JP4183019B2 - 表面波センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表面波センサへの質量負荷の変動により被検出物質の検出を可能とする表面波センサ装置に関し、特に、液体中の被検出物質の検出を可能とするのに適した表面波センサ装置に関する。
従来、液体中に存在する物質を検出するために、様々なセンサが提案されている。
たとえば、下記の特許文献1には、液体中の物質を表面波を利用して検出する液中物質センサが開示されている。
図9は、特許文献1に記載の液中物質検出センサを説明するための略図的正面断面図である。
ここでは、検出対象物質を含む溶液101に、液中物質検出センサ102が浸漬されている。液中物質検出センサ102は、表面波素子により構成されている。すなわち、液中物質検出センサ102は、矩形板状の圧電基板103と、圧電基板103一方面において所定距離を隔てて配置された入力側IDT電極104及び出力側IDT電極105とを有する。入力側IDT電極104と、出力側IDT電極105との間に、測定物質を吸着する膜106が配置されている。ここでは、入力側IDT電極104に交流電圧を印加すると、圧電基板103において、弾性表面波が励振される。該弾性表面波が出力側IDT電極105側に向かって伝搬する。そして、出力側IDT電極105においては、伝搬してきた表面波に基づく電気信号が取出される。膜106が検出対象物質を吸着するため、検出対象物質が存在すると、膜106による圧電基板103の表面への負荷が変化する。従って、伝搬する弾性表面波が変化するため、出力側IDT電極105から取出される出力が検出対象物質の存在により変化し、検出対象物質の有無や濃度を検出することができる。
しかしながら、液中物質検出センサ102を用いた測定方法では、液中物質検出センサ102を液体101に浸漬しなければならなかった。従って、測定対象である液体101が少量しか用意できない場合には、液体中の物質を検出することができないという問題があった。
また、たとえ多量の液体を調達することができたとしても、液体が高価な場合には、測定コストが高くつくという問題があった。
加えて、液中物質検出センサ102では、弾性表面波が伝搬する領域以外で、すなわちIDT電極103,104に接続されている電極パッドやボンディングワイヤなど配置されている領域にも液体101が付着するため、電気的特性が変化し、検出精度が悪化するという問題もあった。
他方、下記の特許文献2,3には、図10及び図11にそれぞれ正面断面図で示す弾性表面波装置が開示されている。特許文献2,3に記載の弾性表面波装置は、弾性表面波素子の電気的特性を利用して共振子やフィルタなどを構成するものであり、物質の検出に用いられるものではない。
図10に示すように、表面波装置201は、ベース基板202と、ベース基板202上に固定された枠材203とを有する。ベース基板202及び枠材203はたとえばアルミナなどのセラミックスにより構成されている。ベース基板202の上面から下面に至るように、端子電極204,205が形成されている。端子電極204,205は、枠材203に囲まれた領域に至っており、枠材203に囲まれた領域において、端子電極204,205上に重なるように異方導電性シート206が積層されている。
異方性導電シート206上に、弾性表面波素子207が積層され、かつ弾性表面波素子207上に、弾性シート208が積層されている。そして、弾性シート208を押圧するように蓋材209が枠材203の上面に固定されている。従って、弾性シート208の弾発力により、弾性表面波素子207の下面の電極が異方性導電シート206を介して端子電極204,205に確実に電気的に接続されるとされている。
他方、図11に示すように、特許文献3に記載の弾性表面波装置251では、ベース基板252において、下面に外部電極253,254が形成されている。外部電極253,254に電気的に接続されるように、ベース基板252の上面から下面に至るようにスルーホール導体255,256が形成されている。スルーホール導体255,256の上端と電気的に接続されるように、ベース基板252の上面に端子電極257,258が形成されている。そして、端子電極257,258に、弾性表面波素子259が金属バンプ260,261により電気的に接続されている。なお、弾性表面波素子259では、圧電基板262内にスルーホール導体263,264が形成されている。スルーホール導体263,264の一端が金属バンプ260,261に電気的に接続されている。スルーホール導体263,264の上端は、圧電基板262の上面に設けられたIDT266などに電気的に接続されている。
ここでは、バンプ260,261による電気的接続を果たすとともに、弾性表面波素子259をベース基板252に接合するために、ダイボンド材267が弾性表面波素子259とベース基板252との間に用いられている。
特開昭63−250560号公報 特開平10−41776号公報 特開2001−10290号公報
特許文献1に記載の液中物質検出センサ102では、上記のように、液体101に浸漬しなければならず、少量の液体しか用意できない場合に液体中の物質を検出することができなかった。
加えて、表面波が伝搬する領域以外であって、電極パッドやボンディングワイヤーなどが配置されている領域にも液体が付着するため、検出精度が十分でないという問題があった。
