JP2009241949A - 滑り防止機能付き自立袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】滑り防止機能付き自立袋を、底部にガセット部を設けて形成し、両側の側部シール部のうち、少なくとも一方の側部シール部を、内側にシール幅を広げてなる広幅シール部を有する形状に形成し、その広幅シール部に滑りを防止するための複数個の凸部及び/又は凹部を、その高さまたは深さが0.3〜3mmの範囲となるように設けて構成する。
【選択図】図1
Description
また、袋の側部などのヒートシール部を掴んだ場合は、内容物が飛び出すことはないが、ヒートシール部自体は、面積が狭いため掴みにくく、更に、ヒートシール部は滑りやすいため、袋を落としてしまうという問題があった。
しかし、袋の側部に把手部を設けるためには、積層フィルムを比較的大きく延長する必要があり、積層フィルムの使用量の増加が大きく、コストアップが大きくなる問題があった。
従って、袋の積層フィルムの使用量の増加を、できるだけ小さくしてコストアップを抑えると共に、袋の側部のヒートシール部に、何らかの滑り防止手段を設けて、この部分を指で掴んでも滑ることがなく、袋を持ちやすくできるようにすることが効果的と考えられる。
このような、袋の側部のヒートシール部に滑り防止手段を設けて、袋を持ちやすくしたような袋に関する特許文献は見当たらない。只、目的は異なるが、袋に設けられた注出路を容易に開封できるようにするために、注出路を開封する切断誘導線の外側の切除部の側部のヒートシール部に、指掛け孔または凹凸模様からなる1以上の滑り止め手段を設けた易開口性パウチがある(特許文献2参照)。
即ち、請求項1に記載した発明は、袋の胴部が前後の壁面の積層フィルムの両側の端縁部を縦方向の側部シール部でヒートシールして形成され、袋の底部が積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部がその中央部が低くその両側が袋の側部に向かって徐々に高くなる船底形の底部シール部でヒートシールされて形成される自立袋であって、前記両側の側部シール部のうち、少なくとも一方の側部シール部が、内側にシール幅を広げてなる広幅シール部を有する形状に形成され、該広幅シール部に滑りを防止するための複数個の凸部及び/又は凹部が、その高さもしくは深さが0.3〜3mmの範囲に設けられていることを特徴とする滑り防止機能付き自立袋からなる。
前記凸部及び/又は凹部の高さもしくは深さは、0.3〜3mmの範囲が好ましく、0.5〜2mmの範囲が更に好ましい。凸部及び/又は凹部の高さもしくは深さが0.3mm未満の場合は、十分な滑り防止機能を得難くなるため好ましくない。また、凸部及び/又は凹部の高さもしくは深さが3mmを越える場合は、既に十分な滑り防止機能が得られており、その必要性がなく、むしろヒートシール部の積層フィルムが傷められる危険性が増し、自立袋の強度が低下する恐れがあるため好ましくない。
請求項3に記載した発明は、前記凸部または凹部の平面形状が、円形状、矩形状、その他の多角形状、直線状、折れ線状、曲線状、波形状のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の滑り防止機能付き自立袋からなる。
また、本発明において、自立袋の底部のガセット部をヒートシールする船底形の底部シール部は、ガセット部の中央部が高さが低くその両側から袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のシールパターンであれば何でもよく、例えば、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部を、所定幅の直線状のヒートシール部を水平方向に設けた形状とし、その両側から袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部を、前記水平方向に設けた直線状のヒートシール部の両側から袋の側部に向かって直線状に徐々に高くなる形状として形成してもよく、また、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部と、その両側から袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部の両方を円弧状などの曲線状に形成した形状としてもよい。
更に、注出口部の両面の積層フィルムには、注出口部の開口性をよくするために、熱エンボスなどの手段で膨らみ部を設けることが好ましい。
最大部の幅が15mm未満の場合は、その広幅シール部に滑りを防止するために十分な前記凸部及び/又は凹部を設けることが難しくなると共に、その部分を指で掴んで袋を持つ際にも、幅が狭く持ち難くなるため好ましくない。また、最大部の幅が35mmを越える場合は、既に指で掴み易くするためのスペース、および滑りを防止するために十分な前記凸部及び/又は凹部を設けるスペースがあり、その必要がなく、むしろ自立袋の内部の容積が小さくなるため好ましくない。
また、液状などの内容物が密封包装された自立袋は、底部の構成により優れた自立性が付与される。
内容物を取り出す際には、自立袋の上部のヒートシール部を切り取って開封することにより、両側の側部シール部のうち、少なくとも一方の側部シール部が、内側にシール幅を広げてなる広幅シール部を有する形状に形成され、該広幅シール部に滑りを防止するための複数個の凸部及び/又は凹部が、その高さもしくは深さが0.3〜3mmの範囲に設けられているので、前記広幅シール部に設けられた複数個の凸部及び/又は凹部の部分を容易に指で掴んで袋を持つことができ、また、指と袋が滑ることがなく、高齢者など力の弱い人でも安全に袋を傾けて内容物を取り出すことができる。
