JP4128136B2 - 医療検査用カセット - Google Patents

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Description

本発明は、医療検査用顕微鏡標本の作製に使用する医療検査用カセットに関し、更に詳しくは、片手で容易且つ安定的に蓋を開閉でき、作業性の向上した医療検査用カセットに関する。
従来のこの種のカセットは、図16、図17に示すように、合成樹脂又はステンレスからなるカセット本体1と蓋2とを具備してなる(例えば、特許文献1参照)。カセット本体1は、上面を開放した方形の容器で、底部に多数の透孔3を有し、短辺側の一側壁の外側に係止部4を有し、他の側壁の外側に係止部5を有する。係止部4、5の下部は記録部6である。また、カセット本体1の長辺側の両外側にはアダプター用の係止部12が突設されている。
蓋2は、着脱可能な板状体で、板面に多数の透孔7を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体1内に嵌合するリブ8を有し、短辺側の一方側には前記係止部4と係合する係止片9a、9bを有し、短辺側の他方側にはカセット本体1よりも僅かに大き目の突縁部10を有し、前記係止部5と係合する係止片11を有している。
上記カセットを使用して顕微鏡標本を作製するには、まず、採取した検体13をカセット本体1内に収容して蓋2を取り付け、記録部6に被検者の氏名、番号等を記録しておく。蓋2の係止片9a、9bは、カセット本体1の係止部4に係合し、また係止片11はカセット本体1の係止部5に係合して蓋2を固定する。
続いて、透孔7、3を通じてアルコールを供給して検体13の水分を除去し、次いで、キシレンにより後述する液状パラフィンとの親和性を検体13に付与する。
次に、常法に従い、パラフィン中に検体13を包埋したカセットブロックを作成し、ミクロトーム上に装着したアダプター上にカセットブロックを裏返して載せ、固定腕と可動腕との間にカセット本体1のアダプター係止部12を挟持して固定する。続いて、パラフィンに包埋された検体をスライスし、スライスした薄片に染色、その他の所定の処理を施すことにより顕微鏡標本を得るのである。
実用新案登録第2547410号公報
上記カセットは、通常、一方の片手にピンセットを持ち、他方の片手で、例えば図17に示す如く、蓋2のP点付近に人指し指を掛け、蓋2の突縁部10に親指をかけた状態でP点を人指し指で少し押圧して該P点から突縁部10にかけて若干上方に反り返らせることにより蓋2の係止片11をカセット本体1の係止部5から離脱させ、蓋2を上方に取り除き、もう一方の片手のピンセットを操作して検体13をカセット本体1内に収容させる。そして、上記したように、薬剤処理を行った後、上記と同様の操作で片手で蓋2を取り去り、他方の片手のピンセットで検体13をカセット本体1から取り出して液状パラフィン中に置いてカセットブロックが作成される。
しかるに、上記の如き従来のカセットにあっては、蓋2の可撓性、弾性を利用して、P点を人指し指で押圧してP点から突縁部10にかけて上方に反り返らせることにより蓋2の係止片11をカセット本体1の係止部5から離脱させることにより蓋2を取り去るため、かなりの力を必要とし、従って、数多くのカセットを扱う場合には手指に負担が掛るため作業性が低下せざるをえない。また、蓋2がカセット本体1から離脱する際に、その勢いで、カセット本体1内の検体13がカセット本体1の外へ飛び出してしまい、貴重な検体13を台無しにする場合がある。
上記トラブルを回避しようとすれば、一旦両手を使って蓋2がはね上がることがないように慎重にカセット本体1から取り去り、次いで、ピンセットを使って検体13を取り出すことになり、片手でピンセットを持ち、他方の片手で蓋を開けるという効率的な作業は不可能となり、従って、作業性は大巾に低下せざるを得ない。
上記課題を解決するための請求項1の本発明は、カセット本体と蓋を具備してなり、カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有するとともに、対角線上の両隅部、両短辺部又は両長辺部にそれぞれ係止を有し、蓋が多数の透孔を有し、前記係止弾性を利用した形状変形により係合する略U字状の係止部を有してなることを特徴とする医療検査用カセットを内容とする。
また、請求項の本発明は、蓋の裏面の外周部に沿って、カセット本体内に嵌合するリブを有する請求項1記載の医療検査用カセットを内容とする。
また、請求項の本発明は、蓋の表面に突起を設けた請求項1又は2記載の医療検査用カセットを内容とする。