他方、特許文献2に記載の弾性表面波装置201では、異方性導電シート206によりベース基板202上の端子電極204,205と弾性表面波素子207との電気的接続が図られているが、弾性表面波装置201は表面波センサ装置を構成するものではなかった。すなわち、ベース基板202、枠材203及び蓋材209で囲まれた密閉空間に弾性表面波素子207が収納されているにすぎず、表面波センサ装置として用いたり、特に液体中の検出物質を検出する用途に用いることとは予定されていない。
また、弾性表面波装置251では、金属バンプ260,261がスルーホール導体263,264に当接された状態で、ダイボンド材267を充填し、ダイボンド材267を硬化することにより接合が行われていた。従って、ダイボンド材267は硬化前は流体であるため、取扱に注意を払わねばならず、接合作業が煩雑であるという問題があった。
また、弾性表面波装置251では、上記ベース基板252と、キャップ材271とで囲まれた領域に弾性表面波素子259が封止されており、液中物質検出センサなどの表面波装置として用いることは予定されていない。
上記のように、特許文献2,3に記載の弾性表面波装置は、弾性表面波素子をベース基板上の電極と電気的に接続する構造の例を開示しているが、これらの弾性表面波装置は、液体中の物質を検出する用途に用いることはできない。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、少量の液体中の物質であっても、容易にかつ高精度に検出することができ、しかも製造方法を簡略化することができるとともに、液体が電気的接続部分等に付着した場合であっても短絡等が生じ難い、信頼性に優れた表面波センサ装置を提供することにある。
本願の第1の発明は、対向し合う第1,第2の主面を有するベース基板と、
前記ベース基板の第1の主面から第2の主面に貫通するように設けられた第1のスルーホール導体と前記ベース基板の第2の主面において前記スルーホール導体に電気的に接続されるように設けられた端子電極と、前記ベース基板の第1の主面上において、前記スルーホール導体の端部に電気的に接続されるように配置された熱圧着性異方性導電シートと、前記熱圧着性異方性導電シートにより前記ベース基板に接着されている弾性表面波素子とを備え、前記弾性表面波素子は、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電基板と、圧電基板の第1の主面に形成された少なくとも1つのIDTと、該IDTを被覆するように設けられた絶縁性保護膜と、前記IDTに電気的に接続されており、かつ前記圧電基板の第1の主面から第2の主面に至るように設けられた第2のスルーホール導体とを備え、第2のスルーホール導体が前記熱圧着性異方性導電シートにより前記ベース基板の第1のスルーホール導体に電気的に接続されるように、前記第1,第2のスルーホール導体が熱圧着性異方性導電シートを介して重なり合うように配置されていることを特徴とする、表面波センサ装置である。
本願の第2の発明は、対向し合う第1,第2の主面を有するベース基板と、 前記ベース基板の第1の主面に設けられた端子電極と、前記ベース基板の第1の主面上において、前記端子電極に電気的に接続されるように配置された熱圧着性異方性導電シートと、前記熱圧着性異方性導電シートにより前記ベース基板に接着されている弾性表面波素子とを備え、前記弾性表面波素子は、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電基板と、圧電基板の第1の主面に形成された少なくとも1つのIDTと、該IDTを被覆するように設けられた絶縁性保護膜と、前記IDTに電気的に接続されており、かつ前記圧電基板の第1の面から第2の面に至るように設けられたスルーホール導体とを備え、スルーホール導体が前記熱圧着性異方性導電シートにより、前記ベース基板の前記端子電極に電気的に接続されるように、前記スルーホール導体と端子電極とが熱圧着性異方性導電シートを介して重なり合うように配置されていることを特徴とする、表面波センサ装置である。
本発明のある特定の局面では、前記ベース基板の第1の主面上において、前記弾性表面波素子が取り付けられる領域を少なくとも除くように前記ベース基板の第1の主面に設けられた絶縁性材料部材がさらに備えられている。
本発明に係る表面波センサ装置の他の特定の局面では、前記弾性表面波素子が、特定の物質と反応して質量を増加させ、該質量増加分に応じた荷重を前記圧電基板に加える検出膜がさらに備えられている。
本発明においては、上記絶縁性保護膜が検出膜を兼ねていてもよく、あるいは絶縁性保護膜上に検出膜が積層されていてもよい。
本発明に係る表面波センサ装置のさらに特定の局面では、1つのベース基板上に前記弾性表面波素子が複数実装されており、複数の弾性表面波素子の内少なくとも1つの弾性表面波素子において、前記検出膜が設けられており、残りの弾性表面波素子の内少なくとも1つの弾性表面波素子は前記検出膜を有していない。
本発明に係る表面波センサ装置のさらに別の特定の局面では、1つのベース基板上に前記弾性表面波素子が複数実装されており、複数の弾性表面波素子がそれぞれ前記検出膜を有し、少なくとも1つの弾性表面波素子の検出膜が、他の弾性表面波素子の検出膜と異なる物質に対して反応する検出膜である。
