JP4984240B2 - 自立袋 - Google Patents
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このような問題を解決するために、例えば、袋の壁面フィルムに種々の形状の押し罫を設けて、その折り曲げ、あるいはリブ効果により、袋の保形性、形態安定性を向上させた袋が提案されている。
即ち、請求項1に記載した発明は、袋の胴部が前後の壁面の積層フィルムの両側の端縁部を縦方向の側部シール部でヒートシールして形成され、袋の底部が積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部がその中央部が低くその両側が袋の側部に向かって徐々に高くなる船底形のシールパターンでヒートシールされて形成される自立袋において、該袋の上部の一方のコーナー部に狭い幅の注出口部が設けられると共に、前後の壁面の積層フィルムに、その上下には、上端が、前記注出口部が設けられた領域は除いて、該袋の上端から35mm程度下の位置で、そこから下方に底部のガセット部の上端よりも15mm程度上の位置までの範囲で、左右には、両側の側部シール部近傍間の範囲の領域に、上下の端部でその幅が最大となり、そこからそれぞれ袋の高さ方向の中間点に向けて徐々に幅が狭くなり、該中間点で袋の全幅の1/2程度で最小幅となる、外形が中細りの矩形状で、高さが3mm以下の凸部が熱成形により設けられていることを特徴とする自立袋からなる。
請求項3に記載した発明は、前記両側の側部シール部の高さ方向の中間部に、内側に曲線状に曲がった部分が設けられると共に、その外側が曲線状にカットされ、自立袋の高さ方向の中間部が、曲線状に狭い幅に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自立袋からなる。
また、本発明において、自立袋の底部のガセット部をヒートシールする船底形のシールパターンは、ガセット部の中央部が高さが低くその両側から袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のシールパターンであれば何でもよく、例えば、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部を、所定幅の直線状のヒートシール部を水平方向に設けた形状とし、その両側から袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部を、前記水平方向に設けた直線状のヒートシール部の両側から袋の側部に向かって直線状に徐々に高くなる形状として形成してもよく、また、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部と、その両側から袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部の両方を円弧状などの曲線状に形成した形状としてもよい。
更に、注出口部の両面の積層フィルムには、注出口部の開口性をよくするために、熱エンボスなどの手段で膨らみ部を設けることができる。
前記凸部の高さが3mmを越える場合は、空袋を束ねたとき凸部が潰されやすくなると共に、凸部の側部などに小じわ発生しやすくなるため好ましくない。
また、充填された内容物を注出する際には、袋の上部の一方のコーナー部に狭い幅の注出口部が設けられているので、ボトルなどの口径の小さな容器に移し替える場合でも、外にこぼすことなく安全に注出することができ、更に、前記凸部は、内容物を注出口部に流動しやすくすると共に、袋の胴部を手で持った時、滑り止めとしても作用するので袋を持ちやすく、自立袋の注出適性を一層向上させることができる。
先ず、本発明の自立袋の製造に用いる積層フィルムは、特に限定はされず、スタンディングパウチなどの自立袋に用いられている公知の積層フィルムはいずれも使用できる。
自立袋の壁面に用いる積層フィルムと底面に用いる積層フィルムには、同じ構成の積層フィルムを用いてもよいが、必要に応じて異なる構成の積層フィルムを用いることもできる。
上記基材フィルム層、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成することもできる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記無機酸化物の蒸着層は、単独の層で形成してもよいが、複数の層で形成することにより一層優れたガスバリヤー性を得ることができる。
