JP4182686B2 - ロジウム錯体触媒の回収方法 - Google Patents

ロジウム錯体触媒の回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ロジウム-3価有機燐錯体触媒を用いたオレフィンのヒドロホルミル化反応において、装置の点検等のために装置内から液を抜き出した際に、装置内に残存する錯体触媒を効率よく回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
オレフィンを水素−一酸化炭素の混合ガスでヒドロホルミル化するアルデヒドの製造方法は公知であり、広く工業化されている。このヒドロホルミル化反応の触媒としては、通常、3価有機燐化合物を配位子とする第8族金属の錯体触媒が用いられている。中でもロジウムは、比較的低温、かつ低圧条件でも良好な触媒活性及びアルデヒドへの極めて高い選択性を示すことから、広く用いられている。
【0003】
特公昭45−10730号公報には、一酸化炭素に錯結合しているロジウムとトリアリール置換された3価燐原子を含有する配位子から構成される錯化合物を触媒とするα-オレフィンのヒドロホルミル化方法が記載されている。また、特開昭62−116587号公報には、可溶性のロジウム−ビスホスファイト錯体、有機溶媒及び遊離のビスホスファイト配位子からなるヒドロホルミル化触媒先駆体組成物が記載されている。更に、特開昭52−12110号公報には、スルホン化されたアリールホスフィンを配位子として含有するロジウム錯化合物を使用するヒドロホルミル化法が記載されている。
【0004】
ヒドロホルミル化反応は、工業的には流通式反応装置を用いて連続方式で大規模に行われており、定期的に反応を停止して、装置の補修や点検が行われる。また、故障が生じたり、反応が不調となったときも、反応を停止して装置の補修や点検を行う。これらの補修・点検に際しては、多くの場合、装置内部の液を抜き出して装置を開放状態とすることが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、装置内から液を抜き出しても、液の一部は壁面等に付着して残存し、この液には錯体触媒が含まれている。また、反応中に液中から析出した錯体触媒やその変性物が壁面に付着していることもある。壁面にこれらの錯体触媒が存在している状態で装置を開放すると、大気中の酸素による酸化反応が起きて発熱し、火災が発生する危険がある。したがって、反応装置の開放に際しては、事前に装置内分に残存している錯体触媒を除去するのが望ましい。
【0006】
残存している錯体触媒の除去方法の一つは、装置を水洗することである。これにより、錯体触媒を洗浄水中に溶解させて除去することができる。一方、錯体触媒、特にその成分のロジウムは高価なので、洗浄廃水と共に廃棄するのは有利ではない。しかし、洗浄排水中の錯体触媒濃度は極めて低いので、洗浄廃水から錯体触媒やロジウムを回収するのは困難である。
【0007】
したがって、本発明は、定期点検などのためにオレフィンのヒドロホルミル化反応の反応装置から液を抜き出した際に、内部に残存している錯体触媒を効率よく回収する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、ヒドロホルミル化反応に用いた反応溶媒ないしはその成分を洗浄液として反応装置を洗浄すれば、溶解した錯体触媒を含む洗浄液は、再開後のヒドロホルミル化反応において反応装置に供給でき、従って錯体触媒が損失とならないことを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、反応溶媒に溶解させたロジウム−3価有機燐錯体触媒の存在下にオレフィンのヒドロホルミル化反応を行う反応装置から、錯体触媒を含む液を抜き出した後に装置内に残存する錯体触媒の回収方法であって、反応装置内を反応溶媒ないしはその成分からなる洗浄液で洗浄して、残存している錯体触媒を洗浄液中に溶解させて回収することを特徴とする方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ロジウム−3価有機燐錯体触媒を用いるα−オレフィン又は内部オレフィンのヒドロホルミル化反応に広く適用できる。プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1等のα−オレフィン、特にプロピレンのヒドロホルミル化反応に適用するのが好ましい。
【0011】
3価の有機燐化合物としては、ロジウムと共にヒドロホルミル化反応の触媒として作用する錯体を形成することが知られている任意の単座配位子又は多座配位子を用いることができる。
例えば、下記一般式(1)〜(11)で表される化合物が挙げられる。
【0012】
【化1】
Figure 0004182686
【0013】
