JP4183983B2 - 医療検査用カセット - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療検査用顕微鏡標本の作製に使用する医療検査用カセットに関し、更に詳しくは、片手で容易且つ安定的に蓋を開閉でき、作業性の向上した医療検査用カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のカセットは、図31に示すように、合成樹脂又はステンレスからなるカセット本体1と蓋2とを具備してなる。カセット本体1は、上面を開放した方形の容器で、底部に多数の透孔3を有し、短辺側の一側壁Aの外側に底部に向かって末広がり状に傾斜した板状の記録部4を設け、その内側に係止溝5を有し、他の側壁Bの外側に係止部6を有する。
【0003】
蓋2は、着脱可能な板状体で、板面に多数の透孔7を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体内に嵌合するリブ8を有し、短辺側の一方側には前記係止溝5の記録部4の裏面に沿って嵌入係合する傾斜状係止片9を有し、短辺側の他方側にはカセット本体1よりも僅かに大き目の突縁部10を有し、係合部6と係合する係止片11を有している。
【0004】
上記カセットを使用して顕微鏡標本を作製するには、まず、採取した検体12をカセット本体1内に収容して蓋2を取り付け、記録部4に被検者の氏名等を記録しておく。蓋2の傾斜状係止片9は、カセット本体1の係止溝5に係合し、また係止片11はカセット本体1の係止部6に係合して蓋2を固定する。
【0005】
続いて、透孔7、3を通じてアルコールを供給して検体12の水分を除去し、次いで、キシレンにより後述する液状パラフィンとの親和性を検体12に付与する。
【0006】
次に、図32に示すように、ステンレス製又はプラスチックス製トレイ13内に液状パラフィン14を入れ、検体12をカセット本体1から取り出して液状パラフィン14中に置いて検体12に液状パラフィンを浸透させる。続いて、トレイ13の段部にカセット本体1を載せ、カセット本体1が液状パラフィン14に浸るまで、液状パラフィン14を検体12上に注ぎ足す。
【0007】
液状パラフィン14が固化した後トレイ13を取り去ることにより、検体12を包埋したパラフィン14がカセット本体1の底部に付着してなるカセットブロック15(図33参照)を得る。
【0008】
次に、図33に示すように、ミクロトーム16上に装着したアダプター17の基台18上にカセットブロック15を裏返して載せ、固定する。アダプター17は、レバー19の操作により、基台18に設けた固定腕20と可動腕21との間にカセット本体1を挟持して固定する。その際、カセット本体1が記録部4の傾斜により浮き上がるのを防止するため、両腕20、21の先端に形成した係止爪22がカセット本体1の底部の角に係合する。続いて、パラフィン14の検体12を包埋した部分を矢印a方向にスライスし、スライスした薄片に染色、その他の所定の処理を施すことにより顕微鏡標本を得るのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記カセットは、通常、一方の片手にピンセットを持ち、他方の片手で、例えば図34に示す如く、蓋2のP点付近に人指し指を掛け、蓋2の突縁部10に親指をかけた状態でP点を人指し指で少し押圧して該P点の両側を若干上方に反り返らせることにより蓋2の係止片11をカセット本体1の係止部6から離脱させ、蓋2を上方に取り除き、もう一方の片手のピンセットを操作して検体をカセット本体1内に収容させる。そして、上記したように、薬剤処理を行った後、上記と同様の操作で片手で蓋2を取り去り、他方の片手のピンセットで検体12をカセット本体1から取り出して液状パラフィン14中に置いてカセットブロックが作成される。
【0010】
しかるに、上記の如き従来のカセットにあっては、P点を人指し指で押圧してP点の両側を上方に反り返らせることにより蓋2の係止片11をカセット本体1の係止部6から離脱させることにより蓋2を取り去るため、かなりの力を必要とし、従って、数多くのカセットを扱う場合には手指に負担が掛るため作業性が低下し、また、蓋2がカセット本体1から離脱する際に、その勢いで、カセット本体1内の検体12がカセット本体1の外へ飛び出してしまい、貴重な検体12を台無しにする場合がある。
【0011】
上記トラブルを回避しようとすれば、一旦両手を使って蓋2がはね上がることがないように慎重にカセット本体1から取り去り、次いで、ピンセットを使って検体12を取り出すことになり、片手でピンセットを持ち、他方の片手で蓋を開けるという効率的な作業は不可能となり、従って、作業性は大巾に低下せざるを得ない。
【0012】
