JP2001509542A - 金属成分を腐食から一時的に保護するための組成物、その製造法と応用、およびこの組成物から得られる金属成分 - Google Patents

金属成分を腐食から一時的に保護するための組成物、その製造法と応用、およびこの組成物から得られる金属成分

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、水中油滴型エマルションを含んでなる、金属表面に、腐食に対する一時的保護を提供するために有用な組成物に関し、該エマルションは、その水相中に、少くとも一種の次の一般式Iの化合物: 【化1】 式中、R、R1 およびR2 基は、お互いに独立に、水素原子、C1 からC20のアルキル基、C1 からC20のハロアルキル基(そのハロゲンは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素である)、C3 からC6 のシクロアルキル基、カルボキシル基もしくは、C1 からC6 のカルボキシアルキル基であり、nは1から3の整数であり、そしてXは硫黄もしくは酸素原子である;をその可溶性塩の一の形で含んでいることを特徴とする。本発明は、該組成物の製造法、金属部品の表面へのその塗布法および得られる部品にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の主題は、金属成分を腐食から一時的に保護するために使用する組成物
、該組成物の製造法およびこの組成物から誘導された乾燥フィルムで被覆された
金属成分に関する。
【0002】 金属表面の一時的保護、さらに特定すれば、金属シートの大気中での腐食から
の保護の問題は、製造業者にとっては、常に最大の関心事である。それ故、金属
シートの表面上に、脂肪の薄膜、特に常用の保護用オイルをベースにする薄膜で
一時的に保護する多くの可能性が既に存在する。
【0003】 しかし、需要家の要求基準が高まってきて、鋼鉄製造業者は、非常に多様な因
子(外観、表面処理への適合性、現場の清浄度(cleanliness of the premises)
、毒性および類似の因子)を考慮した、さらに入念な解決法を提供するようにな
ってきた。これらの課題は、非‐脂肪系塗料とその塗布方法の開発により、部分
的には満足され、その塗料の性質は、処理した金属シートに二か月程度の一時的
腐食防止性を提供する(フランス特許、FR9208037)。
【0004】 しかし、需要家の側には、より良好な腐食安定性、勿論、以後の使用性を損な
うことなしに、特に、長期の腐食安定性、望ましくは、3か月以上の腐食抵抗性
を示す塗料に対する要望が残っている。
【0005】 本発明の特定の目的は、これらの要求に応じる新規な塗料を提供することであ
る。 主要な方法は、一時保護用のオイル配合物のベースを有する塗料に一種または
それ以上の腐食抑制剤を混和することから成る。
【0006】 普通、保護用オイルに含まれる腐食抑制剤は、 ・アミノアルコールタイプのアミノ化合物、 ・スルホン酸のバリウム塩もしくはナトリウム塩、またはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩のようなスルホン酸誘導体、および ・リノレイン酸タイプの酸、 から選ばれる。
【0007】 残念ながら、このような常用の防止剤で得られる腐食抵抗性の増大は満足でき
るものではない。 従って、現在、腐食抵抗性期間が有意に改善され(3か月以上)、ドライな外
観および(準備を含めて、または準備なしでの)表面処理適合性を有し、それに
加えて、毒物学上の規則に適っている(バリウム塩、重金属塩および類似物を含
まない)、金属成分の一時的保護法に対する需要が残っている。
【0008】 かくして、本出願社(Applicant Company)は、腐食抑制剤
として、飽和カルボン酸の複素環式チオエーテルを水中油滴型エマルション中に
混和すると、全てのこれらの要求に、特異的に、そして満足に適合し得ることを
明らかにした。
【0009】 さらに特定すれば、本発明は、水中油滴型エマルションを含んでなる、金属表
面で腐食からの一時的保護を提供するために用いられる組成物に関し、該エマル
ションは、その水相中に、少くとも一種の次の一般式Iの化合物:
【0010】
【化2】
【0011】 式中、R、R1 およびR2 基は、お互いに独立に、水素原子、C1 からC20
アルキル基、C1 からC20のハロアルキル基(そのハロゲンは、フッ素、塩素、
臭素もしくはヨウ素であに得る)、C3 からC6 のシクロアルキル基、カルボキ
シル官能基もしくは、C2 からC6 のカルボキシアルキル基であり、nは1から
3の整数であり、そしてXは硫黄もしくは酸素原子である; を、その水溶性塩の一つの形で含んでいる。
【0012】 Rが水素原子で、Xが硫黄原子である一般式Iの化合物が望ましい。 予想外に、本発明の方法による腐食抑制剤を水中油滴型エマルションに添加す
ると、対応する塗膜に、非常に有意に長い期間にわたって腐食耐久性を付与する
。この改善は、事実、予想されるより非常に大きく、換言すれば、そのエマルシ
ョンと該抑制剤の個々の効果が、腐食耐久性に関して、重ね合わされているのに
