JPH0545338A - 弾性波素子とそれを用いた溶液物性測定装置 - Google Patents

弾性波素子とそれを用いた溶液物性測定装置

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JPH0545338A
JPH0545338A JP3200931A JP20093191A JPH0545338A JP H0545338 A JPH0545338 A JP H0545338A JP 3200931 A JP3200931 A JP 3200931A JP 20093191 A JP20093191 A JP 20093191A JP H0545338 A JPH0545338 A JP H0545338A
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elastic wave
difference
wave element
temperature
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JP3200931A
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Toshio Sato
敏夫 佐藤
Ryohei Mogi
良平 茂木
Hiroshi Okajima
洋 岡嶋
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度による影響が小さい、弾性波を用いた溶液
物性測定装置を提供することを目的とする。 【構成】互いに特性の異なる主弾性波素子Cと副弾性波
素子Dとに、発信手段の発生させる信号を入力し、その
差分を差分検出手段16より検出する。演算手段18
は、この差分と両測定系の温度差との相関関係を示す温
度差依存性情報と、周波数を変えて測定した複数の差分
とに基づいて目的の物性値を算出する。 【効果】周囲と溶液との温度差による誤差を排除した測
定ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘性や弾性等の溶液物
性を、弾性波素子を用いて測定する弾性波素子とそれを
用いた溶液物性測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、弾性波素子を用いた溶液物性測
定装置について説明する。
【0003】図5は従来の溶液物性測定用の弾性波素子
の斜視図である。
【0004】該素子は、圧電基板1の一平面上に、信号
入力用のくし型電極2(以下、「IDT2」という)
と、信号出力用のくし型電極3(以下、「IDT3」と
いう)とが設けられている。また、このIDT2,3の
設けられている面と同一の面上には、このIDT2とI
DT3との間に測定用池4が設けられていた。この測定
用池4は、所定の形状の”枠”を、該圧電基板1上に接
着することにより形成されていた。
【0005】なお、これ以降の説明においては、方向を
示すのに図5に示したX1,X2,X3の方向を基準と
して説明する。
【0006】この従来素子を使用した装置で測定を行う
場合、まず、最初に測定用池4に測定対象である溶液を
入れておく。
【0007】この状態で、IDT2に測定用の信号を入
力すると、圧電基板1内に比較的大きなX2方向の成分
を持つ表面波(以下、「SH−SAW」という。Shear
Horizontal-Surface Acoustic Wave)が励振される。
【0008】そして、このSH−SAWは、圧電基板1
の表面を伝搬し、IDT3により検出される。
【0009】該SH−SAWの伝搬経路上には、測定用
池4が存在するため、測定溶液の触れた圧電基板表面の
部分においては、上述のSH−SAWの位相速度が、V
pから(Vp−ΔVp)に変化する。そのため、この位
相速度の変化は、IDT3の検出信号においては、位相
変化、Δθとして検出される。
【0010】また、位相のみならず振幅も変化し、これ
は、減衰変化、Δαとして検出される。
【0011】ところで、SH−SAWの位相速度Vp等
を変化させる要因としては、溶液の粘度や誘電率、さら
に周囲温度や測定溶液の温度に影響される基板の温度が
ある。
【0012】そのため、例えば粘性を測定する際には、
この温度と誘電率による影響を取り除く必要がある。
【0013】そのため従来は、図6に示すように、直
接、溶液を測定する測定系Aとは別に、測定系Aと同じ
特性を有する測定系Bを用意していた。そして、測定系
Aの測定用池4には溶液を入れ、一方、測定系Bには溶
液を入れることなく、両測定系に発信器6の発生する同