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基などが挙げられる。式(1)で表される化合物としては、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のトリアリールホスフィン;トリシクロヘキシルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン;ブチルジフェニルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン等のアルキルアリールホスフィン;シクロヘキシルジフェニルホスフィン等のシクロアルキルアリールホスフィン等が挙げられる。これらの中で、トリフェニルホスフィンが好ましい。
【0014】
【化2】
Figure 0004182686
【0015】
(式中、R1〜R3は式(1)と同義である。)
式(2)で表される化合物としては、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、n−ブチルジエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリ−n−オクチルホスファイト、トリ−n−ドデシルホスファイト等のトリアルキルホスファイト;トリフェニルホスファイト、トリナフチルホスファイト等のトリアリールホスファイト;ジメチルフェニルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト、エチルジフェニルホスファイト等のアルキルアリールホスファイトなどが挙げられる。また、特開平6−122642号公報に記載されているビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)フェニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)(4−ビフェニル)ホスファイト等も用いることができる。これらの中では、トリフェニルホスファイトが好ましい。
【0016】
【化3】
Figure 0004182686
【0017】
(式中、R4は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、R5は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示す。)
2価の炭化水素基としては、炭素鎖の中間に酸素、窒素又は硫黄原子を含んでいてもよいアルキレン基;炭素鎖の中間に酸素、窒素又は硫黄原子を含んでいてもよいシクロアルキレン基;フェニレン又はナフチレン等の芳香族基;2価の芳香環が直接又は中間にアルキレン基、酸素、窒素若しくは硫黄原子を介して結合した芳香族基;芳香族基とアルキレン基とが直接又は中間に酸素、窒素若しくは硫黄原子を介して結合した基などが挙げられる。1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基などが挙げられる。式(3)で表される化合物としては、ネオペンチル(2,4,6−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、エチレン(2,4,6−t−ブチル−フェニル)ホスファイト等の米国特許第3415906号明細書に記載されている化合物等が挙げられる。更に、式(4):
【0018】
【化4】
Figure 0004182686
【0019】
(式中、R10は式(3)におけるR5と同義であり、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を示し、Qは−CR1112−,−O−,−S−,−NR13−,−SiR1415及び−CO−よりなる群から選ばれる架橋基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基又はアニシル基を示し、R13は水素原子又はメチル基を示し、R14及びR15はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、nは0又は1を示す。)
で表される化合物も用いることができる。式(4)で表される化合物としては、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等の米国特許第4599206号公報に記載されている化合物、及び3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル−(2−t−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスファイト等の米国特許4717775号明細書に記載されている化合物などが挙げられる。
【0020】
【化5】
Figure 0004182686
【0021】