本発明は、上記の如き欠点を解消し、片手で容易且つ安定的に開閉でき、作業性の改善された医療検査用カセットを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の第1は、カセット本体と蓋とを具備してなり、前記カセット本体が上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、前記蓋がカセット本体に取り付けられ、多数の透孔を有してなる医療検査用カセットにおいて、前記蓋に設けた略U字状の係止部が、前記カセット本体に設けた係止溝に着脱自在に係合してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする医療検査用カセットを内容とする。
【0014】
本発明の第2は、カセット本体と蓋を具備してなり、
カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、短辺側の一側壁の外側に底部に向かって末広がり状に傾斜した板状の記録部を備えるとともに、その内側に係止溝を有し、他の側壁の外側略中央部に係止溝を有し、
蓋が多数の透孔を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体内に嵌合するリブを有し、短辺側の一方側には前記係止溝に記録部裏面に沿って嵌入係合する傾斜状係止片を、他方側には前記係止溝と係合する略U字状の係止部を有してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする医療検査用カセットを内容とする。
【0015】
本発明の第3は、カセット本体と蓋を具備してなり、
カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、短辺側の一側壁の外側に底部に向かって末広がり状に傾斜した板状の記録部を備えるとともに、その内側に係止溝を有し、他の側壁の内側略中央部に係止溝を有し、
蓋が多数の透孔を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体内に嵌合するリブを有し、短辺側の一方側には前記係止溝に記録部裏面に沿って嵌入係合する傾斜状係止片を、他方側には前記係止溝と係合する略U字状の係止部を有してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする医療検査用カセットを内容とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、カセット本体と蓋とを具備してなり、前記カセット本体が上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、前記蓋がカセット本体に着脱自在に取り付けられ、多数の透孔を有してなる医療検査用カセットにおいて、前記蓋に設けた略U字状の係止部が、前記カセット本体に設けた係止溝に着脱自在に係合してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする。
【0017】
本発明のカセットは、蓋の略U字状の係止部がカセット本体の係止溝に係合してなるため、該係合部の略U字状の部分の形状変形により容易に係合を解くことができ、片手で蓋をカセット本体から簡単に且つ安定的に離脱させることができる。その結果、長時間作業しても、手指が疲労することもなく、開蓋した際の勢いで検体が外へ飛び出し、台無しになるといったトラブルも防止される。
また本発明のカセットは、U字状係止部に透孔が設けられているので、カセットを薬液中に浸漬する際の浮力が減じられ、浸漬し易くなるばかりでなく、U字状係止部の剛性が低下して撓み変形力が大きくなり、より小さな力で蓋をカセット本体から除去することができる。さらに、樹脂量を低減させコストダウンを図ることができる。
【0018】
略U字状の係止部と係止溝との係合・離脱は、略U字状部分の拡縮によって行われるが、更に、係合・離脱を確実なものとするために、略U字状係合部と係止溝とに凹凸等の係合手段を設けてもよい。
【0019】
本発明のカセットは、蓋の表面に突起を設けることにより、カセットを上下方向に積み重ねたり、水平方向に並設した場合に、該突起がスペーサーとして機能しカセットとカセットとの間に空間部を形成し、この空間部からも薬液が流入可能となるので薬液の処理が均一となり、且つ効率的である。
【0020】
この場合において、突起の表面に、収容した検体を識別するための識別表示を設けることにより、標本作成の作業性及び検査精度を高めることができる。また、ミクロトームでスライスして標本を作成する際の切り出しの識別表示を設けることにより、ミクロトームでスライスする際の切り出し位置を知ることができ、作業性及び検査精度が高められる。また、カセット本体が複数個の小室に分割されてなる場合は、その小室に対応する突起を設け、識別表示を設けると、検体の取り違い等のトラブルが防止され、作業性、検査精度が高められる。
【0021】
上記識別表示は文字通り識別又は区別できるものであれば特に制限されず、例えば、1、2、3等の数字、A、B、C(a、b、c)等のアルファベット、イ、ロ、ハ(い、ろ、は)等の五十音、○、△、×等の記号等、数字、文字、記号、模様、着色等のいずれでもよい。
【0022】
