JP4184595B2 - 金属成分を腐食から一時的に保護するための組成物、その製造法と応用、およびこの組成物から得られる金属成分 - Google Patents

金属成分を腐食から一時的に保護するための組成物、その製造法と応用、およびこの組成物から得られる金属成分 Download PDF

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Description

【0001】
本発明の主題は、金属成分を腐食から一時的に保護するために使用する組成物、該組成物の製造法およびこの組成物から誘導された乾燥フィルムで被覆された金属成分に関する。
【0002】
金属表面の一時的保護、さらに特定すれば、金属シートの大気中での腐食からの保護の問題は、製造業者にとっては、常に最大の関心事である。それ故、金属シートの表面上に、脂肪の薄膜、特に常用の保護用オイルをベースにする薄膜で一時的に保護する多くの可能性が既に存在する。
【0003】
しかし、需要家の要求基準が高まってきて、鋼鉄製造業者は、非常に多様な因子(外観、表面処理への適合性、現場の清浄度(cleanliness of the premises)、毒性および類似の因子)を考慮した、さらに入念な解決法を提供するようになってきた。これらの課題は、非‐脂肪系塗料とその塗布方法の開発により、部分的には満足され、その塗料の性質は、処理した金属シートに二か月程度の一時的腐食防止性を提供する(フランス特許、FR9208037)。
【0004】
しかし、需要家の側には、より良好な腐食安定性、勿論、以後の使用性を損なうことなしに、特に、長期の腐食安定性、望ましくは、3か月以上の腐食抵抗性を示す塗料に対する要望が残っている。
【0005】
本発明の特定の目的は、これらの要求に応じる新規な塗料を提供することである。
主要な方法は、一時保護用のオイル配合物のベースを有する塗料に一種またはそれ以上の腐食抑制剤を混和することから成る。
【0006】
普通、保護用オイルに含まれる腐食抑制剤は、
・アミノアルコールタイプのアミノ化合物、
・スルホン酸のバリウム塩もしくはナトリウム塩、またはアルキルベンゼンスルホン酸塩のようなスルホン酸誘導体、および
・リノレイン酸タイプの酸、
から選ばれる。
【0007】
残念ながら、このような常用の防止剤で得られる腐食抵抗性の増大は満足できるものではない。
従って、現在、腐食抵抗性期間が有意に改善され(3か月以上)、ドライな外観および(準備を含めて、または準備なしでの)表面処理適合性を有し、それに加えて、毒物学上の規則に適っている(バリウム塩、重金属塩および類似物を含まない)、金属成分の一時的保護法に対する需要が残っている。
【0008】
かくして、本出願社(Applicant Company)は、腐食抑制剤として、飽和カルボン酸の複素環式チオエーテルを水中油滴型エマルション中に混和すると、全てのこれらの要求に、特異的に、そして満足に適合し得ることを明らかにした。
【0009】
さらに特定すれば、本発明は、水中油滴型エマルションを含んでなる、金属表面で腐食からの一時的保護を提供するために用いられる組成物に関し、該エマルションは、その水相中に、少くとも一種の次の一般式Iの化合物:
【0010】
【化2】
Figure 0004184595
【0011】
式中、R、R1 およびR2 基は、お互いに独立に、水素原子、C1 からC20のアルキル基、C1 からC20のハロアルキル基(そのハロゲンは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素であに得る)、C3 からC6 のシクロアルキル基、カルボキシル官能基もしくは、C2 からC6 のカルボキシアルキル基であり、nは1から3の整数であり、そしてXは硫黄もしくは酸素原子である;
を、その水溶性塩の一つの形で含んでいる。
【0012】
Rが水素原子で、Xが硫黄原子である一般式Iの化合物が望ましい。
予想外に、本発明の方法による腐食抑制剤を水中油滴型エマルションに添加すると、対応する塗膜に、非常に有意に長い期間にわたって腐食耐久性を付与する。この改善は、事実、予想されるより非常に大きく、換言すれば、そのエマルションと該抑制剤の個々の効果が、腐食耐久性に関して、重ね合わされているのに等しい。それは、この二つの成分間の有利な相乗作用の反映である。
【0013】
本特許請求組成物の新規性は、さらに、この請求組成物に用いられるエマルションの脂質相にではなく、水相中に、一般式Iの化合物を混和することに基づいている。この化合物は、本来、水に不溶性であり、そのため、それに満足な水中溶解度を付与する目的で、中和型として、その組成物中に存在する。
【0014】
