JP4182417B2 - 機構デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機構デバイスに関し、特に、磁気駆動型の片持ち梁を有する機構デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気駆動型の機構デバイスには、以下に示すようにして製作されるものがある。まず、銅箔が形成されたプリント基板上に半導体製造プロセス及びウェットエッチングを使用して銅箔からなる下部電極の下地をパターニングした後、接点材料とするためと下部電極の下地の酸化を防止するために、下部電極の下地を金メッキで覆い下部電極とする。次に、半導体製造プロセスを使用してパターニングした後、ニッケルメッキで犠牲層を形成する。ここで、犠牲層とは、下方に空隙を有する層(上層)を形成するために、一旦形成され、かつ、その上面に上層が形成された後、エッチング等により除去される層をいう。
【0003】
次に、半導体製造プロセスを使用してパターニングした後、片持ち梁の柱部と、この柱部にその一端が接続され、上部電極となる梁部の基部とを金メッキで形成する。次に、梁部の基部の上面に磁気駆動材料としてのニッケルをメッキした後、酸化を防止するために、金メッキで上記ニッケルを覆い梁部とする。そして、ウエットエッチングを使用して、上記犠牲層と、プリント基板上に残っている不要な銅箔とを除去する。
【0004】
上記工程で製作された機構デバイスでは、プリント基板の裏面側の下部電極直下に設けられた電磁石に印加された所定の電圧に基づいて発生する磁界により上部電極を構成する梁部のニッケル層と下部電極のニッケル層とが磁化してこれらのニッケル層間に磁気吸引力が生じる。これにより、梁部が下部電極側に引き寄せられ、梁部の先端が下部電極の上面に接触してオン状態となる。梁部は、上記したように磁気吸引力により上下に振動するので、その振動幅を大きくするために、梁部の柱部に接続された根本部の幅をそれ以外の部分の幅より狭くするとともに、根本部は金だけの一層構造としている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
有馬尚邦、他2名,「マイクロマシーニングによるマイクロリードスイッチの開発」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,Vol.102,No.26,2002年4月12日,p.17−20
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の磁気駆動型の機構デバイスでは、可動部である梁部の上下方向の振動幅を大きくするために、梁部の柱部に接続された根本部の幅をそれ以外の部分より狭くするとともに、根本部は金だけの一層構造としている。このため、オフ状態における梁部の撓みの程度はわずかである一方、梁部全体の重量が大きいため、オン状態とするためには、大きな磁力が必要であり、電磁石における消費電力が大きい。そのうえ、機構デバイスのオン・オフを何回も繰り返すと、梁部の根本部に繰り返し集中的に負荷が加わる結果、金属疲労により梁部が根本部から折れてしまうおそれがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る機構デバイスは、基板上に形成された上部電極及び下部電極を備え、上部電極は、基板上に下部電極と所定距離離れて形成された柱部と、その一端が柱部の上部に接続されその他端が下部電極と所定距離離れて対向する梁部と、他端に形成された磁性体層とを有し、磁性体層の重量により、磁性層を含めた梁部の重心が下部電極側に偏り、磁性体層を形成しない場合と比較して、梁部が下部電極の上面側に撓む量が増加して、梁部の他端が、下部電極の上面に接触し、磁性体層が受ける磁界により生じる磁気反発力により、梁部の他端が、下部電極の上面から離れる。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1である機構デバイス1の断面図、図2は、同機構デバイス1の斜視図である。
この実施の形態1の機構デバイス1は、プリント基板2と、上部電極3と、下部電極4とから構成されている。
【0009】
プリント基板2は、例えば、ガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基板5と、その表面に銅箔を形成し、不要な銅箔を除去して得られた下地銅箔6及び7とから構成されている。プリント基板2のサイズは、例えば、横2cm、縦1.5cm、厚さ900μmである。下地銅箔6は上部電極3の下地、下地銅箔7は下部電極4の下地である。
【0010】