突起の高さは特に制限されずカセットのサイズにより一概には規定されないが、少なくとも0.3mmの高さ、好ましくは、少なくとも0.5mmの高さで設けるのが好ましい。突起が0.3mmよりも低くなると、作業する際に視認し難く、間違いが生じ易くなり、また、突起により形成される空間部が小さいため薬液の透過性の改善効果が不十分となる。突起の表面に設ける識別表示は、突設、刻設、又は平面的に設けてもよい。尚、突起の上限は、カセットの大きさにより一概には規定できないが、余り高くなると積み重ねたり並接した場合に場所をとり、処理効率が低下するとともに、取り扱い性も悪くなる。従って、好ましくは10mm程度、より好ましくは5mm程度、さらに好ましくは2mm程度である。
【0023】
尚、カセットを積み重ねたり、並設した場合において、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐために、カセット本体の底部裏面に、上記突起に嵌合する嵌合孔を設けることが好ましい。この場合の嵌合孔は、突起のスペーサーとしての機能を維持せしめるために、突起よりも浅く設け、好ましくは、0.3〜1.0mm程度の隙間が上部のカセットの底部と下部のカセットの蓋との間に形成されるように設計するのが望ましい。
【0024】
また、カセット本体を仕切壁で区画して複数個の小室にすることは、同時に複数個の検体が処理されるので極めて効率的である。しかし、前記したように、既存のミクロトーム等の装置を使用する場合には、カセットの大きさに自ら制約があり、従って、複数個の小室を設ける場合は、2〜9個程度が好ましい。9個を越えると、小室のサイズが小さくなり過ぎ、収容、処理する検体のサイズも制限され不都合な場合がある。
【0025】
小室の形成は仕切壁によりなされるが、仕切壁をカセット本体内にのみ突設し、蓋を被着した際に該仕切壁の先端部と蓋の裏面との対接により小室を区画形成するようにしてもよく、また蓋の裏面に背の低い仕切壁を突設するとともに、カセット本体内に背の高い仕切壁を突設し、蓋を被着した際に、両仕切壁の先端同志の対接により小室を区画形成するようにしてもよい。更には、後に実施例で示すように、蓋又はカセット本体に設けた1条の仕切壁を、カセット本体又は蓋に設けた2条の仕切壁により挟着させて小室を区画形成してもよい。小室は実質的に隙間のない独立した空間であってもよく、また検体が隣接する小室に移動しない程度に小さい隙間があってもよい。
【0026】
蓋及び/又はカセット本体は耐薬品性を有する材料から作られ、例えばポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂、ステンレス等の金属等が好適であるが、特にポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の透明樹脂製とすることにより、カセット内部に収容した検体の状況(個数、形状、色、カセット本体内での存在位置、濾紙とともに検体を収容した場合は、濾紙の位置、濾紙上の検体の方向等)を明確に視認することができるので、顕微鏡標本作成の効率化、確実化を図るとともに、精度の高い検査結果を得ることができる。
【0027】
上記透明樹脂の中、とりわけ耐薬品性及び低コストという点からポリプロピレン樹脂、ポリエステル(特にPET)樹脂が好適で、特にポリプロピレン樹脂が好適である。蓋のみが透明材料からなる場合は蓋の外部から、またカセット本体のみが透明材料からなる場合はカセット本体(側壁又は底部)の外側から、更に、蓋とカセット本体とが透明材料からなる場合は、蓋及びカセット本体の両方の外側から、内部の検体の状況を視認することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示す図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
【0029】
実施例1
本実施例の医療検査用カセットは、図1〜図11に示すように、ポリアセタール樹脂からなる、カセット本体1と蓋2とを具備してなる。
カセット本体1は、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔3を有し、短辺側の一側壁Aの外側に底部に向かって末広がり状に傾斜した板状の記録部4を備えるとともに、その内側に係止溝5を有し、他の側壁Bの外側に係止溝6を有してなる(図3、図7参照)。
【0030】
一方、蓋2は多数の透孔7を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体1内に嵌合するリブ8を有し、短辺側の一方側には前記係止溝5に記録部4の裏面に沿って嵌入係合する傾斜状係止片9を、他方側には前記係止溝6と係合する係止部23を有し、該U字状係止部23の外側両端を切り欠いた凹部23bと前記係止溝6の外側内壁の両端上部に設けた凸部6aとが着脱自在に係合してなる(図4、図7参照)。
【0031】
上記の如きカセットにおいて、蓋2をカセット本体1から取り去るには、例えば、蓋2の中央付近を人指し指で押さえ、親指でU字状係止部23の端縁部23aを傾斜状係止片9側に押すことにより、U字状係止部23の形状変形により、係止溝6の凸部6aとU字状係止部23の凹部23bとの係合が解かれ、蓋2をカセット本体1から容易に取り去ることができる(図7参照)。