また、請求項の本発明は、カセット本体の底部裏面に、蓋の表面に設けた突起よりも浅い嵌合孔を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセットを内容とする。
また、請求項の本発明は、略U字状係止部の湾曲部に透孔を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセットを内容とする。
また、請求項の本発明は、少なくとも1対の対向する側壁の外側にアダプター係止部を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセットを内容とする。
また、請求項の本発明は、蓋及び/又はカセット本体が耐薬品性の透明材料からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセットを内容とする。
本発明のカセットは、係止溝がカセット本体の対角線上の両隅部、両短辺部又は両長辺部に設けられるとともに、蓋の略U字状の係止部が前記カセット本体の係止に係合してなるため、該係合部の略U字状の部分の可撓性、弾性を利用した形状変形により容易に係合を解くことができ、親指と人差し指等で内側に引き合うように少し力を加えることにより、ワンタッチで、片手で蓋をカセット本体から簡単に且つ安定的に離脱させることができる。その結果、長時間作業しても、手指が疲労することもなく、開蓋した際の勢いで検体が外へ飛び出し、台無しになるといったトラブルも防止されるので、標本作成の生産性が飛躍的に高められる。
本発明のカセットは、蓋の表面に突起を設けることにより、カセットを上下方向に積み重ねたり、水平方向に並接した場合に、該突起がスペーサーとして機能しカセットとカセットとの間に空間部を形成し、この空間部からも薬液が流入可能となるので薬液の処理が均一となり、且つ効率的である。
また、カセットを積み重ねたり、並設した場合において、カセット本体の底部裏面に、上記突起に嵌合する嵌合孔を設けることにより、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐことができる。この場合、の嵌合孔を突起よりも浅く設け、上部のカセットの底部と下部のカセットの蓋との間に隙間(スペース)を形成させることにより、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐと同時に、突起のスペーサーとしての機能を維持せしめ、薬液の流入効果を発揮させることができる。
また、輸送や保管中に積み重ねた又は並接したカセットが崩れることがないので好都合である。
また、突起の表面に、収容した検体を識別するための識別表示を設けたり、ミクロトームでスライスして標本を作成する際の切り出しの識別表示を設けることにより、作業性及び検査精度が高められる。特に、カセット本体が複数個の小室に分割されてなる場合は、その小室に対応する突起を設け、識別表示を設けると、検体の取り違い等のトラブルが防止され、作業性、検査精度が高められる。
また、蓋及び/又はカセット本体を透明材料製とすることにより、蓋を取り去ることなく、カセット内に収容された検体の状況を容易に視認することができるので、作業性や検査精度が一層飛躍的に高められる。
本発明は、カセット本体と蓋を具備してなり、カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有するとともに、対角線上の両隅部、両短辺部又は両長辺部にそれぞれ係止を有し、蓋が多数の透孔を有し、前記係止弾性を利用した形状変形により係合する略U字状の係止部を有してなることを特徴とする。
本発明のカセットは、蓋の略U字状の係止部がカセット本体の係止に係合してなるため、該係止部の略U字状の部分の可撓性、弾性を利用した形状変形(拡縮)により容易に係合を解くことができ、片手で蓋をカセット本体から簡単に且つ安定的に離脱させることができる。その結果、長時間作業しても、手指が疲労することもなく、また、開蓋した際の勢いで検体が外へ飛び出し、貴重な検体を台無しにするといったトラブルも防止される。
蓋の略U字状の係止部とカセット本体の係止との係合・離脱は、略U字状部分の可撓性、弾性を利用した形状変形(拡縮)によって行われるが、更に、係合・離脱を確実なものとするために、略U字状係止部と係止とを凹凸等の係合手段で係合するようにしてもよい。
略U字状の係止部は、対角線上の両隅部、両短辺部、両長辺部にそれぞれ設けられる。これにより、例えば一のU字状係止部には親指を掛け、他のU字状係止部には人差指を掛けて互いに内側に引き合うように少し力を加えることにより容易に開蓋することができる。
略U字状係止部と係合する係合はカセット本体の外側にも設けることができ、この場合は、カセット本体内の容積は影響を受けない。