本発明の方法により用いられる式Iの一つの化合物あるいは複数の化合物の中和は、この技術分野の習熟者なら普通に行なうことができる。例えば、中和は、アンモニア水溶液、モルホリン、エタノールアミン、カリウム・エトキシドもしくは水酸化カリウムで行われる。使用する試薬に依存して、適宜、最終組成物のpHを、推奨される用途に適合する値、即ち、8.2と9.5の間、望ましくは8.5と9の間に調整する必要がある。これは、例えば、エタノールアミンのような中和剤をさらに添加することにより、最終エマルションのpHを調整することにより容易に行うことができる。
【0015】
一般式Iの腐食抑制剤は、この特許請求組成物中に、1から10g/Lそして望ましくは1から3.5g/Lの割合で存在する。
一般式Iの推奨される化合物として、特に挙げられるのは、ベンゾチアゾリルチオスクシン酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)ステアリン酸、α‐(ベンゾオキサゾリルチオ)ラウリル酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプロン酸およびα‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプリル酸の水溶性塩類である。
【0016】
より望ましくは、水溶性の形のベンゾチアゾリルチオスクシン酸(BTSA)であり、より特定すれば、そのアンモニウム塩もしくはエタノールアミン塩である。
【0017】
エマルションについて言えば、それは、水中に分散した、75から90容量%の少くとも一種のオイルと5から10容量%の少くとも一種の界面活性剤を含んでなる3から13容量%のオイル相を含んでなる物として定義される。そのオイル相には、適宜、5から15容量%の割合で、補助的な腐食抑制剤が存在してもよい。
【0018】
望ましくは、このエマルションは、その水相に分散した、約3と8容量%の間、そして望ましくは約6容量%のオイルを含んでなる。
このエマルションのオイル相に存在するオイルは、鉱物、植物もしくは動物油からなる。
【0019】
鉱物油、そして望ましくはパラフィン系もしくはナフテン系の油もしくは、それらの混合物が有利である。
本発明の方法で推奨される鉱物油として、特に挙げられるのは、キャストロール社(Csstrol)からの可溶性油、アクアセーフ(Aquasafe)21R である。
【0020】
油相の界面活性剤として、ポリオキシエチレン・タイプのサーファクタントを使用するのが望ましい。
油相の腐食抑制剤として、カルボン酸、アルキルスルホン酸バリウムあるいはナトリウム、または脂肪酸のアミン塩を使用するのが有利である。
【0021】
本発明のの望ましい態様では、本特許請求組成物は、6%の可溶性油、望ましくは、キャストロール社のアクアセーフ21R を含んでなるエマルションの水相に、腐食抑制剤として、1から3.5g/Lの間の濃度、そして望ましくは、2.5g/L程度の濃度で存在するベンゾチアゾリルチオスクシン酸(BTSA)の水溶性塩を含んでなる。ベンゾチアゾリルチオスクシン酸のアンモニウム塩が、2.5g/L程度の濃度で存在するのが望ましい。
【0022】
本発明はまた、該組成物を調製する方法にも関する。
より特定すれば、この方法は、一般式Iの一つの化合物もしくは複数の化合物を、エマルションの水相に、それが油相で乳化される前に、水溶液の形で混和されることを特徴とする。
【0023】
これは、本出願社が、このエマルションに一般式Iの化合物を混和するこの方法が、予想に反して、対応する組成物の腐食防止活性に有意の効果及ぼすことに気が付いたためである。かくして、そのエマルションに、この一般式Iの化合物を水溶液の形で導入することが特に有利であることが証明された。かくしてこの化合物は、そのエマルションの水相中に分散されてとどまる。これは、この化合物を該エマルションの油相に直接添加すると、得られる組成物の腐食防止挙動に有意の影響を及ぼすことが観測されているからである。この効果は、下の実施例7および9により特定的に明示されている。
【0024】
本発明のもう一つの主題は、金属成分を腐食から一時的に保護する方法である。
より特定すれば、本方法は、次の:
・該金属成分の少くとも一部に本発明の方法による組成物を塗布する工程および・該塗布された金属成分を乾燥薄膜が得られるまで乾燥する工程、
からなる複数の工程を含んでなることを特徴とする。
【0025】
本発明の望ましい態様に従えば、本発明の方法による組成物は、金属成分の表面に、その吸着部位が一般式Iの化合物で飽和され、且つ、該組成物を、それから薄膜を得るために、最後に加熱すると、一般式Iの化合物は、その塗布薄膜の内部(thickness)には見いだされないように、塗布される。