尚、カセット本体1の係止溝5側の側壁の内側上部の稜角が面取り1aされているが、これは、例えば図34に示すように、蓋2を開ける際に、側壁Aの上部稜角にリブ8aが引っ掛かる恐れがあるような場合は、かかるトラブルを防ぐために望ましい態様である。
【0032】
本実施例では、U字状係止部23に透孔23c、傾斜状係止片9に透孔9aが穿設されているが、これらはカセットを薬液中に浸漬する際の浮力を減じ、浸漬し易くする効果がある。更に、U字状係止部23の透孔23cは、浮力低減効果の他に、U字状係止部23の剛性を低下させて撓み変形力を大きくし、より小さな力で蓋2をカセット本体1から除去せしめる効果もある。これらの透孔は、上記した効果の他に、樹脂量を低減させコストダウンを図る効果もある。
【0033】
また、透孔24、透孔25も浮力を低減させる効果の他、樹脂量を低減させコストダウンを図る効果もある。更に、透孔24は、ピンセット操作の際のピンセット挿入孔としての役割を果たすもので、この場合、2つの透孔24、24にピンセットを挿入してもよいし、また各透孔24と蓋2の対向する端縁部とをピンセットで挟んでもよい。
【0034】
また、本実施例では、蓋2の表面に4個の突起26が設けられ、一方、カセット本体1の底部裏面に上記突起26と嵌合するように、4個の嵌合孔27が設けられ、この場合、嵌合孔27は突起26の高さよりも浅目に構成されている。
かくして、図11に示すように、上部のカセットのカセット本体の底部裏面の嵌合孔27に下部カセットの蓋の表面に設けた突起26を嵌合させて積み上げた際に、薬液処理中等においてもズレたり崩れたりすることがなく、しかも上下カセット間にスペース28(本例では0.5mm)が形成されるので、薬液がこのスペース28からもカセット本体内に導入され、薬液処理が短時間で効率的に行われる。
【0035】
また、本実施例では蓋2の透孔7は薬液をカセット本体1内に導入し易くするために、蓋の表面から裏面に向かって集束するテーパー状に形成され、一方、カセット本体1の透孔3は、カセット本体1内の薬液を排出し易いように内側から外側に向かって末広がりのテーパー状に形成されている。
【0036】
実施例2
本実施例の医療検査用カセットは、図12〜図15に示すように、実施例1に示したカセットにおいて、カセット本体1が仕切壁29により6個の小室に区画され、一方、蓋2は仕切壁30により6個に区画され、仕切壁30が仕切壁29を挟着して独立した6個の小室が形成されている。
この場合、蓋2の表面に各小室に対応するように6個の突起26を設け、該突起26の表面に識別表示を施すことにより、6個の小室を該識別表示により区別することができ、また、そのうちの1個に突起に切り出し位置を示す識別表示を設けることも可能である。
【0037】
実施例3
本実施例の医療検査用カセットは、図16〜図19に示すように、実施例1に示したカセットにおいて、カセット本体1が仕切壁29により9個の小室に区画され、一方、蓋2は仕切壁30により9個に区画され、仕切壁30が仕切壁29を挟着して独立した9個の小室が形成されている。
この場合、蓋2の表面に各小室に対応するように9個の突起26を設け、該突起26の表面に識別表示を施すことにより、9個の小室を該識別表示により区別することができ、また、そのうちの1個に突起に切り出し位置を示す識別表示を設けることも可能である。
【0038】
実施例4
本実施例の医療検査用カセットは、図20〜30に示すように、実施例1の場合は係止溝6をカセット本体1の側壁Bの外側に係止溝6を設けたのに対し、係止溝6をカセット本体1の側壁Bの内側に設け、従って、係止溝6の両側には検体収容室が延設され(図22参照)、実施例1のように透孔24が穿設されていない点、及び蓋2のU字状係止部23側の表面に突起26aが設けられている点を除いて、実施例1の場合と同様の構成からなる。
【0039】
本実施例のカセットは、係止溝6の両側に検体収容室が延設されているので、長さの大きい検体を収容するのに便利であり、また実施例2、3のように複数個小室に区画された場合においても、この延設部を含む小室は他の小室よりも大きくなるので長さの大きい検体を収容することができる。
【0040】
また、突起26aはU字状係止部23の端縁部23aとの間でピンセットで挟むことを可能とするものである。
【0041】
実施例5〜8
実施例1〜4のカセットにおいて、カセット本体1及び蓋2の材質を不透明樹脂のポリアセタール樹脂から透明樹脂のポリプロピレン樹脂に変更した他は、同様にしてカセットを作製した。蓋2及びカセット本体1は、いずれも透明で、蓋2を取り去ることなく、内部の検体が視認でき、作業性は頗る良好であった。
【0042】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例で示した如き形状や構造のカセットに限られず、蓋をカセット本体に取り付けてなる全てのカセットに適用可能であることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】