一の信号を入力していた。そして、両測定系のIDT3
により検出される信号の位相差を位相差検出回路7で取
り出すことにより温度補償を図っていた。
【0014】また、この両方の測定系A,Bについて、
溶液のもつ誘電率が表面波の伝搬に影響を与えないよう
に、圧電基板1の裏表両面に接地導体(図示せず)を設
け、これを短絡させることにより、誘電率による影響を
排除していた。
【0015】つまり、ある温度において、測定系Aで検
出される位相変化は、
【0016】
【数1】 ΔθA=ΔθTA+Δθη (数1) ΔθA:測定系Aにおける位相差の検出値 ΔθTA:ΔθA中の温度による位相差の成分 Δθη:ΔθA中の溶液の粘度による位相差の成分 で示される。一方、同じ温度において、測定系Bで検出
される位相変化は、
【0017】
【数2】 ΔθB=ΔθTB (数2) ΔθB:測定系Bにおける位相差の検出値 ΔθTB:ΔθB中の温度による位相差の成分 で示される。
【0018】この場合、測定系Aと測定系Bとは、同じ
温度で行っているから
【0019】
【数3】 ΔθTA=ΔθTB (数3) である。
【0020】従って、数1、数2、数3を連立させて計
算し、粘度による位相差の成分Δθηだけを算出してい
た。
【0021】ところで、位相差Δθηと粘度ηとの間に
は、数4のような関係が成り立っていることが分かって
いる。
【0022】
【数4】
【0023】この場合、SH−SAWは圧倒的にX2方
向の成分が大きく、他の方向の成分は無視することがで
きるため、数4は数5のように近似することができ、
【0024】
【数5】
【0025】となる。
【0026】従って、この数5に、上記算出したΔθη
と、予め測定しておいた溶液の密度ρを代入して、粘度
を得ていた。
【0027】次に、溶液の誘電率を測定する場合につい
て図7を用いて説明する。
【0028】誘電率を測定する場合にも、上記粘度を測
定する場合と同じように二つの測定系A’,B’を用い
て行っていた。
【0029】測定系A’は、IDT2a,3aからな
り、測定系B’はIDT2b,3bから成る。また、両
測定系は、測定対象の溶液を入れるための測定用池4’
を共有するように、圧電基板1’上に並べて配置されて
いた。
【0030】そして、測定系A’には、その弾性波の伝
搬経路上に接地導体5を設けているのに対し、測定系
B’にはこのような接地導体を設けていない。そのた
め、測定系A’の検出結果は、測定用池4’内の溶液の
誘電率の影響を受けないのに対し、測定系B’の検出結
果は影響を受ける。なお、温度や、溶液の粘度の影響は
両測定系とも同じように受けている。
【0031】従って、この場合も上述の粘度の測定の場
合と同様に両測定系の位相差を取り出すことにより、粘
度、温度の影響をなくして、誘電率を算出していた。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
においては、周囲温度による影響を、上述のとおり温度
補償用の測定系Bとの位相差を検出することによって除
去していたが、測定溶液の温度は周囲温度と必ずしも一
致するものではなく、温度補償が十分に行われていなか
った。言い替えれば、上記した数3の条件が成り立って
いない場合があった。
【0033】そのため、正確な測定を行おうとすると、
溶液温度が周囲温度と同じになるまで測定を開始するこ
とができなかった。
【0034】本発明の目的は、溶液温度や周囲温度によ
る影響を小さくし、測定を正確かつ迅速に行うことので
きる弾性波素子とそれを用いた溶液物性測定装置を提供
することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、弾性波素子を利用し溶液の
物性を測定する溶液物性測定装置であって、測定に際
し、溶液の所望の物性の影響を受ける主弾性波素子と、
該物性の影響を受けないこと以外は主弾性波素子と同一
の特性を有する副弾性波素子と、複数種類の交流信号を
発信可能で、発信した交流信号を、上記主弾性波素子と
上記副弾性波素子とに同時に入力する発信手段と、上記
発信手段が入力した信号についての、上記主弾性波素子
と上記副弾性波素子との出力信号の差分を検出する差分
検出手段と、上記差分と両測定系の温度差との相関関係
を示す温度差依存性情報を有する記憶手段と、上記発信
手段の発信する複数種類の交流信号に対応して上記差分
検出手段の検出する複数の差分と上記温度差依存性情報
とを用いて、上記物性に依存する項と、上記温度差に依
存する項とを含む連立方程式をたて、これを解くことに
より上記主弾性波素子と上記副弾性波素子との温度差に
よる影響を排した上記物性値を算出する演算手段とを備