等しい。それは、この二つの成分間の有利な相乗作用の反映である。
【0013】 本特許請求組成物の新規性は、さらに、この請求組成物に用いられるエマルシ
ョンの脂質相にではなく、水相中に、一般式Iの化合物を混和することに基づい
ている。この化合物は、本来、水に不溶性であり、そのため、それに満足な水中
溶解度を付与する目的で、中和型として、その組成物中に存在する。
【0014】 本発明の方法により用いられる式Iの一つの化合物あるいは複数の化合物の中
和は、この技術分野の習熟者なら普通に行なうことができる。例えば、中和は、
アンモニア水溶液、モルホリン、エタノールアミン、カリウム・エトキシドもし
くは水酸化カリウムで行われる。使用する試薬に依存して、適宜、最終組成物の
pHを、推奨される用途に適合する値、即ち、8.2と9.5の間、望ましくは
8.5と9の間に調整する必要がある。これは、例えば、エタノールアミンのよ
うな中和剤をさらに添加することにより、最終エマルションのpHを調整するこ
とにより容易に行うことができる。
【0015】 一般式Iの腐食抑制剤は、この特許請求組成物中に、1から10g/Lそして
望ましくは1から3.5g/Lの割合で存在する。 一般式Iの推奨される化合物として、特に挙げられるのは、ベンゾチアゾリル
チオスクシン酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)ステアリン酸、α‐(ベンゾオ
キサゾリルチオ)ラウリル酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプロン酸および
α‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプリル酸の水溶性塩類である。
【0016】 より望ましくは、水溶性の形のベンゾチアゾリルチオスクシン酸(BTSA)
であり、より特定すれば、そのアンモニウム塩もしくはエタノールアミン塩であ
る。
【0017】 エマルションについて言えば、それは、水中に分散した、75から90容量%
の少くとも一種のオイルと5から10容量%の少くとも一種の界面活性剤を含ん
でなる3から13容量%のオイル相を含んでなる物として定義される。そのオイ
ル相には、適宜、5から15容量%の割合で、補助的な腐食抑制剤が存在しても
よい。
【0018】 望ましくは、このエマルションは、その水相に分散した、約3と8容量%の間
、そして望ましくは約6容量%のオイルを含んでなる。 このエマルションのオイル相に存在するオイルは、鉱物、植物もしくは動物油
からなる。
【0019】 鉱物油、そして望ましくはパラフィン系もしくはナフテン系の油もしくは、そ
れらの混合物が有利である。 本発明の方法で推奨される鉱物油として、特に挙げられるのは、キャストロー
ル社(Csstrol)からの可溶性油、アクアセーフ(Aquasafe)2
R である。
【0020】 油相の界面活性剤として、ポリオキシエチレン・タイプのサーファクタントを
使用するのが望ましい。 油相の腐食抑制剤として、カルボン酸、アルキルスルホン酸バリウムあるいは
ナトリウム、または脂肪酸のアミン塩を使用するのが有利である。
【0021】 本発明のの望ましい態様では、本特許請求組成物は、6%の可溶性油、望まし
くは、キャストロール社のアクアセーフ21R を含んでなるエマルションの水相
に、腐食抑制剤として、1から3.5g/Lの間の濃度、そして望ましくは、2
.5g/L程度の濃度で存在するベンゾチアゾリルチオスクシン酸(BTSA)
の水溶性塩を含んでなる。ベンゾチアゾリルチオスクシン酸のアンモニウム塩が
、2.5g/L程度の濃度で存在するのが望ましい。
【0022】 本発明はまた、該組成物を調製する方法にも関する。 より特定すれば、この方法は、一般式Iの一つの化合物もしくは複数の化合物
を、エマルションの水相に、それが油相で乳化される前に、水溶液の形で混和さ
れることを特徴とする。
【0023】 これは、本出願社が、このエマルションに一般式Iの化合物を混和するこの方
法が、予想に反して、対応する組成物の腐食防止活性に有意の効果及ぼすことに
気が付いたためである。かくして、そのエマルションに、この一般式Iの化合物
を水溶液の形で導入することが特に有利であることが証明された。かくしてこの
化合物は、そのエマルションの水相中に分散されてとどまる。これは、この化合
物を該エマルションの油相に直接添加すると、得られる組成物の腐食防止挙動に
有意の影響を及ぼすことが観測されているからである。この効果は、下の実施例
7および9により特定的に明示されている。
【0024】 本発明のもう一つの主題は、金属成分を腐食から一時的に保護する方法である
。 より特定すれば、本方法は、次の: ・該金属成分の少くとも一部に本発明の方法による組成物を塗布する工程および
・該塗布された金属成分を乾燥薄膜が得られるまで乾燥する工程、 からなる複数の工程を含んでなることを特徴とする。
【0025】 本発明の望ましい態様に従えば、本発明の方法による組成物は、金属成分の表
面に、その吸着部位が一般式Iの化合物で飽和され、且つ、該組成物を、それか