上部電極3は、上記下地銅箔6と、柱部8と、梁部9と、磁性体層10と、被膜11とから構成されている。柱部8は、金からなり、略直方体状であって、下地銅箔6上に形成されている。梁部9は、金からなり、略T字状であって、その略直方体状の基部9aの一端が柱部8の上部端部の略中央に接続されるとともに、基部9aが下部電極4に向かって延び、基部9aの他端に略直方体状の先端部9bが接続されている。先端部9bは、図1中紙面に垂直な方向に延びるとともに、下部電極4の上方に臨んでいる。
【0011】
柱部8と梁部9とは一体に形成されており、いわゆる片持ち梁状をしている。また、先端部9bの上面には、磁性体層10及び被膜11が形成されている。磁性体層10は、梁部9を磁力により駆動するために形成され、例えば、ニッケルからなる。被膜11は、磁性体層10の剥離防止のために形成され、例えば、金からなる。
【0012】
柱部8のサイズは、例えば、横1000μm、縦800μm、厚さ1μmである。ここで、横とは、図1において左右方向をいい、縦とは、図1において紙面に垂直な方向をいう。以下に示す各部のサイズについても同様である。梁部9の基部9aのサイズは、例えば、横700μm、縦100μm、厚さ1μmであり、梁部9の先端部9bのサイズは、例えば、横200μm、縦300μm、厚さ1μmである。磁性体層10のサイズは、例えば、横150μm、縦250μm、厚さ10μmであり、被膜11のサイズは、例えば、横200μm、縦300μm、厚さ2μmである。梁部9は、図1及び図2に示すように、先端部9bが設けられているとともに、先端部9bに磁性体層10及び被膜11が形成されているので、これらの重量のために撓んでおり、先端部9bの下部と下部電極4の上部との距離は、先端部9bに磁性体層10及び被膜11を形成しない場合に比べて短くなっている。
【0013】
下部電極4は、下地銅箔7の上面に、磁性体層12及び被膜13が順次形成されて構成されている。下地銅箔7は、下地銅箔6から、梁部9の先端部9bがその上方に臨む距離だけ離れて形成されている。磁性体層12は、梁部9を磁力により駆動するために形成され、例えば、ニッケルからなる。被膜13は、接点材料となるとともに、磁性体層13の酸化防止のために形成されたものであり、例えば、ロジウム、イリジウム、あるいは金からなる。下部電極4のサイズは、例えば、横1300μm、縦900μm、厚さ11μmである。なお、図1並びに図2及び後述する各図面においては、各部の形状は、上記一例として示した各部のサイズからくる比率とは一致していない。
【0014】
次に、上記構成の機構デバイス1の製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。まず、絶縁基板5の表面に銅箔21が形成されてなるプリント基板2の表面全面にフォトレジスト(図示略)を塗布する。次に、マスクアライナーでプリント基板2の表面全面に塗布されたフォトレジストを露光した後、現像液で現像するフォトリソグラフィ(photolithography)技術を使用して、図3(a)に示すように、銅箔21のうち、その一部を下地銅箔6とすべき部分、その上面に後述する犠牲層29を形成すべき部分、下地銅箔7とすべき部分をそれぞれ残すために、フォトレジストパターン22〜24を形成する。このフォトレジストパターン22〜24は、プリント基板2の表面に、例えば、8個の機構デバイス分だけ形成する。以下の製造過程におけるフォトレジストパターンの形成についても同様である。
【0015】
次に、ウエットエッチング技術を使用して、例えば、塩化第二鉄により銅箔21のうち不要な部分を除去し、図3(b)に示すように、下地銅箔25、26及び7を形成した後、図3(c)に示すように、フォトレジストパターン22〜24を除去する。次に、プリント基板2の表面全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、上記したフォトリソグラフィ技術を使用して、図3(d)に示すように、図1に示す磁性体層12及び被膜13を形成するための開口部27aを有するフォトレジストパターン27を形成する。
【0016】
次に、上記したフォトレジストパターン27を用いて、磁性体層12を形成するために、電解メッキ装置によりニッケルメッキ処理を行った後、同じく上記したフォトレジストパターン27を用いて、図4(a)に示すように、後述するニッケルからなる犠牲層29((図4(d)参照))をエッチングで除去する際の耐エッチング層であり、接点材料となる、ロジウム、イリジウム、あるいは金からなる被膜13を形成するために、電解メッキ装置によりロジウム、イリジウム、あるいは金のメッキ処理を行う。そして、図4(b)に示すように、フォトレジストパターン27を除去する。
【0017】
次に、プリント基板2の表面全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、上記したフォトリソグラフィ技術を使用して、図4(c)に示すように、図1に示す柱部8及び梁部8を形成するために必要なニッケルからなる犠牲層29((図4(d)参照))を形成するための開口部28aを有するフォトレジストパターン28を形成する。