【0026】
これは、処理されるべき金属プレートへの本特許請求組成物の塗布が、その吸着部位は一般式Iの化合物で飽和され、且つ、この同じ一般式Iの化合物が薄膜の内部に蓄積することを防ぐように、行われると、その塗布された薄膜の実用性能が、著しく改善されることが証明されるからである。
【0027】
それ故、この処理された表面の吸着部位のこの飽和を最適化するように、そして他方では、乾燥後のエマルション薄膜の内部における一般式Iの化合物の濃度を最少にするように、塗布方法を改良することが望ましい。この処理されたプレートの表面における本特許請求組成物の濃度をこのように調整するために考慮すべきパラメータは、その薄膜の望ましい厚みと、この組成物中での油相と一般式Iの化合物の濃度である。これらの様々なパラメータを考慮して、ルーチン操作によりこの調整を行うことは、この技術分野の習熟者の能力の範囲内である。
【0028】
処理されるべき金属成分表面における一般式Iの抑制剤の最適濃度は、例えば、その成分の表面に、前もって決められた濃度の一般式Iの腐食抑制剤を塗布し、乾燥した後、次の方法で評価され、調整される。この成分をアセトンで、浸漬もしくは、スプレイすることにより浸出処理する。この処理された金属成分の表面における吸着部位の飽和の程度を、80o 斜入射フーリエ変換赤外線(FTIR)スペクトル分析法を用いて、この浸出処理した成分の赤外線スペクトルを走査することにより測定する。一般式Iの抑制剤に富んだ界面薄膜が、この浸出処理の終りに、残っているか、残っていないかという事実、さらにまた、この薄膜の残存厚みが、該抑制剤の吸収の程度に関連する既知の指数となる。異なる抑制剤濃度を示す組成物で処理し、同じ方法で浸出処理した他の金属成分での赤外線スペクトルと比較することにより、その金属表面の吸着部位が飽和されているか、いないか、換言すれば、抑制剤の濃度が、その組成物の中で、有効な処理を達成するために十分であるかどうか、を決めることが可能である。
【0029】
次いで、吸着部位の飽和度が、その組成物中の抑制剤の有意の部分が、金属表面に塗布されて乾燥された薄膜内に見いだされるようになる点を超えるような濃度には、組成物が、金属成分に塗布されなかったことが確かめられる。この終点で、その浸出液中の抑制剤の含有量も、例えば、赤外線スペクトル分析法で分析される。異なる抑制剤濃度を示す組成物で処理し、同じ方法で浸出処理した他の金属成分からの浸出液での赤外線スペクトルと比べることにより、この組成物中の抑制剤の濃度が、有効な処理を達成するために高すぎるかどうかを決めることができる。
【0030】
かくして、その組成物中での抑制剤の濃度が調整される。
言うまでもなく、本発明方法による水系組成物は、ローラコート・タイプの装置もしくは類似装置または代替のスプレイ装置を用いる任意の適切な常用法により、保護されるべき金属成分の表面に薄膜の形で沈着させることができる。このように処理された金属成分は、次いで、本発明の方法による乾燥薄膜を得るために乾燥される。
【0031】
この加熱は、例えば、処理された金属成分を、大体20秒から10分の間で変動する時間の間、50と100℃の間の温度に上げることにより行われる。
本発明のもう一つの主題は、本特許請求組成物から得られた、および/または本特許請求された方法で得られた、腐食から一時的に保護するための乾燥薄膜で被覆された金属成分である。
【0032】
金属成分の表面における乾燥薄膜の面密度は、望ましくは、0.3g/m2 と2g/m2 の間であり、より望ましくは、0.5g/m2 程度である。
本発明で用いられる意味で、“金属成分”という用語は、中程度の厚さの熱間圧延プレート、熱間圧延金属薄板、冷間圧延鋼板、および各種タイプのスチール・プレートおよびシート、特に、ベヤ・スチールのプレートおよびシート、を意味すると理解すべきである。
【0033】
上述のように本発明の方法で規定されたような組成物を有する乾燥保護薄膜で被覆された金属成分は、腐食抵抗性であり、そしてスタンピングおよびボンディングに対する良好な適合性を示す。さらにまた、本特許請求された方法に従って得られた乾燥薄膜は、様々な性質の基材の表面に対して、(表面に塗布することができる基材の表面においては)良好な接着性を示す。
【0034】
さらに本特許請求組成物から誘導される被膜は、満足な耐摩耗実用性能を有し、従ってスタンピングに有利である。かくして、摩擦に関する、それらの特性化から、それらが、常用の塗膜に比べて摩擦係数が小さいことを示している。
【0035】
さらに、本発明の方法による組成物は、乾燥薄膜で既に被覆されている金属プレートにも有効に塗布することができ、それ故に、既に、非‐脂肪系塗膜で被覆されているコイルの外側の湾曲部および端を処理するのに、またはピックリング処理した金属成分を保護するのに、特に有利である。