本発明に係る表面波センサ装置のさらに他の特定の局面では、前記検出膜が、生化学物質と生化学反応により反応し、質量を増加させる検出膜であり、それによってバイオセンサが構成されている。
本発明に係る表面波センサ装置がバイオセンサである場合、本発明のより限定的な局面では、前記検出膜に抗原または抗体が固定化されており、前記生化学物質が、抗体または抗原であり、前記生化学反応が免疫反応である。
第1の発明に係る表面波センサ装置では、ベース基板の第2の主面に端子電極が設けられており、第1の主面から第2の主面に貫通するようにかつ端子電極に電気的に接続されるように第1のスルーホール導体が設けられている。そして、ベース基板の第1の主面上において、熱圧着性異方性導電シートにより弾性表面波素子が接着されており、弾性表面波素子の圧電基板の第1の主面から第2の主面に至るように設けられた第2のスルーホール導体が、ベース基板の第1のスルーホール導体と熱圧着性異方性導電シートを介して電気的に接続されるように第1,第2のスルーホール導体が熱圧着性異方性導電シートを介して重なり合うように配置されている。
従って、第1の発明の表面波センサ装置では、ベース基板の第2の主面、すなわち、弾性表面波素子が実装されている側とは反対側の主面である第2の主面に設けられた端子電極により外部と電気的に接続することができる。しかも、弾性表面波素子では、熱圧着性異方性導電シートに積層される側とは反対側の主面である圧電基板の第1の主面に少なくとも1つのIDTが設けられており、該IDTを被覆するように絶縁性保護膜が設けられているので、IDTが設けられている圧電基板の表面波伝搬領域上に、少量の液体が付着した場合であっても、該液体が付着したことによる荷重の変化により、液体中の物質あるいは液体自体の荷重を検出することが可能となる。よって、少量の液体を用いて、液体中の被検出物質や、液体自体の検出を行うことができる。しかも、絶縁性保護膜によりIDTが被覆されているため、IDTが液体と接触して短絡するおそれがない。さらに、電気的接続部分が、上記圧電基板内に設けられた第2のスルーホール導体と、熱圧着性異方性導電シートとを用いて構成されているため、弾性表面波素子の液体が付与される圧電基板の第1の主面側において、電気的接続部分が露出し難いため、短絡が生じ難い。従って、液体中の検出物質や液体を検出するにあたり、作業が容易となるだけでなく、測定の信頼性を高めることができる。
第2の発明においては、ベース基板上に熱圧着性異方性導電シートを介して弾性表面波素子が接着されており、弾性表面波素子において、熱圧着性異方性導電シートに積層される側とは反対側の主面である圧電基板の第1の主面にIDTが形成されており、かつIDTが絶縁性保護膜により被覆されている。従って、第2の発明に係る表面波センサ装置では、圧電基板の第1の主面に少量の液体を付与した場合であっても、液体中の物質の検出や液体の検出を行うことができる。すなわち、荷重の変動による表面波の励振状態の変動に基づいて、液体自体の物質や液体の検出を行うことができる。
しかも、絶縁性保護膜でIDTが被覆されており、かつ弾性表面波素子を外部と電気的に接続する部分が上記熱圧着性異方性導電シートが設けられている側で行われているため、液体の付着による短絡や特性の変動も生じ難い。
よって、液体中の物質を検出したり、液体を検出するにあたり、作業が容易になるだけでなく、測定の信頼性を高めることも可能となる。
本発明に係る表面波センサ装置において、ベース基板の第1の主面上において弾性表面波素子が取り付けられる領域を少なくとも除くようにベース基板の第1の主面に絶縁性材料部材が設けられている場合には、該絶縁性材料部材により、液体の弾性表面波素子の第2の主面側への侵入を抑制することができ、短絡等をより一層確実に防止することができる。
弾性表面波素子が特定の物質と反応して質量を増加させ、該質量増加分に応じた荷重を圧電基板に加える検出膜がさらに備えられている場合には、該検出膜の質量増加による荷重変動に基づいて、液体中の特定の物質を高精度にかつ容易に検出することができる。
保護膜が検出膜を兼ねている場合には、検出膜を別途形成する必要がないため、製造工程が容易であり、かつ構造が簡略化された表面波センサ装置を提供することができる。
もっとも、検出膜は保護膜上に積層されていてもよく、その場合には保護膜を構成する材料とは異なる広い範囲の材料を用いて検出膜を形成することができ、かつ検出対象物に最適な検出膜を容易に形成することができる。
1つのベース基板上に弾性表面波素子が複数実装されており、複数の弾性表面波素子の内、少なくとも1つの弾性表面波素子において検出膜が設けられるように、残りの弾性表面波素子の内少なくとも1つの弾性表面波素子が検出膜を有しない場合には、検出膜が設けられていない弾性表面波素子の出力と、検出膜が設けられている弾性表面波素子の出力とを比較することにより、測定の精度を高めることが可能となる。
1つのベース基板上に弾性表面波素子が複数実装されており、複数の弾性表面波素子が検出膜を有し、少なくとも1つの弾性表面波素子の検出膜が、他の弾性表面波素子の検出膜と異なる物質に対して反応する検出膜である場合には、2種以上の検出対象物質を本発明に係る表面波センサ装置を用いて検出することが可能となる。