蓋の裏面の外周部に沿って、カセット本体内に嵌合するリブを設けることにより、蓋とカセット本体との嵌合性が高められ、薬液処理の際等において、微細な検体でもカセット本体外に洩れ出ることが防止される。
また、本発明のカセットは、蓋の表面に突起を設けることにより、カセットを上下方向に積み重ねたり、水平方向に並設した場合に、該突起がスペーサーとして機能しカセットとカセットとの間に空間部を形成し、この空間部からも薬液が流入可能となるので薬液の処理が均一となり、且つ効率的である。
この場合において、突起の表面に、収容した検体を識別するための識別表示を設けることにより、標本作成の作業性及び検査精度を高めることができる。また、ミクロトームでスライスして標本を作成する際の切り出しの識別表示を設けることにより、ミクロトームでスライスする際の切り出し位置を知ることができ、作業性及び検査精度が高められる。また、カセット本体が複数個の小室に分割されてなる場合は、その小室に対応する突起を設け、識別表示を設けると、検体の取り違い等のトラブルが防止され、作業性、検査精度が高められる。
上記識別表示は文字通り識別又は区別できるものであれば特に制限されず、例えば、1、2、3等の数字、A、B、C(a、b、c)等のアルファベット、イ、ロ、ハ(い、ろ、は)等の五十音、○、△、×等の記号等、数字、文字、記号、模様、着色、バーコード等のいずれでもよい。
突起の高さは特に制限されずカセットのサイズにより一概には規定されないが、少なくとも0.3mmの高さ、好ましくは、少なくとも0.5mmの高さで設けるのが好ましい。突起が0.3mmよりも低くなると、作業する際に視認し難く、間違いが生じ易くなり、また、突起により形成される空間部が小さいため薬液の透過性の改善効果が不十分となる。突起の表面に設ける識別表示は、突設、刻設、又は平面的に設けてもよい。尚、突起の上限は、カセットの大きさにより一概には規定できないが、余り高くなると積み重ねたり並接した場合に場所をとり、処理効率が低下するとともに、取り扱い性も悪くなる。従って、好ましくは10mm程度、より好ましくは5mm程度、さらに好ましくは2mm程度である。
尚、カセットを積み重ねたり、並設した場合において、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐために、カセット本体の底部裏面に、上記突起に嵌合する嵌合孔を設けることが好ましい。この場合の嵌合孔は、突起のスペーサーとしての機能を維持せしめるために、突起よりも浅く設け、好ましくは、0.3〜1.0mm程度の隙間が上部のカセットの底部と下部のカセットの蓋との間に形成されるように設計し、この隙間からも薬液がカセット内に流入するように配慮するのが望ましい。かかる配慮により、薬液処理の時間が短縮されるとともに、均一に処理されるので効率的となる。
カセット本体の少なくとも1対の対向する側壁の外側に、アダプター係止部を設けることができる。例えば、一定のアダプター係止部を設けることにより、カセット本体のサイズが変わってもミクロトームのアダプターに変更を加えることなく、そのまま適用することができる。また、アダプター係止部はカセット本体を補強する役割も果たすので、アダプターにより確実且つ安定的に保持され、スライスして標本を作製する作業が容易となる。
また、カセット本体を仕切壁で区画して複数個の小室にすることは、同時に複数個の検体が処理されるので極めて効率的である。しかし、前記したように、既存のミクロトーム等の装置を使用する場合には、カセットの大きさに自ら制約があり、従って、複数個の小室を設ける場合は、2〜9個程度が好ましい。9個を越えると、小室のサイズが小さくなり過ぎ、収容、処理する検体のサイズも制限され不都合な場合がある。
小室の形成は仕切壁によりなされるが、仕切壁をカセット本体内にのみ突設し、蓋を被着した際に該仕切壁の先端部と蓋の裏面との対接により小室を区画形成するようにしてもよく、また蓋の裏面に背の低い仕切壁を突設するとともに、カセット本体内に背の高い仕切壁を突設し、蓋を被着した際に、両仕切壁の先端同志の対接により小室を区画形成するようにしてもよい。更には、蓋又はカセット本体に設けた1条の仕切壁を、カセット本体又は蓋に設けた2条の仕切壁により挟着させて小室を区画形成してもよい。小室は実質的に隙間のない独立した空間であってもよく、また検体が隣接する小室に移動しない程度に小さい隙間があってもよい。