【0036】
本特許請求組成物の他の利点は、本発明の限定を意図していない、以下に提示した実施例を見れば明らかになるであろう。
I‐材料と方法
A)材料
A.1‐試験した腐食抑制剤
1)本発明の方法によるベンゾチアゾリルチオスクシン酸はチバ社(Ciba)からイルガコール(Irgacor)252という名前で販売されている。
【0037】
抑制剤BTSAの油系エマルション中への溶解は、アンモニア水もしくはエタノールアミンでの中和後に行なわれる。
例えば、抑制剤を中和するため、即ち、1リットルの水に1gの抑制剤を溶解するために、最少、
・2mLのアンモニア水、または
・0.2mLのエタノールアミン
を必要とする。
【0038】
このような中和剤の量は、8.2と9.5の間である(そのエマルションの)最終pHを得るために、さらに増える(0.2〜0.3mL)こともある。
2)チバ社からのイルガコールL184およびイルガメット(Irgamet)42。
【0039】
これは、次の一般式のポリカルボン酸のアミン塩である。
【0040】
【化3】
Figure 0004184595
【0041】
それは、普通、同じく水溶性で、次の一般式を有するイルガメット42と共に用いられる。
【0042】
【化4】
Figure 0004184595
【0043】
その比率は、イルガコールL184の19容量当たり、1容量のイルガメット42である(下記の表1の組成物4および5を参照)。
3)クローダ社(Croda)から販売されているRC305R
【0044】
これは、アミノアルコールと70%の水を含む、ホウ酸アミンの水系混合物である。
4)エルフ社(Elf)から販売されているPX2881R
【0045】
これは、ヘプタン酸ナトリウムと過ホウ酸を含むヘプトン酸の水系混合物である。
5)セルボ・グループ・ヒュルス社(Servo group Huls)から販売されているSER AD FA379。
【0046】
これは、ペイント用添加物として提供されている数種の抑制剤の混合物である。その組成は次の通り:
12‐C14の(2‐ベンゾチアゾリルチオ)スクシン酸の第3アミン塩:10‐25%
+ モノエタノールアミン塩を含んでなるエトキシル化トリデシルアルコール・ホスフェート:10‐25%
+ 分岐(C6 ‐C19)脂肪酸の亜鉛塩:10‐25%、
+ <2.5%のナフテン酸の亜鉛塩、
+ 安息香酸のモルホリン塩。
【0047】
1)から5)のこれら抑制剤は、可溶性鉱物油と水とからなるエマルション中の添加剤として用いられる。
A.2‐エマルション
使用される鉱物油は、可溶性油:キャストロール・アクアセーフR である。
【0048】
これは、80から95%の鉱物ベース(ナフテン系およびパラフィン系)の油からなる。それを水中に乳化させるために、この生成物にサーファクタント(アニオン系サーファクタント、アルキルスルホンソーダ)が混和される。
【0049】
この可溶性オイルは、脱イオン水で6%まで稀釈され、そして、このようにして得られたエマルションのpHは、9.2である。
A.3‐試験された配合物
それらの組成を下の表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004184595
【0051】
B)方法
B.1‐インピーダンス−伝達抵抗の電気化学的測定
試験した様々な組成物の実用性能が、ピックリング処理し、G600のサンドペーパ−で研磨した試験片に、試験片上の最終沈着量が500mg/L(0.5μm)程度になるように、塗布することにより評価される。次いで、この試験片は、脱イオン水と1重量%の塩化ナトリウム(NaCl)からなる電解質溶液中に浸漬される。このスチール試験片を、その電気化学的ポテンシャルを安定化させるためにこの電解質溶液中に30分保持する。30分後に、ポテンシオスタット、周波数分析器、基準電極および対向電極を用いて、減少していく異なる周波数で、試験片に、電圧(mV単位)の正弦波摂動を加え、そして“応答強さ”(μA/cm2 )を測定する。
【0052】
このようにして、様々な周波数について、インピーダンス(Z=U/l)を求めて、インピーダンス・ダイヤグラムを描くことができる。これらの図から、伝達抵抗(ohm・cm2 )を推定することが可能で、“腐食抵抗”に対比することができる。
実験パラメータ
基準電極 飽和カロメル電極
対向電極 白金電極
作用電極 7cm2 鋼板試験片
ポテンシオスタット EGG273R ポテンシオスタット
周波数分析器 シュランベルガー(Schlumberger)1255R
正弦波摂動 振幅±5mV
試験電位 腐食電位