検出膜が生化学物質と生化学反応により反応し、質量を増加させる検出膜であり、それによってバイオセンサが構成されている場合には、たとえば血液や体液などの中の被測定物質を本発明に従って、容易にかつ高精度に検出することが可能となる。特に、IDTを含む測定部分が絶縁性保護膜で被覆されているため、測定部分が血液や体液で汚染され難く、かつベース基板上に弾性表面波素子が熱圧着性異方性導電シートで接着された比較的簡略化された構造を有するため、使い捨て可能であり、かつ安価に構成され得るバイオセンサを本発明により提供することが可能となる。
検出膜に抗原または抗体が固定化されており、生化学物質が抗体または抗原であり、生化学反応が免疫反応である場合には、本発明に従って測定の信頼性に優れ、少量の血液や体液を検体として用いることができる、免疫センサ装置を提供することが可能となる。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る表面波センサ装置の正面断面図及び該表面波センサ装置に用いられている弾性表面波素子の電気的構造を示す模式的平面図である。 図2は、図1に示した表面波センサ装置の製造工程を説明するための正面断面図である。 図3は、図1に示した表面波センサ装置を用いた測定工程の一例を示す正面断面図である。 図4は、図1に示した表面波センサ装置を用いた測定工程の他の例を示す正面断面図である。 図5は、図1に示した実施形態の表面波センサ装置の変形例を説明するための部分切り欠け正面断面図である。 図6は、図1に示した実施形態の表面波センサ装置の他の変形例を説明するための部分切り欠け正面断面図である。 図7は、図1に示した表面波センサ装置のさらに他の変形例を説明するための表面断面図である。 図8は、本発明の第2の実施形態に係る表面波センサ装置の正面断面図である。 図9は、従来の液中物質検出センサを説明するための該略構成図である。 図10は、従来の弾性表面波装置の一例を示す正面断面図である。 図11は、従来の弾性表面波装置の他の例を示す正面断面図である。
符号の説明
1…表面波センサ装置
2…ベース基板
2a,2b…第1,第2の主面
5a,5b,5c,5d…第1のスルーホール導体
6a〜6d…端子電極
7,8,A…熱圧着性異方性導電シート
11…弾性表面波素子
12…圧電基板
12a,12b…第1,第2の主面
13,14…IDT
15a,15b…反射器
16a,16b…第2のスルーホール導体
16c,16d…第2のスルーホール導体
17…絶縁性保護膜
21…弾性表面波素子
22…圧電基板
22a,22b…第1,第2の主面
26a,26b…第2のスルーホール導体
27…絶縁性保護膜
28…検出膜
31a,31b…液体
32…液体
41…表面波センサ装置
42…枠体(絶縁材料層)
42a…開口
51…表面波センサ装置
57…検出膜
61〜63…弾性表面波素子
71…表面波センサ装置
72,73…検出膜
81…表面波センサ装置
82…ベース基板
82a,82b…第1,第2の主面
83a,83b…端子電極
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)(b)は、本発明の第1の実施形態に係る表面波センサ装置の正面断面図及び該表面波センサ装置に用いられている弾性表面波素子の模式的平面図である。
表面波センサ装置1は、ベース基板1を有する。ベース基板2は、アルミナなどの適宜の絶縁性セラミックスにより構成され得る。もっとも、ベース基板2は、セラミックス以外の他の絶縁性材料で構成されていてもよい。
ベース基板2は、第1の主面2aと、第1の主面2aに対向している第2の主面2bとを有する。そして、絶縁基板2上には、本実施形態では、複数の弾性表面波素子として第1,第2の弾性表面波素子11,12が実装されている。
弾性表面波素子11は、矩形板状の圧電基板12を有する。圧電基板12は、第1の主面12aと、第1の主面12aに対向している第2の主面12bとを有する。
図1(b)は、弾性表面波素子11の圧電基板12上に形成された電極構造を示す模式的平面図である。圧電基板12の第1の主面12a上には、複数のIDT13,14が配置されている。IDT13,14が設けられている領域の表面波伝搬方向両側に反射器15a,15bが配置されている。
他方、図1(a)に示すように、圧電基板12においては、第1の主面12aから第2の主面12bに至るように、第2のスルーホール導体16a,16bが設けられている。スルーホール導体16a,16bは、それぞれ、図1(b)に示されているIDT13,14の一端に電気的に接続されている。図1(a)では、図(b)のA−A線に沿う断面部分が示されている。従って、図1(b)に示されているように、IDT13,14の他端に接続されているように、さらに第2のスルーホール導体16c,16dが形成されている。
上記圧電基板12は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスなどの圧電セラミックス、あるいは圧電単結晶により構成され得る。また、圧電基板12は、アルミナなどの絶縁基板上もしくは圧電基板上に、圧電薄膜を形成した構造を有していてもよい。
また、第2のスルーホール導体16a〜16dは、Ag、Cuなどの適宜の金属もしくは合金により構成され得る。上記スルーホール導体16a〜16dの形成は、圧電基板12に貫通孔を形成した後、導電ペーストを充填し、焼き付ける方法、あるいは貫通孔の内部に溶融金属を圧入し、固化させる方法などの適宜の方法で行われ得る。