蓋及び/又はカセット本体は耐薬品性を有する材料から作られ、例えばポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂、ステンレス等の金属等が好適であるが、特にポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の透明樹脂製とすることにより、カセット内部に収容した検体の状況(個数、形状、色、カセット本体内での存在位置、濾紙とともに検体を収容した場合は、濾紙の位置、濾紙上の検体の方向等)を明確に視認することができるので、顕微鏡標本作成の効率化、確実化を図るとともに、精度の高い検査結果を得ることができる。
上記透明樹脂の中、とりわけ耐薬品性及び低コストという点からポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル(特にPET)樹脂が好適で、特にポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂が好適である。蓋のみが透明材料からなる場合は蓋の外部から、またカセット本体のみが透明材料からなる場合はカセット本体(側壁又は底部)の外側から、更に、蓋とカセット本体とが透明材料からなる場合は、蓋及びカセット本体の両方の外側から、内部の検体の状況を視認することができる。
以下、本発明を実施例を示す図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
実施例1
図1〜図6は、それぞれ本実施例の医療検査用カセットの上面図、A−A断面図、蓋を開いた状態の斜視図、蓋を裏面からみた斜視図、蓋を被着した状態の斜視図、カセットを積み重ねた状態を示す断面図である。
これらの図に示すように、本実施例の医療検査用カセットはカセット本体1と蓋2とを具備してなる。
カセット本体1は、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔3を有し、短辺側の少なくとも一側壁の外側は記録部6として備えるとともに、長辺側の両側壁外側にはアダプター係止部12を有してなる。尚、本例では、記録部6はアダプター係止部12と連設されており、カセット本体1の補強効果が大きくなる効果がある。また、かかる構成とすることにより、使用するアダプターによっては、記録部6をアダプター係止部として使用することもでき、また、アダプター係止部12を記録部として使用することもできる。
また、対向する隅部には係止溝14が設けられるとともに、角部から延設された係止部15が設けられている。
また、底部裏面には、蓋2の表面に設けた突起20と嵌合する嵌合孔21が設けられている(図6参照)。
一方、蓋2は多数の透孔7を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体1内に嵌合するリブ8を有し、対向する隅部には前記係止溝14と係合するU字状係止部16を有し、該U字状係止部16が前記係止溝14に嵌入するとともに、該U字状係止部16の外側に設けた凸部17が前記係止部15に着脱自在に係合してなる(図2、図4参照)。
また、蓋2の表面には、前記カセット本体1の底部裏面に設けた嵌合孔21と嵌合する突起20が設けられている。嵌合孔21は突起20よりも僅かに(例えば、0.5mm程度)浅く設けられている(図6参照)。
上記の如きカセットにおいて、蓋2をカセット本体1から取り去るには、例えば、蓋2の中央付近を人指し指で押さえ、親指でU字状係止部16の端縁部16aを矢示した内側の方向に押すことにより、U字状係止部16の可撓性、弾性を利用した形状変形(縮形)により、係止溝14との係合及び凸部17と係止部15との係合が解かれ、蓋2をカセット本体1から容易に取り去ることができる。
本実施例では、U字状係止部16の湾曲部に透孔16bが穿設されているが、これらはカセットを薬液中に浸漬する際の浮力を減じ、浸漬し易くする効果がある。更に、U字状係止部16の透孔16bは、浮力低減効果の他に、U字状係止部16の剛性を低下させて撓み変形力を大きくし、より小さな力で蓋2をカセット本体1から除去せしめる効果もある。この透孔は、上記した効果の他に、樹脂量を低減させコストダウンを図る効果もある。
本実施例のカセットは、図6に示すように、複数個積み重ねた場合に、上段のカセットの底部下面と下段のカセットの蓋の上面との間に間隙S(本例では0.5mm程度)が形成され、薬液処理の際に薬液がこの間隙からもカセット内に流入するので短時間で且つ均一な処理が可能である。また、輸送や保管中においても、積み重ねたカセットが崩れないので好都合である。尚、上記効果はカセットを水平に並接する場合にも同様である。
実施例2
図7〜図12は、それぞれ本実施例の医療検査用カセットの上面図、B−B断面図、C−C断面図、蓋を開いた状態の斜視図、蓋を裏面からみた斜視図、蓋を被着した状態の斜視図である。
これらの図に示すように、本実施例の医療検査用カセットはカセット本体1と蓋2とを具備してなる。