また、前記無機酸化物の蒸着層は、その接着性を向上させ、或いは亀裂などの損傷を防止して優れたガスバリヤー性を有効に発揮させるため、その上下の面に接着性向上層、保護層、ガスバリヤー性向上層などの目的で、反応型アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シランカップリング剤を含有させたアクリル系樹脂、金属アルコキシドを含有させた水溶性高分子、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などの樹脂層を設けて複合層としてガスバリヤー層を形成することができる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を基材フィルム層またはガスバリヤー層などの積層面に押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいもの、またはそれを含むものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
また、エチレン・αオレフィン共重合体でシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の自立袋のように、底部にガセット部を設けて形成した自立袋や、通常のガセット袋などヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
図1は、本発明の自立袋の第1の実施例の構成を示す正面図である。
図2は、図1のC−C線の断面図である。
図3は、本発明の自立袋の第2の実施例の構成を示す正面図である。
また、前後の壁面の積層フィルム1、1′には、図において、中細りの矩形状の凸部Sとして示した形状の凸部を、その上下方向には、上端が、前記注出口部10が設けられた領域は除いて、袋100の上端から35mm程度下の位置で、そこから下方に底部のガセット部4の上端2よりも15mm程度上の位置までの範囲で、左右方向には、両側の側部シール部6a 、6b の近傍間の範囲の領域に、上下の端部でその幅が最大となり、そこからそれぞれ袋100の高さ方向の中間点(C−Cで示した線)に向けて徐々に幅が狭くなり、該中間点で袋100の全幅w1 の略1/2の幅で最小幅(凸部の最小幅の部分の上面の幅w2 で示した部分)となる外形の形状で、その高さは、袋の幅方向には同一高さとし、前記中間点(C−C線)近辺が最も高く2.5〜3.0mm程度とし、そこから上下の端部に向けて徐々に高さが低くなり、上下の端部で高さが略0になる形状に熱成形により設けて構成したものである。
また、前記中細りの矩形状の凸部Sの熱成形は、通常の熱成形と同様に、雌型と雄型を用いて該凸部Sの形状を突出させるように熱成形してもよいが、逆に、前記凸部Sの周囲の必要部分を雌型と雄型を用いて窪ませるように熱成形して行うこともできる。この方法で前記凸部Sの熱成形を行った場合、特に、積層フィルム1、1′の側部シール部6a 、6b の近辺の領域において、積層フィルムが熱成形による歪みを受けることが少なくなり、側部シール部6a 、6b の近傍に発生していた小じわを少なくできる利点があり、自立袋100の外観の向上に対して効果的である。
図2において、上下に示された前後の壁面の積層フィルム1、1′は、その両側の端縁部が側部シール部6a または側部シール部6b でヒートシールにより熱接着されており、それぞれの積層フィルム1、1′の中央部には、中細りの矩形状の凸部Sが、両側の側部に傾斜線で示した凸部の側面14を有し、袋の幅方向、図において左右方向には同一高さになるように熱成形により形成されている。
上記中細りの矩形状の凸部Sは、前後の壁面の積層フィルム1、1′に、それぞれが対称形となるように設けられるものである。
また、図2は、図1に示した自立袋100の高さ方向の中間線C、即ち、自立袋100の全高さをh1とすると、その1/2の高さのh2で示した高さ位置の断面図であり、この位置で中細りの矩形状の凸部Sは、その高さが最も高く2.5〜3.0mmであることが好ましく、その幅は最も狭く自立袋100の全幅をw1 とすると、凸部の最小幅の部分の上面の幅w2 が、全幅w1 の1/2の幅であることが好ましい。
尚、前記図1、図2に示した自立袋100の構成は、請求項1または2に記載した発明の自立袋の構成に相当するものであり、このような構成を採ることにより得られる作用効果についても、請求項1または2に記載した発明の自立袋で説明した作用効果と同様な作用効果を得られるものである。
上記自立袋200の構成において、両側の側部シール部6a 、6b の高さ方向の中間部に設けた曲線状の曲がり部13a 、13b は、袋の高さ方向には50mm〜90mmの範囲で、且つ前記中細りの矩形状の凸部Sの側部外側の領域内であればよく、袋の幅方向には、最大部の曲がり幅が曲線状の曲がり部の最大部の幅w3 に示した位置、即ち、自立袋200の高さ方向の中間点Cの位置で、曲線状の曲がり部の最大部の幅w3 が5〜15mmの範囲であることが好ましい。
図3に示した自立袋200の構成は、請求項3に記載した発明の自立袋の構成に相当するものであり、この構成を採ることにより得られる作用効果についても、請求項3に記載した発明で説明した作用効果と同様である。