ら薄膜を得るために、最後に加熱すると、一般式Iの化合物は、その塗布薄膜の
内部(thickness)には見いだされないように、塗布される。
【0026】 これは、処理されるべき金属プレートへの本特許請求組成物の塗布が、その吸
着部位は一般式Iの化合物で飽和され、且つ、この同じ一般式Iの化合物が薄膜
の内部に蓄積することを防ぐように、行われると、その塗布された薄膜の実用性
能が、著しく改善されることが証明されるからである。
【0027】 それ故、この処理された表面の吸着部位のこの飽和を最適化するように、そし
て他方では、乾燥後のエマルション薄膜の内部における一般式Iの化合物の濃度
を最少にするように、塗布方法を改良することが望ましい。この処理されたプレ
ートの表面における本特許請求組成物の濃度をこのように調整するために考慮す
べきパラメータは、その薄膜の望ましい厚みと、この組成物中での油相と一般式
Iの化合物の濃度である。これらの様々なパラメータを考慮して、ルーチン操作
によりこの調整を行うことは、この技術分野の習熟者の能力の範囲内である。
【0028】 処理されるべき金属成分表面における一般式Iの抑制剤の最適濃度は、例えば
、その成分の表面に、前もって決められた濃度の一般式Iの腐食抑制剤を塗布し
、乾燥した後、次の方法で評価され、調整される。この成分をアセトンで、浸漬
もしくは、スプレイすることにより浸出処理する。この処理された金属成分の表
面における吸着部位の飽和の程度を、80o 斜入射フーリエ変換赤外線(FTI
R)スペクトル分析法を用いて、この浸出処理した成分の赤外線スペクトルを走
査することにより測定する。一般式Iの抑制剤に富んだ界面薄膜が、この浸出処
理の終りに、残っているか、残っていないかという事実、さらにまた、この薄膜
の残存厚みが、該抑制剤の吸収の程度に関連する既知の指数となる。異なる抑制
剤濃度を示す組成物で処理し、同じ方法で浸出処理した他の金属成分での赤外線
スペクトルと比較することにより、その金属表面の吸着部位が飽和されているか
、いないか、換言すれば、抑制剤の濃度が、その組成物の中で、有効な処理を達
成するために十分であるかどうか、を決めることが可能である。
【0029】 次いで、吸着部位の飽和度が、その組成物中の抑制剤の有意の部分が、金属表
面に塗布されて乾燥された薄膜内に見いだされるようになる点を超えるような濃
度には、組成物が、金属成分に塗布されなかったことが確かめられる。この終点
で、その浸出液中の抑制剤の含有量も、例えば、赤外線スペクトル分析法で分析
される。異なる抑制剤濃度を示す組成物で処理し、同じ方法で浸出処理した他の
金属成分からの浸出液での赤外線スペクトルと比べることにより、この組成物中
の抑制剤の濃度が、有効な処理を達成するために高すぎるかどうかを決めること
ができる。
【0030】 かくして、その組成物中での抑制剤の濃度が調整される。 言うまでもなく、本発明方法による水系組成物は、ローラコート・タイプの装
置もしくは類似装置または代替のスプレイ装置を用いる任意の適切な常用法によ
り、保護されるべき金属成分の表面に薄膜の形で沈着させることができる。この
ように処理された金属成分は、次いで、本発明の方法による乾燥薄膜を得るため
に乾燥される。
【0031】 この加熱は、例えば、処理された金属成分を、大体20秒から10分の間で変
動する時間の間、50と100℃の間の温度に上げることにより行われる。 本発明のもう一つの主題は、本特許請求組成物から得られた、および/または
本特許請求された方法で得られた、腐食から一時的に保護するための乾燥薄膜で
被覆された金属成分である。
【0032】 金属成分の表面における乾燥薄膜の面密度は、望ましくは、0.3g/m2
2g/m2 の間であり、より望ましくは、0.5g/m2 程度である。 本発明で用いられる意味で、“金属成分”という用語は、中程度の厚さの熱間
圧延プレート、熱間圧延金属薄板、冷間圧延鋼板、および各種タイプのスチール
・プレートおよびシート、特に、ベヤ・スチールのプレートおよびシート、を意
味すると理解すべきである。
【0033】 上述のように本発明の方法で規定されたような組成物を有する乾燥保護薄膜で
被覆された金属成分は、腐食抵抗性であり、そしてスタンピングおよびボンディ
ングに対する良好な適合性を示す。さらにまた、本特許請求された方法に従って
得られた乾燥薄膜は、様々な性質の基材の表面に対して、(表面に塗布すること
ができる基材の表面においては)良好な接着性を示す。
【0034】 さらに本特許請求組成物から誘導される被膜は、満足な耐摩耗実用性能を有し
、従ってスタンピングに有利である。かくして、摩擦に関する、それらの特性化
から、それらが、常用の塗膜に比べて摩擦係数が小さいことを示している。
【0035】 さらに、本発明の方法による組成物は、乾燥薄膜で既に被覆されている金属プ
レートにも有効に塗布することができ、それ故に、既に、非‐脂肪系塗膜で被覆
されているコイルの外側の湾曲部および端を処理するのに、またはピックリング
処理した金属成分を保護するのに、特に有利である。
【0036】 本特許請求組成物の他の利点は、本発明の限定を意図していない、以下に提示