えたことを特徴とする溶液物性測定装置が提供される。
【0036】なお、上記差分は、上記出力信号の位相
差、あるいは減衰量の差であってもよい。
【0037】他の態様としては、測定の目的とする溶液
物性および温度の影響を受ける主測定系と、温度の影響
は受けるが該溶液物性の影響を受けない副測定系とを有
し、両測定系の測定値を比較して、温度補償を行う溶液
物性測定方法であって、複数の上記比較結果と、両測定
系の温度差との相関関係とに基づいて、両測定系の温度
差を排除する溶液物性測定方法が提供される。
【0038】
【作用】発信手段により、主弾性波素子と、副弾性波素
子とに同時に信号を入力する。そして、両素子の出力信
号の差分、例えば、位相差や減衰量の差を差分検出手段
により検出する。これを、弾性波の周波数を変更して、
複数回、繰り返す。
【0039】また、記憶手段に、該差分と、主弾性波素
子と副弾性波素子との温度差との相関関係を予め測定し
温度差依存性情報として記憶しておく。
【0040】演算手段は、温度差依存性情報と、上記複
数回の測定によりえられた結果と、該物性値について予
め分かっている所定の関係式に基づいて、連立方程式を
たて、これを解くことにより目的とする物性値を算出す
る。
【0041】この連立方程式は、温度差に依存する項
と、該物性に依存する項とを含む示す式からなるもので
ある。
【0042】なお、該物性値についての予め分かってい
る関係式とは、例えば、粘性と位相差については、上述
の数4、数5である。また、粘性と減衰量の差について
は、後述の数15、数16である。ただし、これに限定
されるものではなく、他の関係式を用いても構わない。
【0043】
【実施例】本発明の一実施例を、図1を用いて説明す
る。
【0044】本実施例の溶液物性測定装置の概略図を図
1に示す。
【0045】該溶液物性測定装置は、液体の粘度の測定
を目的としたもので、発信器10、発信器10’、スイ
ッチ12、弾性波素子センサ14、位相差検出回路1
6、演算部18、メモリ20から主に構成される。
【0046】発信器10、発信器10’は、測定に使用
する弾性波を生じさせるための電気信号を発生させるた
めのものである。
【0047】本実施例においては、発生させる弾性波に
ついて図2、図3を用いて説明する。
【0048】図2は圧電基板の両面を短絡した場合のI
DTの伝搬特性を示したものである。縦軸は、挿入損失
であり、この数値が0dBに近いほど、損失が少なく、
モ−ドの感度が大きい。横軸は周波数である。
【0049】図3は、X2成分が比較的大きい場合の圧
電基板内の粒子変位分布を示したものである。横軸は、
規格化厚さであり、基板の両面を±1にとっている。縦
軸は、相対粒子変位であり、最も大きい変位成分を1と
している。
【0050】弾性波には図2に示すように基板の厚さと
周波数によって決まる様々な弾性波が存在するが、本実
施例においてはその中で図3に示すような圧電基板の両
面においてX2方向成分が比較的大きく励振される周波
数の弾性波を使用して測定するようになっている。
【0051】本実施例においては、発信器10、10’
の信号は、弾性波(本明細書中、表面波以外の弾性波を
「弾性波」という。)を発生させる周波数に設定されて
いる。そして、この発信器10、発信器10’の発生す
る信号は、スイッチ12を切り替えることにより、いず
れか一方のみが、弾性波素子センサ14に出力される構
成と成っている。
【0052】なお、本実施例においては、発信器10と
発信器10’の二種類の周波数を用いることとしている
が、これに限定されるものではなく、後述するように測
定する物性や測定値の範囲に応じて、更に多くの弾性波
を使用する構成としても構わないことは言うまでもな
い。
【0053】弾性波素子センサ14は、内部に二つの測
定系を有した構成と成っている。なお、この弾性波素子
センサ14の詳細については、図4を用いて後ほど詳細
に説明する。
【0054】位相差検出回路16は、上述した弾性波素
子センサ14の二つの測定系から出力される信号の位相
差を検出するためのものである。この位相差は、従来技
術の説明において述べたとおり、測定対象となっている
溶液、つまり、圧電基板表面に付着している溶液の粘
度、誘電率、温度等により発生するものである。
【0055】演算部18は、位相差検出回路16の検出
した位相差および、メモリ20に予め記憶されているデ
−タに基づいて、所望の物性値を算出する機能を有して
いる。なお、この算出した値は、図には示していない表
示装置や記録装置、あるいは他のデ−タ処理装置に出力
する構成となっている。この演算処理の内容について
は、動作説明と併せて、のちほど詳細に説明する。