周波数 100,000Hzから0.2Hz
B.2‐“フューミドサーム( humidotherme )FKW”試験(DIN 50017 標準法)による確認
これを行なうために、試験されるべき各種組成物で被覆したスチール試験片を以下のサイクルで、チャンバー中に吊り下げる:
1サイクル=40℃、湿度100%で8時間;
20℃、湿度75%で16時間
このようにして腐食が現れるまでのサイクル数を記録する。
【0053】
塗布した薄膜の厚さは、平均0.5g/m2 (0.5μm)である。特に断らない限り、組成物は、常に、脱イオン水で6%まで稀釈した、可溶性油キャストロール・アクアセーフ21から構成されている。
B.3‐EB1区域および仕上げ区域試験
試験片は2つの貯蔵区域の雰囲気に曝される;
仕上げ区域:比較的温和な雰囲気を有する区域(閉じたドア)、
EB1区域:非常に過酷な区域で、試験片は、この区域の開口部の近くに置かれ、そのため、雨が降ると高い湿度に曝され、貨物自動車からのガスを吸塵し、そして鉄鋼工場のダストに曝される。
【0054】
両方の場合について、腐食が現れるまでの日数が記録される。
実施例1
腐食安定性に関する抑制剤の最適濃度の決定
エタノールアミンで中和したBTSA抑制剤を、6%のキャストロール・アクアセーフ21オイルをベースとする水系エマルションを含んでなる本発明の方法による組成物に、水相での濃度が0.5と20g/Lの間で変化するように添加した。様々な対応組成物の腐食抵抗性を、材料および方法の項で説明した方法に従って、フューミドサームFKWにより求めた。得られた結果を図1のグラフに示す。
【0055】
中和型のBTSA抑制剤を2.5g/L含んでなる組成物で、最適の抵抗性が観測される。
実施例2
大気中暴露後の腐食抵抗性の評価
この評価は、2.5g/Lの濃度のBTSAを含んでなる、本発明の方法による組成物(組成物3)で行なわれ、そして材料および方法の項で、より特定的に説明されている対照組成物1、2および4と比較した。
【0056】
これらの組成物は、EB1区域試験および仕上げ区域試験にかけられ、そのためのプロトコール(手順)は、材料および方法の項に説明されている。
これら組成物の各々で観測された結果を下の表2に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0004184595
【0058】
本発明の方法による組成物だけが、即ち水系エマルション中にBTSAの塩を含んでなる組成物3だけが、有意に長い時間にわたって抵抗性を示すことが注目される。さらにまた、この観測される抵抗性の増大は、そのエマルションおよびBTSAのそれぞれ単独により誘起される抵抗性を重ね合わせた抵抗性より著しく大きい。好都合なことに、それら個々の効果に相乗作用が存在する。
【0059】
実施例3
輸送試験による抵抗性の評価
この試験も、材料および方法の項で、より特定的に説明されている組成物1、2、3および4で行なわれる。
【0060】
この試験は、前もって、試験されるべき溶液で塗装された試験片を積重ねておくことからなる。このスタックは、スチール・コイルや金属シートのパイルを積重ねたシートに模するために締め付けて保持される。
【0061】
次いで、この積重ねた試験片のパイル(“締め付けパイル”)を、32時間サイクル(輸送サイクル)の交互変動試験(alternation)にかけるために、プログラムされた気候試験チャンバーに入れる。
【0062】
この輸送サイクル(1サイクル=32時間)を分解して示すと、
・40℃、相対湿度95%で10時間、
・20℃、相対湿度80%で4時間、
・−5℃、相対湿度0%で10時間、
・30℃、相対湿度85%で8時間、
である。
【0063】
この“輸送サイクル”構成で、試験は、締め付けパイルで、次の条件で行なわれる:
・各シナリオは4個の試験片で代表され、
・それぞれ3サイクルで観測される。これらパイルを解き、界面の状態を観察する。
【0064】
結果を下の表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0004184595
【0066】
本発明の方法による組成物、即ち組成物3で塗装された金属成分だけが、有意に改善された腐食抵抗性を示す。さらにまた、この抵抗性の増大は、そのエマルションおよびBTSAの間での相乗作用を反映している。
【0067】
実施例4
フューミドサーム試験での確認
材料および方法の項で説明されている手順に従って、その同じ項で規定された組成物1から9で行われる。
【0068】
それぞれBTSAおよびイルガコールL184/イルガメット42を含んでなる水溶液をベースにする組成物2および4とは異なり、この試験組成物は、添加される各種抑制剤(組成物3および5〜9)と共に、脱イオン水で6%に稀釈された可溶性オイル、キャストロール・アクアセーフ21(組成物1)を常に含んでいる。