した実施例を見れば明らかになるであろう。 I‐材料と方法 A)材料 A.1‐試験した腐食抑制剤 1)本発明の方法によるベンゾチアゾリルチオスクシン酸はチバ社(Ciba
)からイルガコール(Irgacor)252という名前で販売されている。
【0037】 抑制剤BTSAの油系エマルション中への溶解は、アンモニア水もしくはエタ
ノールアミンでの中和後に行なわれる。 例えば、抑制剤を中和するため、即ち、1リットルの水に1gの抑制剤を溶解
するために、最少、 ・2mLのアンモニア水、または ・0.2mLのエタノールアミン を必要とする。
【0038】 このような中和剤の量は、8.2と9.5の間である(そのエマルションの)
最終pHを得るために、さらに増える(0.2〜0.3mL)こともある。 2)チバ社からのイルガコールL184およびイルガメット(Irgamet
)42。
【0039】 これは、次の一般式のポリカルボン酸のアミン塩である。
【0040】
【化3】
【0041】 それは、普通、同じく水溶性で、次の一般式を有するイルガメット42と共に
用いられる。
【0042】
【化4】
【0043】 その比率は、イルガコールL184の19容量当たり、1容量のイルガメット4
2である(下記の表1の組成物4および5を参照)。 3)クローダ社(Croda)から販売されているRC305R
【0044】 これは、アミノアルコールと70%の水を含む、ホウ酸アミンの水系混合物で
ある。 4)エルフ社(Elf)から販売されているPX2881R
【0045】 これは、ヘプタン酸ナトリウムと過ホウ酸を含むヘプトン酸の水系混合物であ
る。 5)セルボ・グループ・ヒュルス社(Servo group Huls)か
ら販売されているSER AD FA379。
【0046】 これは、ペイント用添加物として提供されている数種の抑制剤の混合物である
。その組成は次の通り: C12‐C14の(2‐ベンゾチアゾリルチオ)スクシン酸の第3アミン塩:10
‐25% + モノエタノールアミン塩を含んでなるエトキシル化トリデシルアルコール
・ホスフェート:10‐25% + 分岐(C6 ‐C19)脂肪酸の亜鉛塩:10‐25%、 + <2.5%のナフテン酸の亜鉛塩、 + 安息香酸のモルホリン塩。
【0047】 1)から5)のこれら抑制剤は、可溶性鉱物油と水とからなるエマルション中
の添加剤として用いられる。 A.2‐エマルション 使用される鉱物油は、可溶性油:キャストロール・アクアセーフR である。
【0048】 これは、80から95%の鉱物ベース(ナフテン系およびパラフィン系)の油
からなる。それを水中に乳化させるために、この生成物にサーファクタント(ア
ニオン系サーファクタント、アルキルスルホンソーダ)が混和される。
【0049】 この可溶性オイルは、脱イオン水で6%まで稀釈され、そして、このようにし
て得られたエマルションのpHは、9.2である。 A.3‐試験された配合物 それらの組成を下の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】 B)方法 B.1‐インピーダンス−伝達抵抗の電気化学的測定 試験した様々な組成物の実用性能が、ピックリング処理し、G600のサンド
ペーパ−で研磨した試験片に、試験片上の最終沈着量が500mg/L(0.5
μm)程度になるように、塗布することにより評価される。次いで、この試験片
は、脱イオン水と1重量%の塩化ナトリウム(NaCl)からなる電解質溶液中
に浸漬される。このスチール試験片を、その電気化学的ポテンシャルを安定化さ
せるためにこの電解質溶液中に30分保持する。30分後に、ポテンシオスタッ
ト、周波数分析器、基準電極および対向電極を用いて、減少していく異なる周波
数で、試験片に、電圧(mV単位)の正弦波摂動を加え、そして“応答強さ”(
μA/cm2 )を測定する。
【0052】 このようにして、様々な周波数について、インピーダンス(Z=U/l)を求
めて、インピーダンス・ダイヤグラムを描くことができる。これらの図から、伝
達抵抗(ohm・cm2 )を推定することが可能で、“腐食抵抗”に対比するこ
とができる。実験パラメータ 基準電極 飽和カロメル電極 対向電極 白金電極 作用電極 7cm2 鋼板試験片 ポテンシオスタット EGG273R ポテンシオスタット 周波数分析器 シュランベルガー(Schlumberger)1255R 正弦波摂動 振幅±5mV 試験電位 腐食電位 周波数 100,000Hzから0.2HzB.2‐“フューミドサーム(humidotherme)FKW”試験(DIN 50017標準 法)による確認 これを行なうために、試験されるべき各種組成物で被覆したスチール試験片を
以下のサイクルで、チャンバー中に吊り下げる: 1サイクル=40℃、湿度100%で8時間; 20℃、湿度75%で16時間 このようにして腐食が現れるまでのサイクル数を記録する。
【0053】 塗布した薄膜の厚さは、平均0.5g/m2 (0.5μm)である。特に断ら
ない限り、組成物は、常に、脱イオン水で6%まで稀釈した、可溶性油キャスト