【0018】
次に、上記したフォトレジストパターン28を用いて、図4(d)に示すように、ニッケルからなる犠牲層29を形成するために、電解メッキ装置によりニッケルメッキ処理を行った後、図5(a)に示すように、フォトレジストパターン28を除去する。犠牲層29のサイズは、例えば、横1500μm、縦250μm、厚さ3μmである。
【0019】
次に、プリント基板2の表面全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、上記したフォトリソグラフィ技術を使用して、図5(b)に示すように、図1に示す柱部8及び梁部9を形成するための開口部30aを有するフォトレジストパターン30を形成する。このフォトレジストパターン30は、図1及び図2に示す、略T字状であって、基部9aと先端部9bとからなる梁部9を形成するために必要な形状をしている。次に、上記したフォトレジストパターン30を用いて、図5(c)に示すように、柱部8及び梁部9を形成するために、電解メッキ装置により金メッキ処理を行った後、図5(d)に示すように、フォトレジストパターン30を除去する。
【0020】
次に、プリント基板2の表面全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、上記したフォトリソグラフィ技術を使用して、図6(a)に示すように、図1に示す磁性体層10を形成するための開口部31aを有するフォトレジストパターン31を形成する。次に、上記したフォトレジストパターン31を用いて、図6(b)に示すように、磁性体層10を形成するために、電解メッキ装置によりニッケルメッキ処理を行った後、図6(c)に示すように、フォトレジストパターン31を除去する。
【0021】
次に、プリント基板2の表面全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、上記したフォトリソグラフィ技術を使用して、図6(d)に示すように、磁性体層10の剥離を防止するための被膜11(図1参照)を形成するための開口部32aを有するフォトレジストパターン32を形成する。次に、上記したフォトレジストパターン32を用いて、図7(a)に示すように、被膜11を形成するために、電解メッキ装置により金メッキ処理を行った後、図7(b)に示すように、フォトレジストパターン31を除去する。次に、ウエットエッチング技術を使用して、例えば、塩化第二鉄及び塩酸により、犠牲層29と、下地銅箔26と、下地銅箔25のうちの不要な部分とを除去することにより、下地銅箔6を形成して、図1に示す機構デバイス1を製作する。
【0022】
次に、上記構成の機構デバイス1の動作について、図8を参照して説明する。図8では、プリント基板2の裏面側の下部電極4直下に電磁石33が設けられている。また、梁部9は、先端部9bが設けられているとともに、先端部9bに磁性体層10及び被膜11が形成されているので、これらの重量のために撓んでおり、先端部9bの下部と下部電極4の上部との距離は、先端部9bに磁性体層10及び被膜11を形成しない場合に比べて短くなっている。
【0023】
このような状態において、電磁石33に所定の電圧を印加すると、電磁石33に図8に矢印で示す向きの磁界34が発生し、この磁界34により、上部電極3を構成する梁部9の先端部9b上に形成されているニッケルからなる磁性体層10と、下部電極4を構成するニッケルからなる磁性体層12とが磁化して磁性体層10と磁性体層12との間に磁気吸引力が生じる。これにより、梁部9の先端部9bが下部電極4側に引き寄せられて撓み、先端部9bが下部電極4の上面に接触し、機構デバイス1はオン状態となる。
【0024】
このようなオン状態において、電磁石33への上記所定の電圧の印加を停止すると、磁界34が消滅し、ニッケルの残留磁化率が低いことから、磁界34の消滅により磁性体層10と磁性体層12との間に生じていた磁気吸引力も消滅する。これにより、梁部9はその弾性力により元の状態に戻ろうとしてその撓みの一部を解消させるため、下部電極4の上面と接触していた先端部9bが下部電極4の上面から離れて持ち上がり、機構デバイス1はオフ状態となる。
【0025】
このように、この実施の形態1によれば、フォトリソグラフィ技術及びウエットエッチング技術を使用して、その表面に銅箔が形成されたガラスエポキシ樹脂からなるプリント基板2の表面に、下部電極4と、下部電極4と所定距離離れた領域に形成された柱部8と、その略直方体状の基部9aの一端が柱部8の上部端部の略中央に接続されるとともに、基部9aが下部電極4に向かって延び、下部電極4と所定距離離れて対向する略直方体状の先端部9bが基部9aの他端に接続された梁部9と、先端部9bの上面に形成された磁性体層10とを有する片持ち梁状の上部電極3とを形成することにより、機構デバイス1を製作している。