【0069】
下の表4に提示された結果が観測された。
【0070】
【表4】
Figure 0004184595
【0071】
この試験によって、試験した各種対照抑制剤は、このBTSA程の有効性を有しないことが確かめられる。一般式Iの抑制剤とアクアセーフ21エマルションの間にだけは、この試験でも相乗効果が存在することが確かめらる。
【0072】
実施例5
伝達抵抗による腐食抵抗性の評価
この試験は、材料および方法の項で説明された組成物1および3の電気化学的インピーダンス・ダイヤグラムを描くことにより行われ、その同じ項に説明されている手順に従って試験された。結果を下の表5に示す。
【0073】
【表5】
Figure 0004184595
【0074】
実施例6
腐食抵抗性に及ぼす界面薄膜中のBTSA塩の濃度の効果
以下の組成物で被覆された金属成分について、材料および方法の項で説明されている手順に従って、インピーダンス曲線を描いた:
2)エマルション単独、
3)エマルション + 5%BTSA水溶液、乾燥せず、
4)エマルション + 5%BTSA水溶液、次いで、650mg/m2 の薄膜を得るために60℃で乾燥、
5)エマルション + 3.5%BTSA水溶液、次いで、250mg/m2 の薄膜を得るために60℃で乾燥、
6)エマルション + 3.5%BTSA水溶液、次いで、700mg/m2 の薄膜を得るために60℃で乾燥。
【0075】
エマルション3から6では、BTSAは、アンモニア水で中和された形で存在する。それ故、エマルション4〜6を乾燥すると、アンモニアが蒸発する。
結果を、インピーダンスの実数部分を横軸に、虚数部分を縦軸に示すことにより、図2に提示した。
【0076】
これらの曲線を吟味して、薄膜の厚さが同じでも、3.5%BTSAで得られた薄膜(組成物4)で、5%BTSAでの薄膜(組成物6)より、より良好な挙動が観測されることが分る。即ち、得られる薄膜中の過剰のBTSAは、望ましくない効果を有する。
【0077】
さらに、乾燥工程を行う(組成物4)と、乾燥工程にかけなかった薄膜(組成物6)に比べて、対応する薄膜で有利な挙動が見られることが分る。この効果は、実際には、アンモニア水で中和したBTSAを使用することに関係がある。
【0078】
実施例7
本発明の方法による組成物の有効性に及ぼす調製手順の影響
本発明の方法により調製される組成物の実用性能と乳化に先立って、可溶性オイルにBTSAを添加することにより調製した組成物の実用性能の腐食抵抗性を比較する。結果を、下の表6に示す。
【0079】
【表6】
Figure 0004184595
【0080】
上述の、材料および方法の項で説明された手順に従って行われた、電気化学的インピーダンス測定により、総抵抗が求められる。
これらの結果から、本発明の方法による組成物へのBTSAの添加方法は、無意味ではない効果を有することが分る。
【0081】
同じ量でも、それが、乳化前に可溶性オイルに溶解されると、腐食抵抗性に関する実用性能は、有意に低下する。
実施例8
提供された組成物の摩擦特性の評価
面積1cm2 の高速度鋼で造られた道具を用い、可変横行圧力200から2000daNで、面‐面摩擦式でのワン・パス摩擦試験を行った。変位速度は、2mm/秒である。
【0082】
試験片は、厚さ2mmの、規格BS2、のピックリング処理したホットメタル・シートから切取られる。
本発明の方法による二つの組成物の実用性能を、二つの対照組成物と比較し、それら組成物の摩耗挙動を図3に示した。
【0083】
組成物A:腐食からの保護用にスチール・シート上で用いられる保護用オイル[クエーカー(Quaker)8021]が、2g/m2 の割合で沈着された。
組成物B:水中6%のアクアセーフ21可溶性オイルが、500g/m2 の割合で沈着された。
【0084】
組成物C:塩の形で加えられた有機抑制剤BTSAを含む組成物B(その溶液のpHは、7.2と8.5の間)が、500g/m2 の割合で沈着された。
組成物D:組成物Cと同じで、そのpHをエタノールアミンを添加して8.5と9間に安定化させた組成物が、500g/m2 の割合で沈着された。
【0085】
組成物Cと組成物Dで摩耗曲線が改善される。得られた結果は、スタンピング性を有する(組成物A)保護用オイルでの結果より良好である。
実施例9
抑制剤BTSAの吸着力の特性評価
第1の方法に従って、二つの組成物:アクアセーフ21エマルションをベースとする組成物(対照例)および、2.5g/Lの濃度の中和した塩の形であるBTSAを添加し、pHが8.5から9の範囲である、アクアセーフ21エマルション(BTSA)をベースとする組成物、の濡れ性を測定した。