ロール・アクアセーフ21から構成されている。B.3‐EB1区域および仕上げ区域試験 試験片は2つの貯蔵区域の雰囲気に曝される; 仕上げ区域:比較的温和な雰囲気を有する区域(閉じたドア)、 EB1区域:非常に過酷な区域で、試験片は、この区域の開口部の近くに置か
れ、そのため、雨が降ると高い湿度に曝され、貨物自動車からのガスを吸塵し、
そして鉄鋼工場のダストに曝される。
【0054】 両方の場合について、腐食が現れるまでの日数が記録される。 実施例1 腐食安定性に関する抑制剤の最適濃度の決定 エタノールアミンで中和したBTSA抑制剤を、6%のキャストロール・アク
アセーフ21オイルをベースとする水系エマルションを含んでなる本発明の方法
による組成物に、水相での濃度が0.5と20g/Lの間で変化するように添加
した。様々な対応組成物の腐食抵抗性を、材料および方法の項で説明した方法に
従って、フューミドサームFKWにより求めた。得られた結果を図1のグラフに
示す。
【0055】 中和型のBTSA抑制剤を2.5g/L含んでなる組成物で、最適の抵抗性が
観測される。 実施例2 大気中暴露後の腐食抵抗性の評価 この評価は、2.5g/Lの濃度のBTSAを含んでなる、本発明の方法によ
る組成物(組成物3)で行なわれ、そして材料および方法の項で、より特定的に
説明されている対照組成物1、2および4と比較した。
【0056】 これらの組成物は、EB1区域試験および仕上げ区域試験にかけられ、そのた
めのプロトコール(手順)は、材料および方法の項に説明されている。 これら組成物の各々で観測された結果を下の表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】 本発明の方法による組成物だけが、即ち水系エマルション中にBTSAの塩を
含んでなる組成物3だけが、有意に長い時間にわたって抵抗性を示すことが注目
される。さらにまた、この観測される抵抗性の増大は、そのエマルションおよび
BTSAのそれぞれ単独により誘起される抵抗性を重ね合わせた抵抗性より著し
く大きい。好都合なことに、それら個々の効果に相乗作用が存在する。
【0059】 実施例3 輸送試験による抵抗性の評価 この試験も、材料および方法の項で、より特定的に説明されている組成物1、
2、3および4で行なわれる。
【0060】 この試験は、前もって、試験されるべき溶液で塗装された試験片を積重ねてお
くことからなる。このスタックは、スチール・コイルや金属シートのパイルを積
重ねたシートに模するために締め付けて保持される。
【0061】 次いで、この積重ねた試験片のパイル(“締め付けパイル”)を、32時間サ
イクル(輸送サイクル)の交互変動試験(alternation)にかけるために、プログ
ラムされた気候試験チャンバーに入れる。
【0062】 この輸送サイクル(1サイクル=32時間)を分解して示すと、 ・40℃、相対湿度95%で10時間、 ・20℃、相対湿度80%で4時間、 ・−5℃、相対湿度0%で10時間、 ・30℃、相対湿度85%で8時間、 である。
【0063】 この“輸送サイクル”構成で、試験は、締め付けパイルで、次の条件で行なわ
れる: ・各シナリオは4個の試験片で代表され、 ・それぞれ3サイクルで観測される。これらパイルを解き、界面の状態を観察
する。
【0064】 結果を下の表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】 本発明の方法による組成物、即ち組成物3で塗装された金属成分だけが、有意
に改善された腐食抵抗性を示す。さらにまた、この抵抗性の増大は、そのエマル
ションおよびBTSAの間での相乗作用を反映している。
【0067】 実施例4 フューミドサーム試験での確認 材料および方法の項で説明されている手順に従って、その同じ項で規定された
組成物1から9で行われる。
【0068】 それぞれBTSAおよびイルガコールL184/イルガメット42を含んでな
る水溶液をベースにする組成物2および4とは異なり、この試験組成物は、添加
される各種抑制剤(組成物3および5〜9)と共に、脱イオン水で6%に稀釈さ
れた可溶性オイル、キャストロール・アクアセーフ21(組成物1)を常に含ん
でいる。
【0069】 下の表4に提示された結果が観測された。
【0070】
【表4】
【0071】 この試験によって、試験した各種対照抑制剤は、このBTSA程の有効性を有
しないことが確かめられる。一般式Iの抑制剤とアクアセーフ21エマルション
の間にだけは、この試験でも相乗効果が存在することが確かめらる。
【0072】 実施例5 伝達抵抗による腐食抵抗性の評価 この試験は、材料および方法の項で説明された組成物1および3の電気化学的
インピーダンス・ダイヤグラムを描くことにより行われ、その同じ項に説明され
ている手順に従って試験された。結果を下の表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】 実施例6 腐食抵抗性に及ぼす界面薄膜中のBTSA塩の濃度の効果 以下の組成物で被覆された金属成分について、材料および方法の項で説明され
ている手順に従って、インピーダンス曲線を描いた: 2)エマルション単独、 3)エマルション + 5%BTSA水溶液、乾燥せず、 4)エマルション + 5%BTSA水溶液、次いで、650mg/m2 の薄