【0026】
これにより、オフ状態における梁部9の撓みの程度は従来よりも大きいとともに、梁部9の先端部9bの上面のみに磁性体層10及び被膜11が形成されているだけであるので、梁部9全体の重量は従来に比べて少ない。したがって、この実施の形態1における機構デバイス1をオン状態とするために必要な磁力は従来に比べて少なくて良いので、電磁石33における消費電力を削減することができる。また、梁部9を構成する基部9bは、全体が略直方体状であるとともに、梁部9の先端部9bの上面のみに磁性体層10及び被膜11が形成されているだけであるので、基部9bの柱部8との接続部分にかかる負荷は従来より小さい。したがって、機構デバイス1の耐久性は、従来に比べて向上する。
【0027】
また、この実施の形態1における機構デバイス1は、特殊な加工装置を用いていないので、簡単に製作できるとともに、製作時間が長いスパッタリング法や真空蒸着法を使用しないために、製作時間を短縮することができる。また、ガラスウェハやシリコンウェハに比べて安価なプリント基板2を用いているため、機能デバイスの価格を低減することができる。
【0028】
なお、上記した機能デバイス1のサイズは、試作段階のため大きくなっているが、フォトリソグラフィ技術を使用していることから、機能デバイス1のサイズを数ミクロン単位まで小さくすることは容易であり、1個のプリント基板2上に複数個の機構デバイス1を製作することができる。これにより、機能デバイス1を大量生産することができ、機能デバイスの価格をより一層低減することができる。
【0029】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2である機構デバイス41の断面図である。図9において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図9に示す機構デバイス41においては、図1に示す上部電極3に換えて、上部電極42が新たに設けられている。
【0030】
上部電極42は、下地銅箔6と、柱部8と、梁部9と、磁性体層43と、被膜11とから構成されている。梁部9を構成する先端部9bは、図1中紙面に垂直な方向に延びるとともに、その下面が下部電極4の上面に接触している。すなわち、この実施の形態2である機構デバイス41は、磁界を発生させない状態においてオン状態である、いわゆるノーマリー・オン型である。
【0031】
柱部8と梁部9とは一体に形成されており、いわゆる片持ち梁状をしている。また、先端部9bの上面には、磁性体層43及び被膜11が形成されている。磁性体層43は、梁部9を磁力により駆動するために形成され、例えば、ニッケルからなるが、そのサイズは、上記した実施の形態1における磁性体層10のサイズより大きく、そのために、図9に示すように、先端部9bの下面が下部電極4の上面に接触している。
【0032】
上記構成の機構デバイス41の製造方法は、磁性体層43を形成するためのフォトレジストパターンの開口部が、磁性体層10を形成するためのフォトレジストパターン31の開口部31a(図6(a)参照)と異なる以外は、図3〜図7を参照して説明した機構デバイス1の製造方法と同様である。したがって、機構デバイス41の製造方法については特に説明しない。
【0033】
次に、上記構成の機構デバイス41の動作について、図10を参照して説明する。図10では、プリント基板2の裏面側の下部電極4直下に電磁石44が設けられている。また、梁部9は、先端部9bが設けられているとともに、先端部9bに磁性体層43及び被膜11が形成されているので、これらの重量のために撓んでおり、先端部9bの下部が下部電極4の上面に接触している。すなわち、機構デバイス41はオン状態である。
【0034】
このような状態において、電磁石44に所定の電圧を印加すると、電磁石44に図10に矢印で示す向きの磁界45が発生し、この磁界45により、上部電極42を構成する梁部9の先端部9b上に形成されているニッケルからなる磁性体層43と、下部電極4を構成するニッケルからなる磁性体層12とが磁化して磁性体層43と磁性体層12との間に磁気反発力が生じる。これにより、上記磁気反発力と梁部9自体の弾性力との相乗効果により、梁部9の撓みの一部を解消され、下部電極4の上面と接触していた先端部9bが下部電極4の上面から離れて持ち上がり、機構デバイス1はオフ状態となる。
【0035】
このようなオフ状態において、電磁石44への上記所定の電圧の印加を停止すると、磁界45が消滅し、ニッケルの残留磁化率が低いことから、磁界45の消滅により磁性体層43と磁性体層12との間に生じていた磁気反発力も消滅する。これにより、梁部9は、その先端部9b及び磁性体層43、被膜11の重量により撓み、先端部9bの下部が下部電極4の上面に再び接触して、機構デバイス41はオン状態となる。
【0036】