叙上のとおり、本発明のカセットは、蓋の略U字状の係止部がカセット本体の係止溝に係合してなるため、該係合部の略U字状の部分の形状変形により容易に係合を解くことができ、ワンタッチで、片手で蓋をカセット本体から簡単に且つ安定的に離脱させることができる。その結果、長時間作業しても、手指が疲労することもなく、開蓋した際の勢いで検体が外へ飛び出し、台無しになるといったトラブルも防止され、標本作成の生産性が飛躍的にたかめられる。
また本発明のカセットは、U字状係止部に透孔が設けられているので、カセットを薬液中に浸漬する際の浮力が減じられ、浸漬し易くなるばかりでなく、U字状係止部の剛性が低下して撓み変形力が大きくなり、より小さな力で蓋をカセット本体から除去することができる。さらに、樹脂量を低減させコストダウンを図ることができる。
【0044】
本発明のカセットは、蓋の表面に突起を設けることにより、カセットを上下方向に積み重ねたり、水平方向に並接した場合に、該突起がスペーサーとして機能しカセットとカセットとの間に空間部を形成し、この空間部からも薬液が流入可能となるので薬液の処理が均一となり、且つ効率的である。
【0045】
また、カセットを積み重ねたり、並設した場合において、カセット本体の底部裏面に、上記突起に嵌合する嵌合孔を設けることにより、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐことができる。この場合、の嵌合孔を突起よりも浅く設け、上部のカセットの底部と下部のカセットの蓋との間に隙間(スペース)を形成させることにより、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐと同時に、突起のスペーサーとしての機能を維持せしめることができる。
【0046】
また、突起の表面に、収容した検体を識別するための識別表示を設けたり、ミクロトームでスライスして標本を作成する際の切り出しの識別表示を設けることにより、作業性及び検査精度が高められる。特に、カセット本体が複数個の小室に分割されてなる場合は、その小室に対応する突起を設け、識別表示を設けると、検体の取り違い等のトラブルが防止され、作業性、検査精度が高められる。
【0047】
また、蓋及び/又はカセット本体を透明材料製とすることにより、蓋を取り去ることなく、カセット内に収容された検体の状況を容易に視認することができるので、作業性や検査精度が飛躍的に高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカセットの実施例を示す平面図である。
【図2】図1のカセットの底面図である。
【図3】図1のカセットのカセット本体の平面図である。
【図4】図1のカセットの蓋の底面図である。
【図5】図1のカセットのA−A断面図である。
【図6】図1のカセットのB−B断面図である。
【図7】図1のカセットのC−C断面図である。
【図8】図1のカセットのD−D断面図である。
【図9】図1のカセットの蓋を開いた状態の斜視図である。
【図10】図1のカセットの蓋を下方から見た状態の斜視図である。
【図11】図1のカセットを積み重ねた状態を示す断面図である。
【図12】本発明のカセットの他の実施例を示すカセット本体の平面図である。
【図13】図12のカセットの蓋の底面図である。
【図14】図12のカセットの長さ方向の断面図である。
【図15】図12のカセットの巾方向の断面図である。
【図16】本発明のカセットの別の実施例を示すカセット本体の平面図である。
【図17】図16のカセットの蓋の底面図である。
【図18】図16のカセットの長さ方向の断面図である。
【図19】図16のカセットの巾方向の断面図である。
【図20】本発明のカセットの更に他の実施例を示す平面図である。
【図21】図20のカセットの底面図である。
【図22】図20のカセットのカセット本体の平面図である。
【図23】図20のカセットの蓋の底面図である。
【図24】図20のカセットのA−A断面図である。
【図25】図20のカセットのB−B断面図である。
【図26】図20のカセットのC−C断面図である。
【図27】図20のカセットのD−D断面図である。
【図28】図20のカセットの蓋を開いた状態の斜視図である。
【図29】図20のカセットの蓋を下方から見た状態の斜視図である。
【図30】図20のカセットを積み重ねた状態を示す断面図である。
【図31】従来のカセットの長さ方向の断面図である。
【図32】従来のカセットを用いて検体をパラフィンに包埋させる状態を示す概略断面図である。
【図33】図32で得られるパラフィンブロックをミクロトームでスライスする状態を示す概略図である。
【図34】従来のカセットの蓋を取り去る状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 カセット本体
1a 面取り
2 蓋
3 透孔
4 記録部
5 係止溝
6 係止溝
6a 凸部
7 透孔
8 リブ
9 傾斜状係止片
9a 透孔
10 突縁部
11 係止片
12 検体
13 トレイ