【0086】
この試験は、各エマルション1滴をスチール試験片上に置き、そしてその液滴の接触角の変化をモニターする(その広がりをモニターする)ことからなる。
図4に示したグラフは、BTSAを添加したアクアセーフ21エマルション(BTSA)の液滴は、常用のアクアセーフ21エマルション(対照例)の液滴より、スチール上に非常に速く広がる。これらの結果は、BTSAが延展剤として作用することを示す。BTSAは、薄膜をより均質にし、そして、その膜により大きい被覆力を与えることに寄与する。
【0087】
この吸着力も、以下の手順に従って、下の表7に規定した組成物で、赤外線スペクトルから評価される。
全ての場合、試験した組成物は、アクアセーフ21オイル・ベースの5%の濃度エマルションを含んでなる。
【0088】
【表7】
Figure 0004184595
【0089】
エマルションA、B、C、DおよびEを、磨いた試験片に塗布する。薄膜‐スチールの境界面を調べるために、アセトンで浸漬処理後の試験片で赤外線スペクトルを測定する(入射角80o の斜入射FTIRスペクトル)。かくして。以下のことが観測される:
・薄膜AおよびBは、アセトン浸漬で完全に除去される。それ故、これらの組成物の場合には、抑制剤は弱く吸着されていると推定される。
【0090】
・薄膜C、DおよびEの浸漬後には、境界面薄膜が残り、その厚さは、抑制剤の初期濃度が大きくなると増す。同様に、これらの残存境界面薄膜(ベースオイル+抑制剤)中の抑制剤の含有量は、その最終濃度と共に増加する。
【0091】
それ故、この試験は、この抑制剤BTSAは、乳化前のベースオイルに添加されるのではなく、ゾルクリーン(Solclean)エマルションに添加されるのが望ましい(組成物CをAと比較)ことを追認するものである。かくしてこの抑制剤は、スチールに強く吸着することが可能で、最適の効果を有する。これらのスペクトルは、完全に、腐食試験と矛盾しない。
【0092】
これらの考察から、これらの実用性能は、BTSAが乾燥されたオイルの薄膜の内部に見いだされると、換言すれば、浸漬時の流出液中に含まれると、悪化することが分る。この現象は、特に3.75%のBTSAを含んでなる、組成物Eの場合に見られる。
【0093】
実施例10
他の水溶性もしくは水可溶化腐食抑制剤とBTSAの吸着力の比較
裸のスチール・シートに塗布された、水溶液中でエタノールアミンで中和されたBTSAの濃度の効果を、材料および方法の項で説明された抑制剤RC305、PX2881およびSER‐AD‐FA379と比較した。この効果は、上述の手順に従って、インピーダンスの電気化学的測定により評価される。各種抑制剤を0.5g/Lと20g/Lの間の濃度で試験し、得られた伝達抵抗(“腐食抵抗”)を図5および6のグラフに示した。抑制剤BTSAだけが、裸のスチール・シートの表面で最適吸着ピークを示し、そのピークは2.5g/Lに中心を有する。試験した他の抑制剤では、濃度と共に有効性の増大が見られるが、有効性は、常に、BTSA(2.5g/Lで、30,000Ωcm2 )の場合より劣っている。抑制剤SER‐AD‐FA379では、この抑制剤中にBTSAが含まれているが、その含有量は低過ぎるので、考慮している抑制剤濃度範囲で、本発明の方法による結果は観測されない。
【0094】
水溶液中でのこれら抑制剤の挙動は、実際には、本発明の方法による油相を含んでなる対応溶液に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般式Iの抑制剤の最適濃度の特性化曲線である。
【図2】 本発明の方法による薄膜および対照薄膜のインピーダンス特性化曲線である。
【図3】 本発明の方法による薄膜および対照薄膜の摩擦特性化曲線である。
【図4】 金属成分の表面における一般式Iの腐食抑制剤の吸着力の特性化曲線である。
【図5】 BTSAを含む、各種抑制剤の吸着力の特性化曲線である。
【図6】 BTSAを含む、各種抑制剤の吸着力の特性化曲線である。

Claims (17)

  1. 金属表面上で腐食からの一時的保護を提供するために用いられる水中油滴型エマルションを含んでなる組成物であって、該エマルションが、その水相中に、少くとも一種の次の一般式Iの化合物:
    Figure 0004184595
    式中、R、R1 およびR2 基は、お互いに独立に、水素原子、C1 〜C20のアルキル基、C1 〜C20のハロアルキル基(そのハロゲンは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素であり得る)、C3 〜C6 のシクロアルキル基、カルボキシル官能基もしくはC1 〜C6 のカルボキシルアルキル基であり、nは1〜3の整数であり、そしてXは硫黄もしくは酸素原子である;を、その水溶性塩の一つの形で含んでなり、該エマルションが、一般式Iの該化合物が前もつて混和されている水相の、オイル相による乳化によって得られることを特徴とする、組成物。