上記IDT13,14及び反射器15a,15bは、AlもしくはAl合金などの適宜の金属もしくは合金により構成され得る。
弾性表面波素子11では、上記圧電基板12上のIDT13,14及び反射器15a,15bを被覆するように、絶縁保護膜17が形成されている。絶縁保護膜17は、液体試料によるIDT13,14などの短絡を防止するために設けられている。従って、絶縁保護膜17は、適宜の絶縁性材料で形成され得るが、好ましくは耐水性に優れた絶縁材料により形成されることが望ましい。このような絶縁保護膜17を構成する材料としては、SiO、SiN、ポリイミド、AlN、Alなどを挙げることができる。
ベース基板2の第1の主面2aから第2の主面2bに至るように第1のスルーホール導体5a,5bが形成されている。スルーホール導体5a,5bは、Ag、Alなどの適宜の金属もしくは合金により構成される。スルーホール導体5a,5bは、ベース基板2に貫通孔を形成した後、導電ペーストを充填し、焼き付けることにより形成され得る。あるいは、貫通孔に溶融金属を充填し固化する、もしくはめっきにより、スルーホール導体5a,5bを形成してもよい。
ベース基板2の第2の主面2bには、端子電極6a,6bが形成されており、端子電極6a,6bは、Ag,Cuなどの適宜の金属もしくは合金により構成される。端子電極6a,6bは、第1のスルーホール導体5a,5bの端部に電気的に接続されている。
他方、ベース基板2の第1の主面2a上には、熱圧着性異方性導電シート7が配置されている。本実施形態では、熱圧着性異方性導電シート7によりベース基板2の第1の主面2aに、弾性表面波素子11が圧電基板12の第2の主面12b側から接着されて固定されている。そして、この場合、熱圧着性異方性導電シート7は、熱を与えることにより軟化し、部材同士の接合に際し、部材同士の間に介在させた状態で圧着されることにより部材同士を接着する機能を果たす。熱圧着性異方性導電シート7は、このように熱により軟化し、かつ冷却されたあとに固着力を発現する樹脂組成物中に導電性粒子を分散させることにより構成されている。このとき、熱圧着性異方性導電シート7として、加熱により硬化する熱硬化性の材料からなるシートを用いることもできる。そして、熱圧着性異方性導電シート7を介してベース基板2に対して弾性表面波素子11を圧着し、接合した際に、その圧着力により、分散されている導電性粒子同士が厚み方向に合着し、厚み方向に延びる導電路を形成する。他方、異方性導電シート7の面方向には電気的接続は生じない。従って、図1に示すように、ベース基板2に設けられた第1のスルーホール導体5a,5bと、圧電基板12に設けられている第2のスルーホール導体16a,16bとが熱圧着性異方性導電シート7を介して厚み方向に重なり合うように配置して、ベース基板2に対して弾性表面波素子11を熱圧着性異方性導電シート7を介して圧着し、接合することにより、第1のスルーホール導体5a,5bと、第2のスルーホール導体16a、16bとを電気的に接続することができる。この電気的接続構造では、異方性導電シート7の面方向には導電路が形成されないため、たとえ、水滴等が異方性導電シート7の側面に付着したとしても、短絡のおそれはない。
すなわち、水滴と、上記スルーホール導体5a,5b,16a,16bとが電気的に接続されるおそれはない。
このような熱圧着性異方性導電シート7としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、エポキシなどの樹脂組成物中にAu粒などを分散させたものを用いることができる。
図1(a)に示すように、第2の弾性表面波素子12もまた、第1の弾性表面波素子11と同様にしてベース基板2に実装されている。すなわち、弾性表面波素子12の下方には、端子電極6a,6bと同様にして形成された端子電極6c,6dが配置されており、かつ端子電極6c,6dに電気的に接続されるように、第1のスルーホール導体5c,5dが設けられている。そして、弾性表面波素子21の圧電基板は、弾性表面波素子11と同様に構成されている。従って、圧電基板22には、第2のスルーホール導体26a、26bが設けられており、第2のスルーホール導体26a,26bが熱圧着性異方性導電シート8により第1のスルーホール導体5c,5dに電気的に接続されている。もっとも、第2の弾性表面波素子21では、絶縁性保護膜27を覆うように検出膜28が設けられている。検出膜28が設けられていることを除いては、弾性表面波素子21は、弾性表面波素子11と同様に構成されている。
検出膜28は、合成樹脂からなる膜に、抗原または抗体を固定化した構造を有する。このような合成樹脂膜としては、抗原または抗体を化学的に結合し得る適宜の高分子材料からなる膜を用いることができる。
本実施形態の表面波センサ装置1の製造に際しては、図2に示すようにベース基板2を用意した後にベース基板2上に、熱圧着性異方性導電シート7,8を配置し、該熱圧着性異方性導電シート7,8を介してベース基板2に弾性表面波素子11,21を加熱下において圧着することにより得ることができる。もっとも、弾性表面波素子11,21側に熱圧着性異方性導電シート7,8を貼り合わせておき、しかる後、ベース基板2を弾性表面波素子11,21に熱圧着性異方性導電シート7,8を介して接合してもよい。