また、前記広幅シール部は、側部シール部の幅を内側に広げて形成しているので、特に、自立袋の製造に使用する積層フィルムの量が増えることもなく、殆どコストアップすることなく滑り防止機能付き自立袋を製造することができる。
先ず、本発明の滑り防止機能付き自立袋の製造に用いる積層フィルムは、特に限定はされず、スタンディングパウチなどの自立袋に用いられている公知の積層フィルムはいずれも使用できる。
自立袋の壁面に用いる積層フィルムと底面に用いる積層フィルムには、同じ構成の積層フィルムを用いてもよいが、必要に応じて異なる構成の積層フィルムを用いることもできる。
上記基材フィルム層、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成することもできる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記無機酸化物の蒸着層は、単独の層で形成してもよいが、複数の層で形成することにより一層優れたガスバリヤー性を得ることができる。
また、前記無機酸化物の蒸着層は、その接着性を向上させ、或いは亀裂などの損傷を防止して優れたガスバリヤー性を有効に発揮させるため、その上下の面に接着性向上層、保護層、ガスバリヤー性向上層などの目的で、反応型アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シランカップリング剤を含有させたアクリル系樹脂、金属アルコキシドを含有させた水溶性高分子、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などの樹脂層を設けて複合層としてガスバリヤー層を形成することができる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を基材フィルム層またはガスバリヤー層などの積層面に押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいもの、またはそれを含むものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
また、エチレン・αオレフィン共重合体でシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の滑り防止機能付き自立袋のように、底部がガセット形式で形成され、ヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
図1は、本発明の滑り防止機能付き自立袋の第1の実施例の構成を示す正面図である。 図2は、本発明の滑り防止機能付き自立袋の第2の実施例の構成を示す正面図である。 図3は、本発明の滑り防止機能付き自立袋の第3の実施例の構成を示す正面図である。 図4は、本発明の滑り防止機能付き自立袋の第4の実施例の構成を示す正面図である。 図5は、本発明の滑り防止機能付き自立袋の第5の実施例の構成を示す正面図である。 図6は、本発明の滑り防止機能付き自立袋の第6の実施例の構成を示す正面図である。
尚、自立袋の上部は、上部シール部7でヒートシールするが、この部分は内容物の充填口に使用するため、内容物の充填後にヒートシールされる。また、上部シール部7の下側の側部シール部6a の外側端部には開封用のノッチ12を設けて構成したものである。
このような構成を採ることにより、自立袋に充填された内容物を取り出す際に、上部シール部7をノッチ12を利用して切り取って開封した後、いずれか一方、または両方の側部シール部の広幅シール部に配列して設けられた凸部13と凹部14の部分を指で掴んで袋を持つことができるので、持ちやすく且つ滑ることもなく、高齢者など力の弱い人でも安全に自立袋を持って内容物を取り出すことができる。
このような構成を採ることにより、図1に示した滑り防止機能付き自立袋100で説明した作用効果に加えて、例えば、自立袋200に液状の内容物が充填され、その内容物を口径の小さなボトルなどの他の容器に移し替えて使用する場合でも、注出口部21を利用して外にこぼすことなく安全に内容物を移し替えることができる。
更に、別の実施例として、図には示していないが、上記注出口部21を設けた位置に、注出口部21に替えて、例えば、プラスチックの成形体よりなるキャップ付きの注出口を取り付けることもできる。プラスチックの成形体よりなるキャップ付きの注出口は、硬さがあるため、内容物を注出する際に、注出の途中で注出口が閉塞するようなことがなく、また、内容物を複数回に分割して使用する場合でも、キャップにより再封できるので、安全に繰り返し使用することができる。
このような構成を採った場合も、図1に示した滑り防止機能付き自立袋100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
このような構成を採った場合も、図1に示した滑り防止機能付き自立袋100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
即ち、形状については、幅が1.5mmで長さが3.5mm程度の長方形状の凸部13に統一し、これを図において右側の側部シール部6b の広幅シール部には、前記長方形状の凸部13を4個を×印形に互いに接触しないように間隔をあけて配置し、これを横並びに2個配置したパターンを1単位として、これを縦方向に1.5mm程度の間隔をあけて繰り返し配列して設け、また、図において左側の側部シール部6a の広幅シール部には、前記長方形状の凸部13を横向きにした形状で、広幅シール部の円弧に沿って、それぞれ3mmの間隔をあけて縦方向に配列して設けて構成したものである。