カセット本体1は、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔3を有し、短辺側の少なくとも一側壁の外側(図では両側)には記録部6として備えるとともに、長辺側の両側壁外側にはアダプター係止部12(一部は短辺側に延設され、補強効果がある)を有してなる。もっとも、アダプター係止部12を同時に記録部として使用することもできる。
また、対向する短辺側内部には係止溝14が設けられるとともに、該係止溝14の外側内壁の両端上部に2個の凸部18がが設けられている。
また、底部裏面には、蓋2の表面に設けた突起20と嵌合する嵌合孔21が設けられている(図9参照)。
一方、蓋2は多数の透孔7を有し、裏面の外周面に沿ってカセット本体1内に嵌合するリブ8を有し、対向する短辺側には前記係止溝14と係合するU字状係止部16を有し、該U字状係止部16が前記係止溝14に嵌入するとともに、該U字状係止部16の外側両端を切り欠いた凹部19と前記係止溝14の外側内壁の両端上部に設けた凸部18が着脱自在に係合してなる(図8、図11参照)。
また、蓋2の表面には、前記カセット本体1の底部裏面に設けた嵌合孔21と嵌合する突起20が設けられている。嵌合孔21は突起20よりも僅かに(例えば、0.5mm程度)浅く設けられている。
上記の如きカセットにおいて、蓋2をカセット本体1から取り去るには、例えば、蓋2の2個のU字状係止部16の端縁部16aに親指と人差指とを掛け渡し、矢示した内側の方向に押すことにより、U字状係止部16の可撓性、弾性を利用した形状変形(縮形)により、係止溝14との係合及び凸部18と凹部19との係合が解かれ、蓋2をカセット本体1から容易に取り去ることができる。
本実施例においても、U字状係止部16の湾曲部に透孔16bが穿設されているが、実施例1の場合と同じく、これらはカセットを薬液中に浸漬する際の浮力を減じ、浸漬し易くする効果がある。更に、U字状係止部16の透孔16bは、浮力低減効果の他に、U字状係止部16の剛性を低下させて撓み変形力を大きくし、より小さな力で蓋2をカセット本体1から除去せしめる効果もある。この透孔は、上記した効果の他に、樹脂量を低減させコストダウンを図る効果もある。
また、複数個のカセットを積み重ねた場合又は並接した場合の効果も実施例1の場合と同じである。
また、本実施例の場合は、U字状係止部16の端縁部16aと突起20aとをピンセット24でつまんで、手指の場合と同様に、蓋2をカセット本体1から取り去ることができる(図9参照)。
実施例3
図13〜図15は、それぞれ本実施例の医療検査用カセットの上面図、D−D断面図、E−E断面図である。
これらの図に示すように、本実施例の医療検査用カセットは、カセット本体1の係止溝14を形成する外側の略中央部の上端を切り欠いてピンセット挿入口とし(図15参照)、その上方の、蓋2の端縁部16aの部分を切り欠いてピンセット誘導路23とするとともに(図13、図15参照)、蓋2の透孔7を外側から内側に向けて小さくなり、一方、カセット本体1の透孔3を内側から外側に向けて大きくなるように形成し、更に、アダプター係止部12を長辺側のみに設けた(短辺側への延設部なし、但し図には示されていない)他は実施例2と同様の構成からなる。
上記の如く構成することにより、実施例2と同様に、手指で蓋2を取り去ることができるばかりでなく、ピンセット誘導路23からピンセット挿入口22にかけて斜め方向にピンセットを挿入してU字状係止部16を押すことにより形状変形(縮形)させて、手指の場合と同様にして蓋2をカセット本体1から容易に取り去ることができる(図15参照)。更に、ピンセット誘導路23を形成する内側辺16cと突起20aとをピンセットでつまんで手指の場合と同様に、蓋2をカセット本体1から取り去ることができる(図13参照)。
また、上記の如く透孔を特殊なテーパー状に形成したことにより、例えば薬液処理の際に、蓋2の透孔7は外側、即ち、薬液の入口側が大きいのでロートと同様の作用により薬液がカセット本体1内に入り易く、一方、カセット本体1の底部の透孔3は外側が大きいので、薬液はカセット本体1内から外側にスムーズに排出される。その結果、薬液の流入、排出が効果的に行われ、薬液処理の効果が高められる。
叙上のとおり、本発明のカセットは、係止溝がカセット本体の対角線上の両隅部、両短辺部又は両長辺部に設けられるとともに、蓋の略U字状の係止部が前記カセット本体の係止に係合してなるため、該係合部の略U字状の部分の可撓性、弾性を利用した形状変形により容易に係合を解くことができ、親指と人差し指等で内側に引き合うように少し力を加えることにより、ワンタッチで、片手で蓋をカセット本体から簡単に且つ安定的に離脱させることができる。その結果、長時間作業しても、手指が疲労することもなく、開蓋した際の勢いで検体が外へ飛び出し、台無しになるといったトラブルも防止され、標本作成の生産性が飛躍的に高められる。