表面波センサ装置1を用いて液体試料中の物質を検出する工程を説明する。まず、図3に示すように、表面波センサ装置1の第1,第2の弾性表面波素子11,21上に全体としての液体31a,31bを付着させる。この液体31a,31bを付着させるに際しては、たとえばピペットなどにより液体を採取し、弾性表面波素子11,21の上面に付与してもよく、あるいはシリンジ等を用いてもよい。いずれにしても、比較的少量の、たとえば1μL〜1mL程度の液体付着させて検出を行うことができる。この場合、液体31a,31bには、測定対象である抗体または抗原が含有されている。すなわち、検出膜28に固定化されている抗原または抗体と免疫反応により結合する抗体または抗原を含む検体が液体31a,31bとして供給される。
弾性表面波素子21上においては、検出膜28に上記抗原または抗体が固定化されているので、液体31b中の抗体または抗原が抗原または抗体と免疫反応により結合し、免疫複合体を形成する。すなわち、検出膜28に、液体31b中の抗体または抗原が結合されることになる。
他方、弾性表面波素子11においては、検出膜が設けられていないため、液体31a中の抗体または抗原は免疫反応により結合されることはない。
従って、次に図3に示す状態から弾性表面波素子1において、液体31a,31bを除去した場合、弾性表面波素子21側においては、液体31b中の抗体または抗原が検出膜28に免疫反応により結合されているため、検出膜28の質量が増加するのに対し、弾性表面波素子11側においては圧電基板12に付加される荷重は変化しない。
よって、弾性表面波素子28側における圧電基板22に加わる荷重の変化に起因する出力と、弾性表面波素子11側における出力との差により、検出膜に結合されている抗体または抗原の有無を検出することができる。
さらに、予め、既知濃度の抗体または抗原を含む標準液体試料を用いて検量線を作成しておけば、液体31b中に存在していた抗体または抗原の量すなわち液体31bにおける抗体または抗原の濃度をも定量することができる。
加えて、表面波センサ装置1では、液体31a,31bが付与される部分、すなわち圧電基板12,22の第1の主面12a,22a上においてはIDT13,14などの電極は絶縁性保護膜17,27で覆われている。従って、液体31a,31bが電極に直接接触するおそれはない。
加えて、IDT13,14と、外部と電気的に接続するための端子電極6a〜6dとの電気的接続部分は、ベース基板2及び圧電基板12,22の内部に設けられたスルーホール導体5a〜5d,16a,16b,26a,26bと、熱圧着性異方性導電シート7,8とからなる部分である。ここで、スルーホール導体5a〜5d,16a,16b,26a,26bはベース基板2や圧電基板12,22に埋設されており、液体と直接接触し難い。また、異方性導電シート7,8は、上述したように、その面方向においては電気的絶縁性を有する。従って、液体31a,31bが、たとえばベース基板2と圧電基板12との間において熱圧着性異方性導電シート7の側面に付着したとしても、液体とスルーホール導体5aなどとが導通することはない。
よって、本実施形態では、液体試料を用いた場合の所望でない短絡による測定不良や測定値の変動が生じ難く、さらに経時よる測定精度の劣化も生じ難い。
よって、液体中の検出物質の有無及び検出物の定量を高精度に行うことができ、測定の信頼性を大幅に高め得る。
また、上記のように、熱圧着性異方性導電シート7,8を介して、ベース基板2に弾性表面波素子11,21を圧着し、接合することにより得られるため、製造工程の簡略化及び部品点数の低減を果たすことができ、ひいては表面波センサ装置1の小型化及び低コスト化も図り得る。従って、たとえばメディカル分野において、血液や体液を検体として用いるバイオセンサとして、表面波装置1を好適に用いることが可能となり、かつ該表面波センサ装置1は、安価に構成されるため、使い捨て可能なセンサとして提供することも容易である。
なお、上記実施形態では、複数の弾性表面波素子11,21のそれぞれに対応して熱圧着性異方性導電シート7,8が組み合わされていたが、1枚のベース基板2上に1枚の大きな熱圧着性異方性導電シートを介して複数の熱弾性表面波素子を接合してもよい。すなわち、熱圧着性異方性導電シート7,8を一体化してもよい。
また、上記測定方法では、第1,第2の弾性表面波素子11,21上に、それぞれ、液体31a,31bをピペット等などにより付着させていたが、図4に示すように、第1,第2の弾性表面波素子11,21の上面を覆うように、大きな液滴32を付着させて測定を行ってもよい。
さらに、図5は、上記実施形態の弾性表面波センサ装置1の変形例を説明するための要部を拡大して示す部分切り欠け正面断面図である。図5に示す変形例の表面波センサ装置41では、図1に示した弾性表面波センサ装置1の第2の表面波素子21が設けられている部分に相当する部分が示されている。すなわち、ベース基板2上において、第2の弾性表面波素子21が上記実施形態と同様にして実装されている。異なるところは、弾性表面波素子21を囲むように、上方に開いた開口42aを有する枠体42がベース基板2の第1の主面2aに固定されていることにある。枠体42は適宜の絶縁性材料から構成され得る。枠体42で囲まれた空間を形成することにより、弾性表面波素子21の検出膜28上に液体を供給した際の該液体の側方への漏洩を防止することができる。すなわち、枠体42外への液体の漏洩を防止することにより、液体がベース基板2の第2の主面2b側に回り込むことを防止することができる。