膜を得るために60℃で乾燥、 5)エマルション + 3.5%BTSA水溶液、次いで、250mg/m2 の薄膜を得るために60℃で乾燥、 6)エマルション + 3.5%BTSA水溶液、次いで、700mg/m2 の薄膜を得るために60℃で乾燥。
【0075】 エマルション3から6では、BTSAは、アンモニア水で中和された形で存在
する。それ故、エマルション4〜6を乾燥すると、アンモニアが蒸発する。 結果を、インピーダンスの実数部分を横軸に、虚数部分を縦軸に示すことによ
り、図2に提示した。
【0076】 これらの曲線を吟味して、薄膜の厚さが同じでも、3.5%BTSAで得られ
た薄膜(組成物4)で、5%BTSAでの薄膜(組成物6)より、より良好な挙
動が観測されることが分る。即ち、得られる薄膜中の過剰のBTSAは、望まし
くない効果を有する。
【0077】 さらに、乾燥工程を行う(組成物4)と、乾燥工程にかけなかった薄膜(組成
物6)に比べて、対応する薄膜で有利な挙動が見られることが分る。この効果は
、実際には、アンモニア水で中和したBTSAを使用することに関係がある。
【0078】 実施例7 本発明の方法による組成物の有効性に及ぼす調製手順の影響 本発明の方法により調製される組成物の実用性能と乳化に先立って、可溶性オ
イルにBTSAを添加することにより調製した組成物の実用性能の腐食抵抗性を
比較する。結果を、下の表6に示す。
【0079】
【表6】
【0080】 上述の、材料および方法の項で説明された手順に従って行われた、電気化学的
インピーダンス測定により、総抵抗が求められる。 これらの結果から、本発明の方法による組成物へのBTSAの添加方法は、無
意味ではない効果を有することが分る。
【0081】 同じ量でも、それが、乳化前に可溶性オイルに溶解されると、腐食抵抗性に関
する実用性能は、有意に低下する。 実施例8 提供された組成物の摩擦特性の評価 面積1cm2 の高速度鋼で造られた道具を用い、可変横行圧力200から20
00daNで、面‐面摩擦式でのワン・パス摩擦試験を行った。変位速度は、2
mm/秒である。
【0082】 試験片は、厚さ2mmの、規格BS2、のピックリング処理したホットメタル
・シートから切取られる。 本発明の方法による二つの組成物の実用性能を、二つの対照組成物と比較し、
それら組成物の摩耗挙動を図3に示した。
【0083】 組成物A:腐食からの保護用にスチール・シート上で用いられる保護用オイル
[クエーカー(Quaker)8021]が、2g/m2 の割合で沈着された。
組成物B:水中6%のアクアセーフ21可溶性オイルが、500g/m2 の割
合で沈着された。
【0084】 組成物C:塩の形で加えられた有機抑制剤BTSAを含む組成物B(その溶液
のpHは、7.2と8.5の間)が、500g/m2 の割合で沈着された。 組成物D:組成物Cと同じで、そのpHをエタノールアミンを添加して8.5
と9間に安定化させた組成物が、500g/m2 の割合で沈着された。
【0085】 組成物Cと組成物Dで摩耗曲線が改善される。得られた結果は、スタンピング
性を有する(組成物A)保護用オイルでの結果より良好である。 実施例9 抑制剤BTSAの吸着力の特性評価 第1の方法に従って、二つの組成物:アクアセーフ21エマルションをベース
とする組成物(対照例)および、2.5g/Lの濃度の中和した塩の形であるB
TSAを添加し、pHが8.5から9の範囲である、アクアセーフ21エマルシ
ョン(BTSA)をベースとする組成物、の濡れ性を測定した。
【0086】 この試験は、各エマルション1滴をスチール試験片上に置き、そしてその液滴
の接触角の変化をモニターする(その広がりをモニターする)ことからなる。 図4に示したグラフは、BTSAを添加したアクアセーフ21エマルション(
BTSA)の液滴は、常用のアクアセーフ21エマルション(対照例)の液滴よ
り、スチール上に非常に速く広がる。これらの結果は、BTSAが延展剤として
作用することを示す。BTSAは、薄膜をより均質にし、そして、その膜により
大きい被覆力を与えることに寄与する。
【0087】 この吸着力も、以下の手順に従って、下の表7に規定した組成物で、赤外線ス
ペクトルから評価される。 全ての場合、試験した組成物は、アクアセーフ21オイル・ベースの5%の濃
度エマルションを含んでなる。
【0088】
【表7】
【0089】 エマルションA、B、C、DおよびEを、磨いた試験片に塗布する。薄膜‐ス
チールの境界面を調べるために、アセトンで浸漬処理後の試験片で赤外線スペク
トルを測定する(入射角80o の斜入射FTIRスペクトル)。かくして。以下
のことが観測される: ・薄膜AおよびBは、アセトン浸漬で完全に除去される。それ故、これらの組
成物の場合には、抑制剤は弱く吸着されていると推定される。
【0090】 ・薄膜C、DおよびEの浸漬後には、境界面薄膜が残り、その厚さは、抑制剤
の初期濃度が大きくなると増す。同様に、これらの残存境界面薄膜(ベースオイ
ル+抑制剤)中の抑制剤の含有量は、その最終濃度と共に増加する。
【0091】 それ故、この試験は、この抑制剤BTSAは、乳化前のベースオイルに添加さ