【0056】メモリ20には、発信器10、発信器1
0’により発生される弾性波について、位相差検出回路
16により検出される位相変化量と温度との関係を示す
デ−タ等の演算部18の必要とする各種デ−タが予め記
憶されている。
【0057】図4を用いて弾性波素子センサ14を詳細
に説明する。
【0058】図4はその回路構成を示している。
【0059】弾性波素子センサ14内の回路構成は、図
5、図6に示した従来技術と基本的には同じである。つ
まり、測定対象の溶液を入れる測定用池140を有する
測定系Cと、測定用池を有さない参照用の測定系Dとか
ら成る。そして、各測定系は、圧電基板144上に設け
られた入力用と出力用のIDT146により構成されて
いる。また図には示していないが、両測定系とも、その
圧電基板144の裏表両面に接地導体を設けさらに、両
面を短絡させることにより、溶液の誘電率による影響を
除去している点も同様である。
【0060】粘度の測定について説明する。
【0061】まず、測定用池140に測定対象となる溶
液を入れる。
【0062】この状態で、スイッチ12を発信器10に
接続すると、弾性波pが発生し、測定系Cと測定系Dと
の間の位相差Δθp(C-D)を、位相差検出回路16が検
出する。続いて、スイッチ12を発信器10’に切換え
ると、弾性波qが発生し、測定系Cと測定系Dとの間の
位相差Δθq(C-D)を、位相差検出回路16が同様に検
出する。
【0063】弾性波は、圧電基板144の内部を伝搬す
るため、この位相差Δθp(C-D)、Δθq(C-D)は、温度
だけでなく、粘度の影響を受ける。従って、Δθp
(C-D)、Δθq(C-D)は、下記の数6、数7のように表す
ことができる。
【0064】
【数6】 Δθp(C-D)=ΔθpT(C-D)+Δθpη(C-D) (数6) Δθp(C-D):弾性波pを使用した場合に検出される測
定系Cと測定系Dとの位相差 ΔθpT(C-D):Δθp(C-D)中の温度による位相差成分 Δθpη(C-D):Δθp(C-D)中の粘度による位相差成分
【0065】
【数7】 Δθq(C-D)=ΔθqT(C-D)+Δθqη(C-D) (数7) Δθq(C-D):弾性波qを使用した場合に検出される測
定系Cと測定系Dとの位相差 ΔθqT(C-D):Δθq(C-D)中の温度による位相差成分 Δθqη(C-D):Δθq(C-D)中の粘度による位相差成分 なお、両測定系とも、上述の接地導体により溶液の誘電
率による影響は排除されているため、誘電率に依存する
項は含んでいない。
【0066】また、数6、数7の第2項であるΔθpη
(C-D)、Δθqη(C-D)は、上述の数5より、
【0067】
【数8】
【0068】
【数9】
【0069】となる。
【0070】この中で、Pp、Pq、Vp2、Vq2は、そ
れぞれ各弾性波固有のもので、測定前に予め知られてい
るものである。ここで、一般に、非ニュ−トン溶液の粘
度は、周波数によって変化する性質をもつので、この場
合に使用する二つの弾性波は、数8と数9の中の周波数
ωp、ωqが近似した周波数のものを使用する必要があ
る。なお、ニュ−トン溶液の場合、粘度は周波数に依存
しないので、このかぎりではない。
【0071】一方、数6、数7の第1項は、測定系Cと
測定系Dとの間における、温度差と位相差との相関関係
より、
【0072】
【数10】 ΔθpT(C-D)=B1・ΔTC-D (数10) B1:定数 ΔTC-D:測定系Cと測定系Dとの温度差
【0073】
【数11】 ΔθqT(C-D)=B2・ΔTC-D (数11) B2:定数 ΔTC-D:測定系Cと測定系Dとの温度差 とすることができる。
【0074】数10、数11において、ΔθpT(C-D)
ΔθqT(C-D)は、温度の絶対的な値にほとんど依存しな
いことが分かっている。例えば、TC=20、TD=35
の場合のΔθと、TC=50、TD=65の場合のΔθと
は、同じ値を示す。つまり、TC,TDといった絶対的な
温度を必要せず、これらの式を利用する際にはΔTC- D
のみを考慮すればよい。
【0075】なお、この比例定数B1、B2は、あらかじ
めメモリ20に記憶しているものである。
【0076】ここで、数6および数7に、数8、数9、
数10、数11を代入すると、
【0077】
【数12】
【0078】
【数13】
【0079】となる。
【0080】従って、この数12と数13を連立する
と。
【0081】
【数14】
【0082】が得られる。
【0083】そして、数14に、予め求めておいた、溶
液の密度ρと、測定値Δθp(C-D)、Δθq(C-D)等を代
入すると粘度が得られる。