従って、好ましくは上記枠体42は、ベース基板2の第1の主面2aに液密的に固定される。また、図5に示されているように、より好ましくは、第2の弾性表面波素子21の圧電基板22及び熱圧着性異方性導電シート8の側面に液密的に接触するように枠体42を設けることが望ましく、それによって液体の弾性表面波素子21の下方への漏洩を防止することができる。
なお、図5では、第2の弾性表面波素子21側のみを示したが、同様に、第1の弾性表面波素子11側においても枠体を設けることが望ましい。
なお、図5では、絶縁性材料からなる枠体42を弾性表面波素子の周囲に配置したが、本発明においては、枠体に限らず、弾性表面波素子がベース基板の第1の主面上において取り付けられる領域を少なくとも除くように、ベース基板の第1の主面上に、絶縁性材料部材を設けることが望ましく、このような絶縁性材料部材としては、上記のような枠体42に限らず、絶縁膜を形成してもよい。いずれにしても、弾性表面波素子が取り付けられている領域外への液体の漏洩を上記絶縁性部分により防止することができ、所望でない短絡を防止することができる。
図6は、上記実施形態の弾性表面波センサ装置1のさらに他の変形例を説明するための部分切り欠け正面断面図である。表面波センサ装置1では、上記検出膜28が第2の弾性表面波素子21で用いられていたが、図6に示す第2の弾性表面波素子51のように、絶縁性保護膜57が検出膜を兼ねていてもよい。すなわち、ここでは、絶縁性保護膜57が液体試料中の抗体または抗原と反応する抗原または抗体を固定化された合成樹脂膜により構成されている。このように、本発明においては、検出膜は、絶縁性保護膜と別途も受けられる必要は必ずしもなく、その場合には、弾性表面波素子の構造のより一層の簡略化を図ることができる。
また、第1の実施形態では、1枚のベース基板2上に、複数の弾性表面波素子11,21が配置されており、複数の弾性表面波素子11,21の内、1つの弾性表面波素子11において検出膜が設けられず、他の弾性表面波素子21において検出膜が設けられていたが、図7に示すように3以上の弾性表面波素子61〜63が1つのベース基板2上に実装されていてもよい。表面波センサ装置71は、検出膜72,73が設けられた弾性表面波素子62,63において、検出膜72,73が互いに異なる検出物質と反応するように構成されていてもよい。その場合には、複数種の液体中の検出物質を、表面波センサ装置71により測定することができる。
また、図1に示した実施形態では、検出膜28は、合成樹脂膜に抗原または抗体が固定されていた構造を有していたが、検出膜としては、免疫反応以外の生化学反応を利用して、液体中の検出物質を結合してもよい。
さらに、生化学反応以外の、化学反応により液体試料中の検出物質が検出膜に結合されて検出膜の質量が増加する用途にも本発明を適用することができる。その場合には、検出膜28として、液体試料中の化学物質と反応する化学物質を結合もしくは含有させておけばよい。
また、本発明においては、検出膜は必ずしも必須ではなく、液体の付着の有無のみ検出する様に構成されてもよい。すなわち、ベース基板2に対し、図1に示した第1の弾性表面波素子11のみが実装されていてもよい。その場合には、第1の弾性表面波素子11上への液体の付着の有無による荷重の変化により、液体の付着の有無を検出することができる。すなわち、本発明に係る表面波センサ装置は、液体検出センサとしても用いられ得る。
また、ベース基板2上に、図1に示した第2の弾性表面波素子21のみが実装されて表面波センサ装置が構成されていてもよい。その場合には、予め濃度が既知である標準試料により、複数の表面波センサ装置を用いて検量線を作成しておき、実際の液体試料を定量する場合には、1つの弾性表面波素子21のみが実装された表面波センサ装置1を用いて測定し、上記検量線から液体中の検出物質の濃度を求めればよい。従って、本発明に係る表面波センサ装置では、ベース基板上に、1つの弾性表面波素子のみが実装されていてもよい。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る弾性表面波センサ装置の略図的正面断面図である。
表面波センサ装置81は、ベース基板82を有する。ベース基板82には、第1のスルーホール導体が設けられていない。ベース基板82は、第1の主面82aと、第1の主面82aに対向している第2の主面82bとを有する。そして、第1の主面82a上に、図1に示した実施形態と同様に、第1,第2の弾性表面波素子が実装されている。もっとも、図8では、第2の表面波素子21が配置されている部分のみが示されている。
また、ベース基板83の第1の主面82a上に、端子電極83a,83bが形成されている。そして、端子電極83a,83b上において、熱圧着性異方性導電シート7を介して、第2の弾性表面波素子21のスルーホール導体26a,26bが電気的に接続されている。言い換えれば、スルーホール導体26a,26bと、熱圧着性異方性導電シート8を介して重なり合う位置に、上記端子電極83a,83bが配置されている。また、端子電極83a,83bは、熱圧着性異方性導電シート8が設けられている領域外に引き出されており、外部と電気的に接続することが可能とされている。