このように、この実施の形態2によれば、先端部9bの下面が下部電極4の上面に接触するように磁性体層43のサイズを大きくしている。したがって、この実施の形態2である機構デバイス41を、通常時はオン状態であり、必要に応じてオフ状態とされる切換手段として用いる装置に適用した場合には、オフ状態とする場合だけ電磁石44に所定の電圧を印加すれば良いので、上記した実施の形態1の場合に比べて消費電力を削減することできる。
【0037】
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述の各実施の形態においては、梁部9の形状を図1において水平方向(紙面に垂直な方向)に略T字状とする例を示したが、これに限定されず、磁性体層10及び被膜11を含めた梁部9の形状は、これら全体の重心が柱部8側よりも下部電極4側に偏っているために、梁部9の先端部9bが下部電極4の上面側に大きく撓むようになるのであればどのようなものでも良い。例えば、先端部9bの幅は、基部9aと同じままで、その上部又は下部のいずれか一方又は両方に、先端部9bの重量を増すべく、任意形状の錘部を形成する、すなわち、図1において垂直方向(上下方向)に略L字状又は略T字状としても良い。また、梁部9の形状は角柱状とし、その先端部に上記錘部として磁性体層及び被膜を形成しても良い。
【0038】
また、上述の実施の形態2においては、磁性体層43のサイズのみを磁性体層10のサイズより大きくする例を示したが、これに限定されず、先端部9bの形状を大きくしたり、被膜11の厚さを厚くしたりしても良い。
また、上述の各実施の形態においては、磁界34や磁界45を発生するのに電磁石33や電極磁石44を用いる例を示したが、これに限定されず、永久磁石を用いても良い。この場合、機構デバイス1及び41をオフ状態とするには、永久磁石の磁界を何らかの方法で遮断する必要がある。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、基板上に形成された上部電極及び下部電極を備え、上部電極は、基板上に下部電極と所定距離離れて形成された柱部と、その一端が柱部の上部に接続されその他端が下部電極と所定距離離れて対向する梁部と、他端に形成された磁性体層とを有し、磁性体層の重量により、磁性層を含めた梁部の重心が下部電極側に偏り、磁性体層を形成しない場合と比較して、梁部が下部電極の上面側に撓む量が増加して、梁部の他端が、下部電極の上面に接触し、磁性体層が受ける磁界により生じる磁気反発力により、梁部の他端が、下部電極の上面から離れる。したがって、耐久性に優れ、低消費電力の機構デバイスを短時間で安価かつ容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1である機構デバイスの断面図である。
【図2】 同機構デバイスの斜視図である。
【図3】 同機構デバイスの製造工程を示す図(その1)である。
【図4】 同機構デバイスの製造工程を示す図(その2)である。
【図5】 同機構デバイスの製造工程を示す図(その3)である。
【図6】 同機構デバイスの製造工程を示す図(その4)である。
【図7】 同機構デバイスの製造工程を示す図(その5)である。
【図8】 同機構デバイスの動作説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態2である機構デバイスの断面図である。
【図10】 同機構デバイスの動作説明図である。
【符号の説明】
1,41 機構デバイス、2 プリント基板(基板)、3,42 上部電極、4 下部電極、5 絶縁基板、6,7,25,26 下地銅箔、8 柱部、9 梁部、9a 基部、9b 先端部、10,12,43 磁性体層、11,13 被膜、21 銅箔、22〜24,27,28,30〜32 フォトレジストパターン、27a,28a,30a,31a,32a 開口部、29 犠牲層、33,44 電磁石、34,45 磁界。
Claims (1)
- 基板上に形成された上部電極及び下部電極を備え、
前記上部電極は、前記基板上に前記下部電極と所定距離離れて形成された柱部と、その一端が前記柱部の上部に接続されその他端が前記下部電極と所定距離離れて対向する梁部と、前記他端に形成された磁性体層とを有し、
前記磁性体層の重量により、前記磁性層を含めた前記梁部の重心が前記下部電極側に偏り、
前記磁性体層を形成しない場合と比較して、前記梁部が前記下部電極の上面側に撓む量が増加して、前記梁部の前記他端が、前記下部電極の上面に接触し、
前記磁性体層が受ける磁界により生じる磁気反発力により、前記梁部の前記他端が、前記下部電極の上面から離れることを特徴とする機構デバイス。
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JP2004335215A (ja) | 2004-11-25 |
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