れるのではなく、ゾルクリーン(Solclean)エマルションに添加される
のが望ましい(組成物CをAと比較)ことを追認するものである。かくしてこの
抑制剤は、スチールに強く吸着することが可能で、最適の効果を有する。これら
のスペクトルは、完全に、腐食試験と矛盾しない。
【0092】 これらの考察から、これらの実用性能は、BTSAが乾燥されたオイルの薄膜
の内部に見いだされると、換言すれば、浸漬時の流出液中に含まれると、悪化す
ることが分る。この現象は、特に3.75%のBTSAを含んでなる、組成物E
の場合に見られる。
【0093】 実施例10 他の水溶性もしくは水可溶化腐食抑制剤とBTSAの吸着力の比較 裸のスチール・シートに塗布された、水溶液中でエタノールアミンで中和され
たBTSAの濃度の効果を、材料および方法の項で説明された抑制剤RC305
、PX2881およびSER‐AD‐FA379と比較した。この効果は、上述
の手順に従って、インピーダンスの電気化学的測定により評価される。各種抑制
剤を0.5g/Lと20g/Lの間の濃度で試験し、得られた伝達抵抗(“腐食
抵抗”)を図5および6のグラフに示した。抑制剤BTSAだけが、裸のスチー
ル・シートの表面で最適吸着ピークを示し、そのピークは2.5g/Lに中心を
有する。試験した他の抑制剤では、濃度と共に有効性の増大が見られるが、有効
性は、常に、BTSA(2.5g/Lで、30,000Ωcm2 )の場合より劣
っている。抑制剤SER‐AD‐FA379では、この抑制剤中にBTSAが含
まれているが、その含有量は低過ぎるので、考慮している抑制剤濃度範囲で、本
発明の方法による結果は観測されない。
【0094】 水溶液中でのこれら抑制剤の挙動は、実際には、本発明の方法による油相を含
んでなる対応溶液に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般式Iの抑制剤の最適濃度の特性化曲線である。
【図2】 本発明の方法による薄膜および対照薄膜のインピーダンス特性化曲線である。
【図3】 本発明の方法による薄膜および対照薄膜の摩擦特性化曲線である。
【図4】 金属成分の表面における一般式Iの腐食抑制剤の吸着力の特性化曲線である。
【図5】 BTSAを含む、各種抑制剤の吸着力の特性化曲線である。
【図6】 BTSAを含む、各種抑制剤の吸着力の特性化曲線である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月4日(2000.1.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 式中、R、R1 およびR2 基は、お互いに独立に、水素原子、C1 からC20
アルキル基、C1 からC20のハロアルキル基(そのハロゲンは、フッ素、塩素、
臭素もしくはヨウ素であり得る)、C3 からC6 のシクロアルキル基、カルボキ
シル官能基もしくはC1 からC6 のカルボキシルアルキル基であり、nは1から
3の整数であり、そしてXは硫黄もしくは酸素原子である;を、その水溶性塩の
一つの形で含んでなり、該エマルションが、一般式Iの該化合物が前もつて混和
されている水相の、オイル相による乳化によって得られることを特徴とする、組
成物。
【請求項17】 乾燥薄膜の表面密度が、0.3g/m2 と2g/m2 の間で
ある、請求項16に記載の金属成分。
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月25日(2000.10.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケフェールスタイン,ロナール フランス共和国エフ−13730 サン・ヴィ クトアール,ル・クロ・ドゥ・プロヴァン ス 13 (72)発明者 アントワーヌ,フィリッペ フランス共和国エフ−13250 サン−シュ マ,アレ・デ・ティリール 9

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属表面上で腐食からの一時的保護を提供するために用いられ
    る水中油滴型エマルションを含んでなる組成物であって、該エマルションが、そ
    の水相中に、少くとも一種の次の一般式Iの化合物: 【化1】 式中、R、R1 およびR2 基は、お互いに独立に、水素原子、C1 からC20
    アルキル基、C1 からC20のハロアルキル基(そのハロゲンは、フッ素、塩素、
    臭素もしくはヨウ素であり得る)、C3 からC6 のシクロアルキル基、カルボキ
    シル官能基もしくはC1 からC6 のカルボキシルアルキル基であり、nは1から
    3の整数であり、そしてXは硫黄もしくは酸素原子である; を、その水溶性塩の一つの形で含んでなることを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 一般式Iの化合物が、望ましくはベンゾチアゾリルチオスクシ
    ン酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)ステアリン酸、α‐(ベンゾオキサゾリル