(式中、R6は環状又は非環状の置換基を有していてもよい3価の炭化水素基を示す。)
式(5)で表される化合物としては、4−エチル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン等の米国特許第4567306号明細書に記載されている化合物などが挙げられる。
【0022】
【化6】
Figure 0004182686
【0023】
(式中、R7は式(3)におけるR4と同義であり、R8及びR9はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、a及びbはそれぞれ独立して0〜6の整数を示し(ただし、aとbの和は2〜6である)、Xは(a+b)価の炭化水素基を示す。)
式(6)で表される化合物としては、6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1’−ジメチルエチル)−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェビン等の特開平2−231497号公報に記載されている化合物、式(7):
【0024】
【化7】
Figure 0004182686
【0025】
(式中、Yはアルキレン、アリーレン及び−Ar1−(CH)x−Qn−(CH)y−Ar2−よりなる群から選ばれた2価の基を示し、R16及びR17はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Ar1、Ar2、Q、x、y、nは式(4)と同義である。Ar1、Ar2、Qが複数あるとき、それぞれは異なっていてもよい。)
で表される化合物、並びに特開昭62−116535号公報及び特開昭62−116587号公報に記載されている燐化合物が挙げられる。
【0026】
【化8】
Figure 0004182686
【0027】
(式中、Y、Ar1、Ar2、Q、x、y、nは式(7)と同義であり、R18は式(3)におけるR4と同義である。)
【0028】
【化9】
Figure 0004182686
【0029】
(式中、R19及びR20はそれぞれ独立して芳香族炭化水素基を示し、かつ少なくとも一方の芳香族炭化水素基は、酸素原子が結合する炭素原子に隣接する炭素原子に炭化水素基を有しており、mは2〜4の整数を示し、各−O−P(OR19)(OR20)基は互いに異なっていてもよく、Zは置換基を有していてもよいm価の炭化水素基を示す。)
式(9)で表される化合物としては、特開平5−178779号公報、又は2,2’−ビス(ジ−1−ナフチルホスファイト)−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル等の特開平10−45776号公報に記載されている燐化合物が好ましい。
【0030】
【化10】
Figure 0004182686
【0031】
(式中、R21〜R24は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R21とR22、R23とR24が互いに結合して環を形成していてもよく、Wは置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、Lは置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)
式(10)で表される化合物としては、特開平8−259578号公報に記載の燐化合物が挙げられる。
【0032】
【化11】
Figure 0004182686
【0033】
(式中、R25〜R28は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を示し、R25とR26、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。A及びBは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、nは0又は1の整数を示す。)
ここで1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基等が挙げられる。2価の炭化水素基としては、炭素鎖の中間に酸素、窒素又は硫黄原子を含んでいてもよいアルキレン基;炭素鎖の中間に酸素、窒素又は硫黄原子を含んでいてもよいシクロアルキレン基;フェニレン又はナフチレン等の芳香族基;2価の芳香環が直接又は中間にアルキレン基、酸素、窒素若しくは硫黄原子を介して結合した芳香族基;芳香族基とアルキレン基とが直接又は中間に酸素、窒素若しくは硫黄原子を介して結合した基などが挙げられる。
【0034】
更に、特公昭52−12110号公報に記載されているような、スルホン化された有機燐ホスフィンを用いることもできる。