(1)積層フィルム(1、1′)の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)(厚み15μm)・印刷層/接着剤/酸化珪素蒸着層・二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、酸化珪素蒸着PETフィルム)(厚み12μm)/接着剤/線状低密度ポリエチレン(以下、L・LDPE)フィルム(厚み80μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、ドライラミネーション法で行い、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤(乾燥時の塗布量3g/m2 )を使用したものである。
自立袋の外形寸法は、幅が135mmで、高さ(長さ)が230mmとし、底部のガセット部4の高さ、即ち、袋の底辺から底面の積層フィルム折り返し部(ガセット部の上端)2までの高さは40mmとした。
ガセット部4をヒートシールする船底形のシールパターンは、図示した通り、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンとした。
また、袋の両側の側部シール部6a 、6b の幅は各5mmとした。
注出口部10は、図示した形状で、注出口部シール部7に示した形状の最大部の幅が42mmで、最大部の長さが52mmとなる大きさに設けた。細部については、ハーフカット線11を設けた位置の全幅が24mmで、注出口部10の先細り角度は略36°になるように設けた。
尚、上記中間線Cの高さは、袋100の全高さh1 が230mmであるため、袋の全高さの1/2の高さh2 であり、115mmである。
次いで、注出口部を開封し、手で袋を支えて口径の小さなボトルに内容物を移し替えたところ、実施例1、2の各自立袋とも、前後の壁面の積層フィルムに、前記中細りの矩形状の凸部Sが設けられているので、袋を持ちやすく滑ることもなく、更に、内容物の注出口部への流動もスムーズに行われ、注出時の操作性、内容物の排出性にも優れていた。
特に、実施例2の自立袋は、両側の側部シール部の高さ方向の中間部に、前記曲線状の曲がり部を設けているので、一層持ちやすく注出時の操作性に優れるほか、袋の両側の側部シール部の近辺に発生する小じわも少なく外観面でも一層優れていた。
2 底面の積層フィルム折り返し部(ガセット部の上端)
3a 、3b 底面の積層フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 注出口部シール部
8 上部シール部
9a 、9b 切り欠き部
10 注出口部
11 ハーフカット線
12 ノッチ
13a 、13b 曲線状の曲がり部
14 凸部の側面
S 中細りの矩形状の凸部
C 袋の高さ方向の中間線
h1 袋の全高さ
h2 袋の全高さの1/2の高さ(Cの高さ)
w1 袋の全幅
w2 凸部の最小幅の部分の上面の幅
w3 曲線状の曲がり部の最大部の幅
100、200 自立袋
Claims (3)
- 袋の胴部が前後の壁面の積層フィルムの両側の端縁部を縦方向の側部シール部でヒートシールして形成され、袋の底部が積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部がその中央部が低くその両側が袋の側部に向かって徐々に高くなる船底形のシールパターンでヒートシールされて形成される自立袋において、該袋の上部の一方のコーナー部に狭い幅の注出口部が設けられると共に、前後の壁面の積層フィルムに、その上下には、上端が、前記注出口部が設けられた領域は除いて、該袋の上端から35mm程度下の位置で、そこから下方に底部のガセット部の上端よりも15mm程度上の位置までの範囲で、左右には、両側の側部シール部近傍間の範囲の領域に、上下の端部でその幅が最大となり、そこからそれぞれ袋の高さ方向の中間点に向けて徐々に幅が狭くなり、該中間点で袋の全幅の1/2程度で最小幅となる、外形が中細りの矩形状で、高さが3mm以下の凸部が熱成形により設けられていることを特徴とする自立袋。
- 前記中細りの矩形状の凸部が、袋の幅方向には同一高さで、前記中間点近辺の高さが最も高く、上下の端部に向けて徐々に高さが低くなる形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自立袋。
- 前記両側の側部シール部の高さ方向の中間部に、内側に曲線状に曲がった部分が設けられると共に、その外側が曲線状にカットされ、自立袋の高さ方向の中間部が、曲線状に狭い幅に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自立袋。
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