    チオ)ラウリル酸、α‐(ベンゾチアゾリルチオ)カプロン酸およびα‐(ベン
    ゾチアゾリルチオ)カプリル酸の水溶性塩から選ばれることを特徴とする、請求
    項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 一般式Iの化合物が、ベンゾチアゾリルチオスクシン酸の水溶
    性塩であることを特徴とする、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  4. 【請求項4】 その水溶性塩が、望ましくは、そのエタノールアミン塩もしく
    はアンモニウム塩であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 そのpHが8.2と9.5の間にあることを特徴とする、先行
    請求項の中の一項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 そのエマルションが、水中に分散した、75から90容量%の
    少くとも一種のオイル、5から10容量%の少くとも一種の界面活性剤、そして
    適宜に、5から15容量%の腐食抑制剤を含んでなる、3から13容量%のオイ
    ル相を含んでなることを特徴とする先行請求項の中の一項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 そのエマルションが、水相中に分散した、約3容量%と8容量
    %の間、そして望ましくは約6容量%のオイルを含んでなることを特徴とする、
    先行請求項の中の一項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 そのオイルが、鉱物油で、そして望ましくはパラフィン系もし
    くはナフテン系の油またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項6ま
    たは7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 その油相の腐食抑制剤が、カルボン酸、アルキルスルホン酸バ
    リウムあるいはナトリウム、または脂肪酸のアミン塩であることを特徴とする、
    請求項6から8の中の一項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 一般式Iの化合物が、該組成物中に、エマルションの1g/
    Lと10g/Lの間の濃度で存在することを特徴とする、先行請求項の中の一項
    に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 一般式Iの化合物を1から3.5g/Lの間で含んでなるこ
    とを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 6%の可溶性オイルを含んでなるエマルションの水相中に1
    と3.5g/Lの間の、水溶性塩の形のベンゾチアゾリルチオスクシン酸を含ん
    でなることを特徴とする、先行請求項の中の一項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ベンゾチアゾリルチオスクシン酸アンモニウムが、2.5g
    /L程度存在することを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 一般式Iの一つの化合物または複数の化合物が、エマルショ
    ンの水相に、それが油相で乳化される前に、水溶液の形で混和されることを特徴
    とする請求項1から13の中の任意の一項に記載の組成物を製造する方法。
  15. 【請求項15】 次の: ・該金属成分の少くとも一部に請求項1から13により規定される組成物、もし
    くは請求項14の方法に従って得られる組成物を塗布する工程、および ・該塗布された金属成分を乾燥薄膜が得られるまで乾燥する工程、 からなる複数の工程を含んでなることを特徴とする、金属成分を腐食から一時的
    に保護する方法。
  16. 【請求項16】 該組成物が、金属成分の表面に、その吸着部位が一般式Iの
    化合物で飽和されるように、且つ、該組成物を、それから薄膜を得るために最後
    に加熱すると、一般式Iの化合物は、その塗布薄膜の内部には見いだされないよ
    うに、塗布されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から13の中の一項により規定される組成物もしく
    は請求項14の方法に従って得られる組成物から、請求項15または16に記載
    の方法に従って得られる、腐食から一時的に保護するための乾燥薄膜、で被覆さ
    れた金属成分。
  18. 【請求項18】 乾燥薄膜の表面密度が、0.3g/m2 と2g/m2 の間で
    ある、請求項17に記載の金属成分。
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