することとし、前後の壁面用積層体50および底面用積層体60には、前記実施例1の自立性袋状の容器に用いた壁面用積層体50および底面用積層体60と同じ構成の積層体を用い、また、容器の製造には、前記実施例1の自立性袋状の容器の製造に使用したスタンディングパウチ用の製袋機の底部シール部9用のシールヘッドを、図9に示した形状の船底形のシールヘッドに変更すると共に、更に、前後の壁面用積層体50に押し罫16を設けるための熱プレス装置(雄型と雌型を使用したもの)を追加付設した製袋機を使用し、図9に示した構成で、外形寸法が幅130mm、長さ190mm、ガセット部11の長さが40mmとなるように加工して、実施例2の自立性袋状の容器を作製した。
【0055】
(比較例1)
前記実施例1の自立性袋状の容器の構成において、前後の壁面用積層体50の構成から、コートカード紙(米坪量150g/m2 )を取り除き、代わりに二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)を用いて、外側のPETフィルム(厚み12μm)と、内側のアルミニウム蒸着PETフィルム(厚み12μm)との貼り合わせをドライラミネーション法に変更して貼り合わせると共に、多色グラビア印刷層は、同じデザインで裏刷り方式に変更して外側のPETフィルム(厚み12μm)の内面に印刷して前後の壁面用積層体50を作製したほかは、全て実施例1と同様に加工して比較例1の自立性袋状の容器を作製した。
この場合、ハーフカット線15は、外側から、PETフィルム(厚み12μm)と二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)までがカットされるように調節して設けた。
【0056】
〔試験および評価〕
以上のように作製した実施例1、2、および比較例1の自立性袋状の容器について、その保形性による内容物の保護性、印刷層の印刷効果による意匠性、容器の外観を評価するため、各自立性袋状の容器に内容物として、スティック状のスナック菓子を充填し、ヒートシールにより密封した後、目視により、前記印刷効果による意匠性および容器の外観を評価すると共に、内容物の保護性を以下の方法で落下試験を行い、内容物の損傷状態を調べて評価した。
落下試験は、内容物を充填、シールした各試料の容器を60cmの高さから、コンクリートの床面に、1回から3回まで、垂直に自然落下させる方法で行ったものである。
【0057】
上記のように試験および評価を行った結果、実施例1、2の自立性袋状の容器は、いずれも前後の壁面用積層体の中間層に米坪量70〜280g/m2 の厚紙、この場合、米坪量150g/m2 のコートカード紙が積層されているので、壁面用積層体の剛性が高く、容器の保形性が向上され、容器にカールやシワなどがなく外観に優れ、絵柄等の印刷層の印刷効果についても、厚紙の白さと不透明性により大幅に向上され、意匠性に優れていた。特に、実施例2の自立性袋状の容器は、前後の壁面用積層体に縦方向の押し罫を2本、図9に示したように設けているので、内容物充填後の容器胴部が六角柱状となり、保形性の向上と共に、形状がスマートで外観面で特に優れていた。
また、前記落下試験の結果についても、容器が保形性に優れ、且つ、底部の外周に形成された脚部の剛性も強化されているので、底面用積層体の柔軟性が生かされ、クッション効果があるため、内容物が直接衝撃を受けることが防止され、3回落下後の容器でも、内容物の損傷が少なく、内容物の保護性に優れていた。
【0058】
これに対して、比較例1の自立性袋状の容器は、前後の壁面用積層体50の中間層に厚紙が積層されていないので、剛性が低く保形性に劣り、カールなども生じやすく外観に劣り、また、絵柄等の印刷層の印刷効果も、この場合、背面にアルミニウム蒸着層があるためメタリックな感じを生かすデザインには適するが、厚紙の白さと不透明性を利用できないため、一般的なデザインでは鮮明さなどが不足し、意匠性に劣っていた。
また、落下試験の結果でも、容器が保形性に劣り、脚部の剛性も特に強化されないので、クッション効果も少なく、落下時の衝撃を内容物が直接受けやすいため、1回の落下でも内容物の損傷があり、3回の落下では内容物の損傷が著しく、内容物の保護性に劣っていた。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、安価な材料で製造でき、容器の作製や充填シール装置などに特別な装置を必要とせず、従来の装置を利用して容易に製造することができ、そのサイズチェンジも容易で、また、容器が優れた自立性と保形性を有し、内容物が割れやすいものや潰れやすいものであっても安全に保護することができ、更に、容器上部の全面開封も容易で、容器の印刷などによる意匠性も向上できるという性能、使用適性と共に、経済性にも優れた自立性袋状の容器を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第1の例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第2の例の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第3の例の構成を示す模式断面図である。
【図4】本発明の自立性袋状の容器に用いる前後の壁面用積層体の第4の例の構成を示す模式断面図である。
【図5】本発明の自立性袋状の容器に用いる底面用積層体の第1の例の構成を示す模式断面図である。
【図6】本発明の自立性袋状の容器に用いる底面用積層体の第2の例の構成を示す模式断面図である。
【図7】本発明の自立性袋状の容器の第一の実施例の構成を示す図であり、(イ)はその模式正面図、(ロ)は(イ)に示した自立性袋状の容器のA−A線の模式断面図である。
【図8】本発明の自立性袋状の容器の第二の実施例の構成を示す模式正面図である。
【図9】本発明の自立性袋状の容器の第三の実施例の構成を示す模式正面図である。
【符号の説明】
1a 、1b 透明樹脂層
2 絵柄等の印刷層
3 厚紙
4a 、4b 熱接着性樹脂層
5a 、5b 、5c 、5d 、5e 接着層
6a 、6b ガスバリヤー層
7 基材フィルム層
8a 、8b 側部シール部
9 底部シール部
10 上部シール部
11 ガセット部
12a 、12b 底面用積層体切り欠き部
13 底面用積層体折り返し部
14 ノッチ
15 ハーフカット線
16 押し罫
50、50a 、50b 、50c 、50d 壁面用積層体
60、60a 、60b 底面用積層体
100、200、300 自立性袋状の容器

Claims (4)

  1. 積層体を袋状にヒートシールして形成される自立性袋状の容器であって、該容器の胴部が、前後の壁面用積層体の両側端縁部を側部シール部でヒートシールして形成され、底部が、前後の壁面用積層体の下部の間に底面用積層体を内側に折り返して挿入し、ヒートシールしてなるガセット部を有する形式で形成され、且つ、前後の壁面用積層体が、少なくとも外側の透明樹脂層と、中間層の絵柄等の印刷層と、米坪量70〜280g/m2 の厚紙と、最内層の熱接着性樹脂層とを含む積層体で形成され、また、底面用積層体が、少なくとも外側の基材フィルム層と、最内層の熱接着性樹脂層とを含む積層体で形成されており、前記前後の壁面用積層体に、少なくとも縦方向の押し罫が、底面用積層体折り返し部のラインと底部シール部のラインとの間の位置から、少なくとも自立性袋状の容器の中間部より上方の位置まで、複数本適宜の間隔をあけて設けられていることを特徴とする自立性袋状の容器。
  2. 前記前後の壁面用積層体および底面用積層体が、中間層にガスバリヤー層を含むことを特徴とする請求項1に記載の自立性袋状の容器。
  3. 前記容器の底部のガセット部が、内側の中央部が低く、両側端部に向かって高くなる船底形のシールパターンでヒートシールされていることを特徴とする請求項1または2に記載の自立性袋状の容器。
  4. 前記容器の上部に開封手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自立性袋状の容器。
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