14 パラフィン
15 カセットブロック
16 ミクロトーム
17 アダプター
18 基台
19 レバー
20 固定腕
21 可動腕
22 係止爪
23 U字状係止部
23a 端縁部
23b 凹部
23c 透孔
24 透孔
25 透孔
26、26a 突起
27 嵌合孔
28 スペース
29 仕切壁
30 仕切壁

Claims (18)

  1. カセット本体と蓋とを具備してなり、前記カセット本体が上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、前記蓋がカセット本体に取り付けられ、多数の透孔を有してなる医療検査用カセットにおいて、前記蓋に設けた略U字状の係止部が、前記カセット本体に設けた係止溝に着脱自在に係合してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする医療検査用カセット。
  2. 蓋の表面に突起を設けた請求項1記載の医療検査用カセット。
  3. カセット本体の底部裏面に、蓋の表面に設けた突起よりも浅い嵌合孔を設けた請求項2記載の医療検査用カセット。
  4. カセット本体が仕切壁により複数個の小室に区画されてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  5. 蓋及び/又はカセット本体が耐薬品性の透明材料からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  6. カセット本体と蓋を具備してなり、
    カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、短辺側の一側壁の外側に底部に向かって末広がり状に傾斜した板状の記録部を備えるとともに、その内側に係止溝を有し、他の側壁の外側略中央部に係止溝を有し、
    蓋が多数の透孔を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体内に嵌合するリブを有し、短辺側の一方側には前記係止溝に記録部裏面に沿って嵌入係合する傾斜状係止片を、他方側には前記係止溝と係合する略U字状の係止部を有してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする医療検査用カセット。
  7. カセット本体の他の側壁の外側略中央部の係止溝の両側に透孔を設けるとともに、蓋の略U字状の係止部の両側に透孔を設け、貫通した両透孔をピンセット操作孔としてなる請求項記載の医療検査用カセット。
  8. 蓋の表面に突起を設けた請求項又は記載の医療検査用カセット。
  9. カセット本体の底部裏面に、蓋の表面に設けた突起よりも浅い嵌合孔を設けた請求項記載の医療検査用カセット。
  10. 斜状係止片に透孔を設けた請求項のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  11. カセット本体が仕切壁により複数個の小室に区画されてなる請求項10のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  12. 蓋及び/又はカセット本体が耐薬品性の透明材料からなる請求項11のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  13. カセット本体と蓋を具備してなり、
    カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有し、短辺側の一側壁の外側に底部に向かって末広がり状に傾斜した板状の記録部を備えるとともに、その内側に係止溝を有し、他の側壁の内側略中央部に係止溝を有し、
    蓋が多数の透孔を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体内に嵌合するリブを有し、短辺側の一方側には前記係止溝に記録部裏面に沿って嵌入係合する傾斜状係止片を、他方側には前記係止溝と係合する略U字状の係止部を有してなり、前記略U字状の係止部に透孔を設けたことを特徴とする医療検査用カセット。
  14. 蓋の表面に突起を設けた請求項13記載の医療検査用カセット。
  15. カセット本体の底部裏面に、蓋の表面に設けた突起よりも浅い嵌合孔を設けた請求項14記載の医療検査用カセット。
  16. 斜状係止片に透孔を設けた請求項1315のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  17. カセット本体が仕切壁により複数個の小室に区画されてなる請求項1316のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  18. 蓋及び/又はカセット本体が耐薬品性の透明材料からなる請求項1317のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
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