本実施形態においても、検体としての液体は、第2の弾性表面波素子21のIDTが設けられている第1の主面22a側から付与され、弾性表面波素子21の他の部分との電気的接続を行うための端子電極83a,83bは、圧電基板12の第2の主面22b側に配置されている。しかも、電気的接続部分が端子電極83a,83bが設けられている部分を除いては露出していないため、液体の付着による所望でない短絡を防止することができる。
もっとも、第2の実施形態では、端子電極83a,83bが上方に露出しているため、好ましくは、第1の実施形態のように、第1のスルーホール導体5a〜5fにより電気的接続部分をベース基板2の第2の主面2b側に引き出すことが望ましい。
なお、表面波センサ装置81では、図8では図示されていないが、第1の弾性表面波素子11が、第2の弾性表面波素子21と同様にしてベース基板82上に実装されている。

Claims (10)

  1. 対向し合う第1,第2の主面を有するベース基板と、
    前記ベース基板の第1の主面から第2の主面に貫通するように設けられた第1のスルーホール導体と
    前記ベース基板の第2の主面において前記第1のスルーホール導体に電気的に接続されるように設けられた端子電極と、
    前記ベース基板の第1の主面上において、前記スルーホール導体の端部に電気的に接続されるように配置された熱圧着性異方性導電シートと、
    前記熱圧着性異方性導電シートにより前記ベース基板に接着されている弾性表面波素子とを備え、
    前記弾性表面波素子は、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電基板と、圧電基板の第1の主面に形成された少なくとも1つのIDTと、該IDTを被覆するように設けられた絶縁性保護膜と、前記IDTに電気的に接続されており、かつ前記圧電基板の第1の主面から第2の主面に至るように設けられた第2のスルーホール導体とを備え、
    第2のスルーホール導体が前記熱圧着性異方性導電シートにより前記ベース基板の第1のスルーホール導体に電気的に接続されるように、前記第1,第2のスルーホール導体が熱圧着性異方性導電シートを介して重なり合うように配置されていることを特徴とする、表面波センサ装置。
  2. 対向し合う第1,第2の主面を有するベース基板と、
    前記ベース基板の第1の主面に設けられた端子電極と、
    前記ベース基板の第1の主面上において、前記端子電極に電気的に接続されるように配置された熱圧着性異方性導電シートと、
    前記熱圧着性異方性導電シートにより前記ベース基板に接着されている弾性表面波素子とを備え、
    前記弾性表面波素子は、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電基板と、圧電基板の第1の主面に形成された少なくとも1つのIDTと、該IDTを被覆するように設けられた絶縁性保護膜と、前記IDTに電気的に接続されており、かつ前記圧電基板の第1の面から第2の面に至るように設けられたスルーホール導体とを備え、
    前記スルーホール導体が前記熱圧着性異方性導電シートにより、前記ベース基板の前記端子電極に電気的に接続されるように、前記スルーホール導体と端子電極とが熱圧着性異方性導電シートを介して重なり合うように配置されていることを特徴とする、表面波センサ装置。
  3. 前記ベース基板の第1の主面上において、前記弾性表面波素子が取り付けられる領域を少なくとも除くように前記ベース基板の第1の主面に設けられた絶縁性材料部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の表面波センサ装置。
  4. 前記弾性表面波素子が、特定の物質と反応して質量を増加させ、該質量増加分に応じた荷重を前記圧電基板に加える検出膜をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面波センサ装置。
  5. 前記絶縁性保護膜が、前記検出膜を兼ねている、請求項4に記載の表面波センサ装置。
  6. 前記絶縁性保護膜上に、前記検出膜が積層されている、請求項4に記載の表面波センサ装置。
  7. 1つのベース基板上に前記弾性表面波素子が複数実装されており、
    複数の弾性表面波素子の内少なくとも1つの弾性表面波素子において、前記検出膜が設けられており、残りの弾性表面波素子の内少なくとも1つの弾性表面波素子が前記検出膜を有しないことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の表面波センサ装置。
  8. 1つのベース基板上に前記弾性表面波素子が複数実装されており、複数の弾性表面波素子がそれぞれ前記検出膜を有し、少なくとも1つの弾性表面波素子の検出膜が、他の弾性表面波素子の検出膜と異なる物質に対して反応する検出膜である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の表面波センサ装置。
  9. 前記検出膜が、生化学物質と生化学反応により反応して質量を増加させる検出膜であり、それによってバイオセンサが構成されている、請求項4〜8のいずれか1項に記載の表面波センサ装置。
  10. 前記検出膜に抗原または抗体が固定化されており、前記生化学物質が、抗体または抗原であり、前記生化学反応が免疫反応である、請求項9に記載の表面波センサ装置。
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