  2. 一般式Iの化合物が、ベンゾチアゾリルチオスクシン酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)ステアリン酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)ラウリル酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプロン酸およびα‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプリル酸の水溶性塩から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 一般式Iの化合物が、ベンゾチアゾリルチオスクシン酸の水溶性塩であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. その水溶性塩が、そのエタノールアミン塩もしくはアンモニウム塩であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. そのpHが8.2と9.5との間にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. そのエマルションが、水中に分散した、75〜90容量%の少くとも一種のオイル、5〜10容量%の少くとも一種の界面活性剤、そして適宜に、5〜15容量%の腐食抑制剤を含んでなる、3〜13容量%のオイル相を含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. そのエマルションが、水相中に分散した、3容量%と8容量%との間のオイルを含んでなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. そのオイルが、鉱物油であることを特徴とする、請求項6または7に記載の組成物。
  9. オイル相が腐食抑制剤を含み、当該腐食抑制剤が、カルボン酸、アルキルスルホン酸バリウムあるいはナトリウム、または脂肪酸のアミン塩であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 一般式Iの化合物が、該組成物中に、1g/Lエマルションと10g/Lエマルションとの間の濃度で存在することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
  11. 一般式Iの化合物を1〜3.5g/Lの間で含んでなることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. 6%の可溶性オイルを含んでなるエマルションの水相中に1〜3.5g/Lの間の、水溶性塩の形の、請求項1に記載の一般式Iのベンゾチアゾリルチオスクシン酸を含んでなることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. ベンゾチアゾリルチオスクシン酸アンモニウムが、2.5g/L存在することを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  14. 金属成分を腐食から一時的に保護する方法であって、次の:
    ・該金属成分の少くとも一部に請求項1〜12のいずれかにより規定される組成物を塗布する工程、および
    ・該塗布された金属成分を乾燥薄膜が得られるまで乾燥する工程、
    からなる複数の工程を含むことを特徴とする、金属成分を腐食から一時的に保護する方法。
  15. 該組成物が、金属成分の表面に、その吸着部位が一般式Iの化合物で飽和されるように、且つ、該組成物を、それから薄膜を得るために最後に加熱すると、一般式Iの化合物は、その塗布薄膜の内部には見いだされないように、塗布されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1〜13のいずれかにより規定される組成物から請求項14または15に記載の方法に従って得られる、腐食から一時的に保護するための乾燥薄膜、で被覆された金属成分。
  17. 乾燥薄膜の表面密度が、0.3g/m2 〜2g/m2 の間である、請求項16に記載の金属成分。
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