本発明のカセットは、蓋の表面に突起を設けることにより、カセットを上下方向に積み重ねたり、水平方向に並接した場合に、該突起がスペーサーとして機能しカセットとカセットとの間に空間部を形成し、この空間部からも薬液が流入可能となるので薬液の処理が均一となり、且つ効率的である。
また、カセットを積み重ねたり、並設した場合において、カセット本体の底部裏面に、上記突起に嵌合する嵌合孔を設けることにより、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐことができる。この場合、の嵌合孔を突起よりも浅く設け、上部のカセットの底部と下部のカセットの蓋との間に隙間(スペース)を形成させることにより、カセットが薬液処理中に位置づれを起こしたり、崩れたりするのを防ぐと同時に、突起のスペーサーとしての機能を維持せしめ、薬液の流入効果を発揮させることができる。
また、輸送や保管中に積み重ねた又は並接したカセットが崩れることがないので好都合である。
また、突起の表面に、収容した検体を識別するための識別表示を設けたり、ミクロトームでスライスして標本を作成する際の切り出しの識別表示を設けることにより、作業性及び検査精度が高められる。特に、カセット本体が複数個の小室に分割されてなる場合は、その小室に対応する突起を設け、識別表示を設けると、検体の取り違い等のトラブルが防止され、作業性、検査精度が高められる。
更に、蓋及び/又はカセット本体を透明材料製とすることにより、蓋を取り去ることなく、カセット内に収容された検体の状況を容易に視認することができるので、作業性や検査精度が一層飛躍的に高められる。
本発明のカセットの実施例を示す平面図である。 図1のカセットのA−A断面図である。 図1のカセットのカセット本体から蓋を開いた状態の斜視図である。 図1のカセットの蓋を下方からみた状態の斜視図である。 図1のカセットの斜視図である。 図1のカセットを積み重ねた状態を示す断面図である。 本発明のカセットの他の実施例を示す平面図である。 図7のカセットのB−B断面図である。 図7のカセットのC−C断面図である。 図7のカセットの蓋を開いた状態の斜視図である。 図7のカセットの蓋を下方から見た状態の斜視図である。 図7のカセットの斜視図である。 本発明のカセットの更に他の実施例を示す斜視図である。 図13のカセットのD−D断面図である。 図13のカセットのE−E断面図である。 従来のカセットの斜視図である。 16のカセットのH−H断面図である。
符号の説明
1 カセット本体
2 蓋
3 透孔
4 係止部
5 係止部
6 記録部
7 透孔
8 リブ
9a、9b 係止片
10 突縁部
11 係止片
12 アダプター係止部
13 検体
14
15 係止部
16 U字状係止部
16a 端縁部
16b 透孔
16c ピンセット誘導路を形成する内側辺
17 凸部
18 凸部
19 凹部
20、20a 突起
21 嵌合孔
22 ピンセット挿入口
23 ピンセット誘導路
24 ピンセット

Claims (7)

  1. カセット本体と蓋を具備してなり、カセット本体が、上面を開放した、検体を収容し得る方形の容器で、多数の透孔を有するとともに、対角線上の両隅部、両短辺部又は両長辺部にそれぞれ係止を有し、蓋が多数の透孔を有し、前記係止弾性を利用した形状変形により係合する略U字状の係止部を有してなることを特徴とする医療検査用カセット。
  2. 蓋の裏面の外周部に沿って、カセット本体内に嵌合するリブを有する請求項1記載の医療検査用カセット。
  3. 蓋の表面に突起を設けた請求項1又は2記載の医療検査用カセット。
  4. カセット本体の底部裏面に、蓋の表面に設けた突起よりも浅い嵌合孔を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  5. 略U字状係止部の湾曲部に透孔を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  6. 少なくとも1対の対向する側壁の外側にアダプター係止部を設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
  7. 蓋及び/又はカセット本体が耐薬品性の透明材料からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の医療検査用カセット。
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