このような構成を採った場合も、図1に示した滑り防止機能付き自立袋100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
このような構成を採った場合も、略図1に示した滑り防止機能付き自立袋100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
(1)積層フィルム(1、1′)の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)・印刷層/接着剤/酸化珪素蒸着層・二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)/接着剤/線状低密度ポリエチレンフィルム(厚み80μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、ドライラミネーション法で行い、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤(乾燥時の塗布量3g/m2 )を使用したものである。
自立袋の外形寸法は、幅が150mmで、高さ(長さ)が220mmとし、底部のガセット部4の高さ、即ち、袋の底辺から底面の積層フィルム折り返し部2までの高さは45mmとした。
ガセット部4をヒートシールする底部シール部5のシールパターンは、図示した通り、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンとした。
また、自立袋の両側の側部シール部6a 、6b の広幅シール部を含む形状、および広幅シール部に設けた前記凸部13および凹部14の形状、寸法は、図1に示し、また、図1で説明した通りである。只、前記凸部13および凹部14の高さまたは深さは、それぞれ最大部で1mmとした。
また、注出口部21の前後の積層フィルム1、1′には、それぞれ注出口部21の先端部近傍から注出口部の基部を越えて袋の内部に至る領域に、外側に膨らむ膨らみ部Sを、その断面が台形状で全長が55mmとなるように熱プレス成形して設けた。
上記注出口部21を追加して設けた他は全て実施例1と同様に形成して実施例2の滑り防止機能付き自立袋を作製した。
また、実施例2の滑り防止機能付き自立袋には、内容物としてシャンプーを充填し、脱気シールにより密封して包装体とした。
上記実施例1の包装体については、加熱した後、側部シール部6b の広幅シール部に設けられた凸部13および凹部14の部分を指で掴んで持ち上げたところ、持ちやすく、また滑ることもなく、持ちやすさの向上効果を確認できた。また、加熱後の包装体は、側部のヒートシール部を指で掴んでも熱さを感じるが、この部分に前記凸部13および凹部14が設けられているので、感じる熱さが緩和され、この点でも持ちやすくなっていた。
実施例2の包装体については、注出口部21をハーフカット線11に沿って切り取って開封した後、側部シール部6b の広幅シール部に設けられた凸部13および凹部14の部分を指で掴んで持ち上げ、反対側の側部シール部6a の下部を手で支えて自立袋を傾けて、専用のボトルに内容物の移し替えを行ったところ、全部を移し替えるまでに20秒程度を要したにもかかわらず、この間、楽に持つことができ、滑ることもなく、安全に移し替えることができ、持ちやすさの向上効果を確認できた。
2 底面の積層フィルム折り返し部
3a 、3b 底面の積層フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 上部シール部
8 注出口部シール部
10a 、10b 切り欠き部
11 ハーフカット線
12 ノッチ
13 前面側が凸状となる凸部
14 前面側が凹状となる凹部
21 注出口部
S 膨らみ部
100、200、300、400、500、600 滑り防止機能付き自立袋
Claims (4)
- 袋の胴部が前後の壁面の積層フィルムの両側の端縁部を縦方向の側部シール部でヒートシールして形成され、袋の底部が積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部がその中央部が低くその両側が袋の側部に向かって徐々に高くなる船底形の底部シール部でヒートシールされて形成される自立袋であって、前記両側の側部シール部のうち、少なくとも一方の側部シール部が、内側にシール幅を広げてなる広幅シール部を有する形状に形成され、該広幅シール部に滑りを防止するための複数個の凸部及び/又は凹部が、その高さもしくは深さが0.3〜3mmの範囲に設けられていることを特徴とする滑り防止機能付き自立袋。
- 前記自立袋のもう一方の側部シール部にも、内側にシール幅を広げてなる広幅シール部が設けられると共に、該広幅シール部またはその下方の底部シール部の側部のいずれかに、1個以上の前記凸部及び/又は凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の滑り防止機能付き自立袋。
- 前記凸部または凹部の平面形状が、円形状、矩形状、その他の多角形状、直線状、折れ線状、曲線状、波形状のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の滑り防止機能付き自立袋。
- 前記自立袋の上部の一方のコーナー部に、外周をヒートシールしてなる狭い幅の注出口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の滑り防止機能付き自立袋。
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