以上の燐化合物は、1種を錯体触媒の配位子として用いることも、2種以上を混合して錯体触媒の配位子として用いることもできる。また、3価の有機燐化合物とトリフェニルホスフィンオキシド等の5価の有機燐化合物とを混合して用いることもできる。
【0035】
錯体触媒は、周知のようにヒドロホルミル化反応系中で形成させても、予め調製して用いてもよい。
ロジウム源としては、任意のロジウム化合物を用いることができる。ロジウム化合物としては、酢酸ロジウム、三塩化ロジウム、及び硝酸ロジウム等が挙げられる。このうち、酢酸ロジウムが好ましい。
【0036】
上述の有機燐化合物とロジウム化合物とからの錯体触媒の調製は、公知の方法で行うことができる。例えば、溶媒中にロジウム化合物及び3価有機燐化合物を加え、水素−一酸化炭素の混合ガス雰囲気中で、60〜200℃、常圧〜20MPaで反応させることにより調製することができる。溶媒は、ヒドロホルミル化反応の溶媒と同一のものを用いるのが好ましい。ロジウム化合物と3価有機燐化合物とは、ロジウムに対する燐のモル比として10〜10000、特に10〜1000で反応させるのが好ましい。
【0037】
ヒドロホルミル化反応の溶媒としては、錯体触媒を溶解し、かつ反応に悪影響を与えないものであれば、任意のものを用いることができる。常温で配位子の3価有機燐化合物の溶解度が0.5重量%以上、特に1重量%以上のものが好ましい。このような溶媒としては、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ブタノール、オクタノール、ポリエチレングリコール等のアルコール類;トリグライム等のエーテル類;ジオクチルフタレート等のエステル類;ヒドロホルミル化反応により生成するアルデヒド又はその二量体、三量体若しくは四量体等のアルデヒド縮合物などが挙げられる。このうち、芳香族炭化水素又はヒドロホルミル化反応で生成するアルデヒドが好ましい。例えば、プロピレンのヒドロホルミル化であれば、トルエンやブチルアルデヒド、又はこれらと反応により副生した高沸点物との混合物を用いるのが好ましい。
【0038】
ヒドロホルミル化反応における水素−一酸化炭素の混合ガスの圧力は、原料のオレフィンにより異なるが、水素分圧は、通常、0.0001〜20MPaであり、0.01〜10MPa、特に0.1〜5MPaが好ましい。一酸化炭素分圧は、通常、0.0001〜20MPaであり、0.01〜10MPa、特に0.1〜5MPaが好ましい。水素分圧/一酸化炭素分圧比は、通常、0.1〜100であり、0.1〜10、特に0.5〜6が好ましい。
【0039】
反応は、通常、15〜300℃で行う。40〜200℃、特に50〜150℃が好ましい。
反応溶媒中のロジウム濃度は、ロジウム金属換算で、通常、0.001〜5重量%である。0.001〜1重量%、特に0.001〜0.1重量%が好ましい。
【0040】
ヒドロホルミル化反応そのものは常法により行うことができる。例えば、錯体触媒が溶解している反応媒体が収容されている気液塔に、溶媒、オレフィン、錯体触媒、及び水素−一酸化炭素の混合ガスを連続的に供給して反応を行わせ、反応器から流出する生成液を蒸留塔で蒸留して、生成したアルデヒドを塔頂から留出させ、塔底から得られる錯体触媒を含む液を反応器に循環する方法を用いることができる。
【0041】
また、錯体触媒が溶解している反応媒体が収容されている反応器にオレフィンと水素−一酸化炭素との混合ガスを連続的に供給して反応を行わせ、生成したアルデヒドを未反応のガスと共にガス状で流出させるガスストリッピング方法を用いることもできる。
本発明に係る回収方法では、ヒドロホルミル化反応を停止し、反応装置内から反応液を貯槽に移送した後、反応装置内を洗浄し、残存している錯体触媒を洗浄液に溶解させて回収する。
【0042】
洗浄液としては、ヒドロホルミル化反応の反応溶媒ないしはその成分を用いる。こうすることにより、洗浄により得られた錯体触媒を含有する洗浄液を、再開後のヒドロホルミル化反応において反応装置に供給しても、反応を阻害するおそれは全くない。例えば、トルエンを主成分とする反応溶媒中でプロピレンのヒドロホルミル化を行う場合には、トルエン又はブチルアルデヒドを用いるのが好ましい。
【0043】
洗浄により得られた錯体触媒を溶解している洗浄液を再開後のヒドロホルミル化反応に用いる際は、洗浄液をそのまま反応装置に供給してもよく、洗浄液から溶媒の一部を留去して濃縮した後、錯体触媒を含む液を反応装置に供給してもよい。また、反応再開時には、反応の停止時に反応装置から抜き出して貯槽に保管しておいた反応液を反応装置に戻すが、これに混合して反応装置に供給してもよい。いずれにしても、本発明方法によれば、洗浄液から錯体触媒を分離しないで再開後のヒドロホルミル化反応に用いることができるので、回収した錯体触媒の再利用が容易である。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
図1の反応装置を用いてプロピレンの連続ヒドロホルミル化反応を行った。