【0084】以上説明したとおり、本実施例において
は、二つの弾性波を用いて測定を行うことにより、周囲
と溶液との温度差の影響を排除した粘度の測定を行うこ
とができる。さらに、溶液のずり弾性Gが無視できない
ような場合でも、3種類の弾性波を使用することによ
り、周囲と溶液との温度差を排した測定が可能となる。
つまり、利用する弾性波の種類を増やすことにより、変
数の種類の増加に対応することができる。
【0085】なお、測定には、弾性波だけでなく、いず
れかは表面波でもよい。
【0086】上記実施例においては、粘度の測定につい
てのみ説明したが、粘度以外の物性値、例えば誘電率の
測定にも適用可能である。
【0087】また、上記実施例においては、位相差Δθ
を検出することにより測定を行っているが、減衰量Δα
を検出することによっても、同様に粘度等の測定が可能
である。その場合には、数5、数6に代わって、下記の
数15と、数16を使用することになる。
【0088】
【数15】
【0089】
【数16】
【0090】また、演算部18の行う具体的な計算は、
上述したものには限られず、他の演算方法により行って
も構わない。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の弾性波を用いて測定することにより、溶液と周囲と
の温度差の影響を除去した測定ができる。そのため、溶
液温度が周囲の温度と等しくなるのを待つことなく、す
みやかに正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概要を示す斜視図である。
【図2】弾性波の存在を示すグラフである。
【図3】圧電基板内の粒子変位分布を示すグラフであ
る。
【図4】弾性波素子の回路構成を示す説明図である。
【図5】測定用池を有する弾性波素子センサの斜視図で
ある。
【図6】従来技術による粘度測定用の回路構成を示す説
明図である。
【図7】従来技術による誘電率測定用の素子の平面図で
ある。
【符号の説明】
1:圧電基板、2:くし型電極(IDT)、3:くし型
電極(IDT、)、4:測定用池、5:接地導体、6:
発信器、10:発信器、12:スイッチ、14:弾性波
素子センサ、16:位相差検出回路、18:演算部、2
0:メモリ、140:測定用池、142:支持板、14
4:圧電基板、146:IDT、A:測定系、B:測定
系、C:測定系、D:測定系。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性波素子を利用し溶液の物性を測定する
    溶液物性測定装置であって、 測定に際し、溶液の所望の物性の影響を受ける主弾性波
    素子と、 該物性の影響を受けないこと以外は主弾性波素子と同一
    の特性を有する副弾性波素子と、 複数種類の交流信号を発信可能で、発信した交流信号
    を、上記主弾性波素子と上記副弾性波素子とに同時に入
    力する発信手段と、 上記発信手段が入力した信号についての、上記主弾性波
    素子と上記副弾性波素子との出力信号の差分を検出する
    差分検出手段と、 上記差分と両測定系の温度差との相関関係を示す温度差
    依存性情報を有する記憶手段と、 上記発信手段の発信する複数種類の交流信号に対応して
    上記差分検出手段の検出する複数の差分と上記温度差依
    存性情報とを用いて、上記物性に依存する項と、上記温
    度差に依存する項とを含む連立方程式をたて、これを解
    くことにより上記主弾性波素子と上記副弾性波素子との
    温度差による影響を排した上記物性値を算出する演算手
    段と、 を備えたことを特徴とする溶液物性測定装置。
  2. 【請求項2】上記差分は、上記出力信号の位相差である
    ことを特徴とする請求項1記載の溶液物性測定装置。
  3. 【請求項3】上記差分は、上記出力信号の減衰量の差で
    あることを特徴とする請求項1記載の溶液物性測定装
    置。
  4. 【請求項4】測定の目的とする溶液物性および温度の影
    響を受ける主測定系と、温度の影響は受けるが該溶液物
    性の影響を受けない副測定系とを有し、両測定系の測定
    値を比較して、温度補償を行う溶液物性測定方法であっ
    て、 複数の上記比較結果と、 両測定系の温度差との相関関係と、 に基づいて、両測定系の温度差を排除する溶液物性測定
    方法。
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Cited By (11)

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