実施例1
CSTR型反応器1を用い、トルエンを反応溶媒としてトリフェニルホスフィンを配位子とするロジウム錯体触媒の存在下、管路5から供給したプロピレンと管路6から供給した水素及び一酸化炭素のモル比が1:1の混合ガス(以下、「オキソガス」という。)とを反応させて、ブチルアルデヒドを連続的に製造した。反応器1から抜き出した反応生成液は管路7から気液分離器2に導入し、気液分離した生成液を管路8から蒸留塔3に供給した。塔頂の管路12からはブチルアルデヒドを留出させ、塔底の管路10からロジウム錯体触媒を含む塔底液を抜き出しこれを触媒液として反応器1に循環させた。なお、触媒液の一部は管路11から蒸留塔4に供給し、蒸留塔4の塔頂の管路14からトルエンを流出させて、反応器1に循環した。塔底液はその一部を管路15から触媒液として反応器1に再循環するとともに、一部を管路13から系外に抜き出し、副生高沸成分が系内に蓄積するのを防止した。反応器に供給された触媒液の組成は、トルエン40重量%、高沸点成分39重量%、トリフェニルホスフィン20重量%、ブチルアルデヒド1重量%、ロジウム約350重量ppmであった。なお、反応器には管路13から抜き出される錯体触媒に相当する量の錯体触媒を供給して系内の触媒量を一定に維持した。
【0045】
長時間運転した後、運転を停止し、反応装置内の液を管路17からタンク16に移送した。次いで、管路19から反応装置内に抜き出した液の0.7容量倍のトルエンを供給し、常温で循環させることにより、装置内を洗浄した後、トルエン溶液を管路17からタンク16に移送した。最後に、反応装置内に管路20からトルエンと同容量の水を供給し70℃で循環させた後、管路21から系外に排出した。洗浄後のトルエン中のロジウム濃度は0.8重量ppm、洗浄後の水中のロジウム濃度は0.01重量ppm以下であった。
【0046】
反応の再開に際しては、タンク16の液を管路18から反応装置に供給し、液を循環させながら、蒸留塔4の塔頂からトルエンを回収した。循環する液中のトルエン濃度が40重量%に減少した後、原料のプロピレン及びオキソガスを供給し、ヒドロホルミル化反応の運転を再開した。運転再開後の反応成績は、運転停止前と同じであり、触媒活性は低下していなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する反応装置の1例である。
【符号の説明】
1 反応器
2 気液分離器
3、4 蒸留塔
5〜15 管路
16 貯蔵設備
17〜21 管路

Claims (5)

  1. 反応溶媒に溶解させたロジウム−3価有機燐錯体触媒の存在下にオレフィンのヒドロホルミル化反応を行う反応装置から、錯体触媒を含む液を抜き出した後に装置内に残存する錯体触媒の回収方法であって、錯体触媒を含む液を抜き出した後、反応装置を開放することなく、反応装置内を反応溶媒ないしはその成分からなる洗浄液で洗浄して、残存している錯体触媒を洗浄液中に溶解させて回収することを特徴とする方法。
  2. 洗浄液として、3価有機燐の溶解度が0.5重量%以上のものを用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 洗浄液として、3価有機燐の溶解度が1重量%以上のものを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 反応溶媒に溶解させたロジウム−3価有機燐錯体触媒の存在下にオレフィンのヒドロホルミル化反応を行い、反応を停止して反応装置内から錯体触媒を含む液を抜き出した後、再び反応装置に反応溶媒に溶解させた錯体触媒を供給してオレフィンのヒドロホルミル化反応を行うヒドロホルミル化反応の停止−再開方法において、錯体触媒を含む液を抜き出した後、反応装置を開放することなく、反応装置を反応溶媒乃至はその成分からなる洗浄液で洗浄して装置内に残存していた錯体触媒が溶解している洗浄液を取得し、これを再開後のヒドロホルミル化反応において反応装置に供給することを特徴とする方法。
  5. トルエンを含む反応溶媒に溶解させたロジウム−3価有機燐錯体触媒の存在下に、プロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応を停止して反応装置内から錯体触媒を含む液を抜き出した後、再び反応装置にトルエンを含む反応溶媒に溶解させた錯体触媒を供給してプロピレンのヒドロホルミル化反応を行うヒドロホルミル化反応の停止−再開方法において、錯体触媒を含む液を抜き出した後、反応装置を開放することなく、反応装置をトルエンを主体とする洗浄液で洗浄して装置内に残存していた錯体触媒が溶解している洗浄液を取得し、これを再開後のヒドロホルミル化反応において反応装置に供給することを特徴とする方法。
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